JP5111539B2 - 案内表示部材 - Google Patents

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Description

この発明は、現在地を把握するために用いる案内表示(案内表示部材)に関する。
原子力発電所においては、たとえば、建物内の巡視点検、建物自体に対する工事、建物内への機器設置の進捗状況確認などのため原子力発電所の建物内に入ることがある。原子力発電所の建物においては、放射線を遮蔽するため、内部に多数の壁が設けられている。この壁の塗装色は、統一されていることが多い。また、原子力発電所の建物には窓がない。
このような原子力発電所の建物内においては、周囲を見渡すことによって当該建物内のどこにいるかを把握することは難しい。原子力発電所の建物内へ作業者が立ち入る頻度は少なく、当該建物内の構造を記憶し、原子力発電所の建物内における現在地や移動方向を頭の中で適宜判断することは難しい。
このため、原子力発電所の建物内を広範囲に移動した場合や移動をともなう業務をおこなった場合などに、現在地が分からなくなることが多々発生していた。このような場合、建物内において目的地へ移動したり、建物外へ出たりするまでに時間を要してしまう。
このような背景から、従来、原子力発電所の建物においては、現在地や避難経路を書き込んだ建物平面図を印刷したシートにラミネート加工などを施した案内表示を、原子力発電所の建物内の複数箇所に掲示していた。これにより、案内表示を確認しながら原子力発電所の建物内を移動することができる。
従来、具体的には、たとえば、誘導灯表示部において非常口や避難経路を表示し、非常時には、誘導灯ユニットより誘導音声を超指向性スピーカ用音声処理部に出力し、超指向性スピーカ用音声処理部と超指向性スピーカでパラメトリックスピーカとして動作する音響放射部から特定の方向にのみ誘導音声を放射することにより、壁面からの反射音の影響を最小限に抑え、避難者に対して明瞭な誘導音声を届けることができるようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
特開2005−202775号公報
しかしながら、上述したように、建物平面図を印刷したシートにラミネート加工などを施した案内表示を用いる従来の技術は、当該案内表示における建物平面図を参照することによって現在地と目的地との位置関係を把握することができるが、現在自分が向いている方向を瞬時に把握することが難しく、どちらに向かって移動すればよいかという移動方向を迅速に判断することが難しいという問題があった。
また、上述した従来の技術は、建物平面図であるため、移動方向先における階段の有無や当該階段までの距離、移動方向先におけるエレベータの有無および当該エレベータまでの距離が分からないという問題があった。このようなことから、上述した従来の技術では、建物内において目的地へ移動したり、建物外へ出たりする際に、どちらに向かって移動すればよいかという移動方向を迅速に判断することが難しいという問題があった。
また、建物平面図を印刷したシートにラミネート加工などを施した案内表示を用いる従来の技術では、建物内の照明が停電してしまった場合には、案内表示が見えないあるいは非常に見えづらい状態となってしまう。このような場合、照明の少ない状況下で案内表示を探さなくてはならず、煩わしいという問題があった。同様に、上述した特許文献1に記載された技術では、建物内において停電が発生した場合に有効に機能しないという問題があった。
特に、原子力発電所の建物外へ避難する必要が生じた場合、避難に際しては迅速性が要求される状況であるにもかかわらず、上述した従来の技術では、案内表示を探すために時間を浪費してしまうため、避難に支障をきたしかねないという問題があった。
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、移動に際して移動者にかかる負担軽減を図ることができる案内表示を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかる案内表示は、異なる2方向への移動が可能な場所に設けられる案内表示であって、第1の移動方向、当該第1の移動方向に移動した場合に到達可能な目的地、および、当該目的地までの移動距離を示す情報を含む第1の案内情報と、第2の移動方向、当該第2の移動方向に移動した場合に到達可能な目的地、および、当該目的地までの移動距離を示す情報を含む第2の案内情報と、が記されたことを特徴とする。
また、この発明にかかる案内表示は、上記の発明において、前記第1の移動方向を示す情報および前記第2の移動方向を示す情報が、矢印を示す図形情報であることを特徴とする。
また、この発明にかかる案内表示は、上記の発明において、前記目的地を示す情報が、前記案内表示が設置される空間から当該空間とは異なる空間へ移動するための移動手段の種類を示す情報であることを特徴とする。
また、この発明にかかる案内表示は、上記の発明において、前記移動手段が、階段であり、前記目的地を示す情報が、前記階段を示す図形情報であることを特徴とする。
また、この発明にかかる案内表示は、上記の発明において、前記移動手段が、エレベーターであり、前記目的地を示す情報が、前記エレベーターを示す図形情報であることを特徴とする。
また、この発明にかかる案内表示は、上記の発明において、前記移動手段が、エスカレーターであり、前記目的地を示す情報が、前記エスカレーターを示す図形情報であることを特徴とする。
また、この発明にかかる案内表示は、上記の発明において、前記案内表示の設置位置を含む所定の空間全体の構成および当該所定の空間全体における前記案内表示の設置位置を示す情報が記されたことを特徴とする。
また、この発明にかかる案内表示は、上記の発明において、前記所定の空間における前記案内表示の設置位置の方位を示す情報が記されたことを特徴とする。
また、この発明にかかる案内表示は、上記の発明において、前記所定の空間が、原子力発電所の構内であることを特徴とする。
この発明によれば、第1の案内情報と第2の案内情報とを比較することによって、どちらに向かって移動すればよいか移動方向を容易かつ迅速に判断することができる。
この発明にかかる案内表示によれば、どちらに向かって移動すればよいか移動方向を容易かつ迅速に判断することができるので、移動に際して移動者にかかる負担軽減を図ることができるという効果を奏する。
また、この発明にかかる案内表示によれば、どちらに向かって移動すればよいか移動方向を容易かつ迅速に判断することができるので、案内表示の設置位置から避難する状況において迅速に避難を開始するとともに適切な目的地に向かって確実に避難することができるので、避難に際しての安全性の向上を図ることができるという効果を奏する。
この発明にかかる実施の形態の案内表示を設置する施設を示す説明図である。 この発明にかかる実施の形態の案内表示の構成を示す説明図である。 案内表示の設置例を示す説明図である。 構内図を含む案内表示の設置例を示す説明図(その1)である。 構内図を含む案内表示の設置例を示す説明図(その2)である。 構内図を含む案内表示の設置例を示す説明図(その3)である。 構内図を含む案内表示の設置例を示す説明図(その4)である。 構内図を含む案内表示の設置例を示す説明図(その5)である。
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる案内表示の好適な実施の形態を詳細に説明する。
まず、この発明にかかる実施の形態の案内表示の構成について説明する。図1は、この発明にかかる実施の形態の案内表示を設置する施設を示す説明図である。図1においては、この発明にかかる実施の形態の案内表示を設置する施設として、原子力発電所の建物内(原子力発電所構内)における1フロアの平面図を示している。
図1において、原子力発電所の建物内(原子力発電所構内)における中央部には、サブレッションチェンバ(圧力抑制室)が設けられている。サブレッションチェンバ101の内側には、ドライウェル102が設けられている。ドライウェル102は、原子炉格納容器の一部を構成する機密性の高い鋼鉄製の容器であって、原子炉圧力容器や原子炉再循環系等の主要機器を収納している。
ドライウェル102の内側には、原子炉が設けられている。原子炉は、たとえば、核拡散防止の観点において優れた性能を備えた軽水炉を用いることができる。原子炉(軽水炉)は、圧力容器本体、制御棒などを備えている。また、原子炉は、非常時および緊急時に用いられる緊急炉心冷却装置を備えている。
圧力容器本体は、略円筒形状をなす胴体部、胴体部の上下に設けられる半球部(上鏡・下鏡)、ノズルなどを備えている。圧力容器本体の内部には、燃料(燃料棒)、減速材、冷却材などが設けられている。燃料(燃料棒)、減速材、冷却材、制御棒は、原子炉内で核反応を起こさせ制御するために用いられる。減速材は、核分裂の過程でウラン、プルトニウムから飛び出した中性子の速度を弱めるために用いられ、たとえば水(軽水)が用いられる。冷却材は、核分裂で得た熱エネルギーを原子炉の外に取り出すために用いられ、たとえば水(軽水)を用いることができる。
また、原子炉は、たとえば、制御棒駆動機構用のスタブチューブ、圧力容器底部ドレン配管や圧力や水位の計装配管を含む配管などを備えている。圧力容器本体に設けられたノズルは、たとえば、給水ノズル、再循環出入口ノズル、主蒸気ノズルなどがあり、それぞれ圧力容器本体配管とを接続する。
原子炉には、沸騰水型(BWR)や加圧水型(PWR)などがある。沸騰水型(BWR)では原子炉の中で直接蒸気を発生させる。一方、加圧水型(PWR)は炉の中を高圧にして水が高温でも沸騰しないようにし、蒸気発生器を使って炉の中を流れる水とは別の水を蒸気にする。
沸騰水型(BWR)の原子炉は、原子炉圧力容器に設けられている燃料を熱源とし、燃料の周囲の水を熱することによって蒸気を発生させ、当該蒸気をタービンに送ることによって発電機を動作させる。加圧水型(PWR)の原子炉は、原子炉圧力容器においてあたためた冷却材を沸騰水型(BWR)よりも高い圧力で一次系統の配管を循環させ、この高温・高圧の水から蒸気発生器で熱だけを二次系統の配管を流れる水に伝えて発生させた蒸気をタービンに送ることによって発電機を動作させる。原子炉圧力容器の内径の大きさは、具体的には、たとえば、110万kW(キロワット)級の沸騰水型(BWR)原子力発電所の場合で、高さおよそ22m、幅およそ6m(いずれも内径)とされる。
サブレッションチェンバ101の周囲には、コンクリート製の壁103が設けられている。壁103は、サブレッションチェンバ101から原子力発電所の建物の外に向かって複数枚設けられている。壁103には、案内表示(図2を参照)が設けられている。案内表示は、原子力発電所の建物内の壁103における任意の位置に設けられている。
案内表示は、異なる2方向(第1の移動方向および第2の移動方向)への移動が可能な場所に設けられる。具体的には、案内表示は、たとえば、当該案内表示に対して移動者(原子力発電所の建物内で作業する作業者)が正対した場合に、当該移動者の右手方向および左手方向への移動が可能となる位置に設けることができる。
また、具体的には、案内表示は、たとえば、当該案内表示に対して移動者が正対した場合に、当該移動者の前方向および後ろ方向への移動が可能となる位置に設けてもよい。あるいは、具体的には、案内表示は、たとえば、当該案内表示に対して移動者が正対した場合に、当該移動者の右手方向および前方向への移動が可能となる位置に設けてもよい。
案内表示の設置位置は、具体的には、たとえば、原子力発電所の建物に出入りする移動者の視界に入りやすい(と判断される)位置とすることが好ましい。この実施の形態における案内表示の設置位置は、具体的には、たとえばサブレッションチェンバ101の外壁101aとすることができる。また、案内表示の設置位置は、具体的には、たとえばサブレッションチェンバ101の外壁101aに対して、当該サブレッションチェンバ101の外周側から対向する壁103とすることができる。案内表示の設置位置は、移動者の目線と同等あるいは移動者の目線よりも床面からの高さが高い位置とされていることが好ましい(図3を参照)。
この実施の形態において、サブレッションチェンバ101の外壁101aに対向する壁103(以下、「案内表示設置壁103」という)は、床面から所定高さまでの範囲に塗装が施されている。このため、案内表示設置壁103においては、床面から所定高さにおいて「塗装が施されている部分」と「塗装が施されていない部分」との境界が形成されている。このように、案内表示設置壁103自体に、移動者の視線を集めやすい特徴部分が設けられている場合、この特徴部分の近傍に案内表示を設けてもよい。
(案内表示の構成)
つぎに、この発明にかかる実施の形態の案内表示の構成について説明する。図2は、この発明にかかる実施の形態の案内表示の構成を示す説明図である。図2において、この発明にかかる実施の形態の案内表示(案内表示部材)200は、シート形状をなす基材201を備えている。基材201には、現在位置する空間全体がどこであるかを示す空間情報202が記されている。
基材201は、たとえば、上質紙、コート紙、アート紙などの紙製とすることができる。また、基材201は、たとえば、塩化ビニル樹脂(polyvinyl chloride、PVC)、アクリル、PET(Polyethylene Terephthalate)などの樹脂製であってもよい。基材201には、第1の案内情報210と第2の案内情報220とが記されている。
第1の案内情報210は、第1の移動方向、当該第1の移動方向に移動した場合に到達可能な目的地(以下「第1の目的地」という)、および、当該第1の目的地までの移動距離(以下「第1の移動距離」という)を示す情報を含んでいる。第1の移動方向を示す情報211は、たとえば、矢印を示す図形情報によって実現することができる。具体的には、第1の移動方向を示す情報211は、たとえば、先端が第1の移動方向側を向くように配置された矢印を示す図形や記号などによって実現することができる。
第1の目的地を示す情報212は、案内表示200が設置される空間から当該空間とは異なる空間へ移動するための移動手段の種類を示す情報とすることができる。案内表示200が設置される空間から当該空間とは異なる空間へ移動するための移動手段は、具体的には、たとえば、原子力発電所の建物の外へ出る非常口によって実現することができる。また、案内表示200が設置される空間から当該空間とは異なる空間へ移動するための移動手段は、具体的には、たとえば、案内表示200が設置される空間の上層階や下層階に移動する階段104やエレベーター105などによって実現することができる。
また、第1の目的地を示す情報212は、案内表示200が設置される空間から当該空間とは異なる空間へ移動するための移動手段を示す図形情報としてもよい。具体的には、たとえば、非常口、階段104、エレベーター105などを示すピクトグラム(Pictogram)によって、第1の目的地を示す情報212を実現することができる。また、第1の目的地を示す情報212は、具体的には、たとえば、消化器・消火栓・非常灯・非常電話・非常ボタンなどが設置されていることを示すピクトグラムによって実現してもよい。
ピクトグラムは、何らかの情報や注意を示すために表示される視覚記号(サイン)の一つであり、たとえば「絵文字」、「絵単語」、ピクトグラフ(Pictograph)などと称される場合もある。ピクトグラムにおいては、あらわしたい概念を示す図形が、地の色と当該地の色に対して高い明度差のある図の色との2色を用いて示されている。
ピクトグラムを用いることにより、あらわしたい概念を単純な図形によって表現することができる。また、ピクトグラムを用いることにより、あらわしたい概念を、文字を用いて文章で表現する代わりに、視覚的な図で表現することができ、言語に制約されずにあらわしたい概念を直感的に伝達することができる。
第1の目的地を示す情報212は、たとえば、国際標準化機構(International Organization for Standardization、略称:ISO)によって国際的に標準化されているピクトグラムを用いることができる。また、第1の目的地を示す情報212は、国際標準化機構によって国際的に標準化されているピクトグラムに限るものではなく、たとえば、主に日本国内で使用されているピクトグラムや、特定の施設内において限定的に使用されているピクトグラムを用いてもよい。
第1の移動距離を示す情報213は、具体的には、たとえば、案内表示200の設置位置から当該第1の目的地までの道のりの長さ、すなわち距離を特定可能な情報とすることができる。第1の移動距離を示す情報213は、具体的には、たとえば「25m」、「100m」などのように第1の移動距離をメートル表示で示す数値によって実現することができる。
第2の案内情報220は、第2の移動方向、当該第2の移動方向に移動した場合に到達可能な目的地(以下「第2の目的地」という)、および、当該目的地までの移動距離(以下「第2の移動距離」という)を示す情報を含んでいる。第2の移動方向を示す情報221は、たとえば、矢印を示す図形情報によって実現することができる。具体的には、第2の移動方向を示す情報221は、たとえば、先端が第2の移動方向側を向くように配置された矢印を示す図形や記号などによって実現することができる。
第2の目的地を示す情報222は、案内表示200が設置される空間から当該空間とは異なる空間へ移動するための移動手段の種類を示す情報とすることができる。案内表示200が設置される空間から当該空間とは異なる空間へ移動するための移動手段は、具体的には、たとえば、原子力発電所の建物の外へ出る非常口、案内表示200が設置される空間の上層階や下層階に移動する階段104やエレベーター105などによって実現することができる。
また、第2の目的地を示す情報222は、案内表示200が設置される空間から当該空間とは異なる空間へ移動するための移動手段を示す図形情報としてもよい。具体的には、たとえば、上記の第1の目的地を示す情報212と同様に、非常口、階段104、エレベーター105などを示すピクトグラムによって、第2の目的地を示す情報222を実現することができる。また、第2の目的地を示す情報222は、上記の第1の目的地を示す情報212と同様に、具体的には、たとえば、消化器・消火栓・非常灯・非常電話・非常ボタンなどが設置されていることを示すピクトグラムによって実現してもよい。
第2の目的地を示す情報222は、たとえば、国際標準化機構によって国際的に標準化されているピクトグラムを用いることができる。また、第2の目的地を示す情報222は、国際標準化機構によって国際的に標準化されているピクトグラムに限るものではなく、たとえば、主に日本国内で使用されているピクトグラムや、特定の施設内において限定的に使用されているピクトグラムを用いてもよい。
第2の移動距離を示す情報223は、具体的には、たとえば、案内表示200の設置位置から当該第2の目的地までの道のりの長さ、すなわち距離を特定可能な情報とすることができる。第2の移動距離を示す情報223は、具体的には、たとえば「25m」、「100m」などのように移動距離をメートル表示で示す数値によって実現することができる。
基材201には、方位を示す情報230が記されている。基材201に記された方位は、所定の空間における案内表示200の設置位置の方位を示す。具体的には、基材201に記された方位は、案内表示200として基材201が壁103に設けられた状態で、当該案内表示200に正対した移動者の前方に位置する方位を示す。
方位を示す情報230は、たとえば、ある地点における水平面内の方向を、基準となる方向との関係であらわす情報とすることができる。具体的には、方位は、たとえば、方位間隔をそれぞれ90°とし、「東」、「西」、「南」、「北」の4方向のいずれかによってあらわすことができる。
あるいは、具体的には、方位は、たとえば、方位間隔をそれぞれ45°とし、「東」、「西」、「南」、「北」、「北東」、「南東」、「北西」、「南西」の8方向のいずれかによってあらわしてもよい。また、具体的には、方位は、たとえば、方位間隔を22°30′とした16方向や、方位間隔を11°15′とした32方向によって方位を示してもよい。
また、方位を示す情報230は、たとえば、決められた水平面内での角度、すなわち方位角によってあらわしてもよい。この場合、北を0°=360°の基準とし、東を90°、南を180°、西を270°とする。また、この場合、北東が45°、南東が135°、南西が225°、北西が315°として表現される。
あるいは、方位を示す情報230は、たとえば、天文や測量などで正確な方位を求める際に用いる北28度東 (N28E)・南15度西 (S15W)などの表記であってもよい。また、方位を示す情報230は、たとえば、十二支、八卦、あるいは、十干などの方法によって方位を示してもよい。さらに、方位を示す情報230は、たとえば、十二支と八卦と十干とを組み合わせた二十四方向によって方位を示してもよい。
案内表示200において、第1の案内情報210、第2の案内情報220および方位を示す情報230は、それぞれ異なる色によって記されていることが好ましい。第1の案内情報210、第2の案内情報220および方位を示す情報230を、それぞれ異なる色によって記すことにより、限られた基材201内に複数種類の情報を記した場合にも、各情報を容易かつ確実に識別することができる。
案内表示200において、第1の案内情報210および第2の案内情報220は、蛍光材料を用いて記されている。また、案内表示200においては、方位を示す情報230が、蛍光材料を用いて記されていてもよい。第1の案内情報210、第2の案内情報220および方位を示す情報230は、蛍光材料の中でも蓄光材料を用いて記されていることが好ましい。
蛍光材料は、電磁波、熱、摩擦などによるエネルギーを受け取って励起され、その受け取ったエネルギーを特定波長の光として放出する発光現象であるルミネセンス(luminescence)を生じる。蓄光材料は、蛍光材料のうち、特に、照射された外光をためて発光(燐光)する性状を示す蓄光顔料を含んだ材料であって、具体的には、たとえば硫化亜鉛(ZnS系)やアルミン酸ストロンチウム(SrAl系)の材料を用いることができる。
案内表示200において、第1の案内情報210、第2の案内情報220および方位を示す情報230を蛍光材料を用いて記すことにより、電力の供給がなされない状況すなわち原子力発電所の建物において停電が発生した場合にも、移動者に対して、案内表示200の設置位置および当該案内表示200に記された内容を確認させることができる。
また、案内表示200において、第1の案内情報210、第2の案内情報220および方位を示す情報230を蛍光材料を用いて記すことにより、原子力発電所の建物内において停電が発生したり、照明が弱まったりした場合にも、案内表示200の文字部分が暗闇で発光し、案内表示200を移動者の目につきやすくすることができる。
また、第1の案内情報210、第2の案内情報220および方位を示す情報230を蛍光材料を用いて記すことにより、移動者がライトを携帯することを忘れてしまったり、ライトの故障等により当該ライトが機能しない状態において、原子力発電所の建物内において停電が発生したり照明が弱まったりした場合にも、案内表示200の設置位置および当該案内表示200に記された内容を確認することができる。
案内表示200は、基材201に記された各種の情報を被覆する被覆層(図示を省略する)を備えている。被覆層は、たとえば、ガラス材料や樹脂材料などを用いて形成することができる。これにより、案内表示200の周囲に存在する湿気や水分などが蓄光材料に触れることによる蓄光性能の低下を抑え、案内表示200の耐水性能の向上を図ることができる。
これにより、原子力発電所の建物内において停電が発生したり、照明が弱まったりした場合にも、案内表示200の設置位置および当該案内表示200に記されている内容を、移動者に伝達することができる。案内表示200においては、蓄光材料に代えて、あるいは、蓄光材料に加えて、照射された外光を反射する性質を備えた反射材料を用いて、第1の案内情報210、第2の案内情報220および方位を示す情報230が記されていてもよい。
案内表示200を構成する基材201には、案内表示200の設置位置を含む所定の空間全体の構成および当該所定の空間全体における案内表示200の設置位置を示す情報が記されていてもよい。具体的には、たとえば原子力発電所の建物内における各階の見取り図(構内図、図1を参照)が、案内表示200を構成する基材201に記されていてもよい。
この場合、構内図は、第1の案内情報210、第2の案内情報220および方位が記された基材201とは別体とされた基材201に記されていてもよい。また、この場合、原子力発電所の構内における案内表示200の設置位置を示す情報は、上記の構内図に記載されるため、第1の案内情報210、第2の案内情報220および方位が記された基材201とは別体とされる。
案内表示200における各種の情報は、印刷によって記されている。また、案内表示200における各種の情報は、印刷によって設けられているものに限らず、たとえば、手書きによって記されたものであってもよい。
上記の案内表示200を原子力発電所の建物内に設けることにより、移動者は、自身が向いている方位、移動方向先の方位、階段104やエレベーター105の有無、および、当該階段104やエレベーター105までの現在地からの距離を把握することができるとともに、これらの情報を構内図(建物平面図)と併せて見ることによって、移動者の現在地の状況把握を容易におこなうことができる。
上記の案内表示200を原子力発電所の建物内に設けることにより、目的地への移動にかかる時間や原子力発電所の建物の外へ通じる出口への移動にかかる時間の短縮を図ることができる。また、上記の案内表示200を原子力発電所の建物内に設けることにより、原子力発電所の建物内で迷うことに対する移動者の不安が解消され、積極的に建物内に入ることが可能になる。
これによって、たとえば原子力発電所の建物内において工事をおこなっている場合は原子力発電所の建物内全体における工事進捗状況を把握しやすくなる。また、上記の案内表示200を原子力発電所の建物内に設けることにより、移動者が不安を覚えることなく積極的に建物内に入ることが可能となるので、原子力発電所の建物内についての各移動者の知識向上を図ることができる。
図3は、案内表示200の設置例を示す説明図である。図3において、案内表示200は、移動者の目線と同等あるいは移動者の目線よりも床面301からの高さが高い位置に設けられている。これによって、原子力発電所の建物内における作業に用いる機材などの物品を通路に設置した状態においても、案内表示200の視認性を損なうことがない。
図4、図5、図6、図7および図8は、構内図を含む案内表示200の設置例を示す説明図である。図4、図5、図6、図7および図8において、構内図400は、案内表示200の基材201とは別体とされている。これにより、移動者は、案内表示200と構内図400とを見比べ、構内図400を参照しながら案内表示200に記された情報を確認することにより、自身の現在地の状況把握や移動方向の判断を容易におこなうことができる。
構内図400には、当該構内図400とともに設置される案内表示200の設置位置を示す情報401、501、601、701、801、すなわち移動者の現在位置を示す情報が記されていることが好ましい。案内表示200の設置位置を示す情報401、501、601、701、801は、構内図400において案内表示200が設置されている位置と同じ位置に設けられた丸印や、当該丸印によって示される設置位置に設けられた案内表示200の種類を示すイラストなどによって構成されていることが好ましい。
これにより、移動者は、構内図400に基づいて自身の現在地(現在位置)をより迅速かつ的確に把握することができるとともに、案内表示200と構内図400とを見比べ、構内図400を参照しながら案内表示200に記された情報を確認することにより、自身の現在地の状況把握や移動方向の判断を容易におこなうことができる。
以上説明したように、この発明にかかる実施の形態の案内表示200は、異なる2方向への移動が可能な場所に設けられる案内表示200であって、第1の移動方向、第1の目的地および第1の移動距離を示す情報213を含む第1の案内情報210と、第2の移動方向、第2の目的地および第2の移動距離を示す情報223を含む第2の案内情報220と、が記されたことを特徴としている。
この発明にかかる実施の形態の案内表示200によれば、第1の案内情報210と第2の案内情報220とを比較することにより、どちらに向かって移動すればよいか移動方向を容易かつ迅速に判断することができる。これによって、移動に際して、移動者に適切な移動方向を判断させるために当該移動者にかかる負担を軽減しつつ、適切な移動方向を迅速に判断できることによる移動効率の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の案内表示200によれば、第1の案内情報210と第2の案内情報220とを比較することにより、どちらに向かって移動すればよいか移動方向を容易かつ迅速に判断することができるので、たとえば案内表示200の設置位置から原子力発電所の構外へ避難する状況において迅速に避難を開始するとともに適切な目的地に向かって確実に避難することができる。これによって、避難に際しての移動者の安全性の向上を図ることができる。
また、この発明にかかる実施の形態の案内表示200は、第1の移動方向および第2の移動方向を示す情報221が、矢印を示す図形情報であることを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の案内表示200によれば、万人にわかりやすい図形を用いて移動方向を示すことにより、異なる2方向を同じ基材201に並べて記した場合にも、移動者に混乱をきたすことなく、異なる2つの移動方向を迅速かつ的確に案内することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の案内表示200は、第1の目的地および第2の目的地を示す情報222が、案内表示200が設置される空間から当該空間とは異なる空間へ移動するための移動手段の種類を示す情報であることを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の案内表示200によれば、案内表示200が設置される空間の外への移動を可能とする移動手段の種類(非常口、階段104など)を示すことにより、移動者の状態や移動時の周囲の状態などに応じて、適宜適切な移動手段を選択し、選択した移動手段に迅速かつ確実に到達することができる。
具体的には、たとえば、移動手段として階段104またはエレベーター105を選択することが可能であって、かつ、移動者が重量のある工具や大型の点検設備などを持って移動している場合は、同層階における移動距離が若干長くなっても、階段104よりもエレベーター105を選択する可能性が高いと考えられる。あるいは、移動者が携行する工具が少なく、かつ、緊急を要する移動をおこなう場合は、同層階における移動距離が短くなるように移動手段を選択すると考えられる。具体的には、このような場合は、エレベーター105に乗るために遠回りをすることなく、近くにある階段104を選択し、階段104で移動することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の案内表示200は、移動手段が階段104であり、第1の目的地および第2の目的地を示す情報212、222が階段104を示す図形情報であることを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の案内表示200によれば、万人にわかりやすい図形を用いて階段104を示すことにより、移動者に混乱をきたすことなく、異なる2つの移動方向を迅速かつ的確に案内することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の案内表示200は、移動手段がエレベーター105であって、目的地を示す情報がエレベーター105を示す図形情報であることを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の案内表示200によれば、万人にわかりやすい図形を用いてエレベーター105を示すことにより、移動者に混乱をきたすことなく、異なる2つの移動方向を迅速かつ的確に案内することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の案内表示200は、移動手段がエスカレーターであって、第1の目的地および第2の目的地を示す情報212、222がエスカレーターを示す図形情報であることを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の案内表示200によれば、万人にわかりやすい図形を用いてエスカレーターを示すことにより、移動者に混乱をきたすことなく、異なる2つの移動方向を迅速かつ的確に案内することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の案内表示200は、案内表示200の設置位置を含む所定の空間全体の構成および当該所定の空間全体における案内表示200の設置位置を示す情報が記されたことを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の案内表示200によれば、原子力発電所の構内の全体における移動者の現在位置を迅速かつ的確に案内することができる。これによって、第1の移動距離や第2の移動距離のみに左右されることなく、移動経路の形状や複雑さ加減などを含めて適宜適切な移動手段を選択することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の案内表示200は、所定の空間における案内表示200の設置位置の方位を示す情報230が記されたことを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の案内表示200によれば、原子力発電所の構内などのように、窓、すなわち建物外部の様子を確認する手段がない場所にいる移動者に対して、当該移動者が案内表示200に正対している時点で向いている方位を迅速かつ的確に案内することができる。
また、この発明にかかる実施の形態の案内表示200は、所定の空間が、原子力発電所の構内であることを特徴としている。この発明にかかる実施の形態の案内表示200によれば、原子力発電所の構内に、上記の案内表示200を設けることにより、当該原子力発電所の構内を移動する移動者にどちらに向かって移動すればよいか移動方向を容易かつ迅速に判断させることができる。
特に、原子力発電所の建物内は、壁103が多く、通路が広範囲を見渡しにくい。また、原子力発電所の建物内は、目印となるものが少ない。このため、原子力発電所の建物内にいる移動者は建物内における自身の現在地や、自身が向いている方向や方位が分からなくなることがあるが、この発明にかかる実施の形態の案内表示200を用いることにより、どちらに向かって移動すればよいかという移動方向の判断を、より容易かつより迅速に判断させることができる。
この発明にかかる実施の形態の案内表示200は、原子力発電所の建物内に設置するものに限らない。この発明にかかる実施の形態の案内表示200は、たとえば高い棚が複数配置された資料室や書庫など、移動者が周囲全体を見渡すことが難しい場所に設置してもよい。これにより、移動者にどちらに向かって移動すればよいか移動方向を容易かつ迅速に判断させることができる。
以上のように、この発明にかかる案内表示は、現在地を把握するために用いる案内表示に有用であり、特に、原子力発電所の建物内のように外部の状況がリアルタイムで把握しづらい建物内における現在地を把握するために用いる案内表示に適している。
101 サブレッションチェンバ
101a 外壁
102 ドライウェル
103 壁
104 階段
105 エレベーター
200 案内表示
201 基材
202 空間情報
210 第1の案内情報
211 第1の移動方向を示す情報
212 第1の目的地を示す情報
213 第1の移動距離を示す情報
220 第2の案内情報
221 第2の移動方向を示す情報
222 第2の目的地を示す情報
223 第2の移動距離を示す情報
230 方位を示す情報
301 床面
400 構内図
401、501、601、701、801 設置位置を示す情報

Claims (10)

  1. 異なる2方向への移動が可能な場所に設けられる、シート形状をなす基材を備えた案内表示部材であって、
    第1の移動方向、当該第1の移動方向に移動した場合に到達可能な目的地、当該第1の移動方向の方位を示す情報、および、当該目的地までの移動距離を示す情報を含む第1の案内情報と、
    前記第1の移動方向とは異なる方向である第2の移動方向、当該第2の移動方向に移動した場合に到達可能な目的地、当該第2の移動方向の方位を示す情報、および、当該目的地までの移動距離を示す情報を含む第2の案内情報と、
    前記基材に記され、
    前記第1の移動方向を示す情報および前記第2の移動方向を示す情報は、矢印を示す図形情報であり、
    前記第1の移動方向の方位を示す情報および前記目的地までの移動距離を示す情報は、前記第1の移動方向の矢印を示す図形内に示されており、前記第2の移動方向の方位を示す情報および前記目的地までの移動距離を示す情報は、前記第2の移動方向の矢印を示す図形内に示されており、
    前記第1の移動方向の方位を示す情報は、前記目的地までの移動距離を示す情報よりも前記第1の移動方向の矢印が示す方向側に示されており、前記第2の移動方向の方位を示す情報は、前記目的地までの移動距離を示す情報よりも前記第2の移動方向の矢印が示す方向側に示されており、
    前記目的地を示す情報は、前記矢印の先端近傍に示されていることを特徴とする案内表示部材
  2. 前記第1の移動方向は、前記案内表示部材が設けられている壁に対して左右のいずれかの方向であり、前記第2の移動方向は、前記第1の移動方向の反対方向であることを特徴とする請求項1に記載の案内表示部材。
  3. 前記第1の移動方向の矢印と前記第2の移動方向の矢印の間に、前記案内表示部材が設けられている壁方向の方位を示す情報が記されていることを特徴とする請求項1または2に記載の案内表示部材
  4. 前記目的地を示す情報は、前記案内表示部材が設置される空間から当該空間とは異なる空間へ移動するための移動手段の種類を示す情報であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の案内表示部材
  5. 前記移動手段は、階段であり、
    前記目的地を示す情報は、前記階段を示す図形情報であることを特徴とする請求項に記載の案内表示部材
  6. 前記移動手段は、エレベーターであり、
    前記目的地を示す情報は、前記エレベーターを示す図形情報であることを特徴とする請求項に記載の案内表示部材
  7. 前記移動手段は、エスカレーターであり、
    前記目的地を示す情報は、前記エスカレーターを示す図形情報であることを特徴とする請求項に記載の案内表示部材
  8. 前記案内表示部材の設置位置を含む所定の空間全体の構成および当該所定の空間全体における前記案内表示部材の設置位置を示す情報が記されたことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の案内表示部材
  9. 前記所定の空間における前記案内表示部材の設置位置の方位を示す情報が記されたことを特徴とする請求項に記載の案内表示部材
  10. 前記所定の空間は、原子力発電所の構内であることを特徴とする請求項8または9に記載の案内表示部材
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