JP5037397B2 - 標準電波受信装置 - Google Patents
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Description
標準電波は、世界各国で周波数標準と時刻情報の標準とを提供するために数10kHzの長波帯、もしくは1〜15MHzの短波帯で送信されている。この時刻情報には、一般に時間、日付、年、曜日、うるう秒、サマータイムなどの情報が含まれる。日本では独立行政法人情報通信機構により、2つの送信局から40kHzと60kHzとで送信されている。
ただし、ここで言う”ビット”とはあくまで標準電波がおくる情報の最小単位のことであって、例えば、「デジタル的な数値の”0101”は4ビット」と言うときのビットとは異なる。
{”0”,”1”,”0”,”0”,”0”,”1”,”0”,”1”}
となる場合、20+4+1=25[分]となる。
タイムコードが上述のように定義されていることから、受信手段で復調された信号のパルス幅を計測することにより”0”、”1”、”P”などのコードを判定することができる。
例えば、一定周期で2値化信号のサンプリングを行い、1秒間におけるHIGHの回数をサンプリング回数で割ればパルス幅を推定することができる。
0msから200msまでは”P”と”1と”0”、
200msから500msまでは”1と”0”、
500msから800msまでは”0”、
がHIGHになるはずである。これらの区間別にHIGH、LOWを判定し、その区間別の判定を組み合わせて毎秒の、”0”、”1”、”P”の判定を行うことができる。また、ありえない組み合わせについては、エラーコードとして判定することなどもできる。
コード判定結果を用いて標準電波受信装置の感度を評価する代表的な基準として、ビットエラー率(BER)がある。これはある一定時間中にエラーとなったビット数を全体のビット数で割ったものである。100ビット中に1ビットがエラーとなれば、
1/100=0.01
でBERは0.01もしくは1%と表現される。タイムコードは重畳性がほとんど無いため、BERが数%になれば受信不可能となる。
また、復調信号に含まれるノイズなどの影響を排除する技術も知られている。例えば、復調信号を2値化する際の閾値のレベルを下側、もしくは上側に調整することによって復調信号の上側、もしくは下側に発生するノイズを避ける技術が知られている(特許文献1参照。)。
標準電波で送られてくる時刻情報には、一部の送信局の限られた情報についてのパリティチェックを除き、冗長性がなく、コードの誤判定を検出する方法、またそれを修正する手段がないという根本的な問題があるから、あるビットについてコード判定を行う際に、そのとき受信した信号以外の情報源はなく、コード判定の精度は、復調信号もしくはパル
ス信号の特性のみに依存している。また、取得した情報の信頼性を上げるためには、タイムコードを複数周期受信し、タイムコードの同じビットのデータについて比較、修正しなければならない。受信環境が悪化すればするほど、より多くデータを取らなければならず、受信時間が長くなるという問題点もある。
図8は、特許文献1に示した従来技術の復調信号の波形における閾値レベルとノイズを避ける説明にかかわる部分を、その主旨を逸脱しない範囲で書き直した図面である。図8の復調信号の波形に対して、801、802は復調信号のそれぞれ上側、下側のピークを滑らかにつないだ線であり、これらの中間レベルである803が復調信号を2値化するための閾値である。804、805はそれぞれ上側、下側に出現するノイズである。
以下、従来技術と実際の受信環境から推測される閾値レベルの問題点について説明する。実際の受信環境において、特に電界強度が非常に低い場合は受信環境に影響されやすく、復調信号の波形の振幅が連続的に変化したり、波形全体が上下に揺らいだりする。こういった状況においては、閾値レベルがこれらに影響されて適正なレベルから外れ、2値化後のデジタル信号のパルス幅が不正確になり、コード判定においてエラービットを発生させやすくなる。
デジタル信号からタイムコードを復号するデコード手段と、デコード手段出力から時刻情報を抽出し、時刻修正を行う制御手段と、比較手段の閾値を切り替える、もしくは調整する選択手段と、を有する標準電波受信装置において、
デコード手段は、第1の記憶手段を有し、制御手段は、第2の記憶手段を有し、デコード手段は、比較手段の出力を第1の記憶手段に記憶して、その記憶されたデータに基づいて比較手段の閾値の切替信号を選択手段に出力し、制御手段は、デコード手段の出力を第2の記憶手段に記憶して、その記憶されたデータに基づいて比較手段の閾値の切替信号を選択手段に出力し、選択手段は、デコード手段からの切替信号と制御手段からの切替信号のいずれか、または両方を用いて比較手段の閾値を切り替えるものであって、
第1の記憶手段に記憶された比較手段の出力データは、サンプリングによりHIGHとなるカウント数を計数し、理論値の所定期間における平均値もしくは想定範囲を基準として判定するものであり、第2の記憶手段に記憶されたデコード手段の出力データは、タイムコードの同一コード連続出現ビット数、もしくは同一コードの出現間隔に基づいて判定するものであることを特徴とする。
手段より出力されたと複数の閾値とをそれぞれ比較して独立したデジタル信号をデコード手段に対して出力することを特徴とする。
まず、本発明の実施形態にかかる標準電波受信装置の構成について説明する。図1は、本発明の標準電波受信装置を説明するブロック図、図2〜図4は、その変形例を示すブロック図である。まず、図1を用いて基本的な構成を説明する。
図1において、100は受信手段、200は比較手段、300はデコード手段、301は第1記憶手段、400は制御手段、401は第2記憶手段、500は選択手段である。
比較手段200は、受信手段100より出力された復調信号と複数の閾値レベルとを比較して、各閾値に対してHIGH、LOWの判定を行う。その比較結果をデジタル信号として出力する。デコード手段300は、比較手段200からのデジタル信号を用いてコード判定を行う。
制御手段400は、デコード手段300から出力されたコード判定の結果を基にして時刻情報を抽出する。デコード手段300と制御手段400とは、それぞれ独立した第1記憶手段301、第2記憶手段401を有する。
次に、比較手段200が複数の比較器を持つ構成を図2を用いて説明する。なお、同一の構成においては同一の番号を付与している。図2において、201は、複数の比較器を有する比較手段である。
比較手段201における各比較器は、それぞれ独立した閾値をもっており、それによる判定をそれぞれ独立にデコード手段300に対して出力する。
図1の構成と同様に、デコード手段300、制御手段400は、複数の比較器の結果から調整信号を選択手段500に送り、選択手段500は各比較器の閾値調整を行う。
次に、受信状態判断手段を追加する構成を図3を用いて説明する。なお、同一の構成においては同一の番号を付与している。図3において、501は受信判断手段である。
図3の構成では、受信状態判断手段501は、受信手段100における受信電波の強さやノイズの量を判断し、その結果を制御手段400に出力する。制御手段400は、この受信状態判断手段501の出力とデコード手段300の出力とを組み合わせて、閾値の切替信号を選択手段500に送る。
次に、送信局検知手段を追加した構成を図4を用いて説明する。なお、同一の構成においては同一の番号を付与している。図4において、502は送信局検知手段である。
図4に示す構成は、図3の構成と同様に、送信局検知手段502が受信手段100が受けた信号から送信局を判断し、その結果を制御手段400に送る。制御手段400は、この送信局検知手段502の出力とデコード手段300の出力とを組み合わせて、閾値の切り替えを選択手段500に送る。
次に、受信手段100の回路構成を図5を用いて説明する。図5において、101はアンテナ、102は同調回路、103は増幅回路、104はフィルタ回路、105は復調回路、106はAGC制御回路である。アンテナ101で受けた標準電波は、同調回路102により周波数を選択し、選択された信号は、増幅回路103で増幅され、さらに、フィルタ回路104でノイズが取り除かれる。復調回路105ではAM変調波が復調され、タイムコードのパルスを反映した復調波形となって出力される。106はAGC制御回路で復調信号の振幅によって増幅回路103の増幅率を調整する。
次に、図6、図7を用いて閾値を切り替えるための回路を説明する。これらの回路は、図1に示す比較手段200に搭載されている。
なお、図6は説明のため、もっとも簡易的な例として2つの閾値の切り替える回路について示している。
図6において、601は比較器で、602〜604が抵抗R0〜R2である。605、606が推知である。607がグランド電位線、608が電源線である。609が入力信号線、610が比較器出力である。
可変抵抗VRは、抵抗R0との抵抗分圧比を変え、比較器601に入力する比較レベルを切り替えている。
次に、本発明の標準電波受信装置におけるデコード手段300による閾値の切り替えについて説明する。なお、説明は適宜図1〜図5を参照しつつ行うこととする。また、具体的な設定値を除き、切り替えの手法はすべての送信局について共通であるので、ここでは日本の標準電波の例をあげて説明をする。
2値化されたデジタル信号をサンプリングしたときの、ある一定時間においてHIGHがカウントされた回数のサンプリング回数の総数に対する比率をRHとすると、
RH=NH/N
となる。ここでNHは単位時間あたりのHIGHのカウント数、Nは単位時間あたりの総
サンプリング数である。
RH=(N0*0.8+N1*0.5+NP*0.2)/N
となる。ここで、N0、N1、NPはそれぞれ”0”、”1”、”P”の単位時間中の出現回数である。
RHはおよそ、0.64から0.71の範囲で変動している。一方、図18に、西暦2077年の一年間における、RHの変化を示した。RHはおよそ0.61から0.68の範囲で変動している。
タイムコードの年ブロックに関しては西暦2000年はすべて”0”で、西暦2007年は”1”が6ビットで出現し、年ブロックの”1”のビット数が最大になる年である。
”1”は”0”よりパルス幅が狭いため、”1”が最も多い年はRHが最も低くなる年である。
つまり、西暦2000年から西暦2099年の間では、RHの理論値は図17の西暦2000年のグラフの上限と図18の西暦2077年のグラフの下限との間に必ず存在することになる。その範囲は上記のようにおよそ0.61から0.71で、その幅はおよそ0.1である。
しかし、受信可能な環境において、閾値が理想的なレベルに設定されていれば、上記のRHが理論的に取りうる範囲に入ってくることになる。
もし、実測されたRHがこの範囲から外れていれば、それを補正するように閾値を調整することによって、RHを適正な値にし、コード判定の精度を上げることができる。
次に、デコード手段300で行われたコード判定の結果を制御手段400の第2の記憶手段401で記憶し、この記憶されたデータに基づいて、閾値を切り替える手法について説明する。ここでも、具体的な設定値を除き、切り替えの手法はすべての送信局について共通であるので、日本の標準電波の例をあげて説明をする。
(条件1):”P”は最高で2ビット、
(条件2):”1”は最高で3ビット、
(条件3):”0”は最高で9ビット、
である。また、”P”については以下の条件も追加される。
(条件4a):”P”と”P”との間隔は、9ビットもしくは10ビットより小さい
(条件4b):”P”と”P”との間隔は、9ビットもしくは10ビットより大きい
(ただし、タイムコードの最後と先頭の”P”コード連続出現を除く)
なお、タイムコードの規定のパターンからより複雑な条件を設定することも可能である。
であるから、閾値レベルが高すぎれば”P”、”1”が出現しやすくなり、上記の連続ビット数の制限を越えることがある。この場合には、閾値レベルを下げる。逆に、”0”が連続して出現した場合には、適正な閾値レベルより下であることが推定されるため、閾値レベルを上げる。
比較手段200が複数の比較器を持つ場合も上記の場合と同様に、各比較器が閾値を複数持っている、もしくは調整可能な閾値を持っている。各比較器の閾値は独立してその判定結果をデコード手段300に出力し、デコード手段300は、これらのデータをもとにコード判定を行う。デコード手段300は、各比較器別に閾値を切り替える信号を選択手段に送り、選択手段500は、これらと制御手段400から送られてくる切替信号を合わせて、閾値の切り替えを行う。
図3の構成の様に、受信状態判断手段501によって受信手段100から受信している標準電波の強さ、ノイズの多さなどを読み取ることができる場合は、この情報を制御手段400に送り、制御手段400は、これを合わせて閾値切り替えを判断し切替信号を選択手段500に送る。
図4の構成の様に、送信局検知手段502によって受信手段100が受信している標準電波の送信局を判断できる場合は、この情報を制御手段400に送り、制御手段400は、送信局に合わせて切替信号を選択手段に送る。
実際には、デコード手段におけるHIGH、LOWのデータから求められたRHと、制御手段400の第2の記憶手段401で記憶されるコード判定の結果との両方を用いて閾値を切り替えることができる。以下に、選択手段500での閾値切り替え処理を図22のフローチャートを用いて説明する。
次に、送信局に合わせたRH基準値、閾値レベルの設定を行う(S2)。受信状態の情報が得られる場合は、これらに補正値を追加する(S3)。
その後、閾値を中間レベルに設定し(S4)、デコード手段300、制御手段400で単位時間、データを取得、記憶する。
得られたデータから、RH、デコード結果、設定送信局などの整合性を確認する(S5)。ここでは、閾値レベルが適正かは不明なので、整合性のチェックには、ある程度の幅を持たせる。送信局設定が妥当だと判断されれば、取得したデータを基準値と比較する(S6〜S10)。
ければ閾値を下げる(S12)。
複数ある閾値を同時に使い、より高度な閾値調整をすることも可能である。デコード手段300におけるコード判定において100Hzでデジタル信号をサンプリングしたデータが必要な場合、このサンプリング周波数よりも早い周波数で閾値を切り替える。その切り替え周波数はサンプリング周波数と切り替える閾値の数とを用いて以下のようにもとめられる。
(閾値切り替え周波数)=(必要なサンプリング周波数)×(閾値の数)
まず、0msにおいて閾値0と復調波形を比較し、HIGH、LOWを判定する。次に2.5msにおいて閾値1、5.0msでは閾値2、7.5msでは閾値3、によって判定を行う。そして、10msでまた閾値0を使って判定を行う。このように、各閾値は10msごとつまり100Hzで判定を行うことになる。
HLLLHHHLHH
と連続的に出力する。デコード手段300は、切り替え周波数に同期するように400Hzでサンプリングを行い
データ郡0:HHH...
データ郡1:LHH...
データ郡2:LH...
データ郡3:LL...
といったように、閾値別にデータを記憶する。
図23に示す表では、閾値1がRH=0.65という値を持っており、上記の図17、図18についての結果から、閾値1が最も適正な閾値レベルであることが推測される。この閾値1のデータを使ってコード判定を行うことにより、より正確なコード判定が行うことができる。
一定周期で閾値を切り替えない通常の方法では、RHの値を求めた後に、閾値を切り替えていくため、適正な閾値による出力結果はその切り替え以降から有効である。つまり閾値を調整している間のデータの信頼性は低くなる。
上記のように、閾値別に記憶されたHIGH、LOWデータをぞれぞれのデータ郡について、コード判定を行うこともできる。図24に示す表は、各閾値から得られたデータ郡別にデコード手段300においてコード判定をした実測結果の一例である。
また、取得情報の信頼性を上げるためにタイムコードを複数周期受信する際も、正確なコード判定結果によって、少ないデータでの比較、修正が可能となり、受信時間の短縮や低消費電力化とすることができる。
200,201 比較手段
300 デコード手段
301 第1記憶手段
400 制御手段
401 第2記憶手段
500 選択手段
501 受信状態判断手段
502 送信局検知手段
Claims (5)
- 所定の周期に含まれる複数の矩形のパルス幅によって複数のコードを表し、所定のビットに割り当てられた時間情報が前記複数のコードによって定義されたタイムコードを含む標準電波を受信して復調を行い復調信号を出力する受信手段と、
前記受信手段より出力された復調信号をデジタル信号に変換するための閾値を持ち、デジタル信号を出力する比較手段と、
前記デジタル信号から前記タイムコードを復号するデコード手段と、
前記デコード手段出力から時刻情報を抽出し、時刻修正を行う制御手段と、
前記比較手段の閾値を切り替える、もしくは調整する選択手段と、
を有する標準電波受信装置において、
前記デコード手段は、第1の記憶手段を有し、
前記制御手段は、第2の記憶手段を有し、
前記デコード手段は、前記比較手段の出力を前記第1の記憶手段に記憶して、その記憶されたデータに基づいて前記比較手段の閾値の切替信号を前記選択手段に出力し、
前記制御手段は、前記デコード手段の出力を前記第2の記憶手段に記憶して、その記憶されたデータに基づいて前記比較手段の閾値の切替信号を前記選択手段に出力し、
前記選択手段は、
前記デコード手段からの切替信号と前記制御手段からの切替信号のいずれか、または両方を用いて前記比較手段の閾値を切り替えることを特徴とする標準電波受信装置であって、
前記第1の記憶手段に記憶された比較手段の出力データは、サンプリングによりHIGHとなるカウント数を計数し、理論値の所定期間における平均値もしくは想定範囲を基準として判定するものであり、
前記第2の記憶手段に記憶されたデコード手段の出力データは、タイムコードの同一コード連続出現ビット数、もしくは同一コードの出現間隔に基づいて判定するもの、
であることを特徴とする標準電波受信装置。 - 前記比較手段は、比較器を複数有し、それぞれの比較器が独立した複数の閾値を持ち、
前記受信手段より出力されたと前記複数の閾値とをそれぞれ比較して独立したデジタル信号を前記デコード手段に対して出力することを特徴とする請求項1に記載の標準電波受信装置。 - 前記複数の閾値を持つ前記比較手段は、一定周期で前記閾値を切り替えることを特徴とする請求項2に記載の標準電波受信装置。
- 前記受信手段より出力された復調信号を入力し、受信している標準電波の状態を判断する受信状態判断手段を有し、
前記選択手段は、
前記受信状態判断手段の出力と、前記デコード手段の前記第1の記憶手段に記憶された前記比較手段の出力のデータと、前記制御手段の前記第2の記憶手段に記憶された前記デコード手段の出力のデータと、に基づいて閾値の切り替えを行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の標準電波受信装置。 - 前記受信手段より出力された復調信号を入力し、受信している標準電波の局を検知する送信局検知手段を有し、
前記選択手段は、
送信局検知手段の出力と、前記デコード手段の前記第1の記憶手段に記憶された前記比較手段の出力のデータと、前記制御手段の前記第2の記憶手段に記憶された前記デコード手段の出力のデータと、に基づいて閾値の切り替えを行うことを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の標準電波受信装置。
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