以下、本発明の実施形態における実装用基板及びその製造方法、発光モジュール並びに照明装置について、図面を参照しながら説明する。なお、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示したものではない。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態に係るLEDランプ10の全体構成について説明する。
図1は、同実施形態に係るLEDランプ10の断面図である。図2は、同実施形態に係るLEDランプ10の分解斜視図である。
このLEDランプ10は、照明装置の一例である。LEDランプ10は、電球型のランプであって、グローブ1、口金2、ヒートシンク3、LEDモジュール4、光源取り付け部材5、樹脂ケース6、電源回路7及び絶縁リング8を備える。
グローブ1と、口金2と、グローブ1及び口金2の間に配置されるヒートシンク3とは、ランプ外囲器を構成している。
グローブ1は、LEDモジュール4から放出される光をLEDランプ10外部に放射するための透光性カバーである。グローブ1の開口端部は光源取り付け部材5の上面に当接して配置されている。グローブ1は、耐熱性を有するシリコン系接着剤によってヒートシンク3に固着されている。LEDモジュール4は、このグローブ1によって覆われている。
口金2は、トップ側の接点とサイド側の接点との二接点によって交流電力を受電するための受電部である。口金2で受電した電力はリード線(不図示)を介して電源回路7の回路基板72の電力入力部に入力される。口金2は、金属性の有底筒体であって、内部に中空部2aを有する。
口金2は例えばE26やE17等のねじ込み型の口金であり、その外表面には照明器具のソケットに螺合させるための螺合部2bが形成されている。口金2の内周面には、樹脂ケース6の第2ケース部62と螺合させるための螺合部2cが形成されている。
ヒートシンク3は、上下方向に2つの開口部を有する金属製の筒型放熱体の筐体であって、グローブ1側の開口を構成する第1開口部3aと、口金2側の開口を構成する第2開口部3bとを有する。第1開口部3aの口径は第2開口部3bの口径よりも大きく、ヒートシンク3は全体として円錐台形状である。ヒートシンク3は、アルミニウム合金材料で構成されており、その表面は熱放射率を向上させるためのアルマイト処理が施されている。
光源取り付け部材5は、LEDモジュール4を配置するための金属基板からなるホルダ(モジュールプレート)であり、アルミダイキャストによって円盤状に成形されている。光源取り付け部材5は、LEDモジュール4から発生する熱をヒートシンク3に伝導させる放熱体である。光源取り付け部材5は、ヒートシンク3の第1開口部3a側に装着されており、光源取り付け部材5の側部はヒートシンク3の第1開口部3aの上方内面に当接している。すなわち、光源取り付け部材5はヒートシンク3の第1開口部3a側に嵌め込まれている。
光源取り付け部材5には、LEDモジュール4を配置するための凹部5aが形成されており、凹部5aは、LEDモジュール4の実装用基板101と同形状の矩形状に形成されている。凹部5aに配置されたLEDモジュール4は、止め金具4dによって挟持されている。
樹脂ケース6は、電源回路7を収納するための絶縁ケースであって、ヒートシンク3と略同形である筒状の第1ケース部61と、口金2と略同形である筒状の第2ケース部62とからなる。
第1ケース部61は、LEDモジュール4側(第2ケース部62とは反対側)に開口部61aを有し、所定の隙間をおいてヒートシンク3の内側に配置されている。第2ケース部62は、口金2側(第1ケース部61側とは反対側)に開口部62aを有する。第2ケース部62の外周面は口金2の内周面と接触するように構成されている。第2ケース部62の外周面には口金2と螺合するための螺合部62bが形成されており、螺合部62bによって第2ケース部62は口金2に接触している。
第1ケース部61の光源取り付け部材5側の開口部61aには、樹脂キャップ63が取り付けられている。樹脂ケース6の光源取り付け部材5側は、樹脂キャップ63によって封止されている。
樹脂キャップ63は略円板形状であり、内面側の外周端部には環状の突出部63aが形成されている。突出部63aの内周面には、回路基板72を係止するための複数個の係止爪(不図示)が形成されている。突出部63aは、樹脂ケース6の第1ケース部61の開口部61aの端部に嵌め込むことができるように構成されている。樹脂キャップ63には、LEDモジュール4に給電するリード線を通すための貫通孔63bが形成されている。
電源回路7は、LEDモジュール4の封止部材103で封止されたLEDチップ(半導体発光素子)102を発光させるため回路(点灯回路)を構成する回路素子群71と、回路素子群71の各回路素子が実装される回路基板72とを有する。
回路素子群71は、複数の回路素子で構成されており、口金2から受電した交流電力を直流電力に変換し、電極73a及び73bを介してLEDチップ102に直流電力を供給する。
回路素子群71には、電解コンデンサ(縦コンデンサ)である第1容量素子71aと、セラミックコンデンサ(横コンデンサ)である第2容量素子71bと、抵抗素子71cと、コイルからなる電圧変換素子71dと、IPD(インテリジェントパワーデバイス)の集積回路である半導体素子71eとが含まれている。
回路基板72は、円盤状のプリント基板であり、一方の面に回路素子群71の各回路素子が実装されている。回路基板72には、切欠部72aが設けられている。切欠部72aは、LEDモジュール4に直流電力を供給するためのリード配線を、回路素子群71が実装された面側から反対側の面に配線するために設けられている。
絶縁リング8は、口金2とヒートシンク3との絶縁を確保するものであり、口金2とヒートシンク3との間に配置されている。絶縁リング8の内周面は樹脂ケース6の第2ケース部62の外周面に当接されている。絶縁リング8は、樹脂ケース6の第2ケース部62と口金2とが螺着されることにより、口金2の開口端部とヒートシンク3の開口端部とによって挟持される。
次に、本発明の第1の実施形態に係るLEDランプ10の特徴構成について説明する。
図3は、LEDモジュール4が光源取り付け部材5に配置されている様子を示すためのLEDランプ10の一部切り欠き斜視図である。図4Aは、LEDモジュール4の斜視図である。図4Bは、LEDモジュール4の上面図である。図4Cは、LEDモジュール4の断面図(図4BのX−X’線における断面図)である。なお、図4A〜図4Cは、封止部材103で封止される前の状態を示す図である。
LEDモジュール4は、所定の光を放出する発光モジュール(発光ユニット)であって、矩形状の実装用基板101と、複数のLEDチップ102と、封止部材103と、複数の電極104と、端子105と、ワイヤー107とによって構成されている。
LEDモジュール4には、回路基板72の電力出力部から延出されるリード線に接続される2つの電極73a及び73bが配置されている。2つの電極73a及び73bからLEDモジュール4に直流電力が供給されることにより、LEDチップ102が発光する。
実装用基板101は、基板108と反射膜(第1反射膜)106とから構成されている。
基板108は、例えば窒化アルミニウム等のセラミック基板、樹脂基板、ガラス基板、フレキシブル基板及びアルミナ基板等である。あるいは、基板108として、これらの基板に所定の配線パターンが形成されたPCA(Printed Circuit Assembly)基板又はLTCC(Low Temperature Co−fired Ceramics)多層配線回路基板を用いることもできる。なお、基板108の形状は矩形状に限らない。例えば、正方形、正五角形、正六角形及び正八角形等の正多角形、あるいは、十字形状等の様々な形状を用いることができる。
反射膜106は、基板108の一方の主面である表面に形成され、表面にLEDチップ102が実装される。反射膜106は、LEDチップ102からの基板108表面に向かう光を、基板108の上方(基板108から離れる方向)に向けて反射させてグローブ1に導く。反射膜106は、基板108表面における電極104及び端子105が形成される領域以外の領域に形成されている。
反射膜106としては、酸化金属微粒子と、酸化シリコン(SiO2)を主成分とし、粉末ガラスを酸化金属微粒子及び基板108と結着するために溶融させて形成されたガラスフリットとから構成される膜が使用される。ガラスフリットは無機結着剤として機能する。酸化金属微粒子としては、例えば、ルチル型及びアナターゼ型等の酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニア、酸化アルミニウム並びに酸化亜鉛等から構成される微粒子が使用される。ガラスフリットは可視光の透過率が高く、酸化金属微粒子は可視光の反射率が高いため、反射膜106は、LEDチップ102の光を効率的に反射することができる。なお、微粒子とは、数μm以下の粒系を有する粒子をいう。
ここで、反射膜106は、膜厚が100μmより大きくなるとLEDチップ102からの熱に対する放熱性に課題が生じ、また基板108から剥離し易くなる。従って、反射膜106の膜厚は、100μm以下であることが好ましい。例えば、反射膜106の酸化金属微粒子に酸化チタンが用いられた場合、100μmの膜厚を境として反射膜106が設けられていない実装用基板との比較で実装用基板としての放熱効率が悪くなる。
また、LEDチップ102の光を出来るだけ多く反射するために、反射膜106は、LEDチップ102の発光(可視光)に対して基板108よりも反射率が高い高屈折率の酸化金属微粒子を含むことが好ましい。
また、反射膜106は、LEDチップ102及び電極104の双方に接するため、LEDチップ102及び電極104が反射膜106を介して電気的に接続されることを防ぐために絶縁性の膜であることが好ましい。
また、反射膜106は、基板108より高く、LEDチップ102の発光に対して金属板と同等の反射率を得るため、90%以上の反射率を有することが好ましい。従って、反射膜106は、この90%以上の反射率を得るため、40%以上の体積濃度で酸化金属微粒子を含み、かつ10μm以上の膜厚を有することが好ましい。
LEDチップ102は、単色の可視光を発するベアチップであり、接合部材によって実装用基板101の実装面(表面)、具体的には反射膜106の表面上に実装(ダイボンディング)されている。接合部材としては、例えばシリコーン樹脂等の熱伝導性接着剤及び熱伝導性シートがある。LEDチップ102の発光側の表面(発光面)には、第1電極102a及び第2電極102bが設けられている。
LEDチップ102は、例えば光透過性の基板上にGaN系化合物半導体層が形成されて構成された青色光を発する発光ダイオードである。LEDチップ102は、全方位、つまり側方、上方及び下方に向けて光を発するチップであり、例えば側方に全光量の20%、上方に全光量の60%、下方に全光量の20%の光を発する。実装用基板101には、例えば6つのLEDチップ102が実装され、その6つのLEDチップ102は直列接続される。
ここで、反射膜106(実装用基板101)とLEDチップ102との間に設けられ、LEDチップ102を実装用基板101に接合して固定する接合部材は、LEDチップ102の発光に対して透光性を有し、LEDチップ102の光を透過させる。これにより、LEDチップ102の多くの光が反射膜106に導かれ、かつ反射膜106による多くの反射光がグローブ1に導かれる。接合部材は、LEDチップ102の出射光に対して1%以上の透過率を有することが望ましい。
また、接合部材は、LEDチップ102の熱をLEDモジュール4外部、反射膜106及び基板108に逃がすために、0.1W/mK以上の熱伝導性を有することが好ましい。
封止部材(蛍光体含有樹脂)103は、実装用基板101の実装面、具体的には反射膜106の表面に形成され、LEDチップ102、ワイヤー107及び電極104を封止するための部材である。封止部材103は、例えばシリコーン樹脂等の透光性材料にLEDチップ102の光を色変換する所定の蛍光体粒子が分散されて構成されており、蛍光体粒子によってLEDチップ102の発光光が所望の色の照明光に色変換される。
例えば、LEDチップ102として青色の光を発光する青色LEDが用いられ、封止部材103の蛍光体粒子として黄色蛍光体粒子が用いられる。これにより、黄色蛍光体は青色LEDの青色発光光によって励起されて黄色光を放出し、この黄色光と青色LEDの青色光とによって白色光がLEDモジュール4から放出される。
ここで、封止部材103と反射膜106との屈折率が大きく異なる場合には、反射膜106で反射された光が封止部材103と反射膜106との界面で反射され易くなる。従って、封止部材103及び反射膜106の屈折率が近く、略同じ屈折率であることが好ましい。例えば、高屈折率のシリコンナノ粒子が分散されて屈折率が反射膜106と同等に調整された樹脂が封止部材103として用いられることが好ましい。
電極104は、基板108の表面に形成された配線パターンであり、LEDチップ102及び端子105と電気的に接続されている。電極104は、複数のLEDチップ102同士を接続し、LEDチップ102と端子105とを電気的に接続するために設けられている。電極104は、例えばAg−Ptによって構成されている。
ここで、電極104の上面は、ワイヤー107との接続のために、封止部材103で封止される前の状態において表面に露出している必要がある。従って、反射膜106は電極104の側面には設けられているものの上面には設けられていない。
端子105は、基板108の外周端部表面に設けられた配線パターンであり、電源回路7からの直流電力をLEDモジュール4で受けるために設けられている。2つの端子105の一方には電極73aが接合し、他方には電極73bが接合している。これにより、LEDモジュール4及びLEDモジュール4が電気的に接続されている。
ワイヤー107は、例えば金ワイヤーであり、電極104とLEDチップ102とを電気的に接続し、LEDチップ102と端子105とを電気的に接続する。電極104とLEDチップ102との接続は、ワイヤー107の一端をLEDチップ102の第1電極102a又は第2電極102bと接合させ、かつ他端を電極104と接合させることにより行われる。
上記構造を有するLEDモジュール4において、各LEDチップ102から出射された光の大部分は、基板108から離れる方向にグローブ1に向けて照射されるが、その一部(例えばLEDチップ102の下面及び側面からの光)は実装用基板101の実装面に照射される。実装用基板101の実装面に照射された光は、反射膜106によって実装用基板101の上方(実装用基板101から離れる方向)に向けて反射されて、グローブ1に導かれる。
従って、グローブ1に直接照射される光に加えて、実装用基板101の実装面に照射される光も反射膜106によりLEDモジュール4から取り出すことができるので、LEDチップ102への電力量を増加させることなく、LEDモジュール4から取り出す光量を増加させることができる。
次に、本発明の第1の実施形態に係る実装用基板101の製造方法について説明する。
図5は、LEDモジュール4の製造方法(実装用基板101の製造方法)を説明するためのフローチャートである。
最初に、基板108の表面の所定の領域に例えば配線ペーストがスクリーン印刷された後、基板108の乾燥及び焼成が行われて電極104及び端子105が形成される。
次に、反射膜106の構成材料が準備される。具体的には、溶剤、バインダー、粉末ガラス、酸化金属微粒子の粉末材料、及び分散剤が準備される(ステップS10)。
次に、準備された材料が例えば3本ロール混練機によって混練(混合)されてペースト状とされ、反射材ペーストが作成される(ステップS11)。
次に、基板108の表面の電極104及び端子105が形成された部分以外に反射材ペーストがスクリーン印刷(塗布)される(ステップS12)。
次に、スクリーン印刷がされた基板108が、例えば150℃の温度で30分にわたって乾燥されて反射材ペーストの溶剤が気化される(ステップS13)。
次に、乾燥された基板108に対して加熱炉で焼成が行われることで、粉末ガラスが軟化して酸化金属微粒子の粉末同士と、酸化金属微粒子の粉末及び基板108とがガラスフリットにより結着(接合)され、ガラスフリット及び酸化金属微粒子つまり反射膜106が基板108に焼き付けられる(ステップS14)。例えば、乾燥された基板108が、最高温度700℃で15分間保持されることが設定されたベルト炉内で1時間加熱される。
ステップS10〜S14により、基板108の表面に反射膜106が形成され、実装用基板101が形成される。
次に、実装用基板101の実装面の所定の領域にLEDチップ102が実装された後、LEDチップ102、電極104及び端子105がワイヤー107によりワイヤボンディングされる。
最後に、実装用基板101の実装面の全てのLEDチップ102、ワイヤー107及び電極104が封止部材103によって封止される。
以上のように、本実施形態のLEDモジュール4によれば、基板108の表面には反射膜106が形成される。従って、LEDチップ102から実装用基板101の実装面に照射された光を反射膜106によりグローブ1に向けて反射させることができる。その結果、LEDチップ102の光をLEDランプ10外部に効率的に取り出すことができるので、LEDランプ10の発光効率を向上させることができる。
また、本実施形態のLEDモジュール4によれば、基板108はLEDチップ102の光に対する反射性と放熱性との両方で優れている必要がなく、放熱性が優れているだけでよい。従って、基板108に熱伝導率の良い基板、例えば大きな粒径のセラミックにより構成される基板を用いることができる。その結果、LEDチップ102発光時の発熱を実装用基板101に効率的に逃がしてLEDチップ102の温度上昇による光出力低下を抑えることができるので、LEDランプ10の発光効率を向上させることができる。同時に、LEDチップ102の熱を基板108全体に均等に逃がし、同じ基板108上の複数のLEDチップ102で光出力に違いが生じるのを抑えることができるので、LEDランプ10の色ムラを抑えることができる。
また、本実施形態のLEDモジュール4によれば、反射膜106が酸化金属微粒子及びガラスフリットを備えている。従って、金属膜及び樹脂を反射膜106に用いるときのように、反射膜106が経時変化により変色して反射率が劣化するのを抑えることができる。また、経時変化により反射膜106に反りが発生し、反射膜106が基板108から剥離するのを抑えることができる。さらに、LEDランプ10のコスト及び重量を低減することができる。
また、本実施形態のLEDモジュール4によれば、反射膜106は樹脂と比較して熱伝導率の高い無機系材料、つまり熱伝導率が9W/mKのルチル型酸化チタン、熱伝導率が9W/mKのアナターゼ型酸化チタン、熱伝導率が20W/mKの酸化アルミニウム、及び熱伝導率が50W/mKの酸化亜鉛等から構成されている。従って、LEDランプ10の発光効率を更に向上させることができる。
なお、本実施形態において、複数のLEDチップ102は電極104を中継点としてワイヤー107により接続されるとしたが、ワイヤー107により直接接続されてもよい。
また、本実施形態において、電極104及び端子105が形成された後で反射膜106が形成されるとしたが、反射膜106が形成された後で電極104及び端子105が形成されてもよい。この場合には、図6Aに示されるように、反射膜106は基板108表面の全面に形成され、電極104及び端子105は反射膜106上に形成される。つまり、反射膜106は、基板108表面の電極104及び端子105が形成される領域(電極部)を被覆する形で形成される。
また、本実施形態において、電極104及び端子105形成と反射膜106とで別々に焼成を行うとした。しかし、電極104及び端子105形成において焼成を行わずに乾燥だけを行い、反射膜106形成における焼成で反射膜106形成の焼成を同時に行ってもよい。この場合には、反射膜106形成の焼成と電極104及び端子105形成の焼成とは同じ温度プロファイルで行われることになる。
また、本実施形態において、反射膜106は基板108表面の全面に設けられるとしたが、必ずしも全面に設けられる必要はない。例えば、反射膜106は、LEDチップ102の光が集中的に照射される基板108の一部の表面に選択的に設けられてもよいし、あるいはLEDチップ102の光の照射量の少ない基板108の一部に設けられなくてもよい。また、図6Bに示されるように、基板108表面のLEDチップ102が実装される領域に設けられなくてもよい。この場合には、LEDチップ102を基板108上に直接形成することができるため、LEDチップ102の基板108への接着性を確保することができる。
また、本実施形態において、複数のLEDチップ102は電極104及び端子105とワイヤボンディングにより接続されるとしたが、図7に示されるように、実装用基板101にフリップチップ実装されて電極104及び端子105と直接接続されてもよい。
また、本実施形態において、反射膜106は基板108表面にのみ形成されるとしたが、基板108裏面の全面にも設けられてもよい。この場合には、基板108表面で反射されなかった光が基板108裏面の反射膜106で反射されて基板108内部を導波し、基板108端面から出射されるため、LEDランプ10の発光効率を更に向上させることができる。ここで、基板108内部での光の吸収を抑えるために、基板108はLEDチップ102の出射光に対して1%以上の透過率を有することが望ましい。つまり、基板108は1.5mm以下の厚さとされることが望ましい。また、外周端面に出射された光がグローブ1に向けて出射されるように、基板108は、外周端面に、裏面から表面に向けて広がるように傾斜している傾斜面を持つことが好ましい。
また、本実施形態において、反射膜106は、酸化金属微粒子とガラスフリットから構成されるとした。しかし、反射膜106は、ガラスとガラスにより結着された酸化金属微粒子とから構成されればこれに限られず、例えば酸化金属微粒子とゾルゲル法により形成されたガラスとから構成されてもよい。この場合には、反射材ペーストにおいて粉末ガラスではなく金属アルコキシドが加えられる。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態に係るLEDランプ10aの全体構成について説明する。
図8は、同実施形態に係るLEDランプ10aの断面図である。図9は、同実施形態に係るLEDランプ10aの分解斜視図である。
このLEDランプ10aは、グローブ1、口金2、ヒートシンク3、LEDモジュール4a、光源取り付け部材5、樹脂ケース6、電源回路7及び絶縁リング8を備える。LEDランプ10aは、LEDモジュール4が実装用基板101aを有するLEDモジュール4aに置き換わっているという点で図1及び図2で示した第1の実施形態に係るLEDランプ10と異なる。具体的には、実装用基板101aが表面ではなく裏面に反射膜106を有する構成になっているという点で第1の実施形態に係るLEDランプ10と異なる。
次に、本発明の第2の実施形態に係るLEDランプ10aの特徴構成について説明する。
図10は、LEDモジュール4aが光源取り付け部材5に配置されている様子を示すためのLEDランプ10aの一部切り欠き斜視図である。図11Aは、LEDモジュール4aの斜視図である。図11Bは、LEDモジュール4aの上面図である。図11Cは、LEDモジュール4aの断面図(図11BのX−X’線における断面図)である。なお、図11A〜図11Cは、封止部材103で封止される前の状態を示す図である。
LEDモジュール4aは、所定の光を放出する発光モジュール(発光ユニット)であって、矩形状の実装用基板101aと、複数のLEDチップ102と、封止部材103と、複数の電極104と、端子105と、ワイヤー107とによって構成されている。
LEDモジュール4aには、回路基板72の電力出力部から延出されるリード線に接続される2つの電極73a及び73bが配置されている。2つの電極73a及び73bからLEDモジュール4aに直流電力が供給されることにより、LEDチップ102が発光する。
LEDチップ102は、単色の可視光を発するベアチップであり、基板108の一方の主面である表面(実装用基板101aの実装面)にダイアタッチ剤等によって実装(ダイボンディング)されている。LEDチップ102の発光側の表面(発光面)には、第1電極102a及び第2電極102bが設けられている。
LEDチップ102は、例えば光透過性の基板上にGaN系化合物半導体層が形成されて構成された青色光を発する発光ダイオードである。LEDチップ102は、全方位、つまり側方、上方及び下方に向けて光を発するチップであり、例えば側方に全光量の20%、上方に全光量の60%、下方に全光量の20%の光を発する。基板108の表面には、例えば6つのLEDチップ102が実装され、その6つのLEDチップ102は直列接続される。
実装用基板101aは、基板108と反射膜(第1反射膜)106とから構成されている。
基板108は、LEDチップ102が実装される表面を有し、LEDチップ102の発光に対して透光性を有し、LEDチップ102の光を透過させる。基板108は、例えば透光性を有する窒化アルミニウム等のセラミック基板、樹脂基板、ガラス基板、フレキシブル基板及びアルミナ基板等である。基板108は、その厚さが0.3mmより薄くなると、強度が悪化して量産性が悪化し、また熱伝導率も悪化する。
ここで、基板108表面のLEDチップ102が実装される領域、並びに電極104及び端子105が形成される領域以外の領域では、表面処理が施されて基板108の表面に凹凸が形成されている、又は無反射コーティングが施されていることが好ましい。この表面の凹凸又は無反射コーティングにより基板108内部から基板108表面に向かう光が基板108表面で反射され難くなり、反射膜106により反射された光が基板108表面から出射され易くなる。
反射膜106は、基板108の他方の主面である裏面の全面に形成されており、基板108を透過して基板108の裏面に到達したLEDチップ102の光を、基板108の表面に向けて反射させる。反射膜106としては、酸化金属微粒子と、酸化シリコン(SiO2)を主成分とし、粉末ガラスを酸化金属微粒子及び基板108と結着するために溶融させて形成されたガラスフリットとから構成される膜が使用される。酸化金属微粒子としては、例えば、ルチル型及びアナターゼ型等の酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニア、酸化アルミニウム並びに酸化亜鉛等から構成される微粒子がある。ガラスフリットは可視光の透過率が高く、酸化金属微粒子は可視光の反射率が高いため、反射膜106は、LEDチップ102の光を効率的に反射することができる。なお、微粒子とは、数μm以下の粒系を有する粒子をいう。
ここで、反射膜106は、膜厚が100μmより大きくなるとLEDチップ102から基板108に伝わった熱に対する放熱性に課題が生じ、また基板108から剥離し易くなる。従って、反射膜106の膜厚は、100μm以下であることが好ましい。例えば、反射膜106の酸化金属微粒子に酸化チタンが用いられた場合、100μmの膜厚を境として反射膜106が設けられていない実装用基板との比較で実装用基板としての放熱効率が悪くなる。
また、LEDチップ102の光を出来るだけ多く反射するために、反射膜106は、LEDチップ102の発光(可視光)に対して基板108よりも反射率が高い高屈折率の酸化金属微粒子を含むことが好ましい。
また、反射膜106は、LEDチップ102の発光に対して金属板と同等の反射率を得るため、90%以上の反射率を有することが好ましい。従って、反射膜106は、この90%以上の反射率を得るため、40%以上の体積濃度で酸化金属微粒子を含み、かつ10μm以上の膜厚を有することが好ましい。
封止部材103は、基板108の表面に形成され、LEDチップ102、ワイヤー107及び電極104を封止するための部材である。封止部材103は、例えばシリコーン樹脂等の透光性材料に所定の蛍光体粒子が分散されて構成されており、蛍光体粒子によってLEDチップ102の発光光が所望の色の照明光に色変換される。
例えば、LEDチップ102として青色の光を発光する青色LEDが用いられ、封止部材103の蛍光体粒子として黄色蛍光体粒子が用いられる。これにより、黄色蛍光体は青色LEDの青色発光光によって励起されて黄色光を放出し、この黄色光と青色LEDの青色光とによって白色光がLEDモジュール4aから放出される。
ここで、封止部材103と基板108との屈折率が大きく異なる場合には、基板108内部から基板108表面に向かう光が封止部材103と基板108との界面で反射され易くなる。従って、封止部材103及び基板108の屈折率が近く、略同じ屈折率であることが好ましい。例えば、アルミナ基板等の約1.7の屈折率の基板108が用いられる場合には、屈折率が約1.6のガラスあるいはフェニル系の樹脂、又は高屈折率のシリコンナノ粒子が分散されて屈折率が約1.7に調整された樹脂が好ましい。
電極104は、基板108の表面(実装用基板101aの実装面)に形成された配線パターンであり、LEDチップ102及び端子105と電気的に接続されている。電極104は、複数のLEDチップ102同士を接続し、LEDチップ102と端子105とを電気的に接続するために設けられている。電極104は、例えばAg−Ptによって構成されている。
端子105は、基板108の外周端部表面(実装用基板101aの外周端部表面)に設けられた配線パターンであり、電源回路7からの直流電力をLEDモジュール4aで受けるために設けられている。2つの端子105の一方には電極73aが接合し、他方には電極73bが接合している。これにより、LEDモジュール4a及びLEDモジュール4aが電気的に接続されている。
ここで、LEDチップ102から基板108に向かう光の一部は電極104及び端子105の表面で反射される。従って、LEDチップ102から基板108に向かう光を出来るだけ多く基板108裏面の反射膜106に導くために、電極104及び端子105はLEDチップ102の光に対して透光性を有することが好ましい。例えば、電極104及び端子105は、ITO(スズ添加酸化インジウム)等の透明導電膜より構成されていることが好ましい。
ワイヤー107は、例えば金ワイヤーであり、電極104とLEDチップ102とを電気的に接続し、LEDチップ102と端子105とを電気的に接続する。電極104とLEDチップ102との接続は、ワイヤー107の一端をLEDチップ102の第1電極102a又は第2電極102bと接合させ、かつ他端を電極104と接合させることにより行われる。
上記構造を有するLEDモジュール4aにおいて、各LEDチップ102から出射された光の大部分は、基板108から離れる方向にグローブ1に向けて照射されるが、その一部(例えばLEDチップ102の下面及び側面からの光)は基板108表面に照射される。基板108表面に照射された光は、一部が表面で反射されるものの、それ以外は表面を通って基板108の内部に入射される。基板108の内部を透過した光は反射膜106によって反射されて、基板108表面におけるLEDチップ102、電極104及び端子105が形成されていない領域から出射される。
従って、グローブ1に直接照射される光に加えて、基板108表面に照射される光も反射膜106によりLEDモジュール4aから取り出すことができるので、LEDチップ102への電力量を増加させることなく、LEDモジュール4aから取り出す光量を増加させることができる。
以下の表1は、基板108の一例としてのアルミナ基板の透過率をその厚さ及びアルミナ純度毎に示した表である。
なお、透過率測定は日本分光製JASCO:FP−6200を用いて350nm〜750nmの波長領域の可視光を基板108に照射して行われ、表中の透過率は550nmの光の透過率を示している。また、材料A、B、C及びDはアルミナから構成される異なるサンプル基板をそれぞれ示している。
表1に示されるように、基板108は1.5mmより厚くなると表面での反射率は変化しないものの吸収率が大きくなって1%以上の透過率が得られなくなる。LEDチップ102から基板108表面に照射された光を基板108裏面の反射膜106に導くために、基板108はLEDチップ102の出射光に対して1%以上の透過率を有することが望ましい。従って、基板108は1.5mm以下の厚さとされることが望ましい。
図11Dは、基板108に反射膜106を設けることによる実装用基板101aの反射率の増加分(100×基板108のみの反射率÷反射膜106が設けられた基板の反射率−100)を反射膜106の膜厚毎に示したグラフである。
なお、図11Dの測定では、アルミナ純度96%、厚さ1mmの基板108上に40%以上の体積濃度で酸化金属微粒子を含む。反射膜106を形成したサンプルが用いられている。また、透過率測定は日本分光製JASCO:FP−6200を用いて350nm〜750nmの波長領域の可視光を実装用基板101aに照射して行われ、図11Dの反射率増加分は550nmの光の透過率を用いて導出されている。また、図11Dにおいて、「▲」はルチル型の酸化チタン、「●」はアナターゼ型の酸化チタン、「■」は酸化アルミニウム、「◆」は酸化亜鉛を、それぞれ反射膜106の酸化金属微粒子に用いた実装用基板101aであることを示している。
図11Dに示されるように、反射膜106の膜厚を10μm以上とすることにより、実装用基板101aの反射率が向上する。例えば、約75%の反射率であったものが約90%の反射率まで向上する。従って、LEDチップ102から実装用基板101aの実装面に照射された光をグローブ1に向けて反射させるために、反射膜106は10μm以上の膜厚を有することが望ましい。
次に、本発明の第2の実施形態に係る実装用基板101aの製造方法について説明する。
図12は、LEDモジュール4aの製造方法(実装用基板101aの製造方法)を説明するためのフローチャートである。
最初に、反射膜106の構成材料が準備される。具体的には、溶剤、バインダー、粉末ガラス、酸化金属微粒子の粉末材料、及び分散剤が準備される(ステップS20)。
次に、準備された材料が例えば3本ロール混練機によって混練(混合)されてペースト状とされ、反射材ペーストが作成される(ステップS21)。
次に、基板108の表面とは反対の裏面全体に反射材ペーストがスクリーン印刷(塗布)される(ステップS22)。
次に、スクリーン印刷がされた基板108が、例えば150℃の温度で30分にわたって乾燥されて反射材ペーストの溶剤が気化される(ステップS23)。
次に、乾燥された基板108に対して加熱炉で焼成が行われることで、粉末ガラスが軟化して酸化金属微粒子の粉末同士と、酸化金属微粒子の粉末及び基板108とがガラスフリットにより結着(接合)され、ガラスフリット及び酸化金属微粒子つまり反射膜106が基板108に焼き付けられる(ステップS24)。例えば、乾燥された基板108が、最高温度700℃で15分間保持されることが設定されたベルト炉内で1時間加熱される。
ステップS20〜S24により、基板108の裏面に反射膜106が形成され、実装用基板101aが形成される。
次に、実装用基板101aの実装面の所定の領域に例えば配線ペーストがスクリーン印刷された後、実装用基板101aの乾燥及び焼成が行われて電極104及び端子105が形成される。
次に、実装用基板101aの実装面の所定の領域にLEDチップ102が実装された後、LEDチップ102、電極104及び端子105がワイヤー107によりワイヤボンディングされる。
最後に、実装用基板101aの実装面の全てのLEDチップ102、ワイヤー107及び電極104が封止部材103によって封止される。
以上のように、本実施形態のLEDモジュール4aによれば、基板108はLEDチップ102の光に対して透明であり、基板108の裏面には反射膜106が形成される。従って、LEDチップ102から実装用基板101aの実装面に照射された光を反射膜106によりグローブ1に向けて反射させることができる。その結果、LEDチップ102の光をLEDランプ10a外部に効率的に取り出すことができるので、LEDランプ10aの発光効率を向上させることができる。
また、本実施形態のLEDモジュール4aによれば、基板108はLEDチップ102の光に対する反射性と放熱性との両方で優れている必要がなく、基板108は放熱性が優れているだけでよい。従って、基板108に熱伝導率の良い基板、例えば大きな粒径のセラミックにより構成される基板を用いることができる。その結果、LEDチップ102発光時の発熱を実装用基板101aに効率的に逃がしてLEDチップ102の温度上昇による光出力低下を抑えることができるので、LEDランプ10aの発光効率を向上させることができる。同時に、LEDチップ102の熱を基板108全体に均等に逃がし、同じ基板108上の複数のLEDチップ102で光出力に違いが生じるのを抑えることができるので、LEDランプ10aの色ムラを抑えることができる。
また、本実施形態のLEDモジュール4aによれば、反射膜106が酸化金属微粒子及びガラスフリットを備えている。従って、金属膜及び樹脂を反射膜106に用いるときのように、反射膜106が経時変化により変色して反射率が劣化するのを抑えることができる。また、経時変化により反射膜106に反りが発生し、反射膜106が基板108から剥離するのを抑えることができる。さらに、LEDランプ10aのコスト及び重量を低減することができる。
また、本実施形態のLEDモジュール4aによれば、反射膜106は樹脂と比較して熱伝導率の高い無機系材料、つまり熱伝導率が9W/mKのルチル型酸化チタン、熱伝導率が9W/mKのアナターゼ型酸化チタン、熱伝導率が20W/mKの酸化アルミニウム、及び熱伝導率が50W/mKの酸化亜鉛等から構成されている。従って、LEDランプ10aの発光効率を更に向上させることができる。
なお、本実施形態において、複数のLEDチップ102は電極104を中継点としてワイヤー107により接続されるとしたが、ワイヤー107により直接接続されてもよい。
また、本実施形態において、反射膜106が形成された後で電極104及び端子105が形成されるとしたが、電極104及び端子105が形成された後で反射膜106が形成されてもよい。また、反射膜106形成において焼成を行わずに乾燥だけを行い、電極104及び端子105形成における焼成で反射膜106形成の焼成を同時に行ってもよい。この場合には、反射膜106形成の焼成と電極104及び端子105形成の焼成とは同じ温度プロファイルで行われることになる。
また、本実施形態において、反射膜106は基板108裏面の全面に設けられるとしたが、必ずしも全面に設けられる必要はない。例えば、反射膜106は、LEDチップ102の光が集中的に照射される基板108の一部の裏面に選択的に設けられてもよいし、あるいはLEDチップ102の光の照射量の少ない基板108の一部に設けられなくてもよい。
また、本実施形態において、反射膜106は基板108の裏面に形成されるとしたが、図13に示されるように、基板108の裏面に加えて外周端面に形成されていてもよい。つまり、実装用基板は、さらに、基板108の端面に形成され、酸化金属微粒子とガラスフリットから構成され、基板108を透過したLEDチップ102の光を基板108の表面に向けて反射させる反射膜(第2反射膜)116を備えてもよい。この場合、図13に示されるように、外周端面の反射膜106で反射された光が基板108の表面(実装用基板101aの実装面)からグローブ1に向けて出射されるように、基板108は、外周端面に、裏面から表面に向けて広がるように傾斜している傾斜面を持つことが好ましい。
また、本実施形態において、複数のLEDチップ102は電極104及び端子105とワイヤボンディングにより接続されるとしたが、図14に示されるように、実装用基板101aにフリップチップ実装されて電極104及び端子105と直接接続されてもよい。
また、本実施形態において、反射膜106は、酸化金属微粒子とガラスフリットから構成されるとした。しかし、反射膜106は、ガラスとガラスにより結着された酸化金属微粒子とから構成されればこれに限られず、例えば酸化金属微粒子とゾルゲル法により形成されたガラスとから構成されてもよい。この場合には、反射材ペーストにおいて粉末ガラスではなく金属アルコキシドが加えられる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態に係るLEDランプ10bの全体構成について説明する。
第2の実施形態に係るLEDランプ10aでは、反射材料として、酸化チタン等の光反射微粒子(酸化金属微粒子)とガラスフリットとを用い、これを基板の裏面(LEDチップが実装される面とは反対側の面)にコーティングして反射膜を形成するとした。
しかしながら、実際に、セラミック基板の裏面に、光反射微粒子とガラスフリットとからなる反射膜を形成してみると、光反射微粒子が脱落する等、反射膜がセラミック基板から剥離することが考えられる。その理由を以下に示す。
セラミック基板におけるLEDチップを実装する面(実装面)には、LEDチップに電流を供給するためにAg(銀)からなるAg電極が所定のパターンで形成されている。そして、当該Ag電極の劣化を防止するために、Ag電極に対してNi(ニッケル)/Au(金)のメッキ処理が施される。
このような実装用基板において、Ag電極形成工程、反射膜形成工程及びメッキ処理工程は、この順で行われる。すなわち、まず、セラミック基板のLEDチップを実装する側の面にAgペーストを所定のパターンで印刷し、700℃〜800℃の温度範囲で焼成する。これにより、所定のパターンのAg電極が形成される。次に、粉末状の光反射微粒子、ガラス粉末、バインダー及び溶剤を混練したペーストをセラミック基板の裏面に塗布し、700℃〜800℃の温度で焼成する。これにより、光反射微粒子とガラスフリットとからなる反射膜を形成することができる。次に、Ag電極に対して、Ni/Auのメッキ処理を施す。Ni/Auのメッキ処理では、まず、Ag電極及び反射膜が形成されたセラミック基板を所定の酸性溶液中に浸漬させて、その後、Niメッキ溶液とAuメッキ溶液に順次浸漬させる。これにより、Ag電極の表面にNi層とAu層が形成される。
その結果、メッキ処理の際の酸性溶液によって、反射膜のガラスフリットが浸食され、光反射微粒子がセラミック基板から剥がれ落ちてしまうことが考えられる。
この問題を解決する一方法として、メッキ処理工程の後に反射膜形成工程を行うことも考えられる。しかしながら、上述のように反射膜形成工程には700℃〜800℃という熱処理があるため、反射膜形成工程の前にメッキ処理工程を行うと、メッキ処理によって形成されたNi層が反射膜形成工程の熱処理によって酸化してしまう。これにより、Ni/Au層が剥がれ落ちることが問題となる。従って、メッキ処理工程の後に反射膜形成工程を行うことはできない。
以上のとおり、光反射微粒子とガラスフリットとからなる反射膜を用いた場合、Ag電極のメッキ処理によって光反射微粒子が剥離してしまうことが考えられる。従って、本実施形態に係るLEDランプ10bは、反射膜の光反射微粒子の剥離を抑制することが可能な構成を有する。
図15は、本実施形態に係るLEDランプ10bの断面図である。図16は、同実施形態に係るLEDランプ10bの分解斜視図である。
このLEDランプ10bは、グローブ1、口金2、ヒートシンク3、LEDモジュール4b、光源取り付け部材5、樹脂ケース6、電源回路7及び絶縁リング8を備える。LEDランプ10bは、LEDモジュール4aが実装用基板101bを有するLEDモジュール4bに置き換わっているという点で図8及び図9で示した第2の実施形態に係るLEDランプ10aと異なる。具体的には、実装用基板101bの反射膜が多層反射膜412から構成されるという点で第2の実施形態に係るLEDランプ10aと異なる。
図17は、LEDモジュール4bが光源取り付け部材3に配置されている様子を示したものであり、本実施形態に係るLEDランプ10bの一部切り欠き斜視図である。
図17に示すように、LEDモジュール4bは、光源取り付け部材5に配置されている。LEDモジュール4bの端子電極は、電源回路7の電力出力部から延出されるリード線に接続される2つの電極73a及び73bが接続される。2つの電極7aからLEDモジュール4bに直流電力が供給され、LEDモジュール4bのLEDチップが発光する。これにより、LEDモジュール4bから照明光が放出される。
次に、上記のLEDランプ10bに備えられるLEDモジュール4bについて、図18A〜図18Cを用いて説明する。図18Aは、本実施形態に係るLEDモジュール4bの外観斜視図である。また、図18Bは、本実施形態に係るLEDモジュール4bの平面図であり、図18Cは、図18BのX−X’線に沿って切断したLEDモジュール4bの断面図である。
図18A〜図18Cに示すように、本実施形態に係るLEDモジュール4bは、所定の照明光を放出する表面実装型の発光モジュール(発光ユニット)であって、実装用基板101bと、実装用基板101bに実装された複数のLEDチップ102と、LEDチップ102を被覆する封止部材103と、実装用基板101b上に所定のパターンで形成された電極(配線電極)104と、電源回路7から所定の直流電力を受電し、電極104及びワイヤー107を介してLEDチップ102に当該直流電力を給電する端子(端子電極)105と、LEDチップ102と電極104とを電気的に接続するワイヤー107とを備える。
本発明の実施形態に係る実装用基板101bは、図18Cに示すように、LEDチップ102を実装するための基板であって、基板108と多層反射膜(第1反射膜)412とからなる。
基板108は、LEDチップ102が実装される実装面としての一方の主面(表面)108aと、当該表面108aとは反対側の面である他方の主面(裏面)108bとを有する。また、基板108は、LEDチップ102の発光光に対して透光性を有する透光性基板であり、LEDチップ102からの発光光を透過させる。なお、基板108はLEDチップ102の発光光に対して1%以上の透過率を有する基板であれば構わない。また、基板108としては、LEDチップ102の熱を効率的に放熱することができるように、放熱性に優れた高い熱伝導率を有する基板を用いることが好ましい。本実施形態では、透過率が2%で、熱伝導率が25(W/m・K)であるセラミック基板を用いた。
多層反射膜412は、本発明に係る多層膜であって、基板108側に形成される第1の反射膜(第1の膜)413と、第1の反射膜413の基板108側とは反対側に形成される第2の反射膜(第1の膜)414とを有する。多層反射膜412の詳細構成は後述する。
LEDチップ102は、本発明に係る半導体発光素子であって、本実施形態では、単色の可視光を発するベアチップである。LEDチップ102は、実装用基板101bの表面108aに実装される。LEDチップ102は、全方位、つまり側方、上方及び下方に向けて光を発するチップであり、例えば、側方に全光量の20%、上方に全光量の60%、下方に全光量の20%の光を発する。
封止部材(蛍光体含有樹脂)103は、所定の蛍光体粒子が含有された樹脂で構成されており、LEDチップ102を被覆してLEDチップ102及び電極104を封止するとともに、所望の色の照明光を放出させるためにLEDチップ102の発光光を色変換する。封止部材103は、シリコーン樹脂等の透光性材料に所定の蛍光体粒子が分散されて構成されており、当該蛍光体粒子によってLEDチップ102の発光光が所望の色に変換される。
電極104は、基板108の表面(実装用基板101bの表面108a)に所定のパターンで形成された配線パターンであり、LEDチップ102とワイヤー107によって電気的に接続されている。本実施形態において、電極104は、Agで構成されたAg電極を用いた。また、電極104には、Ni/Auメッキ処理が施されており、電極104の表面には、Ni層とAu層が積層されている。
端子105は、基板108の外周端部表面に設けられた電極パッドであり、電源回路7からの直流電力を受電する電極である。また、端子105にもNi/Auメッキ処理が施されており、端子105の表面には、Ni層とAu層が積層されている。
ワイヤー107は、例えば、金ワイヤーであり、LEDチップ102と電極104とはワイヤボンディングによって電気的に接続される。
なお、本実施形態では、図18Bに示すように、16個のLEDチップ102が実装用基板101b上に実装されており、ライン状に配列された4つのLEDチップ102同士が直列接続となるように構成されている。また、各ライン同士のLEDチップ102が並列接続となるように構成されている。
また、本実施形態に係るLEDモジュール4bにおいて、放出する照明光は白色に設定されている。そこで、まず、LEDチップ102としては、中心波長が450nm〜470nmの青色の光を発光する青色LEDを用いる。青色LEDとしては、光透過性の基板上にGaN系化合物半導体層が形成されて構成された半導体発光素子を用いることができる。
次に、封止部材103に含まれる蛍光体粒子としては、LEDチップ102の発光光によって黄色の光を励起する黄色蛍光体粒子を用いる。黄色蛍光体粒子としては、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体材料を用いることができる。
このように、本実施形態に係るLEDモジュール4bでは、LEDチップ102として青色の光を発光する青色LEDを用い、封止部材103の蛍光体粒子として黄色蛍光体粒子を用いる。これにより、黄色蛍光体は青色LEDの青色発光光によって励起されて黄色光を放出する。そして、黄色蛍光体による黄色光と青色LEDによる青色光とによって白色光が生成され、当該白色光がLEDモジュール4bから放出される。
なお、LEDチップ102の材料又は蛍光体の材料、あるいは、LEDチップ102と蛍光体との組み合わせは、上記のものに限定されるものではない。
次に、本実施形態に係る多層反射膜412の詳細構成について、図19を用いて説明する。図19は、図18Cの破線で囲まれる領域Aの拡大図であって、本発明の実施形態に係る実装用基板101bの部分拡大断面図である。
図19に示すように、多層反射膜412の第1の反射膜413は、本発明に係る第1の膜であって、基板108の裏面108bに被膜形成されている。第1の反射膜413は、主に光反射微粒子(酸化金属微粒子)413aとガラスフリット413bとで構成されており、基板108を透過して基板108の裏面108bに到達したLEDチップ102の光を基板108の表面108aに向けて反射させる高反射膜である。
第1の反射膜413の光反射微粒子413aは、LEDチップ102の光を反射する材料で構成されており、可視光に対する反射率が高い材料で構成されている。光反射微粒子413aとしては、例えば、ルチル型又はアナターゼ型等の酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニア、酸化アルミニウム並びに酸化亜鉛等からなる酸化金属微粒子を用いることができる。なお、光反射微粒子における微粒子とは、数μm以下の粒系を有する粒子をいう。本実施形態では、光反射微粒子413aとして、粒径が0.20μmのルチル型の酸化チタン(TiO2)を用いた。
また、第1の反射膜413のガラスフリット413bは、光反射微粒子413aを基板108に結着させる結着材であり、可視光に対する透過率が高い材料で構成されている。また、ガラスフリット413bは、酸化シリコン(SiO2)を主成分とする材料で構成されている。ガラスフリット413bは、ガラス粉末を加熱して溶解することによって形成することができる。本実施形態において、ガラスフリット413bのガラス粉末は、SiO2−B2O3−R2O(但し、R2Oは、Li2O、Na2O、又は、K2Oである)を用いることができる。
本実施形態において、第1の反射膜413は、当該第1の反射膜413におけるガラスフリット413bの体積濃度が20%(vol%)未満となるように構成されている。言い換えると、第1の反射膜413における光反射微粒子413aの体積濃度が80%を超えるように構成されている。これにより、第1の反射膜413の可視光に対する反射率を90%以上とすることができ、金属単体の反射板を用いた場合と同程度以上の高反射率を有する反射膜を実現することができる。なお、第1の反射膜413における光反射微粒子413aの体積濃度を大きくすればするほど反射率が大きくなるとともに、第1の反射膜413を透過して第2の反射膜414に入射する光は減少する。従って、第1の反射膜413におけるガラスフリット413bの体積濃度は20%未満とすることが好ましい。本実施形態では、第1の反射膜413におけるガラスフリット413bの体積濃度は10%とした。
次に、多層反射膜412を構成する第2の反射膜414について説明する。図19に示すように、第2の反射膜414は、本発明に係る第2の膜であって、第1の反射膜413に積層するようにして形成されている。第2の反射膜414は、主に光反射微粒子414aとガラスフリット414bとで構成されており、第1の反射膜413と同様に、第2の反射膜414にも光反射微粒子414aを含有させている。これにより、基板108及び第1の反射膜413を透過して第2の反射膜414に到達したLEDチップ102の光は、第2の反射膜414によって、基板108の表面108aに向けて反射させることができる。
このように、第2の反射膜414の光反射微粒子414aは、第1の反射膜413の光反射微粒子413aと同様に、LEDチップ102の光を反射する材料で構成されている。光反射微粒子414aとしては、例えば、ルチル型又はアナターゼ型等の酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニア、酸化アルミニウム並びに酸化亜鉛等からなる酸化金属微粒子を用いることができる。なお、光反射微粒子414aとしては、第1の反射膜413の光反射微粒子413aと同様に、粒径が0.20μmのルチル型の酸化チタン(TiO2)を用いた。
また、第2の反射膜414のガラスフリット414bは、第1の反射膜413のガラスフリット413bと同様に、光反射微粒子414aを基板108に結着させる結着材であり、可視光に対する透過率が高い材料で構成されている。ガラスフリット414bは、酸化シリコン(SiO2)を主成分とする材料で構成されており、SiO2−B2O3−R2O(但し、R2Oは、Li2O、Na2O、又は、K2Oである)を用いることができる。
第2の反射膜414におけるガラスフリット414bの体積濃度は、第1の反射膜413におけるガラスフリット413bの体積濃度よりも高くなるように設定されており、ガラスフリット414bの体積濃度が20%(vol%)以上となるように構成されている。本実施形態では、第2の反射膜414におけるガラスフリット414bの体積濃度は30%とした。
以上、本発明の実施形態に係る実装用基板101bの多層反射膜412は、第2の反射膜414におけるガラスフリット414bの体積濃度が、第1の反射膜413におけるガラスフリット413bの体積濃度よりも高くなるように構成されている。すなわち、第1の反射膜413の光反射微粒子413aの体積濃度(含有量)は、第2の反射膜414の光反射微粒子414aの体積濃度(含有量)よりも大きい。
これにより、基板108側の第1の反射膜413は、高反射率の反射膜として機能させることができ、一方、第1の反射膜413を覆う第2の反射膜414は、第1の反射膜413の保護膜として機能させることができる。
従って、第1の反射膜413については、光反射微粒子413aが基板108に接着できる程度にまでガラスフリット413bの使用量を抑え、光反射微粒子413aの体積濃度(含有率)を可能な限り高く設定することができる。これにより、第1の反射膜413を、可視光に対する反射率が90%以上の高反射膜とすることができる。
また、第2の反射膜414は、第1の反射膜413の光反射微粒子413aが剥離しないようにするものであり、かつ、実装用基板101bがメッキ処理時の酸性溶液に浸漬されたとしても、当該第2の反射膜414自体の光反射微粒子414aが剥離しないように構成されている。第2の反射膜414の光反射微粒子414aが剥離しないようにするには、第2の反射膜414のガラスフリット414bの体積濃度は20%(vol%)以上とすることが好ましい。
さらに、本実施形態では、第2の反射膜414には光反射微粒子414aが含有されている。従って、第2の反射膜414は、反射膜としての付加的な機能も有する。これにより、基板108と第1の反射膜413とを透過して第2の反射膜414に到達するLEDチップ102の光が存在したとしても、当該LEDチップ102の光を第2の反射膜414によって基板108の表面108aに向けて反射させることができる。
次に、第2の反射膜414のガラスフリット414bの体積濃度を20%(vol%)以上とすることにより、第2の反射膜414が剥離しなくなる理由について説明する。
図19に示すように、それぞれ光反射微粒子とガラスフリットとが含まれる第1の反射膜413及び第2の反射膜414の中には空孔413h、414hが発生している。この空孔は、基板108に塗布した反射膜材料のペーストを焼成する際に溶剤やバインダーが気化することによって発生したり、また、反射膜材料のペーストを基板108に塗布する際に、ペーストと基板108間に空気が入り込んで発生したりする。
ここで、第1の反射膜413のように、第1の反射膜413におけるガラスフリット413bの体積濃度が小さいと、発生する空孔413hの数が多くなることが分かった。このとき、空孔413hが多く発生していると、第1の反射膜413を第2の反射膜414で覆わずにメッキ処理を施したときに、メッキ処理時の酸性溶液によって第1の反射膜413の表面付近のガラスフリット413bが浸食されて、これにより結合力が低下した空孔413h周辺の光反射微粒子413aが剥がれ落ちることになる。また、多数の空孔413hの存在により、もともと空孔413h同士間の結合力は小さくなっているので、この状態で、メッキ処理によるガラスフリット413bの浸食があると、空孔413h間に亀裂が生じて光反射微粒子が剥離する。
これに対し、第1の反射膜413を第2の反射膜414で被覆し、第2の反射膜414のガラスフリット414bの体積濃度を20%以上とすることにより、第2の反射膜414内に発生する空孔の数を減少させることができる。これにより、メッキ処理時の酸性溶液によって第2の反射膜414のガラスフリット414bが浸食されても、光反射微粒子414aは剥離しない。
また、第2の反射膜414のガラスフリット414bの体積濃度を20%以上とすることにより、第1の反射膜413と第2の反射膜414との界面に存在する空孔414hも減少させることができるので、第1の反射膜413と第2の反射膜414との密着度を向上させることができる。
このように、第2の反射膜414のガラスフリット414bの体積濃度を20%(vol%)以上とすることにより、反射膜として機能させつつ、第2の反射膜414自体の剥離も防止することができる。
以上、本発明の実施形態に係る実装用基板101bによれば、第1の反射膜413の基板108側とは反対側に第2の反射膜414が形成されているので、第1の反射膜413が基板108から剥離することを抑制することができる。
また、本発明の実施形態に係る実装用基板101bを用いたLEDモジュール4bによれば、LEDチップ102から出射された光のうち実装用基板101bを透過して実装用基板101bの裏面108bに到達した光を、多層反射膜412によって実装用基板101bの表面108a側に反射させることができる。
すなわち、各LEDチップ102から出射された光の大部分は、各LEDチップ102の発光面から所定のビーム角度で実装用基板101bから離れる方向に進行するが、光の一部は実装用基板101bの表面108aの表面及び電極104に照射される。また、LEDチップ102が実装されているLEDチップ102直下の表面108aからも、直接、表面108aに光が照射される。なお、実装用基板101bは、白色のセラミック基板(アルミナ基板)によって構成されているので、表面108aに照射される光の一部は反射されるものの、残りの光は表面108aを通過して実装用基板101bの内部に入射する。
また、本実施形態では、実装用基板101bは、厚さが1.0mm程度と薄いために光透過性になっており、上記の実装用基板101bに入射した光は実装用基板101bを透過する。しかし、実装用基板101bの裏面108bには多層反射膜412が形成されているので、実装用基板101bの内部を透過した光は多層反射膜412によって反射されて、実装用基板101bの表面108aにおけるLEDチップ102も電極104も形成されていない領域から出射される。これにより、実装用基板101bの表面108aによって反射される光の光量に、多層反射膜412によって反射されて実装用基板101bの表面108aから出射される光の光量が加わり、表面108aから照射される光の光量が増加することになる。
従って、LEDチップ102の光を効率的に取り出すことができ、LEDモジュール4bの光取り出し効率を向上させることができる。これにより、各LEDチップ102に供給する電力を増加させることなく、LEDモジュール4bから照射される光量を増加させることができる。
また、本実施形態に係るLEDモジュール4bを備えたLEDランプ10bによれば、光取り出し効率の高いLEDモジュール4bを備えているので、LEDチップ102の光をランプ外部に効率的に取り出すことができるので、LEDランプ10bの発光効率を向上させることができる。
次に、本発明の実施形態に係る実装用基板101bの製造方法について、図5を用いて説明する。
図20は、本発明の実施形態に係る実装用基板101bの製造方法を含む、本発明の実施形態に係るLEDモジュール4bの製造方法のフローチャートである。なお、各構成要素の符号は、上記の各図における符号と同じものを用いた。
まず、セラミック基板である基板108の表面108aに所定形状の電極104及び端子105を形成する(ステップS31)。電極104及び端子105は、導電性ペーストを所定のパターンで塗布し、700℃〜800℃の温度範囲で10分間焼成することによって形成することができる。本実施形態において、電極104及び端子105は、Agを主成分とする銀ペーストを用いてパターン形成した。
次に、第1の反射膜413の原料として、粉末状の光反射微粒子413a、ガラス粉末、バインダー、溶剤及び分散剤を準備し、これらの原料を混練することによって第1の反射膜413を形成するためのペーストを作製し、このペーストを基板108の裏面108bに塗布する(ステップS32)。
次に、第1の反射膜413のペーストが塗布された基板108を、例えば、150℃の温度で30分間乾燥させて、その後、700℃〜800℃の温度で焼成する(ステップS33)。焼成することによって、ガラス粉末が軟化して、光反射微粒子413aの粉末同士が、また、光反射微粒子413aの粉末と基板108とが、ガラスフリット413bにより結着(接合)した第1の反射膜413を形成することができる。この焼成は、例えば、最高温度800℃で10分間の加熱によって行うことができる。
次に、第2の反射膜414の原料として、粉末状の光反射微粒子414a、ガラス粉末、バインダー、溶剤及び分散剤を混練することによって第2の反射膜414を形成するためのペーストを作製し、このペーストを第1の反射膜413の表面に塗布する(ステップS34)。このとき、第2の反射膜414の上記原料を例えば3本ロールの混練機によって混練(混合)することによってペースト状にする。なお、このペーストは、十分に混練して作製することが好ましい。このように、ペーストを十分に混練することにより、焼成後の第2の反射膜414内に発生する空孔の数を減少させることができる。
次に、第2の反射膜414のペーストが塗布された基板108を、例えば、150℃の温度で30分間乾燥させて、その後、700℃〜800℃の温度で焼成する(ステップS35)。焼成することによって、ガラス粉末が軟化して、光反射微粒子414aの粉末同士が、また、光反射微粒子414aの粉末と第1の反射膜413とが、ガラスフリット414bにより結着(接合)した第2の反射膜414を形成することができる。この焼成は、例えば、最高温度800℃で10分間の加熱によって行うことができる。
以上、ステップS32〜S35により、基板108の裏面108bに第1の反射膜413と第2の反射膜414が積層された多層反射膜412を備える実装用基板101bを製造することができる。
次に、電極104及び端子105が劣化することを防止するために、電極104及び端子105に対して、Ni/Auのメッキ処理を行う(ステップS36)。Ni/Auのメッキ処理では、まず、電極104、端子105及び多層反射膜412が形成された実装用基板101bをpH4の酸性溶液に浸漬して、電極104及び端子105の表面に固着している酸化物等を除去する。その後、実装用基板101bをNiメッキ液に浸漬してNiメッキを施し、電極104及び端子105上にNi層(Ni被膜)を形成する。その後、実装用基板101bをAuメッキ液に浸漬して、Ni層上にAu層(Au被膜)を形成する。なお、Niメッキ液に浸漬する前に、所望の触媒液に浸漬してもよい。また、Niメッキ液に浸漬する際に、所望の還元剤を用いてもよい。
次に、実装用基板101bの表面108aの所定の領域に、LEDチップ102を実装する(ステップS37)。LEDチップ102の実装は、ダイアタッチ剤等によって実装用基板101bにダイボンディングすることにより行われる。
次に、LEDチップ102と電極104とを所望の電気的接続となるように、LEDチップ102のp側電極(又はn側電極)と電極104とをワイヤー107を用いてワイヤボンディングする(ステップS38)。
最後に、実装用基板101b上に封止部材103を塗布することによって、実装用基板101bの表面108a上の全てのLEDチップ102と電極104とを封止部材103によって封止する(ステップS39)。
以上のようにして、本発明の実施形態に係るLEDモジュール4bを製造することができる。
(変形例1)
次に、本実施形態の変形例1に係る実装用基板101bについて、図21を用いて説明する。図21は、本変形例1に係る実装用基板101bの一部拡大断面図である。なお、図21は、図19に対応するものであり、図18A〜図19に示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その説明は省略する。また、図21に示す構成要素以外の構成要素は、図15〜図18Cに示す構成要素と同様である。
図21に示す本変形例1に係る実装用基板101bが、図19に示す本実施形態に係る実装用基板101bと異なる点は、多層反射膜の構成である。それ以外の構成は、本実施形態に係る実装用基板101bと同じ構成である。
図21に示すように、本変形例1に係る実装用基板101bの多層反射膜512は、基板108側に形成される反射膜(第1の膜)513と、反射膜513の基板108側とは反対側に形成される保護膜(第2の膜)514とによって構成されている。
反射膜513は、本発明に係る第1の膜であって、図19に示す第1の反射膜413と同様の構成である。従って、反射膜513の詳細な説明は省略する。
保護膜514は、本発明に係る第2の膜であって、反射膜513を被覆するように形成されている。保護膜514は、図19に示す第2の反射膜414とは異なり、ガラスフリットのみから構成されている。すなわち、保護膜514には、光反射微粒子は含有されていない。
このように、本変形例1に係る実装用基板101bによれば、実装用基板101bに対してメッキ処理を施して酸性溶液に浸漬させたとしても、反射膜513の基板108側とは反対側に保護膜514が形成されているので、反射膜513の剥離を抑制することができる。また、保護膜514はガラスフリットのみからなり光反射微粒子を含んでいないので、メッキ処理が施されても光反射微粒子の剥離は全く生じない。
なお、メッキ処理工程の酸性溶液によって浸食されるガラスフリットは2μm〜3μm程度であるので、保護膜514の膜厚は10μm〜20μmとすることが好ましい。
(変形例2)
次に、本実施形態の変形例2に係る実装用基板101bについて、図22を用いて説明する。図22は、本変形例2に係る実装用基板101bの一部拡大断面図である。なお、図21において、図20に示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その説明は省略する。
図22に示す本変形例2に係る実装用基板101bが、図21に示す本実施形態の変形例1に係る実装用基板101bと異なる点は、多層反射膜の構成である。それ以外の構成は、本実施形態の変形例1に係る実装用基板101bと同じ構成である。
図22に示すように、本変形例2に係る実装用基板101bの多層反射膜612は、基板108と反射膜513との間に形成された間接層(第3の膜)614と、反射膜513と、保護膜514とによって構成されている。
間接層614は、本発明に係る第3の膜であって、ガラスフリットのみで構成されている。本変形例では、間接層614によって、基板108と反射膜513とが接着されている。
本変形例2に係る実装用基板101bは、上記の変形例1に係る実装用基板101bと同様の効果を得ることができる。さらに、本変形例に係る実装用基板101bによれば、ガラスフリットのみからなる間接層614によって基板108と反射膜513とを接着しているので、基板108と反射膜513との接着力を向上させることができる。
なお、間接層614は、図19に示す実施形態に係る実装用基板101bに適用しても構わない。つまり、図19示す実装用基板101bにおいて、基板108と第1の反射膜413との間に間接層614を形成しても構わない。また、間接層614は、後述する変形例3に係る実装用基板101bに適用しても構わない。
(変形例3)
次に、本発明の実施形態の変形例3に係る実装用基板101bについて、図23を用いて説明する。図23は、本変形例3に係る実装用基板101bの一部拡大断面図である。なお、図23において、図19に示す構成要素と同じ構成要素については、同じ符号を付しており、その説明は省略する。
図23に示す本変形例3に係る実装用基板101bが、図19に示す本実施形態に係る実装用基板101bと異なる点は、多層反射膜の構成である。それ以外の構成は、本実施形態に係る実装用基板101bと同じ構成である。
図23に示すように、本変形例3に係る実装用基板101bの多層反射膜712は、第1の反射膜413と、第2の反射膜414と、第2の反射膜414の第1の反射膜413とは反対側に形成される保護膜(第3の膜)714とによって構成される。
保護膜714は、本発明に係る第3の膜であって、第2の反射膜414を被覆するように形成されている。保護膜714は、図21に示す変形例1に係る実装用基板101bの保護膜514と同様の膜で構成されており、ガラスフリットのみからなる。すなわち、保護膜714には、光反射微粒子は含有されていない。
このように、本変形例3に係る実装用基板101bによれば、実装用基板101bに対してメッキ処理を施して酸性溶液に浸漬させたとしても、第2の反射膜414の基板108側とは反対側に保護膜714が形成されているので、第2の反射膜414の剥離を抑制することができる。また、保護膜714はガラスフリットのみからなり光反射微粒子を含んでいないので、メッキ処理が施されても光反射微粒子の剥離は全く生じない。
なお、メッキ処理工程の酸性溶液によって浸食されるガラスフリットは2μm〜3μm程度であるので、変形例1と同様に、保護膜714の膜厚は10μm〜20μmとすることが好ましい。
なお、本実施形態及び変形例では、多層反射膜412、512、612、712は、2層の膜で構成したが、これに限らず、その他の膜を含んでいても構わない。
また、多層反射膜の反射膜は、ガラス粉末を用いてガラスフリットで構成したが、これに限らない。例えば、ゾルゲルガラスに光反射微粒子を分散させて硬化させたガラスによって反射膜を構成しても構わない。
また、本実施形態では、LEDチップ102と電極104とはワイヤボンディングによって接続したが、これに限らない。例えば、LEDチップ102と電極104との間にバンプを設けたフリップチップ実装によって、LEDチップ102と電極104とを接続しても構わない。
また、本実施形態では、実装用基板101bの基板108として、厚さが1.0mmのセラミック基板(アルミナ基板)を用いたが、基板108としてはLEDチップ102の光に対して光透過性を有していれば、材質、厚さについては特に限定されない。例えば、基板108としてセラミック基板を使用する場合には、0.1mm〜1.0mmの厚さであればよい。このような厚さのセラミック基板であれば、青色LEDの光はセラミック基板内を透過することができる。また、実装用基板101bの基板108の材質としては、セラミック基板に限らず、ガラス基板又フィルム基板等のその他の光透過性を有する基板を用いても構わない。但し、基板108の多層反射膜412を700℃〜800℃の温度で焼成して形成する場合は、高耐熱性の基板を用いる必要がある。
また、本実施の形態に係るLEDモジュール4bは、電球型ランプの光源として用いたが、これに限らない。また、本発明に係るLEDモジュールを電球型ランプの光源として用いる場合は、当該電球型ランプを点灯器具とランプカバーとを備えるような照明器具にも適用し、電球型LEDランプを備えた照明器具を構成することもできる。
(第4の実施形態)
次に、本発明の第4の実施形態に係るLEDランプ10cの全体構成について説明する。
本実施形態に係るLEDランプ10cは、第3の実施形態に係るLEDランプ10bと同様に、反射膜の光反射微粒子の剥離を抑制することが可能な構成を有する。
図24は、本実施形態に係るLEDランプ10cの断面図である。図25は、同実施形態に係るLEDランプ10cの分解斜視図である。
このLEDランプ10cは、グローブ1、口金2、ヒートシンク3、LEDモジュール4c、光源取り付け部材5、樹脂ケース6、電源回路7及び絶縁リング8を備える。LEDランプ10cは、LEDモジュール4aが実装用基板101cを有するLEDモジュール4cに置き換わっているという点で図8及び図9で示した第2の実施形態に係るLEDランプ10aと異なる。具体的には、実装用基板101cの反射膜(第1反射膜)812のガラスフリットの体積濃度が20%以上にされているという点で第2の実施形態に係るLEDランプ10aと異なる。
図26は、LEDモジュール4cが光源取り付け部材5に配置されている様子を示したものであり、本実施形態に係るLEDランプ10cの一部切り欠き斜視図である。
図26に示すように、LEDモジュール4cは、光源取り付け部材5に配置されている。LEDモジュール4cの端子電極は、電源回路7の電力出力部から延出されるリード線に接続される2つの電極73a及び73bが接続される。2つの電極73a及び73bからLEDモジュール4cに直流電力が供給され、LEDモジュール4cのLEDチップが発光する。これにより、LEDモジュール4cから照明光が放出される。
次に、上記のLEDランプ10cに備えられるLEDモジュール4cについて、図27A〜図27Cを用いて説明する。図27Aは、本実施形態に係るLEDモジュール4cの外観斜視図である。また、図27Bは、本実施形態に係るLEDモジュール4cの平面図であり、図27Cは、図27BのX−X’線に沿って切断したLEDモジュール4cの断面図である。
図27A〜図27Cに示すように、本実施形態に係るLEDモジュール4cは、所定の照明光を放出する表面実装型の発光モジュール(発光ユニット)であって、実装用基板101cと、実装用基板101cに実装された複数のLEDチップ102と、LEDチップ102を被覆する封止部材103と、実装用基板101c上に所定のパターンで形成された電極(配線電極)104と、電源回路7から所定の直流電力を受電し、電極104及びワイヤー107を介してLEDチップ102に当該直流電力を給電する端子(端子電極)105と、LEDチップ102と電極104とを電気的に接続するワイヤー107とを備える。
実装用基板101cは、図27Cに示すように、LEDチップ102を実装するための基板であって、基板108と反射膜(第1反射膜)812とからなる。
基板108は、LEDチップ102が実装される実装面としての一方の主面(表面)108aと、当該表面108aとは反対側の面である他方の主面(裏面)108bとを有する。また、基板108は、LEDチップ102の発光光に対して透光性を有する透光性基板であり、LEDチップ102からの発光光を透過させる。なお、基板108はLEDチップ102の発光光に対して1%以上の透過率を有する基板であれば構わない。また、基板108としては、LEDチップ102の熱を効率的に放熱することができるように、放熱性に優れた高い熱伝導率を有する基板を用いることが好ましい。本実施形態では、透過光率が2%で、熱伝導率が25(W/m・K)であるセラミック基板を用いた。
反射膜812は、主に光反射微粒子とガラスフリットとで構成され、図27Cに示すように、基板108の裏面108bに被覆形成される。反射膜812は、基板108を透過して基板108の裏面108bに到達したLEDチップ102の光を基板108の表面108aに向けて反射させる高反射膜である。
反射膜812に含有される光反射微粒子(酸化金属微粒子)は、LEDチップの光を反射する材料で構成されており、可視光に対する反射率が高い材料で構成されている。光反射微粒子としては、例えば、ルチル型又はアナターゼ型等の酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニア、酸化アルミニウム並びに酸化亜鉛等からなる酸化金属微粒子を用いることができる。なお、光反射微粒子における微粒子とは、数μm以下の粒径を有する粒子をいう。本実施形態では、光反射微粒子として、粒径が0.20μmのルチル型の酸化チタン(TiO2)を用いた。
また、ガラスフリットは、光反射微粒子を基板108に結着させる結着材であり、可視光に対する透過率が高い材料で構成されている。また、ガラスフリットは、酸化シリコン(SiO2)を主成分とする材料で構成されている。ガラスフリットは、ガラス粉末を加熱して溶解することによって形成することができる。本実施形態において、ガラスフリットのガラス粉末は、SiO2−B2O3−R2O(但し、R2Oは、Li2O、Na2O、又は、K2Oである)を用いることができる。
実装用基板101cの反射膜812は、当該反射膜812におけるガラスフリットの体積濃度が20%(vol%)以上となるように構成されている。このように構成することにより、光反射微粒子が基板108から剥離することを抑制することができる。また、ガラスフリットの体積濃度は60%以下とすることが好ましい。さらに、反射膜812の膜厚は20μm以上であることが好ましい。これらにより、反射膜812の可視光に対する反射率を90%以上とすることができ、金属単体の反射板を用いた場合と同程度の高反射率を有する反射膜を実現することができる。
LEDチップ102は、本発明に係る半導体発光素子であって、本実施形態では、単色の可視光を発するベアチップである。LEDチップ102は、実装用基板101cの表面108aに実装される。LEDチップ102は、全方位、つまり側方、上方及び下方に向けて光を発するチップであり、例えば、側方に全光量の20%、上方に全光量の60%、下方に全光量の20%の光を発する。
封止部材(蛍光体含有樹脂)103は、所定の蛍光体粒子が含有された樹脂で構成されており、LEDチップ102を被覆してLEDチップ102及び電極104を封止するとともに、所望の色の照明光を放出させるためにLEDチップ102の発光光を色変換する。封止部材103は、シリコーン樹脂等の透光性材料に所定の蛍光体粒子が分散されて構成されており、当該蛍光体粒子によってLEDチップ102の発光光が所望の色に変換される。
電極104は、基板108の表面(実装用基板101cの表面108a)に所定のパターンで形成された配線パターンであり、LEDチップ102とワイヤー107によって電気的に接続されている。本実施形態において、電極104は、Agで構成されたAg電極を用いた。また、電極104には、Ni/Auメッキ処理が施されており、電極104の表面には、Ni層とAu層が積層されている。
端子105は、基板108の外周端部表面に設けられた電極パッドであり、電源回路7からの直流電力を受電する電極である。また、端子105にもNi/Auメッキ処理が施されており、端子105の表面には、Ni層とAu層が積層されている。
ワイヤー107は、例えば、金ワイヤーであり、LEDチップ102と電極104とはワイヤボンディングによって電気的に接続される。
なお、本実施形態では、図27Bに示すように、16個のLEDチップ102が実装用基板101c上に実装されており、ライン状に配列された4つのLEDチップ102同士が直列接続となるように構成されている。また、各ライン同士のLEDチップ102が並列接続となるように構成されている。
また、本実施形態に係るLEDモジュール4cにおいて、放出する照明光は白色に設定されている。そこで、まず、LEDチップ102としては、中心波長が450nm〜470nmの青色の光を発光する青色LEDを用いる。青色LEDとしては、光透過性の基板上にGaN系化合物半導体層が形成されて構成された半導体発光素子を用いることができる。
次に、封止部材103に含まれる蛍光体粒子としては、LEDチップ102の発光光によって黄色の光を励起する黄色蛍光体粒子を用いる。黄色蛍光体粒子としては、YAG(イットリウム・アルミニウム・ガーネット)系蛍光体材料を用いることができる。
このように、本実施形態に係るLEDモジュール4cでは、LEDチップ102として青色の光を発光する青色LEDを用い、封止部材103の蛍光体粒子として黄色蛍光体粒子を用いる。これにより、黄色蛍光体は青色LEDの青色発光光によって励起されて黄色光を放出する。そして、黄色蛍光体による黄色光と青色LEDによる青色光とによって白色光が生成され、当該白色光がLEDモジュール4cから放出される。
なお、LEDチップ102の材料又は蛍光体の材料、あるいは、LEDチップ102と蛍光体との組み合わせは、上記のものに限定されるものではない。
次に、本発明の実施形態に係る実装用基板101cの作用効果について、図28〜図30Bを用いて説明する。図28は、光反射微粒子とガラスフリットとからなる反射膜が形成された実装用基板において、反射膜におけるガラスフリットの体積濃度と光反射微粒子の剥離との関係を示す図である。なお、ガラスフリットの体積濃度が図28に示す各所定の値となるように、混練する酸化チタン(チタニア粉末)とガラス粉末との割合を調整して反射膜を形成した。また、セラミック基板に形成されたAg電極に対してNi/Auメッキ処理を施した後に、反射膜の剥離具合を調べた。反射膜の剥離具合は、メッキ処理後の反射膜に粘着テープを貼って当該粘着テープを剥がした後に、粘着テープに反射膜が付着しているかどうかで判断した。図28中の「○」は、粘着テープに反射膜が全く付着しなかった状態を示しており、「×」は、反射膜が少しでも付着していた状態を示している。また、各体積濃度のガラスフリットを有する反射膜については、それぞれ十数個程度作製して実験したが、同じ体積濃度の反射膜については全て同じ結果が得られた。
図28に示すように、反射膜812におけるガラスフリットの体積濃度が10%の場合は反射膜812(酸化チタン)が剥離したが、ガラスフリットの体積濃度が20%以上の場合は、反射膜812は剥離しなかった。
このように、実装用基板101cにメッキ処理を施したとしても、反射膜812におけるガラスフリットの体積濃度を20%以上とすることによって、反射膜812の剥離を防止することができる。
次に、この反射膜812が剥離する様子について、図29A〜図30Bを用いて説明する。図29A〜図30Bは、反射膜の詳細構造を示すための図であり、図29A及び図29Bは、比較例に係る実装用基板の部分拡大断面図であり、図30A及び図30Bは、図27Cの破線で囲まれる領域Aの拡大図であって、本実施形態に係る実装用基板101cの部分拡大断面図である。また、各図において、図29Aは、メッキ処理前における比較例に係る実装用基板の部分拡大断面図であり、図29Bは、メッキ処理後における比較例に係る実装用基板の部分拡大断面図である。また、図30Aは、メッキ処理前における本実施形態に係る実装用基板101cの部分拡大断面図であり、図30Bは、メッキ処理後における本実施形態に係る実装用基板101cの部分拡大断面図である。
ここで、図29A及び図29Bに示す比較例に係る実装用基板2210は、基板2110の裏面2110bに、酸化チタンの光反射微粒子2120aとガラスフリット2120bとによって反射膜2120を構成し、当該反射膜2120におけるガラスフリット2120bの体積濃度を10%としたものである。また、図30A及び図30Bに示す本実施形態に係る実装用基板101cは、同じく酸化チタンの光反射微粒子812aとガラスフリット812bとによって反射膜812を構成し、当該反射膜812におけるガラスフリット812bの体積濃度を30%としたものである。
図29Aに示すように、比較例に係る実装用基板2210においては、反射膜2120の中に多数の空孔2120hが発生している。この空孔2120hは、基板2110に塗布した反射膜材料のペーストを焼成する際に溶剤やバインダーが気化することによって発生したり、また、反射膜材料のペーストを基板2110に塗布する際に、ペーストと基板108間に空気が入り込んで発生したりする。
この状態で、基板2110に対してメッキ処理を施すと、図29Bに示すように、メッキ処理の際の酸性溶液によってガラスフリット2120bが浸食され、これにより、結合力が低下した空孔2120h周辺の光反射微粒子2120aが剥がれ落ちる。また、多数の空孔2120hの存在によって空孔2120h同士間の結合力が小さくなっている状態において、メッキ処理によるガラスフリット2120bの浸食があると、図29Bの太曲線で示すように空孔2120h間に亀裂が生じて光反射微粒子2120aが剥離することもある。
これに対し、図30Aに示す本実施形態に係る実装用基板101cでは、図29Aに示す比較例に係る実装用基板2210と比べると、反射膜812内に発生する空孔812hの数が減少していることが分かる。特に、酸性溶液によって浸食される反射膜812の露出面付近において空孔812hが減少している。これにより、メッキ処理の際の酸性溶液によってガラスフリット812bが浸食されても、図30Bに示すように、光反射微粒子812aは剥離しない。また、図30A及び図30Bに示すように、基板108と反射膜812との界面に存在する空孔812hも減少するので、基板108と反射膜812との密着度を向上させることができる。
次に、本実施形態に係る反射膜812におけるガラスフリット812bの体積濃度と反射率との関係について実験したので、この実験結果について図31を用いて説明する。図31は、ガラスフリット812bの体積濃度を変化させた場合におけるガラスフリット812bの体積濃度と反射率との関係を示す図である。なお、図31の測定では、アルミナ純度が96%で、厚さが1.0mmのセラミック基板上に、膜厚が30μmの反射膜812を形成した実装用基板101cを用いた。また、反射率の測定は、分光計を用いて450nm〜690nmの波長領域の可視光を実装用基板101cに照射して行った。
ここで、本実施形態に係る実装用基板101cの反射膜812の反射率として必要な反射率は、金属の反射率と同程度の90%以上とすることが好ましい。そして、反射光に含まれる波長としては、550nmの緑色を中心として長波長側が700nm程度までであれば十分であることを考慮すると、図31に示すように、反射膜812におけるガラスフリット812bの体積濃度は約60%以下とすることが好ましい。このように、ガラスフリット812bの体積濃度を約60%以下とすることにより、反射膜812の可視光に対する反射率を90%以上とすることができ、金属単体の反射膜と同程度の反射率を有する反射膜を実現することができる。
次に、本実施形態に係る反射膜812の膜厚と反射率との関係について実験したので、この実験結果について図32を用いて説明する。図32は、反射膜812の膜厚を変化させた場合における反射膜812の膜厚と反射率との関係を示す図である。なお、図32における反射膜のガラスフリットの体積濃度は30%である。
ここで、上述のように、反射膜812の反射率として必要な反射率は90%以上であることが好ましい。同様に、反射光に含まれる波長としては700nm程度までであれば十分であることを考慮すると、図32に示すように、反射膜812の膜厚は20μm以上であることが好ましい。なお、反射膜812の膜厚が30μmを超えると、反射率は飽和してそれほど向上しないことも分かる。つまり、反射膜812の膜厚としては30μm以下で十分である。
以上、本実施形態に係る実装用基板101cによれば、光反射微粒子812aとガラスフリット812bとからなる反射膜812が基板108から剥離することを抑制することができるとともに、反射膜812の基板108に対する密着度を向上させることができる。また、上述のとおり、反射膜812におけるガラスフリット812bの体積濃度及び膜厚を所望の値とすることにより、高反射率の反射膜812とすることができる。これにより、信頼性が高く、高性能の反射膜812を有する実装用基板101cを提供することができる。
また、本実施形態に係る実装用基板101cを用いたLEDモジュール4cによれば、LEDチップ102から出射された光のうち実装用基板101cを透過して実装用基板101cの裏面108bに到達した光を、反射膜812によって実装用基板101cの表面108a側に反射させることができる。
すなわち、各LEDチップ102から出射された光の大部分は、各LEDチップ102の発光面から所定のビーム角度で実装用基板101cから離れる方向に進行するが、光の一部は実装用基板101cの表面108aの表面及び電極104に照射される。また、LEDチップ102が実装されているLEDチップ102直下の表面108aからも、直接、表面108aに光が照射される。なお、実装用基板101cは、白色のセラミック基板(アルミナ基板)によって構成されているので、表面108aに照射される光の一部は反射されるものの、残りの光は表面108aを通過して実装用基板101cの内部に入射する。
また、本実施形態に係る実装用基板101cは、厚さが1.0mm程度と薄いために光透過性になっており、上記の実装用基板101cに入射した光は実装用基板101cを透過する。しかし、実装用基板101cの裏面108bには反射膜812が形成されているので、実装用基板101cの内部を透過した光は反射膜812によって反射されて、実装用基板101cの表面108aにおけるLEDチップ102も電極104も形成されていない領域から出射される。これにより、実装用基板101cの表面108aによって反射される光の光量に、反射膜812によって反射されて実装用基板101cの表面108aから出射される光の光量が加わり、表面108aから照射される光の光量が増加することになる。
従って、LEDチップ102の光を効率的に取り出すことができ、LEDモジュール4cの光取り出し効率を向上させることができる。これにより、各LEDチップ102に供給する電力を増加させることなく、LEDモジュール4cから照射される光量を増加させることができる。
また、本実施形態に係るLEDモジュール4cを備えたLEDランプ10cによれば、光取り出し効率の高いLEDモジュール4cを備えているので、LEDチップ102の光をランプ外部に効率的に取り出すことができるので、LEDランプ10cの発光効率を向上させることができる。
次に、本発明の実施形態に係る実装用基板の製造方法について、図33を用いて説明する。
図33は、本実施形態に係る実装用基板の製造方法を含む、本実施形態に係るLEDモジュール4cの製造方法のフローチャートである。なお、各構成要素の符号は、上記の各図における符号と同じものを用いた。
まず、セラミック基板である基板108の表面108aに所定形状の電極104及び端子105を形成する(ステップS41)。電極104及び端子105は、導電性ペーストを所定のパターンで塗布し、700℃〜800℃の温度範囲で10分間焼成することによって形成することができる。本実施形態において、電極104及び端子105は、Agを主成分とする銀ペーストを用いてパターン形成した。
次に、粉末状の光反射微粒子812a、ガラス粉末、バインダー、溶剤及び分散剤を混練することによって反射膜材料のペーストを作製し、この反射膜材料のペーストを基板108の裏面108bに塗布する(ステップS42)。このとき、反射膜812の上記材料を例えば3本ロールの混練機によって混練(混合)することによってペースト状にする。なお、このペーストは、十分に混練して作製することが好ましい。このように、反射膜材料のペーストを十分に混練することにより、焼成後の反射膜812内に発生する空孔812hの数を減少させることができる。
次に、反射膜材料のペーストが塗布された基板108を、例えば、150℃の温度で30分間乾燥させて、その後、700℃〜800℃の温度で焼成する(ステップS43)。焼成することによって、ガラス粉末が軟化して、光反射微粒子812aの粉末同士が、また、光反射微粒子812aの粉末と基板108とが、ガラスフリット812bにより結着(接合)した反射膜812を形成することができる。反射膜材料の焼成は、例えば、最高温度800℃で10分間の加熱によって行うことができる。
以上、ステップS42〜S43により、基板108の裏面108bに反射膜812が形成された実装用基板101cを製造することができる。
次に、電極104及び端子105が劣化することを防止するために、電極104及び端子105に対して、Ni/Auのメッキ処理を行う(ステップS44)。Ni/Auのメッキ処理では、まず、電極104、端子105及び反射膜812が形成された実装用基板101cをpH4の酸性溶液に浸漬して、電極104及び端子105の表面に固着している酸化物等を除去する。その後、実装用基板101cをNiメッキ液に浸漬してNiメッキを施し、電極104及び端子105上にNi層(Ni被膜)を形成する。その後、実装用基板101cをAuメッキ液に浸漬して、Ni層上にAu層(Au被膜)を形成する。なお、Niメッキ液に浸漬する前に、所望の触媒液に浸漬してもよい。また、Niメッキ液に浸漬する際に、所望の還元剤を用いてもよい。
次に、実装用基板101cの表面108aの所定の領域に、LEDチップ102を実装する(ステップS45)。LEDチップ102の実装は、ダイアタッチ剤等によって実装用基板101cにダイボンディングすることにより行われる。
次に、LEDチップ102と電極104とを所望の電気的接続となるように、LEDチップ102のp側電極(又はn側電極)と電極104とをワイヤー107を用いてワイヤボンディングする(ステップS46)。
最後に、実装用基板101c上に封止部材103を塗布することによって、実装用基板101cの表面108a上の全てのLEDチップ102と電極104とを封止部材103によって封止する(ステップS47)。
以上のようにして、本実施形態に係るLEDモジュール4cを製造することができる。
以上、本発明に係る実装用基板及びその製造方法、発光モジュール、並びにランプについて、実施形態に基づいて説明してきたが、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態では、ガラス粉末を用いてガラスフリットからなる反射膜812を形成したが、ゾルゲルガラスに光反射微粒子を分散させて硬化させたガラスによって反射膜を構成しても構わない。
また、本実施形態では、LEDチップ102と電極104とはワイヤボンディングによって接続したが、これに限らない。例えば、LEDチップ102と電極104との間にバンプを設けたフリップチップ実装によって、LEDチップ102と電極104とを接続しても構わない。
また、本実施形態では、実装用基板101cの基板108として、厚さが1.0mmのセラミック基板(アルミナ基板)を用いたが、基板108としてはLEDチップ102の光に対して光透過性を有していれば、材質、厚さについては特に限定されない。例えば、基板108としてセラミック基板を使用する場合には、0.1mm〜1.0mmの厚さであればよい。このような厚さのセラミック基板であれば、青色LEDの光はセラミック基板内を透過することができる。また、実装用基板101cの基板108の材質としては、セラミック基板に限らず、ガラス基板又フィルム基板等のその他の光透過性を有する基板を用いても構わない。但し、基板108の反射膜812を700℃〜800℃の温度で焼成して形成する場合は、高耐熱性の基板を用いる必要がある。
なお、本実施形態に係るLEDモジュール4cは、電球型ランプの光源として用いたが、これに限らない。また、本発明に係るLEDモジュールを電球型ランプの光源として用いる場合は、当該電球型ランプを点灯器具とランプカバーとを備えるような照明器具にも適用し、電球型LEDランプを備えた照明器具を構成することもできる。
(第5の実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る照明器具3200の全体構成について説明する。
図34は、同実施形態に係る照明器具3200の概略断面図である。
この照明器具3200は、例えば、室内の天井3300に装着されて使用され、図34に示すように、LEDランプ3210と点灯器具3220とを備える。LEDランプ3210は、第1〜4の実施形態に係るLEDランプを用いることができる。
点灯器具3220は、LEDランプ3210を消灯及び点灯させるものであり、天井3300に取り付けられる器具本体3221と、LEDランプ3210を覆うランプカバー3222とを備える。
器具本体3221には、LEDランプ3210の口金3211が螺着されるソケット3221aを有し、当該ソケット3221aを介してLEDランプ3210に所定の電力が給電される。
なお、ここでの照明器具3200は、一例であり、LEDランプ3210の口金3211を螺着するためのソケット3221aを備える照明器具であれば構わない。また、照明器具3200は、1つのランプを備えるものであるが、複数、例えば、2個以上のランプを備えるものであっても構わない。
以上のように、本実施形態の照明器具3200は、第1〜4の実施形態のLEDランプを備えるため、発光効率を十分に向上させることができる。
以上、本発明の実装用基板及びその製造方法、発光モジュール並びに照明装置について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、複数の実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。