以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明が適用される生体磁気計測装置の概略構成図である。図1において、環境磁気雑音の影響を除去するために、生体磁気計測装置は磁気シールドルーム1内に設置される。生体被検者2は、ベッド3に仰向け状態で配置され、計測が行われる。被検者2の生体面(胸部の場合は一般に胸壁に平行な面)はベッド3の面とほぼ平行であるとし、この面は直交座標系(x,y,z)のx−y平面と平行であるものとする。被検者2の胸部は曲面であると共に傾いているが、説明を簡単にするためにほぼ平行とする。
被検者2の胸部の上方には、冷媒である液体Heで満たされたデユワ4が配置され、このデユワ4は超伝導量子干渉素子(SQUID=Superconducting Quantum Interference Device)とそのSQUIDに接続された検出コイルとを含む複数個の磁気センサを収容している。なお、デュワ4は自動補給装置5に接続されている。
磁気センサの出力は、被検者2から発生して検出コイルにより検出される生体磁場の強度(磁束密度と考えることもできる)と特定の関係をもつ電圧を出力し、その出力がFLL(Flux Locked loop)回路6に入力される。このFLL回路6は、SQUIDの出力を一定に保つように、SQUIDに入力された生体磁場(生体磁気)の変化を、帰還コイルを介してキャンセルする(これを磁場ロックと呼ぶ)。その帰還コイルに流した電流を電圧に変換することにより、生体磁場信号の変化と特定の関係にある電圧出力を得ることができる。
このように、帰還コイルを介して検出する方式を取っているので、微弱の磁場を高感度に検出できる。
上記出力電圧は増幅器・フィルター・増幅器(AFA)7に入力され、その出力はサンプリングされて、A/D変換され、計算機8に取り込まれる。
計算機8はパーソナルコンピュータからなり、8−1はそのディスプレイ部、8−2はキーボード、8−3はマウスを示す。マウス8−3は画面上でカーソルを移動させて処理対象を選択するのに用いられる。この操作はキーボードを操作することによっても行うことができる。
AFA7の入力ゲイン(I gain)及び出力ゲイン(O gain)は調整可能である。また、AFA7は第1の基準周波数以下の周波数信号を通過させるローパスフイルタ(LPF)、第1の基準周波数よりも低い第2の基準周波数以上の周波数信号を通過させるハイパスフイルタ(HPF)及び商用電源周波数をカットするノッチフィルタ(BEF)を備えている。計算機8は各種の処理を行うことができ、その処理結果はディスプレイ部8−1に表示される。
SQUIDとしては、例えば、直流SQUIDが用いられる。SQUIDに外部磁場が与えられたときに、それに対応する電圧(V)が発生するようにSQUIDには直流バイアス電流(I bias)が流される。その外部磁場を磁束Φで表すと、電圧Vの磁束Φに対する特性曲線、すなわちΦ−V特性曲線は周期関数で与えられる。
計測に先立って、FLL回路6のオフセット電圧(V OFF)を調整してΦ−V特性曲線の直流電圧をゼロレベルにする操作が行われる。更に、AFA7の入力がゼロのとき、その出力がゼロとなるようにAFA7のオフセット電圧(A OFF)の調整が行われる。
図2は磁気センサの配置構成を示す図である。磁気センサの検出コイルには生体磁場の接線成分(生体面すなわちx−y平面にほぼ平行な成分)を検出するコイルと生体磁場の法線成分(生体面すなわちx−y平面に直交する成分)を検出するコイルがある。
生体磁場の接線成分を検出するコイルとしては、コイル面がx方向及びy方向に、それぞれ向いた2つのコイルが用いられる。また、生体磁場の法線成分を検出するコイルとしてはコイル面がz方向に向いたコイルが用いられる。
複数個の磁気センサ20−1〜20−8、21−1〜21−8、22−1〜22−8、23−1〜23−8、24−1〜24−8、25−1〜25−8、26−1〜26−8及び27−1〜27−9は、図2に示されるように、生体面すなわちx−y平面とほぼ平行な面上にマトリックス状に配置される。
磁気センサの数は任意であってよいが、図2に示した例では、磁気センサのマトリックスは8行8列からなっているから、磁気センサの数は8×8=64である。各磁気センサは、図2に示されるように、その長手方向が生体面すなわちx−y平面に対して垂直な方向(z方向)と一致するように配置される。
なお、図示した例ではベッド面とセンサーのX−Y面とが平行になっているが、測定精度を高めるには、センサーを被検者2の体に接近させる方が良く、センサーを傾けるようにすることもできる。但し、被検者2である人体は常に動いているので、人体に密着させると、この動きが検出部を動かし、かえって高精度の検出が困難となる。
図3の(a)は磁気センサの、生体磁場の法線成分Bzを検出する構成を示す図である。同図の(a)において、超伝導線(Ni−Ti線)で作られたコイルはそのコイル面がz方向を向くように配置される。このコイルは互いに逆向きの2つのコイル10及び11の組み合わせからなり、被検者2に近い方のコイル10は検出コイルとされ、遠い方のコイル11は外部磁場雑音を検出する補償コイルとされる。
外部磁場雑音は被検者2よりも遠い信号源から生じており、その雑音信号は検出コイル10及び補償コイル11の両方によって検出される。一方、被検者2からの磁場信号は微弱であり、その生体磁場信号は検出コイル10によって検出されるが、補償コイル11はその生体磁場信号にほとんど感応しない。
このため、検出コイル10は生体磁場信号と外部磁場雑音信号を検出し、補償コイル11は外部磁場雑音信号を検出するから、両コイルで検出された信号の差をとることによりS/N比の高い生体磁場の計測が可能となる。
これらのコイル10、11は、SQUID12を実装した実装基板の超伝導線を介してSQUID12の入力コイルに接続され、これによって、検出された生体磁場信号の法線方向の成分BzがSQUID12に伝達される。
図3の(b)に示すように、生体磁気の接線成分Bx、Byについては、検出コイル面と補償コイル面をx方向あるいはy方向に向けることによって検出することができるが、図3の(a)に示す磁気センサで得られた法線成分Bzをx、yについて偏微分することによって実際の接線成分Bx、Byと強い相関を持った信号を得ることができる。このため、法線成分Bzをx及びyについて偏微分した値を接線成分としてもよい。
この場合は一つの磁気センサで接線成分Bx、Byと法線成分Bzとの両方を検出し、測定することができる。
図4は磁気センサと被検者2の被計測部である胸部30との位置関係を示す図である。図4に示されている点は、図2に示されるマトリックス上の行と列との交点すなわち被検者2の計測点すなわち計測位置を表す。これらの各計測位置をチャンネルとも呼ぶ。図4からわかるように、この例では、被検者2の身長方向をy方向とし、被検者2の横方向をx方向としている。
図5は、ある健常者について法線成分Bzの心磁波形を示す。
心磁波形は心電波形のように、心房の興奮によるP波、心室の興奮過程によるQRS波、および心室興奮の回復過程によるT波からなる。P波とQ波の間、S波とT波の間には心臓の興奮による信号は略0(ゼロ)と考えられ、この間の信号レベルをベースラインと呼ぶ。
図5に示すように、心臓の心室が脱分極した時間帯T1、つまり収縮期のQRS波でのそれぞれの波形ピークの時間がtQ、tR及びtSとしてそれぞれ示されている。また、心臓の再分極過程(拡張期)であるT波の時間帯はT2として示されている。
図5に示したような時間波形が、64個のセンサで同時に計測されているため、ある時点における各センサの計測信号(すなわち磁場強度)を2次元で表した等磁場線図を作成することによって、その時点における磁場分布を得ることができる。センサ位置に電流が存在し、計測された磁場ベクトルを生成すると仮定した場合の電流ベクトルを等磁場線図上に合成表示したものを電流アロー図という。
電流アロー図では、各センサ位置に対応した位置に矢印を記しているが、この矢印の方向は、その磁場を発生させる電流の方向を示している。計測された接線方向の磁場データあるいは法線方向の磁場データをXおよびY方向に偏微分して得られた擬似的な接線方向の磁場データから磁場の方向を求め、それを簡単のために反時計方向に90度回転させることによって、その磁場を発生させる電流の方向に一致させている。
また、電流アロー図における矢印の長さは磁場強度を表している。これによって、接線方向の等磁場線図に矢印を合成した電流アロー図は、色の濃さや矢印の大きさによって磁場の分布を表し、矢印の方向によって電流方向を表している。
本発明の一実施形態は、例えば、図6に示すフローチャートによって操作される。
図6において、最初に計算機8の電源をONすると、自動的にオペレーティングシステム等のシステムプログラムが立ち上がる(ステップS−1)。続いて、生体磁気計測システムのシステムプログラムが起動される(ステップS−2)。
被検者の登録から、その登録された被検者のデータ計測を行って、その計測されたデータの解析を行うまでの一連の操作はディスプレイ8−1に表示される表示画面を見ながら行われる。このため、その一連の操作の説明に先立って、まずその表示画面のレイアウトを説明する。
図7は、図1のディスプレイ8−1に表示される表示画面の基本的なレイアウトを示す。図7において、表示画面の上方部は上から順番に配置されたタイトルバー部801、メニューバー部802及びアイコン808−1〜808−14が配置されているツールバー部803によって占められる。上記各部は表示領域やエリアと考えることもできる。
これらの配置は他の処理目的、例えば、被検者の登録や読み出し、磁場の計測、計測データの解析のための処理等においても、その表示画面で共通して表示される。これにより使用し易さが増し、計測や処理の時間を短縮することができる。
表示画面の中央部は左から右へ順番に配置された被検者情報部804−1および解析データについてのデータ情報部804−2、線図や波形のような解析データが表示される解析データ部805−1および参照波形部805−2及び操作域部806によって占められている。
被検者情報部804−1には、被検者リスト画面(図9に示す)が表示されているときはその画面中の被検者リストにおいてカーソル91(図9)が置かれる被検者の情報が常時表示される。
また、解析データ部に線図や波形のような解析データが表示されているときは(図12、図13に示す)、その表示されている解析データが得られた被検者の情報が常時表示される。これによって、表示されている解析データとその解析データが得られた被検者との関係を明確に知ることができる。
同様に、データ情報部804−2には、被検者リスト画面(図9に示す)が表示されているときは、その画面中で選択された被検者についてのデータリストが表示されており、そのデータリスト中においてカーソル92(図9)が置かれるデータの情報が表示される。また、解析データ部に線図や波形のような解析データが表示されているときは(図12、図13)、その表示されている解析データの情報が常時表示されるため、表示されている解析データに関する計測時刻や計測条件などの情報を明確に知ることができる。
このように、このシステムの表示画面においては、メニューバー部802と同様に、常に、被検者情報部804−1およびデータ情報部804−2が表示画面の定位置(左側)に表示されているので、使用者は表示画面が変わるたびに被検者情報エリアを探す必要がなく、常に表示画面の所定位置(左側)を見れば知ることができる。
図7に示すタイトルバー部801にはフレームの名称、具体的には、「Multichannel MCG System」という名称が表示される。
図8は操作メニューを示す図である。図8において、メニューバー部は操作メニューを選択する部分で、「ファイル(F)」、「被検者リスト(L)」、「データ計測(Q)」、「解析(A)」の各メニューを使用する事ができる。
図8に示した操作メニューの内容は、これらのメニューの内容はそれぞれ対応するメニューボタンをクリックすることによってプルダウンメニューとして表示される。このため、操作メニューを必要としないときは、各メニューを呼び出すためのキーワードのみメニューバー部にコンパクトに表示しているので、解析データ部や操作領域部等の各作業で必要な表示エリアを広く設定することができる。
そして、操作メニューが必要なときは、操作手順にしたがって配列されたキーワードをメニューバー部から選択することによって表示して操作指示することができる。この際、キーワードは、文字の配列(左から右)に準じて配列されているので、自然な形で操作指示することができる。
「ファイル(F)」のプルダウンメニューは、Multichannel MCG Systemを終了させる「心磁システムの終了(X)」という項目を含む。
「被検者リスト(L)」のプルダウンメニューには「被検者リストを開く(O)」、「被検者登録(R)」、「被検者削除(D)」、「データ削除(E)」という項目を含む。
「被検者リストを開く(O)」が選択されると、ディスプレイ装置8−1に表示される画面が被検者リスト画面(図9)に切り替えられる。「被検者登録(R)」が選択されると、被検者登録ダイアログ(図示せず)が表示されて、被検者ID、氏名、生年月日、身長、体重、性別、およびコメントなどの入力を受付ける。
「被検者削除(D)」が選択されると、被検者リスト(図9)の被検者カーソル91が置かれた被検者情報およびその被検者に関するすべてのデータが削除され、「データ削除(E)」が選択されると被検者リスト画面(図9)のデータリスト上のデータカーソル92が置かれているデータが削除される。
「データ計測(Q)」のプルダウンメニューは、「計測モニタ画面を開く(O)」と「計測開始(M)」という項目を含む。「計測モニタ画面を開く(O)」がクリックされると、ディスプレイ装置8−1上の画面表示を計測モニタ画面(図示せず)に切り替える。
また、「計測開始(M)」がクリックされると、センサ状態の自動調整を実行し、すべてのSQUIDセンサの磁場ロックを行ない、指定された条件でデータの取り込みを行う。
計測が終わると計測データは心磁データベースに保存されるが、同時に計測データから特徴パラメータが抽出されてマハラノビスの距離が計算され、計測したデータの情報として心磁データベースに保存される。
「解析(A)」のプルダウンメニューは、「時間波形表示(W)」、「等磁線図(B)」「電流アロー図(C)」「電流アロー強調表示1(1)」「電流アロー強調表示2(2)」を含む。
「時間波形表示(W)」がクリックされると、グリッドマップ波形表示画面(図12)が表示される。また、「等磁線図(B)」「電流アロー図(C)」「電流アロー強調表示1(1)」「電流アロー強調表示2(2)」がクリックされると、それぞれ等磁線図画面(図13)、電流アロー図(図示せず)、電流アロー強調表示1(図示せず)、電流アロー強調表示2(図示せず)が表示され、クリックされたメニュー項目の左側にチェックマークが表示される。
これは、等磁線図、電流アロー図、電流アロー強調表示1、電流アロー強調表示2が表示画面を共通にしており、表示内容を図14から図17に示すように切替えているためである。
図7のツールバー部803には操作メニューのプルダウンメニューの項目の中で使用頻度の高いものと関係づけられたアイコンボタン808−1〜808−14を配置してある。
次に、被検者の登録から、その登録された被検者のデータ計測を行って、その計測されたデータの解析を行うまでの一連の操作を図6〜図18を参照しながら説明する。
図6において、上述したように、計算機8の電源がONにされると(ステップS−1)、オペレーティングシステムが立ち上げられ、計算機で利用可能なプログラムの起動アイコンがディスプレイ部8−1に表示される(ステップS−2)。
そのアイコンの中から、Multichannel MCG Systemのプログラムのアイコンがクリックされると、システム立ち上がりの初期画面として図9に示す被検者リストが表示される(ステップS−3)。
図9に示される被検者リスト画面において、その左上部は被検者情報部804で、左下部はデータ情報部805で占められる。また、その右側全体の上部には被検者リストが、下部にはデータリストが表示されるようになっている。被検者情報部には被検者リスト上でカーソル91が置かれた被検者の情報が表示され、カーソル91を移動すると表示の内容もそれに合わせて更新される。
被検者リストの項目は、ID(被検者ID番号)、氏名、登録年月日(データ登録された日)、生年月日、年齢、身長、体重、コメント(被検者に関するコメント)等を含む。被検者リストについては、これを縦スクロールバーでスクロールすることができ、被検者リストの項目については、これを水平(横)スクロールバーでスクロールすることができる。選択された被検者の行は強調表示される。
図9の被検者リスト画面の下半分には計測データリストが表示されており、データのIDや計測日付などのデータ属性を表示する。同様に、等磁線図リストには計測データから等磁場線図を作成するための情報を表示する。
図6の全体のフローに戻る。ステップS−4においては、被検者リスト画面上の被検者リストの中から所望の被検者の行が選択される。この後のフローはメニューにより4つに分岐される(ステップS−5)。
分岐の一は、「ファイル(F)」というメニューの「心磁システム終了(X)」というサブメニューが選択された場合である。この場合は、ウインドウを閉じる等の終了処理が行われ(ステップS−8)、それによってシステムがシャットダウンされる(ステップS−9)。その後、計算機8の電源がOFFにされ(ステップS−10)、すべて処理が終了する。
他の分岐では、データ計測(ステップS−6)またはデータ解析(ステップS−7)が行われる。データ計測への分岐は、「データ計測(Q)」というメニューの「計測モニタ画面を開く(O)」というサブメニューを選択することにより実行可能である。
また、データ解析への分岐は、「データ解析(A)」というメニューの「等磁線図(B)」「電流アロー図(C)」「電流アロー強調1(1)」「電流アロー強調2(2)」というサブメニューのいずれかを選択することにより実行可能である。
ステップS−6およびステップS−7が終了すると、ステップS−3に戻って被検者リスト選択画面を表示する。
なお、ステップS−4の被検者リスト選択、ステップS−6のデータ計測及びステップS−7のデータ解析のフローの詳細については、それぞれ図10、図11に関連して以下に更に詳しく説明される。
図10は、図6のステップS−6におけるデータ計測の詳細なフローを示す図である。図10において、まず、計測画面の初期状態としてグリッドマップによる時間波形(図示せず)を表示し(ステップS−15−1)、波形モニタを起動する(ステップS−15−2)。
チャンネルは、8×8の64チャンネルからなり、「全チャンネル選択」ボタンをクリックするか、又はチャンネルマトリックスを対角線に沿って端から端までドラッグすることによって、全チャンネルを選択して表示することができる。
波形モニタは、予め設定されている周期時間(例えば1秒間)で、データを取り込んで表示し、それを計測ボタンが押されるまで繰り返す。計測条件パラメータを設定・変更(ステップS−15−3)では、サンプリング時間やサンプリング間隔などの計測条件の設定および変更を行い、操作領域にある「計測」ボタンを押して計測を開始する(ステップS−15−4)。
サンプリングの時間(計測時間)及び間隔については、図12の逆三角印のついた対応テキストボックスをクリックすれば、選択可能な数値のプルダウンメニューが開かれ、その中から所望の数字を選択することができる。その選択可能な数字は、時間については、例えば、1sec、5sec、10sec、30sec、1min及び2minであり、間隔については、例えば、0.1msec、0.5msec、1.0msec、2.0msec、4.0msec、5.0msec及び10.0msecである。
時間は、必要に応じて1sec程度から24h程度までの間で選ばれるようにしてもよい。図13の「スケール」ボックス内の「時間」とあるのは、msec単位の時間スケールすなわち水平方向のスケールを意味する。これらについても、サンプリングの時間及び間隔の選択と同様に、対応するテキストボックスをクリックすることによって開かれるプルダウンメニューの中から所望の数値が選択される。
FLL制御回路6およびアンプ・フィルタ7に対して計測起動命令を発すると、これらは指定された計測が終了するまでデータ収集を行い、終了すると計算機8−1に割り込みをかけてデータ収集を通知する。データ計測制御はこのようにしてデータ収集終了を待ち合わせる(ステップS−15−5)。
図11は図6のステップS−7におけるデータ解析のフローを示す図である。データ解析はいろいろな種類の波形や線図を表示して診断に必要な情報を得ようとするもので、図8に示したメニューを選択することにより、いろいろな種類の波形や線図の画面を選択的に表示することができる。
すなわち、「解析(A)」の「時間波形表示(W)」を選択すればステップS−14−4において、図12に示すグリッドマップ波形画面が表示される。また、「解析(A)」の「等磁線図(B)」を選択すれば、ステップS−14−5において、図13に示される等磁線図時間波形画面が表示される。
また、「電流アロー図(C)」、「電流アロー強調表示1(1)」、「電流アロー強調表示2(2)」を選択すれば、これらは、すべて等磁場線図と同様にステップS−14−5において図13に示される等磁場線図と同様の画面が表示される。ただし、解析図として表示されるのは、それぞれ電流アロー図(図15)、電流アロー強調表示1(図16)、電流アロー強調表示2(図17)となる。なお、図17に示した電流アロー強調表示2は、電気生理学的な活性部位の活性度をより捉えやすくするために、電流値の極大点を中心として、電流値の大きさに比例した円を表示したものである。つまり、図16に示した電流アローの周りに、電流値の大きさに比例した円を表示したものである。
また、メニュー項目における「ファイル(F)」の「心磁システムの終了(X)」を選択すればシステムが終了する。
それぞれの画面において、ツールバーにあるアイコンボタン(808−1〜808−14)をクリックすればそのクリックによって指定された波形又は線図の画面が代わって表示される。図11に示したフローチャートにおいて、分岐の部分を「メニューで分岐」とせずに「メニュー又はアイコンボタンで分岐」(ステップS−14−1)としたのはそのためである。
したがって、この実施形態によれば、図8のメニューを選択することなく、前記操作領域部にあるラジオボタンをクリックするだけで多様な解析データが得られるので、操作時間の短縮が図れるとともに、誤操作を軽減して操作性を向上することができる。
この実施形態では、データ解析を行なう画面(図12、図13)に対して更新ボタン135およびキャンセルボタン134を設けている。すなわち、データ解析パラメータが変更され、データ解析パラメータが示している内容と解析データ部805−1に表示されている内容との対応がなくなった時に、更新ボタン135とキャンセルボタン134を活性状態とし、操作者が更新ボタン135を押した場合には更新されたデータ解析パラメータに従って再計算を行ない、解析データ部805−1の表示を更新する。
また、キャンセルボタン134が押された時にはデータ解析パラメータの変更を元に戻してデータ解析パラメータの内容が解析データ部805−1の内容と一致するようにする。すなわち、更新ボタン135とキャンセルボタン134は、データ解析パラメータの内容と解析データ部の表示内容との対応が保たれている間は不活性状態にあり、対応がなくなった時に活性化される。
これにより、データ解析パラメータと解析データ部805−1の表示内容とが対応していない場合に、更新ボタン135とキャンセルボタン134の状態によって明確に区別できるため、解析データを誤って解釈する可能性を低下することができる。
図13の等磁線図において、解析データ部805−1の右端には縦に細長の磁場強度指標ボックス310が配置されている。その磁場強度指標ボックスは互いに色の異なる区画に区切られている。これは、等磁線図画面の各縞模様で示される磁場の強度範囲を色の種類で区別することで視覚的な(色彩的な)認識性を向上させるようにしたものである。
すなわち、その磁場強度指標ボックス310の長手方向の中心位置311は磁場強度がゼロの位置で、その中心位置よりも上方の区画を、中心位置に近い順番に第1〜第6区画とそれぞれ呼ぶことにすれば、例えば、第1区画は0〜2pTの磁場強度範囲に、第2区画は2〜4pTの磁場強度範囲に、第3区画は4〜6pTの磁場強度範囲に、第4区画は6〜8pTの磁場強度範囲に、第5区画は8〜10pTの磁場強度範囲に、第6区画は10〜12pTの磁場強度範囲にそれぞれ対応している。
中心位置よりも下方の区画についても同様である。ただし、中心位置よりも上方の区画はプラス方向の磁場強度を、下方の区画はマイナス方向の磁場強度を表している。
図13において、「再構成パラメ−タ」ボックス内の「マップ数」とあるのは表示される等磁線図の数を、「最大値」とあるのは磁場強度指標ボックス310の両端部に相当する磁場強度を、「間隔」とあるのは磁場強度指標ボックス310内の各区画の長さに対応する磁場範囲を意味する。その値については、これを対応するテキストボックスの三角又は逆三角ボタンをクリックして選択することができる。
解析データ部の最下段には参照チャンネルの波形とマップ数として設定された16枚の等磁線図に対応した16本のカーソル線140が表示されている。カーソル線140の間隔は、所定の時間で等間隔に設定されているが、間隔を設定するための手段を画面上に設けても良く、また複数の等磁場線図に対応したカーソル線を非等間隔で1本ずつ設定するための手段を設けても良い。
カーソル線140の位置については、マウスでドラッグして左右に移動するが、テキストボックスから1枚目の等磁線図を作成する時刻を指定しても良い。図13に示した例では、表示されている等磁線図の数は16個であるが、これらの線図は波形上のカーソル線が位置する時点での線図であり、各マップについては、そのマップがいつの時点のものであるかがわかるようにその時刻も表示される。
これにより、図13で説明したと同様に、操作者は、現在、解析データ部805−1に表示されているマップが解析時間(参照波形の幅)の中でどのくらいの範囲を占めるかを示し、マップが示す範囲が解析時間の中でどこの範囲なのか等を一目で把握することができる。したがって、視認性を向上させることができる。
また、マップが示す範囲を2個のカーソルをマウス操作で簡単に移動させることで設定できるので、操作が容易である。さらに、各分割線の間隔を自由に設定するようにすれば、疑問のある部分を密にして他の部分を疎にする等、操作者に多様な解析環境を提供できる。
以上、図13により等磁場線図表示について説明したが、電流アロー図(図15)、電流アロー強調表示1(図16)、電流アロー強調表示2(図17)においても同様な効果を得ることができる。
図15に示した電流アロー図については、既に述べたように、複数のSQUID磁気センサが配置されている地点における磁場ベクトルを計測し、その磁場を生成している電流を、複数のSQUID磁気センサ位置のそれぞれに表示したものである。
図示した例においては、64個のSQUID磁気センサを使用しているため、64本の電流アローが表示されることになる。
これに対して、電流アロー強調表示1(図16)では、64本の電流アローのうち、周りの4点よりも電流値が大きいかあるいは同じ値の場合にだけ、電流アローを表示したものである。例えば、n行m列、すなわち(n,m)に配置されているSQUID磁気センサにおける電流値が、(n+1,m)、(n,m+1)、(n−1,m)、(n,m−1)に配置されているSQUID磁気センサにおける電流値よりも大きいかあるいは同じ値の場合にだけ、電流アローを表示し、その他の場合は、電流アローの表示を省略する。
これによって、表示される電流アローはその近傍の極大点を表すことになり、それは心臓の電気生理学的活動の局所的な活性部位と考えることができる。このため、臨床的な病変の検出を容易に行うことができる。
また、活性度の高い部位の電流方向、大きさを容易に判別することができることから、それ以前に検出した電流アロー強調表示との比較が容易となり、時間経過による異常判別も容易となる。
電流値の極大点を求める方法としては、上記のSQUID磁気センサ位置における電流値を隣接するSQUID磁気センサにおける電流値と比較して算出する方法のほかに、SQUIDセンサ位置における電流値から計測面における電流分布J(x,y)を、x、yの関数として近似し、解析的あるいは数値的にその極大点を算出してもよい。
例えば、多変量解析などの手法により、[(x、y)=ax2+bxy+cy2+dx+ey+f]、(ただし、a、b、c、d、e、fは定数)のように2次曲面で近似した場合、J(x、y)のx偏微分をJx(x,y)、y編微分をJy(x,y)とすれば、Jx(x,y)=Jy(x,y)=0となる(x,y)が極大点を与えることになるので、そこに電流アローを表示しても良い。
なお、電流アロー強調表示1において、表示する電流アローを、電流値が最大となるSQUID磁気センサにおける電流アローとしなかったのは、電気生理学的な活性部位が複数存在する可能性があるためであり、各々の活性部位における電流値およびその方向を表示することによって心臓の電気生理学的な活動を捉えるためである。
また、電流値が小さな部位における電流アローを表示することの臨床的な意味は小さく、一般的にはノイズの影響によって極大点が生じる可能性も高い。このため、極大値として表示する最低の電流値をしきい値として設定しておき、それ以上の電流値をもつ極大点の電流アローのみを表示することもできる。
例えば、図18に示す強調表示設定ダイアログを設け、設定値が入力された後、OKボタンが押下されたら設定値を記憶し、キャンセルが押下されたら設定を行なわないように構成することもできる。
また、極大点の近傍領域において、磁場強度が所定のしきい値を超えた領域について、磁場強度を面積分した値に基づいて磁場ベクトルの大きさを算出し、算出した磁場ベクトルの大きさに従って電流アローの大きさを設定することも可能である。
1・・・磁気シールドルーム、2・・・被検者、3・・・ベッド、4・・・デユワ、5・・・自動補給装置、6・・・FLL回路、7・・・AFA(増幅器・フィルター・増幅器)、8・・・計算機、8−1・・・ディスプレイ部、8−2・・・キーボード、8−3・・・マウス、10、10’、10”・・・検出用コイル、11、11’、11”・・・補償コイル、12、12’、12”・・・SQUID、13、14・・・センサ、20−1〜20−8、21−1〜21−8、22−1〜22−8、23−1〜23−8、24−1〜24−8、25−1〜25−8、26−1〜26−8、27−1〜27−8・・・磁気センサ、30・・・胸部、90・・・被検者情報並べ替えボタン、91・・・被検者情報カーソル、92・・・データ情報カーソル、93・・・データリスト選択タブ、134・・・表示更新キャンセルボタン、135・・・表示更新ボタン、136・・・チャンネル選択ボタン、140・・・1枚目の等磁線図等磁線図の時刻カーソル、142・・・センサ位置、801・・・タイトルバー部、802・・・メニューバー部、803・・・ツールバー部、804・・・被検者情報部、805・・・データ情報部、805−1・・・解析データ部、805−2・・・参照波形部、806・・・操作領域部、808−1〜808―14・・・アイコン