JP5006643B2 - マルチセルシステムダイナミクスモデルの自動化された格子形成用の方法及び装置 - Google Patents

マルチセルシステムダイナミクスモデルの自動化された格子形成用の方法及び装置 Download PDF

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Description

本発明の開示は、一般に、流体動的システムのような動的システムをコンピュータモデル化するための方法及び装置に関する。より詳しくは、本発明の開示は、マルチセルシステムダイナミクスモデルの自動化された格子形成用の方法、及び方法を実行するための装置に関する。
コンピュータ、特に高速デジタルコンピュータを使用して、流体動的システムを含む動的システムをモデル化することは、実際のシステムを物理的に構成して、試験することを必要とすることなく、安定した熱物理学的及び過渡的な状態の両方についてシステム性能を予測する周知で費用効率的な方法である。コンピュータモデル化の利点は、システム構造及び構成における変化の性能上の効果を容易に算定でき、これによって、商業的プロトタイプを構成する前にシステム設計の最適化が行われることである。
公知のモデル化プログラムは、一般に、モデル化すべき構造が複数の別個の容積ユニット(セル)に分割される「マルチセル」方法を使用する。典型的に、コンピュータは、隣接セルへの又はそれからの及び/又はセル境界を通した熱物理学的な値ユニットの輸送を規定する保存方程式を解くことによって、それぞれのセル内のシステムの部分の熱物理学的な値、例えば質量、運動量、及びエネルギ値、ならびに密度、圧力、速度、及び温度のような関連の流体システム設計パラメータを計算するために使用される。デカルト座標を使用する固定幾何学的システムモデルでは、またシステム境界がない場合、それぞれのセルは、立方体形状のセルの6つの面に隣接して配置された6つのセル隣接部を有するであろう。計算流体ダイナミクス(「CFD」)モデル化プログラムの例は、コンバージェントシンキング(Convergent Thinking)有限会社(ウィスコンシン州マディソン(Madison,Wisconsin))から入手可能なMoSESプログラムである。しかし、改良は既存のモデル化プログラムで可能であり、かつ望ましい。
従来のCFDプログラムでは、ユーザは、シミュレートすべき対象物を表す3次元格子を最初に供給しなければならない。これらのCFDプログラムでは、格子又は「メッシュ」生成は、特に、それぞれの過渡的な時間ステップの後に格子を再形成する必要があり得る運動境界を有する複雑な幾何学的形状にとって、モデル化プロセスの最もユーザ集中的な部分である。
境界にフィットされた2種類の格子がある。より従来型の境界にフィットされた格子は、幾何学的形状の形に従うように境界の近くのセルをモーフィングし、例えば、境界の近くの六面のセルは必ずしも完全な立方体ではないであろう。他の方法は、共通に「カットセル」方法と呼ばれる。従来の「カットセル」方法では、境界セルは1回以上カットされて、モデル化される流体システムの固体表面とのより優れた「フィット」を提供する。固体表面は、固体表面にフィットされた一列の三角形によって表すことができ、次に、これらの三角形は、固体表面に隣接する個々のモデルセルと関連付けられる。従来のカットセル方法では、多数の表面三角形によってカットされるセルを処理する2つの方法がある。1つの方法では、それぞれの三角形の表面効果は、それぞれのカットセルについて別個に取り扱われる。このプロセスは、より長いCFDシミュレーション実行時間をもたらす可能性がある。第2の方法では、多数の三角形のカットは単一の平坦なカットによって近似される。この方法では、情報が表面近似で失われるので、元の幾何学的形状は正確に表されない。
カットセルのデカルト方法は、2種類の問題のあるセル、すなわち「スリバ」セル及び「分割」セルを生じる可能性がある。スリバセルは、非境界セルと比較して非常に小さな容積を有する境界セルである。小さな容積を有するセルは、解を安定維持するために、過度に小さな時間ステップ又は過度の繰り返し数、したがって、より多くの計算を必要とする可能性がある。
分割セルはまた、論理的なブロック構造化格子にとって問題であり、その形態はデカルトである。デカルト格子では、それぞれのセルは立方体として形成され、その6つの面のそれぞれの方向に1つのみの隣接部を有すると考えられる。それぞれのセルは論理(x、y、z)座標を有し、その隣接部のそれぞれは正確に1つの論理ステップだけ異なる。デカルト格子の単純さの多くは、それらの6つの隣接部へのセルのこの構造化接続の直接の結果である。このシステムが適切に動作するには、論理座標に1つのみのセルが存在しなければならない。モデル化すべき流体システムの表面が、デカルトセルを2つ以上の部分にカットする場合、このことは、同一の位置に2つの分離セルがあるので、従来のCFDコードの問題を提起する。これらの2つの別個のセル部分は、同一の論理座標を有し、それゆえ、それらの個々の隣接部について、論理座標のみを観察することによって適切なセル部分を配置することを不可能にする。
米国特許出願第11/318,634号明細書 米国特許出願第11/318,633号明細書 米国特許出願第11/318,632号明細書
ある場合には、ユーザの介入によっても、より伝統的なカットセル方法に関わるこれらの問題の克服が不可能であることを認識すべきである。開示した方法及び装置は、上述の問題の1つ以上を緩和することに向けられる。
一形態では、本明細書に具体化されかつ広く記載されるように、1つ以上の表面を有する流体ダイナミクスシステムのマルチセルコンピュータモデル用の固定幾何学格子を形成するための方法は、隣接する一列の多角形によってシステム表面を表すステップを含む。本方法はまた、システム全体を取り囲む単一のモデルセルを創出するステップと、すべての表面多角形を単一のモデルセルに割り当てるステップとを含む。さらに、システムは、1つ以上の細分面を使用して、割り当てられたすべての交差多角形を細分することを含む、表面多角形列を取り囲む単一のモデルセルの部分を少なくとも細分するステップを含む。なおさらに、本方法は、細分ステップから得られる細分された個々のセルに表面多角形のすべてを再び割り当てるステップと、共通のシステム表面から、2つ以上の表面多角形を有するそれらの細分されたセルを識別するステップと、識別されたセルの共通の表面多角形に関し有効な共通の境界領域及び法線ベクトルを計算するステップとを含む。
他の形態において、本明細書に具体化されかつ広く記載されるように、1つ以上の表面を有する流体ダイナミクスシステムのマルチセルコンピュータモデル用の固定幾何学的格子を自動的に形成するための装置は、デジタルコンピュータと、コンピュータに記憶された計算流体ダイナミクスプログラムとを含む。CFDプログラムは、一列の隣接多角形によってシステム表面を表すデータセットを受け取るための、システム全体を取り囲む単一のモデルセルを創出するための、またすべての表面多角形を単一のモデルセルに割り当てるためのソフトウェアを含む。プログラムはまた、1つ以上の細分面を使用して、割り当てられたすべての交差多角形を細分することを含む、表面多角形列を取り囲む単一のモデルセルの部分を少なくとも細分するためのソフトウェアを含む。さらに、プログラムは、細分ステップから得られる細分された個々のセルに表面多角形のすべてを再び割り当て、共通のシステム表面から、2つ以上の表面多角形を有するそれらの細分されたセルを識別し、またそれらの識別されたセルについて有効な境界領域及び法線ベクトルを計算するためのソフトウェアを含む。
一形態では、1つ以上の表面を有する流体動的システムのマルチセルコンピュータモデル用の固定幾何学的格子を形成するための方法は、隣接する一列の多角形によってシステム表面を表すステップを含む。本明細書に具体化されるように、図1は、内燃機関(図示せず)用のヘッダパイプ10を示しており、パイプ10の表面12は、パイプ10のモデルを形成する際に使用するために「三角形に分けられる」。すなわち、流体(ガス、液体等)用の境界として使用される表面12のそれぞれの部分は、一列の個々の三角形14によって覆われる。しかし、本発明の方法は、システム表面を表すための三角形の類の多角形の使用に限定されない。
列14の個々の三角形は、パイプ10の比較的直線状の円筒面部分12aと12bにおける細長い三角形14aと14bのように、またパイプ10の湾曲面部分12cにおける三角形14cのようなよりコンパクトな三角形のように、異なる寸法であることができる。本発明の開示した方法では、表面全体を閉じなければならず、それぞれの多角形は、図1の三角形の類の多角形のように、他の1つの多角形のみと辺を共有しなければならない。
これらの三角形のそれぞれは、図1Aに拡大して図示した三角形14bの頂点16a、16b、16cのようなそれぞれの三角形の3つの頂点のデカルト座標のような座標を規定するデータセットによって、3次元空間で一意に識別することができる。同様に、それぞれの表面が流体ダイナミクスシステムで異なって実行する多数の表面を有するシステムでは、識別子(例えば、数)を三角形のデータセットの部分として確立することが好ましいかもしれない。一般に、「一意な」表面のこのような識別子は、モデル化の段階で境界条件を適用するときに使用することができる。当業者は、パラメトリック・テクノロジー社(Parametric Technology Corp.)(マサチューセッツ州ニーダム(Needham,Massachusetts))から入手可能なプロ/エンジニア(Pro/Engineer)のような公知のCADプログラムを使用して、このような三角形に分けられた表面及び識別データセットを用意できるであろう。
さらに、この方法は、モデル化すべきフローシステム全体を取り囲む単一のモデルセルを創出するステップを含む。本明細書に具体化されるように、図2は、パイプ10の内側境界を画定する代表的な表面三角形14bを例えば含む三角形に分けられた表面列14を完全に取り囲むように寸法決めされた単一のデカルトセル20を示している。
さらに、記載した方法は、すべての表面多角形を単一のモデルセルに割り当てるステップを含む。本明細書に具体化されるように、また図3Aを参照すると、列14からの代表的な表面三角形が、モデル格子内に「マッピングされて」いるのが示されており、このモデル格子は、第1の例では、形成すべき格子の前駆体として図2の単一セル20を含む。実際に、マッピングされた列14は、格子内の閉じた流体システム、すなわち示した実施形態のパイプ10の輪郭を描いている。したがって、オクツリーデータセットであり得る格子を表すデータセットは、以下に説明するようにモデル格子を提供するためにさらなる処理において使用するために、パイプ10の表面に対応する列14の個々の三角形の上の情報を含む。
なおさらに、開示した方法は、1つ以上の細分面を使用して、割り当てられたすべての交差多角形を細分することを含む表面多角形列を取り囲む単一のモデルセルの部分を少なくとも細分するステップを含む。本明細書に具体化されるように、図3Aと図3Bは、三角形に分けられた表面列14によって画定されたヘッダパイプモデル容積内に個々の部分を有する8つの細分されたセル28、30、32、34、36、38、40、42を創出するために、3つの相互直交面22、24、26によって分割される単一セル20を示している。
当業者に公知のように、細分面22、24、26はまた、図3Aの代表的な三角形14bのような1つ以上の面によって交差される任意の表面三角形を分割し、三角形14bは、表面多角形50と52を形成するために面24によって交差されているのが示されている。これらの表面多角形は、多角形52のような三角形、又は四辺形の表面多角形50のような4つ以上の辺を有する幾何学的図形であり得る。
さらに、記載した方法は、すべての表面多角形、すなわち細分された多角形及び分割されていない任意の残りの多角形を、細分するステップから得られる細分されたセルの個々のセルに再び割り当てるステップを含む。本明細書に具体化されるように、図3Aと図3Bの代表的な三角形14aのような分割されていない表面三角形、及び表面多角形50と52は、細分されたセルに「マッピング」される。具体的に、図3Bの表面三角形14aが、下方右の細分されたセル28にマッピングされる。表面多角形50はまた、細分されたセル28にマッピングされ、一方、表面多角形52は、上方右の細分されたセル36にマッピングされる。例えば、マッピングは、オクツリーフォーマットのような適切なデータ記録フォーマットで、格子に対するそれぞれの表面三角形及び表面多角形の頂点の一意なデカルト(x、y、z)位置を考慮することによって達成することができる。
細分するステップ及び再び割り当てるステップは、細分されたセルが所望の格子サイズに等しいか、又はそれ未満になるまで繰り返されることが好ましいかもしれない。例えば、図4Aは、2次元で、図1のヘッダパイプ10用のモデルについて得られる格子54を示している。格子54は、表面多角形の細分された、しかしなお閉じた隣接列14’内に閉じ込められる。
特に、温度、圧力、速度等において予想される大きな勾配を有するシステム位置に、格子54の平均の非境界セル56に対しより微細な格子の寸法を有するセル(図示せず)を包埋するような格子54の別の修正を行うことが可能である。当業者は、このような修正を行う方法を知っているであろう。
なおさらに、この方法は、2つ以上の表面多角形を有するそれらの細分されたセルを共通のシステム表面から識別するステップを含む。本明細書に具体化されるように、図4A〜図4Cのセル58は、1回以上細分された表面三角形14cから生じた複数の多角形を有するこのような境界セルである。明快さ及び理解しやすくするため、2つのみの表面多角形60と62が図4Bに示されている。開示した実施形態において、2つの表面多角形は、共通のシステム表面、すなわち、曲がりの近傍の、しかし、パイプ10を貫通するポート(番号なし)の表面12dから離間したパイプ10の表面12cの部分から生じると考えることができる。
記載した本発明の方法を使用する当業者は、モデル化されるシステムに対する予想される流体力学的及び/又は熱力学的効果に基づき、このような共通の表面を識別できるであろう。例えば、パイプ10内の鋭角隅部を形成する表面、又は相対的に運動する表面は、「共通の表面」であると予想されないであろう。同様に、パイプ10の表面12の外部加熱されるか又は冷却される局所的な部分は、特定の用途及び実施される試験に応じて、表面12の隣接する未加熱/未冷却の部分と「共通」の表面であると考えてもよく、考えなくてもよい。
なおさらに、開示した方法は、識別されたセルの共通の表面多角形に関し有効な境界領域及び境界法線ベクトルを計算するステップを含む。当業者が理解するように、それぞれの別個の多角形を所定のセル内の別個の境界として取り扱うことは、モデルの使用中に、そのセルの輸送方程式を解くときにそれぞれの多角形に適切な境界条件を適用するために、別個の計算時間(またデジタルコンピュータによって実施される場合には別個のメモリ)を必要とするであろう。共通の表面多角形用の単一の有効表面積及び法線ベクトルをそれぞれのセルに設けることによって、例えば、次の手順によって、幾何学的形状を変更することなく、計算時間及びメモリの両方の節減を達成することができる。
対流輸送の有限体積解法では、境界を横切るフラックスが、次の方法で、辺領域フラックスと共に加算される。
Figure 0005006643
同一の境界のすべての表面多角形について、φ及びuは同一である。次に、残りの領域及び法線ベクトルに次式を結合することができる。
Figure 0005006643
Figure 0005006643
ベクトルはまた、単位ベクトル
Figure 0005006643
として扱うことができ、大きさ、Asumは、次式によって定義されるような平均された有効境界の面積に等しい。
Figure 0005006643
この結合方法は、単一セルに関する境界の幾何学的形状情報のすべてが、結合された境界の投影面積に等しい大きさを有する単一の法線ベクトルに変形されることを可能にする。これにより、メモリ及び計算時間も節約されるが、この理由は、セルの変数の変化が次式のように表すことができるからであり、
Figure 0005006643
ここで、すべての「同様の」又は共通の境界は、単一の境界として取り扱われる。同様の関係が拡散フラックスに関し存在し、同一の有効境界領域及び法線ベクトルをもたらす。
本明細書に具体化されるように、計算するステップは、それぞれの識別されたセルについて、共通の表面多角形のそれぞれから法線ベクトルを計算することを含み、それぞれのベクトルの大きさは、個々の共通の表面多角形の面積である。図4Bで最善に理解されるように、ベクトル64は、表面多角形60に対し法線に(直角に)計算され、その多角形の面積に等しい大きさ(長さ)を有する。同様に、ベクトル66は、表面多角形62に法線に計算され、多角形62の面積に等しい大きさを有する。ベクトル方法は著しく有用であるが、この理由は、一般に、共通の表面多角形が、例えばパイプ10の湾曲面12を表す多角形について、互いに又は格子セルの立方面と同一平面でなくてもよいからである。
さらに、計算するステップは、それぞれの識別されたセルについて、共通の表面多角形のそれぞれから、単一の法線ベクトルの方向の表面多角形の結合された投影面積に等しい大きさを有する単一の法線ベクトルに、すべての法線ベクトルを結合するステップを含む。本明細書に具体化されるように、ベクトル和
Figure 0005006643
は上述のように計算される。ベクトル和は、図4Bの多角形60と62の幾何学的特性を表す。当業者は、
Figure 0005006643
のx、yとz成分を使用して、多角形60と62に有効な境界領域を通してフラックスを配分でき、これらの成分は、セル58の面72(辺)、74(頂部)及び/又は76(後部)を通して隣接セル(図示せず)に又はそこから輸送された熱物理学的な値の量(例えば、質量、運動量、エネルギ)に加えるか又は差し引くことができることを認識するであろう。
開示した本発明の方法はまた、従来のいくつかの計算による流体動的モデル化プロセスにおける問題及び/又は過度の労力を生じるであろうモデルセルタイプを有利に処理することが可能である。具体的に、流体システムの(セル幅に対して)薄い固体表面が、表面によって分割される2つ以上の部分にセルを「分割する」場合、従来のカットセルCFD方法は、それらが接続されたかのように、分離された分割セル部分を取り扱う。このような従来の方法は、計算性能の非常に大きなエラーをもたらすことがある。例えば、表面の片側のセル部分が、このような従来のCFD方法で隣接セルからエネルギ(例えば、熱)フラックスを受け取った場合、当該のフラックスは、セルの輸送方程式を解くときに、結合されたセル部分が全体として扱われる場合、他のセル部分によって瞬時に「感じられる」であろう。
このような不調和な結果を回避するために、開示した本発明の方法は、分割セルのそれぞれのセル部分と個々の隣接境界セル及び非境界セルとを接続する情報を決定するステップを含んでもよい。本明細書に具体化されるように、図5は(説明及び視覚化を容易にするため2次元で)、薄い固体表面84によって交差される細分セル82からなるモデル格子80の部分を示している。例えば、このような表面は、ダクトに配置された可動のスロットルプレートの部分であり得る(両方とも図示せず)。セルSは、表面84によって2つの部分S1とS2に分割される。セル部分S1は、隣接部として境界セル部分A1とC1、及び非境界セルBを有する。セル部分S2は、隣接部として境界セル部分A2とC2、及び非境界セルDを有する。本開示において、「隣接する」セルは、共通のインターフェイス領域を共有するセルであり、境界セルは、1つ以上の表面三角形又は他の多角形を有するセルである。
開示した本発明の方法で、フラックスをセル部分S1に算入しまたそれから算出するために、S1及びA2、C2及びDの間の輸送方程式でなく、S1及びA1、C1及びBの間の輸送方程式が解かれるであろう。同様に、セル部分S2について決定された接続情報は、部分A1、C1、及びセルBでなく、境界セル部分A2、C2及び非境界セルDで解かれる輸送方程式を提供するであろう。すなわち、分割セルのそれぞれの部分は無関係に、それ自体の熱物理学的な特性を有すると取り扱われる。
しかし、開示した本発明の方法によれば、両方のセル部分は同一の格子位置情報を保持するであろう。すなわち、図5の実施形態の格子80の実装中に、S1とS2の両方は、予め分割されたセルSと同一の格子位置を有するであろう。同様に、A1とA2は、予め分割されたセルAと同一の格子位置を有し、C1とC2は、予め分割されたセルCと同一の格子位置を有するであろう。当業者は、複雑な薄い表面は、図5に示した2つの部分よりも多く、また3次元格子の部分よりも多くセルを分割でき、分割セル部分は、セル部分S1とS2について示されるよりも多くの隣接部を有することが可能であることを理解するであろう。
従来のCFDプロセスに問題を生じることがある他のモデルセルタイプは、いわゆる「スリバ」セルである。スリバセルは、格子の典型的な非境界セルよりも著しく小さな容積を有する境界セルである。このような著しく小さなセルは、当業者が認識するように、モデルを使用して過渡の又は準定常の熱物理学的な計算中に安定性を保証するために、非常に小さな時間ステップ又は多数の反復を必要とすることがある。本方法のデジタルコンピュータによる実施における小さな時間ステップ又は多数の反復は、CFD方法にとって非常に長い実行時間を意味する可能性がある。
本発明の開示によれば、固定幾何学的格子を形成する本方法は、非境界セルの容積の予め選択された部分のような予め選択された量未満の容積を有する境界セルを識別するステップを含む。本明細書に具体化されるように、図6は、ヘッダパイプ10をモデル化するための完成した格子54の図4Aの2次元表示の詳細図を示している。細分されたセルT、V、W、Y、Zは、細分された表面三角形列14’によって境界付けられないような境界セルではなく、すべては同一の体積を有し、すなわち、最終の格子サイズセル56に対応する。しかし、境界セルR、U、Xのそれぞれは、セル56の容積部分を有し、セルUは最小部分を有する。以下の説明のために、セルUは、予め選択された最小の所望のセルの部分容積未満の容積を有するが、両方のセルX及びセルRは、予め選択された部分容積よりも大きな部分容積を有することが想定される。
さらに本開示によれば、本方法は、識別されたそれぞれの部分境界セルと隣接セルとを対にするステップと、対にしたそれぞれの隣接セルの幾何学的情報を調整して、識別された個々の部分境界セルの容積及び境界領域情報を少なくとも含めるステップとを含む。本明細書に具体化されるように、図6の部分境界セルUは非境界セルVと対にされ、このセルVと共通面90を共有する。しかし、対にされたセルは境界セルであることができる。フラックスをセルVに算入しまたそれから算出するために、セルVの容積は、セルUの容積を含むように調整されるであろう。同様に、Vの面情報は、境界セルXと共通のセルUの面92の情報を含むように調整されるであろう。セルUとセルVとの間の共通面90に関する情報は、本方法の実行中に輸送方程式がセルUとセルVとの間で解かれないので、消去してもよい。しかし、隣接する非境界セルV及び識別された部分境界セルUに関する別個の格子位置情報は、保持される。
本方法の実行中、フラックスをセル対(U、V)の内の調整されたセルVのみに又はそれから決定するために、輸送方程式が解かれ、次に、セルVの計算された特定のシステム設計値(例えば、密度、温度、圧力等)がセルUに帰せられる。当業者は、図4Aと図6の実際の3次元格子に関し、セルUのセル面92に追加してセル面が隣接セルVに加えられ、すなわち、セルUは、その隣接セルと共通に、図4Aと図6の2次元面内にまたそれから出る方向に面することを理解するであろう。また、2つよりも多くのセルを「対に」してもよい。
他の形態によれば、1つ以上の表面を有する流体ダイナミクスシステムのマルチセルコンピュータモデル用の固定幾何学的格子を自動的に形成するための装置は、デジタルコンピュータと、固定幾何学的格子を有するマルチセルモデルを実行するためにコンピュータにロードされた計算流体ダイナミクスプログラムとを有する。本明細書に具体化されるように、図7は、前述の方法を実施するように修正されたMoSESプログラムのような計算による流体ダイナミクスプログラム112でプログラミングされたAMD「オプテロン(Opteron)」コンピュータのようなデジタルコンピュータ110を含む装置100を概略的に示している。プログラム112は、図4Aの格子54によって表されるように、図1に示したインテークパイプ10の3次元マルチセルモデルを実行するように構成することができる。
本明細書にさらに具体化されるように、プログラム112は、自動化された格子形成のための上に開示した方法を実施するためのソフトウェアを有するプログラムルーチン124を含むように修正される。ルーチン124のソフトウェアは別個のプリプロセッサプログラムに含めることができるであろうが、本明細書に開示した自動化された格子形成方法は、格子配向、解像度、又は表面の幾何学的形状を変更するための手動介入を必要とせず、MoSES CFDプログラムと容易に一体化して、CFDプログラムの実行中に、特に固定幾何学的格子を有する運動面のモデル化中に、方法への容易なアクセスを可能にすることができる。このような場合、運動境界に当てはまるように、実行時中に格子を再形成する必要があり得るので、商業的に実行可能な方法にとって、格子形成の速度が重要であり得る。本明細書に開示した方法は、慣例的な方法よりも相当高速であることが示されている。
具体的に、ルーチン124は、図1に示した三角形列14のような一列の隣接多角形によってヘッダパイプの固体表面を表すデータセットを受け取るためのソフトウェアを含む。さらに、ルーチン124は、図2のセル20のようなシステム全体を取り囲む単一のモデルセルを創出するためのソフトウェアを含む。なおさらに、ルーチン124は、図2に示した代表的な三角形14a、14b、14cのようなすべての表面多角形を単一のモデルセルに割り当てるためのソフトウェアを含む。
なおさらに、ルーチン124は、図3Aの面22、24、26のような1つ以上の細分面を使用して割り当てられたすべての交差多角形を細分することを含む、表面多角形列によって取り囲まれた単一のモデルセルの部分を少なくとも細分するためのソフトウェアを含む。図3Aはまた、図3Aの代表的なセル14cを交差する面から形成された表面多角形50と52を示し、図3Bは、前に説明したように、単一セル20から細分された8つのセル28、30、32、34、36、38、40を示している。
再び、三角形列14によって表されたシステム内の細分されたセルの部分が対象とされ、細分されたセルの立方構造全体は、見やすくするために図3Aと図3Bに示されている。
なおさらに、ルーチン124は、もしあれば、残りの表面三角形のようなすべての表面多角形、及び図3Aと図3Bに示した細分プロセスによって創出された表面多角形を細分された個々のセルに再び割り当てるためのソフトウェアを含む。ソフトウェアはまた、図4Aの格子54のように、所望の格子サイズが達成されるまで細分及び再割当の繰り返しを行うことが可能である。
なおさらに、ルーチン124は、共通のシステム表面から、2つ以上の表面多角形を有するそれらの細分されたセルを識別して、このようなセルの有効な共通境界領域及び法線ベクトルを計算するためのソフトウェアを含む。前に説明したように、図4Bは、図1のヘッダパイプ10の共通表面、すなわち表面三角形14dによって表される表面部分12dから遠い表面12cの部分から、表面多角形60と62を有する識別されたセル58を示している。特定の表面に適切な境界条件(例えば、分割された多角形60と62を通したセル58からの熱フラックスを規定するための熱伝達係数)が設けられた場合、前に説明したように計算される有効境界領域及び法線ベクトルは、表面多角形60と62を別個に扱うであろう従来のCFDコードに対し、セル58の輸送方程式を解くときに計算時間を低減する。当業者は、本発明の開示を前提として、共通の有効境界領域及び法線ベクトルを提供するように、ソフトウェアを創出するか又は適合させることができるであろう。
さらに、ルーチン124は、図5と図6に関し前に説明した方法をそれぞれ使用して、「スリバ」型境界セル及び/又は「分割」型境界セルを取り扱うためのソフトウェアを含んでもよい。再び、当業者は、本発明の開示を前提として、ルーチン124に適切なソフトウェアを提供できるであろう。
本発明の方法及び装置は、本出願と同時に出願された(特許文献1)に開示された埋め込みセルを有するマルチセルコンピュータモデル用のマルチグリッド計算を実施するための方法及び装置(Method and Apparatus for Implementing Multi−Grid Computation for Multi−Cell Computer Models with Embedded Cells)と関連して使用することが好ましいかもしれない。
同様に、本発明の方法及び装置は、本出願と同時に出願された(特許文献2)に開示された流体動的システムのマルチセルコンピュータモデルの運動境界を取り扱うための方法及び装置(Method and Apparatus for Treating Moving Boundaries in Multi−Cell Computer Models of Fluid Dynamic Systems)と関連して使用することが好ましいかもしれない。
なお同様に、本発明の方法及び装置は、本出願と同時に出願された(特許文献3)に開示された動的システムのマルチセルコンピュータモデルの輸送方程式を解くための方法及び装置(Method and Apparatus for Solving Transport Equations in Multi−Cell Computer Models of Dynamic Systems)と関連して使用することが好ましいかもしれない。
本発明の他の実施形態は、本明細書に開示した本発明の説明と実施を考慮すれば当業者には明白であろう。説明および実施例は模範的なものに過ぎないと考えられ、本発明の真の範囲及び精神は、次の特許請求の範囲によって示されることが意図される。
自動化された格子形成用の開示した模範的な方法に使用するための、内燃機関のヘッダパイプの三角形に分けられた内面の斜視図である。 図1の一部の詳細図である。 自動化された格子形成用の開示した模範的な方法に従って形成された格子の単一セル前駆体の斜視図である。 自動化された格子形成用の開示した模範的な方法による、3つの直交面によって分割される図2の単一セル前駆体の斜視図である。 自動化された格子形成用の開示した模範的な方法による、図3Aの単一セルの分割面の動作から得られる細分されたセルの斜視図である。 自動化された格子形成用の開示した模範的な方法による、図1に示したような内面を有するヘッダパイプをモデル化するために形成された格子の2次元の切り取り平面図である。 自動化された格子形成用の開示した模範的な方法による、表面に多角形が割り当てられた図4Aの形成された格子の境界セルの詳細斜視図である。 自動化された格子形成用の開示した模範的な方法による、プレート面により分割境界線セルが形成される可動のスロットルプレートを有するダクトをモデル化するために形成された格子の詳細平面図である。 自動化された格子形成用の開示した模範的な方法による、図4Aの格子のスリバ境界セルの切り取り平面図である。 自動化された格子形成用の開示した模範的な方法を実施するための開示した模範的な装置の斜視図である。
符号の説明
10 ヘッダパイプ
12 パイプ表面
12a パイプ表面
12b パイプ表面
12c パイプ表面
12d ポート表面
14 三角形列
14’ 細分された三角形列
14a 表面12aの個々の三角形
14b 表面12bの個々の三角形
14c 表面12cの個々の三角形
16a 代表的な三角形14bの頂点
16b 代表的な三角形14bの頂点
16c 代表的な三角形14bの頂点
20 単一のモデルセル
22 分割面
24 分割面
26 分割面
28 細分された8つのセルの1つ
30 細分された8つのセルの1つ
32 細分された8つのセルの1つ
34 細分された8つのセルの1つ
36 細分された8つのセルの1つ
38 細分された8つのセルの1つ
40 細分された8つのセルの1つ
42 細分された8つのセルの1つ
50 表面多角形
52 表面多角形
54 形成された格子
56 非境界セル
58 境界セル
60 表面多角形
62 表面多角形
64 表面多角形の法線ベクトル
66 表面多角形の法線ベクトル
72 セル58の面
74 セル58の面
76 セル58の面
80 格子部分
82 格子80の細分されたセル
84 薄い表面
90 共通のセル面
92 セル面
A 格子80の境界セル
A1 境界セルAの部分
A2 境界セルAの部分
B 格子80の非境界セル
C 格子80の境界セル
C1 境界セルCの部分
C2 境界セルCの部分
D 格子80の非境界セル
R 格子54の境界セル
S 格子80の境界セル
S1 セルSの部分
S2 セルSの部分
T 格子54の非境界セル
U 格子54の境界セル
V 格子54の非境界セル
W 格子54の非境界セル
X 格子54の境界セル
Y 格子54の非境界セル
Z 格子54の非境界セル

Claims (5)

  1. 1以上の質量流を計算する有限体積輸送方程式を用いる、少なくとも1つの閉曲面を有する流体ダイナミクスシステムのマルチセルコンピュータモデル用の固定幾何学的格子を形成するための、デジタルコンピュータで実行される方法であって、
    一列の隣接多角形によってシステム表面を表すステップと、
    システム全体を取り囲む単一のモデルセルを創出するステップと、
    すべての表面多角形を単一のモデルセルに割り当てるステップと、
    1つ以上の細分面を使用して、割り当てられたすべての交差多角形を細分することを含む、表面多角形列を取り囲む単一のモデルセルの部分を少なくとも細分するステップと、
    細分ステップから得られる細分された個々のセルに表面多角形のすべてを再び割り当てるステップと、
    前記システム表面から、2つ以上の表面多角形を有するそれらの細分されたセルを識別するステップと、
    それらの識別されたセルの表面多角形に関し有効な境界領域及び法線ベクトルを計算するステップと、
    を含み、
    前記計算された有効な境界領域及び法線ベクトルは、1以上の前記有効な境界領域にわたって前記マルチセルコンピュータモデルの細分された各セルに対し、質量、運動量及びエネルギの輸送を計算するために用いられる
    ことを特徴とする方法。
  2. 計算するステップが、それぞれの識別されたセルについて、
    個々の表面多角形の領域に等しい大きさ有する表面多角形のそれぞれから、法線ベクトルを計算するステップと、
    単一の法線ベクトルの方向の個々の表面多角形の投影面積に等しい大きさを有する単一の法線ベクトルに、法線ベクトルを結合するステップと、
    を含む、
    請求項1に記載の方法。
  3. 1つ以上の細分されたセルのそれぞれが、流体システム表面によって2つ以上の別個の部分に分割され、さらに、方法が、分割セルのそれぞれのセル部分と個々の隣接境界セル及び非境界セルとを接続する情報を決定するステップを含み、
    分割セル部分のそれぞれに同一の格子位置情報が付与され、また
    分割セル部分のそれぞれが、その個々の部分に関する輸送方程式を解く際に無関係に取り扱われる、請求項1に記載の方法。
  4. 予め選択された量部分未満の容積を有する境界セルを識別するステップと、
    それぞれの識別された部分境界セルと隣接セルとを対にするステップと、
    対にしたそれぞれの隣接セルの幾何学的情報を調整して、個々の部分境界セルの容積情報、面情報、及び境界情報を少なくとも含めるステップとを含み、
    形成された格子の使用中に、それぞれのセル対の調整された隣接セルのみへの、および該隣接セルのみからの熱物理学的な値フラックスを規定する輸送方程式が解かれる、請求項1に記載の方法。
  5. 1以上の質量流を計算する有限体積輸送方程式を用いる、少なくとも1つの閉曲面を有する流体ダイナミクスシステムのマルチセルコンピュータモデル用の固定幾何学的格子を自動的に形成するための装置であって、
    デジタルコンピュータと、
    コンピュータに記憶された計算流体ダイナミクスプログラムと、を含み、
    計算流体ダイナミクスプログラムが、自動的に、
    一列の隣接多角形によってシステム表面を表すデータセットを受け取り、
    システム全体を取り囲む単一のモデルセルを創出し、
    すべての表面多角形を単一のモデルセルに割り当て、
    1つ以上の細分面を使用して、割り当てられたすべての交差多角形を細分することを含めて、表面多角形列を取り囲む単一のモデルセルの部分を少なくとも細分し、
    細分ステップから得られる細分された個々のセルに表面多角形のすべてを再び割り当て、
    前記システム表面から、2つ以上の表面多角形を有するそれらの細分されたセルを識別し、また
    それらの識別されたセルの表面多角形に関し有効な境界領域及び法線ベクトルを計算するためのソフトウェアを有するルーチンを含み、
    前記計算された有効な境界領域及び法線ベクトルは、1以上の前記有効な境界領域にわたって前記マルチセルコンピュータモデルの細分された各セルに対し、質量、運動量及びエネルギの輸送を計算するために用いられる
    ことを特徴とする装置。
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