JP5073005B2 - 回転電機 - Google Patents

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Description

この発明は、車両用交流発電機などの回転電機に関し、特にスロットが毎極毎相当たり2の割合で形成された固定子鉄心に対する固定子巻線の巻装構造に関するものである。
従来の車両用交流発電機は、軸方向に延びるスロットが周方向に等角ピッチで形成された円筒状の固定子コアに固定子巻線を巻装してなる固定子と、固定子の内周側に配設され、界磁コイルを有する回転子と、を備えていた。そして、スロットを毎極毎相当たり2の割合で形成することにより、磁束の脈動の発生が抑えられ、発生電圧の変動や出力波形の乱れを少なくできるとともに、固定子の交流出力を直流に整流した場合のリップルを低減できることが知られていた。
そして、従来、スロットが毎極毎相当たり2の割合で形成された固定子コアに固定子巻線を巻装する際に、固定子の生産性向上および低価格化の観点から、導体線を環状に巻回して作製された巻線ユニットを星形に成形して星形巻線ユニットを作製し、該星形巻線ユニットを固定子コアに多層に装着する方法が提案されていた(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載された従来の車両用交流発電機では、2つの三相交流巻線の6相の巻線を構成する星形巻線ユニットが、コイルエンドの径方向位置のバランスを考慮して、径方向に6層に重ねて固定子コアに装着され、発電不良や出力低下を抑えている。
特許第3484412号公報
しかし、特許文献1に記載された従来の車両用交流発電機では、6相の巻線のコイルエンドが径方向に6層に並んでいるので、外径側のコイルエンドほど冷却風に曝されにくくなり、外径側の巻線ほど、巻線温度が高くなる。そこで、各相の巻線の巻線抵抗が異なり、相電圧差が生じ、第5次および第7次高調波成分が完全に相殺されなくなり、磁気騒音が発生するという課題があった。
この発明は、上記課題を解決するためになされたもので、相巻線のそれぞれを短節巻きと長節巻きとを交互に繰り返して巻装して、第5次および第7次高調波成分を小さくし、第5次および第7次高調波成分による磁気騒音を低減できる回転電機を得ることを目的とする。
この発明による回転電機は、ハウジングに回転可能に支持された回転子と、スロットが毎極毎相当たり2の割合で形成された固定子鉄心、および該固定子鉄心に波巻きに巻装された6つの相巻線からなる固定子巻線を有し、上記回転子を囲繞するように上記ハウジングに支持された固定子と、を備え、上記6つの相巻線は、周方向の一側に1スロットずつずらして径方向に順次重ねて上記固定子鉄心に巻装され、上記6つの相巻線のそれぞれは、導体線を周方向の一側に5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して波巻きに1ターン巻装した後、折り返して周方向の他側に5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して波巻きに1ターン巻装して形成された2ターンの波巻き巻線により構成されている。
この発明によれば、上記6つの相巻線のそれぞれは、導体線を5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して巻装して構成されているので、高調波成分の中で優勢な第5次高調波成分と第7次高調波成分とを小さくできる。そこで、相巻線の巻線温度が異なり、相電圧差を生じても、第5次高調波成分と第7次高調波成分との差分に起因する磁気騒音の増大を抑えることができる。
この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機を示す縦断面図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される固定子における固定子巻線の巻装状態を模式的に示すリヤ側端面図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の電気回路図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される固定子における固定子巻線の巻装状態を説明する展開図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される固定子における固定子巻線の巻装状態を説明する展開図である。 この発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機における固定子巻線の巻装方法を説明する図である。 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される固定子における固定子巻線の巻装状態を模式的に示すリヤ側端面図である。 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される固定子における固定子巻線の巻装状態を説明する展開図である。 この発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される固定子における固定子巻線の巻装状態を説明する展開図である。 この発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される固定子における固定子巻線の巻装状態を模式的に示すリヤ側端面図である。 この発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される固定子における固定子巻線の巻装状態を説明する展開図である。 この発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される固定子における固定子巻線の巻装状態を説明する展開図である。 比較例の固定子における固定子巻線の巻装状態を説明する展開図である。 比較例の固定子における固定子巻線の巻装状態を説明する展開図である。
以下、本発明による回転電機の好適な実施の形態につき図面を用いて説明する。
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機を示す縦断面図、図2はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される固定子における固定子巻線の巻装状態を模式的に示すリヤ側端面図、図3はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機の電気回路図である。図4および図5はそれぞれこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機に適用される固定子における固定子巻線の巻装状態を説明する展開図であり、図4は固定子を軸方向外方から見た状態を平面にして表し、図5は固定子を径方向内方から見た状態を平面にして表している。図6はこの発明の実施の形態1に係る車両用交流発電機における固定子巻線の巻装方法を説明する図である。なお、図2中、実線は時計回りに巻回した導体線の渡り部を示し、点線は反時計回りに巻回した導体線の渡り部である。
図1において、回転電機としての車両用交流発電機1は、それぞれ略椀形状のアルミニウム製のフロントブラケット2とリヤブラケット3とからなるハウジング4と、このハウジング4に軸受5を介して回転可能に支持されたシャフト6と、ハウジング4のフロント側に延出するシャフト6の端部に固着されたプーリ7と、シャフト6に固定されてハウジング4内に配設された回転子8と、回転子8を囲繞するようにハウジング4に固定された固定子20と、シャフト6のリヤ側に固定され、回転子8に電流を供給する一対のスリップリング12と、各スリップリング12の表面に摺動する一対のブラシ13と、これらのブラシ13を収容するブラシホルダ14と、固定子20に電気的に接続され、固定子20で生じた交流を直流に変換する整流器15と、ブラシホルダ14に取り付けられて、固定子20で生じた交流電圧の大きさを調整する電圧調整器16と、を備えている。
吸気孔2aが回転子8のフロント側端面に面するようにフロントブラケット2の軸端面に複数形成され、排気孔2bが固定子巻線22のフロント側コイルエンド22fの径方向外方に位置するようにフロントブラケット2の周面に複数形成されている。同様に、吸気孔3aが整流器15および電圧調整器16と相対するようにリヤブラケット3の軸端面に複数形成され、排気孔3bが固定子巻線22のリヤ側コイルエンド22rの径方向外方に位置するようにリヤブラケット3の周面に複数形成されている。
回転子8は、励磁電流が流されて磁束を発生する界磁コイル9と、界磁コイル9を覆うように設けられ、その磁束によって磁極が形成されるポールコア10と、ポールコア10の軸心位置に貫装されたシャフト6と、を備えている。ファン11がポールコア10の軸方向両端面に溶接などにより固着されている。
固定子20は、フロントブラケット2およびリヤブラケット3に軸方向両側から挟持され、回転子8のポールコア10の外周面との間に均一なギャップを確保してポールコア10を囲繞するように配設された固定子鉄心21と、固定子鉄心21に巻装された固定子巻線22と、を備えている。
つぎに、固定子20の構造について図2、図4および図5を参照しつつ説明する。なお、図2中、1、7,・・・67はスロット番号を示している。
固定子鉄心21は、例えば、磁性鋼板の薄板を円環状に打ち抜いて作製された鉄心片を所定枚積層し、積層された所定枚の鉄心片を溶接により一体化して円筒状に作製された積層鉄心である。そして、固定子鉄心21は、円環状のコアバック部21a、それぞれコアバック部21aの内周面から径方向内方に延在し、かつ周方向に等角ピッチで配列するティース部21b、コアバック部21aと隣り合うティース部21bとにより画成されるスロット21c、およびティース部21bの先端部から周方向両側に延在する鍔部21dを有する。ティース部21bは、それぞれ周方向幅が径方向内方に向って漸次狭くなる先細り形状に作製され、スロット21cは断面矩形に形成されている。
ここで、回転子8のポールコア10の爪状磁極の個数は12であり、スロット21cの個数は72個である。即ち、スロット21cは、毎極毎相当たり2の割合で、周方向に等角ピッチ(電気角でπ/6のピッチ)で形成されている。
固定子巻線22は、それぞれ1本の導体線30を固定子鉄心21に巻回して作製されたX相巻線23、Y相巻線24、Z相巻線25、U相巻線26、V相巻線27、W相巻線28の6つの相巻線を有する。ここで、導体線30は、絶縁被覆された銅線からなる連続線である。
X相巻線23は、リヤ側からスロット番号7番のスロット21cに入り、スロット番号7番のスロット21cのフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向一側に延びてスロット番号14番のスロット21cに入り、スロット番号14番のスロット21cからリヤ側に延出し、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号19番のスロット21cに入り、以降、導体線30をスロット番号26番、31番、38番、43番、50番、55番、62番、67番、2番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装した後、スロット番号2番のスロット21cからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号8番のスロット21cに入り、スロット番号8番のスロット21cからフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号1番のスロット21cに入り、以降、スロット番号68番、61番、56番、49番、44番、37番、32番、25番、20番、13番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装して、構成されている。
X相巻線23は、このように、1本の導体線30が5スロット離れたスロット21cと7スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向一側に波巻きに1ターン巻かれ、折り返されて7スロット離れたスロット21cと5スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向他側に波巻きに1ターン巻かれて構成されている。そして、巻き始め端X1がスロット番号7番のスロット21cからリヤ側に引き出され、巻き終わり端X2がスロット番号13番のスロット21cからリヤ側に引き出されている。このX相巻線23は、5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装された2ターンの波巻き巻線である。
Y相巻線24は、リヤ側からスロット番号9番のスロット21cに入り、スロット番号9番のスロット21cのフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向一側に延びてスロット番号16番のスロット21cに入り、スロット番号16番のスロット21cからリヤ側に延出し、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号21番のスロット21cに入り、以降、導体線30をスロット番号28番、33番、40番、45番、52番、57番、64番、69番、4番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装した後、スロット番号4番のスロット21cからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号10番のスロット21cに入り、スロット番号10番のスロット21cからフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号3番のスロット21cに入り、以降、スロット番号70番、63番、58番、51番、46番、39番、34番、27番、22番、15番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装して、構成されている。
Y相巻線24は、このように、1本の導体線30が5スロット離れたスロット21cと7スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向一側に波巻きに1ターン巻かれ、折り返されて7スロット離れたスロット21cと5スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向他側に波巻きに1ターン巻かれて構成されている。そして、巻き始め端Y1がスロット番号9番のスロット21cからリヤ側に引き出され、巻き終わり端Y2がスロット番号15番のスロット21cからリヤ側に引き出されている。このY相巻線24は、5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装された2ターンの波巻き巻線である。
Z相巻線25は、リヤ側からスロット番号11番のスロット21cに入り、スロット番号11番のスロット21cのフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向一側に延びてスロット番号18番のスロット21cに入り、スロット番号18番のスロット21cからリヤ側に延出し、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号23番のスロット21cに入り、以降、導体線30をスロット番号30番、35番、42番、47番、54番、59番、66番、71番、6番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装した後、スロット番号6番のスロット21cからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号12番のスロット21cに入り、スロット番号12番のスロット21cからフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号5番のスロット21cに入り、以降、スロット番号72番、65番、60番、53番、48番、41番、36番、29番、24番、17番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装して、構成されている。
Z相巻線25は、このように、1本の導体線30が5スロット離れたスロット21cと7スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向一側に波巻きに1ターン巻かれ、折り返されて7スロット離れたスロット21cと5スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向他側に波巻きに1ターン巻かれて構成されている。そして、巻き始め端Z1がスロット番号11番のスロット21cからリヤ側に引き出され、巻き終わり端Z2がスロット番号17番のスロット21cからリヤ側に引き出されている。このZ相巻線25は、5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装された2ターンの波巻き巻線である。
U相巻線26は、リヤ側からスロット番号6番のスロット21cに入り、スロット番号6番のスロット21cのフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向一側に延びてスロット番号13番のスロット21cに入り、スロット番号13番のスロット21cからリヤ側に延出し、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号18番のスロット21cに入り、以降、導体線30をスロット番号25番、30番、37番、42番、49番、54番、61番、66番、1番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装した後、スロット番号1番のスロット21cからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号7番のスロット21cに入り、スロット番号7番のスロット21cからフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号72番のスロット21cに入り、以降、スロット番号67番、60番、55番、48番、43番、36番、31番、24番、19番、12番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装して、構成されている。
U相巻線26は、このように、1本の導体線30が5スロット離れたスロット21cと7スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向一側に波巻きに1ターン巻かれ、折り返されて7スロット離れたスロット21cと5スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向他側に波巻きに1ターン巻かれて構成されている。そして、巻き始め端U1がスロット番号6番のスロット21cからリヤ側に引き出され、巻き終わり端U2がスロット番号12番のスロット21cからリヤ側に引き出されている。このU相巻線26は、5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装された2ターンの波巻き巻線である。
V相巻線27は、リヤ側からスロット番号8番のスロット21cに入り、スロット番号8番のスロット21cのフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向一側に延びてスロット番号15番のスロット21cに入り、スロット番号15番のスロット21cからリヤ側に延出し、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号20番のスロット21cに入り、以降、導体線30をスロット番号27番、32番、39番、44番、51番、56番、63番、68番、3番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装した後、スロット番号3番のスロット21cからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号9番のスロット21cに入り、スロット番号9番のスロット21cからフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号2番のスロット21cに入り、以降、スロット番号69番、62番、57番、50番、45番、38番、33番、26番、21番、14番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装して、構成されている。
V相巻線27は、このように、1本の導体線30が5スロット離れたスロット21cと7スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向一側に波巻きに1ターン巻かれ、折り返されて7スロット離れたスロット21cと5スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向他側に波巻きに1ターン巻かれて構成されている。そして、巻き始め端V1がスロット番号8番のスロット21cからリヤ側に引き出され、巻き終わり端V2がスロット番号14番のスロット21cからリヤ側に引き出されている。このV相巻線27は、5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装された2ターンの波巻き巻線である。
W相巻線28は、リヤ側からスロット番号10番のスロット21cに入り、スロット番号10番のスロット21cのフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向一側に延びてスロット番号17番のスロット21cに入り、スロット番号17番のスロット21cからリヤ側に延出し、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号22番のスロット21cに入り、以降、導体線30をスロット番号29番、34番、41番、46番、53番、58番、65番、70番、5番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装した後、スロット番号5番のスロット21cからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号11番のスロット21cに入り、スロット番号11番のスロット21cからフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号4番のスロット21cに入り、以降、スロット番号71番、64番、59番、52番、47番、40番、35番、28番、23番、16番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装して、構成されている。
W相巻線28は、このように、1本の導体線30が5スロット離れたスロット21cと7スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向一側に波巻きに1ターン巻かれ、折り返されて7スロット離れたスロット21cと5スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向他側に波巻きに1ターン巻かれて構成されている。そして、巻き始め端W1がスロット番号10番のスロット21cからリヤ側に引き出され、巻き終わり端W2がスロット番号16番のスロット21cからリヤ側に引き出されている。このW相巻線28は、5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装された2ターンの波巻き巻線である。
このように構成された6つの相巻線は、U相巻線26、X相巻線23、V相巻線27、Y相巻線24、W相巻線28、Z相巻線25の順に周方向に1スロットピッチ(電気角でπ/6)ずれて、かつ径方向内側から外側にこの順に並んで、固定子鉄心21に巻装されている。そして、スロット21cから延出して5スロット離れたスロット21cに入る導体線30の部位、即ち渡り部が、固定子鉄心21のリヤ側端面上に配列されてリヤ側コイルエンド22rを構成し、スロット21cから延出して7スロット離れたスロット21cに入る導体線30の部位、即ち渡り部が、固定子鉄心21のフロント側端面上に配列され、フロント側コイルエンド22fを構成する。
リヤ側コイルエンド22rにおいては、図4に示されるように、周方向に隣り合う渡り部間が内径側から外径側に連なり、回転子8の回転方向の前方に傾斜する冷却風流路が形成される。なお、図示していないが、フロント側コイルエンド22fにおいても、回転子8の回転方向前方に傾斜する冷却風流路が形成される。
また、6つの相巻線は、スロット番号1番から12番まで範囲(2磁極ピッチ分)で、導体線30の波巻きの巻回方向を逆方向に変えて巻回されている。図5に示されるように、リヤ側コイルエンド22rにおける周方向に隣り合う導体線30同士の干渉部は、略1磁極ピッチ分で5箇所であり、フロント側コイルエンド22fにおける周方向に隣り合う導体線30同士の干渉部は、略1磁極ピッチ分で10箇所である。
固定子巻線22は、X相巻線23、Y相巻線24、およびZ相巻線25の巻き終わり端X2,Y2,Z2を結線して作製された第1三相交流巻線100と、U相巻線26、V相巻線27、およびW相巻線28の巻き終わり端U2,V2,W2を結線して作製された第2三相交流巻線101とから構成される。第1および第2三相交流巻線100,101は、電気角でπ/6(30度)の位相差を有し、図3に示されるように、それぞれ個別の整流器15に接続されている。巻き始め端X1,Y1,Z1,U1,V1,W1が第1および第2三相交流巻線100,101の口出し線となる。
このようにX相巻線23、Y相巻線24、Z相巻線25、U相巻線26およびV相巻線27、W相巻線28のそれぞれの相電圧は、理論上、式(1)〜(6)で表される。
(t)=2ksin(5πn/12)sin(nωt+π/12) 式(1)
(t)=2ksin(5πn/12)sin(nωt+5π/12) 式(2)
(t)=2ksin(5πn/12)sin(nωt+3π/4) 式(3)
(t)=2ksin(5πn/12)sin(nωt+π/4) 式(4)
(t)=2ksin(5πn/12)sin(nωt+7π/12) 式(5)
(t)=2ksin(5πn/12)sin(nωt+11π/12) 式(6)
但し、e,e,eは第1三相交流巻線100の相電圧、e,e,eは第2三相交流巻線101の相電圧、kは定数、nはn次高調波、ωtは電気角である。
式(1)〜(6)に示されるように、X相巻線23、Y相巻線24およびZ相巻線25は、それぞれ電気角でπ/3(60度)の位相差が与えられ、U相巻線26、V相巻線27およびW相巻線28は、それぞれ電気角でπ/3(60度)の位相差が与えられている。さらに、X相巻線23、Y相巻線24およびZ相巻線25は、U相巻線26、V相巻線27およびW相巻線28に対して、電気角でπ/6(30度)の位相差が与えられている。
このように構成された車両用交流発電機1は、バッテリ(図示せず)からブラシ13、スリップリング12を介して界磁コイル9に界磁電流が供給されて磁束が発生する。この磁束により、ポールコア10の爪状磁極が周方向に交互にN極とS極とに磁化される。
一方、エンジンの回転トルクがベルト(図示せず)およびプーリ7を介してシャフト6に伝達され、回転子8が回転される。そこで、回転磁界が固定子20の固定子巻線22に与えられ、起電力が固定子巻線22の第1および第2三相交流巻線100,101に発生する。そして、第1および第2三相交流巻線100,101に発生した交流の起電力が、それぞれ整流器15により直流に整流されるとともに、その出力電圧の大きさが電圧調整器16により調整され、バッテリや車載電気負荷に供給される。
ファン11が回転子8とともに回転される。そこで、空気が吸気孔2a,3aからハウジング4内に吸入されて軸方向に回転子8側に流れ、ファン11により遠心方向に曲げられる。遠心方向に曲げられた空気は、図4に矢印Aで示されるように、回転子8の回転方向の前方に傾斜する冷却風流路を通ってフロント側およびリヤ側コイルエンド22f,22rを内径側から外径側に横切り、排気孔2b,3bからハウジング4外に排出される。これにより、固定子巻線22で発生した熱が、フロント側およびリヤ側コイルエンド22f、22rから空気に放熱され、固定子20の温度上昇が抑えられる。
ここで、第1三相交流巻線100を構成するX相巻線23、Y相巻線24およびZ相巻線25と第2三相交流巻線101を構成するU相巻線26、V相巻線27およびW相巻線28とが互いに電気角で30度ずれて固定子鉄心21に巻装されているので、高調波成分の中で優勢な第5次高調波成分と第7次高調波成分とが相殺し、磁気騒音が低減する。しかし、U相巻線26、X相巻線23、V相巻線27、Y相巻線24、W相巻線28およびZ相巻線25が内径側から外径側にこの順で6層に配列しているので、外径側に位置する相巻線ほど、ファン11により送風される冷却風に曝されにくくなる。そこで、巻線温度は、外径側の相巻線ほど高くなる。これにより、各相巻線の巻線抵抗が異なり、相電圧差を生じ、第5次高調波成分と第7次高調波成分とが相殺されなくなり、磁気騒音が大きくなる。
この実施の形態1によれば、U相巻線26、X相巻線23、V相巻線27、Y相巻線24、W相巻線28およびZ相巻線25が、それぞれ、5π/6短節巻きと7π/6長節巻とを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装されている。式(7)から、n=5のとき、βは0.259であり、n=7のとき、βは0.259となる。すなわち、5π/6短節巻きおよび7π/6長節巻きの場合には、5次および第7次高調波成分が、全節巻きに対して、0.259倍となり、高調波成分の中で優勢な第5次高調波成分と第7次高調波成分とを小さくできる。そこで、各相巻線の巻線抵抗に差異が生じても、磁気騒音の増大を抑えることができる。
β=sin(5πn/12) 式(7)
また、この実施の形態1によれば、U相巻線26、X相巻線23、V相巻線27、Y相巻線24、W相巻線28およびZ相巻線25が、この順に周方向に1スロット(電気角でπ/6)ずれて、かつ径方向内側から外側に並んで、固定子鉄心21に巻装されているので、回転子8の回転方向の前方に傾斜する冷却風流路がフロント側およびリヤ側コイルエンド22f、22rに形成される。そこで、ファン11の回転による冷却風が、冷却風流路を流れて排気孔2b、3bから排出されるので、通風抵抗が小さくなり、冷却風の風量が増大し、固定子巻線22を効果的に冷却できるとともに、風音を低減できる。
つぎに、相巻線の巻装方法を図6を参照しつつ説明する。
まず、導体線30を環状に1ターン巻き、引き続いて環状に1ターン巻く。ついで、図6の(a)に示されるように、各1ターンの環状体を屈曲して星形に成形し、導体線30で連結された2つの星形ユニット31を作製する。各星形ユニット31は、5スロット分の長さの第1渡り部32と7スロット分の長さの第2渡り部33とが内周側と外周側との二列に分かれて、周方向に交互に配列され、第1渡り部32の端部と第2渡り部33との端部とをスロット収納部35により連結して構成されている。なお、第3渡り部34は、6スロット分の長さを有する。
ついで、2つの星形ユニット31を重ね合わせ、図6の(b)に示される星形巻線ユニット36を作製する。星形巻線ユニット36は、径方向に相対する第1渡り部32(第3渡り部34)と第2渡り部33との対が周方向に30度の角度ピッチで11対配列されて構成されている。
ついで、星形巻線ユニット36を、スロット収納部35が長さ方向を軸方向として周方向に配列される円筒状に曲げ成形する。そして、スロット収納部35を対応するスロット21c内に内周側から挿入して、円筒状に曲げ成形された星形巻線ユニット36を固定子鉄心21に装着する。同様に、5つの円筒状に曲げ成形された星形巻線ユニット36を、周方向に1スロットずつずらして、固定子鉄心21に順次装着する。これにより、U相巻線26、X相巻線23、V相巻線27、Y相巻線24、W相巻線28およびZ相巻線25が、互いに周方向に1スロットずれて径方向に6層に並んで固定子鉄心21に装着された固定子20が得られる。
そして、第1渡り部32が固定子鉄心21のリヤ側端面上に径方向に6層に並んで周方向に6スロットピッチで配列されてリヤ側コイルエンド22rを構成し、第2渡り部33が固定子鉄心21のフロント側端面上に径方向に6層に並んで周方向に6スロットピッチで配列されてフロント側コイルエンド22fを構成している。
このように、6つの同一形状の星形巻線ユニット36を1スロットずらして固定子鉄心21に巻装することで、6つの相巻線を作製できるので、巻線の生産性が高められる。
なお、上記実施の形態1では、1つの星形巻線ユニットを固定子鉄心に巻装して相巻線を作製するものしているが、複数の星形巻線ユニットを径方向に重ねて固定子鉄心に巻装して相巻線を作製してもよい。例えば、2つの星形巻線ユニットを同一スロット群に径方向に重ねて2層に装着し、一方の星形巻線ユニットの巻き終わり端と他方の星形巻線ユニットの巻き始め端とを結線して、両星形巻線ユニットを直列に接続すれば、4ターンの相巻線が作製される。また、一方の星形巻線ユニットの巻き始め端および巻き終わり端と他方の星形巻線ユニットの巻き始め端および巻き終わり端とを結線して、両星形巻線ユニットを並列に接続すれば、2ターンの相巻線が作製される。
また、上記実施の形態1では、1本の導体線で作製された2つの星形ユニットを重ね合わせて構成された星形巻線ユニットを固定子鉄心に巻装するものとしているが、それぞれ1本の導体線で作製された2つの星形ユニットを重ね合わせて固定子鉄心に巻装し、その後2つの星形ユニットを直列に接続してもよい。
つぎに、実施の形態1の巻線構造による特有の効果を説明するために、比較例として全節巻きによる巻線構造について図13および図14を参照しつつ説明する。図13および図14はそれぞれ比較例の固定子における固定子巻線の巻装状態を説明する展開図であり、図13は固定子を軸方向外方から見た状態を平面にして表し、図14は固定子を径方向内方から見た状態を平面にして表している。
X相巻線は、図13および図14に示されるように、リヤ側からスロット番号8番のスロットに入り、スロット番号8番のスロットのフロント側に延出し、固定子鉄心51のフロント側端面上を周方向一側に延びてスロット番号14番のスロットに入り、スロット番号14番のスロットからリヤ側に延出し、固定子鉄心51のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号20番のスロットに入り、以降、導体線30をスロット番号26番、32番、38番、44番、50番、56番、62番、68番、2番のスロットに順次入るように波巻きに導体線30を巻装した後、スロット番号2番のスロットからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心51のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号8番のスロットに入り、スロット番号8番のスロットからフロント側に延出し、固定子鉄心51のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号2番のスロットに入り、以降、スロット番号68番、62番、56番、50番、44番、38番、32番、26番、20番、14番のスロットに順次入るように波巻きに導体線30を巻装して、構成されている。
このX相巻線は、1本の導体線30が6スロット離れたスロットに順次入るように波巻きに2ターン巻かれて構成され、巻き始め端X1がスロット番号8番のスロットからリヤ側に引き出され、巻き終わり端X2がスロット番号14番のスロットからリヤ側に引き出されている。
Y相巻線は、1本の導体線30が同様に6スロット離れたスロットに順次入るように波巻きに2ターン巻かれて構成され、巻き始め端Y1がスロット番号10番のスロットからリヤ側に引き出され、巻き終わり端Y2がスロット番号16番のスロットからリヤ側に引き出されている。Z相巻線は、1本の導体線30が同様に6スロット離れたスロットに順次入るように波巻きに2ターン巻かれて構成され、巻き始め端Z1がスロット番号12番のスロットからリヤ側に引き出され、巻き終わり端Z2がスロット番号18番のスロットからリヤ側に引き出されている。
U相巻線は、1本の導体線30が同様に6スロット離れたスロットに順次入るように波巻きに2ターン巻かれて構成され、巻き始め端U1がスロット番号7番のスロットからリヤ側に引き出され、巻き終わり端U2がスロット番号13番のスロットからリヤ側に引き出されている。V相巻線は、1本の導体線30が同様に6スロット離れたスロットに順次入るように波巻きに2ターン巻かれて構成され、巻き始め端V1がスロット番号9番のスロットからリヤ側に引き出され、巻き終わり端V2がスロット番号15番のスロットからリヤ側に引き出されている。W相巻線は、1本の導体線30が同様に6スロット離れたスロットに順次入るように波巻きに2ターン巻かれて構成され、巻き始め端W1がスロット番号11番のスロットからリヤ側に引き出され、巻き終わり端W2がスロット番号17番のスロットからリヤ側に引き出されている。
比較例の固定子50においては、X相巻線、Y相巻線、Z相巻線、U相巻線、V相巻線およびW相巻線は、固定子鉄心21に全節巻きに巻装された2ターンの波巻き巻線である。そして、6つの相巻線は、U相巻線、V相巻線、W相巻線、X相巻線、Y相巻線、Z相巻線の順に周方向に1スロットピッチ(電気角でπ/6)ずれて、かつ径方向内側から外側にこの順に並んで、固定子鉄心51に巻装されている。そして、巻き始め端X1,Y1,Z1,U1,V1,W1が固定子巻線52を構成する三相交流巻線の口出し線となる。
また、6つの相巻線は、口出し線が引き出されるスロット番号1番から12番の範囲(2磁極ピッチ分)で、導体線30の波巻きの巻回方向を逆方向に変えて巻回されている。図14に示されるように、リヤ側コイルエンドにおける周方向に隣り合う導体線30同士の干渉部は、略1磁極ピッチ分で10箇所であり、フロント側コイルエンドにおける周方向に隣り合う導体線30同士の干渉部は、略1磁極ピッチ分で10箇所である。
このように、比較例の固定子50では、干渉部が多いので、下記の不具合が生じる。
まず、エンジンの振動などにより、干渉部で導体線30同士が擦れ、導体線30の絶縁被膜が損傷し易くなり、相間ショートの発生確率が増大する。
また、フロント側およびリヤ側コイルエンドの径方向の膨らみが大きくなるので、フロント側およびリヤ側コイルエンドとフロントブラケットおよびリヤブラケットとの間の絶縁距離を確保する必要上、車両用交流発電機の体格の大型化をもたらす。
また、フロント側およびリヤ側コイルエンドの径方向の膨らみが大きいので、フロント側およびリヤ側コイルエンドの周方向における凹凸が大きくなり、凹凸に起因する風騒音が増大する。
また、リヤ側コイルエンドにおける導体線30同士の干渉部が、図14に示されるように、リヤ側コイルエンドの径方向中央部に位置しているので、干渉部間の間隔が狭くなり、干渉部間で応力分散がしにくくなり、エンジン振動による相間ショートの発生が増大する。
一方、この実施の形態1によれば、U相巻線26、X相巻線23、V相巻線27、Y相巻線24、W相巻線28およびZ相巻線25が、それぞれ、5π/6短節巻きと7π/6長節巻とを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装されている。さらに、U相巻線26、X相巻線23、V相巻線27、Y相巻線24、W相巻線28およびZ相巻線25が、この順に、周方向に1スロット(電気角でπ/6)ずれて、かつ径方向内側から外側に並んで、固定子鉄心21に巻装されている。そこで、特に、リヤ側コイルエンド22rにおける周方向に隣り合う導体線30同士の干渉部が、略1磁極ピッチ分で5箇所となり、全節巻きの比較例の半分となっている。
したがって、リヤ側コイルエンド22rにおける周方向に隣り合う導体線30同士の干渉部の個数が少なくなるので、相間ショートの発生確率が著しく低減され、発電不良の発生が抑えられる。
また、リヤ側コイルエンド22rの径方向の膨らみが小さくなるので、リヤ側コイルエンド22rとリヤブラケット3との間の絶縁距離が確保されるとともに、車両用交流発電機1の体格を小さくできる。
また、リヤ側コイルエンド22rの径方向の膨らみが小さくなるので、リヤ側コイルエンド22rの周方向における凹凸が少なくなり、凹凸に起因する風騒音を低減できる。
また、リヤ側コイルエンド22rにおける導体線30同士の干渉部が、図5に示されるように、リヤ側コイルエンド22rの頂部側に偏在しているので、エンジン振動による応力緩和が可能である。また、導体線30同士の干渉部が周方向にほぼ均等に配置されているので、干渉部間で応力分散が可能となり、エンジン振動による相間ショートの発生が抑えられる。
さらに、固定子巻線22の口出し線が、径方向の膨らみの小さいリヤ側コイルエンド22rから引き出されているので、口出し線をフロント側コイルエンド22fから引出す場合に比べて、コイルエンドの径方向の膨らみを小さくできる。
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される固定子における固定子巻線の巻装状態を模式的に示すリヤ側端面図、図8および図9はそれぞれこの発明の実施の形態2に係る車両用交流発電機に適用される固定子における固定子巻線の巻装状態を説明する展開図であり、図8は固定子を軸方向外方から見た状態を平面にして表し、図9は固定子を径方向内方から見た状態を平面にして表している。
図7乃至図9において、X相巻線23、Y相巻線24、Z相巻線25、U相巻線26、V相巻線27およびW相巻線28は、それぞれ、上記実施の形態1と同じスロット群に、同じ巻回方法で、巻装されている。
つまり、X相巻線23は、1本の導体線30が5スロット離れたスロット21cと7スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向一側に波巻きに1ターン巻かれ、折り返されて7スロット離れたスロット21cと5スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向他側に波巻きに1ターン巻かれて構成されている。そして、巻き始め端X1がスロット番号7番のスロット21cからリヤ側に引き出され、巻き終わり端X2がスロット番号13番のスロット21cからリヤ側に引き出されている。このX相巻線23は、5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装された2ターンの波巻き巻線である。
Y相巻線24は、1本の導体線30が5スロット離れたスロット21cと7スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向一側に波巻きに1ターン巻かれ、折り返されて7スロット離れたスロット21cと5スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向他側に波巻きに1ターン巻かれて構成されている。そして、巻き始め端Y1がスロット番号9番のスロット21cからリヤ側に引き出され、巻き終わり端Y2がスロット番号15番のスロット21cからリヤ側に引き出されている。このY相巻線24は、5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装された2ターンの波巻き巻線である。
Z相巻線25は、1本の導体線30が5スロット離れたスロット21cと7スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向一側に波巻きに1ターン巻かれ、折り返されて7スロット離れたスロット21cと5スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向他側に波巻きに1ターン巻かれて構成されている。そして、巻き始め端Z1がスロット番号11番のスロット21cからリヤ側に引き出され、巻き終わり端Z2がスロット番号17番のスロット21cからリヤ側に引き出されている。このZ相巻線25は、5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装された2ターンの波巻き巻線である。
U相巻線26は、1本の導体線30が5スロット離れたスロット21cと7スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向一側に波巻きに1ターン巻かれ、折り返されて7スロット離れたスロット21cと5スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向他側に波巻きに1ターン巻かれて構成されている。そして、巻き始め端U1がスロット番号6番のスロット21cからリヤ側に引き出され、巻き終わり端U2がスロット番号12番のスロット21cからリヤ側に引き出されている。このU相巻線26は、5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装された2ターンの波巻き巻線である。
V相巻線27は、1本の導体線30が5スロット離れたスロット21cと7スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向一側に波巻きに1ターン巻かれ、折り返されて7スロット離れたスロット21cと5スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向他側に波巻きに1ターン巻かれて構成されている。そして、巻き始め端V1がスロット番号8番のスロット21cからリヤ側に引き出され、巻き終わり端V2がスロット番号14番のスロット21cからリヤ側に引き出されている。このV相巻線27は、5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装された2ターンの波巻き巻線である。
W相巻線28は、1本の導体線30が5スロット離れたスロット21cと7スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向一側に波巻きに1ターン巻かれ、折り返されて7スロット離れたスロット21cと5スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向他側に波巻きに1ターン巻かれて構成されている。そして、巻き始め端W1がスロット番号10番のスロット21cからリヤ側に引き出され、巻き終わり端W2がスロット番号16番のスロット21cからリヤ側に引き出されている。つまり、このW相巻線28は、5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装された2ターンの波巻き巻線である。
この実施の形態2では、6つの相巻線は、U相巻線26、V相巻線27、W相巻線28、X相巻線23、Y相巻線24、Z相巻線25の順に周方向に1スロットピッチ(電気角でπ/6)ずれて、かつ径方向内側から外側にこの順に並んで、固定子鉄心21に巻装されている。固定子巻線22Aは、X相巻線23、Y相巻線24、およびZ相巻線25の巻き終わり端X2,Y2,Z2を結線して作製された第1三相交流巻線と、U相巻線26、V相巻線27、およびW相巻線28の巻き終わり端U2,V2,W2を結線して作製された第2三相交流巻線とから構成される。そして、巻き始め端X1,Y1,Z1,U1,V1,W1が第1および第2三相交流巻線の口出し線となる。
このように構成された固定子20Aは、U相巻線26、V相巻線27、W相巻線28、X相巻線23、Y相巻線24およびZ相巻線25が、それぞれ、5π/6短節巻きと7π/6長節巻とを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装されているので、高調波成分の中で優勢な第5次高調波成分と第7次高調波成分とを小さくでき、磁気騒音の増大を抑えることができる。
実施の形態3.
図10はこの発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される固定子における固定子巻線の巻装状態を模式的に示すリヤ側端面図、図11および図12はそれぞれこの発明の実施の形態3に係る車両用交流発電機に適用される固定子における固定子巻線の巻装状態を説明する展開図であり、図11は固定子を軸方向外方から見た状態を平面にして表し、図12は固定子を径方向内方から見た状態を平面にして表している。
図10乃至図12において、U−X相巻線43は、リヤ側からスロット番号6番のスロット21cに入り、スロット番号6番のスロット21cのフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向一側に延びてスロット番号13番のスロット21cに入り、スロット番号13番のスロット21cからリヤ側に延出し、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号18番のスロット21cに入り、以降、導体線30をスロット番号25番、30番、37番、42番、49番、54番、61番、66番、1番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装した後、スロット番号1番のスロット21cからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号8番のスロット21cに入り、スロット番号8番のスロット21cからフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号1番のスロット21cに入り、以降、スロット番号68番、61番、56番、49番、44番、37番、32番、25番、20番、13番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装して、構成されている。
このU−X相巻線43は、1本の導体線30が5スロット離れたスロット21cと7スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向一側に波巻きに1ターン巻かれ、折り返されて7スロット離れたスロット21cと5スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向他側に波巻きに1ターン巻かれて構成されている。そして、巻き始め端U1−X1がスロット番号6番のスロット21cからリヤ側に引き出され、巻き終わり端U2−X2がスロット番号13番のスロット21cからリヤ側に引き出されている。このU−X相巻線43は、5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装された2ターンの波巻き巻線である。
また、このU−X相巻線43は、折り返し部において、スロット番号1番のスロット21cからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号8番のスロット21cに入り、スロット番号8番のスロット21cからフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号1番のスロット21cに入るようにしている。これにより、U−X相巻線43の周方向一側に波巻きに巻回している1ターンの巻線がU相巻線26の周方向一側に波巻きに巻回している1ターンの巻線に相当し、U−X相巻線43の周方向他側に波巻きに巻回している1ターンの巻線がX相巻線23の周方向他側に波巻きに巻回している1ターンの巻線に相当する。つまり、U−X相巻線43は、U相巻線26の1ターンの巻線とX相巻線23の1ターンの巻線とを結線(千鳥結線)した波巻き巻線である。
X−U相巻線44は、リヤ側からスロット番号7番のスロット21cに入り、スロット番号7番のスロット21cのフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向一側に延びてスロット番号14番のスロット21cに入り、スロット番号14番のスロット21cからリヤ側に延出し、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号19番のスロット21cに入り、以降、導体線30をスロット番号26番、31番、38番、43番、50番、55番、62番、67番、2番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装した後、スロット番号2番のスロット21cからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号7番のスロット21cに入り、スロット番号7番のスロット21cからフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号72番のスロット21cに入り、以降、スロット番号67番、60番、55番、48番、43番、36番、31番、24番、19番、12番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装して、構成されている。
このX−U相巻線44は、1本の導体線30が5スロット離れたスロット21cと7スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向一側に波巻きに1ターン巻かれ、折り返されて7スロット離れたスロット21cと5スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向他側に波巻きに1ターン巻かれて構成されている。そして、巻き始め端X1−U1がスロット番号7番のスロット21cからリヤ側に引き出され、巻き終わり端X2−U2がスロット番号12番のスロット21cからリヤ側に引き出されている。このX−U相巻線44は、5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装された2ターンの波巻き巻線である。
また、このX−U相巻線44は、折り返し部において、スロット番号2番のスロット21cからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号7番のスロット21cに入り、スロット番号7番のスロット21cからフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号72番のスロット21cに入るようにしている。これにより、X−U相巻線44の周方向一側に波巻きに巻回している1ターンの巻線がX相巻線23の周方向一側に波巻きに巻回している1ターンの巻線に相当し、X−U相巻線44の周方向他側に波巻きに巻回している1ターンの巻線がU相巻線26の周方向他側に波巻きに巻回している1ターンの巻線に相当する。つまり、X−U相巻線44は、X相巻線23の1ターンの巻線とU相巻線26の1ターンの巻線とを結線(千鳥結線)した波巻き巻線である。
V−Y相巻線45は、リヤ側からスロット番号8番のスロット21cに入り、スロット番号8番のスロット21cのフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向一側に延びてスロット番号15番のスロット21cに入り、スロット番号15番のスロット21cからリヤ側に延出し、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号20番のスロット21cに入り、以降、導体線30をスロット番号27番、32番、39番、44番、51番、56番、63番、68番、3番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装した後、スロット番号3番のスロット21cからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号10番のスロット21cに入り、スロット番号10番のスロット21cからフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号3番のスロット21cに入り、以降、スロット番号70番、63番、58番、51番、46番、39番、34番、27番、22番、15番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装して、構成されている。
このV−Y相巻線45は、1本の導体線30が5スロット離れたスロット21cと7スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向一側に波巻きに1ターン巻かれ、折り返されて7スロット離れたスロット21cと5スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向他側に波巻きに1ターン巻かれて構成されている。そして、巻き始め端V1−Y1がスロット番号8番のスロット21cからリヤ側に引き出され、巻き終わり端V2−Y2がスロット番号15番のスロット21cからリヤ側に引き出されている。このV−Y相巻線45は、5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装された2ターンの波巻き巻線である。
また、このV−Y相巻線45は、折り返し部において、スロット番号3番のスロット21cからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号10番のスロット21cに入り、スロット番号10番のスロット21cからフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号3番のスロット21cに入るようにしている。これにより、V−Y相巻線45の周方向一側に波巻きに巻回している1ターンの巻線がV相巻線27の周方向一側に波巻きに巻回している1ターンの巻線に相当し、V−Y相巻線45の周方向他側に波巻きに巻回している1ターンの巻線がY相巻線24の周方向他側に波巻きに巻回している1ターンの巻線に相当する。つまり、V−Y相巻線45は、V相巻線27の1ターンの巻線とY相巻線24の1ターンの巻線とを結線(千鳥結線)した波巻き巻線である。
Y−V相巻線46は、リヤ側からスロット番号9番のスロット21cに入り、スロット番号9番のスロット21cのフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向一側に延びてスロット番号16番のスロット21cに入り、スロット番号16番のスロット21cからリヤ側に延出し、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号21番のスロット21cに入り、以降、導体線30をスロット番号28番、33番、40番、45番、52番、57番、64番、69番、4番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装した後、スロット番号4番のスロット21cからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号9番のスロット21cに入り、スロット番号9番のスロット21cからフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号2番のスロット21cに入り、以降、スロット番号69番、62番、57番、50番、45番、38番、33番、26番、21番、14番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装して、構成されている。
このY−V相巻線46は、1本の導体線30が5スロット離れたスロット21cと7スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向一側に波巻きに1ターン巻かれ、折り返されて7スロット離れたスロット21cと5スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向他側に波巻きに1ターン巻かれて構成されている。そして、巻き始め端Y1−V1がスロット番号9番のスロット21cからリヤ側に引き出され、巻き終わり端Y2−V2がスロット番号14番のスロット21cからリヤ側に引き出されている。このY−V相巻線46は、5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装された2ターンの波巻き巻線である。
また、このY−V相巻線46は、折り返し部において、スロット番号4番のスロット21cからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号9番のスロット21cに入り、スロット番号9番のスロット21cからフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号2番のスロット21cに入るようにしている。これにより、Y−V相巻線46の周方向一側に波巻きに巻回している1ターンの巻線がY相巻線24の周方向一側に波巻きに巻回している1ターンの巻線に相当し、Y−V相巻線46の周方向他側に波巻きに巻回している1ターンの巻線がV相巻線27の周方向他側に波巻きに巻回している1ターンの巻線に相当する。つまり、Y−V相巻線46は、Y相巻線24の1ターンの巻線とV相巻線27の1ターンの巻線とを結線(千鳥結線)した波巻き巻線である。
W−Z相巻線47は、リヤ側からスロット番号10番のスロット21cに入り、スロット番号10番のスロット21cのフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向一側に延びてスロット番号17番のスロット21cに入り、スロット番号17番のスロット21cからリヤ側に延出し、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号22番のスロット21cに入り、以降、導体線30をスロット番号29番、34番、41番、46番、53番、58番、65番、70番、5番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装した後、スロット番号5番のスロット21cからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号12番のスロット21cに入り、スロット番号12番のスロット21cからフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号5番のスロット21cに入り、以降、スロット番号72番、65番、60番、53番、48番、41番、36番、29番、24番、17番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装して、構成されている。
このW−Z相巻線47は、1本の導体線30が5スロット離れたスロット21cと7スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向一側に波巻きに1ターン巻かれ、折り返されて7スロット離れたスロット21cと5スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向他側に波巻きに1ターン巻かれて構成されている。そして、巻き始め端W1−Z1がスロット番号10番のスロット21cからリヤ側に引き出され、巻き終わり端W2−Z2がスロット番号17番のスロット21cからリヤ側に引き出されている。このW−Z相巻線47は、5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装された2ターンの波巻き巻線である。
また、このW−Z相巻線47は、折り返し部において、スロット番号5番のスロット21cからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号12番のスロット21cに入り、スロット番号12番のスロット21cからフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号5番のスロット21cに入るようにしている。これにより、W−Z相巻線47の周方向一側に波巻きに巻回している1ターンの巻線がW相巻線28の周方向一側に波巻きに巻回している1ターンの巻線に相当し、W−Z相巻線47の周方向他側に波巻きに巻回している1ターンの巻線がZ相巻線25の周方向他側に波巻きに巻回している1ターンの巻線に相当する。つまり、W−Z相巻線47は、W相巻線28の1ターンの巻線とZ相巻線25の1ターンの巻線とを結線(千鳥結線)した波巻き巻線である。
Z−W相巻線48は、リヤ側からスロット番号11番のスロット21cに入り、スロット番号11番のスロット21cのフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向一側に延びてスロット番号18番のスロット21cに入り、スロット番号18番のスロット21cからリヤ側に延出し、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号23番のスロット21cに入り、以降、導体線30をスロット番号30番、35番、42番、47番、54番、59番、66番、71番、6番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装した後、スロット番号6番のスロット21cからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号11番のスロット21cに入り、スロット番号11番のスロット21cからフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号4番のスロット21cに入り、以降、スロット番号71番、64番、59番、52番、47番、40番、35番、28番、23番、16番のスロット21cに順次入るように波巻きに導体線30を巻装して、構成されている。
このZ−W相巻線48は、1本の導体線30が5スロット離れたスロット21cと7スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向一側に波巻きに1ターン巻かれ、折り返されて7スロット離れたスロット21cと5スロット離れたスロット21cとに交互に入るように周方向他側に波巻きに1ターン巻かれて構成されている。そして、巻き始め端Z1−W1がスロット番号11番のスロット21cからリヤ側に引き出され、巻き終わり端Z2−W2がスロット番号16番のスロット21cからリヤ側に引き出されている。このZ−W相巻線48は、5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装された2ターンの波巻き巻線である。
また、このZ−W相巻線48は、折り返し部において、スロット番号6番のスロット21cからリヤ側に延出した導体線30を、固定子鉄心21のリヤ側端面上を周方向一側に延びてスロット番号11番のスロット21cに入り、スロット番号11番のスロット21cからフロント側に延出し、固定子鉄心21のフロント側端面上を周方向他側に延びてスロット番号4番のスロット21cに入るようにしている。これにより、Z−W相巻線48の周方向一側に波巻きに巻回している1ターンの巻線がZ相巻線25の周方向一側に波巻きに巻回している1ターンの巻線に相当し、Z−W相巻線48の周方向他側に波巻きに巻回している1ターンの巻線がW相巻線28の周方向他側に波巻きに巻回している1ターンの巻線に相当する。つまり、Z−W相巻線48は、Z相巻線25の1ターンの巻線とW相巻線28の1ターンの巻線とを結線(千鳥結線)した波巻き巻線である。
このように構成された6つの相巻線は、U−X相巻線43、X−U相巻線44、V−Y相巻線45、Y−V相巻線46、W−Z相巻線47、Z−W相巻線48の順に周方向に1スロットピッチ(電気角でπ/6)ずれて、かつ径方向内側から外側にこの順に並んで、固定子鉄心21に巻装されている。そして、スロット21cから延出して5スロット離れたスロット21cに入る導体線30の部位、即ち渡り部が、固定子鉄心21のリヤ側端面上に配列されてリヤ側コイルエンドを構成し、スロット21cから延出して7スロット離れたスロット21cに入る導体線30の部位、即ち渡り部が、固定子鉄心21のフロント側端面上に配列され、フロント側コイルエンドを構成する。
また、6つの相巻線は、スロット番号1番から12番まで範囲(2磁極ピッチ分)で、導体線30の波巻きの巻回方向を逆方向に変えて巻回されている。そして、導体線30の巻回方向の折り返し部において、スロット番号1番のスロット21cからリヤ側に延出してスロット番号8番のスロット21cに入る導体線30の部位、スロット番号3番のスロット21cからリヤ側に延出してスロット番号10番のスロット21cに入る導体線30の部位、およびスロット番号5番のスロット21cからリヤ側に延出してスロット番号12番のスロット21cに入る導体線30の部位の長さを長くし、渡り部の頂部の径方向位置を高くしている。これにより、図12に示されるように、リヤ側コイルエンドにおける周方向に隣り合う導体線30同士の干渉部は、略1磁極ピッチ分で2箇所となる。なお、リヤ側コイルエンドの他の領域では、略1磁極ピッチ分で5箇所となる。また、フロント側コイルエンドにおける周方向に隣り合う導体線30同士の干渉部は、略1磁極ピッチ分で10箇所である。
固定子巻線22Bは、X−U相巻線44、Y−V相巻線46、およびZ−W相巻線48の巻き終わり端X2−U2,Y2−V2,Z2−W2を結線して作製された第1三相交流巻線と、U−X相巻線43、V−Y相巻線45、およびW−Z相巻線47の巻き終わり端U2−X2,V2−Y2,W2−Z2を結線して作製された第2三相交流巻線とから構成される。第1および第2三相交流巻線は、電気角でπ/6(30度)の位相差を有し、それぞれ個別の整流器15に接続されている。巻き始め端X1−U1,Y1−V1,Z1−W1,U1−X1,V1−Y1,W1−Z1が第1および第2三相交流巻線の口出し線となる。
この実施の形態3によれば、U−X相巻線43、X−U相巻線44、V−Y相巻線45、Y−V相巻線46、W−Z相巻線47およびZ−W相巻線48が、それぞれ、5π/6短節巻きと7π/6長節巻とを交互に繰り返して固定子鉄心21に巻装されているので、高調波成分の中で優勢な第5次高調波成分と第7次高調波成分とを小さくでき、磁気騒音の増大を抑えることができる。
また、U−X相巻線43、X−U相巻線44、V−Y相巻線45、Y−V相巻線46、W−Z相巻線47およびZ−W相巻線48が、この順に、周方向に1スロット(電気角でπ/6)ずれて、かつ径方向内側から外側に並んで、固定子鉄心21に巻装されている。さらに、巻線の折り返し部のリヤ側において、U−X相巻線43、V−Y相巻線45およびW−Z相巻線47の導体線30を7スロット離れたスロット21cに入れ、X−U相巻線44、Y−V相巻線46およびZ−W相巻線48の導体線30を7スロット離れたスロット21cに入れて、各相巻線を千鳥結線の波巻き巻線に構成している。そこで、リヤ側コイルエンドにおける周方向に隣り合う導体線30同士の干渉部が、折り返し部の略1磁極ピッチ分で2箇所となり、残る領域の略1磁極ピッチ分で5箇所となる。
したがって、リヤ側コイルエンドにおける周方向に隣り合う導体線30同士の干渉部の個数が少なくなるので、相間ショートの発生確率が著しく低減され、発電不良の発生が抑えられる。
また、リヤ側コイルエンドの径方向の膨らみが小さくなるので、リヤ側コイルエンドとリヤブラケットとの間の絶縁距離が確保されるとともに、車両用交流発電機の体格を小さくできる。
また、リヤ側コイルエンドの径方向の膨らみが小さくなるので、リヤ側コイルエンドの周方向における凹凸が少なくなり、凹凸に起因する風騒音を低減できる。
また、リヤ側コイルエンドにおける導体線30同士の干渉部が、図12に示されるように、リヤ側コイルエンドの頂部側に偏在しているので、エンジン振動による応力緩和が可能である。また、導体線30同士の干渉部が周方向にほぼ均等に配置されているので、干渉部間で応力分散が可能となり、エンジン振動による相間ショートの発生が抑えられる。
さらに、固定子巻線22Bの口出し線が、径方向の膨らみの小さいリヤ側コイルエンドから引き出されているので、口出し線をフロント側コイルエンドから引出す場合に比べて、コイルエンドの径方向の膨らみを小さくできる。
なお、上記各実施の形態では、車両用交流発電機について説明しているが、この発明は、車両用交流発電機に限らず、車両用電動機、車両用発電電動機などの車両用回転電機に適用しても、同様の効果を奏する。
また、上記各実施の形態では、第1および第2三相交流巻線の出力を別個の整流器により整流するものとしているが、第1および第2三相交流巻線を並列に接続し、その出力を1つの整流器により整流してもよい。
4 ハウジング、8 回転子、20,20A,20B 固定子、21 固定子鉄心、21c スロット、22,22A,22B 固定子巻線、23 X相巻線、24 Y相巻線、25 Z相巻線、26 U相巻線、27 V相巻線、28 W相巻線、30 導体線、32 第1渡り部、33 第2渡り部、43 U−X相巻線、44 X−U相巻線、45 V−Y相巻線、46 Y−V相巻線、47 W−Z相巻線、48 Z−W相巻線。

Claims (6)

  1. ハウジングに回転可能に支持された回転子と、
    スロットが毎極毎相当たり2の割合で形成された固定子鉄心、および該固定子鉄心に波巻きに巻装された6つの相巻線からなる固定子巻線を有し、上記回転子を囲繞するように上記ハウジングに支持された固定子と、を備え、
    上記6つの相巻線は、周方向の一側に1スロットずつずらして径方向に順次重ねて上記固定子鉄心に巻装され、
    上記6つの相巻線のそれぞれは、導体線を周方向の一側に5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して波巻きに1ターン巻装した後、折り返して周方向の他側に5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して波巻きに1ターン巻装して形成された2ターンの波巻き巻線により構成されていることを特徴とする回転電機。
  2. ハウジングに回転可能に支持された回転子と、
    スロットが毎極毎相当たり2の割合で形成された固定子鉄心、および該固定子鉄心に波巻きに巻装された6つの相巻線からなる固定子巻線を有し、上記回転子を囲繞するように上記ハウジングに支持された固定子と、を備え、
    上記6つの相巻線は、周方向の一側に1スロットずつずらして径方向に順次重ねて上記固定子鉄心に巻装され、
    上記6つの相巻線のそれぞれは、導体線を周方向の一側に5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して波巻きに1ターン巻装した後、折り返して周方向の他側に5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して波巻きに1ターン巻装して形成された複数の2ターンの波巻き巻線を径方向に重ねて上記固定子鉄心に巻装し、該複数の2ターンの波巻き巻線を直列、又は並列に結線して構成されていることを特徴とする回転電機。
  3. ハウジングに回転可能に支持された回転子と、
    スロットが毎極毎相当たり2の割合で形成された固定子鉄心、および該固定子鉄心に波巻きに巻装された6つの相巻線からなる固定子巻線を有し、上記回転子を囲繞するように上記ハウジングに支持された固定子と、を備え、
    上記6つの相巻線の中の3つの相巻線が、周方向の一側に2スロットずつずらして径方向に順次重ねて上記固定子鉄心に巻装され、互いに電気角でπ/3の位相差が与えられて第1相巻線群を構成し、
    上記6つの相巻線の残る3つの相巻線が、それぞれ上記第1相巻線群を構成する上記3つの相巻線のそれぞれに対して周方向の一側に1スロットずらして、該第1相巻線群の外径側に径方向に順次重ねて上記固定子鉄心に巻装され、互いに電気角でπ/3の位相差が与えられて第2相巻線群を構成し、
    上記6つの相巻線のそれぞれは、導体線を5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して巻装して構成されていることを特徴とする回転電機。
  4. 上記6つの相巻線のそれぞれは、上記導体線を周方向の一側に5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して波巻きに1ターン巻装した後、折り返して周方向の他側に5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して波巻きに1ターン巻装して形成された2ターンの波巻き巻線により構成されていることを特徴とする請求項3記載の回転電機。
  5. 上記6つの相巻線のそれぞれは、上記導体線を周方向の一側に5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して波巻きに1ターン巻装した後、折り返して周方向の他側に5π/6短節巻きと7π/6長節巻きとを交互に繰り返して波巻きに1ターン巻装して形成された複数の2ターンの波巻き巻線を径方向に重ねて上記固定子鉄心に巻装し、該複数の2ターンの波巻き巻線を直列、又は並列に結線して構成されていることを特徴とする請求項3記載の回転電機。
  6. 上記6つの相巻線は、上記導体線の5π/6短節巻きの渡り部が上記固定子鉄心の軸方向一端面上に配列され、上記導体線の7π/6長節巻きの渡り部が上記固定子鉄心の軸方向他端面上に配列されるように該固定子鉄心に巻装されていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の回転電機。
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