JP5093582B2 - セグメント型固定子、回転電機および駆動装置 - Google Patents

セグメント型固定子、回転電機および駆動装置 Download PDF

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Description

本発明は、セグメント導体を固定子コイルに採用した電動モータおよび発電機などの回転電機の技術分野に属し、また、このような回転電機を構成要素とする駆動装置の技術分野に属する。この駆動装置は、動力としてエンジンと電動機とを併用するビークル(例えばハイブリッドカー)に用いて好適である。
セグメント導体としては、断面形状が概略矩形の導体線材からなり、互いにほぼ平行な一対の直線部と、これらの直線部の一端を互いに接続するターン部とを有するものが広く知られている。そして、特許文献1の図3や図5に示すように、セグメント導体のターン部は、一対の直線部に対して所定の角度をもって斜めに一対の斜行部をもち、ターン部の外形はおおむね「へ」の字型ないし山型になっているのが普通である。
その結果、これらのセグメント導体の直線部を固定子鉄心のスロットに収容したセグメント型固定子では、同文献の図5下半部に示すように、セグメント導体のターン部が固定子鉄心から軸方向に突出してコイル端部を形成している。もちろん、セグメント型固定子を有する回転電機は、このように突出したコイル端部が収容されるだけの軸方向の寸法をもったフレームを必要とする。
また、ハイブリッドカー用の駆動装置としては、特許文献2〜4に開示されているように、一対の回転電機を同軸に配置して内蔵しているものが多い。そして、これらの回転電機には、セグメント型固定子を有するものが少なくない。
特許第3438570号公報(特に図3および図5) 特開平2004−343845号公報 特開平2004−330847号公報 特開平2006−262553号公報
しかしながら、前述のように、各セグメント導体のターン部が一対の斜行部からなり、ターン部の外形がおおむね山型になっていると、セグメントコイル両端のうちターン部側エンド部が軸方向に突出している寸法は、どうしても大きくなってしまう。ここで、この寸法のことを、ターン部側のコイル端部の「突出高さ」と、この明細書中では呼ぶことにする。
もちろん、どちら側のコイル端部であっても、その突出高さが大きければ大きいほど、セグメント型固定子の軸方向の寸法も必然的に大きくなる。すると、そのセグメント型固定子を収容しているフレームは、その軸方向の寸法が大きくならざるを得ないから、そのセグメント型固定子を有する回転電機においても、軸方向の寸法が大きくなってしまうことは不可避である。
ここで「軸方向」とは、固定子またはその固定子を含む回転電機の軸心(中心線)に沿った方向ないし軸心に平行な方向を指すものであり、軸心に向かう方向(求心方向)を指すものではない。
また、ハイブリッドカーなどに搭載される駆動装置には、互いに対向または背向して同軸に配設された一対の回転電機を内蔵するものが多い。そして、これらの回転電機がセグメント型固定子を有するものである場合には、そのコイル端部の突出高さをたとえ一方であっても低減することができれば、その分だけ駆動装置の小型軽量化できる場合が少なくない。
そこで本発明は、セグメント型固定子の一方のコイル端部における突出高さを低減することと、このような固定子の組み立てに供すべき部品としてのセグメント導体を提供することとを解決すべき課題とする。本発明はまた、セグメント型固定子を有する回転電機の軸方向の寸法を低減し、この回転電機を小型軽量化することをも解決すべき課題とする。併せて、このような回転電機を構成要素として有する駆動装置についても、小型軽量化を可能にすることを解決すべき課題とする。
前記課題を解決するために、発明者は以下の手段を発明した。そこで、本項では各手段の構成について説明し、併せてその構成がもたらす作用効果についても簡潔に説明する。なお、以下の各手段に付せられた順序数は、本願出願時に特許請求の範囲に記載のあった請求項の番号にそれぞれ対応している。
[セグメント導体]
(第1手段)
本発明の第1手段は、断面形状が概略矩形の導体線材からなり、互いにほぼ平行な一対の直線部とこれらの直線部の一端を互いに接続するターン部とを有するセグメント導体である。本手段の特徴は、前記ターン部が前記直線部におおむね直交する複数の平坦部と前記直線部の軸方向に所定の段差をもってこれらの平坦部を連結する複数の段差部とをもち、これらの平坦部とこれらの段差部とが交互に配設されて、このターン部の外形が上り下り一対の階段状に形成されていることである。
本手段では、固定子鉄心の端面から離れる方向に斜行しているのは段差部だけであり、平坦部は固定子鉄心の端面に対しておおむね平行である。それゆえ、ターン部の中央で最も固定子鉄心の端面から離れた部分であっても、固定子鉄心からの突出高さは従来技術よりも低減されている。
より詳しく説明すると、本手段のセグメント導体は、所定数が固定子鉄心に装着され、セグメント型コイルを形成した状態でその作用効果を発揮する。
ここでは、説明を明解にするために、ターン部が形成するコイル端部が上にきたセグメント型コイルをもつ固定子を、その軸方向を重力方向に沿って立てた状態を想定する。そして、軸方向に沿って固定子鉄心から離れる方向をもって「上方」ないし「上」と呼ぶことにし、逆に固定子鉄心の端面に近づく方向をもって「下方」ないし「下」と呼ぶことにする。
さて、この状態では、本手段のセグメント導体のターン部において、固定子鉄心のうち互いに隣接するスロットに直線部が収容された周方向に隣り合うセグメント導体の間において、ターン部では平坦部が相互に乗り上げている。
すなわち、固定子鉄心のあるスロットに直線部のうち一方が収容された直線部に直近の平坦部(「第一平坦部」と呼び、以下同様とする)の上に、隣のスロットから突出したセグメント導体のターン部のうち第二平坦部が乗り上げている。そして、このターン部の第一平坦部から段差部を経て一段高くなった第二平坦部は、先ほどとは反対側の隣のスロットから延在するターン部の第一平坦部に乗り上げている。こうして、ターン部のうち上りの階段状部分において、所定数の平坦部について同様の乗り上げ状態が繰り返されて頂上の平坦部(「最上段平坦部」と呼ぶ)に至る。
ここで、最上段平坦部は、ターン部の中央付近に位置する頂上の平坦部であり、この両側に上りの階段部分と下りの階段部分とが形成されている。そして、最上段平坦部では、セグメント型コイルの半径方向に導体線材の厚さ分だけ、ずれを生じるように導体線材が成形されている。また、最上段平坦部の上面は、ターン部が形成するコイル端部の端面に相当する。
一方、当該セグメント導体のターン部のうち逆に下りの階段状部分においては、先ほどの上りとは逆方向に隣接するセグメント導体のターン部の間で各平坦部が相互に乗り上げて、他方の直線部に直近の平坦部にまで至る。この平坦部は、最上段平坦部を挟んで先ほどの第一平坦部とほぼ対称的な位置にある別の第一平坦部である。すなわち、仮に先ほどの第一平坦部が上りの階段状部分にあれば、この第一平坦部は下りの階段状部分にあり、その逆もまた同様である。
すると、前述の特許文献1に開示されている従来技術に比べて、セグメント導体のターン部が形成するコイル端部の固定子鉄心からの突出高さが低減される。すなわち、従来技術ではターン部が「へ」の字状になっていたので、各セグメント導体のターン部と固定子鉄心の端面との間には、三角山型の隙間が空いていたが、本手段ではこの隙間がほとんど埋められてしまい、その分だけコイル端部の突出高さが低くなる。
したがって、本手段のセグメント導体によれば、コイル端部のターン部側では突出高さを従来技術よりも縮めることができ、その結果、このセグメント導体を採用した固定子や回転電機の小型軽量化ができるという効果がある。
(第2手段)
本発明の第2手段は、前述の第1手段において、前記ターン部のうち互いに隣り合う前記平坦部の前記段差は、これら平坦部における前記断面形状のうち前記軸方向の断面寸法と同等ないしそれ以上であることを特徴とするセグメント導体である。
本手段で、周方向に隣り合うセグメント導体の間では、互いに隣り合う平坦部の段差がその断面寸法と同等であれば、平坦部は軸方向にほぼ隙間なく互いに乗り上げ、ターン部側コイル端部の突出高さは最低限に抑制される。一方、平坦部の段差が断面寸法よりも大きければ、その差分だけの隙間が互いに乗り上げた平坦部の間に生まれるから、その隙間に冷媒を通すことができればコイル端部での冷却特性が改善される。
(第3手段)
本発明の第3手段は、前述の第1手段または第2手段において、両前記直線部と前記ターン部とのうち少なくとも後者を被覆する絶縁被膜を有することを特徴とするセグメント導体である。
本手段では、特に軸方向に隙間なく(あるいは最小限の隙間で)配設されたターン部の間で短絡が起こりにくくなっている。
[セグメント型固定子]
(第4手段)
本発明の第4手段は、互いに平行な複数のスロットが形成された固定子鉄心と、この固定子鉄心のこれらスロットに直線部が収容された複数のセグメント導体が互いに接続されてなるセグメント型コイルとを有するセグメント型固定子である。本手段の特徴は、これらのセグメント導体が、前述の第1手段〜第3手段のうちいずれかであることである。
本手段のセグメント型固定子では、セグメント型固定子を構成するこれらのセグメント導体が各手段のうちいずれであるかによって、当該手段の項ですでに説明された作用効果が得られる。
[回転電機]
(第5手段)
本発明の第5手段は、セグメント型コイルをもつ固定子と、この固定子に対して同軸に軸支された回転子とを有する回転電機である。本手段の特徴は、前記固定子が第4手段のセグメント型固定子であることである。
本手段の回転電機では、前述の第4手段の項で説明した作用効果が得られる。すなわち、セグメント型固定子のコイルを構成するセグメント導体が、第1手段〜第3手段のうちいずれであるかによって、当該手段の項で説明した特有の作用効果が得られる。
[駆動装置]
(第6手段)
本発明の第6手段は、互いに同軸に配設された複数の回転電機と、エンジンに駆動される入力軸と、外部に駆動力を提供する出力手段とを有する駆動装置である。そして、本手段の特徴は、これらの回転電機のうち少なくとも一つが第5手段の回転電機であることである。
本手段では、第5手段に相当する回転電機において、固定子コイル端部のうちターン部側の突出高さが低くなっている。したがって本手段によれば、その突出高さで駆動装置の軸方向の長さが変わる場合には、駆動装置を小型軽量化することが可能になるという効果がある。
(第7手段)
本発明の第7手段は、前述の第6手段において、前記複数の回転電機のうち全てが第5手段の回転電機であることを特徴とする駆動装置である。
本手段では、同軸に配設された回転電機の全てでターン部側コイル端部で突出高さが低くなっているので、これによって駆動装置を小型軽量化する第6手段の効果が最大限に得られる。
本発明の「セグメント導体」「セグメント型固定子」「回転電機」および「駆動装置」のそれぞれがもつ実施形態については、当業者が本発明を実施することができるだけの理解が得られるように、以下の記載で明確かつ十分に説明する。なお、本発明の出願時点では、以下の実施形態ないしその変形態様が最良の形態に相当する可能性があるものと、発明者は考えている。
実施形態1
本発明の実施形態1は、「セグメント導体」と、複数の当該セグメント導体を部品として構成された「セグメント型固定子」と、この固定子を有する「回転電機」とである。それぞれの構成と作用効果については、相互に密接な関連がある。
(セグメント導体)
本実施形態において、セグメント導体1は、図1に示すように、断面形状が概略矩形の導体線材からなり、互いにほぼ平行な一対の直線部2(21,22)と、両直線部21,22の一端を互いに接続するターン部3とを有する。
本実施形態の特徴は、ターン部3が、直線部2におおむね直交する複数の平坦部41〜45と、直線部2の軸方向に所定の段差をもって平坦部41〜45を順に連結する複数の段差部51〜54とをもつことである。すなわちターン部3には平坦部41〜45と段差部51〜54とが交互に配設されており、ターン部3の外形は上り下り一対の階段状に形成されている。
そして、ターン部3において、互いに隣り合う平坦部41〜45の間にある段差は、各平坦部41〜45における導体線材がもつ断面形状のうち、軸方向の断面寸法とほぼ同等である。ただし、段差の方が断面寸法を所定の範囲内で上回っているように、寸法トレーランスが設定されている。なお、両直線部21,22とターン部3とのうち両直線部21,22の開放端部分(図略)を除き、セグメント導体1のほぼ全体が絶縁被膜(図略)で被覆されている。
説明の便宜上、両直線部21,22のうち、一方の直線部21は、後述する固定子鉄心のスロットに浅く収容されるべきものとする。逆に、他方の直線部22は、所定数だけ空けたスロットに、一方の直線部21よりも一層分(セグメント導体1の厚さ分)だけ深く収容されるべきものとする。そして、導体線材が角部30で直線部21からほぼ直角に曲げられて、ターン部3の第一平坦部41が形成されている。ここで、第一平坦部41からターン部3の中央付近に位置する最上段平坦部45に至るまでの階段状の部分をもって、上りの階段状部分31と呼ぶことにする。逆に、最上段平坦部45から発して反対側の直線部22に至る角部30までの階段状の部分をもって、下りの階段状部分32と呼ぶことにする。すなわち、ターン部3は、上り下り一対の階段状部分31,32から構成されている。
ただし、最上段平坦部45だけは、セグメント型コイル8(図2参照)の半径方向に一層分(セグメント導体1の厚さ分)のずれを生じるように成形されている。それゆえ、上り下りの両階段状部分31,32は、それぞれセグメント型コイル8の周方向に沿って所定の曲率半径で湾曲しているが、前者31の曲率半径に比べて後者32の曲率半径の方が一層分だけ大きくなっている。
したがって、セグメント導体1のターン部3では、後述する固定子鉄心の端面から離れる方向に斜行しているのは上り下り一対の段差部51〜54だけであり、やはり上り下り一対の平坦部41〜45はコア端面に対しておおむね平行になる。それゆえ、ターン部3の中央付近で最もコア端面から離れた最上段平坦部45においても、固定子鉄心からの突出高さは従来技術よりも低減されている。このような作用効果については、次の項などでより詳しく説明する。
(セグメント型固定子)
本実施形態においてセグメント型固定子6は、図2に示すように、互いに平行な所定数のスロット70が内周に形成された固定子鉄心7と、セグメント型コイル8とを有する。セグメント型コイル8は、固定子鉄心7の各スロット70に直線部2が収容された所定数のセグメント導体1が互いに接続されてなる固定子コイルである。セグメント型固定子6の特徴は、全てのセグメント導体1が前項で図1を参照して説明した特徴を有することである。
ここでは説明を明解にするために、セグメント導体1のターン部3が形成するコイル端部81が上にきたセグメント型コイル8をもつ固定子6を、その軸方向を重力方向に沿って立てた状態を想定する。そして、軸方向に沿って固定子鉄心7の一端面71から離れる方向をもって「上方」ないし「上」と呼ぶことにし、逆に同端面71に近づく方向をもって「下方」ないし「下」と呼ぶことにする。
すると、固定子鉄心7の隣接したスロット70に一方の直線部21がそれぞれ収容され、周方向に隣り合うセグメント導体1のターン部3の間では、平坦部41〜45が相互に乗り上げた状態になっている。
すなわち、任意のセグメント導体1を取り上げると、固定子鉄心7の一端面71にほぼ直接沿って延在する第一平坦部41(図1参照)の上に、隣のスロット70から突出したセグメント導体1のターン部3のうち第二平坦部42が乗り上げている。そして、ターン部3の第一平坦部41から第一段差部51を経て一段高くなった第二平坦部42は、先ほどとは反対側の隣のスロット70から延在する別のセグメント導体1のターン部3のうち第一平坦部41に乗り上げている。こうして、ターン部3のうち上りの階段状部分31において、所定数の平坦部41〜44について同様の乗り上げ状態が繰り返され、頂上の平坦部(最上段平坦部45)に至る。最上段平坦部45の上面は、ターン部3が形成するコイル端部81の頂部に相当する。
また、再び図1に示すように、最上段平坦部45は、ターン部3の中央付近に位置する頂上の平坦部であり、最上段平坦部45の両側に、上りの階段状部分31と下りの階段状部分32とが形成されている。そして、最上段平坦部45は、セグメント型コイルの周方向に対して所定角度で斜行しており、一層分(セグメント導体1の半径方向の厚さに相当する分)だけ、上りの階段状部分31と下りの階段状部分32とは、セグメント型コイルの半径方向に互いにずれている。すなわち、セグメント型コイルの中で占める位置でいうと、下りの階段状部分32の位置は、上りの階段状部分31の位置よりも遠心側に一層分だけずれており、下りの階段状部分32の曲率半径は、上りの階段状部分31の曲率半径より一層分だけ増えている。
一方、任意のセグメント導体1のターン部3のうち逆に下りの階段状部分32においては、先ほどの上りの階段状部分31とは逆方向に隣接するセグメント導体1のターン部3の間で各平坦部(図1でも符号は省略)が相互に乗り上げて、他方の直線部22に直近の平坦部にまで至る。この平坦部は、最上段平坦部を挟んで先ほどの第一平坦部41とほぼ対称的な位置にある別の第一平坦部である。すなわち、先ほどの第一平坦部41は、上りの階段状部分31にあるが、この第一平坦部は、逆に下りの階段状部分32のうち最も低い(コア端面71に近い)部分にある。
したがって、セグメント導体1のターン部3では、後述する固定子鉄心の端面から離れる方向に斜行しているのは上り下り一対の段差部51〜54だけであり、やはり上り下り一対の平坦部41〜45はコア端面71に対しておおむね平行になる。それゆえ、ターン部3の中央付近で最もコア端面71から離れた最上段平坦部45においても、再び図2に示すように、固定子鉄心からの突出高さHは、例えば特許文献1に開示の従来技術よりも低減されている。
なお、再び図2に示すように、ターン部3が形成するコイル端部81の突出高さHが低減されており、コイル端部81とコア端面71との間にもわずかな空間しか残っていない。それゆえ、コイル端部81の中では所定数のターン部3が密集しており、隣接するターン部3同士は互いに接触している。しかし、前述のようにターン部3の表面には絶縁被膜が形成されているので、ターン部3での短絡は防止されており、必要に応じてコイル端部81の内部に形成されたわずかな空間をも絶縁性の樹脂で満たして固めてもよい。その逆に、幾らかでもコイル端部81の内部に連通する隙間があれば、コイル端部81を強制冷却する際には冷媒の通りが良くなり、冷却効果が向上して好都合である場合もある。
(回転電機)
本実施形態において、本発明の回転電機(例えば図3のMG1およびMG2)は、以上で説明したセグメント型コイル8をもつ固定子6(図2参照)と、セグメント型固定子6に対して同軸に軸支された回転子(図略)とを有する。
本実施形態の回転電機では、前述のようにセグメント型固定子6のコイル8を構成するセグメント導体1のターン部3に特徴があり(図1参照)、ターン部側コイル端部81の突出高さHが低減されている(図2参照)。その結果、回転電機の軸方向の寸法を短縮することができ、フレームや軸を短縮することができるので、小型軽量化を進めるうえで効果がある。
実施形態2
(駆動装置の構成)
本発明の実施形態2たる駆動装置100は、いわゆるハイブリッドカー用の駆動装置である。すなわち駆動装置100は、図3に示すように、互いに対向して同軸に配設された一対の回転電機(第一回転電機MG1および第二回転電機MG2)と、エンジンEに駆動される入力軸111と、外部に駆動力を提供する出力手段130とを有する。
ここで、エンジンEからの入力軸111と、第一回転電機MG1の回転子9の軸たる中空の回転軸91と、第二回転電機MG2の回転子9の回転軸91とは、互いに対向した回転電機MG1,MG2の間に挿置されたトルクスプリット装置120に接続されている。第一回転電機MG1と第二回転電機MG2とでは、それぞれのセグメント型固定子6のターン部側コイル端部81は、互いに背向する方向に配設されている。なお、図3中では、両回転電機MG1,MG2の固定子8や回転子9で同じ符号(6,7,8,81,9,91)が割り振られているが、このような符号の共用は、必ずしも両回転電機MG1,MG2の当該部品が互いに同一規格であることを示唆するものではない。
さて、トルクスプリット装置120は、遊星ギヤと幾つかのクラッチとを含む装置であり、図示しない制御装置の指令によって駆動装置100の運転モードを切り替える作用をもつ。また、出力手段130は、動力伝達ギヤなどによって駆動装置100から動力を車両の駆動輪(図略)に伝達したり、逆に発電するために駆動輪から動力を駆動装置100に取り込んだりする作用をもつ。
そして、駆動装置100の特徴は、二基一組の回転電機MG1,MG2のうち両方が、それぞれ実施形態1で詳述した構成の回転電機であることである。すなわち、各回転電機MG1,MG2のセグメント型固定子6では、所定数のセグメント導体1(図1参照)のターン部3によって形成されるコイル端部81で、その突出高さH1,H2が従来技術よりも低減されている。
なお、両回転電機MG1,MG2のコイル端部81では稠密度が高くなるが、もともと駆動装置100ではコイル端部81を冷却油で強制冷却しているので、過熱による不具合は起こりにくい。
(駆動装置の作用効果)
本実施形態の駆動装置100は、以上のように構成されているので、以下のような作用効果を発揮する。
すなわち、前述のように互いに同軸で対向する両回転電機MG1,MG2において、セグメント型固定子6のターン部側コイル端部81の突出高さH1,H2が、それぞれ従来技術よりも低くなっている。この効果については、図4に従来技術による比較例としての駆動装置100Pの概略構成を示してあり、図3(本実施形態)と図4(比較例)とで、コイル端部81の突出高さ(H1:H1PならびにH2:H2P)を比較すれば、一目瞭然である。
また、その分だけ駆動装置100の要部を格納するフレーム(図略)の軸方向の寸法についても、本実施形態の駆動装置100の方が低減されている。この効果についても、図3(本実施形態)と図4(比較例)とで、駆動装置100,100Pの全長L,LPを比較すれば明らかである。
具体的な数値を挙げるならば、小型乗用車クラス用の駆動装置100Pにおいて、従来技術によるコイル端部81Pの突出高さH1P,H2P(図4参照)はそれぞれ40〜50mm程度であった。しかし、本実施形態の駆動装置100においては、当該部分の突出高さH1,H2をそれぞれ10〜15mm程度に抑制することができるから、本実施形態での全長Lは比較例の全長LPよりも50〜80mm程度も短縮することができるようになる。
したがって、本実施形態の駆動装置100によれば、その全長Lを50〜80mm程度も短縮することができ、これに伴って容積や重量も相応に低減することができるから、小型軽量化の効果が得られる。
(変形態様)
本実施形態の駆動装置100では、再び図3に示すように、両回転電機MG1,MG2のターン部側コイル端部81が互いに背向していたが、両者を互いに対向する向きに配置した変形態様も可能である。この変形態様では、トルクスプリット装置120との空間的な配置関係の如何で、全長Lの短縮効果は前述の実施形態と同程度であったり、あるいは幾分か短縮効果が小さかったりすることがある。
また、本実施形態の駆動装置100(図3参照)に対して両回転電機MG1,MG2のうちいずれか一方の方向を変えた変形態様においても、相応の効果が得られる。
本発明の実施形態1としてのセグメント導体の要部形状を示す斜視図 本発明の実施形態1でのターン部側コイル端部の形状を示す斜視図 本発明の実施形態2としての駆動装置の概略構成を示す断面模式図 従来技術による比較例としての駆動装置の概略構成を示す断面模式図
符号の説明
1:セグメント導体
2:一対の直線部(固定子鉄心のスロットに収容される部分)
21:一方の直線部 22:他方の直線部
3:ターン部 30:角部
31:上りの階段状部分 32:下りの階段状部分
4:複数の平坦部(固定子鉄心の端面に対してほぼ平行)
41:第一平坦部 42:第二平坦部 43:(中略)
45:最上段平坦部
5:複数の段差部(固定子鉄心の端面に対し斜行)
51,52,53,54:各段差部
6:セグメント型固定子
7:固定子鉄心 70:スロット 71:固定子鉄心の一端面
8:セグメント型コイル 81:ターン部側のコイル端部
H:ターン部側コイル端部の突出高さ
9:回転子 91:回転軸
100:駆動装置
MG1:第一回転電機 MG2:第二回転電機
111:エンジン動力の入力軸
120:トルクスプリット装置(遊星ギヤおよびクラッチ等を含む)
130:出力手段(動力伝達ギヤ等を含む)
E:エンジン
H1:第一回転電機でのターン部側コイル端部の突出高さ
H2:第二回転電機でのターン部側コイル端部の突出高さ
L:駆動装置の要部全長
−P:従来技術による比較例の接尾符号

Claims (4)

  1. 互いに平行な複数のスロットが形成された固定子鉄心と、
    この固定子鉄心のこれらスロットに直線部が収容された複数のセグメント導体が互いに接続されてなるセグメント型コイルと、
    を有するセグメント型固定子において、
    各前記セグメント導体は、断面形状が概略矩形の導体線材からなり、互いにほぼ平行な一対の直線部と、これらの直線部の一端を互いに接続するターン部とを有し、
    前記ターン部は、
    前記直線部におおむね直交する複数の平坦部と、前記直線部の軸方向に所定の段差をもってこれらの平坦部を連結する複数の段差部とをもち、
    これらの平坦部とこれらの段差部とが交互に配設されて、このターン部の外形が、上り下り一対の階段状に形成されていることを特徴とする、
    セグメント型固定子。
  2. セグメント型コイルをもつ固定子と、この固定子に対して同軸に軸支された回転子とを有する回転電機において、
    前記固定子は、請求項記載のセグメント型固定子であることを特徴とする、
    回転電機。
  3. 互いに同軸に配設された複数の回転電機と、エンジンに駆動される入力軸と、外部に駆動力を提供する出力手段とを有する駆動装置において、
    これらの回転電機のうち少なくとも一つは、請求項記載の回転電機であることを特徴とする、
    駆動装置。
  4. 前記複数の回転電機のうち全てが請求項記載の回転電機であることを特徴とする、
    請求項記載の駆動装置。

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