JP5065794B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、燃料電池の下流にバタフライ弁等の流量制御弁を備える燃料電池システムに関する。
近年、水素(燃料ガス)がアノードに、酸素を含む空気(酸化剤ガス)がカソードに、それぞれ供給されることで、電気化学反応が生じ発電する固体高分子型燃料電池(Polymer Electrolyte Fuel Cell:PEFC)等の燃料電池が注目されている。このような燃料電池を良好に発電させるには、水素、空気を適切な流量、圧力で供給する必要があり、例えば、カソードの下流に背圧を制御する背圧弁としてバタフライ弁(空気流量制御手段)が設けられる。
一方、例えば、燃料電池が燃料電池自動車等に搭載された場合、燃料電池を含む燃料電池システムが、低温環境(0℃未満等)に曝されてしまう場合がある。そして、このような低温環境下で燃料電池システムが停止すると、前記バタフライ弁内において、発電により生成した水分等が凍結する虞がある。そうすると、次回起動時において、内部が凍結したバタフライ弁では、カソードに供給される空気の流量、圧力を適切に制御できない虞がある。
そこで、燃料電池システムを停止する場合において、停止後において、バタフライ弁内が凍結する虞があるとき、内部を流通する空気の流速が高まるようにバタフライ弁を制御し、流速が高まった空気によって、バタフライ弁内の水滴等を吹き飛ばし、バタフライ弁内の凍結を防止する技術が提案されている(特許文献1)。
特許第3820992号公報
しかしながら、特許文献1には、バタフライ弁の凍結防止に係る技術は記載されているが、実際にバタフライ弁が凍結した場合における対策技術は記載されていない。
そこで、本発明は、バタフライ弁等の流量制御弁の凍結を適切に解消可能な燃料電池システムを提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、反応ガスが供給されることで発電する燃料電池と、前記燃料電池から排出されたガスが流れる排出ガス流路に配置され、流量を制御する流量制御弁と、前記燃料電池の起動を指示する起動指示手段と、前記流量制御弁の弁体の作動範囲に氷が存在するか否かを判定する氷判定手段と、前記起動指示手段が起動を指示した場合において、前記氷判定手段が前記作動範囲に氷が存在すると判定したとき、前記弁体を開方向及び閉方向に複数回にて往復作動させる起動時往復作動手段と、前記往復作動後の前記流量制御弁の全開側及び全閉側の少なくとも一方側の往復作動後位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段が検出した前記往復作動後位置と、前記流量制御弁の弁体の作動範囲に異物が存在しない状態における前記少なくとも一方側の基準位置との差が所定差よりも大きい場合、当該往復作動後位置を記憶する第1記憶手段と、前記第1記憶手段が前記往復作動後位置を記憶した後、前記氷判定手段が氷は存在していると判定する間、前記第1記憶手段に記憶された前記往復作動後位置を制限値として前記流量制御弁を制御する弁制御手段と、前記燃料電池の発電の停止を指示する停止指示手段と、前記停止指示手段が停止を指示した場合において、前記氷判定手段が前記作動範囲に氷が存在すると判定したとき、前記弁体を開方向及び閉方向に複数回にて往復作動させる停止時往復作動手段と、を備えることを特徴とする燃料電池システムである。
このような燃料電池システムによれば、起動指示手段が燃料電池の起動を指示した場合において、氷判定手段が流量制御弁の弁体の作動範囲に氷が存在すると判定したとき、起動時往復作動手段がこの弁体を開方向及び閉方向に複数回にて往復作動させる。
このように弁体が開方向及び閉方向に複数回にて往復作動するので、弁体の正規の作動範囲に存在する氷が除去される。その結果、流量制御弁の凍結を解消することができる。
また、このような燃料電池システムによれば、停止指示手段が燃料電池の発電の停止を指示した場合において、氷判定手段が弁体の正規の作動範囲に氷が存在すると判定したとき、停止時往復作動手段が、弁体を開方向及び閉方向に複数回にて往復作動させる。
このように弁体が開方向及び閉方向に複数回にて往復作動するので、弁体の正規の作動範囲に存在する氷が除去される。その結果、流量制御弁の凍結を解消することができる。すなわち、起動指示手段による燃料電池の起動を指示後、流量制御弁の凍結の解消前に、停止指示手段が停止を指示したしても、停止時往復作動手段が弁体を往復作動させるので、氷を除去し、停止後における氷の成長(氷結の拡大)を防止することができる。
また、前記位置検出手段が検出した前記往復作動後位置と、前記基準位置との差が所定差以下である場合、当該往復作動後位置を更新済位置として記憶する第2記憶手段と、をさらに備え、前記起動時往復手段は、過去の起動時において前記第2記憶手段に記憶された前記更新済位置を制限値として前記弁体を開方向及び閉方向に複数回にて往復運動するように制御され、前記第1記憶手段が前記往復作動後位置を記憶した後、前記氷判定手段が氷は存在していないと判定した場合、前記弁制御手段は、過去の起動時において前記第2記憶手段に記憶された前記更新済位置を制限値として前記流量制御弁を制御することを特徴とする燃料電池システムである。
また、前記位置検出手段は、前記弁体を駆動するモータに印加電圧を付して前記往復作動後位置を検出する際、前記弁体の作動範囲に存在する氷を切除又は除去しない程度の印加電圧を前記モータに付与することを特徴とする燃料電池システムである。
また、前記位置検出手段は、前記弁体を駆動するモータに印加電圧を付して前記往復作動後位置を検出する際、前記弁体が回動制御されているにもかかわらず、前記位置検出手段を介して検出される前記弁体の位置が変化しない場合、前記弁体を前記回動制御の方向とは逆方向に回動するように制御するとともに、前記モータに付与する印加電圧を増圧することを特徴とする燃料電池システムである。
本発明によれば、バタフライ弁等の流量制御弁の凍結を適切に解消可能な燃料電池システムを提供することができる。
≪第1実施形態≫
以下、本発明の第1実施形態について、図1から図7を参照して説明する。
≪燃料電池システムの構成≫
図1に示す燃料電池システム1は、図示しない燃料電池自動車(移動体)に搭載されている。燃料電池システム1は、燃料電池スタック10と、燃料電池スタック10のアノードに対して水素(燃料ガス、反応ガス)を給排するアノード系と、燃料電池スタック10のカソードに対して酸素を含む空気(酸化剤ガス、反応ガス)を給排するカソード系と、燃料電池スタック10及び後記するバタフライ弁32(流量制御弁)を経由するように冷媒(ラジエータ液)を循環させる冷媒循環系と、IG51(イグニッション)と、これらを電子制御するECU60(Electronic Control Unit、電子制御装置)と、を備えている。
<燃料電池スタック>
燃料電池スタック10は、複数(例えば200〜400枚)の固体高分子型の単セルが積層して構成されたスタックであり、複数の単セルは電気的に直列で接続されている。単セルは、MEAと、これを挟む2枚の導電性を有するセパレータと、を備えている。MEAは、1価の陽イオン交換膜等からなる電解質膜(固体高分子膜)と、これを挟むアノード及びカソードとを備えている。
アノード及びカソードは、カーボンペーパ等の導電性を有する多孔質体から主に構成されると共に、アノード及びカソードにおける電極反応を生じさせるための触媒(Pt、Ru等)を含んでいる。
各セパレータには、各MEAの全面に水素又は空気を供給するための溝や、全単セルに水素又は空気を給排するための貫通孔が形成されており、これら溝及び貫通孔がアノード流路11(燃料ガス流路)、カソード流路12(酸化剤ガス流路)として機能している。そして、アノード流路11を介して各アノードに水素が供給され、カソード流路12を介して各カソードに空気が供給されると、電極反応が起こり、各単セルでOCV(Open Circuit Voltage)、開回路電圧)が発生するようになっている。
次いで、このようにOCVが発生した状態で、燃料電池スタック10が走行モータ等を含む外部回路(図示しない)に接続され、電流が取り出されると、燃料電池スタック10が発電するようになっている。
また、各セパレータには、燃料電池スタック10を冷却するための冷媒が通流する冷媒流路13を構成する溝、貫通孔が形成されている。
<アノード系>
アノード系は、水素タンク21と、遮断弁22とを備えている。
水素タンク21は、配管21a、遮断弁22、配管22aを介して、アノード流路11の入口に接続されている。そして、ECU60からの指令によって遮断弁22が開かれると、水素が、水素タンク21から、遮断弁22等を経由して、アノード流路11に供給されるようになっている。
アノード流路11の出口は、配管22bに接続されており、アノード流路11から排出されたアノードオフガスは、配管22bを介して、外部に排出されるようになっている。
<カソード系>
カソード系は、コンプレッサ31と、バタフライ弁32(背圧弁)とを備えている。
コンプレッサ31は、配管31aを介して、カソード流路12の入口に接続されている。そして、ECU60の指令に従ってコンプレッサ31が作動すると、酸素を含む空気が取り込まれ、カソード流路12に供給されるになっている。また、配管31aには加湿器(図示しない)が設けられており、カソード流路12に供給される空気が適宜に加湿されるようになっている。
カソード流路12の出口は、配管32a、バタフライ弁32、配管32bが、順に接続されている。そして、カソード流路12から排出されたカソードオフガスは、配管32a、バタフライ弁32、配管32bを介して、外部に排出されるようになっている。
すなわち、バタフライ弁32は、燃料電池スタック10から排出されたカソードオフガスが流れる排出ガス流路に配置されている。
バタフライ弁32は、その開度を調整することで、カソード流路12を流通する空気の流量及び圧力(背圧)を制御するものである。バタフライ弁32は、弁箱33(バルブボディ)と、弁箱33内において、回動軸部材34a(図3等参照)周りに回動自在で配置された弁体34と、弁体34を作動させるモータ35(DCモータ等)と、バタフライ弁32の開度、つまり、弁体34の現在の角度(位置)をする角度センサ36(位置検出手段)と、を備えている。
モータ35は、制御回路(図示しない)を介して、燃料電池スタック10及びバッテリ等の蓄電装置に接続されており、燃料電池スタック10及び/又は蓄電装置を電源として作動するようになっている。そして、ECU60から前記制御回路に、例えばPWM信号が送られ、燃料電池スタック10及び/又は蓄電装置からモータ35への印加電圧が制御されるようになっている。また、前記PWM信号のデューティー比が適宜に制限されることで、モータ35への印加電圧が適宜に制限されるようになっている。
また、冷媒流路13から排出された冷媒が、弁箱33を経由するようになっている。これにより、発電に伴う燃料電池スタック10の熱が、循環する冷媒を介して、バタフライ弁32に移動し、バタフライ弁32が凍結していた場合、この移動した熱により解氷が進むようになっている。
なお、本実施形態では、図4、図5、図7に示すように、弁箱33内において、カソードオフガスの流れ方向に対して90°の方向(弁箱33の輪切り断面方向)を基準(0°)とする。
そして、図4、図7に示すように、基準(0°)と弁体34とのなす角度(これを基準全開角度θ2とする)が90°である場合、つまり、カソードオフガスの流れ方向と弁体34とが平行である場合、弁体34は基準全開位置に配置されているとする。
また、図5、図7に示すように、基準(0°)と弁体34とのなす角度が基準全閉角度θ1である場合、弁体34は基準全閉位置に配置されるとする。基準全閉角度θ1は、0°以上90°未満に設定され(0°≦θ1<90°)、例えば、10°に設定される。
<冷媒循環系>
冷媒循環系は、冷媒流路13及び弁箱33を経由するように、冷媒を循環させる系であり、冷媒ポンプ41と、ラジエータ42(放熱器)と、温度センサ43(温度検出手段)とを備えている。
冷媒ポンプ41の冷媒吐出口は、配管41aを介して冷媒流路13の入口に接続されている。冷媒流路13の出口は、配管42a、バタフライ弁32、配管42b、ラジエータ42、配管42cを介して、冷媒ポンプ41の冷媒吸引口に接続されている。そして、ECU60の指令に従って、冷媒ポンプ41が作動すると、冷媒が冷媒流路13、バタフライ弁32を順に経由して循環するようになっている。
温度センサ43は、バタフライ弁32の下流の配管42bに配置されており、配管42bを流通する冷媒の温度を、バタフライ弁32の温度T11として検出するようになっている。そして、温度センサ43は、この温度T11をECU60に出力するようになっている。
<IG>
IG51は、燃料電池自動車及び燃料電池システム1の起動スイッチであり、運転席周りに設けられている。また、IG51はECU60と接続されており、ECU60はIG51のON/OFF信号を検知するようになっている。
<ECU>
ECU60は、燃料電池システム1を電子制御する制御装置であり、CPU、ROM、RAM、EEPROM、各種インタフェイス、電子回路などを含んで構成されており、その内部に記憶されたプログラムに従って、各種機能を発揮し、各種処理を実行するようになっている。
<ECU−起動指示機能、停止指示機能>
ECU60(起動指示手段)は、IG51のON信号を検知した場合、燃料電池スタック10が起動(発電開始)するように、遮断弁22、コンプレッサ31及び冷媒ポンプ41に、起動指示を送る機能を備えている。
また、ECU60(停止指示手段)は、IG51のOFF信号を検知した場合、燃料電池スタック10の発電が停止するように、遮断弁22、コンプレッサ31及び冷媒ポンプ41に、停止指示を送る機能を備えている。
<ECU−バタフライ弁制御機能>
さらに、ECU60(バタフライ弁制御手段)は、アクセルペダルの踏み込み量等に基づいて、バタフライ弁32の開度を適宜に制御し、カソード流路12を流通する空気の流量及び圧力を制御する機能を備えている。
さらにまた、ECU60は、遮断弁22等に、燃料電池スタック10が起動するように起動指示を送った場合において、バタフライ弁32が凍結していると判定されるとき、モータ35を介して、弁体34を開方向及び閉方向に、所定回数(2回以上)にて、往復作動させる機能を備えている。すなわち、第1実施形態において、起動時往復作動手段は、モータ35と、ECU60とを備えて構成されている。
また、ECU60は、遮断弁22等に、燃料電池スタック10が発電停止するように停止指示を送った場合において、バタフライ弁32が凍結していると判定されるとき、モータ35を介して、弁体34を閉方向及び開方向に、所定回数(2回以上)にて、往復作動させる機能を備えている。すなわち、第1実施形態において、停止時往復作動手段は、モータ35と、ECU60とを備えて構成されている。
<ECU−起動時位置検出機能、判定機能>
さらに、ECU60(起動時位置検出手段)は、遮断弁22等に起動指示を送った場合、角度センサ36を介して、この今回起動時におけるバタフライ弁32の全閉角度θ11(全閉位置)を検出する機能を備えている。そして、ECU60は、全閉角度θ11と基準全閉角度θ1(基準全閉位置)と差の絶対値と、所定角度差Δθ1(所定差)とを比較する機能を備えている。なお、所定角度差Δθ1は、バタフライ弁32の仕様等に関係し、事前試験等により求められ、ECU60に予め記憶されている。
<ECU−氷判定機能>
ECU60は、IG51のON時(起動時)及びOFF時(停止時)において、温度センサ43を介して検出されるバタフライ弁32の現在の温度T11に基づいて、バタフライ弁32が凍結しているか否か、つまり、弁体34の正規の作動範囲に氷が存在するか否かを判定する機能を備えている。
すなわち、第1実施形態において、氷判定手段は、温度センサ43とECU60とを備えて構成されている。
<ECU−凍結解消判定機能>
また、ECU60は、バタフライ弁32の現在の温度T11と、基準温度T1(例えば0℃)とに基づいて、バタフライ弁32の凍結が解消したか否かを判定する機能を備えている。基準温度T1は、バタフライ弁32の凍結の有無を判定するための基準温度であり、事前試験等に求められ、ECU60に予め記憶されている。
<ECU−第1記憶機能>
さらに、ECU60(第1記憶手段)は、例えば、バタフライ弁32が凍結しており、弁箱33と弁体34との間に氷が存在する等によって(図6参照)、全閉角度θ11と基準全閉角度θ1と差の絶対値が、所定角度差Δθ1(所定差)よりも大きい場合、この今回起動時の全閉角度θ11を記憶する第1記憶機能を備えている。
そして、このように今回起動時の全閉角度θ11が記憶された場合、ECU60(バタフライ弁制御手段)は、この全閉角度θ11を制限値として、つまり、弁体34がこの全閉角度θ11よりも小さくならないように、バタフライ弁32を制御する機能を備えている。
<ECU−第2記憶機能>
さらにまた、ECU60(第2記憶手段)は、全閉角度θ11と基準全閉角度θ1と差の絶対値が、所定角度差Δθ1(所定差)以下である場合、この今回起動時の全閉角度θ11を更新して記憶する第2記憶機能を備えている。
一方、前記絶対値が所定角度差Δθよりも大きい場合、ECU60(バタフライ弁制御手段)は、過去に、絶対値が所定角度差Δθ1(所定差)以下である場合において、その内部に記憶された全閉角度θ11と、今回起動時における全閉角度θ11とに基づいて、バタフライ弁32を制御する機能を備えている。
≪燃料電池システムの動作≫
次に、燃料電池システム1の起動時及び停止時の動作を、ECU60に設定されたプログラム(フローチャート)の流れと共に説明する。
≪システム起動時の動作≫
燃料電池システム1の起動時の動作について、図2を参照して説明する。
IG51がONされると、図2のフローチャートに示す処理がスタートする。具体的には、IG51のON信号を検知したECU60は、遮断弁22を開くと共に、コンプレッサ31を作動させ、燃料電池スタック10に水素及び空気を供給し、燃料電池スタック10の発電を開始させる。また、ECU60は、冷媒ポンプ41を作動させ、冷媒を循環させる。なお、初期状態において、弁体34は全開位置(図4参照)に配置されている。
ステップS101において、ECU60は、温度センサ43を介して検出されるバタフライ弁32の現在の温度T11と、基準温度T1とに基づいて、バタフライ弁32が凍結しているか否か、具体的には、弁体34の正規の作動範囲に氷が存在するか否かを判定する。
そして、現在の温度T11が基準温度T1以下である場合、バタフライ弁32は凍結していると判定し(S101・Yes)、ECU60の処理はステップS102に進む。一方、現在の温度T11が基準温度T1以下でない場合、バタフライ弁32は凍結していないと判定し(S101・No)、ECU60の処理はステップS103に進む。
ステップS102において、ECU60は、更新済みの全閉角度θ11に基づいて、弁体34を、開方向及び閉方向に所定回数にて往復作動させる。詳細には、閉方向については、更新済みの全閉角度θ11が制限値となるように、ECU60は、モータ35への印加電圧を制御する。なお、所定回数は、事前試験等により求められ、例えば2〜5回程度に設定され、ECU60に予め記憶されている。また、更新済みの全閉角度θ11とは、過去の起動時において、後記するステップS104の判定結果がNoとなり、この過去の起動時におけるステップS109で記憶された全閉角度θ11である。
このように往復作動する弁体34によって、弁体34の正規の作動範囲に存在する氷が除去される可能性がある。
ステップS103において、ECU60は、バタフライ弁32の全閉角度θ11(これを今回起動時の全閉角度θ11とする)を検出する。具体的には、ECU60は、ステップS101の判定がNoとなり、ステップS102において氷の除去を試みたが、氷は除去されず、弁体34の正規の作動範囲に氷が残存していたとしても、この氷を切削等しない程度の印加電圧をモータ35に付与し、弁体34を閉方向に回動する。そして、角度センサ36を介して検出された最大閉角度を、今回起動時における全閉角度θ11とする。
なお、温度センサ43を介して検出されるバタフライ弁32の温度T11が低く(例えば0℃未満)、バタフライ弁32が凍結していると予想される場合、全閉角度θ11の検出ステップ(S103)において、正確に全閉角度θ11を検出できるように、閉方向に回動する弁体34の回動速度が遅くなるようにモータ35を制御してもよい。
また、例えば、閉方向に弁体34を回動制御しているにも関わらず、角度センサ36を介して検出される弁体34の角度θ11が変化しない場合、弁体34が氷を噛み込んだと判定して、弁体34を開方向(逆方向)に回動するように制御すると共に、この開方向に回動させる場合において、モータ35への印加電圧を増圧し、弁体34の氷への固着を防止するようにしてもよい。
ステップS104において、ECU60は、ステップS103で検出された今回起動時の全閉角度θ11と、基準全閉角度θ1との差の絶対値が、所定角度差Δθ1よりも大きいか否かを判定する。
そして、前記絶対値が所定角度差Δθ1よりも大きいと判定された場合(S104・Yes)、ECU60の処理はステップS105に進む。この場合は、弁体34の正規の作動範囲に氷等の異物が存在し、バタフライ弁32が凍結していると判断される場合である。
一方、前記絶対値が所定角度差Δθ1よりも大きくない(S104・No)、つまり、前記絶対値が所定角度差Δθ1以下である場合、ECU60の処理はステップS109に進む。
ステップS105において、ECU60は、ステップS103で検出した今回起動時の全閉角度θ11を記憶する。
ステップS106において、過去の起動時において、ステップS109を経由したことにより、ECU60に記憶されている更新済みの全閉角度θ11を基準、ステップS103で検出された今回起動時の全閉角度θ11を制限値(閉側の制限角度)として、バタフライ弁32を制御する。これにより、弁体34による氷Aの噛み込みは防止される。
ステップS107において、ECU60は、温度センサ43を介して、バタフライ弁32の現在の温度T11を検出する。
ステップS108において、ECU60は、ステップS107で検出した温度T11が、基準温度T1以下であるか否かを判定する。
温度T11が基準温度T1以下であると判定された場合(S108・Yes)、ECU60の処理はステップS107に進む。この場合は、バタフライ弁32内の氷は解氷しておらず、未だ氷が存在していると判定される場合であり、ステップS106に従ったバタフライ弁32の制御が継続される。
一方、温度T11が基準温度以下でないと判定された場合(S108・No)、ECU60の処理はステップS110に進む。
次に、ステップS104の判定結果がNoの場合、つまり、今回の起動時の全閉角度θ11と、基準全閉角度θ1との差の絶対値が、所定角度差Δθ1よりも大きくない場合(所定角度差Δθ1以下である場合)に進むステップS109について説明する。
ステップS109において、ECU60は、全閉角度θ11を更新、つまり、今回起動時の全閉角度θ11を、EEPROMやバックアップRAMに記憶する。
ステップS110において、ECU60は、バタフライ弁32を通常に制御する。
具体的には、ステップS109からステップS110に進んだ場合、ECU60は、今回の起動時の全閉角度θ11を制限値とし、基準全開角度θ2との間で、バタフライ弁32を制御する。一方、ステップS108の判定結果がNoとなって、ステップS110に進んだ場合、ECU60は、過去の起動時おいてステップS109で記憶された全閉角度θ11を制限値とし、基準全開角度θ2との間で、バタフライ弁32を制御する。
そして、ECU60の処理はエンドに進む。
≪システム起動時の効果≫
このような燃料電池システム1によれば、IG51のON信号を検知し、ECU60が燃料電池スタック10の起動(発電開始)を指示した場合において、バタフライ弁32が凍結していると判定されるとき(S101・Yes)、弁体34を所定回数にて往復作動させるので(S102)、バタフライ弁32内の氷を除去し、凍結を適切に解消することができる。
一方、このような氷の除去を試みたものの、除去されなかった場合(S104・Yes)、今回起動時の全閉角度θ11を制限値として弁体34を制御するので(S106)、モータ35に過剰な負荷がかかることを防止できる。そして、このように弁体34を制御している場合において、バタフライ弁32の凍結が解消したとき(S108・No)、通常制御に移行し、バタフライ弁32を適切に制御できる。
≪システム停止時の動作≫
次に、燃料電池システム1の停止時の動作について、図3を参照して説明する。
IG51がOFFされると、図3のフローチャートに示す処理がスタートする。具体的には、IG51のOFF信号を検知したECU60は、遮断弁22を閉じると共に、コンプレッサ31を停止し、燃料電池スタック10の発電を停止する。また、ECU60は、冷媒ポンプ41を停止する。
ステップS201において、ECU60は、ステップS101と同様に、バタフライ弁32の現在の温度T11と、基準温度T1とに基づいて、バタフライ弁32が凍結しているか否か、つまり、バタフライ弁32の正規の作動範囲に氷が存在するか否かを判定する。
そして、現在の温度T11が基準温度T1以下である場合、バタフライ弁32は凍結していると判定し(S201・Yes)、ECU60の処理はステップS202に進む。一方、現在の温度T11が基準温度T1以下でない場合、バタフライ弁32は凍結していないと判定し(S201・No)、ECU60の処理はエンドに進み、停止時の制御を終了する。
ステップS202において、ECU60は、ステップS102と同様に、更新済みの全閉角度θ11に基づいて、弁体34を、開方向及び閉方向に所定回数にて往復作動させる。詳細には、閉方向については、更新済みの全閉角度θ11が制限値となるように、ECU60は、モータ35への印加電圧を制御する。なお、所定回数は、事前試験等により求められ、例えば2〜5回程度に設定され、ECU60に予め記憶されている。このように往復作動する弁体34によって、弁体34の正規の作動範囲に存在する氷が除去される可能性がある。
その後、ECU60の処理は、エンドに進み、停止時の制御を終了する。
≪システム停止時の効果≫
このような燃料電池システム1によれば、ECU60が燃料電池スタック10の(発電)停止を指示した場合において、バタフライ弁32が凍結していると判定されるとき(S201・Yes)、弁体34を所定回数にて往復作動させるので(S202)、バタフライ弁32内の氷を除去することができる。これにより、システム停止中における氷の成長を抑制することができる。
また、システム起動時において、ステップS108の判定がNoとなる前、バタフライ弁32内の氷の解氷前にIG51がOFFされたとしても、凍結していると判定された場合(S201・Yes)、ステップS202で氷を除去することができる。
≪第1参考形態≫
次に本発明の第1参考形態について、図8を参照して説明する。第1参考形態では、ECU60に記憶されている制御プログラムが一部異なり、燃料電池システムの起動時において、バタフライ弁32の温度T11に基づいて、バタフライ弁32の凍結判定をせずに、弁体34の全閉角度θ11を検出する。そして、氷を噛んだ場合、バタフライ弁32が凍結していると判定し、次いで、弁体34を開方向及び閉方向に複数回にて往復作動させ、凍結の解消を図ることを特徴する。以下、第1実施形態と異なる部分を主に説明する。
IG51がONされると、図8のフローチャートに示す処理がスタートする。具体的には、ECU60は、遮断弁22を開くと共に、コンプレッサ31を作動させ、燃料電池スタック10の発電を開始させると共に、冷媒ポンプ41を作動させる。
そして、第1参考形態では、ECU60の処理は、凍結判定処理(S101、図2参照)と、凍結していると判定された場合におけるステップS102の弁体34の作動処理(S102、図2参照)を行わずに、ステップS103に進む。
ステップS103において、ECU60は、バタフライ弁32の全閉角度θ11を検出する。
そして、ステップS104において、ステップS103で検出された今回起動時の全閉角度θ11と、基準全閉角度θ1との差の絶対値が、所定角度差Δθ1よりも大きいか否かを判定する。
前記絶対値が所定角度差Δθ1よりも大きいと判定された場合(S104・Yes)、ECU60の処理はステップS301に進む。この場合は、弁体34の正規の作動範囲に氷等の異物が存在し、バタフライ弁32が凍結していると判定される場合である。
一方、前記絶対値が所定角度差Δθ1よりも大きくない(S104・No)、つまり、前記絶対値が所定角度差Δθ1以下である場合、ECU60の処理はステップS109に進み、第1実施形態と同様に制御する。なお、後記するステップ302の判定がNoとなり、ステップS103において、複数回、全閉角度θ11が検出されている場合、最後に検出した全閉角度θ11を、ステップS109で記憶する。
ステップS301において、ECU60は、ステップS104の判定がYesとなった回数を数えるため、カウンタを1回加算する。
ステップS302において、ECU60は、カウンタ(S104の判定がYesとなった累積回数)が、所定値(2回以上)であるか否かを判定する。
そして、カウンタが所定値以上である場合(S302・Yes)、ECU60の処理はステップS303に進む。
一方、カウンタが所定値以上でない場合(S302・No)、ECU60の処理はステップS103に進む。ここで、ステップS302の判定がNoとなった場合に進むステップS103において、ECU60は、再度、弁体34の全閉角度θ11を検出する。さらに、このようにステップS103において、再度、全閉角度θ11を検出する場合、ECU60は、弁体34を開方向及び閉方向に、所定回数(2回以上)にて、往復作動させる。
ステップS303において、ECU60は、カウンタをリセットする。
ステップS105において、ECU60は、ステップS103で検出された今回起動時の全閉角度θ11を記憶する。なお、ステップS302の判定がNoとなり、複数回、ステップS103を経由している場合は、最後に検出された全閉角度θ11を、今回起動時の全閉角度θ11として記憶する。
その後、ECU60の処理は、ステップS106、S107…に順に進み、第1実施形態と同様に処理を進める。
このような第1参考形態に係る燃料電池システムによれば、ステップS103で検出された全閉角度θ11と基準全閉角度θ1との差の絶対値が所定角度差Δθ1よりも大きく(S104・Yes)、バタフライ弁32が凍結していると判定され、かつ、カウンタが所定値(≧2回)以上でない場合(S302・No)、ステップS103に戻って、弁体34を、開方向及び閉方向に、所定回数(2回以上)にて往復作動させる。これにより、弁体34の正規の作動範囲に存在する氷を除去し、凍結の解消を図ることができる。また、このような構成とすることにより、温度センサ43を省略することもできる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、例えば次のように変更することができる。
前記した第1参考形態では、燃料電池スタック10の起動時(IG51のON時)における弁体34の全閉角度θ11を検出しつつ、氷等の除去を図り、この全閉角度θ11と基準全閉角度θ1とを比較・判定し、この判定結果に基づいて、起動時における全閉角度θ11を制限値として、弁体34を制御する構成を例示したが、この技術を弁体34の全開角度について適用してもよい。
すなわち、起動時において、弁体34の全開角度(全開位置)を検出しつつ、氷の除去を図り、この全開角度と基準全開角度θ2との差が、所定角度差よりも大きいか否かを判定し、大きい場合には、過去の起動時における更新済みの全開角度を基準、今回起動時の全開角度を制限値として、弁体34を制御するようにしてもよい。
また、全閉角度と全開角度との両方に本発明を適用してもよい。
前記した実施形態では、ステップS104の判定がNoとなった後、バタフライ弁32の温度T11が上昇し、ステップS108の判定がNoとなるまで、今回起動時の全閉角度θ11を制限値として弁体34を制御する構成を例示したが(S104)、例えば、バタフライ弁32の温度T11が基準温度T1以下であっても(S108・Yes)、温度T11の上昇に伴って、解氷が進んだと予測し、弁体34の作動範囲が広がるように、制限値としている弁体34の全閉角度を補正する構成としてもよい。
前記した実施形態では、バタフライ弁32がカソード流路12の下流に配置された構成を例示したが、バタフライ弁32がアノード流路11の下流に配置された構成でもよい。
前記した実施形態では、冷媒がバタフライ弁32を経由し、バタフライ弁32から排出された冷媒の温度を検出する温度センサ43によって、バタフライ弁32の温度T11が検出される構成を例示したが、バタフライ弁32の温度T11を検出方法はこれに限定されず、例えば、外気温センサが検出する外気温度に基づいて、間接的に推定する構成でもよい。
前記した実施形態では、流量制御弁がバタフライ弁32である場合を例示したが、流量制御弁は、これに限定されず、その他に例えば、ニードル弁であってもよい。
前記した実施形態では、燃料電池システム1が燃料電池自動車に搭載された場合を例示したが、その他に例えば、自動二輪車、列車、船舶に搭載された燃料電池システムに組み込んでもよい。また、家庭用の据え置き型の燃料電池システムや、給湯システムに組み込まれた燃料電池システムでもよい。
第1実施形態に係る燃料電池システムの構成図である。 第1実施形態に係る燃料電池システムの起動時の動作を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る燃料電池システムの停止時の動作を示すフローチャートである。 第1実施形態に係るバタフライ弁の断面図であり、弁体が基準全開位置に配置された状態を示す。 第1実施形態に係るバタフライ弁の断面図であり、弁体が基準全閉位置に配置された状態を示す。 第1実施形態に係るバタフライ弁の断面図であり、バタフライ弁が凍結しており、弁体の正規の作動範囲に氷が存在する状態を示す。 弁体の基準全開位置、基準全閉位置の関係を示す図である。 1参考形態に係る燃料電池システムの起動時の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1 燃料電池システム
10 燃料電池スタック
21 水素タンク
32 バタフライ弁(流量制御弁)
34 弁体
35 モータ
36 角度センサ
43 温度センサ(温度検出手段)
60 ECU
T11 バタフライ弁の温度

Claims (4)

  1. 反応ガスが供給されることで発電する燃料電池と、
    前記燃料電池から排出されたガスが流れる排出ガス流路に配置され、流量を制御する流量制御弁と、
    前記燃料電池の起動を指示する起動指示手段と、
    前記流量制御弁の弁体の作動範囲に氷が存在するか否かを判定する氷判定手段と、
    前記起動指示手段が起動を指示した場合において、前記氷判定手段が前記作動範囲に氷が存在すると判定したとき、前記弁体を開方向及び閉方向に複数回にて往復作動させる起動時往復作動手段と、
    前記往復作動後の前記流量制御弁の全開側及び全閉側の少なくとも一方側の往復作動後位置を検出する位置検出手段と、
    前記位置検出手段が検出した前記往復作動後位置と、前記流量制御弁の弁体の作動範囲に異物が存在しない状態における前記少なくとも一方側の基準位置との差が所定差よりも大きい場合、当該往復作動後位置を記憶する第1記憶手段と、
    前記第1記憶手段が前記往復作動後位置を記憶した後、前記氷判定手段が氷は存在していると判定する間、前記第1記憶手段に記憶された前記往復作動後位置を制限値として前記流量制御弁を制御する弁制御手段と、
    前記燃料電池の発電の停止を指示する停止指示手段と、
    前記停止指示手段が停止を指示した場合において、前記氷判定手段が前記作動範囲に氷が存在すると判定したとき、前記弁体を開方向及び閉方向に複数回にて往復作動させる停止時往復作動手段と、
    を備えることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記位置検出手段が検出した前記往復作動後位置と、前記基準位置との差が所定差以下である場合、当該往復作動後位置を更新済位置として記憶する第2記憶手段と、をさらに備え、
    前記起動時往復手段は、過去の起動時において前記第2記憶手段に記憶された前記更新済位置を制限値として前記弁体を開方向及び閉方向に複数回にて往復運動するように制御され、
    前記第1記憶手段が前記往復作動後位置を記憶した後、前記氷判定手段が氷は存在していないと判定した場合、前記弁制御手段は、過去の起動時において前記第2記憶手段に記憶された前記更新済位置を制限値として前記流量制御弁を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記位置検出手段は、前記弁体を駆動するモータに印加電圧を付して前記往復作動後位置を検出する際、前記弁体の作動範囲に存在する氷を切除又は除去しない程度の印加電圧を前記モータに付与する
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の燃料電池システム。
  4. 前記位置検出手段は、前記弁体を駆動するモータに印加電圧を付して前記往復作動後位置を検出する際、前記弁体が回動制御されているにもかかわらず、前記位置検出手段を介して検出される前記弁体の位置が変化しない場合、前記弁体を前記回動制御の方向とは逆方向に回動するように制御するとともに、前記モータに付与する印加電圧を増圧する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の燃料電池システム。
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