以下、本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の情報処理装置が適用された証券システムの構成図であり、本実施形態の証券システムは、証券取引所(例えば、東京証券取引所、大阪証券取引所等)が保有する取引所サーバ400と、注文者端末300(ユーザ端末)と、取引所サーバ400と注文者端末300との間でユーザに所定の証券取引機能を提供するアプリケーションサーバ(情報処理装置)100と、データベースサーバ200とで構成されている。
アプリケーションサーバ100は、取引所サーバ400及び注文者端末300と専用の通信回線網を介して接続可能に構成され、取引所サーバ400及び注文者端末300から送信される約定情報や注文情報等を受信し、所定の証券取引処理を遂行する。なお、アプリケーションサーバ100は、東京証券取引所、大阪証券取引所等の各取引所が有する複数の取引所サーバ400に接続可能である。また、複数の注文者端末300と接続可能であり、複数の注文者との間で証券取引処理を遂行することができる。
図1に示すように、本実施形態のアプリケーションサーバ100は、取引所サーバ400との間の通信制御を行う第1通信制御部110A、注文者端末300に証券取引のアプリケーション機能を提供するとともに、該アプリケーション機能を制御するアプリケーション制御部120、注文者端末300との間の通信制御を行う第2通信制御部110B、アプリケーションサーバ100でのアプリケーション機能の起動から終了までに処理されたデータを記憶する記憶部130(請求項1の第1記憶部)、後述するアプリケーション起動情報を生成する起動情報生成部140(請求項1の演算部)、生成されたアプリケーション起動情報を記憶する起動ファイル記憶部150(請求項1の第2記憶部)、及び各部の全体の制御を担う制御部(CPU)160を含む。また、記憶部130及び起動ファイル記憶部150は、SRAMやDRAM等の揮発性又はフラッシュEEPROM等の不揮発性半導体メモリ等のデータの読み書き及び消去可能な記憶部として構成されている。
本実施形態の証券システムのアプリケーションサーバ100は、取引所サーバ400から株式銘柄情報(株式名、出来高、始値、高値、安値、取引価格等)を受信して注文者端末300に提供し、注文者端末300からの注文情報(注文銘柄、注文価格、注文数、注文方式(指値注文、成り行き注文、IFDone注文等の注文条件情報))を受信して取引所サーバ400に送信する。その後、アプリケーションサーバ100は、取引所サーバ400から約定情報(注文者の買い付け注文又は売り付け注文に対して株式の売買が成立した約定銘柄(株式名)、約定価格、約定数)を受信し、注文者端末300に提供する。
そして、本実施形態のアプリケーションサーバ100(アプリケーション制御部120)は、注文者端末300が証券取引を遂行するための全てのデータを管理し、注文者端末300に対して、証券取引のためのアプリケーション機能(注文機能、ポジション管理機能、約定後処理機能、コンプライアンス管理機能)を提供する。
これらのアプリケーション機能は、アプリケーションサーバ100が所定のアプリケーションプログラムを実行することにより実現され、また、注文者端末300においても、このアプリケーションサーバ100が提供するアプリケーション機能に関連する所定のアプリケーションプログラムを実行させ、当該アプリケーションサーバ100が提供するアプリケーション機能を通じた証券取引を遂行することができる。
つまり、本実施形態の証券システムは、アプリケーションサーバ100で実行される第1アプリケーションプログラム(サーバ側アプリケーション機能)と、注文者端末300側で実行される第2アプリケーションプログラム(クライアント側アプリケーション機能)とが、アプリケーションサーバ100及び注文者端末300の各々設けられ、注文者端末300は、第2アプリケーションプログラムを実行し、アプリケーションサーバ100が提供するアプリケーション機能を利用するためのクライアント側アプリケーション機能を起動させ、証券取引やポジション管理等を遂行することができる。
そして、アプリケーション制御部120は、データ管理制御部121を含み、データ管理制御部121によりデータベースサーバ200との間のデータ入出力及びデータベースの制御を遂行する。また、データ管理制御部121は、記憶部130へのデータの入出力を管理する。なお、図示していないが、アプリケーション制御部120は、注文機能制御部、ポジション管理機能制御部、約定後処理機能制御部、コンプライアンス管理機能制御部の各制御部として機能することができる。
また、アプリケーションサーバ100(データ管理制御部121)は、本実施形態の証券システムのアプリケーション機能を通じて入力又は生成されたデータをデータベースサーバ200で管理するが、アプリケーションサーバ100側でのアプリケーション機能の起動から終了までの間、すなわち、アプリケーションサーバ100がアプリケーションプログラムを実行し、アプリケーション機能を注文者端末300に提供可能な状態に起動してから注文者端末300へのアプリケーション機能の提供を終了するまでの間のアプリケーション機能で生成又は入力された全データは、一旦、記憶部130に記憶される。そして、非同期(記憶部130に記憶された時点とデータベースに同データが格納される時点とが異なるタイミング)で記憶部130に記憶されたデータのうち、所定のデータをデータベースサーバ200に格納する。
その後、アプリケーションサーバ100(アプリケーション制御部120)は、注文者端末300へのアプリケーション機能の提供を終了した後、所定のスケジュールに従い、記憶部130に記憶されているデータをデータベースサーバ200へ格納・更新したり、データチェック等を行う終了処理(例えば、バッチ処理)を遂行し、アプリケーションサーバ100でのアプリケーション機能を終了させる。また、この終了処理において、データベースサーバ200に格納後、次回のアプリケーション機能の起動(提供)に備え、記憶部130に記憶されているデータは、消去される。つまり、本実施形態の記憶部130は、アプリケーション機能の起動から終了までの当日分の全取引情報が一時的に記憶され、後述するアプリケーション起動情報が生成された後に、次回のアプリケーション機能の提供に備えて記憶されているデータが消去される。
本実施形態の起動情報生成部140は、注文者端末300へのアプリケーション機能の提供を終了した後、終了処理に連動して、又は終了処理と独立して翌日のアプリケーション起動に必要なアプリケーション起動情報を生成する。具体的には、アプリケーションサーバ100は、アプリケーションプログラムを実行してアプリケーション機能を提供可能な状態に起動するためのアプリケーション起動情報を生成する。
図2は、本実施形態のアプリケーション起動情報を説明するための説明図であり、上述のように、データ管理制御部120は、アプリケーション機能を注文者端末300に提供可能な状態に起動してから注文者端末300へのアプリケーション機能の提供を終了するまでの間のアプリケーション機能で生成又は入力された全データを、一旦、記憶部130に記憶する。記憶部130には、その日(当日)の各注文者の取引情報(銘柄情報、ポジション情報、注文・約定情報、注文者が設定した設定情報(システム設定情報))が記憶されており、注文者の最新の取引情報が記憶される。ポジション情報とは、各注文者の証券の持ち高であり、売買単価と売り/買い数量が含まれた証券(銘柄)を買い越している額或いは売り越している額である。注文・約定情報とは、注文者が証券取引を開始してから終了するまでの間に注文者が注文した当日の注文情報(注文銘柄、注文価格、注文数等)と該注文情報に対して売買が成立した約定情報(買い付け注文又は売り付け注文に対して株式の売買が成立した約定銘柄(株式名)、約定価格、約定数)とが関連付けられた情報であり、当日の証券取引の履歴情報である。また、設定情報とは、例えば、本実施形態の証券システムを介した全ての取引におけるコンプライアンス管理のために設定される注文制限情報等であり、システム全体でなく注文者毎に個別に設定することもできる。
証券システムのように、日々変化する注文者の取引情報は、取引を行う際に常に最新であることが必要であり、次回(翌日)の取引を開始する際、注文者は前日までの最新のデータを前提に取引を遂行する。このため、最新のデータが反映されていなければ、アプリケーションプログラムを実行しても、アプリケーション機能を注文者端末300に提供可能な状態に起動させることはできず、アプリケーション機能を提供可能な状態に起動させることが必要となる。より具体的に説明すると、注文者は、証券取引を開始する際、最新の注文者の取引情報(ポジション情報等)を基準に証券取引を行い、かつアプリケーションサーバ100は、証券取引のためのアプリケーション機能(注文機能、ポジション管理機能、約定後処理機能、コンプライアンス管理機能)を、この前日までの最新の取引情報に基づいて遂行する。
この最新の取引情報は、上述のように最終的にデータ管理制御部120により終了処理においてデータベースサーバ200に反映されるため、従来技術では、アプリケーション機能の起動の際、データベースから各注文者の最新の取引情報を抽出し、アプリケーション機能を提供可能な状態に起動させていたが、本実施形態では、起動情報生成部140が、この記憶部130に記憶された最新の取引情報を用い、翌日のアプリケーション機能を注文者端末300に提供可能な状態に起動するためのアプリケーション起動情報を生成し、データベースサーバ200とは異なる起動ファイル記憶部150に格納する。具体的には、起動情報生成部140は、終了処理時に記憶部130に記憶されている現時点の最新の取引情報から各注文者の銘柄情報、ポジション情報、システム設定情報を含む情報を抽出する。すなわち、図2に示すように、記憶部130には、その日一日分の注文者が取引を遂行した履歴情報である注文・約定情報と、この注文・約定情報に基づいた現時点での最終的な(最新の)銘柄情報、ポジション情報、システム設定情報が記憶されているので、終了処理時に記憶部130に記憶されているこれらの取引情報は、次回の証券取引に引き継がれる初期情報として使用されることができる。このため、記憶部130に記憶されている最終的な各注文者の銘柄情報、ポジション情報、システム設定情報からアプリケーション起動情報を生成する。なお、アプリケーション起動情報には、記憶部130に格納された注文・約定情報は含まれていない。注文・約定情報は、当日分(アプリケーション機能の起動から終了まで)の証券取引の履歴情報であり、翌日のアプリケーション機能の起動には必要ないためである。なお、データベースサーバ200には、この注文・約定情報は、例えば、日単位で履歴情報として格納される。
また、起動情報生成部140は、アプリケーション起動情報をファイル形式で生成する。例えば、一人の注文者に紐付く銘柄情報、ポジション情報、システム設定情報がデータベース構造のように複数のテーブルに分散して保持されるのではなく、1つのファイルにまとまって記憶される。なお、起動情報生成部140は、注文者が複数あれば、各注文者に対する複数のファイルを生成し、これらをアプリケーション起動情報として起動ファイル記憶部150に記憶させる。
図3は、本実施形態のアプリケーションサーバ100が、アプリケーション起動情報を生成する過程を示したフローチャートである。
アプリケーションサーバ100のアプリケーション制御部120は、注文者端末300へのアプリケーション機能の提供を終了した後、所定のスケジュールに従って終了処理を遂行する(ステップS301)。起動情報生成部140は、この終了処理を契機にアプリケーション機能を注文者端末300に提供可能な状態に起動してから注文者端末300へのアプリケーション機能の提供を終了するまでの間のアプリケーション機能で生成又は入力された全データが記憶されている記憶部130を参照する(ステップS302)。
そして、起動情報生成部140は、記憶部130に記憶されている現時点での最新の取引情報を取得し、翌日のアプリケーション機能を注文者端末300に提供可能な状態に起動するためのアプリケーション起動情報をファイル形式で生成し(ステップS303)、生成したアプリケーション起動情報をデータベースサーバ200ではなく起動ファイル記憶部150に記憶する。
なお、図3の例では、起動情報生成部140は、アプリケーション制御部120による終了処理と連動してアプリケーション起動情報を生成しているが、これに限らず、注文者端末300へのアプリケーション機能の提供を終了した後、終了処理が遂行される前にアプリケーション起動情報を生成することも可能であり、また、終了処理が終了した後にアプリケーション起動情報を生成することも可能である。すなわち、注文者端末300へのアプリケーション機能の提供を終了した後、記憶部130に最新の取引情報が記憶された状態であれば、任意のタイミングで生成処理を遂行できる。また、データ管理制御部121は、アプリケーション起動情報の生成処理及びデータベースサーバ200へのデータ格納処理の終了後に、次回のアプリケーション機能の起動及び提供のために記憶部130に格納されている取引情報を消去する。
次に、図4は、本実施形態のアプリケーションサーバ100が、アプリケーションプログラムを実行してアプリケーション機能を注文者端末300に提供可能な状態に起動する過程を示したフローチャートである。
まず、制御部(CPU)160は、所定のスケジュール等に従い、若しくはシステム管理者等の起動要求に応答して、記憶部130と異なる別途の記憶部に所定のアプリケーションプログラムを読み出し(ステップS401)、当該アプリケーションプログラムを実行する。アプリケーション制御部120は、起動ファイル記憶部150からアプリケーション起動情報を取得し(ステップS402)、記憶部130に展開(キャッシュ)する(ステップS403)。そして、アプリケーション制御部120は、記憶部130にキャッシュされたアプリケーション起動情報を用いて、アプリケーション機能を注文者端末300に提供可能な状態に起動する(ステップS404)。
このように本実施形態のアプリケーションサーバ100は、アプリケーション機能を起動させる際に、データベース(データベースサーバ200)を参照して起動に必要な情報を取得せずに、別途の起動ファイル記憶部150に記憶されているアプリケーション起動情報を用いて短時間でアプリケーション機能を注文者端末300に提供可能な状態に起動させることが可能となる。このため、証券システム全体の起動時間を短くすることができ、利用者に迅速なアプリケーション機能の提供を行うことが可能となる。
また、本実施形態では、アプリケーション起動情報をファイル形式で生成しているため、起動ファイル記憶部150からの読み出し及び記憶部130への展開が素早くでき、アプリケーション機能の起動時間を短時間で行うことができる。
より具体的に説明すると、例えば、各注文者の銘柄情報及びポジション情報をリレーショナルデータベースで保持する場合であって、銘柄名と証券コードとが関連付けられた第1テーブルと、注文者の注文者名、注文者コード、その他個人情報等を保持する第2テーブルと、注文者コードに関連付けられた各証券コードのポジション情報(売買単価、売り/買い数量等)を保持する第3テーブルとで構成されているケースにおいて、一人の注文者の最新の銘柄情報及びポジション情報(アプリケーション起動情報)を抽出する場合、第2テーブルを参照して注文者コードを取得し、取得した注文者コードをキーに、第3テーブルを参照して各銘柄のポジション情報を取得するとともに、各証券コードに紐付く銘柄名を第1テーブルから取得する。このようにデータベース構造でデータを管理する場合、各情報が分散して配置されることから、各テーブルのレコード件数が大量(例えば、数十万件、数百万件)に存在する場合、抽出対象のデータの特定及び各テーブルから紐付く情報を各々取得するために要する時間が長くなり、注文者が多数いる場合には、さらに時間を要することになる。
これに対して、本実施形態では、データベースで証券システムに伴う全データを管理していても、SRAMやDRAM等の揮発性又はフラッシュEEPROM等の不揮発性半導体メモリ等で構成された記憶部130に格納された当日分の全取引情報からアプリケーション起動情報を生成(取得)するとともに、ファイル形式で生成されたアプリケーション起動情報を起動ファイル記憶部150に記憶している。このため、アプリケーションサーバ100は、アプリケーション機能の起動において、データベースサーバ200を参照せずにファイル形式で起動ファイル記憶部150に記憶されているアプリケーション起動情報を参照する。このため、アプリケーション起動情報の生成時間が短縮され、かつアプリケーション起動時間を短縮することができる。
特に、本実施形態のアプリケーションサーバ100は、アプリケーション起動時にデータベースを参照しないため、データベースに障害等が発生した場合であっても、円滑にアプリケーション機能を起動させてシステム全体を好適に維持することが可能となる(システムの耐障害性が向上する)。
さらに、本実施形態のアプリケーション起動情報は、注文者端末300における所定のアプリケーション機能を起動させるための起動情報として適用される。すなわち、アプリケーションサーバ100と注文者端末300との間で、同期された情報での証券取引処理を遂行する必要がある。このため、上述のように注文者端末300は、アプリケーションサーバ100が提供するアプリケーション機能に関連する所定のアプリケーションプログラムを実行し、当該アプリケーションサーバ100が提供するアプリケーション機能を利用するためのクライアントアプリケーション機能を起動させる。
クライアントアプリケーション機能を起動させる際に、注文者端末300は、アプリケーションサーバ100の起動ファイル記憶部150を参照して(アプリケーション起動情報を取得して)クライアントアプリケーション機能を起動させる。
図5は、注文者端末300の構成ブロック図であり、注文者端末300は、アプリケーションサーバ100との間の通信制御を行う通信制御部310と、アプリケーションプログラムを実行してクライアントアプリケーション機能を起動させるとともに、当該クライアントアプリケーション機能を制御するアプリケーション制御部320と、アプリケーションプログラム、アプリケーション起動情報等が展開される記憶部330と、ディスプレイ等の表示部340と、キーボードやポインティングデバイス等の操作入力部350と、制御部(CPU)360と、を備えている。
図6は、注文者端末300がアプリケーションプログラムを実行してクライアントアプリケーション機能を起動させる過程を示したフローチャートである。なお、この注文者端末300でのクライアントアプリケーション機能の起動は、アプリケーションサーバ100がアプリケーション機能を当該注文者端末300に提供可能な状態に起動された後に行われる。
注文者端末300の制御部360は、注文者からの起動要求に応答してアプリケーションプログラムを記憶部330に読み出し、アプリケーションプログラムを実行する(ステップS601)。アプリケーション制御部320は、クライアントアプリケーション機能を起動させるために、アプリケーションサーバ100にアプリケーション起動要求を送信する(ステップS602)。
アプリケーションサーバ100は、注文者端末300からアプリケーション起動要求を受信すると、アプリケーション制御部120が、起動ファイル記憶部150からアプリケーション起動情報を取得し、該アプリケーション起動情報を注文者端末300に送信する(ステップS601A、602A)。
注文者端末300のアプリケーション制御部320は、受信したアプリケーション起動情報を記憶部330にキャッシュし(ステップS603)、該アプリケーション起動情報を用いて、クライアントアプリケーション機能を起動させる(ステップ604)。
また、アプリケーションサーバ100のアプリケーション制御部120は、アプリケーション起動情報を用いた起動処理(図4参照)から注文者端末300からのアプリケーション起動要求までの間に、アプリケーション機能を通じて生成又は入力される情報であって、アプリケーション起動情報に含まれるデータが更新(追加、削除、修正等)されているか否かを判別する。なお、この判別処理は、アプリケーション制御部120の判別部122により遂行される。
この判別処理は、アプリケーションサーバ100が複数の注文者端末300と接続され、各注文者端末300に証券取引のアプリケーション機能を提供するため、アプリケーションサーバ100のアプリケーション機能の起動処理から注文者端末300からのアプリケーション起動要求までの間に、他の注文者端末が取引処理等を行った場合、アプリケーション起動情報と現時点での最新の取引情報とに差分が生じることになる。
図7(a)に示すように、アプリケーションサーバ100が、アプリケーション機能を起動し、午前9時に注文者端末300にアプリケーション機能を提供可能な状態である場合に、第1注文者端末300が午前10時にクライアントアプリケーション機能を起動させると、アプリケーション起動情報には、午前9時から午前10までに他の第2注文者端末で行われた証券取引により更新された情報は、含まれないことになる。このため、アプリケーション起動情報を用いてクライアントアプリケーション機能を起動させても、最新のデータが反映されたアプリケーション機能の利用ができない。
このような現象は、複数の注文者端末300が同じデータを共有してアプリケーション機能を利用する場合に発生する。例えば、複数の注文者端末300の一方が証券取引を遂行しており、他方がクライアントアプリケーション機能を起動していない場合に、他方の注文者端末300が起動する際に参照するアプリケーション起動情報には、一方の注文者端末300が他方の注文者端末300が起動するまでに取引したデータが含まれない。このため、図7(b)に示すように、アプリケーション起動情報が展開され、その日の最新の取引情報か記憶された記憶部130から、起動差分情報を抽出して他の注文者端末300に提供する。
具体的には、アプリケーションサーバ100は、アプリケーション起動情報を記憶部130に展開してアプリケーション機能を起動するので、起動時の記憶部130には、各注文者の最新の銘柄情報、ポジション情報、システム設定情報が記憶される。そして、実際に注文者端末300との間で証券取引処理が遂行されると、データ管理制御部121は、注文者端末300からの注文情報及び取引所サーバ400からの約定情報に基づく注文・約定情報と、この注文・約定情報に基づく最新の銘柄情報及びポジション情報を記憶部130に記憶する。すなわち、注文者によって取引が開始される前の状態では、注文者から当日の注文を受けていないので、注文・約定情報が存在しない。図7(b)に示すように、アプリケーション起動情報は、注文・約定情報を保持しておらず、記憶部130に格納されている取引情報は、アプリケーション機能の起動から現時点までの取引に基づく注文・約定情報を保持し、かつ取引情報の銘柄情報、ポジション情報は、アプリケーション起動情報が保持する銘柄情報、ポジション情報に対してアプリケーション機能の起動から現時点までの注文・約定情報に基づいて追加、更新、削除等された最新のデータ(アプリケーション起動情報が保持する銘柄情報、ポジション情報と異なるデータ)となる。
そこで、本実施形態では、記憶部130が保持する注文・約定情報を用いて、アプリケーション起動情報に含まれる銘柄情報、ポジション情報及びシステム情報と現時点における最新の取引情報との差分を起動差分情報として生成する。具体的には、アプリケーション制御部120は、記憶部130の注文・約定情報の取引履歴、すなわち、注文情報及び約定情報と、起動ファイル記憶部150に記憶されているアプリケーション起動情報の銘柄情報及びポジション情報との間の各注文者及び各銘柄毎の各差分(差分銘柄情報、差分ポジション情報)を算出し、算出された各差分を起動差分情報として注文者端末300に提供する。
なお、起動差分情報のみならず、記憶部130の注文・約定情報を注文者端末300に提供することも可能である。つまり、差分が発生する要因となった注文・約定情報を取引履歴情報として注文者端末300に提供することで、証券取引を円滑に遂行させることができる。この場合、起動差分情報を差分情報と注文・約定情報とで構成し、注文者端末300に提供することができる。なお、システム設定情報も同様に、起動差分情報に含まれて、注文者端末300に提供される。
したがって、図6に示すように、アプリケーション起動情報を注文者端末300に提供した後に、又は提供する際に、判別部122は、記憶部130に展開された最新の取引情報を参照して、アプリケーション起動情報に含まれる更新されたデータがあるか否かを判別する(ステップS603A)。具体的には、記憶部130の銘柄情報又はポジション情報とアプリケーション起動情報の銘柄情報又はポジション情報とを比較して、相違がある場合に更新されたデータがあると判別することができる。また、アプリケーション情報に含まれない記憶部130の注文・約定情報に現時点までの取引履歴があるか否か、注文・約定情報に含まれる約定情報に当日分の約定情報が含まれているか否か等によって、記憶部130とアプリケーション起動情報との間に差分が生じていると判別することができる。そして、更新されたデータが有ると判別した場合に、アプリケーション制御部120が、記憶部130から注文・約定情報を取得し、アプリケーション起動情報に含まれる銘柄情報、ポジション情報及びシステム情報と現時点における最新の取引情報との差分を起動差分情報として生成する(ステップS604A)。その後、注文者端末300に生成した起動差分情報を提供する(ステップS605A)。なお、記憶部130に記憶されている注文・約定情報から銘柄情報やポジション情報の差分を生成して注文者端末300に提供しているが、例えば、記憶部130の注文・約定情報をそのまま注文者端末300に提供し、注文者端末300側でアプリケーション起動情報との間の差分を算出するように構成することも可能である。
このように本実施形態のアプリケーションサーバ100は、アプリケーション機能の提供を受ける注文者端末300側でのクライアントアプリケーション機能を短時間で遂行させることができる。
さらに、注文者端末300とアプリケーションサーバ100との間で同じアプリケーション起動情報を共有してアプリケーション機能の起動処理を行う場合であっても、注文者端末300に起動差分情報を提供するため、注文者端末300は、他の注文者端末300及びアプリケーションサーバ100と同期された取引処理を開始することが可能となる。
以上、上記実施形態では、1つのアプリケーションサーバ100が設けられた証券システムを例示しているが、図8に示すように、証券システムの冗長化のために、機能が共通するアプリケーションサーバ100を複数設けた証券システムであっても、本発明のアプリケーション起動方法を適用することが可能である。この場合、各アプリケーションサーバ100A、100Bが、第1通信制御部110A、アプリケーション制御部120、第2通信制御部110B、記憶部130、起動ファイル記憶部150、及び制御部(CPU)160を含むように構成されるが、起動情報生成部140は、アプリケーションサーバ100A、100Bの少なくとも一方が有していればよい。
また、上記実施形態では、証券システムを一例に説明しているが、例えば、顧客管理システム等の大量のデータをデータベースで管理し、複数のユーザ端末間で管理されるデータを共有して使用するシステムに適用することができる。
また、上記実施形態のアプリケーションサーバ100は、記憶部130に記憶された最新の取引情報を用いてアプリケーション起動情報を生成しているが、アプリケーションサーバ100の終了処理後に、最新の取引情報が反映されたデータベースサーバ200を参照して、アプリケーション起動情報を生成することも可能である。
すなわち、起動情報生成部140が、記憶部130ではなく、終了処理後のデータベースサーバ200を参照して現時点での最新の取引情報を取得し、翌日のアプリケーション機能を注文者端末300に提供可能な状態に起動するためのアプリケーション起動情報をファイル形式で生成し、生成したアプリケーション起動情報を起動ファイル記憶部150に記憶するように構成することができる。このような構成であっても、アプリケーションサーバ100及び注文者端末300は、アプリケーション機能の起動の際に、データベースサーバ200を参照しないで、起動ファイル記憶部150に格納されたアプリケーション起動情報を参照するので、上記実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また、本発明のアプリケーションサーバとしての情報処理装置は、ハードウェア構成として上述以外にも、液晶ディスプレイ等の表示装置、キーボード、マウス、タッチパネル、スキャナー等の操作入力手段、プリンタ、スピーカなどの出力手段、主記憶装置(メモリ)、補助記憶装置(ハードディスク等)等を備えることができる。
また、本発明のアプリケーション起動方法は、コンピュータに実行可能なプログラムとして提供することも可能であり、当該プログラムがインストールされたコンピュータは、本発明の情報処理装置として動作することが可能である。例えば、不図示の補助記憶装置に当該プログラムが格納され、CPU等の制御部が補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された制御部が該プログラムを実行し、コンピュータを本発明の情報処理装置として動作させることができる。
また、アプリケーション起動プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、コンピュータに提供することも可能であり、インターネット等のネットワークを通じてコンピュータにダウンロードすることも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD−ROM等の光ディスク、DVD−ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、本発明の目的のために特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
なお、本発明を好適な実施形態に則して説明したが、本発明の要旨から逸脱しない範囲内で当該技術分野の技術に照らし合わせて多様に変形することが可能である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載及びこれと均等なものに基づいて定められるべきである。