JP5003582B2 - 緊急出動指令システム - Google Patents

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Description

本発明は、緊急出動指令システムに係わり、より詳細には、このシステム内の指令室から送信される指令情報の内、個人情報に関わる部分を管理する構成に関する。
従来、緊急出動指令システムの一つである消防指令システムは、例えば、図8に示すブロック図のように構成されていた。図8(A)は消防指令システム全体を、また、図8(B)は音声合成システム部の構成を、それぞれ示している。
図8(A)において、91は緊急通報システム部で、例えば、ガス漏れセンサ、煙センサあるいは緊急通報用ペンダント等による緊急通報を公衆回線等を介して受信し、音声回線を指令台94に接続し、電話による様態確認ができるようにし、また、緊急通報元のID(識別符号)等のデータをLAN95を介し指令台94に送出する。92は119番通報入力部で、公衆回線の電話による119番通報を指令台94に入力する。93は発信地表示システム部で、119番通報に基づいて通報された電話機の電話番号から、その電話が設置されている住所を検索するシステムである。なお、電話機が携帯電話の場合は、通報時点での緯度経度が表示される。
指令台94は、緊急通報システム部91よりの情報、119番通報あるいは発信地表示システム部93よりの情報に基づいて、所要の署所97に対し通信網96、例えば、ISDN(総合ディジタル通信網)等を介し出動等を指令する。この指令は、音声による場合は、LAN95を介し指令情報を音声合成システム部98に入力し、予め登録されている音声データより、指令内容に該当する、例えば、災害区分、住所、あるいは出動車両等のデータを読み出し、所要の順序で音声に合成し、通信網96により指令台94で指定した署所97に送出する。なお、ここで示す『指令情報』とは、事案番号、災害発生の地区名、災害種別、災害住所、通報者、災害現場付近の目物標、災害現場の担当消防団、出動車両などを示しており、このうち、例えば『通報者』の氏名が個人情報となる。
また、指令をファクシミリで行う場合、LAN95を介し指令情報をFAX指令システム部99に入力し、指令情報に基づいてファクシミリ信号に生成し、通信網96を介し指令台94で指定した署所97に送信する。100はメンテナンスパソコンで、指令台94のコンピュータ装置に登録されている情報データ、あるいは音声合成システム部98に登録されている音声データ等の更新・訂正等を行うもので、更新データはLAN95を介して送出する。
図8(B)は音声合成システム部98の一例の要部ブロック図である。図8(B)の81は入力部で、指令台94よりLAN95を介し指令内容のデータを入力する。82は音声データ記憶部で、指令内容別の音声データを記憶する。83は発声パターン記憶部で、指令の発声パターンを記憶する。
84は音声合成部で、入力部81よりの指令内容に相応するデータを音声データ記憶部82より読み出し、発声パターン記憶部83よりのパターンに従って音声に合成する。85は出力部で、音声合成部84よりの合成音声を、通信網96を介し指令台94で指定した署所97に送出する。86は制御部で、音声合成システム部の各部を制御している(例えば、特許文献1参照。)。
また、音声合成部システム部98より出力される合成音声による指令情報は、消防指令システム内に備えられた図示しない無線機を介して、各消防車両や救急車両、さらに、地域の消防団詰所や携帯無線機などにも一斉送信される。このため、この指令情報を受信した隊員や団員は、災害が予想以上に深刻な場合に指令される二次出動の準備を事前に行うことができる。
しかしながら、この指令情報の一斉送信は、災害現場や災害状況など有益な情報と共に、通報者や目撃者、病人の氏名、症状などの個人情報も同時に送信されてしまい、直接、現場に関係ない隊員や消防団員にも個人情報が伝わるという問題があった。
特開平6−243376号公報(第2−3頁、図1)
本発明は以上述べた問題点を解決し、緊急出動指令システムにおいて、指令情報で報知される項目の内、個人情報の項目は該当する事案の関係者のみに配信され、また、該当する事案の関係者以外には個人情報部分をスキップして配信するように、選択的に自動配信する構成を提供することを目的とする。
本発明は上述の課題を解決するため、一部に個人情報を含む緊急通報を受け付けて事案とし、同事案に関連する情報を事案データとして記憶すると共に、同事案に対応するための指令情報を無線で送信する指令手段と、緊急車両や署所などに設置された無線機とを備えた緊急出動指令システムであって、
前記無線機は、前記指令手段から送信され、同一の前記事案に割り当てられたグループ番号に従った個別通信、及び前記グループ番号に関わらない同報通信が可能であり、
前記指令手段は、指令員の操作により入力された前記事案データに基づいて前記指令情報を作成する操作手段と、前記無線機と交信する基地局無線機と、前記無線機に対して特定のグループ番号を指定した送信、または、すべての前記無線機に対する前記同報通信である一斉送信とを、前記基地局無線機を介して実施する指令制御手段とを備え、
前記指令手段は、前記事案データを含む前記指令情報を前記基地局無線機を介して送信する場合、前記個別通信か前記同報通信かの条件により、前記事案データ内の個人情報の項目送信の実施、又は未実施を選択的に行う。
また、前記指令手段は前記個別通信による送信を行う場合、前記指令情報の個人情報の項目を、前記グループ番号を指定して前記無線機に送信する。
さらに、前記事案データ内の項目の内、前記個人情報に該当する項目を識別する識別符号を記憶する記憶手段を前記指令手段に設け、
前記指令手段は前記同報通信による一斉送信を行う場合、前記識別符号が付与された項目と対応する前記指令情報内の個人情報の項目を除外して前記無線機に送信する。
また、前記指令手段は同一事案の前記指令情報を送信する場合、前記一斉送信より先に前記個別通信を実施する。
一方、一部に個人情報を含む緊急通報を受け付けて事案とし、同事案に関連する情報を事案データとして記憶すると共に、同事案に対応するための指令情報を無線で送信する指令手段と、緊急車両や署所などに設置された無線機とを備えた緊急出動指令システムであって、
前記無線機は、前記指令手段から送信され、同一の前記事案に割り当てられたグループ番号に従った個別通信が可能であり、
前記指令手段は、指令員の操作により入力された前記事案データに基づいて前記指令情報を作成する操作手段と、前記無線機と交信する基地局無線機と、すべての前記無線機に対する一斉送信を、前記基地局無線機を介して実施する指令制御手段と、前記事案データ内の項目の内、前記個人情報に該当する項目を識別する識別符号を記憶する記憶手段とを備え、
前記指令手段は、前記指令情報を決定した後、同指令情報の受信先に該当する前記無線機に対して、前記事案を識別する事案識別情報を通知し、
前記事案データを含む前記指令情報を前記基地局無線機を介して送信する場合、前記事案識別情報と前記識別符号とを含めて送信し、
前記無線機は受信した前記指令情報に含まれる前記事案識別情報が、同無線機に該当しない事案の場合、前記識別符号と対応する受信した個人情報を受信出力しない。
以上の手段を用いることにより、本発明による緊急出動指令システムによれば、
請求項1に係わる発明は、指令手段から指令情報を送信する場合、個別送信、又は、一斉送信に対応して個人情報の送信の有無が選択的に自動送信されるため、個人情報が保護される。
請求項2に係わる発明は、ある事案に関係する無線機に送信する場合、このある事案と対応する特定のセレコールグループ番号(同じ番号を備えた無線機のみが更新できる)が設定されたグループの無線機にのみ指令情報が送信されるため、他の事案に従事している隊員には個人情報を傍受することができず、個人情報が保護される。また、ある事案に関係する隊員には個人情報も含めてすべての音声合成が送信されるため、必要な情報をもれなく得ることができる。
請求項3に係わる発明は、すべての無線機に一斉送信を行う場合、個人情報を除く指令情報が送信されるため、個人情報が保護される。また、ある事案に無関係な他の隊員にも個人情報を除くすべての指令情報が送信されるため、他の隊員でも最低限の情報を得ることができる。
請求項4に係わる発明は、指令情報を送信する場合、一斉送信より先に個別通信を実施するので、事案に関係する出動車両や署所へ指令を迅速に伝達することができる。
請求項5に係わる発明は、すべての無線機に対する一斉送信において、個人情報に関わる項目は、その個人情報を含む事案と無関係の無線機では受信出力されないため、個人情報が保護される。また、指令手段では1回の指令情報の送信で、個人情報保護有り/なしを送信できるため、送信時間を短縮できる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。
図1は緊急出動指令システムの一つである消防指令システムを説明するブロック図である。
この消防指令システムは、消防本部に設置された指令手段1と、各地域の出先に配置された2つの署所10、署所11、地域の消防団詰所12とに1台ずつ設置された無線機20e、無線機20f、無線機20gを備えている。また、各署所には救急車10aや救急車10b、ポンプ車11a、タンク車11bなどの緊急車両が配置されており、これらには無線機20a、無線機20b、無線機20c、無線機20dが1台ずつ搭載されている。また、すべての無線機は無線を介して指令手段1と通信できる構成になっており、無線機で受信した指令手段1からの指令情報により、指定された緊急車両が出動するようになっている。
なお、各無線機はセレコール機能が備えられている。セレコール機能とは、セレコールグループ番号と呼ばれる識別子による個別の無線機を指定した送受信機能である。これは受信側の無線機にユニークなセレコールグループ番号が割り当てられ、受信データに自分のセレコールグループ番号が含まれている場合のみ、このデータを受信・復調・出力するものである。また、セレコールグループ番号には、グループを指定しない一斉受信番号が規定されており、受信データにこの一斉受信番号が含まれている場合、自分のセレコールグループ番号でなくても、受信・復調・出力する。
このセレコールグループ番号は緊急通報された事案毎に割り当てられる。例えば署所10の無線機20eには救急無線波のセレコールグループ番号:10が、また、署所11の無線機20fと消防団詰所12の無線機20gとには消防無線波のセレコールグループ番号:10がそれぞれ固定で割り当てられている。一方、車両に備えられた無線機のセレコールグループ番号は不定であり、災害が発生して出動編成が決定される時に同時に決定、通知される。また、無線機は2つ周波数を使用するが、救急車両に搭載された場合は救急無線波を、消防車両に搭載された場合は消防無線波をそれぞれ固定して使用するようになっている。
指令手段1には、図示しない指令員が操作する指令台2と、各種の情報を記憶する記憶手段3と、アンテナ7を介して各署所や消防団詰所12、緊急車両などと無線通信を行う基地局無線機である消防波無線機5、及び救急波無線機6と、これらの無線機を制御すると共に、119番通報などの回線を制御する指令制御手段4とを備えている。また、指令台2と記憶手段3と指令制御手段4とはLAN8を介して接続されている。
指令台2は、指令員が装着し、119番通報者との通話や消防指令システム内の無線機と交信するヘッドセット2fと、このヘッドセット2fに接続され、各種のデータや指令を入力し、また、指令に必要な各種の表示データを表示する操作手段2cと、指示された条件により自動的に出動編成データを作成する自動出動指定手段2aと、指示された条件により現場付近などの地図を表示する地図等検索手段2bと、指定された音声データに基づいて、例えば指令情報等を音声としてスピーカ2eから拡声する音声合成手段2dとを備えている。
また、音声合成手段2dの音声信号は操作手段2cに出力されており、ヘッドセット2fのマイクからの音声信号から切り換えて、音声合成手段2dの音声出力を消防指令システム内の無線機へ送出する構成となっている。一方、操作手段2cと自動出動指定手段2aと地図等検索手段2bと音声合成手段2dとはLAN8を介して接続されている。
記憶手段3は、出動する車両や隊員などを指定する出動編成テーブル、指令に必要な各種情報からなる事案情報テーブル、消防指令システム内の各車両の現在の動態情報からなる車両動態テーブル、各種の指令情報の発声パターンを規定する発声パターンマスタ、音声合成の基本的な発声データを記憶する音声合成基本発声マスタ、消防指令システム内の各車両の種類を記憶する車両マスタ、隊員の氏名や保持している資格などを記憶する隊員マスタ、地図の表示データなどの地図マスタを記憶しており、他の機器からの指示により、指定データの送出や指定データの削除、更新などを行う。
指令制御手段4は、消防波無線機5と救急波無線機6とを接続する無線機選択手段4cと、119番通報回線や、通常電話回線を制御するトランク部4bと、無線機選択手段4cとトランク部4bとを制御すると共に、LAN8へ接続された制御手段4aとを備えている。なお、無線機選択手段4cは消防波無線機5と救急波無線機6とを同時に受信動作させ、また、送信時には制御手段4aから入力した送信信号を2台同時に、または、選択して消防波無線機5と救急波無線機6へ出力する機能を備えている。なお、この制御は制御手段4aの指示により行われる。
本実施例では各ブロックの説明で『手段』と表記しているが、これはパソコンやボードコンピュータに特定のアプリケーションプログラムを搭載して実現している。従って、これらをまとめて、1つの機器として実現してもよいし、さらに機能を分割して複数の機器とする構成にしてもよい。
次に図1を用いてこの消防指令システムの動作を説明する。
まず、通報者が119番通報を行うと、指令制御手段4のトランク部4bに回線が接続される。この回線接続の情報は制御手段4aを介して指令台2の操作手段2cに送信され、指令員の操作により、ヘッドセット2fを介して通報者と指令員が通話できるようになる。
この通話の中で指令員は災害の種別、例えば火事か救急か、住所や通報者の氏名等を聞き取り、指令員はこの情報を図示しないキーボードやタッチパネルなどを用いて操作手段2cへ入力させる。操作手段2cでは入力された情報を基に、その内部に図2(4)に示す事案入力情報テーブルを作成する。この事案入力情報テーブルのデータは記憶手段3に送信される。
図2(2)は、記憶手段3内に記憶されている事案情報テーブルであり、各緊急通報の事案入力情報テーブルのデータが1つの事案として管理されている。
この事案情報テーブルの項目は左から順に、事案番号、災害発生の地区名、災害種別、災害住所、通報者、災害現場付近の目物標、災害現場の担当消防団、出動車両となっている。
例えば図2(4)に示す事案入力情報テーブルが操作手段2cによって作成され、このデータを受け取った記憶手段3は、事案入力情報テーブルにすでに記憶されている事案番号1の次に、事案番号2の項目を作成し、ここに、事案入力情報テーブルの内容を転記する。
この結果、事案入力情報テーブルの事案番号:2の項目には、地区名:中原、災害種別:救急、災害住所:中原区・・・・、通報者:BBB、目標物:ガス橋手前、消防団:空白、出動車両:空白が記載される。なお、消防団の項目は災害種別:救急の場合は記載されず、また、出動車両の項目は実際に出動編成が確定し、出動指令が発行された時に該当する車両が記載される。
一方、指令員の操作により、操作手段2cを介して自動出動指定手段2aに出動編成作成が指示される。この指示を受け取った自動出動指定手段2aは、事案情報テーブルの事案番号:2のデータと、記憶手段3内に記憶された図示しない車両マスタと隊員マスタと地図マスタとを参照し、災害現場に最も近く、かつ、最も適切な車両や隊員を選択し、出動編成テーブルを作成する。
図2(1)はこの出動編成テーブルを示す図であり左の項目から順に、事案番号、災害種別、指令時刻、災害住所、使用無線波、セレコールグループ番号、出動車両、隊員氏名の項目を作成する。なお、使用無線波の項目は交信する周波数を表しており、消防無線波と救急無線波のいずれかが指定される。また、セレコールグループ番号は同じ周波数であっても受信の可否を選択する番号である。この番号を送信側で指定された場合、予め同じ番号を設定していた無線機のみが送信内容を受信できる。
出動車両は災害種別や災害の規模や災害発生地区に対応して割り当てられた車両であり、また、隊員氏名は出動車両に対応して編成され、各隊員は保持している資格、例えば運転免許の種類や救急救命士か否かなどを考慮して決定される。また、自動出動指定手段2aは出動車両を決定すると、この車両が使用する無線周波数において、それぞれの事案のグループ毎に重複しないセレコールグループ番号を割り当てる。この場合、異なる事案には必ず異なるセレコールグループ番号を割り当てることになる。
ただし、セレコールグループ番号は使用する周波数ごと、ここでは消防無線波または救急無線波ごとに管理され、また、互いの周波数は送受信内容が干渉しないため、使用する周波数が異なるのであれば同じセレコールグループ番号を割り当ててもよい。例えば、図2(1)の出動編成テーブルにおいて、使用する無線波、つまり、消防無線波か救急無線波かを記憶しているため、事案1と事案2とに同じセレコールグループ番号が存在しても問題ない。
次に、自動出動指定手段2aは、自動編成した内容で問題がないかを確認するため、この作成した出動編成テーブルのデータを操作手段2cに送出し、操作手段2はこのデータを図示しない表示装置に表示する。この内容で問題がないことを確認した指令員の操作により、操作手段2cを介して出動指令データがLAN8を介して送出される。これを受けた自動出動指定手段2aは、出動編成テーブルの指令時刻の項目に指令された時刻を記載し、該当する事案番号のデータ、ここでは事案番号:2に記載された出動車両の名称を事案情報テーブルに記載する。
そして、出動指令データを受けた指令制御手段4は、各車両の無線機に、出動編成で割り当てられた各車両の無線機のセレコールグループ番号を対象となる各車両に設定指示を送信する。以降の通信は指令制御手段4が自動的に指定するこのセレコールグループ番号を使用しての通信となる。ただし、指令員の操作による一斉送信が指定されると、セレコールグループ番号に関わりなく全ての無線機で受信できる。つまり、指令制御手段4は一斉送信が指定されると、予め指定された同報通信のグループ番号、例えばセレコールグループ番号:0を用いて各無線機へ送信を行う。
また、地図等検索手段2bは出動指令が通知されると、出動編成テーブルを参照して災害住所付近の地図を表示したり、出動車両の現在位置を表示したりする。
つぎに、音声合成手段2dの動作について説明する。音声合成手段2dは、発声すべき内容が格納された事案情報テーブルの事案番号と、個人情報を含む項目を発声するかスキップするかの指示が指令員の操作による操作手段2cから与えられる。
具体的には、指令員の操作が事案に関連する無線機を対象とする個別通信か、全ての無線機に対する一斉送信かで異なる。個別通信が指定された場合は、事案番号と個人情報を含む項目の発声が指示され、一斉送信が指定された場合は、事案番号と個人情報を含む項目の発声スキップが指示される。
そして、これらの情報が与えられると、音声合成手段2dは事案情報テーブルを参照し、事案番号と対応する災害種別、例えば事案番号:2では図2(3)に示す発声パターンマスタの中から、救急用の発声パターンを選択する。
救急用の発声パターンは、発声する項目が、災害種別、災害住所、通報者、目標物、出動車両の項目順に発声するように規定されており、これらと対応する固定発声部分として予め規定された発声データが格納されたものである。なお、他の災害種別のデータも同様に規定された発声データが格納されている。
音声合成手段2dは、発声パターンマスタ内の救急用の発声パターンの音声データと、事案情報テーブルの事案番号:2に格納されたデータとを順に取りだして音声合成することにより、1つの音声指令としてスピーカ2eから拡声する。この処理を図3に示す『事案2に関する音声合成による発声内容』を用いて説明する。
図3では、事案2の指令情報を音声合成する場合の例を示している。この音声合成のためのデータは2つのテーブルを読みだして使用している。1つ目は個別データである事案情報テーブルであり、2つ目は固定データである発声パターンマスタとして音声データ群を格納したテーブルである。これらは、記憶手段3に記憶されており、音声合成手段2dが読み出して使用する。
音声合成手段2dは、事案情報テーブル内の事案番号:2のデータの(a)地区名『中原』、(A)救急用発声パターンデータ『地区にて』、事案情報テーブル内の事案2:のデータの(b)災害種別『救急』、(B)救急用発声パターンデータ『事案発生』、・・・・・・・・と、順に取りだして連続して発声させることで指令情報を違和感なく読み上げるようになっている。
これらを連続して読み上げると、『中原 地区にて 救急 事案発生 住所は 中原区・・・・ です 通報者は BBB さんです 目標物は ガス橋手前 です 出動車両は 救急2 です』となる。ただし、救急用発声パターンデータ内の項目に(個)のフラグが添付されている発声データは、個人情報関連であるため、これと対応する事案情報テーブル内のデータと共に、発声の制限がある。
例えば事案番号:2の場合、救急用発声パターンデータの(D)欄、つまり、『通報者は』と『です』に(個)のフラグが添付されている。従って、実際に現場に向かっている車両名:救急2には、この救急用発声パターンデータの(D)欄の発声と、これと対応する事案情報テーブル内の通報者氏名『BBB』とを発声させた音声を無線で送信する。
しかし、同じ救急無線波を使用し、他の現場へ出動している車両名:救急1には、この音声指令全体を送信しないようになっている。また、システム内の無線機に一斉送信する場合は、この救急用発声パターンデータの(D)欄の発声と、これと対応する事案情報テーブル内の通報者氏名『BBB』とを発声させないでスキップした音声を送信するようになっている。
なお、音声合成手段2dはこの音声指令全体を全て発声する全発声機能と、個人情報関連の発声をスキップするスキップ機能の2つの機能が備えられている。また、送信先の選択にはシステム内の各無線機に備えられているセレコール機能が用いられる。これは各無線機にセレコールグループ番号を設定し、送信側が指定したセレコールグループ番号を用いて、特定のグループを指定して呼び出す<グループ呼出機能>機能である。
音声合成手段2dに指定する二つの機能の選択と、指令制御手段4に指定する無線による送信先の選択は、一斉送信か事案関係者への個別送信かを指示する指令員の操作によって決定される。
指令員がシステム内に存在する無線機に音声合成による指令情報を一斉送信する操作を操作手段2cに対して行うと、操作手段2cは、音声合成手段2dにスキップ機能を指示し、同時に指令制御手段4にセレコールグループ番号指定しない一斉送信を指示する。
一方、指令員が個人情報を保護するため、現場と関連する車両や署所に存在する無線機にのみ指令情報を送信する個別送信の操作を操作手段2cに対して行うと、操作手段2cは、音声合成手段2dに全発声機能を指示し、同時に指令制御手段4にセレコールグループ番号による送信を指示する。
次に図4のフローチャートを用いて操作手段2cの処理を説明する。なお、図4においてSTはステップを表し、これに続く番号はステップ番号を示す。また、YはYesを、NはNoを表している。
操作手段2cは、LAN8を介して入力されるデータ、又は指令員の操作のいずれかがあるか確認し(ST1)、いずれもなければST1へジャンプする。LAN8を介して入力されるデータ、又は指令員の操作のいずれかがある場合(ST1−Y)、119番通報か確認する(ST2)。なお、119番通報は指令制御手段4からLAN8を介して通知される。
119番通報でない場合(ST2−N)、自動出動指定手段2aからの編成完了通知か確認する(ST3)。自動出動指定手段2aからの編成完了通知でない場合(ST3−N)、次に全無線機に対する一斉送信の操作指示か確認する(ST4)。全無線機に対する一斉送信の操作指示でない場合(ST4−N)、個人情報を含む個別送信であるため、指令制御手段4に対してセレコールグループ番号指定送信を指示する(ST5)。そして、音声合成手段2dへ、発声対象となる事案番号、及び個人情報のスキップなし発声を指示する(ST6)。そして、ST1へジャンプする。
一方、119番通報の場合(ST2−Y)、指令制御手段4 に対して119番通報回線の音声を操作手段2cのヘッドセット2fへ接続するように指示する(ST10)。次に、指令員が通報者と会話して得られた事案内容が、指令員の操作(データの打ち込み)により操作手段2cへ入力され、操作手段2cはこの入力データを事案入力情報テーブルへ格納する(ST11)。
次に、事案入力情報テーブルのデータを事案情報テーブルへ格納する(ST12)。そして、自動出動指定手段2aへ出動編成の作成を依頼する(ST13)。そして、ST1へジャンプする。
また、入力されたデータが自動出動指定手段からの編成完了通知である場合(ST3−Y)、指令員の操作により操作手段2cへ出動編成の承認が入力され(ST15)、操作手段2cは出動指令を発行する(ST16)。そして、ST1へジャンプする。
出動指令とは、システム内の各機器に対して『新たな事案が発生し、出動車両が決定した』ことを通知するものであり、LAN8を介して出動指令の事案番号が配信される。
また、入力されたデータが全無線機に対する一斉送信の操作指示である場合(ST4−Y)、個人情報を含まない送信とするため、指令制御手段4に対してすべての無線機への送信を指示する(ST18)。そして、音声合成手段2dへ、発声対象となる事案番号、及び個人情報のスキップあり発声を指示する(ST19)。そして、ST1へジャンプする。
次に図5のフローチャートを用いて自動出動指定手段2aの処理を説明する。なお、図5においてSTはステップを表し、これに続く番号はステップ番号を示す。また、YはYesを、NはNoを表している。
自動出動指定手段2aは、LAN8を介して入力されるデータがあるか確認し(ST21)、LAN8を介して入力されるデータがなければST21へジャンプする。LAN8を介して入力されるデータがある場合(ST21−Y)、次に、操作手段2cからの出動編成作成の依頼か確認する(ST22)。操作手段2cからの出動編成作成の依頼でない場合(ST22−N)、次に操作手段2cからの出動指令か確認する(ST23)。操作手段2cからの出動指令でない場合(ST23−N)、ST21へジャンプする。
一方、入力されたデータが操作手段2cからの出動編成作成の依頼である場合(ST22−Y)、出動編成テーブル内に新たな事案データを作成する(ST25)。そして、操作手段2cへ出動編成完了を通知する(ST26)。そして、ST21へジャンプする。
また、入力されたデータが操作手段2cからの出動指令である場合(ST23−Y)、出動編成テーブルの該当する事案に指令時刻を書き込む(ST28)。次に、事案情報テーブルへ出動編成テーブルで決定されている出動車両を書き込む(ST29)。そして、ST21へジャンプする。
次に図6のフローチャートを用いて音声合成手段2dの処理を説明する。なお、図6においてSTはステップを表し、これに続く番号はステップ番号を示す。また、YはYesを、NはNoを表している。
音声合成手段2dは、LAN8を介して入力される音声合成発生指示があるか確認し(ST31)、LAN8を介して入力される音声合成発生指示がなければST31へジャンプする。LAN8を介して入力される音声合成発生指示がある場合(ST31−Y)、次に、事案情報テーブルから、指定された事案番号のデータを読み出す(ST32)。
そして、発声パターンマスタから指定された事案番号の災害種別のデータと対応するデータを読み出す(ST33)。そして、発声するデータの先頭項目、例えば『発生地区』を指定する(ST34)。
次に、指定された発声データ項目内に個人情報フラグがあるか確認する(ST35)。指定された発声データ項目内に個人情報フラグがない場合(ST35−N)、発声データの指定項目内の固定データ部分と個別データ部分とをそれぞれ発声する(ST36)。そして、次の発声データの項目を指定する(ST37)。
そして、発声データのすべての項目が終了したか確認する(ST38)。発声データのすべての項目が終了していない場合(ST38−N)、ST35へジャンプする。発声データのすべての項目が終了した場合(ST38−Y)、ST31へジャンプする。
一方、指定された発声データ項目内に個人情報フラグがある場合(ST35−Y)、次に個人情報のスキップが操作手段2cから指示されているか確認する(ST39)。個人情報のスキップが操作手段2cから指示されていない場合(ST39−N)、ST36へジャンプする。また、個人情報のスキップが操作手段2cから指示されている場合(ST39−Y)、ST37へジャンプする。
以上説明したように、すべての無線機に対する一斉送信では、個人情報に関わる項目が音声合成されないため、個人情報が保護される。
また、ある事案に関係する無線機に送信する場合、このある事案と対応する特定のセレコールグループ番号が設定されたグループの無線機にのみ合成音声が送信されるため、他の事案に従事している隊員には個人情報を傍受することができず、個人情報が保護される。また、ある事案に関係する隊員には個人情報も含めてすべての合成音声が送信されるため、必要な情報をもれなく得ることができる。
実施例1では指令手段1から送信される前に個人情報を含めるか含めないかを決定しており、送信された段階では個人情報の有無が決定している。このように送信される内容に個人情報が含まれる/含まれないとする方式の他に、送信側では個人情報を含めて送信し、受信側、つまり署所や車両側の無線機で個人情報を選択して受信出力する方法がある。この実施例2ではデジタル無線方式のシステムを用いて受信側で個人情報を選択する構成を説明する。
この実施例を実施例1と比較した場合、指令手段1は一斉送信機能とセレコールグループ番号による個別通信機能と、各テーブルやマスタを記憶する記憶手段3とを使用する。なお、この場合、音声合成手段2dは一斉送信であっても、個人情報を含む全てのデータを音声合成して出力する。
一方、署所や車両側の無線機は、セレコールグループ番号による個別通信機能と、自無線機がどの事案に該当するかの事案識別情報を記憶する機能を備えている。この事案識別情報はセレコールグループ番号による個別通信機能を用いて指令手段1から通知される。
従って、無線機は指令手段1から個人情報を含む指令情報と、事案番号と、個人情報の項目を識別する個人情報フラグとが送信され、これを受信した場合、現在記憶している事案識別情報と事案番号とが一致した時、個人情報を含む全ての指令情報を受信出力する。
一方、現在記憶している事案識別情報と事案番号とが一致しない時、自無線機に該当しない事案と認識し、個人情報フラグと対応する個人情報を受信出力しない構成になっている。このため、ある事案に該当しない無線機では、ある事案に含まれる個人情報が音声出力されないため、個人情報が保護される。
次に図7のフローチャートを用いて署所や車両に配置される無線機の処理を説明する。なお、図7においてSTはステップを表し、これに続く番号はステップ番号を示す。また、YはYesを、NはNoを表している。
無線機は受信信号があるか確認し(ST41)、受信信号がない場合はST41へジャンプする。受信信号がある場合(ST41−Y)、次に、事案識別情報の通知か確認する(ST42)。事案識別情報の通知である場合(ST42−Y)、受信した事案識別情報を格納する(ST50)。そしてST41へジャンプする。
一方、事案識別情報の通知でない場合(ST42−N)、受信信号は指令情報か確認する(ST43)。受信信号が指令情報でない場合はST41へジャンプする。次に、受信出力、つまり、拡声する指令情報の先頭項目、例えば『発生地区』を指定する(ST44)。
次に、指定された指令情報の項目内に個人情報フラグがあるか確認する(ST45)。指定された指令情報の項目内に個人情報フラグがない場合(ST45−N)、その指令情報の項目部分を拡声する(ST46)。そして、次の指令情報の項目を指定する(ST47)。
そして、受信した指令情報のすべての項目が終了したか確認する(ST48)。受信した指令情報のすべての項目が終了していない場合(ST48−N)、ST45へジャンプする。受信した指令情報のすべての項目が終了した場合(ST48−Y)、ST41へジャンプする。
一方、受信した指令情報の項目内に個人情報フラグがある場合(ST45−Y)、次に事案識別情報と事案番号とが同じか確認する(ST49)。事案識別情報と事案番号とが同じ場合(ST49−Y)、ST46へジャンプする。一方、事案識別情報と事案番号とが異なる場合(ST49−N)、ST47へジャンプする。
以上説明したように、すべての無線機に対する一斉送信において、個人情報に関わる項目は、その個人情報を含む事案と無関係の無線機では受信出力されないため、個人情報が保護される。また、指令手段1では1 回の指令情報の送信で、個人情報保護有り/ なしを送信できるため、送信時間を短縮できる。
本実施例では出動編成テーブルと事案情報テーブルと事案入力情報テーブルをそれぞれ独立して設けているが、これに限るものでななく、1つにまとめてもよいし、さらに各テーブルの項目をそれぞれ分割して別のテーブルとしてもよい。
また、発声パターンマスタに個人情報フラグを設けているが、これに限るものでななく、別のテーブルとして設けてもよい。
さらに、個人情報フラグは項目を指定して予め規定しているが、どの項目を個人情報として規定するか/しないかのテーブルを設け、これに従って音声合成の項目スキップを行うようにしてもよい。
また、本実施例では署所11の無線機20fと消防団詰所12の無線機20gとにはセレコールグループ番号が固定で割り当てられているが、これに限るものでななく、事案と関連する署所や消防団詰所の無線機には、この事案と対応する出動車両に設定されるセレコールグループ番号と同じ番号を割り当ててもよい。また、無線機で使用する周波数を消防無線波と救急無線波との2つを使用しているが、1つの周波数を用いてもよい。
また、この緊急出動指令システム内で使用する各種データは記憶手段に一括して格納されているが、これに限るものでななく、それぞれの手段に分散、格納されていてもよい。
本発明による緊急出動指令システムの実施例を示すブロック図である。 本発明による緊急出動指令システムで使用する記憶手段内に記憶されている内容を示す説明図である。 本発明による音声合成の発声内容を説明する説明図である。 本発明による操作手段の動作を説明するフローチャートである。 本発明による自動出動指定手段の動作を説明するフローチャートである。 本発明による音声合成手段の動作を説明するフローチャートである。 本発明の他の実施例における無線機の動作を説明するフローチャートである。 従来の緊急出動指令システムを示すブロック図である。
符号の説明
1 指令手段
2 指令台
2a 自動出動指定手段
2b 等検索手段
2c 操作手段
2d 音声合成手段
2e スピーカ
2f ヘッドセット
3 記憶手段
4 指令制御手段
4a 制御手段
4b トランク部
4c 無線機選択手段
5 消防波無線機(基地局無線機)
6 救急波無線機(基地局無線機)
7 アンテナ
8 LAN
10 署所
10a 救急車
10b 救急車
11 署所
11a ポンプ車
11b タンク車
12 消防団詰所
20a、20b、20c、20d、20e、20f、20g 無線機

Claims (5)

  1. 一部に個人情報を含む緊急通報を受け付けて事案とし、同事案に関連する情報を事案データとして記憶すると共に、同事案に対応するための指令情報を無線で送信する指令手段と、緊急車両や署所などに設置された無線機とを備えた緊急出動指令システムであって、
    前記無線機は、前記指令手段から送信され、同一の前記事案に割り当てられたグループ番号に従った個別通信、及び前記グループ番号に関わらない同報通信が可能であり、
    前記指令手段は、指令員の操作により入力された前記事案データに基づいて前記指令情報を作成する操作手段と、前記無線機と交信する基地局無線機と、前記無線機に対して特定のグループ番号を指定した送信、または、すべての前記無線機に対する前記同報通信である一斉送信とを、前記基地局無線機を介して実施する指令制御手段とを備え、
    前記指令手段は、前記事案データを含む前記指令情報を前記基地局無線機を介して送信する場合、前記個別通信か前記同報通信かの条件により、前記事案データ内の個人情報の項目送信の実施、又は未実施を選択的に行うことを特徴とする緊急出動指令システム。
  2. 前記指令手段は前記個別通信による送信を行う場合、前記指令情報の個人情報の項目を、前記グループ番号を指定して前記無線機に送信することを特徴とする請求項1記載の緊急出動指令システム。
  3. 前記事案データ内の項目の内、前記個人情報に該当する項目を識別する識別符号を記憶する記憶手段を前記指令手段に設け、
    前記指令手段は前記同報通信による一斉送信を行う場合、前記識別符号が付与された項目と対応する前記指令情報内の個人情報の項目を除外して前記無線機に送信することを特徴とする請求項1または請求項2記載の緊急出動指令システム。
  4. 前記指令手段は同一事案の前記指令情報を送信する場合、前記一斉送信より先に前記個
    別通信を実施することを特徴とする請求項3記載の緊急出動指令システム。
  5. 一部に個人情報を含む緊急通報を受け付けて事案とし、同事案に関連する情報を事案デ
    ータとして記憶すると共に、同事案に対応するための指令情報を無線で送信する指令手段
    と、緊急車両や署所などに設置された無線機とを備えた緊急出動指令システムであって、
    前記無線機は、前記指令手段から送信され、同一の前記事案に割り当てられたグループ
    番号に従った個別通信が可能であり、
    前記指令手段は、指令員の操作により入力された前記事案データに基づいて前記指令情
    報を作成する操作手段と、前記無線機と交信する基地局無線機と、すべての前記無線機に
    対する一斉送信を、前記基地局無線機を介して実施する指令制御手段
    と、前記事案データ内の項目の内、前記個人情報に該当する項目を識別する識別符号を記
    憶する記憶手段とを備え、
    前記指令手段は、前記指令情報を決定した後、同指令情報の受信先に該当する前記無線
    機に対して、前記事案を識別する事案識別情報を通知し、
    前記事案データを含む前記指令情報を前記基地局無線機を介して送信する場合、前記事
    案識別情報と前記識別符号とを含めて送信し、
    前記無線機は受信した前記指令情報に含まれる前記事案識別情報が、同無線機に該当し
    ない事案の場合、前記識別符号と対応する受信した個人情報を受信出力しないことを特徴
    とする緊急出動指令システム。
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