以下に図面を参照して、この発明を実施するための最良の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
[本体構成]
図2は本発明の実施形態に係る現像装置を用いた画像形成装置の概略断面図である。図3は、本実施形態に係るプロセスカートリッジの概略断面図である。
図2に示す画像形成装置Aは、電子写真プロセス利用のフルカラーレーザプリンタである。以下に、本実施形態における画像形成装置Aの全体的な概略構成について述べる。
画像形成装置Aは、図3に示すような、帯電装置E、現像装置D、クリーニング装置C、及び、像担持体としての感光ドラム1を一体としたプロセスカートリッジBを、イエロー、マゼンダ、シアン、黒色の各色について4連に並べて備えている。そして、各色のプロセスカートリッジBで形成されたトナー(現像剤)像を、転写手段としての中間転写ベルト20上に転写することでフルカラー画像を形成するものである。プロセスカートリッジB上における画像の形成工程については、詳細に後述する。ここで、プロセスカートリッジBは、画像形成装置本体に着脱自在に設けられている。また、プロセスカートリッジBにおいては、構成要素として少なくとも現像装置Dと感光ドラム1とが一体化されるものであればよい。
各色のプロセスカートリッジBにより、感光ドラム1上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト20を挟んで、各色の感光ドラム1の対向位置に設けられた1次転写ローラ22y,22m,22c,22kにより、中間転写ベルト20上に転写される。そして、中間転写ベルト20上に転写されたトナー像は、中間転写ベルト20の移動方向下流側に設けられた2次転写ローラ23により、一括して記録材上に転写される。なお、中間転写ベルト20上の未転写トナーは、中間転写ベルトクリーナー21によって回収される。
記録材Pは画像形成装置A下部のカセット24内に積載されており、印字動作の要求とともに給送ローラ25により搬送され、2次転写ローラ23位置において、中間転写ベルト20上に形成されたトナー像が転写される。
その後、定着ユニット26により記録材上のトナー像は記録材に加熱定着し、排出部27を経て画像形成装置A外部に排出される。
画像形成装置Aにおいては、各4色の着脱可能なプロセスカートリッジB等を収納する上部のユニットと、転写ユニット、記録材等を収納する下部ユニットは分離可能になっている。そして、紙詰まり等のジャム処理発生時や、プロセスカートリッジBの交換時において、上下のユニットを開口することにより前記処理を行う。
なお、本実施形態の画像形成装置Aにおいては、プロセスカートリッジBのトナー容量を含む寿命は、A4用紙印字率5%換算で2万枚相当に設定されているものを使用している。
次に、プロセスカートリッジBにおける画像形成プロセスについて説明する。
ここで、図3は、並列に配置された4つのプロセスカートリッジBの1つに注目し、その近傍の概略断面を示している。
画像形成プロセスの中心となる感光ドラム1は、アルミニウム製シリンダの外周面に機能性膜である下引き層、キャリア発生層、キャリア移送層を順にコーティングした有機感光ドラム1を用いている。画像形成プロセスにおいて、感光ドラム1は所定の速度で画像形成装置Aにより図中矢印a方向へ駆動される。
帯電装置である帯電ローラ2は、導電性ゴムのローラ部を感光ドラム1に加圧接触して矢印b方向に従動回転する。ここで帯電ローラ2の芯金には、帯電工程として、感光ドラム1に対して−1100Vの直流電圧が印加されており、これにより誘起された電荷によって、感光ドラム1の表面電位は、−550Vとなる一様な暗部電位(Vd)が形成される。
この一様な表面電荷分布面に対して、スキャナユニット10により、画像データに対応して発光されるレーザ光のスポットパターンは、図3中の矢印Lで示すように感光ドラム1を露光する。感光ドラム1の露光された部位は、キャリア発生層からのキャリアにより表面の電荷が消失し、電位が低下する。この結果、露光部位は明部電位Vl=−100V、未露光部位は暗部電位Vd=−550Vの静電潜像が、感光ドラム1上に形成される。
静電潜像は、所定のコート量及び電荷量の、現像ローラ3上に形成されたトナーコート層を持つ現像装置Dの現像作用により現像される。
トナー層の形成方法については後述するものであるが、ここで概略を説明する。現像ロ
ーラ3は感光ドラム1に接触しながら、矢印cに示すように順方向に回転している。本実施形態においては、現像ローラ3に印加されたDCバイアス=−350Vに対して、摩擦帯電によりマイナスに帯電したトナーが、感光ドラム1に接触する現像部において、その電位差から、明部電位部にのみ飛翔して静電潜像を実像化する。
各プロセスカートリッジBの感光ドラム1に接触する中間転写ベルト20は、感光ドラム1に対向した1次転写ローラ22y,22m,22c,22kにより感光ドラム1に加圧されている。また、1次転写ローラ22y,22m,22c,22kには直流電圧が印加されており、感光ドラム1との間で電界が形成されている。これにより、感光ドラム1上で実像化されたトナー像は、前記の加圧接触する転写領域において、電界の力を受けて感光ドラム1上から中間転写ベルト20上に転写される。
一方、感光ドラム1上で中間転写ベルト20に転写されずに残った未転写トナーは、クリーニング装置Cに設置されたウレタンゴム製のクリーニングブレード6により、ドラム表面から掻き落とされ、クリーニング装置C内に収納される。
[実施例及び比較例]
まず、本実施形態における有利な効果を明らかにするため、以下では、実施形態に適用させた実施例及び比較例について述べる。
[実施例1]
図1は、実施例1の現像装置Dを示す概略断面図である。図1(a)は、使用時(動作時)の現像装置Dを示しており、同図(b)は、未使用状態の現像装置Dを示している。
現像装置Dは、現像容器Fと、現像剤担持体としての現像ローラ3と、現像剤供給手段としての供給ローラ5と、攪拌部材11を備えている。ここで、現像容器Fは、第1現像剤としての非磁性一成分トナーT1(以下、トナーT1)を収容するものである。また、現像ローラ3は、被現像体としての感光ドラム1に対して接触しながら順方向cに回転するものである。また、供給ローラ5は、現像ローラ3に対して接触しながら逆方向dに回転するものである。また、攪拌部材11は、トナーT1を撹拌するものである。
また、現像ローラ3の回転方向cに対して、供給ローラ5の下流側で現像ローラ3に当接し、現像に臨み、現像剤の量を規制するための現像剤量規制手段としてのトナー規制部材4を備えている。トナー規制部材4は、現像ローラ3上のトナーを感光ドラム1上における現像に適した所定のコート量、及び、所定の電荷量に制御することを目的とする。
ここで、体積平均粒径R1は、ベックマン・コールター株式会社製のLS−230型レーザ回折式粒度分布測定装置にリキッドモジュールを取り付けて0.04〜2000μmの粒径を測定範囲とし、得られる体積基準の粒度分布により算出した。
本実施例における第1現像剤としてのトナーT1の体積平均粒径R1は、4.0μm〜6.2μm(4.0μm≦R≦6.2μm)を用いることで、高画質を得ると同時に本実施例の効果を得ることができる。トナーの体積平均粒径6.2μmを超えると中間調画像上にザラツキが発生し、4.0μm未満では、現像ローラへの安定したコーティングができないため、画質が低下する。
(トナー規制部材)
トナー規制部材4は現像容器に固定された支持板金41に、リン青銅板やステンレス板などの薄板状弾性部材42を片持ちで支持し、その対向部の腹面を現像ローラ3に対して当接している。本実施例においては、厚さ1.2mmの鉄板を支持板金として使用し、厚
み120μmのリン青銅板を薄板状弾性部材42として前記支持板金に接着している。薄板状弾性部材42の片持ち支持部から現像ローラ3との当接部までの距離、いわゆる自由長さは20mmであり、現像ローラ3の薄板状弾性部材42に対する押し込み量は1.5mmである。
(現像ローラ)
次に、本実施例における現像剤担持体としての現像ローラ3は、外径φ6mmの芯金に導電性の弾性層5mmを形成したφ16mmの弾性ローラを用いており、前記弾性層には体積抵抗値107Ωmのシリコーンゴムを用いた。現像ローラ3の抵抗値は、外径30mmのステンレス円筒部材と現像ローラ3を接触対向させて、現像ローラ3の芯金とステンレス円筒部材の間に100Vの直流電圧を印加した場合の電流値から、現像ローラ3の抵抗値を算出した。また、測定環境は、23.0℃、50%RHで行った。
なお、前記弾性ローラ表層には現像剤への電荷付与機能を持つコート層等を設けるようにしてもよい。本実施例では、感光ドラム1に安定して弾性接触させるために、弾性層の硬度を45°とした。ここで、現像ローラ弾性層の硬度は、高分子計器株式会社製のAsker−C硬度計にて荷重を1kgかけて測定した。
また、現像ローラ3の表面粗さとしての算術平均粗さRaは1.5とした。本実施例における表面粗さRaの測定は、JIS B0601に基づいて株式会社小坂研究所製の表面粗さ試験機SE−30を使用した。
(供給ローラ)
また、供給ローラ5は、本実施例においては、外径φ5mmの芯金上に発泡骨格構造の導電性の弾性層5.5mmを形成した弾性スポンジローラを用いており、前記弾性層には体積抵抗値107Ωmのポリウレタンフォームを用いた。
供給ローラ5は、現像ローラ3と当接し、発泡体表面の適度な凸凹で現像ローラ3上へのトナー供給及び現像時に消費されずに残像したトナーの剥ぎ取りを行っている。このセル構造の掻き取り性はウレタンフォームに限定されるものでなく、シリコーンゴムやエチレンプロピレンジエンゴム(EPDMゴム)等を発泡させたゴム等が使用可能である。
本実施例において、弾性層の硬度の測定には以下の方法を用いた。図7は、供給ローラ5の弾性層の硬度を測定する方法について説明するための概略図である。
図7に示すように、本実施例においては、押し込み部材17は、供給ローラ5と接触する円筒部17aと、供給ローラ表面と直接接触しない領域にアーム部17bを具備し、アーム部17bは、圧力センサがつながっている。この押し込み部材17を供給ローラ表面に押し込んだ際に生じる圧力を測定した。
具体的には、現像ローラ3は外径φ16mmであるため、外径φ16mm、長さ50mmのアルミ製円柱を有した押し込み部材円筒部17aを用いた。そして、供給ローラ5の中心軸と押し込み部材円筒部17aの中心軸が同一直線上になるように押し込み、1.0mm/secの速度で、1.0mm圧縮した際の圧力を測定し、単位長さ当りの圧力を供給ローラ弾性層・硬度とした。
本実施例における弾性層硬度は、0.040N/mmである。
(現像ローラ/供給ローラ)
現像ローラ組み込み前の供給ローラ表面と現像ローラ組み込み後の現像ローラ表面との
オーバーラップ量、いわゆる‘進入量’を1.0mmとした。このとき、押し込む方向は、図1に示すような断面において各ローラの芯金中心軸を通る直線(断面において各ローラの芯金中心軸を結んだ直線、芯金中心軸に略直交する直線)に略平行な方向とした。
また、現像ローラ3と供給ローラ5の当接時に生じる圧力(当接圧)は、弾性層・硬度と同様に押し込み部材17により測定した。弾性層硬度測定と異なる点は、実際の進入量に対する単位長さ当りの圧力を当接圧とした。
本例においては、進入量1.0mm時の当接圧が0.040N/mmとなるように設定した。
ここで、本実施例においては、現像装置Dが未使用の状態において、現像ローラ3表面及び供給ローラ5表面に、第2現像剤としてのトナーT2が予め塗布されている。これには、現像装置Dへ組み込む前の現像ローラ3表面及び供給ローラ5表面に、予めトナーT2が塗布されているとよい。
図1(b)は、現像ローラ3及び供給ローラ5を現像装置Dに組み込んだ後の未使用の現像装置Dを示している。未使用時の現像装置Dの移動や振動の際にトナーT1の漏れを抑制するため、シール部材Uを設けている。使用開始時にシール部材Uを取り外すことにより、現像ローラ3へのトナーT1の供給が開始される。
(現像ローラ、供給ローラへのトナーT2塗布方法)
本実施例における現像装置Dに組み付け前の現像ローラ3、あるいは、供給ローラ5へのトナーT2の塗布方法について、図8を用いて述べる。
図8は、現像ローラ3、あるいは、供給ローラ5へのトナーT2の塗布方法について説明するための図である。現像ローラ3、あるいは、供給ローラ5にトナーT2を塗布するため、図8に示すように、回転可能な弾性ローラ15aを有し、トナーT2を収容したトナー容器15bが設けられている。
弾性ローラ15aが回転方向eに回転することで、トナーT2は、弾性ローラ15a表面に付着する。つぎに、現像ローラ3、あるいは、供給ローラ5の芯金に所定の加圧力15cを加えて弾性ローラ15aに当接させる。その後、弾性ローラ15aを回転方向eに回転することで、現像ローラ3あるいは、供給ローラ5は、回転方向fに従動回転する。所定時間、弾性ローラ15aを回転させることにより、現像ローラ3あるいは、供給ローラ5にトナーT2の塗布を行った。
(第1現像剤:トナーT1製造)
一成分非磁性トナーTで構成されるトナーT1は、結着樹脂、電荷制御剤を含む懸濁重合法により調整され、流動化剤などを外添剤として添加することで作製した。このときの体積平均粒径R1は、5.8μmであった。
ここで、体積平均粒径は、ベックマン・コールター株式会社製のLS−230型レーザ回折式粒度分布測定装置にリキッドモジュールを取り付けて0.04〜2000μmの粒径を測定範囲とし、得られる体積基準の粒度分布により算出した。
本実施例の第1現像剤としてのトナーT1においては、体積平均粒径R1が、4.0μm以上6.2μm以下のものを用いることで、高画質を得ると同時に本発明の効果を得ることができる。トナーの体積平均粒径6.2μmを超えると中間調画像上にザラツキが発生し、4.0μm未満では、現像ローラへの安定したトナー層の形成が困難なため、画質
が低下する。
また、第1現像剤としてのトナーT1の体積平均粒径R1に対する現像ローラ表面の算術平均粗さRaの比Ra/R1は、0.259である。
また、体積基準の粒度分布(体積粒度分布)から半値幅を求めた。本実施例におけるトナーT1の半値幅H1は、3.0であった。
さらに、トナーT1の平均円形度は、0.98であった。
本実施例における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、本実施例では東亜医用電子(現シスメックス)株式会社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」を用いて測定を行っている。具体的には、3μm以上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円形度(Ci)を以下の式(1)によりそれぞれ求め、さらに以下の式(2)で示すように測定された全粒子の円形度の総和を全粒子数(m)で除した値を平均円形度()と定義する。
本実施例に用いる第1現像剤としてのトナーT1の平均円形度は、0.965以上であれば、本発明の効果を得ることができる。平均円形度0.965未満では、均一なトナーコート層の形成が難しいため、より均一な画像を得ることは難しい。
(第2現像剤:トナーT2製造)
上述の第2現像剤としてのトナーT2の製造においては、体積平均粒径R2が異なること以外はトナーT1と同様に作製した。本実施例における第2現像剤としてのトナーT2の体積平均粒径R2は、6.8μm、体積粒度分布の半値幅H2は、3.4であった。
つまり、トナーT1の体積平均粒径R1に対するトナーT2の体積平均粒径R2の比R2/R1は、1.17であり、1.0<R2/R1≦1.5を満たす。
また、トナーT1の半値幅H1に対するトナーT2の半値幅H2の比H2/H1は、1.13であり、1.0<H2/H1≦2.0を満たす。
本実施例に用いるトナーT1とトナーT2の半値幅の関係がH2/H1≦2.0である
ことにより、本発明の効果を得ることができる。
H2/H1>2.0である場合、トナーT1に比べ、著しくトナーT2の粒度分布が広くなる。そのため、トナーT1と帯電極性差が著しく増加するため、後述するベタ白画像不良の抑制の効果を得ることができない。
(印加電圧)
画像形成装置Aには、現像ローラ3に電圧を印加する第1電圧印加手段と、トナー規制部材4に電圧を印加する第2電圧印加手段とが設けられている。そして、第1電圧印加手段により現像ローラ3に印加される印加電圧Vs(Va)として、現像ローラ芯金に−300Vの電圧が印加される。また、第2電圧印加手段により現像剤量規制手段に印加される印加電圧Vbとして、トナー規制部材4へ−300Vの電圧が印加される。
ここで、VsとVbの関係は、Vs×Vb>0、かつ、|Vs|=|Vb|である。
さらに、供給ローラ芯金には−600Vを印加している。
[実施例2]
本発明の実施例2は、基本的には実施例1に準ずるが以下の点が異なる。
現像剤量規制手段への印加電圧Vbとして、トナー規制部材4へ−500Vの電圧を印加する。
そのため、VsとVbの関係は、Vs×Vb>0、かつ、|Vs|<|Vb|である。
[実施例3]
本発明の実施例3は、基本的には実施例1に準ずるが以下の点が異なる。
現像ローラ表面の算術表面粗さRaが、0.1であることが異なる。
そのため、第1現像剤としてのトナーT1の体積平均粒径R1に対する現像ローラ表面の算術平均粗さRaの比Ra/R1は、0.017である。
[実施例4]
本発明の実施例4は、基本的には実施例3に準ずるが以下の点が異なる。
現像剤量規制手段への印加電圧Vbとして、トナー規制部材4へ−500Vの電圧を印加する。
そのため、VsとVbの関係は、Vs×Vb>0、かつ、|Vs|<|Vb|である。
つまり、トナー規制部材4に印加する電圧が、トナーを現像ローラ表面に押付ける方向に印加されることを意味する。
[比較例1]
比較例1は、基本的には実施例1に準ずるが以下の点が異なる。
第2現像剤としてのトナーT2は、第1現像剤としてのトナーT1と同じものを用いた。つまり、本比較例において、トナーT2の体積平均粒径R2は、5.8、平均円形度は、0.98、トナーT1の体積平均粒径R1に対するトナーT2の体積平均粒径R2の比
R2/R1は、1.0である。
[比較例2]
比較例2は、基本的には比較例1に準ずるが以下の点が異なる。
現像剤量規制手段への印加電圧Vbとして、トナー規制部材4へ−500Vの電圧を印加する。
そのため、VsとVbの関係は、Vs×Vb>0、かつ、|Vs|<|Vb|である。
[比較例3]
比較例3は、基本的には比較例1に準ずるが以下の点が異なる。
現像ローラ表面の算術表面粗さRaが、0.1であることが異なる。
そのため、第1現像剤としてのトナーT1の体積平均粒径R1に対する現像ローラ表面の算術平均粗さRaの比Ra/R1は、0.017である。
[比較例4]
比較例4は、基本的には比較例3に準ずるが以下の点が異なる。
現像剤量規制手段への印加電圧Vbとして、トナー規制部材4へ−500Vの電圧を印加する。
そのため、VsとVbの関係は、Vs×Vb>0、かつ、|Vs|<|Vb|である。
[比較例5]
比較例5は、基本的には実施例1に準ずるが以下の点が異なる。
第2現像剤としてのトナーT2の粒度分布の半値幅H2が2.5であり、H2/H1=0.83であることが異なる。
[比較例6]
比較例6は、基本的には実施例4に準ずるが以下の点が異なる。
第2現像剤としてのトナーT2の粒度分布の半値幅H2が2.5であり、H2/H1=0.83であることが異なる。
[比較例7]
比較例7は、基本的には比較例1に準ずるが以下の点が異なる。
第1現像剤としてのトナーT1の体積平均粒径R1が7.5μmである。つまり、R2/R1=1.0、Ra/R1=0.4である。
[各実施例及び比較例の評価方法]
以下に、実施例と比較例の差異を調べるための画像評価について述べる。
a)印字初期のベタ白画像不良評価
画像評価はベタ白中、及び中間調画像中に、現像ローラ周期で生じる画像欠陥を目視評価することにより行った。プロセススピード及び、感光ドラム1と現像ローラ3との周速
比などを加味して現像周期を正確に計算し、同周期の画像不良を抽出して評価した。ベタ白画像中では、画像欠陥の大きさは、1.0〜5.0mm程度、部分的な光学濃度は0.3〜1ほどの画像欠陥である。また、中間調画像中でも、画像欠陥の大きさはベタ白画像中と同程度の濃度差を生じる画像欠陥である。評価は欠陥の有り無しで明確に判別可能であり、以下の基準で評価した。
××:ベタ白画像及び中間調画像で、画像欠陥有り、欠陥の大きさが3.0mmを超える。
× :ベタ白画像及び中間調画像で、画像欠陥有り、欠陥の大きさが3.0mm以下。
△ :ベタ白画像に画像欠陥なし、かつ中間調画像で画像欠陥有り。
○ :ベタ白画像及び中間調画像で画像欠陥無し。
評価は、未使用の現像装置を15.0℃、10%Rh環境下、240時間放置後、トナーシール開封直後のベタ白画像を5枚、中間調画像を1枚連続印字し、5枚目のベタ白画像と中間調画像により評価を行った。
各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録(画像形成)を行った。本評価において中間調画像とは、主走査方向の1ラインを記録し、その後、4ラインを非記録とする縞模様を意味し、全体として中間調の濃度を表現している。
b)画像濃度の均一性評価
画像評価は、ベタ黒画像と中間調画像を出力することにより均一性を評価した。均一性が低下すると、均一画像中に、砂状(0.1mm以下)の濃度の薄い斑点1が生じる。さらに悪化すると、現像ローラ回転方向に伸びた楕円上の斑点2が生じる。この斑点の有無を目視により行い、以下の基準により画像濃度均一性を評価した。
×:ベタ黒画像及び中間調画像中に、砂状の斑点1及び楕円状斑点2が認識される。
△:ベタ黒画像及び中間調画像中に砂状の斑点1が認識される。
○:ベタ黒画像又は、中間調画像中のどちらか一方に砂状の斑点1が認識される。
◎:ベタ黒画像及び中間調画像中のどちらにも砂状の斑点1が認識されない。
画像均一性評価は、評価環境15.0℃、10%Rh、1000枚印字後に行った。印字テストは、画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。
各例のプリンタにおいて600dpiレーザスキャナを使用し画像記録を行った。本評価において中間調画像とは主走査方向の1ラインを記録し、その後4ラインを非記録とする縞模様を意味し、全体として中間調の濃度を表現している。
c)耐久後のカブリ評価
カブリとは、本来印字しない白部(未露光部)においてトナーがわずか現像され地汚れのように現れる画像不良のことである。
カブリ量は光学反射率測定機(東京電飾株式会社製TC−6DS)によりグリーンフィルタによる光学反射率を測定し、記録材のみの反射率から差し引いてカブリ分の反射率量を求めカブリ量として評価した。カブリ量は記録材上を10点以上測定しその平均値を求めた。
××:カブリ量が2%を越える。
×:カブリ量が1〜2%未満である。
△:カブリ量が0.5〜1%未満である。
○:カブリ量が0.5%未満である。
カブリ評価は、試験環境30℃、80%Rh、2万枚印字後に行った。印字テストは、
画像比率5%の横線の記録画像を連続的に通紙して行った。また、以降述べる他の画像欠陥が生じた場合は、その個所を避けて測定し、カブリを純粋に評価できるよう配慮した。
d)トナー残量が減少したときのカブリ特性評価
印字テストを繰り返すことにより、現像装置内に蓄えたトナーが減少し、横線の評価画像が徐々に薄くなり、場合によっては途切れる。このようにトナー残量が減少したときのカブリ特性を別途評価した。
印字テストにおいて、先のような横線画像の不良が生じたときに、カブリ評価を行うとともに、その後、現像装置を画像形成装置から取り外し、手振りするなどして、現像装置内のトナーを現像ローラ3に送る動作を行い、再度装置に装着してカブリ評価を行う。これらの画像評価で、前述と同様のカブリ評価を行い、最も悪い(大きな)結果を用いて本評価のカブリ評価とする。
表1に、実施例1〜4、及び比較例1〜7の評価結果を示す。
[従来技術に対する優位性]
はじめに、従来技術である比較例7と、実施例1とを比較することにより本発明の優位性について述べる。
比較例7は、トナーの平均粒径に対する現像ローラの表面粗さが非常に大きい。そのため、トナーコート層は、現像ローラの粗さにより変動しやすい。結果、現像ローラ方向に伸びた斑点が生じ、画像濃度の均一性が悪い。また、現像ローラの粗さが非常に大きいため、現像ローラと感光ドラム、あるいは、現像ローラと供給ローラの押圧、摺擦により、局所的に高いストレスがトナーにかかる。結果、トナー劣化を促進しやすくなり、耐久後のカブリ量の増加、及び、耐久ゴースト画像不良が発生する。
そのため、トナー切れ時に、現像装置の手振りを行うと、現像容器内で劣化の少ないトナーと著しく劣化したトナーは混合する。トナーの帯電付与性が異なるため、逆極性のトナーが生じやすくなる。結果、トナー切れ時のカブリが悪化する。
これに対して、本発明の実施例1では、画像濃度均一性を向上させることができる。また、抑制理由は後述するが、トナー切れ時のカブリも抑制することができる。つまり、印字初期から印枚数増加時まで、高画質で画像不良を抑制した画像を得ることができる。
[比較技術に対する優位性]
次に、実施例1〜4と比較例1〜7を比較することによって、本発明の優位性について述べる。
<a)ベタ白画像不良評価結果、及びb)画像濃度均一性評価結果について>
前述したように、比較例7は、トナーT1の体積平均粒径R1が7.5μmと大きく、加えて現像ローラ表面の算術表面粗さRaが3.0μmであるため、Ra/R1=0.4と大きい。そのため、トナー層の均一性が低下し、画像濃度の均一性も低下する。
一方、実施例1及び比較例1においては、第1現像剤としてのトナーT1の体積平均粒径R1が5.8μm、現像ローラ表面の算術表面粗さRa1.5μmであるため、トナー層の均一性が向上する。結果、画像濃度の均一性も向上する。
さらに、実施例2及び比較例2は、実施例1及び比較例1に対して、トナー規制部材4に印加する電圧が、トナーを現像ローラ表面に押付ける方向に印加した例である。そのため、規制後のトナー層形成を均一に行うことができると考えられる。また、トナー規制部材4によるトナーの電荷付与も安定的に行われるため、現像ローラ上のトナー層中のトナーの電荷量の均一性も向上すると考えられる。結果、より画像濃度の均一性が向上する。
また、実施例3及び比較例3は、実施例1及び比較例1に対して、現像ローラ3の算術表面粗さRaを0.1とした例である。そのため、トナー層の形成時に現像ローラ表面の粗さの影響が著しく小さくなるため、より安定したトナー層を形成することができる。
また、トナーと現像ローラ間の付着力は、現像ローラ表面の粗さが小さいため、電気的拘束力が支配的となる。そのため、現像部において、電界によりトナーを転移する際に、より均一な転移を行うことができる。加えて、表面粗さが小さいため、現像ローラ3と感光ドラムが摺擦する際に、現像ローラ3の粗さによるトナー層の乱れも低下する。結果、画像濃度均一性が向上する。
そして、実施例4及び比較例4は、著しく画像濃度均一性に優れている。実施例4及び比較例4は、Ra/R1=0.02と小さく、かつ、トナーが現像ローラ3に押付けられる方向にトナー規制部材4に電圧が印加された例である。そのため、上述したように、トナーが、より電気的に現像ローラ表面に拘束されている状態を形成しながら、均一なトナー層を形成している。結果、著しく画像濃度均一性が向上すると考えられる。
以上のことから、均一なトナー層及び濃度均一性の向上のためには、現像ローラ表面とトナー間の付着力は、電気的な力が支配的であることが必要と考えられる。
しかしながら、比較例1〜4は、画像濃度均一性向上、つまり、電気的な力が支配的となるにつれて、ベタ白画像不良が発生する。
まず、ベタ白画像不良のおおよその発生メカニズムは以下のように考えられる。ここで、図1(b)は、上述したように、未使用の現像装置を示している。
現像装置使用時にシール部材Uを除去後、攪拌部材11によりトナーT1を供給ローラ近傍まで搬送する。その後、供給ローラ表面に付着したトナーT1は、現像ローラ3と供給ローラ5の摺擦により現像ローラ3へ供給される。しかしながら、シール部材Uを除去直後、つまり、トナーT1が供給ローラ5あるいは現像ローラ表面に到達する前に、現像ローラ3は回転する。その間、予め現像ローラ表面あるいは供給ローラ表面に塗布されたトナーT2は、トナー規制部材4を通過する機会が増加する。結果、トナーT2への電荷付与が過剰となり、トナーT2は電気的拘束力により現像ローラ表面に強固に付着する。そのため、トナーT2は、供給ローラ5の摺擦による剥ぎ取り工程を経ても現像ローラ表面から離れにくくなる。その後、トナーT1が供給ローラ表面を経て現像ローラ3に到達すると、トナーT1は、トナー規制部材4を通過することにより、電荷付与される。その後、現像ローラ表面に強固に付着したトナーT2と同程度の電荷量を得ることができると、トナーT1は、電気的な付着力を有し、現像ローラ表面で、トナーT2との入れ替わりを連続的に行なうことができる。結果、ベタ白画像不良の発生は生じない。
ところが、トナーT1の電荷付与による電気的付着力より著しく高い付着力をトナーT2が有した場合、トナーT1との入れ替わりが困難となる。そのトナーT2を付着した現像ローラ表面は、トナーT1の粒径R1の粗さを有した状態に近い。そのため、現像ローラ表面によるトナーT1の物理的搬送力が大きくなると同時に、過剰なトナー量が搬送されるため、トナー規制部材4を通過しても、トナーT1への電荷付与性が低下する。つまり、適正な電荷を得ていないトナーT1は、現像部まで搬送される。
結果、感光ドラム1と現像ローラ3が当接する接触現像において、電荷量が不十分なトナーT1の電気的制御が難しいため、ベタ白画像上に、0.5〜2.0mm程度の斑点が、現像ローラ周期で生じる。つまり、ベタ白画像不良が生じる。また、ベタ白画像不良が軽微な場合においては、中間調画像中に、0.5〜2.0mm程度の斑点濃度ムラが、現像ローラ周期で生じる。
以上のことから、ベタ白画像不良は、現像ローラ3とトナー間の付着力として電気的な力が支配的になるほど発生しやすいと考えられる。
しかしながら、前述したとおり、画像濃度均一性向上のためには、電気的な力が支配的な必要があり、画像濃度均一性向上とベタ白画像不良の抑制の2つの課題は背反する課題で、両立することが困難である。
そのため、比較例1〜4は、画像濃度均一性向上とともに、ベタ白画像不良が悪化する。特に、比較例4は、画像濃度均一性が非常に優れているが、ベタ白画像不良が非常に悪い。
一方、本発明の実施例1〜4は、画像濃度均一性の評価結果にかかわらず、ベタ白画像不良を著しく抑制している。つまり、電気的な支配力が大きくなっても、ベタ白画像不良を抑制する効果を得ることができると考えられる。本発明の実施例1〜4において、トナーT1の体積平均粒径R1とトナーT2の体積平均粒径R2との関係は、R2/R1>1.0である。トナーと現像ローラ間に働く鏡映力の大きさは、トナー粒子が有する電荷量の二乗に比例し、トナー粒径にトナー粒径の二乗に反比例する。そのため、トナー粒径が大きい場合、粒径の効果のため付着力を弱めることができる。
さらに、トナー粒径が大きい場合、1つのトナーがトナー規制部材4と接触する回数は
減少するため、摩擦帯電による電荷付与性の低下、すなわち、トナー粒子が得る電荷量が低下する。つまり、トナーT2の現像ローラ3への付着力を著しく低下させることができる。そのため、トナーT1が現像ローラ表面に到達する前における現像ローラ上のトナーT2と現像ローラ表面との付着力の上昇を抑えることができる。
結果、現像ローラ上に特定のトナーT2が強固に付着することを抑制できるため、ベタ白画像不良を著しく抑制することができる。
以上、述べたように、本発明の実施例においては、高画質化のために粒径が小さいトナーを用いても、R2/R1>1.0の関係を有するため、ベタ白画像不良を著しく抑制することができる。さらに、画像濃度均一性の向上とベタ白画像不良抑制の背反する課題を両立することができる。
しかしながら、比較例5,6は、R2/R1>1.0であるにもかかわらず、ベタ白画像不良を生じる。その理由は、トナーT1の半値幅H1に対するトナーT2の半値幅H2の比H2/H1が、0.83のためと考えられる。つまり、トナーT1の粒度分布よりもトナーT2の粒度分布はシャープであることを意味する。トナーT1,T2の粒径がR2/R1>1.0の関係を有しているため、現像ローラ3への強固な付着を抑制していると考えられる。
しかし、トナーT1が現像ローラ3へ供給され始めると、トナー層を形成しているトナーT2よりトナーT1が優先してトナー層を形成すると考えられる。その理由は、トナーT2の粒度分布がシャープであるため、どのトナーT2も現像ローラ3から離れやすい状態であり、逆に粒径の小さいトナーT1は、現像ローラ3へ付着しやすい状態であるため、急激にトナーT2からトナーT1への入れ替わりが生じる。つまり、比較例1のように、トナーT1があらかじめ塗布されている状態に近いと考えられる。結果、ベタ白画像不良が生じる。
一方、本実施例1〜4は、H2/H1>1.0であるため、トナーT1が現像ローラ到達時に、現像ローラ3から離れやすいトナーとやや離れにくいトナーがトナー層を形成していると考えられる。結果、現像ローラ上のトナー層は、徐々に、トナーT2からトナーT1へ入れ替わり、現像ローラ3に強固に付着したトナーの生成を抑制する。
結果、ベタ白画像不良を著しく抑制していると考えられる。
以上、述べたように、本発明の実施例によれば、トナーの平均体積粒径の比R2/R1がR2/R1>1.0、トナーの粒度分布の半値幅の比H2/H1がH2/H1>1.0であるため、著しくベタ白画像不良を抑制することができる。
<a)ベタ白画像不良評価結果、及びc)耐久後のカブリ評価結果について>
まず、耐久後のカブリ発生要因について述べる。
現像部でのトナーは、感光ドラム1と現像ローラ3の押圧と摺擦により、高いストレスを受ける。加えて、供給部でのトナーは、現像ローラ3と供給ローラ5の押圧と摺擦によっても、高いストレスを受ける。そのため、トナーに被覆されたシリカ等の外添剤は、トナーへの埋め込み、又は、トナーからの遊離が発生しやすくなる。すると、印字枚数初期のトナーの帯電性より著しく低下する。つまり、電荷量の少ないトナーコート層を形成するため、電荷量の少ないトナーは、電気的な拘束力が弱まる。結果、現像ローラ上のトナーは、電気的拘束力が低下するため、感光ドラム1に接触すると、感光ドラム上に転移しやすくなり、カブリ量が増加する。
また、外添剤は、トナーと物体が接触する場合、間に介在することで、トナーと物体間の付着力を小さくする作用があると考えられる。そして、トナーの埋め込みや遊離の発生は、トナーと物体の付着力が大きくなる。そのため、トナーは感光ドラム1との付着力も著しく大きくなるため、より感光ドラム上に転移しやすくなる。
実施例1に比べ、実施例4は、耐久後のカブリ量の増加はなく、良好である。その理由は、現像ローラ3にトナーを押付ける方向にトナー規制部材4に電圧を印加しているため、前項で述べたように、現像ローラ3へのトナーの電気的な付着力が支配的となる。また、トナーの体積平均粒径に対する現像ローラ表面の算術表面粗さの比であるRa/R1が0.02と小さいことによっても、現像ローラ3へのトナーの電気的な付着力が支配的となる。結果、耐久後にトナーの電荷付与性の低下を抑制することができる。
さらに、トナー粒径に対する現像ローラ表面粗さが小さい場合、現像ローラ3と感光ドラム1間、又は、現像ローラ3と供給ローラ5間の押圧・摺擦時に、トナーは現像ローラ上において、ストレスが低下する方向へ動きやすいと考えられる。つまり、局所的に高いストレスを受け、著しく劣化した特定のトナーの発生及び耐久カブリを抑えることができる。
また、実施例2,3は実施例1に比べカブリ量の増加は少ない。実施例2は、現像ローラ3にトナーを押付ける方向にトナー規制部材4に電圧を印加し、実施例3は、トナーの体積平均粒径に対する現像ローラ表面の算術表面粗さの比であるRa/R1が0.02と小さい。このため、現像ローラ3へのトナーの電気的な付着力が支配的となる。結果、耐久カブリの増加を抑制する。
つまり、耐久カブリを抑制するためには、画像濃度均一性向上と同様、現像ローラ3へのトナーの電気的な付着力の増加が必要である。つまり、耐久カブリの抑制とベタ白画像不良は背反する課題であると考えられる。それは、比較例1〜4の耐久カブリの抑制とともにベタ白画像不良が悪化していることからも分かる。一方、実施例2〜4は、耐久カブリの抑制と同時にベタ白画像不良を抑制している。
以上、述べたように、本発明の実施例においては、耐久カブリの抑制とベタ白画像不良の抑制の背反する課題を同時に抑制することができる。
<d)トナー切れ時のカブリ評価結果について>
まず、トナー切れ時のカブリ評価の発生要因について述べる。
この理由としては、カートリッジ振り時に劣化の少ないトナーと劣化したトナーが混合し、極性の違いにより電荷付与性が低下した劣化トナーはより電荷付与性の低下を生じ、あるいは、逆極性の電荷付与を行うため積極的にカブリ量が増加すると考えられる。本発明の実施例1〜4は、トナー切れ時においてもカブリの増加が著しく抑制されている。
一方、比較例4のように、トナーの劣化も少なく、現像ローラ表面へのトナーの電気的な付着力が支配的であるにもかかわらず、トナー切れ時のカブリ量が増加する。その理由は明確ではないが、以下のように考えられる。
第1現像剤であるトナーT1は、消費しやすいトナー粒径が存在するため、耐久後半のトナーの粒径は、耐久前半に比べ、粒度分布のブロード化、平均粒径の粗大化が進むと考えられる。加えて、耐久後半のトナーT1は、耐久前半に比べ、トナーの劣化も進むと考えられる。
そのため、耐久前半に比べ、耐久後半のトナーの帯電付与性が著しく低下すると考えられる。特に本発明の実施例のように、平均円形度が高く、小粒径化したトナーを用いると、耐久前半と耐久後半のトナーの性状変化は帯電性に大きな違いを生じる。
比較例1〜4においては、予め、供給ローラ5に塗布されたトナーT2は、現像容器内のトナーT1と同じものを用いている。そのため、耐久後半の現像容器内のトナー粒径とトナーT2の差は大きく、帯電性も異なると考えられる。また、供給ローラ5に塗布されたトナーT2は、耐久後半においても、耐久前半と同程度の平均粒径を維持していると考えられる。そのため、トナー切れ時のように、現像装置内のトナー量が少なくなった状態で、現像装置の手振りを行うと、トナーT2と劣化の大きいトナーT1とが混合しやすくなる。つまり、著しく性状の異なるトナーの混合が生じ、電荷量を十分に得ることができないトナーの生成を引き起こす。結果、トナー切れ時のカブリ量の増加を生じると考えられる。
一方、本発明の実施例1〜4は、トナー切れ時においてもカブリ量を著しく抑制することができる。その理由は、予め供給ローラ上に塗布された第2現像剤としてのトナーT2の粒径R2が初期現像容器内のトナーT1の粒径R1よりも大きいためであると考えられる。つまり、耐久が進むことにより、現像容器内のトナーT1の粒径は、分布のブロード化、平均粒径の粗大化が進むが、予め、トナーT2は、R2/R1>1.0の関係を有しているため、トナーの帯電付与性の差が小さい。結果、手振りによる混合が生じても、カブリを生じない。
しかしながら、比較例5,6は、トナー粒径の比が、R2/R1>1.0であるにもかかわらず、トナー切れ時のカブリ量が増加する。その理由は、トナーT2の粒度分布が耐久初期のトナーT1の粒度分布よりシャープであるためと考えられる。耐久後半に粒度分布がブロード化したトナーとシャープな粒度分布を有するトナーT2が混合すると、粒径差が大きいときと同様に、帯電付与性の極性差が大きくなると考えられる。結果、トナー切れ時のカブリ量が増加する。
以上、述べたように、本発明の実施例によれば、トナーの体積平均粒径の比R2/R1>1.0、粒度分布の比H2/H1>1.0とすることで、トナー切れ時のカブリを著しく抑制することができる。
[トナーT1,T2の粒径R1,R2、及び現像ローラの算術表面粗さRaの関係]
以下では、トナーT1,T2の粒径R1,R2、及び現像ローラ3の算術表面粗さRaの関係について述べる。特に、電気的付着力が支配的である|Vb|>|Vs|の条件下における例として、実施例5〜14、比較例8〜10について以下に述べる。
[実施例5,6,7,8,9,10,11,12,13,14]
本実施例は、基本的には、実施例4に準ずるが、以下の点が異なる。
トナーT1の体積平均粒径R1は、実施例5,6,7,8,9,10,11,12,13,14それぞれ5.5,5.8,5.8,5.5,5.5,5.5,5.8,5.5,6.2,5.5μmであることが異なる。
さらに、トナーT2の体積平均粒径R2は、実施例5,6,7,8,9,10,11,12,13,14それぞれ8.0,6.4,6.4,5.8,5.8,8.2,6.0,5.8,7.0,8.0μmであることが異なる。
また、現像ローラ表面の算術表面粗さRaは、実施例5,6,7,8,9,10,11,12,13,14それぞれ0.2,0.2,0.1,0.1,0.1,0.5,0.6,0.3,0.8,0.8μmであることが異なる。そのときのトナーT1の体積平均粒径に対する現像ローラ表面の算術平均粗さの比Ra/R1は、それぞれ0.040,0.038,0.017,0.025,0.009,0.098,0.100,0.045,0.129,0.145となる。
また、R2/R1は、実施例5,6,7,8,9,10,11,12,13,14それぞれ1.45,1.10,1.10,1.05,1.05,1.49,1.03,1.05,1.13,1.45となる。ここで、R2/R1は、トナーT1の体積平均粒径R1に対するトナーT2の体積平均粒径R2の比である。
[比較例8,9,10,11]
本比較例は、基本的には、実施例4に準ずるが、以下の点が異なる。
トナーT1の体積平均粒径R1は、比較例8,9,10,11それぞれ5.8,5.5,5.8,5.5μmであることが異なる。
さらに、トナーT2の体積平均粒径R2は、比較例8,9,10,11それぞれ5.8,5.8,8.5,9.0μmであることが異なる。
また、現像ローラ表面の算術表面粗さRaは、比較例8,9,10,11それぞれ0.8,0.4,0.7,0.1μmであることが異なる。そのときのトナーT1の体積平均粒径に対する現像ローラ表面の算術平均粗さの比Ra/R1は、比較例8,9,10,11それぞれ0.138,0.073,0.121,0.018となる。
また、トナーT1の体積平均粒径R1に対するトナーT2の体積平均粒径R2の比R2/R1は、比較例8,9,10,11それぞれ1.00,1.55,1.55,1.00となる。
(評価方法)
画像評価は、前述した評価項目のうち、a)ベタ白画像不良、b)画像濃度均一性について行った。評価方法及び評価基準は前述と同じとした。
(評価結果)
表2に、実施例4〜14、比較例8〜11の評価結果を示す。
<b)画像濃度均一性評価結果>
はじめに、画像濃度均一性評価の結果を図5に示す。
実施例13,14、比較例8,10は、画像均一性がやや悪い。一方、Ra/R1≦0.10(現像ローラ表面の算術表面粗さRaが、トナーT1の体積平均粒径R1に対して0.10倍以下)である実施例10,11は、均一性が良化する。その理由は、Ra/R1≦0.1とトナー粒径に対する現像ローラ表面粗さが十分小さいため、現像ローラ表面の粗さによるトナーコート層の変動は小さくなる。結果、均一なトナーコート層の形成時の変動及び現像部での現像効率の変動を著しく抑制するため、画像の均一性が向上する。一方、実施例13,14、比較例8,10においては、Ra/R1>0.1とトナーの平均粒径に対する現像ローラ3の表面粗さがやや大きいため、現像ローラ表面の粗さによるトナーコート層の変動が大きくなり、画像の均一性が悪化すると考えられる。
また、実施例4〜9、12及び比較例11は、Ra/R1≦0.04(現像ローラ表面の算術表面粗さRaが、トナーT1の体積平均粒径R1に対して0.04倍以下)とトナー粒径に対する現像ローラ表面粗さが十分小さいため、より均一性が向上する。その理由
は、上述同様、Ra/R1≦0.04とすることで、よりトナーコート層の均一性が向上しているためと考えられる。
以上、述べたように、本発明の実施例においては、トナーコート層の均一性を向上させ、画像の均一性を向上するためには、Ra/R1≦0.1とすることが好ましく、Ra≦0.04とすることがより好ましい。
<a)ベタ白画像不良評価結果>
次に、ベタ白画像不良評価結果を図4に示す。
比較例8及び比較例11は、ベタ白画像不良が悪い。一方、R2/R1>1.0である実施例11〜13は良好である。比較例8及び比較例11は、R2/R1=1.0であるため、トナーT1が現像ローラ表面に到達する前に、トナー層を形成するトナーT2と入れ替わりがスムーズに行われないためと考えられる。つまり、トナーT1が現像ローラ表面に到達する前に、トナーT2はトナー規制部材を何度も通過しやすくなるため、トナーT2の帯電量が大きくなり、電気的な付着力が増加する。結果、トナーT1との入れ替わりが困難となり、ベタ白画像不良を生じる。
一方、実施例11〜13は、R2/R1>1.0であるため、予めコートされたトナーT2の付着力は、トナーT1に比べ、小さいと考えられる。結果、スムーズな入れ替わりを行なうことができ、ベタ白画像不良を抑制することができる。
しかしながら、実施例8,9は、R2/R1>1.0であるにもかかわらず、軽微のベタ白画像不良を生じる。この理由は、Ra/R1≦0.04であり、かつ、R2/R1<1.1であるためと考えられる。R2/R1<1.1であるため、トナーT1とトナーT2の粒径差は小さく、現像ローラ表面への付着性の差も小さいと考えられる。加えて、Ra/R1≦0.04であるため、トナーT1及びトナーT2に対する現像ローラ表面の粗さが小さく、より電気的付着力が支配的となる。結果、トナーT2は、強固に付着し、トナーT1との入れ替わりを十分行えないため、軽微のベタ白画像不良を生じる。
一方、実施例4,6,7は、Ra/R1≦0.04であるにもかかわらず、ベタ白画像不良を抑制している。その理由は、R2/R1≧1.1であるためと考えられる。つまり、Ra/R1のような電気的付着力が支配的となっても、R2/R1≧1.1であるため、トナーT2の著しい付着力の増加を生じない。結果、ベタ白画像不良を著しく抑制する。
以上述べたように、ベタ白画像不良を抑制するためには、R2/R1>1.0であることが好ましく、Ra/R1≦0.04のように電気的付着力が支配的な領域においては、R2/R1≧1.1であることがより好ましい。
比較例9,10は、R2/R1>1.1であるにもかかわらず、ベタ白画像不良を生じる。一方、R2/R1≦1.5である実施例5,10,14は、ベタ白画像不良を著しく抑制する。R2/R1>1.5であると、トナーT2の付着力は、トナーT1に比べ著しく小さくなるために、比較例9,10は、ベタ白画像不良を生じると考えられる。
なぜなら、トナーT2の付着力がトナーT1の付着力に比べて非常に小さいと、トナーT1が現像ローラ表面に到達した際に、急激にトナーT2と入れ替わりやすくなる。また、トナーT2と、トナーT2に比べ帯電付与性がより高いトナーT1とが共存すると、トナーT1の帯電付与を加速する。結果、トナーT1の現像ローラ3への強固な付着を生成する。結果、ベタ白画像不良を生じる。
以上、述べたように、本発明の実施例においては、1.0<R2/R1≦1.5であることで、ベタ白画像不良を抑制することができる。さらに、Ra/R1≦0.04のような電気的付着力が支配的となる状態でおいても、1.1≦R2/R1≦1.5であることにより、著しくベタ白画像不良を抑制することができる。
<a)ベタ白画像不良、b)画像濃度均一性の総合評価結果>
a)ベタ白画像不良、b)画像濃度均一性の総合評価結果を図6に示す。
本発明の実施例においては、画像濃度均一性を維持しながら、ベタ白画像不良を抑制するためには、1.0<R2/R1≦1.5であることが好ましく、画像濃度均一性がより向上するためには、Ra/R1≦0.10であることが好ましい。さらに、良好な画像濃度均一性を有するためには、Ra/R1≦0.10、かつ、1.0<R2/R1≦1.5であることが好ましい。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、粒径が小さく、球形度の高いトナーを用いることで高画質な画像を得ることができるとともに、現像剤の均一なトナーコート層を印字枚数によらず、安定して得ることが可能となる。したがって、経時的に(長期に渡って)、高画質かつ良好な画像を得ることが可能となる。特に、画像濃度均一性とベタ白画像不良の背反する課題を両立することができる。また、トナー切れ時に生じるカブリを抑制することができる。