JP5113439B2 - 複層塗膜形成方法 - Google Patents
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Description
工程(1):被塗物上に、第1着色塗料(X)を塗装して未硬化の第1着色塗膜を形成する工程、
工程(2):前記工程(1)で形成される未硬化の第1着色塗膜のゲル分率を5質量%以上40質量%未満とする工程、
工程(3):前記工程(2)で形成される未硬化の第1着色塗膜上に、水性第2着色塗料(Y)を塗装して未硬化の第2着色塗膜を形成する工程、
工程(4):前記工程(3)で形成される未硬化の第2着色塗膜上に、クリヤー塗料(Z)を塗装して未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、及び
工程(5):前記工程(1)〜(4)で形成される第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤー塗膜を同時に焼付け硬化する工程、
を順次行うことにより複層塗膜を形成せしめる方法において、第1着色塗料(X)として、酸成分(a1)及びアルコール成分(a2)の反応によって得られ、かつ酸成分(a1)中の脂肪族多塩基酸(a1−1)の含有量が、酸成分(a1)の総量を基準として20〜70mol%の範囲内であり、かつ酸価が15mgKOH/g以下である水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、及びポリイソシアネート化合物(B)を含んでなる塗料組成物を使用することを特徴とする複層塗膜形成方法を提供するものである。
本工程では、被塗物上に、第1着色塗料(X)が塗装され、未硬化の第1着色塗膜が形成される。
本発明に従い水性第1着色塗料(X)を適用し得る被塗物としては、特に制限されるものではなく、例えば、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体の外板部;自動車部品;携帯電話、オーディオ機器等の家庭電気製品の外板部等を挙げることができ、なかでも、自動車車体の外板部及び自動車部品が好ましい。
本発明では、第1着色塗料(X)として、酸成分(a1)及びアルコール成分(a2)の反応によって得られ、かつ酸成分(a1)中の脂肪族多塩基酸(a1−1)の含有量が、酸成分(a1)の総量を基準として20〜70mol%の範囲内であり、かつ酸価が15mgKOH/g以下である水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、及びポリイソシアネート化合物(B)を含んでなる塗料組成物(以下、本発明の塗料組成物という)が使用される。
本発明の塗料組成物において基体樹脂として用いられる水酸基含有ポリエステル樹脂(A)は、1分子中に少なくとも1個の水酸基を有し、かつ酸成分(a1)及びアルコール成分(a1)の反応によって得られ、かつ酸成分(a1)中の脂肪族多塩基酸(a1−1)の含有量が、酸成分(a1)の総量を基準として20〜70mol%、好ましくは25〜60mol%、さらに好ましくは30〜50mol%の範囲内であり、かつ酸価が15mgKOH/g以下、好ましくは1〜12mgKOH/g、さらに好ましくは3〜10mgKOH/gの範囲内にあるポリエステル樹脂である。
本発明において、酸成分(a1)は、脂肪族多塩基酸(a1−1)を、酸成分(a1)の総量を基準として、20〜70mol%、好ましくは25〜60mol%、さらに好ましくは30〜50mol%含有する。
前記アルコール成分(a2)としては、1分子中に2個以上の水酸基を有する多価アルコールを好適に使用することができる。該多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールFなどの2価アルコール;これらの2価アルコールにε−カプロラクトンなどのラクトン類を付加したポリラクトンジオール;ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートなどのエステルジオール類;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリエーテルジオール類;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、ソルビトール、マンニットなどの3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールにε−カプロラクトンなどのラクトン類を付加させたポリラクトンポリオール類等が挙げられる。
本発明の塗料組成物において架橋剤として使用されるポリイソシアネート化合物(B)は、イソシアネート基を1分子中に少なくとも2個有する化合物であって、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、該ポリイソシアネートの誘導体等を挙げることができる。
本発明の塗料組成物は、該塗料組成物中の水酸基含有ポリエステル樹脂(A)及びポリイソシアネート化合物(B)の合計固形分100質量部を基準として、水酸基含有樹脂(A)を30〜95質量部、好ましくは50〜90質量部、さらに好ましくは60〜80質量部の範囲内及びポリイソシアネ−ト化合物(B)を5〜70質量部、好ましくは10〜50質量部、さらに好ましくは20〜40質量部の範囲内で含有することができる。
上記メラミン樹脂は単独でもしくは2種以上組み合わせて使用することができる。
まず、ポリプロピレン板上に本発明の塗料組成物を硬化膜厚が30μmとなるように塗装し、80℃で10分間加熱する。次に、該ポリプロピレン板上の塗膜を回収し、質量(Wa)を測定する。その後、該塗膜を200メッシュのステンレススチール製の網状容器に入れ、64℃に加温したアセトン中で5時間還流しながら抽出し、110℃で60分間乾燥した後の塗膜質量(Wb)を測定し、以下の式に従って算出される不溶塗膜残存率(質量%)をゲル分率とする。
ゲル分率(質量%)=(Wb/Wa)×100
本発明の塗料組成物のゲル分率(G80)の調整は、例えば、塗料組成物中の硬化触媒の配合量を調節することにより行なうことができる。
本工程では、前記工程(1)により形成される未硬化の第1着色塗膜のゲル分率が、5質量%以上40質量%未満、好ましくは10〜35質量%、さらに好ましくは15〜30質量%に調整される。
まず、被塗物に第1着色塗料(X)を塗装すると同時に、ポリプロピレン板上にも第1着色塗料(X)を塗装し、必要に応じて予備加熱などを行った後、被塗物に水性第2着色塗料(Y)が塗装される直前に該ポリプロピレン板を回収し、次に、該ポリプロピレン板上の第1着色塗膜を回収し、質量(Wc)を測定する。その後、該塗膜を200メッシュのステンレススチール製の網状容器に入れ、64℃に加温したアセトン中で5時間還流しながら抽出し、110℃で60分間乾燥した後の塗膜質量(Wd)を測定し、以下の式に従って得られる不溶塗膜残存率(質量%)をゲル分率とする。
ゲル分率(質量%)=(Wd/Wc)×100
また、得られる複層塗膜の平滑性などの観点から、本工程において、第1着色塗膜の固形分含有率が、一般に70〜100質量%、特に80〜100質量%、さらに特に90〜100質量%の範囲内に調整されることが好ましい。
まず、被塗物に第1着色塗料(X)を塗装すると同時に、予め質量(W1)を測定しておいたアルミホイル上にも第1着色塗料(X)を塗装し、必要に応じて予備加熱などを行った後、被塗物に水性第2着色塗料(Y)が塗装される直前に該アルミホイルを回収し、その質量(W2)を測定する。次に、回収したアルミホイルを110℃で60分間乾燥し、デシケーター内で室温まで放冷した後、該アルミホイルの質量(W3)を測定し、以下の式に従って固形分含有率を求める。
固形分含有率(質量%)={(W3−W1)/(W2−W1)}×100
本発明の複層塗膜形成方法において、第1着色塗膜のゲル分率が5質量%以上40質量%未満に調整された状態で、水性第2着色塗料(Y)を塗装することによって、平滑性及び鮮映性に優れた複層塗膜が形成される理由は明確ではないが、第1着色塗膜のゲル分率が低いことにより、該第1着色塗膜の流動性が確保されて平滑性が向上し、かつ該第1着色塗膜中の比較的低酸価の水酸基含有ポリエステル樹脂(A)が、上層の水性第2着色塗料(Y)からの水の浸透を抑制するため、第1着色塗膜と第2着色塗膜間の混層が抑えられ、鮮映性が向上することが推察される。
本工程では、上記工程(2)により形成される未硬化の第1着色塗膜上に、水性第2着色塗料(Y)が塗装され、未硬化の第2着色塗膜が形成される。
水性第2着色塗料(Y)としては、例えば、自動車車体の塗装において通常使用されるそれ自体既知のものを使用することができる。具体的には、例えば、カルボキシル基、水酸基などの架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂などの基体樹脂と、ブロックされていてもよいポリイソシアネート化合物、メラミン樹脂、尿素樹脂などの架橋剤を、顔料、その他の添加剤と共に水に溶解ないし分散させて塗料化したものを使用することができる。なかでも、水酸基含有樹脂とメラミン樹脂を含んでなる熱硬化型水性塗料が好適である。
本工程では、上記工程(3)により形成される未硬化の第2着色塗膜上に、さらに、クリヤー塗料(Z)が塗装され、未硬化のクリヤー塗膜が形成される。
クリヤー塗料(Z)としては、例えば、自動車車体の塗装において通常使用されるそれ自体既知のものを使用することができる。具体的には、例えば、水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、シラノール基などの架橋性官能基を有する、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂などの基体樹脂と、メラミン樹脂、尿素樹脂、ブロックされていてもよいポリイソシアネート化合物、カルボキシル基含有化合物もしくは樹脂、エポキシ基含有化合物もしくは樹脂などの架橋剤を樹脂成分として含有する有機溶剤系熱硬化型塗料、水性熱硬化型塗料、熱硬化型粉体塗料などを使用することができる。なかでも、水酸基含有アクリル樹脂及びメラミン樹脂を含んでなる熱硬化型塗料、水酸基含有アクリル樹脂及びブロックされていてもよいポリイソシアネート化合物を含んでなる熱硬化型塗料又はカルボキシル基含有樹脂及びエポキシ基含有樹脂を含んでなる熱硬化型塗料が特に好ましい。
まず、第1着色塗膜上に水性第2着色塗料(Y)を塗装すると同時に、予め質量(W4)を測定しておいたアルミホイル上にも水性第2着色塗料(Y)を塗装し、必要に応じて予備加熱などを行った後、第2着色塗膜上にクリヤー塗料(Z)が塗装される直前に該アルミホイルを回収し、その質量(W5)を測定する。次に、回収したアルミホイルを110℃で60分間乾燥し、デシケーター内で室温まで放冷した後、該アルミホイルの質量(W6)を測定し、以下の式に従って固形分含有率を求める。
固形分含有率(質量%)={(W6−W4)/(W5−W4)}×100
クリヤー塗料(Z)は、水性第2着色塗料(Y)の未硬化の塗膜面に、それ自体既知の方法、例えば、エアレススプレー、エアスプレー、回転霧化塗装機などにより塗装することができ、塗装の際、静電印加を行ってもよい。塗装膜厚は、通常、硬化膜厚で10〜60μm、好ましくは25〜50μmの範囲内になるように塗装することができる。
以上に述べた如くして形成される第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤー塗膜の3層の塗膜からなる複層塗膜は、通常の塗膜の焼付け手段により、例えば、熱風加熱、赤外線加熱、高周波加熱などにより、80〜180℃、好ましくは120〜160℃、さらに好ましくは130〜150℃の温度で、10〜40分間、好ましくは15〜30分間加熱して同時に硬化させることができ、それによって、第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤー塗膜の3層の硬化塗膜からなる平滑性及び鮮映性に優れた複層塗膜を形成せしめることができる。
製造例1
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応容器に、アジピン酸(分子量146)52.6部(0.36mol)、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物(分子量154)20.8部(0.135mol)、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸(分子量172)23.2部(0.135mol)、イソフタル酸(分子量166)44.8部(0.27mol)、トリメチロールプロパン(分子量134)33.5部(0.25mol)及びネオペンチルグリコール(分子量104)78部(0.0.75mol)を仕込み、160℃から230℃まで3時間かけて昇温させた後、230℃で保持し、酸価が5mgKOH/gとなるまで反応を行った。生成した縮合水は水分離器により留去した。次いで、キシレン/スワゾール1000(商品名、コスモ石油社製、石油系芳香族炭化水素系溶剤)=50/50(質量比)の混合溶剤で固形分濃度60%となるよう希釈し、水酸基含有ポリエステル樹脂溶液(A−1)を得た。得られた水酸基含有ポリエステル樹脂は水酸基価が118、数平均分子量が1,870であった。
製造例1と同様にして、下記表1に示す配合割合のモノマーを下記表1に示す酸価となるまで反応させることにより、水酸基含有ポリエステル樹脂溶液(A−2)〜(A−12)を得た。各モノマーの配合量、得られた各水酸基含有ポリエステル樹脂の酸価、水酸基価及び数平均分子量を製造例1で得た水酸基含有ポリエステル樹脂溶液(A−1)と併せて、下記表1に示す。
製造例13〜32
製造例1〜8で得たポリエステル樹脂溶液(A−1)〜(A−12)、「JR−806」(商品名、テイカ社製、ルチル型二酸化チタン)、「カーボンMA−100」(商品名、三菱化学社製、カーボンブラック)、「バリエースB−35」(商品名、堺化学工業社製、硫酸バリウム粉末、平均一次粒子径0.5μm)、「SPARWITE W−5HB」(商品名、ウィルバーエリス社製、硫酸バリウム粉末、平均一次粒子径1.6μm)、「MICRO ACE S−3」(商品名、日本タルク社製、タルク)、「スミジュールN3300」(商品名、住化バイエルウレタン社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、固形分100%、NCO含有率21.8%)、「サイメル325」(商品名、日本サイテックインダストリーズ社製、メラミン樹脂、固形分80%)、「TPA−B80X」(商品名、旭化成ケミカル社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのメチルエチルケトオキシムブロック化物、固形分80%)、「クラレポリオールP−510」(商品名、クラレ社製、ポリエステルポリオール、数平均分子量500)、「AEROSIL 200」(商品名、日本アエロジル社製、炭素量0質量%)、「AEROSIL R−972」(商品名、日本アエロジル社製、炭素量0.8質量%)、「AEROSIL R−104」(商品名、日本アエロジル社製、炭素量1.1質量%)及びジブチル錫ジアセテートを、下記表2に示す配合割合にて攪拌混合して塗料化を行い、第1着色塗料(X−1)〜(X−32)を得た。
なお、顔料成分の配合にあたっては、第1着色塗料中の水酸基含有ポリエステル樹脂溶液42部(樹脂固形分25部)及び表2中に示す量の顔料に、キシレン15部及びガラスビーズを加えて混合し、ペイントシェーカーで30分間分散した後、ガラスビーズを除去して、顔料分散ペーストとし、他成分との攪拌混合に供した。また、二酸化ケイ素の配合にあたっては、第1着色塗料中の水酸基含有ポリエステル樹脂溶液2部(樹脂固形分1.2部)及び表2中に示す量の二酸化ケイ素に、キシレン5部及びガラスビーズを加えて混合し、ペイントシェーカーで30分間分散した後、ガラスビーズを除去して、顔料分散ペーストとし、他成分との攪拌混合に供した。
第1着色塗料は、さらに、キシレン/スワゾール1000(商品名、コスモ石油社製、石油系芳香族炭化水素系溶剤)=50/50(質量比)の混合溶剤を添加することにより、フォードカップNo.4を用いて20℃で20秒の粘度になるように調整した。
また、得られた第1着色塗料(X−1)〜(X−20)について、ポリプロピレン板上に硬化膜厚が30μmとなるように塗装し、80℃で10分間加熱した後の塗膜のゲル分率(G80)及び30〜80℃における周波数0.1Hzの条件で測定した粘性率の最高値の測定結果を合わせて表2に示す。
製造例33
温度計、サーモスタット、撹拌装置、還流冷却器、窒素導入管及び滴下装置を備えた反応容器に、脱イオン水130部及びアクアロンKH−10(注1)0.52部を仕込み、窒素気流中で撹拌混合し、80℃に昇温した。次いで、下記のモノマー乳化物(1)のうちの全量の1%量及び6%過硫酸アンモニウム水溶液5.3部を反応容器内に導入し、80℃で15分間保持した。その後、残りのモノマー乳化物(1)を3時間かけて、同温度に保持した反応容器内に滴下し、滴下終了後1時間熟成を行なった。その後、下記のモノマー乳化物(2)を1時間かけて滴下し、1時間熟成した後、5%ジメチルエタノールアミン水溶液40部を反応容器に徐々に加えながら30℃まで冷却し、100メッシュのナイロンクロスで濾過しながら排出し、平均粒子径100nm(サブミクロン粒度分布測定装置「COULTER N4型」(ベックマン・コールター社製)を用いて、脱イオン水で希釈し20℃で測定した)、固形分濃度30%のアクリル樹脂エマルション(AC)を得た。得られたアクリル樹脂は、酸価が33mgKOH/g、水酸基価が25mgKOH/gであった。
(注1)アクアロンKH−10: ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩エステルアンモニウム塩:第一工業製薬株式会社製、有効成分97%。
製造例34
温度計、サーモスタット、攪拌装置、還流冷却器及び水分離器を備えた反応容器に、トリメチロールプロパン109部、1,6−ヘキサンジオール141部、ヘキサヒドロ無水フタル酸126部及びアジピン酸120部を仕込み、160℃〜230℃の間を3時間かけて昇温させた後、230℃で4時間縮合反応させた。生成した縮合水は水分離器により留去した。次いで、得られた縮合反応生成物にカルボキシル基を付加するために、さらに、無水トリメリット酸38.3部を加え、170℃で30分間反応させた後、2−エチル−1−ヘキサノール(20℃において100gの水に溶解する質量:0.1g)で希釈し、固形分濃度70%のポリエステル樹脂溶液(PE1)を得た。得られたポリエステル樹脂は酸価が46mgKOH/g、水酸基価が150mgKOH/g、数平均分子量が1,400であった。
希釈溶剤の2−エチル−1−ヘキサノールをエチレングリコールモノn−ブチルエーテル(20℃において100gの水に溶解する質量:無限)に変更する以外は、製造例34と同様にして、ポリエステル樹脂(PE2)を得た。
製造例36
攪拌混合容器内において、アルミニウム顔料ペースト「GX−180A」(旭化成メタルズ社製、金属含有量74%)19部、2−エチル−1−ヘキサノール35部、リン酸基含有樹脂溶液(注2)8部及び2−(ジメチルアミノ)エタノール0.2部を均一に混合して、光輝性顔料濃厚液(P1)を得た。
(注2)リン酸基含有樹脂溶液:温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器にメトキシプロパノール27.5部、イソブタノール27.5部の混合溶剤を入れ、110℃に加熱し、スチレン25部、n−ブチルメタクリレート27.5部、「イソステアリルアクリレート」(商品名、大阪有機化学工業社製、分岐高級アルキルアクリレート)20部、4−ヒドロキシブチルアクリレート7.5部、リン酸基含有重合性モノマー(注3)15部、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート12.5部、イソブタノール10部、t−ブチルパーオキシオクタノエート4部からなる混合物121.5部を4時間かけて上記混合溶剤に加え、さらにt−ブチルパーオキシオクタノエート0.5部とイソプロパノール20部からなる混合物を1時間滴下した。その後、1時間攪拌熟成して固形分濃度50%のリン酸基含有樹脂溶液を得た。本樹脂のリン酸基による酸価は83mgKOH/g、水酸基価は29mgKOH/g、重量平均分子量は10,000であった。
(注3)リン酸基含有重合性モノマー:温度計、サーモスタット、撹拌器、還流冷却器及び滴下装置を備えた反応容器にモノブチルリン酸57.5部、イソブタノール41部を入れ、90℃に昇温後、グリシジルメタクリレート42.5部を2時間かけて滴下した後、さらに1時間攪拌熟成した。その後、イソプロパノ−ル59部を加えて、固形分濃度50%のリン酸基含有重合性モノマー溶液を得た。得られたモノマーのリン酸基による酸価は285mgKOH/gであった。
2−エチル−1−ヘキサノール35部を、エチレングリコールモノn−ブチルエーテル35部に変更する以外は、製造例36と同様にして、光輝性顔料濃厚液(P2)を得た。
製造例38
製造例33で得たアクリル樹脂エマルション(AC)100部、製造例34で得たポリエステル樹脂溶液(PE1)57部、製造例36で得た光輝性顔料濃厚液(P1)62部及び「サイメル325」(商品名、日本サイテックインダストリーズ社製、メラミン樹脂、固形分80%)37.5部を均一に混合し、更に、「プライマルASE−60」(商品名、ロームアンドハース社製、ポリアクリル酸系増粘剤)、2−(ジメチルアミノ)エタノール及び脱イオン水を加えてpH8.0、塗料固形分25%、20℃におけるフォードカップNo.4による粘度40秒の水性第2着色塗料(Y−1)を得た。
製造例33で得たアクリル樹脂エマルション(AC)100部、製造例35で得たポリエステル樹脂溶液(PE2)57部、製造例37で得た光輝性顔料濃厚液(P2)62部及び「サイメル325」(日本サイテックインダストリーズ社製、商品名、メラミン樹脂、固形分80%)37.5部を均一に混合し、更に、「プライマルASE−60」(ロームアンドハース社製、商品名、ポリアクリル酸系増粘剤)、2−(ジメチルアミノ)エタノール及び脱イオン水を加えてpH8.0、塗料固形分25%、20℃におけるフォードカップNo.4による粘度40秒の水性第2着色塗料(Y−2)を得た。
前記製造例13〜32で得た第1着色塗料(X−1)〜(X−20)、及び上記製造例38及び39で得た水性第2着色塗料(Y−1)及び(Y−2)を用い、以下のようにしてそれぞれ試験塗板を作製し、評価試験を行なった。
リン酸亜鉛化成処理を施した冷延鋼板に、「エレクロンGT−10」(商品名、関西ペイント社製、カチオン電着塗料)を硬化膜厚20μmとなるように電着塗装し、170℃で30分間加熱して硬化させて試験用被塗物とした。
上記試験用被塗物、前述した塗着塗膜のゲル分率測定用のポリプロピレン板及び固形分含有率測定用のアルミホイル上に、それぞれ、製造例13で得た第1着色塗料(X−1)を、回転霧化型の静電塗装機を用いて、硬化膜厚が30μmとなるように静電塗装した。5分間放置後、60℃で5分間プレヒートを行なった後、第1着色塗膜のゲル分率及び固形分含有率を測定した。測定結果を表3に示す。
次いで、第1着色塗膜上に製造例38で得た水性第2着色塗料(Y−1)を、回転霧化型の静電塗装機を用いて、硬化膜厚が15μmとなるように静電塗装し、3分間放置後、80℃で3分間プレヒートを行なった。
次いで、該第2着色塗膜上に、「マジクロンKINO−1210」(商品名、関西ペイント社製、アクリル樹脂系溶剤型上塗りクリヤー塗料、以下「クリヤー塗料(Z−1)」ということがある)を硬化膜厚が40μmとなるように静電塗装し、7分間放置した後、140℃で30分間加熱して、上記第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤー塗膜を同時に硬化させ、試験塗板を作製した。
実施例1において、製造例13で得た第1着色塗料(X−1)を表3に示す第1着色塗料(X−2)〜(X−20)に変更し、第1着色塗料(X−1)を塗装した後のプレヒート条件を表3に示すプレヒート条件に変更し、製造例38で得た水性第2着色塗料(Y−1)を表3に示す水性第2着色塗料(Y−1)又は製造例39で得た水性第2着色塗料(Y−2)に変更する以外は、実施例1と同様にして試験塗板を作製した。
上記実施例1〜19及び比較例1〜7で得られた各試験板について、下記の試験方法により評価を行なった。評価結果を表3に示す。
(試験方法)
平滑性:Wave Scan(商品名、BYK Gardner社製)によって測定されるLong Wave(LW)値を用いて評価した。Long Wave(LW)値は、1.2〜12mm程度の波長の表面粗度の振幅の指標であり、測定値が小さいほど塗面の平滑性が高いことを示す。
Claims (6)
- 下記の工程(1)〜(5)、工程(1):被塗物上に、第1着色塗料(X)を塗装して未硬化の第1着色塗膜を形成する工程、工程(2):前記工程(1)で形成される未硬化の第1着色塗膜のゲル分率を5質量%以上40質量%未満とする工程、工程(3):前記工程(2)で形成される未硬化の第1着色塗膜上に、水性第2着色塗料(Y)を塗装して未硬化の第2着色塗膜を形成する工程、工程(4):前記工程(3)で形成される未硬化の第2着色塗膜上に、クリヤー塗料(Z)を塗装して未硬化のクリヤー塗膜を形成する工程、及び工程(5):前記工程(1)〜(4)で形成される第1着色塗膜、第2着色塗膜及びクリヤー塗膜を同時に焼付け硬化する工程、を順次行うことにより複層塗膜を形成せしめる方法において、第1着色塗料(X)として、酸成分(a1)及びアルコール成分(a2)の反応によって得られ、かつ酸成分(a1)中の脂肪族多塩基酸(a1−1)の含有量が、酸成分(a1)の総量を基準として20〜70mol%の範囲内であり、かつ酸価が15mgKOH/g以下である水酸基含有ポリエステル樹脂(A)、及びポリイソシアネート化合物(B)を含んでなる塗料組成物を使用することを特徴とする複層塗膜形成方法。
- 酸成分(a1)中の脂環族多塩基酸(a1−2)の含有量が、酸成分(a1)の総量を基準として、20〜70mol%の範囲内である請求項1に記載の複層塗膜形成方法。
- 酸成分(a1)が脂環族多塩基酸(a1−2)を含有し、かつ該脂環族多塩基酸(a1−2)中の1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸及び4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物の合計含有量が、酸成分(a1)の総量を基準として、5〜50mol%の範囲内であり、かつ1,4−シクロヘキサンジカルボン酸の含有量が、酸成分(a1)の総量を基準として、5〜50mol%の範囲内である請求項1又は2に記載の複層塗膜形成方法。
- 塗料組成物が、30〜80℃における周波数0.1Hzの条件で測定した粘性率の最大値が5Pa・sec以下となるものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
- 塗料組成物が、該塗料組成物を硬化膜厚が30μmとなるように塗装し、80℃で10分間加熱した後の塗膜のゲル分率(G80)が、40質量%以上となるものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
- 被塗物が、電着塗料によって下塗り塗膜が形成された車体である請求項1〜5のいずれか1項に記載の複層塗膜形成方法。
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