上述のように電動機と油圧ブレーキとを併用して車両に制動力を付与する車両では、車両のエネルギ効率を高めるために大きな制動トルクで低車速まで電動機を回生制御し、その後、低車速時の乗り心地を良好に保持するために電動機による制動力を滑らかに油圧ブレーキによる制動力に置き換える制御が行なわれるが、電動機による制動力を油圧ブレーキによる制動力に置き換える際に電動機の回生制御による異音が生じる場合がある。こうした異音の発生は、乗員に違和感を与えるものとなる。
本発明の車両およびその制御方法は、電動機による制動力と油圧ブレーキなどの制動力を付与する装置による制動力とを置き換える際に生じ得る異音の発生を抑制すると共に低車速時における乗り心地を良好に保持することを目的とする。
本発明の車両およびその制御方法は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の車両は、
車軸に制動力を出力可能な電動機と、
車両に制動力を付与可能な制動力付与手段と、
車速を検出する車速検出手段と、
車両に要求される要求制動力を設定する要求制動力設定手段と、
前記検出された車速が所定車速以上のときには前記設定された要求制動力の範囲内で所定制動力が前記電動機から出力されると共に前記設定された要求制動力が車両に作用するよう前記電動機と前記制動力付与手段とを制御し、前記検出された車速が前記所定車速未満に至ったときには前記電動機から制動力を出力する際に異音を生じる異音発生領域を除いて値0まで減少する制動力が前記電動機から出力されると共に前記設定された要求制動力が車両に作用するよう前記電動機と前記制動力付与手段とを制御する制動時制御手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の車両では、車速が所定車速以上のときには車両に要求される要求制動力の範囲内で所定制動力が電動機から出力されると共に要求制動力が車両に作用するよう電動機と制動力付与手段とを制御する。これにより、電動機による制動力と制動力付与手段による制動力とにより要求制動力を車両に作用させることができる。そして、車速が所定車速未満に至ったときには電動機から制動力を出力する際に異音を生じる異音発生領域を除いて値0まで減少する制動力が電動機から出力されると共に要求制動力が車両に作用するよう電動機と制動力付与手段とを制御する。これにより、異音を生じさせることなく電動機による制動力と制動力付与手段による制動力とを置き換えることができる。もとより、電動機による制動力と制動力付与手段による制動力との置き換えをスムーズに行なうことができるから、所定車速未満における乗員の乗り心地を良好に保持することができる。
こうした本発明の車両において、前記異音発生領域は、前記所定車速未満の領域における高車速高制動力の領域であるものとすることもできる。
本発明の車両において、内燃機関と、車軸に連結された駆動軸に接続されると共に前記駆動軸とは独立に回転可能に前記内燃機関の出力軸に接続され、電力と動力の入出力を伴って前記駆動軸と前記出力軸とに動力を入出力する電力動力入出力手段と、前記電力動力入出力手段および前記電動機と電力のやり取りが可能な蓄電手段と、を備えるものとすることもできる。この場合、前記電力動力入出力手段は、前記蓄電手段と電力のやり取りが可能な発電機と、前記駆動軸と前記出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に接続され該3軸のうちのいずれか2軸に入出力される動力に基づいて残余の軸に動力を入出力する3軸式動力入出力手段と、を備える手段であるものとすることもできる。
本発明の車両の制御方法は、
車軸に制動力を出力可能な電動機と、車両に制動力を付与可能な制動力付与手段と、車速を検出する車速検出手段と、を備える車両の制動時における制御方法であって、
前記検出された車速が所定車速以上のときには前記設定された要求制動力の範囲内で所定制動力が前記電動機から出力されると共に前記設定された要求制動力が車両に作用するよう前記電動機と前記制動力付与手段とを制御し、前記検出された車速が前記所定車速未満に至ったときには前記電動機から制動力を出力する際に異音を生じる異音発生領域を除いて値0まで減少する制動力が前記電動機から出力されると共に前記設定された要求制動力が車両に作用するよう前記電動機と前記制動力付与手段とを制御する、
ことを特徴とする。
この本発明の車両の制御方法では、車速が所定車速以上のときには車両に要求される要求制動力の範囲内で所定制動力が電動機から出力されると共に要求制動力が車両に作用するよう電動機と制動力付与手段とを制御する。これにより、電動機による制動力と制動力付与手段による制動力とにより要求制動力を車両に作用させることができる。そして、車速が所定車速未満に至ったときには電動機から制動力を出力する際に異音を生じる異音発生領域を除いて値0まで減少する制動力が電動機から出力されると共に要求制動力が車両に作用するよう電動機と制動力付与手段とを制御する。これにより、異音を生じさせることなく電動機による制動力と制動力付与手段による制動力とを置き換えることができる。もとより、電動機による制動力と制動力付与手段による制動力との置き換えをスムーズに行なうことができるから、所定車速未満における乗員の乗り心地を良好に保持することができる。
図1は、本発明の第1実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。第1実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して接続された3軸式の動力分配統合機構30と、動力分配統合機構30に接続された発電可能なモータMG1と、動力分配統合機構30に接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに取り付けられた減速ギヤ35と、この減速ギヤ35に接続されたモータMG2と、駆動輪39a,39bや図示しない従動輪のブレーキを制御するためのブレーキアクチュエータ92と、車両の駆動系全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70とを備える。
エンジン22は、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関であり、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力するエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24により燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などの運転制御を受けている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからの信号に基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
動力分配統合機構30は、外歯歯車のサンギヤ31と、このサンギヤ31と同心円上に配置された内歯歯車のリングギヤ32と、サンギヤ31に噛合すると共にリングギヤ32に噛合する複数のピニオンギヤ33と、複数のピニオンギヤ33を自転かつ公転自在に保持するキャリア34とを備え、サンギヤ31とリングギヤ32とキャリア34とを回転要素として差動作用を行なう遊星歯車機構として構成されている。動力分配統合機構30は、キャリア34にはエンジン22のクランクシャフト26が、サンギヤ31にはモータMG1が、リングギヤ32にはリングギヤ軸32aを介して減速ギヤ35がそれぞれ連結されており、モータMG1が発電機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力をサンギヤ31側とリングギヤ32側にそのギヤ比に応じて分配し、モータMG1が電動機として機能するときにはキャリア34から入力されるエンジン22からの動力とサンギヤ31から入力されるモータMG1からの動力を統合してリングギヤ32側に出力する。リングギヤ32に出力された動力は、リングギヤ軸32aからギヤ機構37およびデファレンシャルギヤ38を介して、最終的には車両の駆動輪39a,39bに出力される。
モータMG1およびモータMG2は、いずれも発電機として駆動することができると共に電動機として駆動できる周知の同期発電電動機として構成されており、インバータ41,42を介してバッテリ50と電力のやりとりを行なう。インバータ41,42とバッテリ50とを接続する電力ライン54は、各インバータ41,42が共用する正極母線および負極母線として構成されており、モータMG1,MG2のいずれかで発電される電力を他のモータで消費することができるようになっている。したがって、バッテリ50は、モータMG1,MG2のいずれかから生じた電力や不足する電力により充放電されることになる。なお、モータMG1,MG2により電力収支のバランスをとるものとすれば、バッテリ50は充放電されない。モータMG1,MG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された図示しない電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の出力端子に接続された電力ライン54に取り付けられた図示しない電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサ51からの電池温度Tbなどが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいて残容量(SOC)を演算したり、演算した残容量(SOC)と電池温度Tbとに基づいてバッテリ50を充放電してもよい最大許容電力である入出力制限Win,Woutを演算している。
ブレーキアクチュエータ92は、ブレーキペダル85の踏み込みに応じて生じるブレーキマスターシリンダ90の圧力(ブレーキ圧)と車速Vとにより車両に作用させる制動力におけるブレーキの分担分に応じた制動トルクが駆動輪39a,39bや図示しない従動輪に作用するようブレーキホイールシリンダ96a〜96dの油圧を調整したり、ブレーキペダル85の踏み込みに無関係に、駆動輪39a,39bや従動輪に制動トルクが作用するようブレーキホイールシリンダ96a〜96dの油圧を調整したりすることができるように構成されている。以下、ブレーキアクチュエータ92の作動により駆動輪39a,39bや図示しない従動輪に制動力を作用させる場合を油圧ブレーキと称する。ブレーキアクチュエータ92は、ブレーキ用電子制御ユニット(以下、ブレーキECUという)94により制御されている。ブレーキECU94は、図示しない信号ラインにより、駆動輪39a,39bや従動輪に取り付けられた図示しない車輪速センサからの車輪速や図示しない操舵角センサからの操舵角などの信号を入力して、運転者がブレーキペダル85を踏み込んだときに駆動輪39a,39bや従動輪のいずれかがロックによりスリップするのを防止するアンチロックブレーキシステム機能(ABS)や運転者がアクセルペダル83を踏み込んだときに駆動輪39a,39bのいずれかが空転によりスリップするのを防止するトラクションコントロール(TRC),車両が旋回走行しているときに姿勢を保持する姿勢保持制御(VSC)なども行なう。ブレーキECU94は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってブレーキアクチュエータ92を駆動制御したり、必要に応じてブレーキアクチュエータ92の状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速Vなどが入力ポートを介して入力されている。ハイブリッド用電子制御ユニット70は、前述したように、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,ブレーキECU94と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された第1実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された第1実施例のハイブリッド自動車20の動作、ブレーキペダル85を踏み込んだときの動作について説明する。図2はブレーキペダル85を踏み込んだときにハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される制動時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。なお、ブレーキペダル85が踏み込まれると、図2の制動時制御ルーチンと並行して、モータMG1からトルクが出力されずにエンジン22がアイドル回転数Nidlで自立運転するようモータECU40によるモータMG1の制御とエンジンECU24によるエンジン22の制御が実行される。このモータMG1とエンジン22の制御は本発明の中核をなさないから、これ以上の詳細な説明は省略する。
制動時制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、ブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBPや車速センサ88からの車速V,モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2など制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されるモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて計算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、入力したブレーキペダルポジションBPと車速Vとに基づいて車両に要求される制動トルクとして駆動輪39a,39bに連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求制動トルクTr*を設定する(ステップS110)。要求制動トルクTr*は、第1実施例では、ブレーキペダルポジションBPと車速Vと要求制動トルクTr*との関係を予め定めて要求制動トルク設定用マップとしてROM74に記憶しておき、ブレーキペダルポジションBPと車速Vとが与えられると記憶したマップから対応する要求制動トルクTr*を導出して設定するものとした。図3に要求制動トルク設定用マップの一例を示す。
続いて、入力した車速Vを閾値Vrefと比較し(ステップS120)、車速Vが閾値Vref以上のときには、要求制動トルクTr*を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したトルクを仮モータトルクTm2tmpとして計算すると共に(ステップS130)、計算した仮モータトルクTm2tmpと最大回生トルクTset1とのうち小さい方をモータMG2のトルク指令Tm2*として設定する(ステップS140)。ここで、閾値Vrefは、モータMG2による回生トルクを油圧ブレーキによる制動力にスムーズに置き換える置き換え動作を開始する車速であり、例えば、15km/hや17km/hなどを用いることができる。また、最大回生トルクTset1は、モータMG2を回生制御する際に車両の運動エネルギを効率よく回生することができる最大トルクであり、モータMG2の性能によって設定することができる。上述のように、車速Vが閾値Vref以上のときには要求制動トルクTr*の範囲内で最大回生トルクTset1をモータMG2のトルク指令Tm2*に設定することにより、車両の運動エネルギを効率よく回生することができる。
こうしてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定すると、要求制動トルクTr*からトルク指令Tm2*にギヤ比Grを乗じたものを減じたものをリングギヤ軸32aに換算したときの油圧ブレーキに要求されるブレーキトルクTb*として設定し(ステップS200)、モータMG2のトルク指令Tm2*についてはモータECU40に、ブレーキトルクTb*についてはブレーキECU94に送信して(ステップS210)、本ルーチンを終了する。トルク指令Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG2からトルク指令Tm2*に相当するトルクが出力されるようインバータ42のスイッチング素子をスイッチング制御する。また、ブレーキトルクTb*を受信したブレーキECU94は、ブレーキホイールシリンダ96a〜96dによる制動力がリングギヤ軸32aに換算したときにブレーキトルクTb*に相当するトルクとなるようブレーキアクチュエータ92を駆動制御する。これにより、モータMG2から出力されるトルクとブレーキホイールシリンダ96a〜96dによる制動力とによりリングギヤ軸32aに換算したときに要求制動トルクTr*となる制動トルクを車両に作用させることができる。この状態の動力分配統合機構30の回転要素を力学的に説明するための共線図の一例を図4に示す。
ステップS120で車速Vが閾値Vref未満であると判定されると、モータMG2による回生トルクを油圧ブレーキによる制動力にスムーズに置き換えるために、前回設定されたモータMG2のトルク指令Tm2*が値0でないのを確認して(S150)、前回設定されたモータMG2のトルク指令Tm2*が回生トルクTset2以上であるか否かを判定し(ステップS170)、前回のトルク指令Tm2*が回生トルクTset2以上のときには前回のトルク指令Tm2*からレート値Trt1を減じたものを今回のモータMG2のトルク指令Tm2*として設定し(ステップS160)、この設定したトルク指令Tm2*を用いてブレーキトルクTb*を設定して設定値を送信する処理(ステップS200,S210)を実行して本ルーチンを終了する。一方、前回のトルク指令Tm2*が回生トルクTset2未満のときには前回のトルク指令Tm2*からレート値Trt1より大きな値のレート値Trt2(Trt1<Trt2)を減じたものを仮モータトルクTm2tmpとして設定すると共に(ステップS180)、設定した仮モータトルクTm2tmpと値0とのうち回生トルクとして大きい方を今回のモータMG2のトルク指令Tm2*として設定し(ステップS190)、この設定したトルク指令Tm2*を用いてブレーキトルクTb*を設定して設定値を送信する処理(ステップS200,S210)を実行して本ルーチンを終了する。ここで、回生トルクTset2は、モータMG2による回生トルクを油圧ブレーキによる制動力に置き換える際にモータMG2の回生トルクの減少の程度を変更するトルクであり、最大回生トルクTset1より小さく値0より大きなものとして設定され、モータMG2の性能などにより定めることができる。レート値Trt1,Trt2は、モータMG2による回生トルクを油圧ブレーキによる制動力に置き換える際にモータMG2の回生トルクの減少の程度であり、上述したように、Trt1<Trt2となるように設定されている。これにより、モータMG2の回生トルクは、レート値Trt1によって比較的緩やかに減少した後に程度レート値Trt2によって比較的急に減少することになる。ステップS190で仮モータトルクTm2tmpと値0とのうち回生トルクとして大きい方をモータMG2のトルク指令Tm2*として設定するのは、モータMG2のトルク指令Tm2*に回生トルクとして負のトルク、即ち、駆動トルクを設定しないようにするためである。なお、トルク指令Tm2*が回生トルクTset2未満に至ってから繰り返し制動時制御ルーチンが実行されることによりステップS190でモータMG2のトルク指令Tm2*に値0が設定されると、ステップS150で前回のトルク指令Tm2*が値0であると判定され、値0のトルク指令Tm2*を用いてブレーキトルクTb*を設定して設定値を送信する処理(ステップS200,S210)を実行して本ルーチンを終了する。
図5は、制動時制御ルーチンによりモータMG2による回生トルクを油圧ブレーキによる制動力に置き換える際の車速VとモータMG2のトルクTm2とリングギヤ軸32aに換算したときの油圧ブレーキによるブレーキトルクTbの時間変化を模式的に示す説明図である。図5では、車速Vが閾値Vrefに至るまではモータMG2から最大回生トルクTset1が出力されると共にリングギヤ軸32aに換算したときに要求制動トルクTr*が作用するようブレーキトルクTbが油圧ブレーキから出力されている。車速Vが閾値Vrefに至った時間T11にレート値Trt1によるモータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えが開始され、モータMG2のトルクTm2が回生トルクTset2に至ったときにモータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えの際の減少の程度としてのレート値Trt1をより大きな値Trt2に変更されてモータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えが継続される。そして、モータMG2のトルクTm2が値0となる時間T13にモータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えを完了する。このように、モータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えの最中にレート値を変更することにより、車速Vが閾値Vrefより若干小さな車速でモータMG2から大きな回生トルクを出力する状態を回避することができる。一般的に車速Vが閾値Vrefより若干小さな車速でモータMG2から大きな回生トルクを出力すると、モータMG2から回生ノイズといわれる異音が生じるが、モータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えの最中にレート値を変更することにより、この異音の発生を抑制することができる。
以上説明した第1実施例のハイブリッド自動車20によれば、モータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えの最中にモータMG2の回生トルクの減少の程度をレート値Trt1からこれより大きなレート値Trt2に変更することにより、車速Vが閾値Vrefより若干小さな車速でモータMG2から大きな回生トルクを出力する状態に生じ得るモータMG2からの異音の発生を抑制することができる。もとより、レート値Trt1,Trt2を用いて徐々にモータMG2の回生トルクを油圧ブレーキによる制動力に置き換えるから、モータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えをスムーズに行なうことができ、低車速時にモータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えの際の乗り心地を良好に保持することができる。また、車速Vが閾値Vref以上のときには、最大回生トルクTset1によりモータMG2を回生制御するから、車両の運動エネルギを効率よく回生することができ、車両の燃費を向上させることができる。
第1実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えの最中にモータMG2の回生トルクの減少の程度をレート値Trt1からこれより大きなレート値Trt2に変更するものとしたが、モータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えの最中にモータMG2の回生トルクの減少の程度をレート値Trt3からこれより小さなレート値Trt4に変更するものとしてもよい。この場合、第1実施例のレート値Trt2をレート値Trt3として用いると共にレート値Trt1をレート値Trt4として用いるものとしてもよい。この場合の車速VとモータMG2のトルクTm2とリングギヤ軸32aに換算したときの油圧ブレーキによるブレーキトルクTbの時間変化を模式的に示す一例を図6に示す。この場合でも、モータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えの最中にレート値を変更することにより、車速Vが閾値Vrefより若干小さな車速でモータMG2から大きな回生トルクを出力する状態を回避することができるから、車速Vが閾値Vrefより若干小さな車速でモータMG2から大きな回生トルクを出力する状態に生じ得るモータMG2からの異音の発生を抑制することができると共にモータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えをスムーズに行なうことができる。
次に、本発明の第2実施例としてのハイブリッド自動車20Bについて説明する。第2実施例のハイブリッド自動車20Bは、図1を用いて説明した第1実施例のハイブリッド自動車20と同一のハード構成をしている。したがって、重複する説明を回避するために、第2実施例のハイブリッド自動車20Bのハード構成についての詳細な説明は省略する。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、図2の制動時制御ルーチンに代えて図7の制動時制御ルーチンを実行する。この制動時制御ルーチンのステップS300〜S340の処理とステップS400,S410の処理は、図2の制動時制御ルーチンのステップS100〜S140の処理とステップS200,S210の処理と同一である。したがって、第2実施例では、重複した説明を回避するために、車速Vが閾値Vref未満に至った以降の処理についてのみ説明する。
ステップS320で車速Vが閾値Vref未満であると判定されると、モータMG2による回生トルクを油圧ブレーキによる制動力にスムーズに置き換えるために、前回設定されたモータMG2のトルク指令Tm2*が回生トルクTset3以上であるか否かを判定し(ステップS350)、前回のトルク指令Tm2*が回生トルクTset3以上のときには、前回のトルク指令Tm2*からレート値Trtを減じたものを仮モータトルクTm2tmpとして設定すると共に(ステップS370)、設定した仮モータトルクTm2tmpと値0とのうち回生トルクとして大きい方を今回のモータMG2のトルク指令Tm2*として設定し(ステップS380)、この設定したトルク指令Tm2*を用いてブレーキトルクTb*を設定して設定値を送信する処理(ステップS400,S410)を実行して本ルーチンを終了する。ここで、回生トルクTset3は、モータMG2の回生トルクの減少を一時的に停止する際のトルクであり、閾値Vrefより若干小さな車速のときにモータMG2から異音が生じない程度のものとして設定することができる。
一方、前回のトルク指令Tm2*が回生トルクTset3未満のときには、前回のトルク指令Tm2*が回生トルクTset3未満に至ってから所定時間(例えば、0.1秒や0.2秒,0.3秒など)経過したか否かを判定し(ステップS360)、所定時間経過するまではモータMG2のトルク指令Tm2*のレート値Trtによる減少を行なうことなく、変更されないトルク指令Tm2*を用いてブレーキトルクTb*を設定して設定値を送信する処理(ステップS400,S410)を実行して本ルーチンを終了する。そして、前回のトルク指令Tm2*が回生トルクTset3未満に至ってから所定時間経過すると、再び前回のトルク指令Tm2*からレート値Trtを減じたものを仮モータトルクTm2tmpとして設定すると共に(ステップS370)、設定した仮モータトルクTm2tmpと値0とのうち回生トルクとして大きい方を今回のモータMG2のトルク指令Tm2*として設定し(ステップS380)、この設定したトルク指令Tm2*を用いてブレーキトルクTb*を設定して設定値を送信する処理(ステップS400,S410)を実行して本ルーチンを終了する。
図8は、第2実施例の制動時制御ルーチンによりモータMG2による回生トルクを油圧ブレーキによる制動力に置き換える際の車速VとモータMG2のトルクTm2とリングギヤ軸32aに換算したときの油圧ブレーキによるブレーキトルクTbの時間変化を模式的に示す説明図である。図8では、車速Vが閾値Vrefに至るまではモータMG2から最大回生トルクTset1が出力されると共にリングギヤ軸32aに換算したときに要求制動トルクTr*が作用するようブレーキトルクTbが油圧ブレーキから出力されている。車速Vが閾値Vrefに至った時間T21にレート値TrtによるモータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えが開始され、モータMG2のトルクTm2が回生トルクTset3に至ったときにモータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えが一時的に停止される。そして、時間T22から所定時間経過した時間T23にレート値TrtによるモータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えが再開され、モータMG2のトルクTm2が値0となる時間T24にモータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えを完了する。このように、モータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えを段階的に行なうことにより、車速Vが閾値Vrefより若干小さな車速でモータMG2から大きな回生トルクを出力する状態に生じ得るモータMG2からの異音の発生を抑制することができる。
以上説明した第2実施例のハイブリッド自動車20Bによれば、モータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えを段階的に行なうことにより、車速Vが閾値Vrefより若干小さな車速でモータMG2から大きな回生トルクを出力する状態に生じ得るモータMG2からの異音の発生を抑制することができる。もとより、レート値Trt1,Trt2を用いて徐々にモータMG2の回生トルクを油圧ブレーキによる制動力に置き換えるから、モータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えをスムーズに行なうことができ、低車速時にモータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えの際の乗り心地を良好に保持することができる。また、車速Vが閾値Vref以上のときには、最大回生トルクTset1によりモータMG2を回生制御するから、車両の運動エネルギを効率よく回生することができ、車両の燃費を向上させることができる。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、モータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えを同一のレート値Trtを用いて段階的に行なうものとしたが、モータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えを異なるレート値を用いて段階的に行なうものとしてもよい。
第2実施例のハイブリッド自動車20Bでは、モータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えを同一のレート値Trtを用いて2段に亘って行なうものとしたが、モータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えを同一のレート値Trtを用いて3段以上に亘って行なうものとしてもよい。
第1実施例のハイブリッド自動車20による制動時制御や第2実施例のハイブリッド自動車20Bによる制動時制御は、何れも車速Vが閾値Vrefより若干小さな車速でモータMG2から大きな回生トルクを出力する状態に生じ得るモータMG2からの異音の発生を抑制しながらモータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えをスムーズに行なうものであるから、車速Vが閾値Vrefより小さな範囲で高車速高回生トルクのモータMG2から異音を生じる領域を避けてモータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えをスムーズに行なう制御ということができる。このようにモータMG2から異音を生じる領域を避けてモータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えをスムーズに行なうものであればよいから、モータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えの最中にレート値を変更しないものとしてもよく、また、モータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えを段階的に行なわないものとしてもよい。
第1実施例や第2実施例のハイブリッド自動車20,20Bでは、モータMG2の動力を減速ギヤ35により変速してリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図9の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2の動力をリングギヤ軸32aが接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図9における車輪64a,64bに接続された車軸)に接続するものとしてもよい。
第1実施例や第2実施例のハイブリッド自動車20,20Bでは、エンジン22の動力を動力分配統合機構30を介して駆動輪63a,63bに接続された駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力するものとしたが、図10の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、エンジン22のクランクシャフト26に接続されたインナーロータ232と駆動輪63a,63bに動力を出力する駆動軸に接続されたアウターロータ234とを有し、エンジン22の動力の一部を駆動軸に伝達すると共に残余の動力を電力に変換する対ロータ電動機230を備えるものとしてもよい。
実施例では、エンジン22と二つのモータMG1,MG2を搭載するハイブリッド自動車として説明したが、本発明を、エンジンを搭載せず、車両に制動力を出力可能な電動機と制動用の油圧ブレーキとを備える車両に適用するものとしてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、モータMG2が「電動機」に相当し、ブレーキアクチュエータ92やブレーキホイールシリンダ96a〜96d,ブレーキECU94が「制動力付与手段」に相当し、車速センサ88が「車速検出手段」に相当し、ブレーキペダルポジションBPと車速Vとに基づいて要求制動トルクTr*を設定する図2の制動時制御ルーチンのステップS110の処理や図7の制動時制御ルーチンのステップS310の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「要求制動力設定手段」に相当する。そして、車速Vが閾値Vref以上のときには最大回生トルクTset1がモータMG2から出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定すると共に要求制動トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力されるようブレーキトルクTb*を設定してモータECU40とブレーキECU94とに送信し、車速Vが閾値Vref未満に至った以降は、途中でレート値Trt1をより大きなレート値Trt2に変更してモータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えが行なわれるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定すると共に要求制動トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力されるよう油圧ブレーキによるブレーキトルクTb*を設定してモータECU40やブレーキECU94に送信する処理である図2の制動時制御ルーチンのステップS120〜S210の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70とトルク指令Tm2*を受信してモータMG2を駆動制御するモータECU40とブレーキトルクTb*を受信してブレーキアクチュエータ92を駆動制御するブレーキECU94とが「制動時制御手段」に相当し、車速Vが閾値Vref以上のときには最大回生トルクTset1がモータMG2から出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定すると共に要求制動トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力されるようブレーキトルクTb*を設定してモータECU40とブレーキECU94とに送信し、車速Vが閾値Vref未満に至った以降は、レート値Trtを用いて段階的にモータMG2の回生トルクの油圧ブレーキによる制動力への置き換えが行なわれるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定すると共に要求制動トルクTr*がリングギヤ軸32aに出力されるよう油圧ブレーキによるブレーキトルクTb*を設定してモータECU40やブレーキECU94に送信する処理である図7の制動時制御ルーチンのステップS320〜S410の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70とトルク指令Tm2*を受信してモータMG2を駆動制御するモータECU40とブレーキトルクTb*を受信してブレーキアクチュエータ92を駆動制御するブレーキECU94とが「制動時制御手段」に相当する。また、エンジン22が「内燃機関」に相当し、動力分配統合機構30とモータMG1との組み合わせや対ロータ電動機230が「電力動力入出力手段」に相当し、バッテリ50が「蓄電手段」に相当する。そして、モータMG1が「発電機」に相当し、動力分配統合機構30が「3軸式動力入出力手段」に相当する。ここで、「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、入力軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「制動力付与手段」としては、ブレーキアクチュエータ92やブレーキホイールシリンダ96a〜96d,ブレーキECU94からなる油圧ブレーキに限定されるものではなく、油圧駆動でないブレーキなど、車両に制動力を付与可能なものであれば如何なるものとしても構わない。「車速検出手段」としては、車速センサ88に限定されるものではなく、モータMG2の回転数Nm2から演算するものや車輪速センサからの信号に基づいて演算するものなど、車速を検出するものであれば如何なるものとしても構わない。「要求制動力設定手段」としては、ブレーキペダルポジションBPと車速Vとに基づいて要求制動トルクTr*を設定するものに限定されるものではなく、ブレーキペダルポジションBPだけに基づいて要求制動トルクTr*を設定するものや走行位置に基づいて要求制動トルクを設定するものなど、車両に要求される要求制動力を設定するものであれば如何なるものとしても構わない。「制動時制御手段」としては、上述の図2の制動時制御ルーチンによる処理や図7の制動時制御ルーチンによる処理に限定されるものではなく、車速が所定車速以上のときには車両に要求される要求制動力の範囲内で所定制動力が電動機から出力されると共に要求制動力が車両に作用するよう電動機と制動力付与手段とを制御し、車速が所定車速未満に至ったときには電動機から制動力を出力する際に異音を生じる異音発生領域を除いて値0まで減少する制動力が電動機から出力されると共に要求制動力が車両に作用するよう電動機と制動力付与手段とを制御するものであれば如何なるものとしても構わない。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。