JP5016995B2 - 使い捨てカイロ - Google Patents
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Description
また、この種使い捨てカイロとして、手指を温めるために衣服のポケットに入れたり、手で持ったりして使用される「貼らないタイプ」や、一面側に粘着層を備え、衣服や肌などに貼り付けて使用する「貼るタイプ」のものが知られている(例えば特許文献1〜3など参照)。
但し、溶解性の低い物質(例えば、分子量100万〜140万のヒアルロン酸ナトリウム)を水のみで溶かした場合、その配合割合が0.005重量%を超えると粘度が高くなって不織布層へ含浸しにくくなる。一方、当該ヒアルロン酸ナトリウムを用いた場合、0.005重量%程度の含浸で本発明の課題を充分に達成することができる。同割合が0.005重量%未満になると、所期の目的の達成が困難になるため好ましくない。
一方、溶解性の高い物質を用いた場合や、界面活性剤を用いて溶解し易く調整することで、0.005重量%以上の割合でも本発明の課題を充分に達成することができる。
よって、保湿成分が水溶性有機酸及び/又は水溶性有機酸塩を含有する場合の好ましい配合割合は、用いる物質の特性や他の混合物質等により最適な範囲を選択するが、総括すると、0.005〜20重量%、より好ましくは0.005〜10重量%である。
また、十分な保湿効果が得られ、且つべたつき感を抑えるなどの点から、保湿成分中における多価アルコールの配合割合は40重量%以下であることが好ましく、使い捨てカイロとしての使用感などを考慮すると、25重量%以下であることがより好ましい。但し、多価アルコールの割合が0.1重量%未満になると、所期の目的を得ることが困難になるため好ましくない。
よって、保湿成分が多価アルコールを含有する場合の好ましい配合割合は、0.1〜40重量%、より好ましくは0.1〜25重量%である。
また、ブチレングリコールは、保湿効果に加え、粘度調整作用、抗菌作用を兼ね備えるので、単体で、若しくは他の保湿成分と混合して使用すると良い。
具体的には、レーヨン、リヨセル(商品名:テンセル)、キュップラなどのセルロース系繊維や綿などを主成分とし、これらの一種以上、又は、これらと他の繊維(例えば、ナイロン、ポリエステルなど)とを混合してなる不織布を用いることができる。
また、セルロース系繊維や綿は、袋体を成形する際の高温環境に耐えることができ、且つ、生分解性があり環境に優しいなどの利点もあるので、これら以外の繊維は用いない方が好ましく、特に、レーヨンは耐熱性が高いので好ましい。
さらに、前記繊維として、引張強度が高いこと、抜き加工性に優れるなどの理由から、長繊維(フィラメント)のものよりも、短繊維(ステーブル)のものを用いると良い。
また本発明は前記構成により、外装袋の開封時から4分間経過前までの不織布層の水分率が5%を超え、10分間経過以降の同水分率が5%以下となってさらっとした質感になり、べたつき感を抑えて、カイロとしての使用感を損なうことなく前記した潤い感を与えることができる。
さらに、本発明は前記構成により、セルロース系繊維が湿潤して袋体に柔軟性が加味され、10分間経過以降においても不織布層がさらっとした質感を維持すると共に風合いも良く、使用感が向上する。
なお、前記水分率は、外装袋の外側における温度5℃、湿度50%の条件で測定した場合の数値である。当該条件は、この種使い捨てカイロが使用される平均的条件に基づき設定した。
また、外装袋を開封した時の不織布の水分率が5%未満であると、使用者の手肌等に潤いを与えることが困難である。
さらに、外装袋の開封時から10分間経過後も同水分率が5%以上であると、使用者にベタツキ感を与えると共に発熱温度の立ち上がりが遅くなり、使用感が低下するので好ましくない。
前記剛軟度(L)が50mm以上のシートとした場合、柔らかくて肌触りが良く、風合いの良い袋体となり、前述したしっとり感とさらっと感の双方をより効果的に実現することができる。
最外層(表面側)はレーヨン製不織布層とし、例えば、日清紡社製のoikos(目付量43g/m2)を用いると良い。
その内側層はエステル系接着剤層とし、フィルムの柔らかさと相関強度確保のため、グラビア版を用いて、格子状に約2.5±0.5g/m2を程度の目付量となるよう塗布し、下記フィラー入りポリエチレン1軸延伸白色フィルムと前記不織布をラミネートすると良い。
その内側層は、フィラー入りポリエチレン1軸延伸フィルム(30g/m2程度)を用いると良い。フィラー入りポリエチレンを1軸延伸することで白色化し、フィルムの腰も柔らかく外観もきれいなものに仕上がる。
その内側層は、厚さ15μm程度のポリエチレンフィルムを用い、さらにその内側(最内層:発熱材封入側)は、厚さ17μm程度の変性LLDPEフィルムを用いると良い。一般的に、同じ素材のフィルムにおける腰の強さは、そのフィルム厚の3乗に比例するといわれており、柔らかさを求めるには極力薄い方がよいが、使い捨てカイロ用袋体を成形するための十分なヒートシール強度と生産性の為、ホットタック性と低温シール性を考慮し、シーラント層は2層とした。最内層は高速シール性を考慮してホットタック性に優れた変性LLDPEを用い、ヒートシール強度を確保するためにシーラント層の厚さを約30μm程度にすると良い。
ここで、前記通気性シート及び/又は前記非通気性シートにおける5%伸長応力は、袋体製造時における幅方向での伸長応力であると良い。
より好ましくは、前記通気性シート及び/又は前記非通気性シートを構成する不織布の緯(よこ)方向繊維が、当該通気性シート及び/又は非通気性シートの幅方向になっており、当該シートの幅方向の5%伸長応力が5(N/20mm)以下であると良い。
前記不織布の経(たて)方向繊維も同程度の柔らかさであっても良いが、この場合、袋体製造時において、前記通気性シート及び/又は前記非通気性シートの流れ方向における伸びが大きくなり、袋体製造が困難になるため好ましくない。
本例の使い捨てカイロaは、扁平状の袋体2内に発熱材1が封入されていると共に、この袋体2を外装袋3内に封入してなる。
また、袋体2の他面側を形成する非通気性シート5は、ポリエチレンなどからなる非通気フィルム5aの表面側に、レーヨンの短繊維からなる不織布5bを積層して複層化したシートからなる。
これら複層化したシート4,5は、後述する保湿成分含有前において、JIS L 1096 8.19.4 D法に準拠したハートループ法における剛軟度(L)が50mmであると共に、不織布4b,5bの緯(よこ)方向繊維が、当該シート4,5の幅方向になっており、該幅方向の5%伸長応力が5(N/20mm)となるよう形成されている。
また、前記保湿成分は、温度5℃、湿度50%の条件下において、外装袋3を開封した際の不織布層4b,5bにおける水分率が5〜11%の範囲内となり、且つ、外装袋3の開封時から少なくとも4分間経過前までにおける不織布層の水分率が5%を超え、10分間経過以後の同水分率が5%以下になるよう、不織布層4b,5bに対し、保湿成分が、0.2g/123m2(袋体片面当り)含浸されている。
また、外装袋3を開封した際の不織布層4b,5bにおける水分率が5〜11%の範囲内で、4分経過時までにおける不織布層の水分率が5%以上、10分経過後の同水分率が5%未満となるので、使用開始当初はしっとりとした感触を与え、所定時間経過後はさらっとした感触となり、使い捨てカイロとしての本来の機能や使用感を損なうことなく、前述の効果を得ることができる。
さらに、袋体2を構成するシート4,5が所定の剛軟度(L)と伸長応力を持つものである為、柔らかくて肌触りが良く、風合いの良い袋体となり、前述した潤い感、しっとり感、さらっと感をより効果的に実現することができる。
また、不織布層4b、5bをセルロース系短繊維で形成したので、引張強度が高く抜き加工性に優れたシートとなり、袋体2の製造に極めて有利であるなど、多くの効果を有する。
外装袋の開封時から所定時間経過するまでの不織布層における水分率の変化と官能試験を行った。試料としては、図1に示した前述の構成の使い捨てカイロを実施例1,2とした。
水溶性保湿成分として、水:100部に対し、ヒアルロン酸ナトリウム(分子量100万〜140万):0.01〜0.06部、1,3−ブチレングリコール:12〜40部の組成のものを用い、この水溶性保湿成分を、不織布層としてのレーヨン短繊維からなる不織布(目付量:43g/m2)に対し、0.2g/123m2(片面当り)の割合で含浸させた。
水溶性保湿成分を0.4g/123m2(片面当り)の割合で含浸させたこと以外は、実施例1と同様とした。
水溶性保湿成分を0.6g/123m2(片面当り)の割合で含浸させたこと以外は、実施例1と同様とした。
市販されている従来の使い捨てカイロ(貼らないタイプ)を用いた。
これに対し、比較例1の使い捨てカイロは、外装袋開封時から2分間経過時まで袋体表面の水分率が11%を超えており、手で握った際に水っぽく冷たい感触を受けると共に、水分が衣服などへ水分が移行するなどの問題があった。
また、比較例2の使い捨てカイロは、外装袋開封時における袋体表面(不織布層)の水分率は5%を超えているものの、1分間経過時点において5%未満に低下し、3分間経過後は同水分率が3%未満まで低下することが確認できた。
1:発熱材
2:袋体
3:外装袋
4:通気性シート
4a:ポリエチレン製通気フィルム
4b:短繊維レーヨン製不織布
5:非通気性シート
5a:ポリエチレン製非通気フィルム
5b:短繊維レーヨン製不織布
Claims (3)
- 通気性を有する扁平状の袋体内に発熱材が封入された使い捨てカイロであって、
前記袋体は、一面側に通気性シートを、他面側に非通気性シートをそれぞれ用い、又は、一面側と他面側の双方に通気性シートを用い、これら一面側と他面側のシートの周縁同士を熱圧着して扁平袋状に形成されており、
前記通気性シート及び/又は前記非通気性シートが、熱可塑性合成樹脂フィルムの表面に不織布を積層した複層フィルムからなり、前記不織布層に保湿成分(潤い成分)を含有し、
前記不織布は、吸水性及び親水性を有するセルロース系繊維または綿を主成分とし、
前記保湿成分は、水溶性有機酸、水溶性有機酸塩、多価アルコール、の中から選ばれた一種又は二種以上を含有し、
前記保湿成分は、精製水、アルカリ単純温泉水、深層水、の中から選ばれた一種又は二種以上を溶媒とし、
前記保湿成分における水溶性有機酸及び/又は水溶性有機酸塩の割合が0.005〜20重量%、または前記保湿成分における多価アルコールの割合が0.1〜40重量%であり、
当該使い捨てカイロは、少なくとも酸素バリア性と透湿度バリア性を有する外装袋に封入され、前記不織布層がセルロース系短繊維からなり、前記外装袋の開封時における前記不織布層の水分率が5〜11%であり、前記外装袋の開封時から少なくとも4分間経過前までにおける前記不織布層の水分率が5.0%を超えており、10分間経過以降の同水分率が5.0%以下になる(外装袋外側における温度:5℃、湿度:50%の条件下)ことを特徴とする使い捨てカイロ。 - 前記保湿成分含有前の前記通気性シート及び/又は前記非通気性シートの、ハートループ法(JIS L 1096 8.19.4 D法に準拠)における剛軟度(L)が50mm以上であることを特徴とする請求項1記載の使い捨てカイロ。
- 前記保湿成分含有前の前記通気性シート及び/又は前記非通気性シートの5%伸長応力が5(N/20mm)以下であることを特徴とする請求項1または2記載の使い捨てカイロ。
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