(第1の実施形態)
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、以下の説明で参照する各図面においては、図面を見易くするために各構成部材の寸法を変更したり、一部を省略して表示している。
<液滴吐出ヘッド>
まず、本発明の一実施の形態として、本発明にデバイス実装構造を具備した液滴吐出ヘッドについて図1から図4を参照して説明する。図1は液滴吐出ヘッドの一実施形態を示す斜視構成図、図2は液滴吐出ヘッドを下側から見た斜視構成図の一部破断図、図3は図1のA−A線に沿う断面構成図である。
なお、以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部材の位置関係について説明する。水平面内における所定方向をX軸方向、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに直交する方向(すなわち鉛直方向)をZ軸方向とする。
本実施形態の液滴吐出ヘッド1は、インク(機能液)を液滴状にしてノズルから吐出するものである。図1から図3に示すように、液滴吐出ヘッド1は、液滴が吐出されるノズル開口15を備えたノズル基板16と、ノズル基板16の上面(+Z側)に接続されてインク流路を形成する流路形成基板10と、流路形成基板10の上面に接続されて圧電素子(駆動素子)300の駆動によって変位する振動板400と、振動板400の上面に接続されてリザーバ100を形成するリザーバ形成基板(保護基板)20と、リザーバ形成基板20上に設けられた前記圧電素子300を駆動するための4個の駆動回路部(ドライバIC)200A〜200Dと、駆動回路部200A〜200Dと接続された複数の配線パターン(導電接続部)34とを備えて構成されている。
液滴吐出ヘッド1の動作は、各駆動回路部200A〜200Dに接続された図示略の外部コントローラによって制御される。図2に示す流路形成基板10には、複数の平面視略櫛歯状の開口領域が区画形成されており、これらの開口領域のうち、X軸方向に延びて形成された部分が、ノズル基板16と振動板400とにより囲まれて圧力発生室12を形成する。また、上記平面視略櫛歯状の開口領域のうち、図示Y方向に延びて形成された部分が、リザーバ形成基板20と流路形成基板10とにより囲まれてリザーバ100を形成している。
図2及び図3に示すように、流路形成基板10の図示下面側(−Z側)は開口しており、その開口を覆うようにノズル基板16が流路形成基板10の下面に接続されている。流路形成基板10の下面とノズル基板16とは、例えば接着剤や熱溶着フィルム等を介して固定されている。ノズル基板16には、液滴を吐出する複数のノズル開口15が設けられている。具体的には、ノズル基板16に設けられた複数のノズル開口15はY軸方向に配列されており、本実施形態では、ノズル基板16上の複数の領域に配列された一群のノズル開口15を、それぞれ第1ノズル開口群15A、第2ノズル開口群15B、第3ノズル開口群15C、及び第4ノズル開口群15Dを構成している。
第1ノズル開口群15Aと第2ノズル開口群15BとはX軸方向に関して互いに対向するように配置されている。第3ノズル開口群15Cは第1ノズル開口群15Aの+Y側に設けられており、第4ノズル開口群15Dは第2ノズル開口群15Bの+Y側に設けられている。これら第3ノズル開口群15Cと第4ノズル開口群15DとはX軸方向に関して互いに対向するように配置されている。
なお、図2では各ノズル開口群15A〜15Dのそれぞれは6個のノズル開口15によって構成されているように示されているが、実際には、各ノズル開口群は例えば720個程度の多数のノズル開口15によって構成される。
流路形成基板10の内側には、その中央部からX方向に延びる複数の隔壁11が形成されている。本実施形態の場合、流路形成基板10はシリコンによって形成されており、複数の隔壁11は、流路形成基板10の母材であるシリコン単結晶基板を異方性エッチングにより部分的に除去して形成されたものである。複数の隔壁11を有する流路形成基板10と、ノズル基板16と、振動板400とにより区画された複数の空間が圧力発生室12である。
圧力発生室12とノズル開口15とは、各々対応して設けられている。すなわち、圧力発生室12は、第1〜第4ノズル開口群15A〜15Dのそれぞれを構成する複数のノズル開口15に対応するように、Y軸方向に複数並んで設けられている。そして、第1ノズル開口群15Aに対応して複数形成された圧力発生室12が第1圧力発生室群12Aを構成し、第2ノズル開口群15Bに対応して複数形成された圧力発生室12が第2圧力発生室群12Bを構成し、第3ノズル開口群15Cに対応して複数形成された圧力発生室12が第3圧力発生室群12Cを構成し、第4ノズル開口群15Dに対応して複数形成された圧力発生室12が第4圧力発生室群12Dを構成している。
第1圧力発生室群12Aと第2圧力発生室群12BとはX軸方向に関して互いに対向するように配置されており、それらの間には隔壁10Kが形成されている。同様に、第3圧力発生室群12Cと第4圧力発生室群12Dとの間にも隔壁10Kが形成されており、それらはX軸方向に関して互いに対向するように配置されている。
第1圧力発生室群12Aを形成する複数の圧力発生室12の基板中央部側(−X側)の端部は上述した隔壁10Kによって閉塞されているが、基板外縁部側(+X側)の端部は互いに接続するように集合され、リザーバ100と接続されている。リザーバ100は、図1及び図3に示す機能液導入口25と圧力発生室12との間で機能液を一時的に保持するものであって、リザーバ形成基板20にY軸方向に延びる平面視矩形状に形成されたリザーバ部21と、流路形成基板10にY軸方向に延びる平面視矩形状に形成された連通部13とから構成されている。そして、連通部13において各圧力発生室12と接続され、第1圧力発生室群12Aを構成する複数の圧力発生室12の共通の機能液保持室(インク室)を形成している。図3に示す機能液の経路をみると、ヘッド外端上面に開口する機能液導入口25より導入された機能液が、導入路26を経てリザーバ100に流れ込み、供給路14を経て、第1圧力発生室群12Aを構成する複数の圧力発生室12のそれぞれに供給されるようになっている。
また、第2、第3、第4圧力発生室群12B、12C、12Dのそれぞれを構成する圧力発生室12のそれぞれにも、上述と同様の構成のリザーバ100が接続されており、それぞれ供給路14を介して連通された圧力発生室群12B〜12Dに供給される機能液の一時貯留部を構成している。
流路形成基板10とリザーバ形成基板20との間に配置された振動板400は、流路形成基板10側から順に弾性膜50と下電極膜60とを積層した構造を備えている。流路形成基板10側に配される弾性膜50は、例えば1〜2μm程度の厚さの酸化シリコン膜からなるものであり、弾性膜50上に形成される下電極膜60は、例えば0.2μm程度の厚さの金属膜からなるものである。本実施形態において、下電極膜60は、流路形成基板10とリザーバ形成基板20との間に配される複数の圧電素子300の共通電極としても機能するようになっている。
振動板400を変形させるための圧電素子300は、図3に示すように、下電極膜60側から順に圧電体膜70と、上電極膜80とを積層した構造を備えている。圧電体膜70の厚さは例えば1μm程度、上電極膜80の厚さは例えば0.1μm程度である。
なお、圧電素子300の概念としては、圧電体膜70及び上電極膜80に加えて、下電極膜60を含むものであってもよい。下電極膜60は圧電素子300として機能する一方、振動板400としても機能するからである。本実施形態では、弾性膜50及び下電極膜60が振動板400として機能する構成を採用しているが、弾性膜50を省略して下電極膜60が弾性膜(50)を兼ねる構成とすることもできる。
圧電素子300(圧電体膜70及び上電極膜80)は、複数のノズル開口15及び圧力発生室12のそれぞれに対応するように複数設けられている。本実施形態では、便宜的に、第1ノズル開口群15Aを構成するノズル開口15のそれぞれに対応するようにY軸方向に複数並んで設けられた一群の圧電素子300を第1圧電素子群と呼ぶこととする。また同様に、第2ノズル開口群15Bを構成するノズル開口15のそれぞれに対応するようにY軸方向に複数並んで設けられた一群の圧電素子300を第2圧電素子群と呼ぶこととする。さらに、第3ノズル開口群15Cに対応する一群の圧電素子300を第3圧電素子群と呼び、第4ノズル開口群15Dに対応する一群の圧電素子300を第4圧電素子群と呼ぶこととする。
流路形成基板10上の平面領域において、上記第1圧電素子群及び第2圧電素子群は、X軸方向に関して互いに対向するように配置されている。同様に、第3、第4ノズル開口群15C、15Dにそれぞれ対応する第3、第4圧電素子群は、X軸方向に関して互いに対向するように配置されている。
圧電素子300を含む振動板400上の領域を覆って、リザーバ形成基板20が設けられており、リザーバ形成基板20の上面(流路形成基板10と反対側面)には、封止膜31と固定板32とを積層した構造のコンプライアンス基板30が接合されている。このコンプライアンス基板30において、内側に配される封止膜31は、剛性が低く可撓性を有する材料(例えば、厚さ6μm程度のポリフェニレンスルフィドフィルム)からなり、この封止膜31によってリザーバ部21の上部が封止されている。他方、外側に配される固定板32は、金属等の硬質の材料(例えば、厚さ30μm程度のステンレス鋼)からなる板状部材である。
この固定板32には、リザーバ100に対応する平面領域を切り欠いてなる開口部33が形成されており、この構成によりリザーバ100の上部は、可撓性を有する封止膜31のみで封止され、内部圧力の変化によって変形可能な可撓部22となっている。
通常、機能液導入口25からリザーバ100に機能液が供給されると、例えば、圧電素子300の駆動時の機能液の流れ、あるいは、周囲の熱などによってリザーバ100内に圧力変化が生じる。しかしながら、上述のように、リザーバ100の上部が封止膜31のみよって封止された可撓部22を有しているので、この可撓部22が撓み変形してその圧力変化を吸収する。したがって、リザーバ100内は常に一定の圧力に保持される。なお、その他の部分は固定板32によって十分な強度に保持されている。そして、リザーバ100の外側のコンプライアンス基板30上には、リザーバ100に機能液を供給するための機能液導入口25が形成されており、リザーバ形成基板20には、機能液導入口25とリザーバ100の側壁とを連通する導入路26が設けられている。
リザーバ形成基板20は、流路形成基板10とともに液滴吐出ヘッド1の基体を成す部材であるから剛体とすることが好ましく、リザーバ形成基板20を形成する材料として流路形成基板10と略同一の熱膨張率を有する材料を用いることがより好ましい。本実施形態の場合、流路形成基板10がシリコンからなるものであるから、それと同一材料のシリコン単結晶基板が好適である。シリコン単結晶基板を用いた場合、異方性エッチングにより容易に高精度の加工を施すことが可能であるため、圧電素子保持部24や溝部(貫通孔)700を容易に形成できるという利点が得られる。その他、流路形成基板10と同様、ガラス、セラミック材料等を用いてリザーバ形成基板20を作製することもできる。
図1に示すように、リザーバ形成基板20上には4個の駆動回路部200A〜200Dが配設されている。駆動回路部200A〜200Dは、例えば回路基板あるいは駆動回路を含む半導体集積回路(IC)を含んで構成されている。各駆動回路部200A〜200Dは、図示下面側に複数の接続端子200aを備えており、一部の接続端子200aがリザーバ形成基板20上に形成された配線パターン34に対して接続されている。駆動回路部200A〜200Dの他の一部の接続端子200aは、図3に示すように、リザーバ形成基板20の溝部内に配置されたコネクタ積層体350の端子電極352に対して接続されている。
そして、駆動回路部200A、200Cがリザーバ形成基板20上でY軸方向に沿って長手に配置され、駆動回路部200B、200Dはそれぞれ駆動回路部200A、200Cと略平行にY軸方向に長手に配置されている。各駆動回路部200A〜200Dと電気的に接続されている配線パターン34は、いずれも駆動回路部200A〜200Dの外側の端部からX軸方向に延びており、その先端部は外部コントローラとの接続端子として利用可能である。
本実施形態の場合、第1ノズル開口群15Aに対応する第1圧電素子群の圧電素子300に対して電気的に接続される一群(図示では6本)の配線パターン34が第1配線群34Aを構成しており、第2ノズル開口群15Bに対応する第2圧電素子群の圧電素子300に対して電気的に接続される一群の配線パターン34が第2配線群34Bを構成している。また同様に、第3、第4圧電素子群の圧電素子300に対して電気的接続される一群の配線パターン34が、それぞれ第3配線群34C、第4配線群34Dを構成している。
第1配線群34Aを構成する一群の配線パターン34は駆動回路部200Aに接続され、第2配線群34Bを構成する一群の配線パターン34は駆動回路部200Bに接続され、第3配線群34Cを構成する一群の配線パターン34は駆動回路部200Cに接続され、第4配線群34Dを構成する一群の配線パターン34は駆動回路部200Dに接続されている。本実施形態の液滴吐出ヘッド1では、第1ノズル開口群15A〜第4ノズル開口群15Dにそれぞれ対応する第1圧電素子群〜第4圧電素子群を、それぞれ異なる駆動回路部200A〜200Dにより駆動する構成が採用されている。
なお図1では、各配線群につき6本の配線パターン34を有する構成としているが、これは図2に示したノズル開口15の数、及び圧力発生室12の数に合わせて図示したものに過ぎず、先に記載のように各配線群34A〜34Dに含まれる配線パターン34は、駆動回路部200A〜200Dと外部コントローラとの接続配線を構成するものであるから、その本数は駆動回路部200A〜200Dを駆動制御するのに必要な本数であれば足り、通常は各駆動回路部により駆動される圧電素子300の数より少なくなる。
図1に示すように、リザーバ形成基板20のうち、X軸方向に関して中央部には、Y軸方向に延びる溝部(貫通孔)700が形成されている。すなわち、本実施形態の液滴吐出ヘッドでは、この溝部700が、圧電素子300の上電極膜80(回路接続部)と、それらに接続されるべき前記駆動回路部200A〜200Dの接続端子200aとを隔てる段差を形成している。
本実施形態では、図3に示すように、溝部700によってX軸方向に関し区画されるリザーバ形成基板20のうち、回路駆動部200Aと接続される複数の圧電素子300を封止している部分を第1封止部20Aとし、駆動回路部200Bと接続される複数の圧電素子300を封止ししている部分を第2封止部20Bとする。これらの第1封止部20A及び第2封止部20Bには、それぞれ圧電素子300に対向する領域に、圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を確保するとともに、その空間を密封する圧電素子保持部(素子保持部)24が設けられている。圧電素子300のうち、少なくとも圧電体膜70は、この圧電素子保持部24内に密封されている。
また同様に、リザーバ形成基板20のうち、回路駆動部200Cと接続される複数の圧電素子300を封止している部分を第3封止部、駆動回路200Dと接続される複数の圧電素子300を封止している部分を第4封止部とすると、これら第3封止部及び第4封止部にも、それぞれ圧電素子300の運動を阻害しない程度の空間を確保してその空間を密封する圧電素子保持部が設けられている。
なお、本実施形態の場合、上記第1〜第4封止部にそれぞれ設けられている圧電素子保持部(24)は、各圧電素子群に含まれる圧電素子300の全体を封止できる寸法とされ、図3の紙面垂直方向に延びる平面視略矩形状の凹部を成している。上記圧電素子保持部は、各圧電素子300毎に区画されていてもよい。
図3に示すように、第1封止部20Aの圧電素子保持部24によって封止されている圧電素子300のうち、上電極膜80の−X側の端部は、第1封止部20Aの外側まで延びて、溝部700の底面部に露出している。溝部700における流路形成基板10上に下電極膜60の一部が配置されている場合においては、上電極膜80と下電極膜60との短絡を防止するための絶縁膜600が、上電極膜80と下電極膜60との間に介挿されている。同様に、第2封止部20Bの圧電素子保持部24によって封止されている圧電素子300のうち、上電極膜80の+X側の端部が、第2封止部20Bの外側まで延びて、溝部700内に露出しており、この露出側の端部にも、上電極膜80と下電極膜60との間に絶縁膜600が介挿されている。さらに不図示ではあるが、第3、第4封止部で封止されている圧電素子300についても、それらの上電極膜80の一部が、第3、第4封止部の外側まで延びて溝部700内に露出されている。
そして、溝部700内には、その底面部に露出された各圧電素子300の上電極膜80に位置合わせされて、コネクタ積層体350が配設されている。本実施形態の液滴吐出ヘッド1では、このコネクタ積層体350によって溝部700の底面部と、駆動回路部200A〜200Dが配置されるリザーバ形成基板20の上面との段差が解消され、駆動回路部200A〜200Dがリザーバ形成基板20上に平面的に実装されている。
ここで図4(a)は、図3に示すコネクタ積層体350の斜視構成図であり、図4(b)は、(a)図のB−B線に沿う断面構成図である。本実施形態に係るコネクタ積層体350は、複数(図示では5枚)の板状のコネクタ35を互いに電気的に接続して積層したものである。各コネクタ35は、コネクタ基板(基材)351と、コネクタ基板351を貫通する複数の端子電極(貫通電極)352を備えて構成されている。端子電極352は、図4(a)に示すように、コネクタ基板351の長辺に沿って配列形成されている。
本実施形態では、コネクタ基板351の+X側の長辺に沿って配列された端子電極352のうち、−Y側寄りに配列された一群の端子電極352が第1端子電極群352Aを構成する一方、+Y側寄りに配列された一群の端子電極352が第3端子電極群352Cを構成している。また、コネクタ基板351の−X側の長辺に沿って配列された端子電極352のうち、−Y側寄りに配列された一群の端子電極352が第2端子電極群352Bを構成しており、+Y側寄りに配列された一群の端子電極352が第4端子電極群352Dを構成している。上記第1端子電極群352Aは、先に記載の第1圧電素子群に含まれる各圧電素子300に接続されるべき端子電極352の集合であり、第2端子電極群352Bは、第2圧電素子群に含まれる各圧電素子300に接続されるべき端子電極352の集合である。また同様に、第3端子電極群352C、第4端子電極群352Dは、それぞれ第3圧電素子群、第4圧電素子群に対応する。
なお、図4(a)に示すコネクタ積層体350では、図1に示す接続端子200aより多数の端子電極352が図示されているが、これらの図では、図面の視認性を確保するために接続端子200aや端子電極352の数を減じて表示しているのであり、実際の液滴吐出ヘッドにおいては、端子電極352の数と圧電素子300の数、及び接続端子200aの数は一致している。すなわち、圧電素子300は各圧電素子群ごとに720個程度設けられているから、各々の圧電素子300に接続される端子電極352も実際には各端子電極群ごとに720個程度設けられている。
図4(b)に示す断面構造をみると、コネクタ35を構成するコネクタ基板351の表面には、絶縁層353と、下地層354とが積層形成されている。コネクタ基板351は、例えば厚さ50μm程度のシリコン基板であり、絶縁層353は例えば酸化シリコンである。下地層354は、例えばTiWからなるバリア層と、Cuからなるシード層とを積層したものとすることができる。
端子電極352は、内面に絶縁層353及び下地層354が積層された貫通孔351a内に一部を挿入された断面視略T形の金属端子355と、金属端子355の上面に形成された接合層356とを備えて構成されている。金属端子355は、例えばめっき法を用いて形成したCuからなるものであり、接合層356は、例えば無鉛はんだ等のろう材である。端子電極352は、コネクタ基板351の両面にそれぞれその一部が突出するようにして形成されており、その突出高さは例えば20μm程度である。したがって、コネクタ35の厚さは、70μm程度となる。
そして、コネクタ積層体350は、複数のコネクタ35を平面視略同一位置にて積層するとともに、上層側(+Z側)に配されるコネクタ35の図示下面側に突出する金属端子355の先端部を、下層側(−Z側)に配されるコネクタ35の接合材356と接合して電気的に接続した構成を備えている。
本実施形態の場合、上記積層構造を具備したコネクタ積層体350の高さは、溝部700の深さと略一致しており、かかるコネクタ積層体350を溝部700内に配置することで、コネクタ積層体350の最上面に設けられた端子電極352と、リザーバ形成基板20の上面に設けられた配線パターン34とがXY面内で略同一位置に配置されるようになっている。このような構成のもと、駆動回路部200A〜200Dと、それぞれの駆動回路部に対応する複数の圧電素子300とがコネクタ積層体350を介して電気的に接続されて、各駆動回路部200A〜200Dにより圧電素子300が駆動されるようになっている。
なお、本実施形態では5枚のコネクタ35を積層したコネクタ積層体350について説明したが、コネクタ35の積層数は、コネクタ積層体350が利用に供される段差の高さ(本実施形態では溝部700の深さ)に応じて適宜変更可能である。コネクタ35の一枚あたりの厚さは70μm程度であるから、段差の高さが200μm程度であれば、コネクタ35を3枚積層したコネクタ積層体を用いればよい。
また本実施形態の場合、図3に示すように、圧電素子300の上電極膜80が圧電素子保持部24の外側に引き出されて溝部700内に露出され、その露出部位に対してコネクタ積層体350の端子電極352が電気的に接続される構成である。したがって、上電極膜80は圧電素子300の回路接続部を成している。
なお、上電極膜80と電気的に接続された電極配線を流路形成基板10上に形成し、この電極配線を圧電素子保持部24の外側に引き出して前記コネクタ積層体350と電気的に接続することもできる。この場合は、上電極膜80と電気的に接続された電極配線が圧電素子300の回路接続部を構成する。
ここで、端子電極352と圧電素子300(上電極膜80)との導電接続構造は、ろう材、又は異方性導電フィルム(ACF:anisotropic conductive film)や異方性導電ペースト(ACP:anisotropic conductive paste)を含む異方性導電材料、非導電性フィルム(NCF:Non Conductive Film)や非導電性ペースト(NCP:Non Conductive Paste)を含む絶縁樹脂材料を用いたものとすることができる。
また、コネクタ積層体350上面の端子電極352、及び配線パターン34に対する駆動回路部200A〜200Dのフリップチップ実装に際しても、上記ろう材、又は異方性導電膜や異方性導電ペーストを含む異方性導電材料、非導電性膜や非導電性ペーストを含む絶縁樹脂材料を用いた導電接続構造が採用できる。本実施形態では特に、駆動回路部200A〜200Dに設けられる接続端子200aとして、Auからなるバンプ、又は樹脂コアに金属膜を被覆してなるバンプを用いることが好ましい。接続端子200aにこれらのバンプを用いた駆動回路部200A〜200Dであれば、端子電極352及び配線パターン34に対して接続端子200aを押し当てた際にバンプが容易に変形するので、例えば、コネクタ積層体350の高さばらつきによって端子電極352のZ軸方向の位置が配線パターン34と面一な位置からずれていても、バンプの変形によってこのずれを吸収することができ、接続端子200aと端子電極352又は配線パターン34とを接合することができる。
さらに、かかる導電接続の容易性、確実性を向上させるために、コネクタ積層体350と溝部700(上電極膜80)との位置決め機構を設けておくこともできる。このような位置決め機構としては、例えば、コネクタ積層体350に凸部を設け、かかる凸部を溝部700の側壁部に設けた凹部に嵌め合わせて位置決めする機構を採用することができる。
このように、本実施形態の液滴吐出ヘッド1では、リザーバ形成基板20に設けた溝部700内に、リザーバ形成基板20の厚さと略同一の高さを有するコネクタ積層体350を配設し、圧電素子保持部24から溝部700内に露出するように延出された圧電素子300の回路接続部(上電極膜80)に対して、前記コネクタ積層体350が接続されている。そして、リザーバ形成基板20の上面と略同一高さのコネクタ積層体350の上面に設けられた端子電極352に対して、駆動回路部200A〜200Dが実装されている。
これにより、本実施形態の液滴吐出ヘッド1では、ワイヤボンディングにより駆動回路部と圧電素子とを接続する構造のようなワイヤを引き回す空間が不要となり、液滴吐出ヘッド1の薄型化を実現できるものとなっている。また、コネクタ積層体350によって溝部700が埋められているため、液滴吐出ヘッド1自体の剛性を高めることができ、反り等による吐出精度の低下を効果的に防止できるものとなっている。
また、ノズル開口15の狭ピッチ化に伴って圧電素子300のピッチが狭くなり、ワイヤボンディングを行うのが極めて困難な場合であっても、容易に駆動回路部200A〜200Dと圧電素子300との電気的接続を行うことができる。すなわち、コネクタ積層体350を構成するコネクタ35の端子電極352は、後段の製造方法でも説明するように、正確な位置に正確な寸法で形成することが可能であるため、ノズル開口15を狭ピッチ化した場合にも、それに伴い狭ピッチで配列される圧電素子300に対して正確に位置合わせ可能なものを作製することができる。したがって本実施形態によれば、高精細の画像形成や機能膜のパターン形成が可能な液滴吐出ヘッド1を得ることができる。
また本実施形態の液滴吐出ヘッド1では、リザーバ形成基板20が、圧電素子300を外部環境と遮断して圧電素子300を封止する封止部材としても機能するようになっている。リザーバ形成基板20によって圧電素子300を封止することで、水分等の外部環境による圧電素子300の特性劣化等を防止することができる。また本実施形態では、圧電素子保持部24の内部を密封状態にしただけであるが、例えば、圧電素子保持部24内の空間を真空にしたり、あるいは窒素又はアルゴン雰囲気等とすることにより、圧電素子保持部24内を低湿度に保持する構成も採用でき、これらの構成により圧電素子300の劣化をさらに効果的に防止することができる。
上述した構成を有する液滴吐出ヘッド1により機能液の液滴を吐出するには、当該液滴吐出ヘッド1に接続された外部コントローラ(図示略)によって機能液導入口25に接続された不図示の外部機能液供給装置を駆動する。外部機能液供給装置から送出された機能液は、機能液導入口25を介してリザーバ100に供給された後、ノズル開口15に至るまでの液滴吐出ヘッド1の内部流路を満たす。
また外部コントローラは、リザーバ形成基板20上に実装された駆動回路部200等に駆動電力や指令信号を送信する。指令信号等を受信した駆動回路部200は、外部コントローラからの指令に基づく駆動信号を、配線パターン34、パッド35、導電部材36等を介して導電接続された各圧電素子300に送信する。
すると、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧が印加される結果、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体膜70に変位が生じ、この変位によって各圧力発生室12の容積が変化して内部圧力が高まり、ノズル開口15より液滴が吐出される。
<液滴吐出ヘッドの製造方法>
次に、液滴吐出ヘッド1の製造方法について図5の断面工程図を参照して説明する。
以下では、駆動回路部200と圧電素子300との電気的接続に用いるコネクタ積層体350の製造方法と、コネクタ積層体350を用いた接続手順について主に説明し、液滴吐出ヘッド1のうち、ノズル基板16、流路形成基板10、リザーバ形成基板20、圧電素子300等の製造及び接続・配置作業は既に完了しているものとする。
[コネクタ積層体の作製]
まず、図5を参照してコネクタ積層体350の作製工程について説明する。図5(a)に示すように、例えば厚さ500μm程度のコネクタ用シリコン基板351Aを用意し、その表面全体に熱酸化等の方法で絶縁層353を形成する。本実施形態の場合、絶縁層353は酸化シリコン膜である。
次に、図5(b)に示すようにコネクタ用シリコン基板351Aに対して、金属端子を形成するための孔部135を形成する。これらの孔部135は、公知のフォトリソグラフィ技術を用いて所定の開口径と深さとを有して形成される。前記開口径は例えば50μm程度であり、深さは、形成する端子電極352の長さに応じて適宜変更されるが、図3に示したコネクタ35では、薄層化されたコネクタ基板351の厚さは70μm程度であり、端子電極352のコネクタ基板351からの突出長さは20μm程度であるから、孔部135の深さは90μm程度である。
次に、図5(c)に示すように、上記工程で穿設された孔部135の内面を覆う絶縁膜135aを形成する。絶縁膜135aは、例えば、原料ガスにTEOS(テトラエトキシシラン)を用いたプラズマCVD法や、熱酸化法により孔部135の内面に露出したシリコン基板表面を直接酸化させる方法によって形成した酸化シリコン膜であり、端子電極352からコネクタ基板351への電流リークや、酸素や水分等によるコネクタ基板351の劣化等を防止するために設けられるものである。
次に、図5(d)に示すように、孔部135が形成されたコネクタ用シリコン基板351Aの面上に下地層354をスパッタ法や真空蒸着法等を用いて形成する。本実施形態の場合、下地層354は、コネクタ用シリコン基板351A側から順にバリア層とシード層とを積層した積層膜であり、バリア層は例えばTiWにより形成され、シード層はCuにより形成される。図に示すように、下地層354は、コネクタ用シリコン基板351A上から孔部135の側壁及び底壁を覆うように連続して形成されている。上記バリア層の膜厚は100nm程度であり、シード層の膜厚は数百nm程度である。
次に、図5(e)に示すように、コネクタ用シリコン基板351A上にメッキレジストを塗布し、このメッキレジストパターニングすることで、端子電極352を形成するための開口部138aを有するメッキレジストパターン138を形成する。本実施形態では、開口部138aは孔部135の開口径より大きく形成されている。
次に、Cu電解メッキを行って、図5(f)に示すようにコネクタ用シリコン基板351Aの孔部135及びメッキレジストパターン138の開口部138aにCu(銅)を埋め込み、貫通電極となる金属端子355を形成する。次いで、メッキレジストパターン138をそのままマスクとして用いることで、金属端子355上に無鉛はんだ等のろう材からなる接合材356を選択的に形成する。この接合材356は、作製したコネクタ35を複数積層する際に層間の接続を行うためのものである。接合材356はメッキレジストパターン138を剥離した後に形成してもよい。以上の工程により、金属端子355と接合材356とからなる端子電極352をコネクタ用シリコン基板351Aに形成することができる。
次に、メッキレジストパターン138をシリコン基板351Aから剥離し、その後、図5(g)に示すように、コネクタ用シリコン基板351Aを図示下面側からエッチングすることで50〜70μm程度の厚さにまで薄層化してコネクタ基板351とする。この薄層化工程により、コネクタ基板351の図示下面から端子電極352の一部を突出させる。またこのとき、端子電極352の先端部に金属端子355の表面を露出させて露出面355aを形成する。以上の工程により、図4に示したコネクタ積層体350を構成するコネクタ35を作製することができる。
上記した手順によりコネクタ35を作製したならば、図4(b)に示したように、複数のコネクタ35を積層するとともに、隣接配置したコネクタ35の端子電極352同士を接合することでコネクタ積層体350が得られる。コネクタ35の端子電極352の一端側には、ろう材等からなる接合材356が形成され、端子電極352の他端側は金属端子355の一部が露出された露出面355aとされているので、図4に示すように、前記接合材356と前記露出面355aとを接触させた状態として加熱等すれば、積層配置されたコネクタ35同士を容易に接合し、電気的に接続することができる。
[駆動回路部の実装]
上記工程によりコネクタ積層体350を作製したならば、次に、コネクタ積層体350を用いて駆動回路部200A〜200Dの実装を行う。
まず、図3に示すように、リザーバ形成基板20の溝部700内に、上記工程で作製したコネクタ積層体350を配置し、コネクタ積層体350の下面側(溝部700底面側)に露出している端子電極352と、溝部700内に延出されている圧電素子の上電極膜80とを電気的に接続する。この端子電極352と上電極膜80との電気的接続は、無鉛はんだ等のろう材や、ACP、ACF等の異方性導電材料を用いて行う。具体的には、コネクタ積層体350を溝部700内に配置する以前に、前記上電極膜80上、又は上電極膜80と接続される端子電極352の露出面355aにろう材や異方性導電材料を設けておき、コネクタ積層体350を溝部700内に位置合わせして配置した後で、加熱や加圧により上電極膜80と端子電極352とを電気的に接続する。
前記溝部700に配置するコネクタ積層体350の高さは、リザーバ形成基板20の厚さと同等以上とすることが好ましい。コネクタ積層体350の高さがリザーバ形成基板20の厚さに満たない場合、駆動回路部200A〜200Dを接続する端子電極352が配線パターン34より下側(流路形成基板10側)に配置されることとなり、駆動回路部200A〜200Dを実装する際の接続の確実性が低下する可能性がある。
コネクタ積層体350の高さは、コネクタ35の積層数を変えることで容易に調整することができる。あるいは、コネクタ35を作製する際に、端子電極352の接合材356の高さ(厚さ)や金属端子355の高さを調整してもよい。
なお、上記説明では、図4(b)に示したコネクタ積層体350の端子電極352のうち、露出面355aが形成された先端部と、溝部700内の上電極膜80とを電気的に接続する場合について説明したが、コネクタ積層体350の向きを表裏反対にして配置してもよい。すなわち、図4(b)に示すコネクタ積層体350の図示上面側が溝部700の底面部に当接するようにして配置してもよい。この場合、上電極膜80と電気的に接続される端子電極352の先端部には接合材356が既に形成されているので、コネクタ積層体350を溝部700内に配置して加熱等すれば、接合材356によって端子電極352と上電極膜80とを電気的に接続することができる。
次に、リザーバ形成基板20上に形成されている配線パターン34と、コネクタ積層体350の上面に露出している端子電極352とに対して、駆動回路部200A〜200Dをフリップチップ実装する。すなわち、図3に示すように、駆動回路部200A〜200Dの一面側に形成された接続端子200aをリザーバ形成基板20側に向けて配置するとともに、配線パターン34端子電極352とに位置合わせし、これらの配線パターン34及び端子電極352に直接又は他の導電材料を介して接合することにより電気的に接続する。このフリップチップ実装の形態としては、Au−Au接合や、ACP,ACF等を用いた異方性導電材料による接合、NCP,NCF等を用いた非導電性材料を用いた接着等、種々のものを用いることができる。
以上説明したように、本実施形態の液滴吐出ヘッドの製造方法では、圧電素子保持部24から溝部700の底面部に延出されている圧電素子300の回路接続部(上電極膜80)を、溝部350内に配設したコネクタ積層体350によってリザーバ形成基板20の上面に形成された配線パターン34と概略面一な位置まで引き出し、コネクタ積層体350の上面に露出している端子電極352と配線パターン34とに対して駆動回路部200A〜200Dを実装するようになっている。したがって本実施形態の製造方法によれば、駆動回路部200A〜200Dをリザーバ形成基板20に対して略平行に配置してフリップチップ実装することができ、これによって容易かつ確実な実装を可能にし、また液滴吐出ヘッドの薄型化を実現できるものとなっている。
また、本実施形態の製造方法は、高精細の液滴吐出ヘッドの製造にも容易に対応できるものである。すなわち、ノズルピッチを小さくすることにより圧電素子300同士の間のY軸方向に関する距離が小さく(狭く)なった場合であっても、コネクタ35の端子電極352はフォトリソグラフィ技術を用いて高精度に形成することができるため、端子電極352を圧電素子300のピッチに合わせて小径化、狭ピッチ化することが容易である。
なお、上記コネクタ積層体350は、液滴吐出ヘッド1の流路形成基板10やリザーバ形成基板20とは別に用意する必要があり、その作製にはフォトリソグラフィ技術を用いた端子電極352の形成や配線の形成が行われるが、コネクタ積層体350を構成するコネクタ35は、大型のシリコン基板を用いて多数個を一時に作製することができるため、1個あたりの製造コストが著しく上昇することはない。
(第2の実施形態)
次に、図6を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。図6(a)は、本実施形態の液滴吐出ヘッドの断面構成図であって、先の実施形態における図3に相当する図面である。図6(b)は、図6(a)に示すコネクタ360の斜視構成図である。
本実施形態の液滴吐出ヘッドは、溝部700内に配設されたコネクタ360の構成に特徴を有しており、その他の構成は、先の第1実施形態の液滴吐出ヘッドと同様である。したがって以下では、主にコネクタ360の構成について説明することとする。また、図6において、先の実施形態の液滴吐出ヘッドと共通の構成要素には、図1から図3と同一の符号を付してその詳細な説明は省略する。
コネクタ360は、図6(b)に示すように、四角柱状のコネクタ基材36aと、このコネクタ基材36aの図示上面(+Z側面)に配列形成された複数の端子電極36bと、これらの端子電極36bが形成された基材面とは反対側の面(−Z側面)に配列形成された複数の端子電極36cと、コネクタ基材36aの側面(+X側面、−X側面)に形成されて前記各端子電極36bをそれと対応する前記各端子電極36cに接続する複数の接続配線36dと、を備えて構成されている。
コネクタ360において、端子電極36b、36cと、両者を接続する接続配線36dとが、1つのコネクタ端子を形成しており、これらのコネクタ端子は、図6(a)に示す溝部700内に延出された上電極膜80のピッチに一致するピッチでコネクタ基材36a上に配列されている。
コネクタ360の延在方向に配列された複数の前記コネクタ端子のうち、互いに近接して配置された一群のコネクタ端子が、図6(b)に示す第1コネクタ端子群36A〜第4コネクタ端子群36Dを形成している。第1コネクタ端子群36Aと第2コネクタ端子群36Bとは、コネクタ基材36aの上面(及び下面)でX軸方向に関し互いに対向して配置されており、第3コネクタ端子群36Cと第4コネクタ端子群36Dも、コネクタ基材36aの上面(及び下面)でX軸方向に関し互いに対向して配置されている。
コネクタ基材36aは、少なくともその表面が絶縁性を有する材料からなるものであり、例えば、セラミックス、ガラスエポキシ、ガラス等の絶縁性材料の成形体や、シリコンからなる基体の表面に熱酸化により酸化シリコン膜を形成したものや、前記シリコン基体の表面に絶縁性の樹脂膜を形成したものを用いることができる。シリコン基体の表面に絶縁膜を形成したコネクタ基材36aを用いる場合、同じくシリコンからなる流路形成基板10やリザーバ形成基板20と熱膨張率を一致させることができるため、温度変化による体積変化で導電接合部に剥離等が生じるのを効果的に防止できるという利点が得られる。
一方、ガラスエポキシやセラミックス等の成形体を用いると、シリコン基体を用いた場合に比して優れた耐衝撃性等を得られる。
コネクタ端子を構成する端子電極36b、36c、及び接続配線36dは、金属材料や導電性ポリマー、超電導体等により形成することができる。コネクタ端子はAu(金)、Ag(銀)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Pd(パラジウム)、Ni(ニッケル)等の金属材料からなるものであることが好ましい。特に端子電極36b、36cについては、Auを用いて形成されたパッドあるいはバンプであることが好ましい。駆動回路部200A〜200Dの接続端子200aがAuバンプである場合に、Au−Au接合によって確実な接合を容易に得られるからである。
上記構成を具備したコネクタ360は、図6(a)に示すように、端子電極36cを溝部700の底面側に向けた状態で配置されるとともに、端子電極36cを介して溝部700内に延出されている圧電素子300の上電極膜80にフリップチップ実装されている。
フリップチップ実装の形態としては、先の実施形態のコネクタ積層体350と同様、ろう材による実装や、ACF、ACPを用いた実装、NCF、NCPを用いた実装等、種々の実装形態が採用できる。
コネクタ360の実装状態をより詳細に説明すると、前記第1コネクタ端子群36Aは、溝部700の底面上に配列されている複数の上電極膜80のうち、第1ノズル開口群15A及び第1圧力発生室群12Aに対応する第1圧電素子群を構成する圧電素子300の上電極膜80に対して、端子電極36cを介して電気的に接続されている。第2コネクタ端子群36Bは、第2ノズル開口群15B及び第2圧力発生室群12Bに対応する第2圧電素子群を構成する圧電素子300の上電極膜80に対して、端子電極36cを介して電気的に接続されている。
また図6(a)には表示されていないが、第3コネクタ端子群36Cは、上記第1コネクタ端子群36Aと同様、第3圧電素子群を構成する圧電素子300の上電極膜80に対して端子電極36cを介して電気的に接続されており、第4コネクタ端子群36Dは、上記第2コネクタ端子群36Bと同様、第4圧電素子群を構成する圧電素子300の上電極膜80に対して端子電極36cを介して電気的に接続されている。
上記構成を備えた本実施形態の液滴吐出ヘッドは、簡便な構成のコネクタ360を介して溝部700底面部の圧電素子300(上電極膜80)と、駆動回路部200A〜200Dとを電気的に接続するようになっているので、先の第1実施形態の液滴吐出ヘッドに比しても低コストに製造可能である。また溝部700を剛体であるコネクタ360により埋める構造であるため、液滴吐出ヘッドの剛性を高め、優れた信頼性を得ることができる。
特に、コネクタ基材36aとしてシリコン基体表面に絶縁膜を形成したものを用いるならば、同じくシリコン基板を用いて形成されている流路形成基板10やリザーバ形成基板20と熱膨張率を揃えることができ、温度変化に起因する体積変化によって電気的接続の信頼性が損なわれるのを効果的に防止することができる。
<コネクタの製造方法>
本実施形態の液滴吐出ヘッドに用いられているコネクタ360は、セラミックスやガラスエポキシ等の絶縁性の基材を用いる場合には、所定の四角柱状に形成したコネクタ基材36aの表面に、コネクタ端子(端子電極36b、36c、接続配線36d)をパターン形成することで作製することができる。また、シリコン基体のように導電性を有する基体を用いる場合には、所定の四角形状に形成したシリコン基体の表面に熱酸化等により酸化シリコン膜を形成して得られたコネクタ基材、あるいはシリコン基体の表面に絶縁性の樹脂膜を形成することで得られたコネクタ基材の表面に、前記コネクタ端子をパターン形成することで作製することができる。
前記コネクタ端子をコネクタ基材36a上にパターン形成する方法としては、例えば、気相法を用いて形成した導電膜をフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングする方法、コネクタ基材36a上に所定パターンの開口部を具備したマスク材を配し、当該マスク材を介した気相法やめっき法により導電膜(金属膜)を選択的に形成する方法、液滴吐出法を用いて導電膜をパターン形成する方法、及び印刷法を用いてコネクタ基材36a上に導電膜をパターン形成する方法等を用いることができる。
以下、コネクタ360の製造方法の一例として、液滴吐出法を用いたコネクタ端子(端子電極36b、36c、接続配線36d)の形成方法について説明する。本実施形態では、コネクタ基材36aとして四角柱状のセラミックス成形体を用いた場合について説明するが、他の材質のコネクタ基材を用いた場合も同様である。
液滴吐出法によるコネクタ端子の形成には、図8に示すような液滴吐出装置IJを好適に用いることができる。すなわち、液滴吐出装置IJに設けられた液滴吐出ヘッド101から、コネクタ端子を形成するためのインクを吐出してコネクタ基材36a上に所定パターンを形成するように配置する。その後コネクタ基材36a上のインクを乾燥、焼成することで金属薄膜を形成する。以上の工程をコネクタ基材36aの周面(4面)について順次繰り返すことで、端子電極36b、36cとこれらを接続する接続配線36dとをコネクタ基材36a上に形成することができる。
なお、液滴吐出装置IJの構成については後段の(液滴吐出装置)の項で説明している。
[インク]
液滴吐出装置IJを用いてコネクタ端子を形成する場合、液滴吐出ヘッドから吐出するインク(機能液)は、導電性微粒子(パターン形成成分)を含有する液状体である。導電性微粒子を含有する液状体としては、導電性微粒子を分散媒に分散させた分散液を用いる。ここで用いられる導電性微粒子は、Au、Ag、Cu、Pd、Ni等を含有する金属微粒子の他、導電性ポリマーや超電導体の微粒子などを用いることもできる。
導電性微粒子は、インク中での分散性を向上させるために表面に有機物などをコーティングして使うこともできる。導電性微粒子の表面にコーティングするコーティング材としては、例えばキシレン、トルエン等の有機溶剤やクエン酸等が挙げられる。また、導電性微粒子の粒径は5nm以上、0.1μm以下であることが好ましい。0.1μmより大きいと、ノズルの目詰まりが起こりやすく、液滴吐出法による吐出が困難になるからである。また、5nmより小さいと、導電性微粒子に対するコーティング剤の体積比が大きくなり、得られる膜中の有機物の割合が過多となるからである。
導電性微粒子を含有するインクの分散媒としては、室温での蒸気圧が0.001mmHg以上、200mmHg以下(約0.133Pa以上、26600Pa以下)であるものが好ましい。蒸気圧が200mmHgより高い場合には、吐出後に分散媒が急激に蒸発してしまい、良好な膜を形成することが困難となるためである。
また、分散媒の蒸気圧は、0.001mmHg以上、50mmHg以下(約0.133Pa以上、6650Pa以下)であることがより好ましい。蒸気圧が50mmHgより高い場合には、液滴吐出法で液滴を吐出する際に乾燥によるノズル詰まりが起こり易く、安定な吐出が困難となるためである。一方、室温での蒸気圧が0.001mmHgより低い分散媒の場合、乾燥が遅くなり膜中に分散媒が残留しやすくなり、後工程の熱及び/又は光処理後に良質の導電膜が得られにくい。
使用する分散媒としては、上記の導電性微粒子を分散できるもので、凝集を起こさないものであれば特に限定されないが、水の他に、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘプタン、n−オクタン、デカン、トルエン、キシレン、シメン、デュレン、インデン、ジペンテン、テトラヒドロナフタレン、デカヒドロナフタレン、シクロヘキシルベンゼンなどの炭化水素系化合物、又はエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ビス(2−メトキシエチル)エーテル、p−ジオキサンなどのエーテル系化合物、更にプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、シクロヘキサノンなどの極性化合物を挙げることができる。
上記に挙げた分散媒のうち、微粒子の分散性と分散液の安定性、また、液滴吐出法への適用の容易さの点で、水、アルコール類、炭化水素系化合物、エーテル系化合物が好ましく、更に好ましい分散媒としては水、炭化水素系化合物を挙げることができる。これらの分散媒は、単独でも、あるいは2種以上の混合物としても使用できる。導電性微粒子を分散媒に分散する場合の分散質濃度は、1質量%以上、80質量%以下であり、所望の導電膜の膜厚に応じて調整することができる。80質量%を超えると凝集をおこしやすくなり、均一な膜が得にくい。
上記導電性微粒子を含むインクの表面張力は、0.02N/m以上、0.07N/m以下の範囲に入ることが好ましい。液滴吐出法によりインクを吐出する際、表面張力が0.02N/m未満であると、ノズル面に対するインクの濡れ性が増大するため飛行曲りが生じ易くなり、0.07N/mを超えるとノズル先端でのメニスカスの形状が安定しないため吐出量、吐出タイミングの制御が困難になるためである。
表面張力を調整するため、上記分散液には、基板との接触角を不当に低下させない範囲で、フッ素系、シリコン系、ノニオン系などの表面張力調節剤を微量添加することができる。ノニオン系表面張力調節剤は、液体の基板への濡れ性を良好化し、膜のレベリング性を改良し、塗膜のぶつぶつの発生、ゆず肌の発生などの防止に役立つものである。上記分散液は、必要に応じて、アルコール、エーテル、エステル、ケトン等の有機化合物を含んでいても差し支えない。
上記分散液の粘度は、1mPa・s以上、50mPa・s以下であることが好ましい。
液滴吐出法にて吐出する際、粘度が1mPa・sより小さい場合には、ノズル周辺部がインクの流出により汚染されやすく、また、粘度が50mPa・sより大きい場合は、ノズルでの目詰まり頻度が高くなり円滑な液滴の吐出が困難となるためである。
図6(b)に示したコネクタ端子を金薄膜により形成する場合、例えば直径10nm程度の金微粒子をトルエン中に分散させた金微粒子分散液(真空冶金社製、商品名「パーフェクトゴールド」)をトルエンで希釈し、その粘度を5[mPa・s]程度、表面張力を20mN/m程度となるように調整し、この液状体を端子電極36b、36c及び接続配線36dを形成するためのインクとして用いる。
[コネクタ端子の形成手順]
上述したインクを用意したならば、図8に示す液滴吐出ヘッド101からインクの液滴を吐出してコネクタ基材36a上に配置する工程を行う。
ここで、上記液滴吐出工程に先立って、コネクタ基材36aに対する表面処理を行ってもよい。すなわち、コネクタ基材36aのインク塗布面について、インクの塗布に先立って撥インク処理(撥液処理)を施しておいてもよい。このような撥インク処理を施しておくことにより、コネクタ基材36a上に吐出配置(塗布)されるインクの位置をより高精度に制御することができる。
コネクタ基材36aの表面を撥インク処理するには、まず、用意したコネクタ基材36aをIPA(イソプロピルアルコール)等で洗浄する。その後さらに、波長254nmの紫外線を10mW/cm2程度の強度で照射してさらに洗浄(紫外線照射洗浄)してもよい。洗浄処理が終了したならば、コネクタ基材36aの表面に撥インク処理を施すため、コネクタ基材36aを、例えばヘキサデカフルオロ1,1,2,2テトラヒドロデシルトリエトキシシラン0.1gとともに密閉容器に入れ、加熱状態(120℃程度)に保持する。これにより、コネクタ基材36aの表面に撥インク性の単分子膜を形成することができる。単分子膜が形成されたコネクタ基材36aの表面は、前記インクとの接触角が例えば約60°となる。
なお、コネクタ基材36aの撥インク性が大きすぎる場合には、単分子膜を形成したコネクタ基材36aにさらに、紫外線(波長254nm)を例えば2分間照射すればよい。
この処理により、コネクタ基材36a表面の撥インク性を低下させることができる。
また、上述した撥インク処理の代わりに、コネクタ基材36a上に受容層を形成してもよい。すなわち、例えば多孔性シリカ粒子、アルミナ、アルミナ水和物等とバインダーとを有した多孔質層や親水性のポリマーによりインクを膨潤させて吸収させるものを受容層として形成してもよい。
前記コネクタ基材36a表面に必要に応じて上記撥インク処理を施したならば、上記インクの液滴を液滴吐出ヘッド101から吐出してコネクタ基材36a上の所定位置に滴下する。この工程では、コネクタ基材36a上で液滴吐出ヘッド101を走査しつつ液滴を吐出することで、コネクタ基材36aの一側面に複数のインクパターン(例えば端子電極36bとなるべきインクパターン)を形成する。
このとき、液滴を連続的に吐出してパターン形成を行う場合には、液だまり(バルジ)が生じないよう、液滴同士の重なりの程度を制御することが好ましい。この場合において、1回目の吐出では複数の液滴を互いに接しないように離間して吐出配置し、2回目以降の吐出によって、その間を埋めていくような吐出配置方法を採用すると、良好にバルジを防止できる。
液滴を吐出してコネクタ基材36a上に所定のインクパターンを形成したならば、その後、インクから分散媒の除去を行うため、必要に応じて乾燥処理する。乾燥処理は、例えば基板を加熱する通常のホットプレート、電気炉などによる処理の他、ランプアニールによって行うこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないが、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを光源として使用することができる。これらの光源は一般には、出力10W以上、5000W以下の範囲のものが用いられるが、本実施形態では、100W以上、1000W以下の範囲で十分である。
次いで、インクパターンを乾燥させて得られた乾燥膜に対し、微粒子間の電気的接触を良好なものとするための焼成処理を行う。この焼成処理により乾燥膜から分散媒が完全に除去され、また、導電性微粒子の表面に分散性を向上させるための有機物コーティング等が施されている場合には、このコーティングも除去される。
焼成処理は、熱処理又は光処理、あるいはこれらを組み合わせた処理により行われる。
焼成処理は、通常大気中で行なわれるが、必要に応じて、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。焼成処理の処理温度は、分散媒の沸点(蒸気圧)、雰囲気ガスの種類や圧力、微粒子の分散性や酸化性等の熱的挙動、コーティング材の有無や量、基材の耐熱温度などを考慮して適宜決定される。例えば、有機物からなるコーティング材を除去するためには、約300℃で焼成することが必要である。また、プラスチックなどの基板を使用する場合には、室温以上100℃以下で行なうことが好ましい。
焼成処理は、通常のホットプレート、電気炉などによる処理の他、ランプアニールによって行うこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないが、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを光源として使用することができる。これらの光源は一般には、出力10W以上、5000W以下の範囲のものが用いられるが、本実施形態では、100W以上、1000W以下の範囲で十分である。以上の工程により、膜中の微粒子間の電気的接触が確保され、導電膜に変換される。
その後、以上の液滴吐出工程と、乾燥工程と、焼成工程とを、コネクタ基材36aの各側面について行うことで、コネクタ基材36a上に複数のコネクタ端子が形成されたコネクタ360を製造することができる。
なお、コネクタ基材36aの各側面について液滴吐出工程と乾燥工程とを行うことでコネクタ基材36aの各側面に所定パターンの乾燥膜を形成しておき、最後に一括して焼成工程を行うことで乾燥膜から導電膜への変換を行ってもよい。乾燥膜はそれを構成する導電性微粒子の間に多くの隙間を有しているため、その上にインクを配置した場合に良好にインクを保持することができる。したがって、コネクタ基材36aの側面に乾燥膜を形成した状態で他の側面について液滴吐出工程を行うことで、各側面に形成されている乾燥膜の接続性を向上させることができる。すなわち、端子電極36bと接続配線36dとの接続部位、及び端子電極36cと接続配線36dとの接続部位における接続性を向上させることができ、より信頼性に優れたコネクタ端子を形成することができる。
<第3の実施形態>
次に、図7を参照して本発明の第3の実施形態について説明する。図7(a)は、本実施形態の液滴吐出ヘッドの断面構成図であって、先の実施形態における図3に相当する図面である。図7(b)は、図7(a)に示すフレキシブル基板501の平面構成図である。
本実施形態の液滴吐出ヘッドは、第1フレキシブル基板501、第2フレキシブル基板502、及び図示されない第3、第4フレキシブル基板を介して駆動回路部200A〜200Dを、図6(b)に示したコネクタ360に実装した構成に特徴を有している。したがって本実施形態の液滴吐出ヘッドにおいて、駆動回路部200A〜200Dの実装構造以外の構成は、図6に示した第2実施形態の液滴吐出ヘッドと同様であるから、図7においても、図6と共通の構成要素には同一の符号を付し、それらの詳細な説明は省略する。
図7(a)に示す本実施形態の液滴吐出ヘッドは、リザーバ形成基板20を貫通して設けられた溝部700内にコネクタ360が配設され、このコネクタ360の図示上面(+Z側面)の端子電極36bに、第1フレキシブル基板501及び第2フレキシブル基板502が実装された構成を備えている。フレキシブル基板501,502の図示下面(−Z側面)には、それぞれ駆動回路部200A、200Bがフリップチップ実装されており、駆動回路部200A、200Bとフレキシブル基板501,502との間は、それぞれ樹脂モールド202により封止されている。駆動回路部200A〜200Dのフリップチップ実装には、先の実施形態と同様、ろう材による実装や、ACF、ACPを用いた実装、NCF、NCPを用いた実装等、種々の実装形態が採用できる。
図7(b)は、第1フレキシブル基板501を(a)図の下面側(−Z側)から見た平面構成図である。平面視で概略凸形の第1フレキシブル基板501上には駆動回路部200Aが実装されており、駆動回路部200Aの実装位置から、図示−X方向に複数の配線パターン510が延びており、各配線パターン510は、フレキシブル基板501の−X側端部に配列された複数の接続端子からなる接続端子群507に対し電気的に接続されている。また、駆動回路部200Aの実装位置から+X方向に複数の配線パターン511が延びており、各配線パターン511は、フレキシブル基板501の+X側の端部に配列形成された複数の接続端子からなる接続端子群508に対し電気的に接続されている。そして、第1フレキシブル基板501は、−X側端部の接続端子群507によりコネクタ360の端子電極36b(第1コネクタ端子群36A)に電気的に接続され、+X側端部の接続端子群508により図示略の外部回路に接続されるようになっている。
また図示は省略しているが、駆動回路部200Bが実装された第2フレキシブル基板502も第1フレキシブル基板501と同様の構成を具備している。さらに駆動回路部200C、200Dをそれぞれ実装した第3フレキシブル基板及び第4フレキシブル基板についても第1フレキシブル基板501と同様の構成である。
そして、図7(b)に示す第1フレキシブル基板501、及びこれと同等の構成を具備した第2〜第4フレキシブル基板が、リザーバ形成基板20の図示中央部に形成されている溝部700内に配置されているコネクタ360の上面の端子電極36bに対し電気的に接続されて、本実施形態の液滴吐出ヘッドが構成されている。第1〜第4フレキシブル基板と端子電極36bとの電気的接続は、ろう材、ACF、ACP、NCF、NCP等の種々の接合材を用いた接合により行うことができる。
本実施形態の液滴吐出ヘッドでは、溝部700内に配置されるコネクタ360の厚さ(高さ)は、リザーバ形成基板20の厚さより大きくすることが好ましい。各フレキシブル基板を容易に接続することができるからであ。
上記構成を具備した本実施形態の液滴吐出ヘッドによれば、コネクタ360によりリザーバ形成基板20の上面側に引き出された圧電素子300の回路接続部に対して、駆動回路部200A〜200Dを実装した第1〜第4フレキシブル基板が電気的に接続されているので、この液滴吐出ヘッドをプリンタユニット等の液滴吐出装置に装着する際に、接続端子部の取り回しをフレキシブル基板の可撓性によって良好なものとすることができる。
また、駆動回路部200A〜200Dの実装形態の自由度が大きくなるため、駆動回路部の変更に伴う配線の引き回し形態の変更も容易になる。
なお、本実施形態では、コネクタ360の各コネクタ端子群36A〜36に対して別々のフレキシブル基板を接続する構成について図示して説明したが、4個の駆動回路部200A〜200Dを1枚のフレキシブル基板に実装し、かかるフレキシブル基板をコネクタ360に電気的に接続した構成であってもよい。また、溝部700に対してX軸方向で同じ側に配置される第1フレキシブル基板と第3フレキシブル基板とを一体化したフレキシブル基板をコネクタ360の+X側のコネクタ端子に接続し、第2フレキシブル基板と第4フレキシブル基板とを一体化したフレキシブル基板を−X側のコネクタ端子に接続した構成とすることもできる。
また、第1〜第4フレキシブル基板の下面側に実装された駆動回路部200A〜200Dと、リザーバ形成基板20との間を、さらに樹脂モールド等で封止した構成も採用できる。このようにして駆動回路部200A〜200Dをリザーバ形成基板20に封止、固定すれば、駆動回路部200A〜200Dを含む液滴吐出ヘッド全体を一体的に形成でき、ハンドリング性に優れた液滴吐出ヘッドを得られる。また、駆動回路部200A〜200Dがフレキシブル基板とリザーバ形成基板との間に封止されるため、駆動回路部200A〜200Dを良好に保護することができ、液滴吐出ヘッドの信頼性を高めることができる。
(液滴吐出装置)
次に、先の実施形態の液滴吐出ヘッドを備えた液滴吐出装置の一例について図7を参照しながら説明する。図8は、前記各実施形態の液滴吐出ヘッドを具備した液滴吐出装置IJの概略構成を示す斜視図である。
液滴吐出装置IJは、本発明に係る液滴吐出ヘッド101と、X軸方向駆動軸4と、Y軸方向ガイド軸5と、制御装置CONTと、ステージ7と、クリーニング機構8と、基台9と、ヒータ15とを備えている。ステージ7は、この液滴吐出装置IJによりインク(液体材料)を設けられる基板Pを支持するものであって、基板Pを基準位置に固定する不図示の固定機構を備えている。
液滴吐出ヘッド101は、先に記載のように、複数の吐出ノズルを備えたマルチノズルタイプの液滴吐出ヘッドであり、長手方向とY軸方向とを一致させている。複数の吐出ノズルは、液滴吐出ヘッド101の下面にY軸方向に並んで一定間隔で設けられている。液滴吐出ヘッド101のノズルからは、ステージ7に支持されている基板Pに対して、形成する機能膜の種類に応じたインク(例えば導電性微粒子を含むインク)が吐出される。
X軸方向駆動軸4には、X軸方向駆動モータ2が接続されている。X軸方向駆動モータ2はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからX軸方向の駆動信号が供給されると、X軸方向駆動軸4を回転させる。X軸方向駆動軸304が回転すると、液滴吐出ヘッド101はX軸方向に移動する。
Y軸方向ガイド軸5は、基台9に対して動かないように固定されている。ステージ7は、Y軸方向駆動モータ3を備えている。Y軸方向駆動モータ3はステッピングモータ等であり、制御装置CONTからY軸方向の駆動信号が供給されると、ステージ7をY軸方向に移動する。
制御装置CONTは、液滴吐出ヘッド101に液滴の吐出制御用の電圧を供給する。また、X軸方向駆動モータ2に液滴吐出ヘッド101のX軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を、Y軸方向駆動モータ3にステージ7のY軸方向の移動を制御する駆動パルス信号を供給する。
クリーニング機構8は、液滴吐出ヘッド101をクリーニングするものである。クリーニング機構8には、図示しないY軸方向の駆動モータが備えられている。このY軸方向の駆動モータの駆動により、クリーニング機構は、Y軸方向ガイド軸5に沿って移動する。
クリーニング機構8の移動も制御装置CONTにより制御される。
ヒータ15は、ここではランプアニールにより基板Pを熱処理する手段であり、基板P上に塗布された液体材料に含まれる溶媒の蒸発及び乾燥を行う。このヒータ15の電源の投入及び遮断も制御装置CONTにより制御される。
液滴吐出装置IJは、液滴吐出ヘッド101と基板Pを支持するステージ7とを相対的に走査しつつ基板Pに対して液滴を吐出する。ここで、以下の説明において、X軸方向を走査方向、X軸方向と直交するY軸方向を非走査方向とする。したがって、液滴吐出ヘッド101の吐出ノズルは、非走査方向であるY軸方向に一定間隔で並んで設けられている。
なお、図8では、液滴吐出ヘッド101は、基板Pの進行方向に対し直角に配置されているが、液滴吐出ヘッド101の角度を調整し、基板Pの進行方向に対して交差させる向きにノズルが配列される配置としてもよい。このようにすれば、液滴吐出ヘッド101の角度を調整することで、ノズル間のピッチを調節することができる。また、基板Pとノズル面との距離を任意に調節できるようにしてもよい。
上記構成を備えた液滴吐出装置IJは、液相法により各種デバイスを形成するためのデバイス形成装置として好適に用いることができる。この形態においては、液滴吐出ヘッドより吐出されるインク(機能液)として、液晶表示デバイスを形成するための液晶表示デバイス形成用材料、有機EL表示デバイスを形成するための有機EL形成用材料、電子回路の配線パターンを形成するための配線パターン形成用材料などを含むものが用いられる。これらの機能液を液滴吐出装置により基体上に選択配置する製造プロセスによれば、フォトリソグラフィ工程を経ることなく機能材料のパターン配置が可能であるため、液晶表示装置や有機EL装置、回路基板等を安価に製造することができる。
また、本発明に係る液滴吐出装置は、液滴吐出ヘッドを画像形成手段として備えたプリンタ(インクジェットプリンタ)として構成することもでき、液滴吐出ヘッドを組み込むことによって実現されるプリンタユニットとして構成することもできる。このようなプリンタユニットは、例えば、テレビ等の表示デバイスやホワイトボード等の入力デバイスに装着され、該表示デバイス又は入力デバイスによって表示若しくは入力された画像を印刷するために使用することができる。
(半導体装置)
上記実施の形態では、本発明に係るデバイス実装構造を具備した液滴吐出ヘッドとその製造方法について説明したが、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、三次元的に複数のICチップを積層した構造を有する半導体装置の実装構造にも適用することができる。
図9は、SIP(System In Package)技術を用いた半導体装置の一例を示す断面構成図である。図9に示す半導体装置1000は、ベース基板(基体)1010と、ベース基板1010上に積層された複数のICチップ(デバイス)1020,1030,1040と、これらのICチップとベース基板1010との導電接続構造を構成する複数のコネクタ1060,1070,1080とを備えている。
ベース基板1010は、例えばシリコン基板を主体としてなるものであり、ベース基板1010を板厚方向に貫通する複数(図示では8本)の貫通電極(導電接続部)1011が設けられている。ベース基板1010の図示下面側に露出した貫通電極1011のそれぞれに、半導体装置1000を電子機器等に実装する際の接続端子となる略球状のバンプ1012が設けられている。
ベース基板1010の図示上面側に露出した貫通電極1011には、図示左側から順に、ICチップ1020と、コネクタ1060と、コネクタ1070とが実装されている。
ICチップ1020は、その図示上面側にも接続端子を具備した両面実装型のICチップである。またコネクタ1060,1070,1080は、シリコン基板等を基材としてなり、この基材を貫通する貫通電極(端子電極)1061,1071,1081を有している。これらのコネクタ1060,1070,1080には、第1実施形態に係るコネクタ35と同様の構成が適用でき、コネクタ35と同様の方法を用いて作製することができる。
ICチップ1020の上面に設けられたパッド1021に、ICチップ1020より大きい幅を有するICチップ1030が実装されている。ICチップ1030は、ICチップ1020の外側の領域でコネクタ1070の貫通電極1071に対して実装されている。また、ICチップ1030と同層には、コネクタ1080がコネクタ1070上に積層されて配置されており、コネクタ1070,1080の貫通電極1071と貫通電極1081とが電気的に接続されている。そして、ICチップ1030の上面に設けられた複数のパッド1031と、コネクタ1080の貫通電極1081とに対して、ICチップ1030より大きい幅を有するICチップ1040が実装されている。
すなわち、本実施形態の半導体装置1000では、ICチップ1020上にそれより大きいICチップ1030を積層配置したことでベース基板1010とICチップ1030との間に生じた段差を、かかる段差に相当する高さを有するコネクタ1060により解消し、かつICチップ1030とベース基板1010の貫通電極1011とを電気的に接続している。また、ICチップ1030上にそれより大きいICチップ1040を積層配置したことでベース基板1010とICチップ1040との間に生じた段差を、コネクタ1070とコネクタ1080とを積層することで前記段差に相当する高さとされたコネクタ積層体によって解消し、かつICチップ1040の接続端子とベース基板1010の貫通電極1011とを電気的に接続している。
このように、本実施形態の半導体装置1000では、ベース基板1010側に小さいICチップを配置し、その上に大きいICチップを積層して実装する構成を採用したことで、上層側のICチップ1030,1040の信号線を、コネクタ1060及びコネクタ1070,1080によってベース基板1010の接続端子に直接的に引き出すことができるようになっている。これにより、下層側に配置されるICチップに、上層側のICチップの信号線を中継するための電極を設ける必要が無くなるので、汎用のICチップをベース基板1010上に実装できるようになり、低コストに高機能の半導体装置を得ることができる。
なお、図9に示した構成は、本発明に係る半導体装置の一構成例を示したものであり、本発明の技術範囲はかかる実施形態に限定されるものではない。
<第4の実施形態>
<液滴吐出ヘッド>
続いて、本発明の第4の実施形態として、本発明にデバイス実装構造を具備した液滴吐出ヘッドについて図10から図11を参照して説明する。図10は液滴吐出ヘッドの一実施形態を示す斜視構成図、図11は図10のA−A線に沿う断面構成図である。
なお、これらの図において、図1乃至図9に示す第1〜第3の実施形態の構成要素と同一の要素については同一符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
本実施形態の液滴吐出ヘッド1は、インク(機能液)を液滴状にしてノズルから吐出するものである。図10から図11に示すように、液滴吐出ヘッド1は、液滴が吐出されるノズル開口15を備えたノズル基板16と、ノズル基板16の上面(+Z側)に接続されてインク流路を形成する流路形成基板10と、流路形成基板10の上面に接続されて圧電素子(駆動素子)300の駆動によって変位する振動板400と、振動板400の上面に接続されてリザーバ100を形成するリザーバ形成基板(保護基板)20と、リザーバ形成基板20上に設けられた前記圧電素子300を駆動するための4個の駆動回路部(ドライバIC、デバイス)200A〜200Dと、駆動回路部200A〜200Dと接続された複数の配線パターン(第2導電接続部)34とを備えて構成されている。なお、上記流路形成基板10とリザーバ形成基板20とにより、本発明に係る基体が構成される。
振動板400を変形させるための圧電素子300は、図11に示すように、流路形成基板10の上面(+Z側の面;第1面)10aに形成された、下電極膜60側から順に圧電体膜70と、上電極膜(第1導電接続部)80とを積層した構造を備えている。圧電体膜70の厚さは例えば1μm程度、上電極膜80の厚さは例えば0.1μm程度である。
なお、圧電素子300の概念としては、圧電体膜70及び上電極膜80に加えて、下電極膜60を含むものであってもよい。下電極膜60は圧電素子300として機能する一方、振動板400としても機能するからである。本実施形態では、弾性膜50及び下電極膜60が振動板400として機能する構成を採用しているが、弾性膜50を省略して下電極膜60が弾性膜(50)を兼ねる構成とすることもできる。
図10に示すように、リザーバ形成基板20上には4個の駆動回路部200A〜200Dが配設されている。駆動回路部200A〜200Dは、例えば回路基板あるいは駆動回路を含む半導体集積回路(IC)を含んで構成されている。各駆動回路部200A〜200Dは、図示下面側に複数の接続端子200aを備えており、この接続端子200aがリザーバ形成基板20の上面(第2面)20aに形成された配線パターン34に対して接続されている。
図10及び図11に示すように、リザーバ形成基板20のうち、X軸方向に関して中央部には、断面が下方に向かうに従って縮径するテーパ形状を有し、Y軸方向に延びる溝部(貫通孔)700が形成されている。すなわち、本実施形態の液滴吐出ヘッドでは、この溝部700が、圧電素子300の上電極膜80(回路接続部)と、それらに接続されるべき前記駆動回路部200A〜200Dの接続端子200a(配線パターン34)とを隔てる段差を形成している。
そして、溝部700内には、その底面部に露出された各圧電素子300の上電極膜80に位置合わせされて、コネクタ360が配設されている。本実施形態の液滴吐出ヘッド1では、このコネクタ360によって溝部700の底面部(流路形成基板10の上面10a)と、駆動回路部200A〜200Dが配置されるリザーバ形成基板20の上面20aとの段差が解消され、駆動回路部200A〜200Dがリザーバ形成基板20上に平面的に実装されている。
コネクタ360は、図12に示すように、四角柱状の平板部41と、上方が縮径する傾斜面42aを有し平板部41の幅方向中央部に長さ方向(Y軸方向)に沿って突設された突部42とからなるコネクタ基材36aと、突部42の図示上面(+Z側面)に配列形成された複数の端子電極(第1端子電極)36bと、平板部41の図示上面(+Z側面)に配列形成された複数の端子電極(第2端子電極)36cと、突部42の傾斜面42a(+X側面、−X側面)に形成されて前記各端子電極36bとそれと対応する前記各端子電極36cとを電気的に接続する複数の接続配線36dと、端子電極36b、36cにそれぞれ突設されたバンプ36e、36fとを備えて構成されている。
なお、突部42は、図11に示すように、リザーバ形成基板20の溝部700に接触しない幅に形成されている。また、突部42の高さ(Z方向の長さ)は、配線パターン34と上電極膜80との段差(すなわち、流路形成基板10の上面10aとリザーバ形成基板20の上面20aとの段差)の高さと略同一に形成されている。
コネクタ360において、端子電極36b、36cと、両者を接続する接続配線36dと、バンプ36e、36fとが、1つのコネクタ端子を形成しており、これらのコネクタ端子は、図11に示す溝部700内に延出された上電極膜80のピッチに一致するピッチでコネクタ基材36a上に配列されている。
コネクタ360の延在方向に配列された複数の前記コネクタ端子のうち、互いに近接して配置された一群のコネクタ端子が、図12に示す第1コネクタ端子群36A〜第4コネクタ端子群36Dを形成している。第1コネクタ端子群36Aと第2コネクタ端子群36Bとは、コネクタ基材36aの上面でX軸方向に関し互いに対向して配置されており、第3コネクタ端子群36Cと第4コネクタ端子群36Dも、コネクタ基材36aの上面でX軸方向に関し互いに対向して配置されている。
また、コネクタ360には、平板部41の上面に位置して、アライメントマークAMが形成されている。アライメントマークAMは、第1コネクタ端子群36A〜第4コネクタ端子群36Dの位置検出時の基準となるものであり、端子電極36c及びバンプ36fと同一面で、+X側の面では−Y側の端部近傍の位置、−X側の面では+Y側の端部近傍の位置(こちらのアライメントマークは図示省略)に、それぞれ第1コネクタ端子群36A〜第4コネクタ端子群36Dに対する相対位置が正確に位置決めして形成されている。これらアライメントマークAMは、端子電極36c及びバンプ36fと同一材料、且つ同一工程で形成されることにより、第1コネクタ端子群36A〜第4コネクタ端子群36Dとの相対位置精度を容易に維持することができる。
コネクタ基材36aは、少なくともその表面が絶縁性を有する材料からなるものであり、例えば、セラミックス、ガラスエポキシ、ガラス等の絶縁性材料の成形体や、シリコン(Si)からなる基体の表面に熱酸化により酸化シリコン膜を形成したものや、前記シリコン基体の表面に絶縁性の樹脂膜を形成したものを用いることができる。シリコン基体の表面に絶縁膜を形成したコネクタ基材36aを用いる場合、同じくシリコンからなる流路形成基板10やリザーバ形成基板20と線膨張係数が略同一となり、熱膨張率を一致させることができるため、温度変化による体積変化で導電接合部に剥離等が生じるのを効果的に防止できるという利点が得られる。
一方、コネクタ基材36aとしてガラスエポキシやセラミックス等の成形体を用いると、シリコン基体を用いた場合に比して優れた耐衝撃性等を得られる。
コネクタ端子を構成する端子電極36b、36c、及び接続配線36dは、金属材料や導電性ポリマー、超電導体等により形成することができる。コネクタ端子はAu(金)、Ag(銀)、Cu(銅)、Al(アルミニウム)、Pd(パラジウム)、Ni(ニッケル)等の金属材料からなるものであることが好ましい。特に端子電極36b、36cにおけるバンプ36e、36fについては、Auで形成されることが好ましい。駆動回路部200A〜200Dの接続端子200aがAuバンプである場合に、Au−Au接合によって確実な接合を容易に得られるためである。
上記構成を具備したコネクタ360は、図11に示すように、突部42において端子電極36b及びバンプ36eを溝部700の底面側(上電極膜80側)に向けた状態で配置されるとともに、溝部700内に延出されている圧電素子300の上電極膜80にバンプ36eを介してフリップチップ実装されている。また、コネクタ360は、平板部41において端子電極36c及びバンプ36fを配線パターン34(リザーバ形成基板20の上面20a)に向けた状態で配置されるとともに、配線パターン34にバンプ36fを介してフリップチップ実装されている。
コネクタ360の実装状態をより詳細に説明すると、前記第1コネクタ端子群36Aは、溝部700の底面上に配列されている複数の上電極膜80のうち、第1ノズル開口群15A及び第1圧力発生室群12Aに対応する第1圧電素子群を構成する圧電素子300の上電極膜80に対して、端子電極36b及びバンプ36eを介して電気的に接続されている。第2コネクタ端子群36Bは、第2ノズル開口群15B及び第2圧力発生室群12Bに対応する第2圧電素子群を構成する圧電素子300の上電極膜80に対して、端子電極36b及びバンプ36eを介して電気的に接続されている。
また図11には表示されていないが、第3コネクタ端子群36Cは、上記第1コネクタ端子群36Aと同様、第3圧電素子群を構成する圧電素子300の上電極膜80に対して端子電極36b及びバンプ36eを介して電気的に接続されており、第4コネクタ端子群36Dは、上記第2コネクタ端子群36Bと同様、第4圧電素子群を構成する圧電素子300の上電極膜80に対して端子電極36b及びバンプ36eを介して電気的に接続されている。
本実施形態では特に、コネクタ360の端子電極36b、36cにAuからなるバンプ36e、36fを設けているので、配線パターン34及び上電極膜80に対してコネクタ360を押し当てた際にバンプ36e、36fが容易に変形するので、例えば、コネクタ360(平板部41及び突部42)の高さばらつきによって端子電極36b、36cのZ軸方向の位置がずれていても、バンプ36e、36fの変形によってこのずれを吸収することができ、端子電極36bと上電極膜80、及び端子電極36cと配線パターン34をそれぞれ電気的に接続することができる。
フリップチップ実装(導電接続構造)の形態としては、ろう材、又は異方性導電フィルム(ACF:anisotropic conductive film)や異方性導電ペースト(ACP:anisotropic conductive paste)を含む異方性導電材料、非導電性フィルム(NCF:Non Conductive Film)や非導電性ペースト(NCP:Non Conductive Paste)を含む絶縁樹脂材料を用いたものとすることができる。
また、配線パターン34に対する駆動回路部200A〜200Dのフリップチップ実装に際しても、上記ろう材、又は異方性導電膜や異方性導電ペーストを含む異方性導電材料、非導電性膜や非導電性ペーストを含む絶縁樹脂材料を用いた導電接続構造が採用できる。
上述した構成を有する液滴吐出ヘッド1により機能液の液滴を吐出するには、当該液滴吐出ヘッド1に接続された外部コントローラ(図示略)によって機能液導入口25に接続された不図示の外部機能液供給装置を駆動する。外部機能液供給装置から送出された機能液は、機能液導入口25を介してリザーバ100に供給された後、ノズル開口15に至るまでの液滴吐出ヘッド1の内部流路を満たす。
また外部コントローラは、リザーバ形成基板20上に実装された駆動回路部200等に駆動電力や指令信号を送信する。指令信号等を受信した駆動回路部200は、外部コントローラからの指令に基づく駆動信号を、配線パターン34、コネクタ360の端子電極等を介して導電接続された各圧電素子300に送信する。
すると、圧力発生室12に対応するそれぞれの下電極膜60と上電極膜80との間に電圧が印加される結果、弾性膜50、下電極膜60及び圧電体膜70に変位が生じ、この変位によって各圧力発生室12の容積が変化して内部圧力が高まり、ノズル開口15より液滴が吐出される。
<コネクタの製造方法>
本実施形態の液滴吐出ヘッドに用いられているコネクタ360は、セラミックスやガラスエポキシ等の絶縁性の基材が用いられる場合には、研削等の機械加工を施して、図12に示す断面視凸状に形成したコネクタ基材36aの表面に、コネクタ端子(端子電極36b、36c、接続配線36d、バンプ36e、36f)をパターン形成することで作製することができる。また、シリコン基体のように導電性を有する基体を用いる場合には、異方性エッチング等により部分的に除去して断面視凸状に形成したシリコン基体の表面に熱酸化等により酸化シリコン膜を形成して得られたコネクタ基材、あるいはシリコン基体の表面に絶縁性の樹脂膜を形成することで得られたコネクタ基材の表面に、前記コネクタ端子をパターン形成することで作製することができる。
前記コネクタ端子をコネクタ基材36a上にパターン形成する方法としては、例えば、気相法を用いて形成した導電膜をフォトリソグラフィ技術を用いてパターニングする方法、コネクタ基材36a上に所定パターンの開口部を具備したマスク材を配し、当該マスク材を介した気相法やめっき法により導電膜(金属膜)を選択的に形成する方法、液滴吐出法を用いて導電膜をパターン形成する方法、及び印刷法を用いてコネクタ基材36a上に導電膜をパターン形成する方法等を用いることができる。
以下、コネクタ360の製造方法の一例として、液滴吐出法を用いたコネクタ端子(端子電極36b、36c、接続配線36d、バンプ36e、36f)の形成方法について説明する。本実施形態では、コネクタ基材36aとして断面視凸状のセラミックス成形体を用いた場合について説明するが、他の材質のコネクタ基材を用いた場合も同様である。
液滴吐出法によるコネクタ端子の形成には、上記の液滴吐出ヘッド1を有する液滴吐出装置を好適に用いることができる。すなわち、液滴吐出装置に設けられた液滴吐出ヘッド1から、コネクタ端子を形成するためのインクを吐出してコネクタ基材36a上に所定パターンを形成するように配置する。その後コネクタ基材36a上のインクを乾燥、焼成することで金属薄膜を形成する。以上の工程をコネクタ基材36aの突部42の上面及び傾斜面42a、平坦部41の上面について順次繰り返すことで、端子電極36b、36cとこれらを接続する接続配線36d及びバンプ36e、36fとをコネクタ基材36a上に形成することができる。
図12に示したコネクタ端子を金薄膜により形成する場合、例えば直径10nm程度の金微粒子をトルエン中に分散させた金微粒子分散液(真空冶金社製、商品名「パーフェクトゴールド」)をトルエンで希釈し、その粘度を5[mPa・s]程度、表面張力を20mN/m程度となるように調整し、この液状体を端子電極36b、36c及び接続配線36d、バンプ36e、36fを形成するためのインクとして用いる。
[コネクタ端子の形成手順]
上述したインクを用意したならば、液滴吐出ヘッド1からインクの液滴を吐出してコネクタ基材36a上に配置する工程を行う。
ここで、上記液滴吐出工程に先立って、コネクタ基材36aに対する表面処理を行ってもよい。すなわち、コネクタ基材36aのインク塗布面について、インクの塗布に先立って撥インク処理(撥液処理)を施しておいてもよい。このような撥インク処理を施しておくことにより、コネクタ基材36a上に吐出配置(塗布)されるインクの位置をより高精度に制御することができる。
前記コネクタ基材36a表面に必要に応じて上記撥インク処理を施したならば、上記インクの液滴を液滴吐出ヘッド1から吐出してコネクタ基材36a上の所定位置に滴下する。この工程では、コネクタ基材36a上で液滴吐出ヘッド1を走査しつつ液滴を吐出することで、コネクタ基材36aの一側面に複数のインクパターン(例えば端子電極36bとなるべきインクパターン)を形成する。
このとき、液滴を連続的に吐出してパターン形成を行う場合には、液だまり(バルジ)が生じないよう、液滴同士の重なりの程度を制御することが好ましい。この場合において、1回目の吐出では複数の液滴を互いに接しないように離間して吐出配置し、2回目以降の吐出によって、その間を埋めていくような吐出配置方法を採用すると、良好にバルジを防止できる。
液滴を吐出してコネクタ基材36a上に所定のインクパターンを形成したならば、その後、インクから分散媒の除去を行うため、必要に応じて乾燥処理する。乾燥処理は、例えば基板を加熱する通常のホットプレート、電気炉などによる処理の他、ランプアニールによって行うこともできる。ランプアニールに使用する光の光源としては、特に限定されないが、赤外線ランプ、キセノンランプ、YAGレーザー、アルゴンレーザー、炭酸ガスレーザー、XeF、XeCl、XeBr、KrF、KrCl、ArF、ArClなどのエキシマレーザーなどを光源として使用することができる。
次いで、インクパターンを乾燥させて得られた乾燥膜に対し、微粒子間の電気的接触を良好なものとするための焼成処理を行う。この焼成処理により乾燥膜から分散媒が完全に除去され、また、導電性微粒子の表面に分散性を向上させるための有機物コーティング等が施されている場合には、このコーティングも除去される。
焼成処理は、熱処理又は光処理、あるいはこれらを組み合わせた処理により行われる。
焼成処理は、通常大気中で行なわれるが、必要に応じて、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの不活性ガス雰囲気中で行うこともできる。焼成処理の処理温度は、分散媒の沸点(蒸気圧)、雰囲気ガスの種類や圧力、微粒子の分散性や酸化性等の熱的挙動、コーティング材の有無や量、基材の耐熱温度などを考慮して適宜決定される。例えば、有機物からなるコーティング材を除去するためには、約300℃で焼成することが必要である。また、プラスチックなどの基板を使用する場合には、室温以上100℃以下で行なうことが好ましい。
以上の工程により、膜中の微粒子間の電気的接触が確保され、導電膜に変換される。
その後、以上の液滴吐出工程と、乾燥工程と、焼成工程とを、コネクタ基材36aの各側面について行うことで、コネクタ基材36a上に複数のコネクタ端子が形成されたコネクタ360を製造することができる。
なお、コネクタ基材36aの各側面について液滴吐出工程と乾燥工程とを行うことでコネクタ基材36aの各側面に所定パターンの乾燥膜を形成しておき、最後に一括して焼成工程を行うことで乾燥膜から導電膜への変換を行ってもよい。乾燥膜はそれを構成する導電性微粒子の間に多くの隙間を有しているため、その上にインクを配置した場合に良好にインクを保持することができる。したがって、コネクタ基材36aの側面に乾燥膜を形成した状態で他の側面について液滴吐出工程を行うことで、各側面に形成されている乾燥膜の接続性を向上させることができる。すなわち、端子電極36bと接続配線36dとの接続部位、及び端子電極36cと接続配線36dとの接続部位における接続性を向上させることができ、より信頼性に優れたコネクタ端子を形成することができる。
<液滴吐出ヘッドの製造方法>
次に、液滴吐出ヘッド1の製造方法について、図13のフローチャートを参照して説明する。
液滴吐出ヘッド1を製造するには、例えばシリコン単結晶基板に異方性エッチングを施すことで、図11に示す圧力発生室12や供給路14、連通部13等を形成して流路形成基板10を作製する(ステップSA1)。その後、流路形成基板10上に、弾性膜50と下電極膜60とを積層形成し、次いで下電極膜60上に圧電体膜70及び上電極膜80をパターン形成することで圧電素子300を形成する(ステップSA2)。
また、ステップSA1、SA2とは別工程で、シリコン単結晶基板に異方性エッチングを施すことで圧電素子保持部24や溝部700、導入路26を形成し、ドライエッチング法を用いてリザーバ部21を形成することでリザーバ形成基板20を作製する(ステップSA3)。次いで、リザーバ形成基板20上にコンプライアンス基板30を接合し、配線パターン34を形成する(ステップSA4)。
次に、ステップSA2を経た流路形成基板10上の圧電素子300を覆う位置に、ステップSA4を経たリザーバ形成基板20を位置合わせし(ステップSA5)、その後、流路形成基板10とリザーバ形成基板20を接着するとともに、コネクタ360を溝部700に挿入して圧電素子300の上電極膜80(回路接続部)と配線パターン34とを接続する(ステップSA6)。コネクタ360を溝部700に挿入する際には、コネクタ360に形成されたアライメントマークAMを計測することにより、リザーバ形成基板20に対する位置合わせを容易、且つ精度よく行うことができる。
次に、リザーバ形成基板20上の配線パターン34に対して駆動回路部200A〜200Dをフリップチップ実装する(ステップSA7)。
なお、ステップSA6とステップSA7とは、順序が逆であってもよい。
以上の工程により、液滴吐出ヘッド1を製造することができる。
以上のように、本実施の形態では、リザーバ形成基板20に設けた溝部700内にコネクタ360を配設することで、段差をもって配された圧電素子300の回路接続部(上電極膜80)と、駆動回路部200A〜200Dの接続端子200aに接続された配線パターン34とを電気的に接続でき、ワイヤボンディングにより駆動回路部と圧電素子とを接続する構造のようなワイヤを引き回す空間が不要となり、液滴吐出ヘッド1の薄型化を実現できるものとなっている。また、コネクタ360によって溝部700が埋められているため、液滴吐出ヘッド1自体の剛性を高めることができ、反り等による吐出精度の低下を効果的に防止できるものとなっている。
さらに、本実施の形態では、駆動回路部200A〜200Dの接続端子200aに接続された配線パターン34に対して導通確認を行うことにより、コネクタ360を実装する前に駆動回路部200A〜200Dの導通チェックを実施することが可能になる。
また、本実施形態では、ノズル開口15の狭ピッチ化に伴って圧電素子300のピッチが狭くなり、ワイヤボンディングを行うのが極めて困難な場合であっても、容易に駆動回路部200A〜200Dと圧電素子300との電気的接続を行うことができる。すなわち、コネクタ360の端子電極36b〜36fは、正確な位置に正確な寸法で形成することが可能であるため、ノズル開口15を狭ピッチ化した場合にも、それに伴い狭ピッチで配列される圧電素子300に対して正確に位置合わせ可能なものを作製することができる。したがって本実施形態によれば、高精細の画像形成や機能膜のパターン形成が可能な液滴吐出ヘッド1を得ることができる。
また、本実施の形態では、コネクタ360が傾斜面42aを有しているので、溝部700への挿入時に案内となり安定した接続作業が可能になるとともに、傾斜面42aを有する突部42が溝部700よりも幅狭に形成されているため、配線パターン34がコネクタ360と接触して端子間ショートを引き起こすことを防止できる。さらに、本実施形態では、端子電極36bが形成された突部42の上面及び端子電極36cが形成された平板部41の上面に対して傾斜面42aが鈍角で交差することになるため、各面の交差部に形成された端子電極に加わる応力集中を緩和することが可能になり、断線等の発生を抑制できる。また、突部42の上面及び平板部41の上面に対して直交する場合と比較して、傾斜面42aへの配線形成が容易になるという効果も奏する。
また、本実施の形態では、コネクタ360にバンプ36e、36fを設けて上電極膜80、配線パターン34と接続させているので、コネクタ360を押し当てた際にバンプ36e、36fが容易に変形でき、例えば、コネクタ360(平板部41及び突部42)の高さばらつきによって端子電極36b、36cのZ軸方向の位置がずれていても、バンプ36e、36fの変形によってこのずれを吸収することができ、端子電極36bと上電極膜80、及び端子電極36cと配線パターン34をそれぞれ安定して電気的に接続することができる。加えて、本実施の形態では、コネクタ360の基材36aと流路形成基板10やリザーバ形成基板20と線膨張係数を同一としているので、温度変化による体積変化で導電接合部に剥離等が生じるのを効果的に防止できるという利点が得られる。
さらに本実施の形態では、駆動回路部200A〜200D及びコネクタ360をフリップ実装する構成なので、同一の装置(実装装置)を用いてこれらを一括して搭載することも可能になり、生産効率の向上にも寄与できる。
また本実施形態の液滴吐出ヘッド1では、リザーバ形成基板20が、圧電素子300を外部環境と遮断して圧電素子300を封止する封止部材としても機能するようになっているので、水分等の外部環境による圧電素子300の特性劣化等を防止することができる。また本実施形態では、圧電素子保持部24の内部を密封状態にしただけであるが、例えば、圧電素子保持部24内の空間を真空にしたり、あるいは窒素又はアルゴン雰囲気等とすることにより、圧電素子保持部24内を低湿度に保持する構成も採用でき、これらの構成により圧電素子300の劣化をさらに効果的に防止することができる。
<液滴吐出装置>
次に、上述した液滴吐出ヘッド1を備えた液滴吐出装置の一例について図14を参照しながら説明する。本例では、その一例として、前述の液滴吐出ヘッドを備えたインクジェット式記録装置について説明する。
液滴吐出ヘッドは、インクカートリッジ等と連通するインク流路を具備する記録ヘッドユニットの一部を構成して、インクジェット式記録装置に搭載されている。図14に示すように、液滴吐出ヘッドを有する記録ヘッドユニット1A及び1Bには、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bが着脱可能に設けられており、この記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3が、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に取り付けられている。
記録ヘッドユニット1A及び1Bは、例えば、それぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとしている。そして、駆動モータ6の駆動力が図示しない複数の歯車およびタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、記録ヘッドユニット1A及び1Bを搭載したキャリッジ3がキャリッジ軸5に沿って移動するようになっている。一方、装置本体4にはキャリッジ軸5に沿ってプラテン8が設けられており、図示しない給紙ローラなどにより給紙された紙等の記録媒体である記録シートSがプラテン8上に搬送されるようになっている。上記構成を具備したインクジェット式記録装置は、前述の液滴吐出ヘッドを備えているので、小型で信頼性が高く、更に低コストなインクジェット式記録装置となっている。
なお、図14では、本発明の液滴吐出装置の一例としてプリンタ単体としてのインクジェット式記録装置を示したが、本発明はこれに限らず、係る液滴吐出ヘッドを組み込むことによって実現されるプリンタユニットに適用することも可能である。このようなプリンタユニットは、例えば、テレビ等の表示デバイスやホワイトボード等の入力デバイスに装着され、該表示デバイス又は入力デバイスによって表示若しくは入力された画像を印刷するために使用される。
また上記液滴吐出ヘッドは、液相法により各種デバイスを形成するための液滴吐出装置にも適用することができる。この形態においては、液滴吐出ヘッドより吐出される機能液として、液晶表示デバイスを形成するための液晶表示デバイス形成用材料、有機EL表示デバイスを形成するための有機EL形成用材料、電子回路の配線パターンを形成するための配線パターン形成用材料などを含むものが用いられる。これらの機能液を液滴吐出装置により基体上に選択配置する製造プロセスによれば、フォトリソグラフィ工程を経ることなく機能材料のパターン配置が可能であるため、液晶表示装置や有機EL装置、回路基板等を安価に製造することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。上述した例において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、バンプをコネクタ360に設ける構成としたが、これに限定されるものではなく、上電極膜80及び配線パターン34に設ける構成であってもよい。 また、上記実施形態では、溝部700及びコネクタ360の突部42がいずれもテーパ状に形成される構成としたが、いずれか一方、または双方ともが同一径で形成される構成であってもよい。
また、上記実施形態では、半導体装置の一例として、デバイスとしての駆動回路部200A〜200Dを基体に実装した液滴吐出ヘッドの例を用いて説明したが、これに限定されるものではなく、三次元的に電子デバイスを実装した構造を有する半導体装置にも適用することができる。