JP5074501B2 - 時間−周波数ホッピング・パターンの検出 - Google Patents

時間−周波数ホッピング・パターンの検出 Download PDF

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Description

本発明は、OFDM(直交周波数分割多重)システムにおける時間−周波数ホッピング・パターンを検出するための方法に関する。
従来、単一キャリア伝送システムにおける無線通信チャネルは、時変インパルス応答g(τ,t)を有するものとしてモデル化され、g(τ,t)はマルチパスに起因して任意の所与の時間tに対して周波数選択的でありうる。チャネルの周波数選択性は着目時間中に伝送される既知のパイロット信号を観測することにより評価でき、一方、時間選択性は通常複数のこれら周期的に挿入される既知の信号を観測することにより追跡される。
しかしながら、陸上移動通信の環境においては、チャネルの選択性は主に端末の移動により引き起こされる。移動速度が一定に留まっている限りでは、チャネルは時不変遅延−ドップラ応答h(τ,ν)でモデル化でき、h(τ,ν)は、着信信号に対して遅延τおよびドップラ・シフトνを受ける散乱体の複素数値をとるチャネル利得を表わす。種々の理由で、この事実はエイリアシングを避けるために、主に時間領域へのパイロット挿入の頻度に関する設計上の制約として使用されてきている。ドップラ情報の少し高度な使用法が、チャネルのドップラ・スプレッドを評価することを必要とするチャネル・トラッキングに関連したフィルタ設計において見出すことができる。
時間−周波数ホッピング・パターンは、周波数成分が時間の関数として、周期的にか非周期的にか、固有の仕方で変化する信号である。時間−周波数ホッピング信号は、多くの通信およびレーダー応用で使用されてきている。近年、将来の無線通信システムにおける複合的な技術として、直交周波数分割多重(OFDM)の適応が普及していることを背景として、時間−周波数ホッピング信号を同期信号として使用する可能性について、広範な調査が行われてきている。OFDMシステムは、基本的に無線リソースを直交する時間−周波数単位に分割するので、既存の時間−周波数分割に適合する同期信号を設計するのはもっともなことである。
OFDMシステムでは、パイロット・シンボルは、チャネル推定のために時間−周波数プレーンに周期的に配置される。図1は、φ=0で示されている、一定の間隔を空けたパイロット・パターン、およびφ=1で示されている、コスタス配列(Costas array)パターンの例であり、コスタス配列パターンは、当業者には周知のように、特定の順に一定の間隔を空けたパイロット・パターンの水平方向の走査線をシフトしてもたらされる可能な多くの変形のうちの1つである。コスタス配列パターンは、非特許文献1に開示されている。
配列内の各セルは、OFDMシンボルにおけるNfft個のサブキャリアのうちの1つを表わし、OFDMシンボルは、Tcp秒のサイクリック・プレフィックスを含めてT秒の間隔を有する。このように、サブキャリア間隔は、f=1/(T−Tcp)ヘルツである。元の一定の間隔を空けたパターンに対して、1つのパイロット・シンボルが時間領域ではN個のOFDMシンボルごとに挿入され、すなわちT=NTであり、そして周波数領域ではM個のサブキャリアごとに挿入され、すなわちf=Mfである。各パターンは、第1のサブキャリアに対してサブキャリア・オフセット・インデックス0≦φ≦Mを有することができる。
任意のパイロット・パターンは二次元時間−周波数配列により規定でき、その配列の要素C[n,m]は第nOFDMシンボル内の第mサブキャリア上で伝送されるパイロット・シンボルの複素数値である。特に明記しない限り、C[n,m]はパイロット・シンボルが存在すれば”1”、存在しなければ”0”である。Q個の時間領域区間にわたるパイロット・パターンの対応する連続時間信号は、OFDMシンボルの系列として、
Figure 0005074501
により表わすことができる。
ここで、
Figure 0005074501
は、送信フィルタのパルス関数μ(t)を変調する系列c[i]でさらに構成される第nOFDMシンボルである。サイクリック・プレフィックスを無視すると、パイロット・パターンの時間−周波数配列表現C[n,m]は、
Figure 0005074501
により、離散時間系列c[i]に関連している。
OFDMシステムにおいてデータ・シンボルを復調するために、受信機はチャネルの時間−周波数応答H(t,f)を知る必要があり、H(t,f)は遅延−ドップラ応答h(τ,ν)の二次元フーリエ変換である。十分な数の基本パイロット信号が時間および周波数にわたって観測されると、遅延−ドップラ相関器の出力は、遅延−ドップラ応答の良好な近似となる。
チャネルは、遅延−ドップラ応答h(τ,ν)を有するものとしてモデル化され、h(τ,ν)は、着信信号に対して遅延τおよびドップラ・シフトνを受ける散乱体の複素数値をとるチャネル利得を表わす。無線環境が散乱体(または”対象”)の連続体で構成されていると仮定すると、各散乱体は、散乱体を通って伝搬する信号に、ある遅延およびドップラ・シフトをもたらし、パイロットに対応する受信信号は、その結果
Figure 0005074501
により与えられる。ここで、z(t)は加算性白色ガウス雑音(AWGN)、τおよびνはそれぞれ初期のタイミングおよび周波数オフセットであり、そして、
Figure 0005074501
はチャネルの最大遅延およびドップラ・スプレッドであり、エイリアシングがなくパイロット密度に裏付けされることのできる値よりも小さいか、または等しい。
現在の検出器は通常、仮定された信号に適合した相関器を使用し、そしてその結果、ピークを検出し、そしてパイロット信号の存在を決定するためにピークをある閾値と比較する。この相関処理は、特に多数の潜在的な仮定がある場合に非常に計算が複雑になる可能性がある。
同期信号として時間−周波数ホッピング・パターンを使用する既知のシステムは、Laroia等による特許文献1に開示されている。異なる基地局は異なるスロープを有するパターンを使用し、そして検出アルゴリズムは、最大エネルギーの検出器である。
米国特許第6961364号明細書
J.P.Costas, "Medium Constraints on Sonar Design and Performance", in EASCON Conv. Rec., 1975, pp 68A-68L
本発明の目的は、OFDMシステムにおいてパイロット・パターンを、先行技術に比べてより単純な計算で検出する装置および方法を提供することである。
さらなる目的は、通信ネットワークにおいて通信デバイスの同期をとり、そして検出する方法を提供することである。
本発明は、最適な意味合いで、ある基準を満たすパイロット信号の時間−周波数ホッピング・パターンを検出する問題を解決する。一般化尤度比検定(GLRT)の原理を適用することにより、本発明は、パイロット・パターンおよびその時間−周波数オフセットに関する所与の仮定に対して最適な尤度測度を提供する。この尤度測度に基づいて、パイロット・パターンの検出及び同期が達成できる。
本発明の長所は、本発明が、異なるデバイスを識別するために、異なる時間−周波数ホッピング・パターンを使用するOFDMシステムの初期同期に使用できることである。
さらなる長所は、最適な尤度基準は二次元遅延−ドップラ相関器の出力でのエネルギーの積算であるけれども、二次元遅延−ドップラ相関を実際に実行する必要がないことである。
パイロット・パターンが、共通の構造、たとえば循環シフト・パターンを共有する複数のデバイスにより使用される場合、本発明の好適な実施形態の長所は、尤度基準の計算がさらに簡単になりうるということである。
本発明に関連して使用されるパイロット・パターンの例を示す図である。 受信信号r(t)から標本化信号を生成する装置を示す図である。 コスタス配列の循環シフト・パターンを示す図である。 本発明に従った二次元相関器の実施形態を示す図である。 図4に関連して相関器の出力配列を示す図である。 2つの循環シフト・コスタス配列の例を示す図である。 1観測区間の場合の単一セル検出のグラフを示す図である。 典型的な検出基準を示す図である。 フル・チャネルにおける2つのセル検出のグラフを示す図である。 フラット・チャネルにおける2つのセル検出のグラフを示す図である。
本発明の目的は、パイロット信号が存在することを検出し、そして続いて未知のパラメータ(τ,ν)を評価することにより大まかな初期の時間−周波数同期を実現することである。
初期の同期が実現されていて、そしてこのように(τ,ν)が既知であると仮定すると、上述したような適切に設計されたパイロット信号に対して、チャネルの最尤(ML)推定
Figure 0005074501
は、値域(τ≦τ≦τ+τmax,ν≦ν≦ν+νmax)にわたって定義され、
Figure 0005074501
の二次元遅延−ドップラ・イメージI(τ,ν)に関連する。ここで、
Figure 0005074501
は、不特定観測間隔にわたるパイロット信号のエネルギーであり、そして
Figure 0005074501
は、パイロット信号s(t)のあいまい度関数である。
初期の同期段階では、初期の時間−周波数オフセット(τ,ν)は未知であり、そしてそれゆえ仮定される必要がある。したがって、パイロット・パターンの存在の検出および続いてのパイロット・パターンを送信するデバイスの識別には、パイロット信号s(t)および初期の時間−周波数オフセット(τ,ν)により規定される仮定の空間にわたる探索を含む。
まず、s(t)の所与の仮定を必要条件とすることから始め、そしてその後、チャネルの遅延−ドップラ応答が遅延−ドップラ・プレーン内の(τ,ν)で始まり、そして最大遅延−ドップラ・スプレッドの領域に広がるとの仮定に対する尤度測度を定義しよう。チャネル応答h(τ,ν)は未知であるので、h(τ,ν)は除去する必要のある厄介な変数である。これは、一般化尤度比検定(GLRT)で使用されているのと同じ方法を適用することにより達成される。第1の工程は、仮定(τ,ν)が正しいものと想定して厄介な変数h(τ,ν)を推定することである。式(6)から、h(τ,ν)の推定値は、τ≦τ≦τ+τmaxおよびν≦ν≦ν+νmaxに対して
Figure 0005074501
により与えられる。次の工程は、真のチャネル応答を対数尤度関数
Figure 0005074501
での推定に置き換えることである。
並べ替え、そして重要でない項を除去すると、仮定に対する対数尤度関数は、
Figure 0005074501
となる。
一般化最大尤度の意味合いで、そのような仮定に対する最適な尤度測度は、このように式(10)により与えられ、ここで、I(τ,ν)は仮定された信号s(t)により観測される遅延−ドップラ・イメージである。
パイロット・パターンの検出は、それから、s(t)および(τ,ν)の可能な仮定のなかで、この対数尤度関数の値を評価し、そして比較すること、またはそれらの値をある閾値と比較することである。
式(10)からΛ(τ,ν)を直接評価することは、単に、遅延−ドップラ相関を実行し、そしてそれから仮定された値域(仮定の空間に同じ)にわたってエネルギーを積分することである。数式は、ナイキスト基準を満足する全てのパターンに対して有効である(そしてしたがってチャネル推定に対して使用できる)けれども、そのような直接計算の複雑さは、多くのデバイスが仮定しうる可能な多数の仮定に対して度を越えたものである可能性がある。運よく、以下の節で見られるように、遅延−ドップラ・イメージI(τ,ν)を明示的に評価することなく、対数尤度関数を計算するための代替方法がある。潜在的なパイロット・パターンがある共通の構造を共有すると、複雑さをさらに大幅に減じることが可能である。
検出器の離散的実装
式(10)で与えられるように、一般化対数尤度関数Λ(τ,ν)は、単に、チャネルの遅延−ドップラ・イメージI(τ,ν)のエネルギーを仮定した値域にわたって積分したものであり、値域(0≦τ<τmax,0≦ν<νmax)にわたるI(τ,ν)の離散近似が導出できる。時間−周波数をシフトした遅延−ドップラ・イメージは、
Figure 0005074501
のように表わすことができる。ここで、
Figure 0005074501
は、受信信号について時間−周波数をシフトしたものである。検出段階では遅延−ドップラ・イメージの振幅のみが関心事であるので、式(11)における積分の前の指数項は、式の左辺に移項され、そしてチャネルの遅延−ドップラ・イメージに対する新しい関数が、
Figure 0005074501
で定義される。ここで、添字τ,νは、新しい関数が初期の時間−周波数オフセット仮定に依存していることを示す。式(13)における積分は、
Figure 0005074501
のように、離散和で表わすことができる。ここで、
Figure 0005074501
は、遅延領域で1/Tヘルツのチップ・レートおよびドップラ領域でのQNT秒で標本化したチャネルの遅延−ドップラ・イメージであり、そして
Figure 0005074501
は、図2に示されているように、時間オフセットτおよび周波数オフセットνを有する受信フィルタの出力を、1/Tヘルツのチップ・レートで標本化したものである。遅延仮定τは、チップ区間Tの倍数として好適に選択されるべきであるということは、また明らかである。
図2に、受信信号r(t)から標本化された信号
Figure 0005074501
を生成するためのデバイス30を示す。受信信号は、フィルタ関数μ(−t)を有するフィルタ31に入力される。フィルタされた信号は、サンプラ32を用いて、1/THzのチップ・レートで標本化され、そしてネガティブ遅延が遅延器33で付加される。標本化され、そして遅延を施された信号は、ミキサ35で発生源34からの信号と混合され、標本化された信号
Figure 0005074501
を生成する。
離散周波数領域での実装
式(5)で説明したように、チャネルの最大遅延−ドップラ・スプレッド(τmax,νmax)は、パイロット密度により裏付けされることのできる値を超えてはならない。式(10)における積分がパイロット密度により裏付けされる最大値を超えて実行される場合、積分は、値域(0≦k<K=Nfft/M,0≦l<Q)にわたって標本化されたものの離散和により近似でき、そして
Figure 0005074501
で与えられる。
(τmax,νmax)を超える値域にわたる積分は、好ましくない雑音が取り込まれるので検出性能を劣化させる可能性がある。しかしながら、検出の複雑さは、以下で説明するように著しく低減できる。検出器は、それで動作要件および装置性能に従って、性能と複雑さとの間でトレードオフをとることができる。
サイクリック・プレフィックス・ウィンドウ内に適切に配置される場合、式(14)の最後の部分の畳み込みは循環となり、そしてこのようにDFT(離散フーリエ変換)を用いて周波数領域で評価できる。
Figure 0005074501
ここで、
Figure 0005074501
は、第nOFDMシンボルに対応する臨界的に標本化された受信信号の長さNfftのDFTであり、そして
Figure 0005074501
は、第nOFDMシンボルにおけるパイロット信号の離散周波数領域表現である。配列内の列が所与の(τ,ν)に対して連続したOFDMシンボルにわたって受信した標本をDFTしたものに対応している様子を、視覚的に説明している図1を使用すると、この実施形態は、仮定されたパターンの配置にわたるエネルギーの和により、尤度関数を近似する。
C[n,m]は、また、パイロット信号が第nOFDMシンボル内の第mサブキャリアで伝送される場合のみ非ゼロであることに留意されたい。また、|C[n,m]|が全ての(非ゼロ)パイロット信号に対して一定であり、そしてC[n,m]が時間−周波数プレーン内でスロープが一定の線を形成すると、この実施形態は、本明細書の背景技術で言及した特許文献1に与えられている先行技術に帰着することに留意されたい。
さらに、
Figure 0005074501
は、初期の周波数オフセットの可能な全ての仮定に対して、オフセット仮定が適切に選ばれた間隔で規則正しく配置されると、ゼロ・パディングDFTを用いて計算できることにも留意されたい。τの特定の仮定に対して、たとえばゼロ・パディングを有する長さがLNfftの系列
Figure 0005074501
は、インデックスφ,φ+L,・・・,φ+L(Nfft−1)を有するサブ系列が
Figure 0005074501
に対応する、長さがLNfftの系列を生じるであろう。
一定の間隔で配置されたパイロット・パターンまたは既に説明したそれらのホッピング変異に対して、所与の初期の時間−周波数オフセット仮定に対する対数尤度関数は、離散周波数領域で、
Figure 0005074501
により評価でき、これは単に、離散的時間−周波数プレーン上で仮定されたパイロット・パターンの配置にわたる受信信号エネルギーの和である。
離散時間領域での実装
ある場合には、時間領域内で対数尤度基準を直接計算することがより有効になりうる。図1に関連して説明したパイロット・パターンに対して、パターンの時間−周波数写像C[n,m]は、サブキャリア・インデックスφ,φ+M,φ+2M,・・・,でのみ非ゼロであり、ここで、φはシンボル・インデックスnの関数としてのホッピング系列であり、そしてMは当該シンボル内におけるパイロット挿入周期である(必ずしも元の一定間隔で配置されたパターンのパイロット挿入周期ではない)。このとき、式(21)は、
Figure 0005074501
となる。ここで、K=Nfft/M。
式(18)でm=φ+mMとした
Figure 0005074501
を式(22)に代入すると、
Figure 0005074501
となり、これは、受信した標本に関するKの倍数遅れでの循環自己相関、および長さが短い少数のDFTを含む。
循環シフト・パターンの特別な場合
複数のホッピング・パターンの検出は、それらがある共通の構造を有する場合、非常に簡単になる可能性がある。たとえば、異なるデバイスに循環シフト・パターンを割り当てることによる。検出は、この場合、基本パターンの時間−周波数写像に適合する二次元循環相関器を使用することにより達成できる。図3は、コスタス配列の循環シフト・パターンを示す。第2のパターンは、η個のOFDMシンボルおよび(μM+φ)個のサブキャリア分だけ元のパターンを循環シフトしたものである。一定間隔で配置された場合におけるように、異なるサブキャリア・オフセットφを有するパターンは、完全に直交である。コスタス配列のある種類では、φが同じでmが異なる2つのパターンは、周期あたり高々1つの一致を見るだけであり、図6の例を参照されたい。長さLのコスタス系列に対して、セルが時間同期を取られていると、異なるセルを識別するために、全体でL×M×N個の異なる循環シフトがあることに留意されたい。一方、非同期のネットワークに対しては、L×Mの明確な循環周波数シフトがある。
人為的に導入される循環シフトに加えて、パイロット・パターンはまた、様々な理由のために、異なる基地局からのパターンまたは特別な端末のサンプリング点のような他の参照に関して、局所規模の時間−周波数オフセットを、また有する場合がある。この初期オフセットは、本質的に、オフセットが値域0≦τ<Tおよび0≦ν<f内にあるという制約を除いて、上記と同じであり、そして(τ,ν)で表示される。この値域外の任意のオフセットは、インデックスη、μおよびφの中に畳み込まれるであろう。循環シフト・パイロット・パターンの検出は、この場合、図3において拡大したスケールで示されているように、仮定された時間−周波数座標
Figure 0005074501
でその存在を決定することである。
二次元相関器がどのように実装できるかを明示するために、図3で示されているものから、周波数領域のパイロット挿入周期Mを1にすることにより簡略化した例を考える。初期の時間−周波数オフセット(τ,ν)の各仮定に対して、L×N(6×7)の入力配列は、図4内の第1のマトリックス51で示されているように、シンボル期間にわたるN個の長さLのDFTを形成し、そして周波数領域の標本をN個の連続する列内に配置することにより形成される。初期の時間−周波数オフセット仮定は、計算の重複を回避するために、シンボル期間およびサブキャリア帯域の一部として好適に選択されるべきである。
一旦入力配列が設定されると、パターン検索が始まる。まず、コスタス配列がシンボル・インデックスの周波数ホッピング系列{0,2,1,4,5,3,×}として表現され、ここで”×”はパイロットのサブキャリアを有しないシンボルを示す。この系列は、視覚的に説明するために入力配列の下に記載されている。第1の工程で、配列の列が、図4内の第2のマトリックス52で説明されているように、このホッピング系列に対応する分だけ行(サブキャリア)インデックス内で循環的に回転され、そして”×”印が付されているものを除いて列(シンボル)インデックスを横断して和がとられ、大きさL=6の列ベクトルをもたらす。このベクトルは、それから図5における出力配列50の第1列55に配置される。第2の工程で、図4内の第3のマトリックス53で説明されているように、コスタス系列が1単位だけ右側に循環的にシフトされ、そして入力配列51の列が循環的に回転され、そして第1の工程におけるように和がとられる。得られるベクトルは、それから図5内の出力配列の第2列56に配置される。この処理は、全てのN個の可能なコスタス系列の循環シフトが尽きるまで続けられる。L×Nの出力配列50は、それで所与の(τ,ν)に対してコスタス配列の循環シフトに関するL×N個の可能な全ての仮定の一般化対数尤度を含むであろう。尤度の検定および閾値化は、それから、どのような対象が存在するかどうかを決定するために行うことができる。図5に示されている出力配列50は、2つの突出したピークを明確に示しており、1つは(η=0,μ=0)にあり、出力配列50の第1列55内の58で表示され、そして他は(η=2,μ=2)にあり、出力配列50の第3列57内の59で表示されている。列57に配置されているベクトルは、上で説明したように図4の第4マトリックス54から導出される。
図4および図5で説明した相関処理は、前もって記録されたデータを含むメモリ・バッファ上で生じる。その代わりに、古いデータが掃き出されながら、新しいデータが着信し、そして配列を満たし続けるスライディング・ウィンドウ内に、実時間で同じ処理が実行できる。いずれの場合も、メモリ・バッファのローディングおよびベクトルの循環回転は、物理的にバッファ内容を移動させることなく、アドレス・ポインタを変更することにより、全て遂行できる。最後に、例ではコスタス配列の単一周期を示しているけれども、複数周期への拡張は容易である。計算効率のよい実装は、相関を行う前に入力配列を形成するために複数周期内でエネルギーの和をとることである。
この特別な場合のスライディング・ウィンドウによる実施形態のための手順を、以下で簡潔に説明する。上で説明したオフラインでの実施形態は、データが既にバッファ内に読み込まれ、そしてしたがってデータの取得工程が割愛できることを除いて、同じである。
1.1つのシンボル期間にわたって受信した標本に関する適当な長さの(ゼロ詰め)DFTを実行する。DFTの長さは、初期の周波数オフセットνに関する仮定に依存する。
2.DFT出力の絶対値の自乗を入力配列の第1列に配置する。
3.入力配列内の列の各々を行(サブキャリア)インデックス内でコスタス系列に対応する分だけ(物理的な内容またはポインタのいずれかで)循環的に回転する。
4.入力配列を列(シンボル)インデックスを横断して和をとり、そして得られる列ベクトルを出力並列の第1列に配置する。
5.工程3の結果として移動された入力配列のポインタをリセットし、そして入力/出力配列を(循環的に列を右側に回転しながら)1ポジションだけ進める。
6.1シンボル期間にわたって受信された標本の次のセグメントを取得する。このセグメントは、τに関する仮定に依存して前のものと重なる可能性がある。
7.工程1に戻る。
シミュレーション結果
検出器の性能を評価するために、図6で説明しているコスタス配列パイロット・パターン60を考える。パイロット・パターン60は、一定の間隔を空けたパイロット・パターンの水平方向の走査線を循環的にシフトすることにより生成される。第1のアクセス・ポイントは、オフセットなしの基本信号を有するパイロット・パターン61であり、そして第2のアクセス・ポイントは、図6に(m,n)=(2,1)に対して示しているように、基本信号を周波数でnf、そして時間でmTだけ循環的にシフトした、パイロット・パターン62を有する。N=6 GF(7)の完全に周期的なコスタス系列が両方のコスタス・パイロット・パターン61,62に対して使用されているので、2つのパターン間で各周期63における一致数は、この例では1つである。
表1に、シミュレーションを行った2つの特定の配列に関するパラメータを示す。公平に比較するために、両方は、約1/256のパイロット密度を有する。長さ16の配列に対するOFDMシンボルのFFTの大きさは、1024である。この場合ではM=16であるので、裏付けのできる最大遅延スプレッドは、1024/16=64チップであり、サイクリック・プレフィックスの長さに設定される。長さ30に対するOFDMシンボルのFFTの大きさは、512であり、すなわち、OFDMシンボルの間隔は、第1の配列におけるそれの半分である。しかしながら、サイクリック・プレフィックスの長さは、同じ最大遅延スプレッドを収容できるように、同じままである。
Figure 0005074501
シミュレーションにおいてチャネルを各々実現するために、区間[0,T)および[0,f/2)内で一様に分布するランダムな初期の時間−周波数オフセット(τ,ν)を導入する。相関器は、入力配列を形成する場合、単一の仮定(τ,ν)=(0,0)を立てる。これは、パイロット・パターンを時間領域でT秒、そして周波数領域でfヘルツの間隔で大まかに探索することに対応する。真の目標が、検出された位置の両側にある1つのシンボルおよび1つのサブキャリア内にあると、検出が上首尾であるといえる。セル識別および大まかな同期が得られてから、チャネルの遅延−ドップラ応答の境界を確立するために、さらなる精細な探索を続けることができる。これは、SNR(信号対雑音比)が良好な場合はある簡単な補間を、またはその他の場合はコヒーレントなDFTを含むことができる。
表2は、全てのシミュレーションに共通な少しの他のパラメータを記載している。2つの電力遅延ドップラ・プロファイルがシミュレーションされる。”フラット”チャネルは、平均がゼロのガウス変数を単にランダムに実現したものであり、そして”フル”チャネルは、最大遅延−ドップラ領域全体に広がる”ケース3×ベッセル(Case3×Bessel)”プロファイルを有する。それらは、チャネルのダイバーシティ次数について2つの極端を表わしている。実際には現実的な性能は、双方の間のどこかに位置するはずである。特に明記しない限り、時間にわたって観測される周期の数は、1である。
Figure 0005074501
図7は、単一セルの誤検出確率に関するシミュレーションの図である。星印のある実線71は配列1(コスタス16)、”フル”チャネルであり、そして丸印のある実線72は配列2(コスタス30)、”フル”チャネルである。星印のある破線73は配列1(コスタス16)、”フラット”チャネルであり、そして丸印のある破線74は配列2(コスタス30)、”フラット”チャネルである。チャネル内のダイバーシティ次数により大きく影響されるけれども、性能は2つの極端な場合で非常にロバストである。第2配列(コスタス30)に関するより大きなピーク対サイドローブ比は、”フル”チャネルにおいてより高いSNR値域まで大した利得をもたらさない。これは、主に、第2配列はより多くの仮定(7440)を有し、そしてしたがって誤りを犯す機会がより多くあるという事実のためである。
第2の一連のシミュレーションは、同じサブキャリア・オフセットφ=0を有する2つのセルを含む。第1のセルは、平均SNRが0dBで(η,μ)=(0,0)に位置しており、一方第2のセルは、第1のセルに対して信号電力が可変で(η,μ)=(6,7)に位置している。これまでに触れた受信機でのオフセットに加えて、2つのセルは、同様に分布しているランダムな相対的時間−周波数オフセットを有している。2つのセルのシミュレーションでは、両方のセルが首尾よく検出される場合のみ、検出が上首尾であるといえる。これは、相関出力配列における2つの基準が最大となる位置が2つの目標の位置に対応する場合に、起こる。参考のため、2つの強さの等しいセルに対する典型的な配列を図8に示す。
図9は、SNRが0dBでの”フル”チャネルにおける2つのセルの誤検出確率に関するシミュレーションの図であり、そして図10は、SNRが0dBでの”フラット”チャネルにおける2つのセルの誤検出確率に関するシミュレーションの図である。図9及び図10における実線は1周期分の観測を表わし、そして図9および図10における破線は2周期分の観測を表わす。図9及び図10で星印のある線は配列1(コスタス16)を表わし、そして図9および図10で丸印のある線は配列2(コスタス30)を表わす。
図9および図10におけるPおよびPは、それぞれのパイロット信号からの受信電力である。
”フル”チャネルにおける性能は、図9で、2つのセルの強い方が、弱い方が見逃されるにも係わらず、ほとんど常に検出されるという隠れた事実を考慮すると、1周期(Q=1)の観測のみで、かなり良好である。ある時間選択性を有するチャネルでは、性能は、累積するパイロット周期の数を増やすことにより、Q=2の場合誤り率10パーセントで利得が3dBであることからも明らかなように、望ましいレベルまで改善される可能性がある。一方、”フラット”チャネルの場合に対しては、Q=2に対して観測される利得は、曲線のスロープが変わらないままであるので、主に、ダイバーシティよりはむしろノイズ抑圧による。
より多くのパイロット周期を観測することに加えて、検出性能は、少しの他の測度により、またはある条件のもとでさらに改善できる。たとえば、初期の時間−周波数オフセット(τ,ν)の仮定の数を増やすことができる。これは、検索密度を効率的に増やし、そしてしたがって計算が複雑になるのを犠牲にして、対数尤度関数のピークを見つける機会を増やす。ネットワーク設計者はまた、識別インデックス(η,μ,φ)に制約を課して、偽陽性率を低減できる。最後に、セルおよび端末の中で初期の時間−周波数オフセットは、多分、シミュレーションで想定されているものより多い。特にセル間でのシンボル・アライメントは、OFDMシステムにおける基本的な仮定であり、とても著しく干渉を軽減するはずである。
パイロット・パターンを検出するための、説明した方法を実行する検出器は、通信システムのノード、たとえば基地局、携帯電話、または任意の他の種類の無線通信デバイス内に実装されるのが自然であろう。本方法は、記憶部に格納されたソフトウェア・コードとして好適に実装され、そして処理デバイスにより実行される。
根本的な設計原理は、OFDMシステムに固有の直交する時間−周波数分割フォーマットに適合するようになっており、それにより、DFTを好適に使用して時間と周波数(または遅延とドップラ)間の転換を、大抵は含む受信機のアルゴリズムに繋がる。データ・シンボルの復調はまた、DFTによって達成されるので、専用かつ融通性のあるハードウェアのDFTアクセラレータは、モデムからのデータ・ビットを受信する際に、殆んど全ての計算を処理できる。

Claims (14)

  1. 直交周波数分割多重(OFDM)システムにおける受信信号r(t)内の、循環シフトされた時間−周波数ホッピング・パターンを有するパイロット信号s(t)を含むパイロット・パターンを検出する方法であって、
    未知の初期時間−周波数オフセット(τ,ν)を仮定するステップと、
    前記パイロット信号s(t)と前記仮定された初期時間−周波数オフセット(τ,ν)とにより特定される仮定の空間に対する対数尤度関数の値Λ(τ,ν)を計算するステップと、
    前記パイロット・パターンを検出し時間−周波数オフセット(τ,ν)を推定するために、前記計算された値を基準値に関連付けるステップと、
    を含み、
    パイロット・パターンを検出する前記方法は、前記OFDMシステム内の複数の機器に対する、同期と識別との少なくとも一方に用いられ、
    前記OFDMシステム内の各々の機器は、該各々の機器に割り当てられた異なる循環シフトを有する同一の時間−周波数ホッピング・パターンを使用する
    ことを特徴とする方法。
  2. 前記基準値は、閾値であり、
    前記計算された値を関連付ける前記ステップは、前記計算された値を前記閾値と比較するステップを有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記計算された値を関連付ける前記ステップは、前記パイロット信号s(t)と前記初期時間−周波数オフセット(τ,ν)との可能な複数の仮定について前記計算された値を評価し比較するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
  4. 値を計算する前記ステップは、前記対数尤度関数Λ(τ,ν)の直接の評価であり、
    該評価は、
    遅延ドップラ相関を実行するステップと、
    前記仮定の空間にわたってエネルギーを積分するステップと、
    を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の方法。
  5. 前記対数尤度関数は、
    Figure 0005074501
    によって定義され、ここで、
    Figure 0005074501
    であり、ここで、I(τ,ν)は遅延ドップラのイメージ、r(t)は前記パイロット・パターンを含む受信信号、s (t)は仮定されたパイロット信号であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の方法。
  6. さらに、
    前記対数尤度関数を計算するため標本
    Figure 0005074501
    を取得するために前記受信信号r(t)を標本化するステップであって、該標本は、1/Tのチップレートで標本化された時間オフセットτと周波数オフセットνとを有する、ステップと、
    チップ継続時間Tの倍数となるように遅延仮定τを選択するステップと、
    を有することを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記対数尤度関数Λ(τ,ν)は、
    Figure 0005074501
    として、標本化バージョンの離散の合計として近似され、ここで、
    Figure 0005074501
    であり、ここで、
    Figure 0005074501
    は、遅延領域で1/THzのチップレートかつドップラ領域でQNT秒で標本化された標本化遅延ドップラのイメージであることを特徴とする請求項5または6に記載の方法。
  8. 計算された前記対数尤度関数の前記値Λ(τ,ν)は、離散フーリエ変換(DFT)を用いて周波数領域で評価されることを特徴とする請求項6または7に記載の方法。
  9. 前記対数尤度関数は、離散時間−周波数プレーン上の仮定されたパイロット信号の位置にわたる受信信号エネルギーの合計である
    Figure 0005074501
    により周波数領域で評価され、ここで、
    Figure 0005074501
    は、n番目のOFDMシンボルに対応する標本化された受信信号の長さNfftのDFTであり、
    時間−周波数マップ
    Figure 0005074501
    は、n番目のOFDMシンボル内の前記パイロット信号の離散周波数領域表現である
    ことを特徴とする請求項8に記載の方法。
  10. 計算された前記対数尤度関数の前記値Λ(τ,ν)は、離散フーリエ変換(DFT)を用いて時間領域で評価されることを特徴とする請求項6または7に記載の方法。
  11. 前記対数尤度関数は、時間領域において、
    Figure 0005074501
    により評価され、ここで、K=Nfft/Mであることを特徴とする請求項10に記載の方法。
  12. OFDMシステム内で生成された少なくとも1つのパイロット信号を受信する、前記OFDMシステム内に実装された検出器であって、
    記憶部と、
    処理装置と、
    を含み、請求項1乃至11の何れか一項に記載の方法を実行するよう構成されていることを特徴とする検出器。
  13. 少なくとも1つの基地局と少なくとも1つの移動通信装置とを含むOFDMシステムであって、
    前記OFDMシステム内の第1ノードはパイロット信号を送信するのに適しており、
    前記OFDMシステム内の第2ノードは前記パイロット信号を受信するのに適しており、
    前記第2ノードは、さらに、請求項1乃至11の何れか一項に記載の方法を実行するのに適した検出器を含む
    ことを特徴とするシステム。
  14. コンピュータに請求項1乃至11の何れか一項に記載の方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
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