以下に、本発明にかかる薄膜太陽電池およびその製造方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。また、以下に示す図面においては、理解の容易のため、各部材の縮尺が実際とは異なる場合がある。各図面間においても同様である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかるタンデム型の薄膜太陽電池である薄膜太陽電池モジュール(以下、モジュールと呼ぶ)10の概略構成を示す平面図である。図2−1は、モジュール10の断面構造を説明するための図であり、図1の線分A−A’における要部断面図である。
図1、図2−1に示すように、実施の形態1にかかるモジュール10は、短冊状(矩形状)のセルCを複数備え、これらのセルCが電気的に直列に接続された構造を有する。セルCは、図2−1に示すように絶縁性透光基板1、絶縁性透光基板1上に形成され第1の電極層となる透明電極層2、透明電極層2上に形成される第1発電層3、第1発電層3上に形成される第2発電層4、第2発電層4上に形成され第2の電極層となる裏面電極層5、を備える。
絶縁性透光基板1上に形成された透明電極層2には、絶縁性透光基板1の短手方向と略平行な方向に延在するとともに絶縁性透光基板1に達するストライプ状の第1の溝G1が形成されている。この第1の溝G1の部分に第1発電層3、第2発電層4が埋め込まれることで、透明電極層2が隣接するセルCに跨るようにセル毎に分離されて形成されている。また、透明電極層2上に形成された第1発電層3および第2発電層4には、第1の溝G1と異なる箇所において絶縁性透光基板1の短手方向と略平行な方向に延在するとともに透明電極層2に達するストライプ状の第2の溝G2が形成されている。この第2の溝G2の部分に裏面電極層5が埋め込まれることで、裏面電極層5が透明電極層2に接続される。そして、該透明電極層2が隣接するセルに跨っているため、裏面電極層5と隣接するセルの透明電極層2とが電気的に接続されている。
また、裏面電極層5、第2発電層4および第1発電層3には、第1の溝G1および第2の溝G2とは異なる箇所で、透明電極層2に達するストライプ状の第3の溝G3が形成されて、各セルCが分離されている。このように、セルCの透明電極層2が、隣接するセルCの裏面電極層5と接続することによって、隣接するセルCが電気的に直列接続している。
透明電極層2は、アルミニウム(Al)をドーパントとして含む膜厚1μmの酸化亜鉛(ZnO)膜により構成されている。また、透明電極層2は、第1発電層3側の表面に凹凸形状が形成された表面テクスチャ構造を有する。このテクスチャ構造は、入射した太陽光を散乱させ、第1発電層3および第2発電層4での光利用効率を高める機能を有する。
なお、本実施の形態では透明電極層2としてAlドーパントしたZnO膜を用いるが、透明電極層2はこれに限定されることなく、ドーパントとしてアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ホウ素(B)、イットリウム(Y)、シリコン(Si)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)から選択した少なくとも1種類以上の元素を用いたZnO膜またはこれらを積層して形成した透明導電膜であってもよく、光透過性を有している透明導電膜であればよい。また、ZnO膜以外に、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)の何れかを主成分とする材料からなる膜を使用しても良い。
第1発電層3と第2発電層4は、PN接合またはPIN接合を有し、入射する光により発電を行う薄膜半導体層が1層以上積層されて構成される。第1発電層3は、非晶質シリコン系薄膜からなる光電変換層であり、図2−2に示すように透明電極層2側からP型のアモルファス炭化シリコン膜(a−SiC膜)6、I型のアモルファスシリコン膜(a−Si膜)7、N型のアモルファスシリコン膜(a−Si膜)8を備え、pin接合を形成している。図2−2は、モジュール10における透明電極層2と第1発電層3との形状を説明するための断面図である。
透明電極層2の表面は、光散乱用のテクスチャ構造として小さな凸部2aを有する凹凸形状が形成されている。第1発電層3は、小さな凸部3aを有し、透明電極層2の表面の凹凸形状に対応した凹凸形状に設けられている。そして、第2発電層4側の表面における凹凸形状の凸部3aの先端部が平坦化され、該凸部3aの上面が絶縁性透光基板1の面内方向と略平行な面とされている。すなわち、第1発電層3表面の凹凸形状の高低差は、透明電極層2の表面に形成されている凹凸形状の高低差と比べて緩和されている。
第2発電層4は、微結晶シリコン系薄膜光電変換層であり、第1発電層3側からP型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)、I型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)、N型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)を備え(図示せず)、pin接合を形成している。
裏面電極層5は、第1発電層3および第2発電層4と異なる形状・位置でパターニングされている。裏面電極層5は、膜厚200nmのアルミニウム(Al)膜により構成されている。なお、本実施の形態では裏面電極層5としてアルミニウム(Al)膜を形成するが、裏面電極層5はこれに限定されるものではなく、金属電極として高反射率を有する銀(Ag)を用いてもよく、またこれらを積層して形成してもよい。また、シリコンへの金属拡散を防止するために酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO2)等の透明導電膜を形成してもよい。
ここで、このような実施の形態1にかかるモジュール10の動作の概略について説明する。絶縁性透光基板1の裏面(セルCが形成されていない方の面)から太陽光が入射すると、第1発電層3および第2発電層4で自由キャリアが生成され、電流が発生する。各セルCで発生した電流は、透明電極層2と裏面電極層5とを介して隣接するセルCに流れ込み、モジュール10全体の発電電流を生成する。
このモジュール10においては、光電変換層が非晶質シリコン系薄膜光電変換層である第1発電層3と微結晶シリコン系薄膜光電変換層である第2発電層4とを積層した多層型薄膜光電変換素子構造のセルCを有し、各セルCが電気的に直列に接続されている。このため、薄膜太陽電池としての短絡電流は、各セルCで発生する電流値のうち最も小さな値で制限される。したがって、各セルCの電流値は均等であるほど好ましく、さらに電流の絶対値が大きいほど光電変換効率の向上が期待できる。
以上のように構成された実施の形態1にかかる薄膜太陽電池では、透明電極層2の表面は、光散乱用のテクスチャ構造として小さな凸部2aを有する凹凸形状が形成されている。絶縁性透光基板1側から入射してきた光は、凹凸形状が形成された透明電極層2と第1発電層3との界面で散乱された後に第1発電層3に入射するので、第1発電層3に概ね斜めに入射する。そして、第1発電層3に斜めに光が入射することにより、光の実質的な光路が延びて発電層における光の吸収量が増大するため、薄膜太陽電池の光電変換特性が向上して出力電流が増加する。これにより、良好な光拡散効果を有する、変換効率に優れた薄膜太陽電池が実現されている。
また、以上のような実施の形態1にかかる薄膜太陽電池によれば、第1発電層3表面の凸部3aの先端部が平坦化されており、第1発電層3表面の凹凸形状が緩和されているため、第1発電層3表面の凹凸形状が第2発電層4の微結晶半導体膜の結晶成長に及ぼす影響が抑制され、光散乱用のテクスチャ構造に起因した微結晶半導体膜中の構造欠陥を減少させることができる。これにより、第2発電層4の微結晶半導体膜は欠陥の少ない良好な膜質を有し、微結晶半導体膜中の構造欠陥による膜厚方向に対するキャリア輸送特性の劣化を低減することができる。
そして、非晶質シリコン系薄膜である第1発電層3の膜厚を薄くした場合においても、その上に積層する第2発電層4の微結晶シリコン系薄膜は欠陥の少ない良好な膜質を有するため、セルCの電流値の制御を非晶質シリコン系薄膜である第1発電層3の膜厚により制御することが容易となり、制御性に優れた薄膜太陽電池が実現できる。
したがって、実施の形態1にかかる薄膜太陽電池によれば、光散乱用のテクスチャ構造の光閉じ込め効果による光電変換層における光吸収量の増大と、微結晶半導体薄膜光電変換層中の膜厚方向に対する良好なキャリア輸送特性と、を両立した高い光電変換効率を有する薄膜太陽電池が実現されている。
なお、上記においては第1発電層3に非晶質シリコンを使用する場合について説明したが、非晶質シリコンゲルマニウムや非晶質シリコンカーバイド等の非晶質シリコン系の半導体膜からなるpin構造の第1発電層3と、シリコンゲルマニウムやシリコンカーバイド等の結晶質シリコン系の半導体膜からなるpin構造の第2発電層4と、を積層したタンデム型のモジュール10とすることもできる。発電層をこのようなpin構造とすることにより良好な出力特性が得られる。
つぎに、上記のように構成された実施の形態1にかかるモジュール10の製造方法について説明する。図3−1〜図3−8は、実施の形態1にかかるモジュール10の製造工程を説明するための断面図であり、図1の線分A−A’に対応する断面図である。
はじめに絶縁性透光基板1を準備する。絶縁性透光基板1としては、例えば平板状のガラス基板を用いる(以下ガラス基板1と記載)。本実施の形態では、ガラス基板1として無アルカリガラス基板を用いた場合について説明する。また、ガラス基板1として安価な青板ガラス基板を用いてもよいが、この場合には基板からのアルカリ成分の拡散を防止するためにプラズマ化学気相成長(PCVD)法によりアンダーコート層としてSiO2膜を100nm程度の膜厚で形成するのがよい。
次に、ガラス基板1の一面側に、第1の電極層となる透明電極層2を形成する(図3−1)。透明電極層2としては、例えばアルミニウム(Al)をドーパントとして含む膜厚1μmの酸化亜鉛(ZnO)膜をDCスパッタリング法で堆積形成する。
なお、本実施の形態では透明電極層2としてAlドーパントしたZnO膜を用いるが、透明電極層2はこれに限定されることなく、ドーパントとしてアルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、ホウ素(B)、イットリウム(Y)、シリコン(Si)、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)から選択した少なくとも1種類以上の元素を用いたZnO膜またはこれらを積層して形成した透明導電膜であってもよく、光透過性を有している透明導電膜であればよい。また、ZnO膜以外に、酸化インジウム(In2O3)、酸化スズ(SnO2)の何れかを主成分とする材料からなる膜を使用しても良い。
また、上記においてはDCスパッタリング法により透明電極層2を形成する場合について説明したが、透明電極層2の形成方法はこれに限定されるものではなく、真空蒸着法、イオンプレーティング法などの物理的方法や、スプレー法、ディップ法、CVD法などの化学的方法を用いても良い。
その後、透明電極層2を形成したガラス基板1を、例えば1%の塩酸(HCl)水溶液中に30秒間程度浸した後、1分間以上の純水洗浄を行い、乾燥させる。このエッチング処理により、透明電極層2の表面を粗面化して、透明電極層2の表面に小さな凸部2aを形成する(図3−2)。これにより、透明電極層2の表面に例えば平均深さが100nm以上の凹凸形状が形成される。ただし、SnO2、ZnO等の透明電極層2をCVD法により形成した場合には自己組織的に透明電極層2の表面に凹凸が形成されるため、希塩酸を用いたエッチングによる凹凸の形成は必要ない。
次に、透明電極層2の一部を絶縁性透光基板1の短手方向と略平行な方向のストライプ状に切断・除去して、透明電極層2を短冊状にパターニングし、複数の透明電極層2に分離する(図3−2)。透明電極層2のパターニングは、レーザスクライブ法により、絶縁性透光基板1の短手方向と略平行な方向に延在して絶縁性透光基板1に達するストライプ状の第1の溝G1を形成することで行う。なお、このようにガラス基板1上に基板面内で互いに分離された複数の透明電極層2を得るには、写真製版などで形成したレジストマスクを用いてエッチングする方法や、メタルマスクを用いた蒸着法などの方法でも可能である。
次に、第1の溝G1を含む透明電極層2上に第1発電層3をプラズマCVD法により形成する。本実施の形態では、第1発電層3として、透明電極層2側からP型のアモルファス炭化シリコン膜(a−SiC膜)6、I型のアモルファスシリコン膜(a−Si膜)7、N型のアモルファスシリコン膜(a−Si膜)8を順次形成する(図3−3)。ここで、第1発電層3は透明電極層2の表面形状に対応して形成されるため、第1発電層3の表面には透明電極層2の表面形状に起因した凸部3aを有する凹凸形状が形成される。
次に、このようにして積層された第1発電層3上に、後述するエッチングにおいて犠牲膜となるコート膜9を形成する(図3−4)。コート膜9の高さは、コート膜9の表面が凸部3aの高さHを上回る程度とすることが好ましく、コート膜9の膜厚寸法は、第1発電層3における凹凸形状の凸部3aの平均高さ寸法の1倍以上とすることが好ましい。コート膜9の膜厚寸法をこのような寸法とすることにより、エッチングバック後の突起の最大高さと最小値高さの差を小さく加工することができる。このコート膜の膜厚は、凸部の高さを覆う範囲で薄い方が突起の平坦化に有効であり、形成後の膜厚均一性も向上する。ここで、凸部3aの高さHは、0.01〜1μm、より好ましくは0.1〜0.5μmの範囲が好ましい。この凸部3aの高さHは、凸部山頂から凹部谷底までの高さを基準とした高さである。凸部3aの平均高さ寸法は、原子間力顕微鏡により10μm2にわたって表面凹凸形状の測定により得られた表面形状波形から求めた値からなり、日本工業規格JISB0602−1994で規定された表面凹凸の算術平均値Raを平均高さ寸法として算出した高さである。コート膜9の材料としては、例えばレジストを用いることができる。レジストは粘性が比較的小さいため、第1発電層3の表面を平坦に覆うことができる。
次に、平行平板型反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)法を用いたエッチングを行い、第1発電層3の凸部3aの一部とコート膜9と、詳しくはN型のa−Si膜8とI型のa−Si膜7との一部と、コート膜9とをエッチングバックする(図3−5)。この際、コート膜9と、第1発電層3の凸部3aと、が同一のエッチング速度でエッチングされるようにエッチング条件を調節する。詳しくは、コート膜9と、N型のa−Si膜8と、I型のa−Si膜7と、が同一のエッチング速度でエッチングされるようにエッチング条件を調節する。このように各部のエッチング速度を同一とすることにより、各部のエッチング後の高さを略均一にすることができる。
また、コート膜9と第1発電層3とのエッチング速度が同一でなくても、例えばコート膜9に対する第1発電層3のエッチング選択比が1以上の条件となるようにエッチング条件を調節することが好ましい。このような条件に調節することにより、第1発電層3の凸部3aが平坦化される前にコート膜9がエッチングされて無くなることを防止して凸部3aをエッチングバックすることができる。
そして、凸部3aの先端部が概ねエッチングされて凸部3aの先端部が平坦化されるとともに凸部3aの上面において所望の平坦度が得られ、コート膜9が表面に適度に残っている時点でエッチングを終了する。これにより、凸部3aの上面は、絶縁性透光基板1の面内方向と略平行な面とされる。上述したように各部を同一のエッチング速度でエッチングすることにより各部のエッチング後の高さを略均一にすることができ、第1発電層3の凸部3aの上部を除去して、凸部3aの上面を容易且つ確実に平坦化することができる。これにより、凸部3aの上面においてはN型のa−Si膜8とI型のa−Si膜7とからなる平坦な面が得られる。
本実施の形態では、エッチング方法として平行平板型RIE法を使用し、コート膜9としてレジストを採用した。レジストを平行平板型RIE法によりエッチングする場合、使用するエッチングガスにおけるフッ素系ガスと酸素ガスとの供給ガス比を調整することにより、レジストとシリコン薄膜とのエッチング速度を容易に調整することが可能であるため制御性が良い。このときのエッチングガスとしては、例えば四フッ化メタン(CF4)、トリフルオロメタン(CHF3)、六フッ化エタン(C2F6)、八フッ化プロパン(C3F8)、四塩化炭素(CCl4)、六フッ化硫黄(SF6)など、ハロゲンを含むハロゲン系ガス単体、及びこのガスに酸素(O2)またはヘリウム(He)を混合したエッチングガスを用いることが可能である。
本実施の形態では、レジストと非晶質シリコンとを同一のエッチング速度でエッチングするために、CF4とHeとを混合させたエッチングガスによりエッチングを行なう。そしてエッチング後、表面に残存するコート膜9(レジスト)を、例えば酸素プラズマ処理や薬液処理により別途除去する(図3−6)。
次に、第1発電層3上に第2発電層4をPCVD法により形成する(図3−7)。本実施の形態では、第2発電層4として、第1発電層3側からP型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)、I型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)、N型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)を順次形成する(図示せず)。なお、本実施の形態では、コート膜9(レジスト)除去後に第2発電層4を形成するが、第2発電層4を形成する前に、I型のa−Si膜7からなる平坦な面をPIN接合とするために、N型のa−Si膜またはN型のμc−Si膜を30nm以下程度形成してもよい。また、第1発電層3と第2発電層4との間に、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO2)、一酸化ケイ素(SiO)等の透光性を有する導電膜からなる中間層を形成しても良い。
そして、このようにして積層形成された半導体層(第1発電層3、第2発電層4)に、透明電極層2と同様にレーザスクライブによってパターニングを施す。すなわち、半導体層(第1発電層3、第2発電層4)の一部を絶縁性透光基板1の短手方向と略平行な方向のストライプ状に切断・除去して、半導体層(第1発電層3、第2発電層4)を短冊状にパターニングし、分離する。半導体層(第1発電層3、第2発電層4)のパターニングは、レーザスクライブ法により、第1の溝G1と異なる箇所に、絶縁性透光基板1の短手方向と略平行な方向に延在して透明電極層2に達するストライプ状の第2の溝G2を形成することで行う。
次に、第2発電層4上に第2の電極層となる裏面電極層5をスパッタリング法により形成する(図3−8)。裏面電極層5としては、例えば膜厚200nmのアルミニウム(Al)膜をスパッタリング法で堆積形成する。本実施の形態では裏面電極層5として膜厚200nmのアルミニウム(Al)膜を形成するが、裏面電極層5はこれに限定されるものではなく、金属電極として高反射率を有する銀(Ag)を用いてもよく、またこれらを積層して形成してもよい。また、シリコンへの金属拡散を防止するために酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO2)等の透明導電膜を形成してもよい。
裏面電極層5の形成後、裏面電極層5および半導体層(第1発電層3、第2発電層4)の一部を絶縁性透光基板1の短手方向と略平行な方向のストライプ状に切断・除去して、金属層および半導体層(第1発電層3、第2発電層4)を短冊状にパターニングして複数のセルCに分離する。金属層および半導体層(第1発電層3、第2発電層4)のパターニングは、レーザスクライブ法により、第1の溝G1および第2の溝G2とは異なる箇所に、絶縁性透光基板1の短手方向と略平行な方向に延在して透明電極層2に達するストライプ状の第3の溝G3を形成することで行う。なお、反射率の高い裏面電極層5にレーザを直接吸収させるのは困難なので、半導体層(第1発電層3、第2発電層4)にレーザ光エネルギーを吸収させて、半導体層(第1発電層3、第2発電層4)とともに金属層を局所的に吹き飛ばすことによって複数のセルCに対応させて分離される。以上により、図2−1に示すようなセルCを有するモジュール10が形成される。
上述した実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の製造方法により作製した薄膜太陽電池に対して、ソーラーシミュレーターを用いてそれぞれ、AM(エア・マス)1.5の光を100mW/cm2の光量で基板側から入射して短絡電流(mA/cm2)を測定し、太陽電池としての特性を評価した。その結果、開放電圧が1.35V、短絡電流が12.5mA/cm2、曲線因子が0.74、そして光電変換効率が12.5%であり、良好な出力特性が得られていることが確認された。
また、μc−Si膜層の結晶性を定量的に調べるために、上記の製造プロセスにおいて第2発電層4として、P型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)、I型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)まで形成したものについてX線回折を行ったところ、(220)X線回折ピークの積分強度I220と(111)X線回折ピークの積分強度I111の比I220/I111とが4.0であり、μc−Si膜層が基板に垂直な方向に柱状に成長した結晶粒により主として構成されていることが解った。このような構造を有することにより、結晶質半導体層中の欠陥が低減されることによる膜厚方向に対する良好なキャリア輸送が可能となり、高い光電変換効率を得られる。
以上のような実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の製造方法によれば、透明電極層2の表面に、光散乱用のテクスチャ構造として小さな凸部2aを有する凹凸形状を形成する。絶縁性透光基板1側から入射してきた光は、凹凸形状が形成された透明電極層2と第1発電層3との界面で散乱された後に第1発電層3に入射し、第1発電層3に概ね斜めに入射する。そして、第1発電層3に斜めに光が入射することにより、光の実質的な光路が延びて発電層における光の吸収量が増大するため、薄膜太陽電池の光電変換特性が向上して出力電流が増加する。したがって、実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の製造方法によれば、良好な光拡散効果を有する、変換効率に優れた薄膜太陽電池を作製することができる。
また、以上のような実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の製造方法によれば、第1発電層3表面の凸部3aの先端部を平坦化し、第1発電層3表面の凹凸形状を緩和するため、第1発電層3表面の凹凸形状が第2発電層4の微結晶半導体膜の結晶成長に及ぼす影響を抑制して、光散乱用のテクスチャ構造に起因した微結晶半導体膜中の構造欠陥を減少させることができる。これにより、第2発電層4として良好な膜質を有する微結晶半導体膜を形成することができ、微結晶半導体膜中の構造欠陥による膜厚方向に対するキャリア輸送特性の劣化を低減することができる。
そして、非晶質シリコン系薄膜である第1発電層3の膜厚を薄くした場合においても、その上に積層する第2発電層4の微結晶シリコン系薄膜は欠陥の少ない良好な膜質を有するため、セルCの電流値の制御を非晶質シリコン系薄膜である第1発電層3の膜厚により制御することが容易となり、制御性に優れた薄膜太陽電池を作製することができる。
したがって、実施の形態1にかかる薄膜太陽電池の製造方法によれば、光散乱用のテクスチャ構造の光閉じ込め効果による光電変換層における光吸収量の増大と、微結晶半導体薄膜光電変換層中の膜厚方向に対する良好なキャリア輸送特性と、を両立した高い光電変換効率を有する薄膜太陽電池を作製することができる。
実施の形態2.
実施の形態1ではコート膜9と第1発電層3とをエッチングバックすることにより第2発電層4に接する凹凸形状を緩和する場合について説明したが、第2発電層4に接する凹凸形状を緩和する方法はこれに限定されるものではない。実施の形態2では、第1発電層3上に中間層を形成した後、中間層の凹凸形状を緩和することにより第2発電層4に接する凹凸形状を緩和する場合について説明する。
本発明の実施の形態2にかかるタンデム型の薄膜太陽電池である薄膜太陽電池モジュール(以下、モジュールと呼ぶ)20の概略構成は、実施の形態1にかかるモジュール10(図1)と同じである。図4−1は、モジュール20の断面構造を説明するための図であり、図1の線分A−A’における要部断面図である。
図1、図4−1に示すように、実施の形態2にかかるモジュール20は、短冊状(矩形状)のセルCを複数備え、これらのセルCが直列に接続された構造を有する。セルCは、図4−1に示すように絶縁性透光基板1、絶縁性透光基板1上に形成され第1の電極層となる透明電極層2、透明電極層2上に形成される第1発電層23、第1発電層23上に形成される中間層12、中間層12上に形成される第2発電層4、第2発電層4上に形成され第2の電極層となる裏面電極層5、を備える。なお、実施の形態1にかかるモジュール10と同じ部材については、同じ符号を付すことで詳細な説明は省略する。
中間層12は、酸化亜鉛(ZnO)、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化スズ(SnO2)、一酸化ケイ素(SiO)等の透光性を有する導電膜からなる。
図4−2は、モジュール20における透明電極層2と第1発電層23と中間層12との形状を説明するための図である。透明電極層2の表面は、小さな凸部2aを有する凹凸形状とされている。第1発電層23は、小さな凸部23aを有し、透明電極層2の表面の凹凸形状に対応した凹凸形状に設けられている。
中間層12は、小さな凸部12aを有し、第1発電層23の表面の凹凸形状に対応した凹凸形状に設けられている。そして、第2発電層4側の表面における凹凸形状の凸部12aの先端部が平坦化され、該凸部12aの上面が絶縁性透光基板1の面内方向と略平行な面とされている。すなわち、中間層12表面の凹凸形状の高低差は、透明電極層2および第1発電層23の表面に形成されている凹凸形状の高低差と比べて緩和されている。
以上のように構成された実施の形態2にかかる薄膜太陽電池によれば、透明電極層2の表面は、光散乱用のテクスチャ構造として小さな凸部2aを有する凹凸形状が形成されている。絶縁性透光基板1側から入射してきた光は、凹凸形状が形成された透明電極層2と第1発電層3との界面で散乱された後に第1発電層3に入射するので、第1発電層3に概ね斜めに入射する。そして、第1発電層3に斜めに光が入射することにより、光の実質的な光路が延びて発電層における光の吸収量が増大するため、薄膜太陽電池の光電変換特性が向上して出力電流が増加する。これにより、良好な光拡散効果を有する、変換効率に優れた薄膜太陽電池が実現されている。
また、以上のような実施の形態2にかかる薄膜太陽電池によれば、中間層12表面の凸部12aの先端部が平坦化されており、中間層12表面の凹凸形状が緩和されているため、中間層12表面の凹凸形状が第2発電層4の微結晶半導体膜の結晶成長に及ぼす影響が抑制され、光散乱用のテクスチャ構造に起因した微結晶半導体膜中の構造欠陥を減少させることができる。これにより、第2発電層4の微結晶半導体膜は欠陥の少ない良好な膜質を有し、微結晶半導体膜中の構造欠陥による膜厚方向に対するキャリア輸送特性の劣化を低減することができる。
そして、非晶質シリコン系薄膜である第1発電層3の膜厚を薄くした場合においても、中間層12を介してその上に積層する第2発電層4の微結晶シリコン系薄膜は欠陥の少ない良好な膜質を有するため、セルCの電流値の制御を非晶質シリコン系薄膜である第1発電層3の膜厚により制御することが容易となり、制御性に優れた薄膜太陽電池が実現できる。
また、実施の形態2にかかる薄膜太陽電池によれば、中間層12により入射光の一部が反射し、中間層12よりも光入射側に位置する発電層である第1発電層3内での光吸収量が増加するため、第1発電層3で発生する電流を増加させることができる。そして、光閉じ込め効果と非晶質シリコン系薄膜光電変換層の結晶性の改善により、同一の電流値を得るために必要な非晶質シリコン系薄膜の膜厚を薄くできることから、非晶質シリコン系薄膜の膜厚増加に応じて顕著となる光劣化による光電変換の特性低下を抑制することが可能となり、信頼性の高い薄膜太陽電池が実現されている。
したがって、実施の形態2にかかる薄膜太陽電池によれば、光散乱用のテクスチャ構造の光閉じ込め効果による光電変換層における光吸収量の増大と、微結晶半導体薄膜光電変換層中の膜厚方向に対する良好なキャリア輸送特性と、を両立した高い光電変換効率を有するとともに信頼性の高い薄膜太陽電池が実現されている。
つぎに、上記のように構成された実施の形態2にかかるモジュール20の製造方法について説明する。図5−1〜図5−5は、実施の形態2にかかるモジュール20の製造工程を説明するための断面図であり、図1の線分A−A’に対応する断面図である。なお、実施の形態1と同様の工程については詳細な説明を省略する。
はじめに絶縁性透光基板1として平板状のガラス基板1を用意する。次に、ガラス基板1の表面に、テクスチャ構造を有する透明電極層2を形成する。透明電極層2としては、フッ素を有するドープド酸化錫(SnO2:F)からなり、表面に凸部2aを有する透明導電性膜を形成する。そして、透明電極層2の一部を絶縁性透光基板1の短手方向と略平行な方向のストライプ状に切断・除去して、透明電極層2を短冊状にパターニングし、複数の透明電極層2に分離する。
次に、透明電極層2上に第1発電層23をプラズマCVD法により形成する(図5−1)。本実施の形態では、第1発電層23として透明電極層2側からP型のアモルファス炭化シリコン膜(a−SiC膜)6、バッファ層13、I型のアモルファスシリコン膜(a−Si膜)7、N型のアモルファスシリコン膜(a−Si膜)8を順次形成する。ここで、第1発電層23は透明電極層2の表面形状に対応して形成されるため、第1発電層23の表面には透明電極層2の表面形状に起因した凸部23aを有する凹凸形状が形成される。
その後、中間層12として酸化亜鉛(ZnO)膜を形成する(図5−2)。ここで、中間層12は第1発電層23の表面形状に対応して形成されるため、中間層12の表面には第1発電層23の表面形状に起因した凸部12aを有する凹凸形状が形成される。
次に、このように積層された中間層12上に、後述するエッチングにおいて犠牲膜となるコート膜14を形成する(図5−3)。コート膜14の高さは、コート膜14の表面が凸部12aの高さH′を上回る程度とすることが好ましく、コート膜14の膜厚寸法は、中間層12における凹凸形状の凸部12aの平均高さ寸法の1倍以上とすることが好ましい。コート膜14の膜厚寸法をこのような寸法とすることにより、エッチングバック後の突起の最大高さと最小値高さの差を小さく加工することができる。このコート膜の膜厚は、凸部の高さを覆う範囲で薄い方が突起の平坦化に有効であり、形成後の膜厚均一性も向上する。ここで、凸部12aの高さHは、0.01〜1μm、より好ましくは0.1〜0.5μmの範囲が好ましい。この凸部12aの高さHは、凸部山頂から凹部谷底までの高さ基準とした高さである。凸部12aの平均高さ寸法は、原子間力顕微鏡により10μm2にわたって表面凹凸形状の測定により得られた表面形状波形から求めた値からなり、日本工業規格JISB0602−1994で規定された表面凹凸の算術平均値Raを平均高さ寸法として算出した高さである。コート膜14の材料としては、例えばアクリル樹脂を用いる。
次に、平行平板型反応性RIE法を用いたエッチングを行い、中間層12の一部とコート膜14とをエッチングバックする(図5−4)。この際、コート膜14と、中間層12の凸部12aと、が同一のエッチング速度でエッチングされるようにエッチング条件を調節する。このように各部のエッチング速度を同一とすることにより、各部のエッチング後の高さを略均一にすることができる。
また、コート膜14と中間層12のエッチング速度が同一でなくても、例えばコート膜14に対する中間層12のエッチング選択比が1以上の条件となるようにエッチング条件を調節することが好ましい。このような条件に調節することにより、中間層の凸部12aが平坦化される前にコート膜14がエッチングされて無くなることを防止して凸部12aをエッチングバックすることができる。
エッチングガスとしては、四フッ化メタン(CF4)と酸素(O2)の混合エッチングガスを用いることが可能である。また、この他に、例えば四フッ化メタン(CF4)、トリフルオロメタン(CHF3)、六フッ化エタン(C2F6)、八フッ化プロパン(C3F8)、四塩化炭素(CCl4)、六フッ化硫黄(SF6)など、ハロゲンを含むハロゲン系ガス単体、及びこのガスに酸素(O2)またはヘリウム(He)を混合したエッチングガスを用いることが可能である。
そして、凸部12aの先端部が概ねエッチングされて凸部12aの先端部が平坦化されるとともに凸部12aの上面において所望の平坦度が得られ、コート膜14が表面に適度に残っている時点でエッチングを終了する。これにより、凸部12aの上面は、絶縁性透光基板1の面内方向と略平行な面とされる。上述したように各部を同一のエッチング速度でエッチングすることにより各部のエッチング後の高さを略均一にすることができ、中間層12の凸部12aの上部を除去して、凸部12aの上面を容易且つ確実に平坦化することができる。これによりコート膜14と中間層12とからなる平坦な面が得られる。エッチング後、表面に残存するコート膜14を、例えば酸素プラズマ処理や薬液処理により別途除去する。
次に、中間層12上に第2発電層4をPCVD法により形成する。本実施の形態では、第2発電層4として、第1発電層3側からP型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)、I型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)、N型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)を順次形成する(図示せず)。
そして、このようにして積層形成された第1発電層3、中間層12、第2発電層4の一部を、実施の形態1と同様に絶縁性透光基板1の短手方向と略平行な方向のストライプ状に切断・除去して、短冊状にパターニングし、分離する。
次に、第2発電層4上に第2の電極層となる裏面電極層5をスパッタリング法により形成する(図5−5)。裏面電極層5としては、例えば第2発電層4側から膜厚100nmの酸化亜鉛(ZnO)膜、膜厚100nmの銀(Ag)膜、膜厚300nmのアルミニウム(Al)膜を形成する。
裏面電極層5の形成後、実施の形態1と同様に裏面電極層5および第1発電層3、中間層12、第2発電層4の一部を絶縁性透光基板1の短手方向と略平行な方向のストライプ状に切断・除去して、短冊状にパターニングして複数のセルCに分離する。以上により、図4−1に示すようなセルCを有するモジュール20が形成される。
上述した実施の形態2にかかる薄膜太陽電池の製造方法により作製した薄膜太陽電池に対して、ソーラーシミュレーターを用いてそれぞれ、AM(エア・マス)1.5の光を100mW/cm2の光量で基板側から入射して短絡電流(mA/cm2)を測定し、太陽電池としての特性を評価した。その結果、開放電圧が1.35V、短絡電流が12.5mA/cm2、曲線因子が0.74、そして光電変換効率が12.5%であり、良好な出力特性が得られていることが確認された。
また、μc−Si膜層の結晶性を定量的に調べるために、上記の製造プロセスにおいてで第2発電層4として、P型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)、I型の微結晶シリコン膜(μc−Si膜)まで形成したものについてX線回折を行ったところ、(220)X線回折ピークの積分強度I220と(111)X線回折ピークの積分強度I111の比I220/I111とが4.0であり、μc−Si膜層が基板に垂直な方向に柱状に成長した結晶粒により主として構成されていることが解った。このような構造を有することにより、結晶質半導体層中の欠陥が低減されることによる膜厚方向に対する良好なキャリア輸送が可能となり、高い光電変換効率を得られる。
以上のような実施の形態2にかかる薄膜太陽電池の製造方法によれば、透明電極層2の表面は、光散乱用のテクスチャ構造として小さな凸部2aを有する凹凸形状を形成する。絶縁性透光基板1側から入射してきた光は、凹凸形状が形成された透明電極層2と第1発電層3との界面で散乱された後に第1発電層3に入射し、第1発電層3に概ね斜めに入射する。そして、第1発電層3に斜めに光が入射することにより、光の実質的な光路が延びて発電層における光の吸収量が増大するため、薄膜太陽電池の光電変換特性が向上して出力電流が増加する。したがって、実施の形態2にかかる薄膜太陽電池の製造方法によれば、良好な光拡散効果を有する、変換効率に優れた薄膜太陽電池を作製することができる。
また、以上のような実施の形態2にかかる薄膜太陽電池の製造方法によれば、中間層12表面の凸部12aの先端部を平坦化し、中間層12表面の凹凸形状を緩和するため、中間層12表面の凹凸形状が第2発電層4の微結晶半導体膜の結晶成長に及ぼす影響を抑制して、光散乱用のテクスチャ構造に起因した微結晶半導体膜中の構造欠陥を減少させることができる。これにより、第2発電層4として良好な膜質を有する微結晶半導体膜を形成することができ、微結晶半導体膜中の構造欠陥による膜厚方向に対するキャリア輸送特性の劣化を低減することができる。
そして、非晶質シリコン系薄膜である第1発電層3の膜厚を薄くした場合においても、中間層12を介してその上に積層する第2発電層4の微結晶シリコン系薄膜は欠陥の少ない良好な膜質を有するため、セルCの電流値の制御を非晶質シリコン系薄膜である第1発電層3の膜厚により制御することが容易となり、制御性に優れた薄膜太陽電池を作製することができる。
また、実施の形態2にかかる薄膜太陽電池の製造方法によれば、中間層12を設けることにより該中間層12により入射光の一部が反射し、中間層12よりも光入射側に位置する発電層である第1発電層3内での光吸収量が増加するため、第1発電層3で発生する電流を増加させることができる。そして、光閉じ込め効果と非晶質シリコン系薄膜光電変換層の結晶性の改善により、同一の電流値を得るために必要な非晶質シリコン系薄膜の膜厚を薄くできることから、非晶質シリコン系薄膜の膜厚増加に応じて顕著となる光劣化による光電変換の特性低下を抑制することが可能となり、信頼性の高い薄膜太陽電池を作製することできる。
したがって、実施の形態2にかかる薄膜太陽電池の製造方法によれば、光散乱用のテクスチャ構造の光閉じ込め効果による光電変換層における光吸収量の増大と、微結晶半導体薄膜光電変換層中の膜厚方向に対する良好なキャリア輸送特性と、を両立した高い光電変換効率を有するとともに信頼性の高い薄膜太陽電池を作製することができる。