JP5030865B2 - バルクロール、並びに積層体の製造装置 - Google Patents

バルクロール、並びに積層体の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は積層体及びそのロール体、並びに積層体の製造装置に係り、特に支持体に有機膜、無機膜が積層された光学フィルムなどの積層体及びそのロール体、並びに積層体の製造装置に関する。
光学素子、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置、半導体装置、薄膜太陽電池などの各種装置では、機能性フィルム(機能性シート)として、ガスバリアフィルム、保護フィルム、光学フィルタ、反射防止フィルム等の光学フィルムが利用されている。このような機能性フィルムの一例としては、プラスチックフィルム等の基材上に、ポリマーを主成分とする有機膜が成膜され、その上に無機物からなる無機膜が真空製膜法により硬質薄膜として成膜された機能性フィルム(積層フィルム)が知られている。
ところで、機能性フィルム等を製造するフィルム製造装置では、長尺状のフィルムを、製品幅に合わせて長手方向に裁断する裁断工程が行われる。裁断工程は一般に、回転下刃と回転上刃との間に長尺状のフィルムを通過させることによって行われる。その際、フィルム上に硬質薄膜(たとえば磁気テープの磁性層や上述した積層フィルムの無機膜など)があると、硬質薄膜に割れが発生しやすいという問題がある。そこで、裁断条件を規定することによって、裁断後の磁気テープの両端部形状を規定している。たとえば、特許文献1では、磁気テープの両端部において、バック層の側面をベースの側面よりも内側に配置している。また、特許文献2は、磁気テープの両端部において、表面の盛り上がり部の高さを抑えている。裁断後のフィルム(磁気テープ)をこれらの形状とすることによって、硬質薄膜の割れを抑制することができる。
このようにして裁断されたフィルム(またはテープ)は、巻芯にロール状に巻回される。ロール状に巻回されたフィルムのロール体(以下、バルクともいう)は、必要に応じて包装された後、保管され、他の工程に移送される。その際、バルクロールの端面に傷が生じることを防止するため、クッションなどを設けてバルクロールの端面を保護している。
特開2001−273629号公報 特開2007−257697号公報
しかしながら、フィルムが上述した無機膜、有機膜、基材から成る積層フィルムの場合には、バルクロールの端面にクッションを配することによって、クッションがバルクロールの端面に接触し、無機膜の割れが発生してしまうおそれがあった。
本発明はこのような事情に鑑みて成されたもので、ロール状に巻回した場合であっても、硬質薄膜に割れが発生することを防止できる積層体及びそのバルクロール、並びに積層体の製造装置を提供することを目的とする。
発明は前記目的を達成するために、支持体と、該支持体よりも薄い表層の硬質薄膜と、該硬質薄膜と前記支持体の間に設けられて前記硬質薄膜よりも軟らかい緩衝層とを備え、前記硬質薄膜の幅方向の両端面が、前記支持体または前記緩衝層の端面よりも内側に配置される積層体がロール状に巻回されて成ることを特徴とするバルクロールを提供する。
本発明によれば、硬質薄膜の両端面を支持体や緩衝層の端面よりも内側に配置したので、ロール状に巻回した場合であっても、硬質薄膜が幅方向に突出することがなく、硬質薄膜の割れを防止することができる。
発明は前記目的を達成するために、支持体と、該支持体よりも薄い表層の硬質薄膜と、該硬質薄膜と前記支持体の間に設けられて前記硬質薄膜よりも軟らかい緩衝層とを備えた積層体を走行させる走行手段と、前記積層体の製品幅と同じ長さの円筒状に形成され、その両側面の外周部にテーパを有するとともに、その外周面で前記積層体を支持する下刃と、前記下刃の両側面にそれぞれ対向して配置されるとともに、前記下刃の側面に対向する側面の外周部にテーパを有し、前記回転下刃で支持された積層体を裁断する円盤状の上刃と、を備えることを特徴とする積層体の製造装置を提供する。
本発明によれば、下刃の両側面を用いて積層体を裁断するので、裁断後の積層体の両端部が左右対称になる。また、下刃の側面の外周部と、上刃の側面の外周部にテーパを設けたので、裁断後の積層体の両端部は斜めに裁断され、下刃で支持された面の幅よりもその反対側の面の幅が大きくなる。したがって、裁断後の積層体は、その断面が略台形になる。これにより、積層体の硬質薄膜の端面を支持体や緩衝層よりも内側に配置することができる。
本発明によれば、硬質薄膜の両端面を支持体や緩衝層の端面よりも内側に配置したので、ロール状に巻回した場合であっても、硬質薄膜が幅方向に突出することがなく、硬質薄膜の割れを防止することができる。
以下添付図面に従って本発明に係る積層体及びそのバルクロール、並びに積層体の製造装置の好ましい実施形態について説明する。まず、本発明に係る積層体(積層フィルム)について説明する。
図1は積層フィルムの概念図である。同図に示す積層フィルム10は、基材B(フィルム原反)の表面に、所定のポリマーを主成分とする有機膜12が成膜(形成)され、さらにこの有機膜12の上に真空成膜法によって無機膜14が成膜される。
基材Bの種類は特に限定するものではなく、PETフィルム等の各種の樹脂フィルム、アルミニウムシートなどの各種の金属シートなど、有機膜12及び真空成膜による無機膜14の成膜が可能なものであれば、ガスバリアフィルム、光学フィルム、保護フィルムなどの各種の機能性フィルムに利用されている各種の基材(ベースフィルム)が、全て利用可能である。また、基材Bは、表面に、保護膜や接着膜など、各種の膜が形成されているものであってもよい。
有機膜12は、放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーを主成分とする膜である。具体的には、使用されるモノマー又はオリゴマーとしては、エチレン性不飽和二重結合を2個以上有し、光の照射によって付加重合するモノマー又はオリゴマーであることが好ましい。そのようなモノマー及びオリゴマーとしては、分子中に少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上の化合物を挙げることができる。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート及びフェノキシエチル(メタ)アクリレートなどの単官能アクリレートや単官能メタクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)シアヌレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパンやグリセリン等の多官能アルコールにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを付加した後(メタ)アクリレート化したもの等の多官能アクリレートや多官能メタクリレートを挙げることができる。
更に特公昭48−41708号公報、特公昭50−6034号公報及び特開昭51−37193号公報に記載されているウレタンアクリレート類;特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報及び特公昭52−30490号公報に記載されているポリエステルアクリレート類;エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸の反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能アクリレートやメタクリレートを挙げることができる。
これらの中で、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートが好ましい。また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合性化合物B」も好適なものとして挙げることができる。
使用される光重合開始剤又は光重合開始剤系としては、米国特許第2367660号明細書に開示されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載のα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、米国特許第3549367号明細書に記載のトリアリールイミダゾール2量体とp−アミノケトンの組み合わせ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−トリアジン化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されているトリハロメチルオキサジアゾール化合物等を挙げることができる。特に、トリハロメチル−s−トリアジン、トリハロメチルオキサジアゾール及びトリアリールイミダゾール2量体が好ましい。
また、この他、特開平11−133600号公報に記載の「重合開始剤C」も好適なものとしてあげることができる。光重合開始剤の使用量は、塗布液の固形分の0.01〜20質量%であることが好ましく、0.5〜10質量%であることがさらに好ましい。液晶性化合物の重合のための光照射は、紫外線を用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/cm〜50J/cmであることが好ましく、100〜2000mJ/cmであることがさらに好ましい。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を実施してもよい。
有機膜12の成膜方法としては、通常の溶液塗布法、あるいは真空成膜法等を挙げることができる。溶液塗布法としては、例えばディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スライドコート法、或いは、米国特許第2681294号明細書に記載のホッパ−を使用するエクストル−ジョンコート法により塗布することができる。塗布後は、ヒータや温風等で塗布液を乾燥させた後、UV(紫外線)照射し、放射線硬化性のモノマー又はオリゴマーを重合させることが好ましい。
なお、アクリレートやメタクリレートは、空気中の酸素によって重合阻害を受ける。従って、本発明において、有機膜12としてこれらを利用する場合には、重合時の酸素濃度もしくは酸素分圧を低くすることが好ましい。窒素置換法によって重合時の酸素濃度を低下させる場合、酸素濃度は2%以下が好ましく、0.5%以下がより好ましい。減圧法により重合時の酸素分圧を低下させる場合、全圧が1000Pa以下であることが好ましく、100Pa以下であることがより好ましい。また、100Pa以下の減圧条件下で2J/cm以上のエネルギーを照射して紫外線重合を行うのが特に好ましい。
本発明において、モノマーの重合率は80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。ここでいう重合率とはモノマー混合物中の全ての重合性基(例えばアクリレートやメタクリレートであれば、アクリロイル基およびメタクリロイル基)のうち、反応した重合性基の比率を意味する。
また、有機膜12は、平滑で、膜硬度が高いことが好ましい。有機膜12の平滑性は10μm角の平均粗さ(Ra値)として10nm以下であることが好ましく、2nm以下であることがより好ましい。
さらに有機膜12の膜硬度は、ある程度以上の硬さを有することが好ましい。好ましい硬さとしては、ナノインデンテーション法で測定したときの押し込み硬度として100N/mm2 以上が好ましく、200N/mm2以上がより好ましい。また、鉛筆硬度としてはHB以上の硬さを有することが好ましく、H以上の硬さを有することがより好ましい。
無機膜14の種類は、特に限定されるものではなく、各種の無機物が利用可能である。また、無機膜14の製造方法は特に限定するものではないが、真空成膜法によって成膜することが好ましく、たとえば、CVD、プラズマCVD、スパッタリング、真空蒸着、イオンプレーティング等が用いられる。
無機膜14の硬度は、HRC70以上であることが好ましい。このような硬度の無機膜14は、裁断時に割れが発生しやすいため、本発明の効果が顕著になる。また、無機膜14の厚みは、100nm以下が好ましく、50nm以下が特に好ましい。このように薄い無機膜14は、裁断時に割れが発生しやすいため、本発明の効果が顕著になる。
なお、有機ELディスプレイや液晶ディスプレイのような表示装置など各種のデバイスや装置の保護フィルムを製造する場合、無機膜14として酸化ケイ素膜等が成膜される。
また、光反射防止フィルム、光反射フィルム、各種のフィルタ等の光学フィルムを製造する場合、無機膜14として、目的とする光学特性を有する、あるいは発現する材料からなる膜が成膜される。
なお、本発明の積層体は、基材B、有機膜12、無機膜14の三層に限定されるものではなく、基材Bと無機膜14との間に複数層の有機膜12を設けた構成であってもよい。
上記の如く構成された積層フィルム10は、無機膜14が最も硬くて薄い硬質薄膜として形成され、有機膜12が無機膜14よりも軟らかい緩衝層として形成される。このような積層フィルム10を製品幅に裁断した後、ロール状に巻回すると、無機膜14が割れやすいという問題がある。本発明はこのような問題を解消する積層フィルム10であり、その幅方向の両端部の形状が規定されている。
図1に示すように、積層フィルム10の幅方向の両端面は、無機膜14が基材Bや有機膜12よりも内側に配置されている。本実施形態では、基材Bが最も外側に突出し、無機膜14が最も内側に配置されており、無機膜14は、基材Bに対して、所定の長さLだけ内側に退避している。これにより、積層フィルム10の断面の全体形状は略台形に形成される。ここで、長さLとは、積層フィルム10の厚みに応じて決定され、たとえば積層フィルム10が100μmのときに20〜30μmで形成される。
このように形成された積層フィルム10は、図2に示すように巻芯16にロール状に巻回され、バルクロールとして保管または移送される。また、図3に示すように、必要に応じて包装材18に包装され、テープ19によって包装材18が止められた状態で、保管または移送される。なお、バルクロールを包装材18で二重に包装するなどの態様が可能である。
こうして形成されたバルクロールは、端部にクッション材を当てたり、端部をVブロックで支持したりした状態で、保管または移送される。その際、バルクロールの端面にクッション材やVブロックが接触することがある。このため、従来のバルクロールの場合(すなわち、少なくとも一方の端部において無機膜14が基材Bや有機膜12よりも突出した積層フィルム10を巻回して成るバルクロールの場合)、無機膜14が押圧されて割れが発生するおそれがある。特に無機膜14と基材Bとの間に緩衝層となる有機膜12がある場合には、緩衝層が圧迫されてつぶれるため、無機膜14が外側に突出しやすくなり、無機膜14が割れやすいという問題があった。
これに対して本実施の形態では、積層フィルム10の端面において無機膜14が基材Bや有機膜12よりも内側に配置されている。したがって、積層フィルム10を巻回したバルクロールの端面では、無機膜14が内側に退避した状態になっており、バルクロールの端面にクッション材等が接触しても、無機膜14には触れることがなく、無機膜14の割れを防止することができる。特に本実施の形態では、無機膜14の端面が最も内側に配置されるので、バルクロール形成時に有機膜12がつぶれた場合であっても、無機膜14が外側に突出するおそれがなく、無機膜14の割れを確実に防止することができる。
次に上述した積層フィルム10のバルクロールを製造する製造装置について説明する。
図4は、本実施形態の裁断装置20の構成を模式的に示す側面図である。同図に示す裁断装置20は、長尺状の積層フィルム10を製品幅で裁断する装置であり、主として送出部30、裁断部40、巻取部50で構成される。積層フィルム10は、送出部30や巻取部50を駆動制御したり、不図示のフィードローラ等の走行手段を制御したりすることによって、図4の白抜き矢印の方向に走行するようになっている。この積層フィルム10の走行方向に上流側から順に送出部30、裁断部40、巻取部50が配置される。
送出部30には、裁断前の幅広の積層フィルム10が巻芯32にロール状に巻回された状態で装着されている。この積層フィルム10は、送出部30から送り出され、ガイドローラ34を経て裁断部40に搬送される。
図5は、裁断部40を示す正面図である。同図に示すように、裁断部40は、上下対になった複数対の回転上刃42と回転下刃44を備える。回転上刃42と回転下刃44の材質は、SK材、SUS材等が使われ、タングステンカーバイト等も好適に用いられる。
回転下刃44は円筒状に形成されており、シャフト48を介して装置本体(不図示)に回動自在に支持される。また、回転下刃44は、シャフト48を介してモータ(不図示)に接続され、このモータによって回転駆動される。回転下刃44の回転方向と周速は特に限定するものではないが、たとえば積層フィルム10の走行方向と同じ方向に、且つ、積層フィルム10の走行速度に等しい周速で回転するように制御される。
回転下刃44は、三つに分割されており、回転下刃44同士の間にはスペーサ49が配設されている。三つの回転下刃44のうち、中央の回転下刃44の幅は、製品幅と同じ寸法になっており、その両側面44aが円形の裁断面として作用するようになっている。
一方、回転上刃42は薄い円盤状に形成されている。この回転上刃42は、シャフト46を介して装置本体(不図示)に回動自在に支持されており、シャフト46は、前述のシャフト48と平行に配置される。なお、シャフト46は、連れ回りでも、不図示のモータによって回転駆動されるようにしてもよい。回転上刃42の回転方向と周速は特に限定するものではないが、たとえば積層フィルム10の走行方向と同じ方向に、且つ、積層フィルム10の走行速度と等しい周速で回転するように設定される。
回転上刃42は、その下端部が回転下刃44同士の間に入り込むように(すなわち、側方から見てオーバーラップするように)配置されている。オーバーラップ量は、積層フィルム10の厚みに応じて設定され、積層フィルム10を確実に裁断できるように(たとえば0.5mm程度に)設定されている。また、回転上刃42は、その側面aが回転下刃44の側面44aに対向して配置されており、裁断面として作用するようになっている。
図6は、回転上刃42と回転下刃44とによって積層フィルム10が裁断される状況を示している。同図に示すように、回転上刃42の側面42aの外周部分は一周にわたって面取りされ、テーパ42bが形成されている。また、回転下刃44の側面44aの外周部分は一周にわたって面取りされ、テーパ44bが形成されている。このため、回転上刃42を回転下刃44側に押し込むと、積層フィルム10は、回転上刃42の先端42cと回転下刃44の先端44cとを結ぶ二点鎖線で斜めに裁断される。これにより、裁断後の積層フィルム10は、幅方向の端面において無機膜14が最も内側に配置され、基材Bが最も外側に配置される。なお、回転上刃42及び回転下刃44の面取りは、積層フィルム10の厚みに応じて設定され、たとえば5〜25μmに設定される。
本実施の形態の裁断部40では、積層フィルム10の幅方向の中央を対称中心として左右対称に構成されている。したがって、裁断後の積層フィルム10は、幅方向の両端部において無機膜14が最も内側に配置され、基材Bが最も外側に配置されている。これにより、裁断後の積層フィルム10の断面形状が略台形になる。
図4に示すように、裁断部40で裁断された積層フィルム10は、ガイドローラ54を経て巻取部50に送られ、巻芯16にロール状に巻回される。これにより、積層フィルム10を巻回したバルクロールが形成される。その際、緩衝層となる有機膜12が圧迫されてつぶれるが、本実施の形態では、積層フィルム10の幅方向の端面において無機膜14が最も内側に退避しているので、有機膜12がつぶれた場合であっても無機膜14が外側に突出することがない。したがって、バルクロールの端面にクッション材等が接触しても、無機膜14に接触することがないので、無機膜14に割れが発生することを防止できる。
図4の裁断装置を用い、積層フィルムの条件(支持体(基材)、緩衝層(有機膜)、硬質薄膜(無機膜)の材質や厚みなど))を変えて裁断を行った。そして、裁断後の長さ1000mの積層フィルムを7インチの巻芯に巻回してバルクロールを形成した後、両サイドにクッションを当てて梱包した。このバルクロールについて硬質薄膜の割れの有無を下記の基準で評価した。
×:肉眼で硬質膜の割れが認められる。
△:肉眼では確認できないが、光学顕微鏡(×500)で割れと部分的な離脱が認められる。
○:肉眼では確認できないが、光学顕微鏡(×500)で割れが認められるが、離脱は認められない。
◎:光学顕微鏡(×500)でも割れや離脱が認められない。
図7に積層フィルムの条件と評価の結果を示す。なお、図7において、PCはポリカーボネート、PETはポリエチレンテレフタレート、DPHAはジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを意味する。また、図7においてLは、無機膜14が基材Bに対して内側に配置された状態をプラスとし、無機膜14が基材Bと同じレベルで突出した状態を零(比較例)とした。さらに、無機膜14の厚みと有機膜12の厚み、及びその硬さの関係を示す係数として、以下のように厚み係数を求めた。
厚み係数={(無機膜14の厚み)/(無機膜14の硬さ[Hc])}×{(有機膜12の硬さ[Hc])/(有機膜12の厚み)
この厚み係数が大きくなるほど、無機膜14が硬くて薄く、または有機膜12が厚く軟らかいことを意味し、2以上であると本発明の効果が顕著になる。
図9から分かるように、積層フィルム10の幅方向の端面において、無機膜14が基材Bと同じ程度に突出した比較例1では、バルクロールの端面で無機膜14の割れが発生した。これに対して、無機膜14が基材Bよりも内側に配置された実施例1〜7では、バルクロールの端面で発生する無機膜14の割れを抑制することができた。特に、厚み係数が小さい実施例7よりも厚み係数が8.5以上と大きい実施例1〜6の方が好ましいという結果が得られた。また、実施例4〜6から分かるように、Lは10μm以上が好ましく、20μm以上がより好ましく、30μm以上がさらに好ましいという結果が得られた。
本実施の形態の積層フィルムを模式的に示す断面図 積層フィルムのバルクロールを示す斜視図 図2のバルクロールを包装した包装体を示す斜視図 本実施の形態の積層フィルムの製造装置を模式的に示す側面図 図4の裁断部の構成を模式的に示す正面図 裁断状態を示す説明図 実施例の結果を示す表図
符号の説明
10…積層フィルム、12…有機膜、14…無機膜、16…巻芯、18…包装材、20…積層フィルムの製造装置、30…送出部、32…巻芯、40…裁断部、42…回転上刃、44…回転下刃、46…シャフト、48…シャフト、49…スペーサ、50…巻取部

Claims (3)

  1. 支持体と、該支持体よりも薄い表層の硬質薄膜と、該硬質薄膜と前記支持体の間に設けられて前記硬質薄膜よりも軟らかい緩衝層とを備え、前記硬質薄膜の幅方向の両端面が、前記支持体または前記緩衝層の端面よりも内側に配置される積層体がロール状に巻回されて成ることを特徴とするバルクロール。
  2. 前記緩衝層は、ナノインデンテーション法で測定したとき100N/mm 以上の押し込み硬度を有する請求項1に記載のバルクロール。
  3. 支持体と、該支持体よりも薄い表層の硬質薄膜と、該硬質薄膜と前記支持体の間に設けられて前記硬質薄膜よりも軟らかい緩衝層とを備えた積層体を走行させる走行手段と、
    前記積層体の製品幅と同じ長さの円筒状に形成され、その両側面の外周部にテーパを有するとともに、その外周面で前記積層体を支持する下刃と、
    前記下刃の両側面にそれぞれ対向して配置されるとともに、前記下刃の側面に対向する側面の外周部にテーパを有し、前記回転下刃で支持された積層体を裁断する円盤状の上刃と、
    を備えることを特徴とする積層体の製造装置。
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