JP5113871B2 - べき級数型ディジタルプリディストータ及びその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明はべき級数型ディジタルプリディストータとその制御法に関する。
マイクロ波送信電力増幅器の非線形歪補償方法にべき級数型プリディストーション法がある(非特許文献1)。
プリディストータは、高周波電力増幅器において増幅器の非線形特性により生じる歪成分を補償するように入力送信信号に歪補償信号を付加するものであり、図1に従来のべき級数型ディジタルプリディストータ(以下,単にディジタルプリディストータと呼ぶ)100Pの構成例を示す。この例ではディジタルの入力送信信号がI相信号とQ相信号(I/Q信号とも呼ぶ)から成る場合であり、従って入力端子7I,7Qに与えられるI/Q信号のそれぞれの経路に設けられる構成要素は必要に応じて同じものが2つずつ設けられるが、周知の技術であるので以下の説明においてはI/Q信号の個別の信号経路の説明を省略すると共に、入力I/Q信号を単に入力送信信号とも呼ぶ。
このディジタルプリディストータ100Pは分配器11と、遅延器にて構成される線形伝達経路12と、3次歪発生器131と3次歪ベクトル調整器141から構成される3次歪発生経路PDG3と、線形伝達経路12の出力と3次歪発生経路PPG3の出力を合成する合成器15と、増幅装置60と、増幅装置60の出力の一部を帰還信号として取り出す方向性結合器21と、帰還信号を周波数変換する周波数ダウンコンバータ22と、ダウンコンバートされた帰還信号を直交復調する直交復調器23と、復調されたI/Q帰還信号をディジタル信号に変換するアナログディジタル変換器31と、ディジタル信号に変換された帰還信号から歪成分を検出して3次歪ベクトル調整器141に設定するベクトル係数(振幅と位相)を調整する3次歪ベクトル制御器321とから構成される。方向性結合器21、周波数ダウンコンバータ22、直交復調器23は帰還信号生成部20Pを構成している。
増幅装置60は、歪補償信号が付加された入力ディジタルI/Q信号をアナログI/Q信号に変換するディジタルアナログ変換器61と、アナログI/Q信号を直交変調する直交変調器62と、変調出力の周波数をキャリア周波数に変換する周波数アップコンバータ63と、周波数変換された高周波信号を電力増幅する電力増幅器64とから構成され、電力増幅された高周波信号は出力端子8から、例えば図示してないデュープレクサを介してアンテナに供給される。
ディジタルプリディストータ100Pの入力ディジタル送信信号は分配器11により線形伝達経路12と3次歪発生経路PDG3に分配される。3次歪発生経路PDG3において、分配された入力送信信号は3次歪発生器131により3乗され、3次歪成分が発生される。 3次歪成分の位相と振幅を3次歪ベクトル調整器141に設定するベクトル係数(位相と振幅)により調整することで,歪補償信号が得られる(歪補償信号を得るために歪成分の位相と振幅を調整することを以下ではベクトル調整と呼ぶ)。分配器11から線形伝達経路12を経て合成器15に至る入力送信信号の遅延時間は分配器11から3次歪発生経路PDG3を経て合成器15に到達する入力送信信号の遅延時間と一致するように、即ち、両経路の信号のタイミングが一致するよう、線形伝達経路12に含まれる図示してない遅延器により調整される。線形伝達経路12からの入力送信信号と3次歪発生経路PDG3からの歪補償信号は合成器15にて加算され、プリディストータ100Pの出力として増幅装置60に与えられる。
電力増幅器64の出力信号の一部は方向性結合器21により帰還信号として取り出され、周波数ダウンコンバータ22にて中間周波数帯に変換され、直交復調器23によりI/Q信号に復調される。復調されたI/Q信号はアナログディジタル変換器(ADC)31にてディジタル帰還信号に変換され、3次歪ベクトル制御器321に与えられる。3次歪ベクトル制御器321はディジタル帰還信号中の主波成分帯域に隣接する帯域の3次歪成分を観測し、その3次歪成分の電力が最小となるように3次歪ベクトル調整器141に設定するベクトル係数を制御することで電力増幅器64内で発生される3次歪成分を補償する。
S. Mizuta, Y. Suzuki, S. Narahashi, and Y. Yamao, "A New Adjustment Method for the Frequency-Dependent IMD Compensator of the Digital Predistortion Linearizer," IEEE Radio and Wireless Symposium 2006, pp. 255 - 258, Jan. 2006.
図1において,ADC31に入力する帰還信号は電力増幅器64で発生した歪成分だけでなく主波成分(ここで言う主波成分とはディジタルプリディストータへの入力送信信号に相当する)も含まれる。歪成分の電力は主波成分の電力に比べ低いため、ADC31においてその入力送信信号レベルの予測される最大値を考慮した値にADC31のフルスケールを合わせてアナログディジタル変換を行うと、検出しようとする歪成分の量子化精度が十分に取れない。この場合、3次歪ベクトル制御器321により3次歪ベクトル調整器141に設定するベクトル係数を制御しても、電力増幅器64の出力における3次歪成分の変化を3次歪ベクトル制御器321にて十分な大きさで観測できない場合が生じる。3次歪ベクトル制御器321は、観測された3次歪成分に対して、3次歪ベクトル調整器141の制御により3次歪成分の電力が最小化されたと判定されるまで、3次歪ベクトル調整器141の制御を行う必要がある。
以上のことから、ディジタルプリディストータによる歪補償を最適化する(精度を高める)には、ADC31において歪成分を高精度にディジタル化すること、即ち歪成分の量子化精度を高めることが課題となる。
本発明の目的は、ADC31に入力する信号から主波成分をADC31の前段、またはADC31の前段および後段にて抑圧することで,歪成分を制御器にて高精度に測定でき、従って精度の高い歪補償信号を生成可能なべき級数型ディジタルプリディストータ及びその制御法を提供することである。
上記課題を解決するため、この発明によるべき級数型ディジタルプリディストータは、入力送信信号を伝達する線形伝達経路と、入力送信信号の奇数次歪成分を発生する奇数次歪発生部と、奇数次歪成分のベクトルを調整する奇数次歪ベクトル調整部とを直列に含み、ベクトル調整された奇数次歪成分を歪補償信号として出力する奇数次歪発生経路と、線形伝達経路の出力と奇数次歪発生経路の出力を合成してべき級数型ディジタルプリディストータの出力とする第1合成器と、電力増幅器の出力の一部から帰還信号を生成する帰還信号経路と、帰還信号経路からの帰還信号をディジタル帰還信号に変換するアナログディジタル変換器と、ディジタル帰還信号中の奇数次歪成分を抑圧するように奇数次歪ベクトル調整部によるベクトル調整を制御する奇数次歪ベクトル制御部と、入力送信信号を処理してアナログ相殺信号を発生する相殺信号発生部と、帰還信号経路に挿入され、アナログ相殺信号と帰還信号経路の信号を合成する第2合成器と、第2合成器において帰還信号中の主波成分を相殺信号が抑圧するようにディジタル帰還信号に基づいて相殺信号発生部を制御する相殺信号制御部と、アナログディジタル変換器の入力側に挿入され、第2合成器の出力の利得を調整してアナログディジタル変換器に与える利得調整器と、アナログディジタル変換器の出力をモニタし、利得調整器の出力電圧がアナログディジタル変換器の入力最大レンジに近づくように利得調整器の利得を制御する利得制御器と、を含み、相殺信号発生部は、入力送信信号を設定された遅延時間だけ遅延することにより相殺信号に遅延を与える遅延器と、遅延された入力送信信号のベクトル係数(位相と振幅)を調整する相殺信号ベクトル調整器を含み、相殺信号制御部は、ディジタル帰還信号をモニタし、第1合成器を経て帰還信号経路にある第2合成器に到達する入力送信信号の遅延時間と、相殺信号発生部を経て第2合成器に至る入力送信信号の遅延時間が一致するように遅延器に設定する遅延時間を制御する遅延制御器と、ディジタル帰還信号中の主波成分が小さくなるよう相殺信号ベクトル調整器によるベクトル係数(位相と振幅)を制御する相殺信号ベクトル制御器とを含み、利得調整器による利得の調整は、相殺信号制御部による遅延時間又はベクトル係数の制御の後で、且つ、上記奇数次歪ベクトル制御部によるベクトル調整制御の前に実施されるように構成される。
この構成により、主波成分が抑圧された帰還信号をアナログディジタル変換器の入力最大レンジに合わせて自動的に調整できるので、より精度の高い歪補償信号を生成することができる。
あるいは、入力送信信号を処理して副相殺信号を発生する副相殺信号発生部と、アナログディジタル変換器の出力側に挿入され、アナログディジタル変換器の出力に副相殺信号を合成する第3合成器と、第3合成器の出力をモニタし、第3合成器において副相殺信号がディジタル帰還信号中の残留主波成分を抑圧するように副相殺信号発生部を制御する副相殺信号制御部とを更に設けてもよい。
この構成により、残留主波成分を抑圧できるので、更に精度の高い歪補償信号を生成することができる。
あるいは、アナログディジタル変換器の出力側に挿入され、アナログディジタル変換器の出力中の主波成分を抑圧するディジタルノッチフィルタを更に設けてもよい。
この構成により、残留主波成分を抑圧できるので、更に精度の高い歪補償信号を生成することができる。
あるいは、奇数次歪発生経路に挿入され、奇数次歪成分の周波数特性を補償係数により調整する奇数次歪周波数特性補償器と、帰還信号中の奇数次歪成分の周波数特性に基づいて補償係数を生成し、奇数次歪周波数特性補償器に与える奇数次歪周波数特性補償係数制御器とを更に設けてもよい。
この構成により、増幅器が発生する奇数次歪成分をより精度高く補償することができる。
この発明によるべき級数型ディジタルプリディストータの制御方法は、ディジタル帰還信号中の主波成分が最小又は予め決めた目標値以下となるように遅延器の遅延時間を設定する相殺信号遅延制御処理と、ディジタル帰還信号中の主波成分が最小又は上記目標値以下となるよう相殺信号ベクトル調整器に対するベクトル係数を設定する相殺信号ベクトル制御処理と、ディジタル帰還信号中の歪成分が最小又は上記目標値以下となるよう奇数次歪ベクトル調整部に対するベクトル係数を設定する奇数次歪ベクトル制御処理と、相殺信号遅延制御処理又は相殺信号ベクトル制御処理の後で、且つ、上記奇数次歪ベクトル制御処理の前に、利得調整器の出力電圧がアナログディジタル変換器の入力最大レンジに近づくように利得調整器の利得を制御する利得制御処理とを含む。
この方法によれば、帰還信号中の歪成分を高精度で検出できるので、精度の高い歪補償信号を生成することができる。
上記制御方法は更に、アナログディジタル変換器の出力側に設けられた第3合成器の出力中の主波成分が最小又は予め決めた第2目標値以下となるよう第2遅延時間を設定する副相殺信号遅延制御処理と、第3合成器の出力中の主波成分が最小又は上記第2目標値以下となるよう副相殺信号ベクトル調整器に対するベクトル係数を設定する副相殺信号ベクトル制御処理とを含んでもよい。
この制御方法によれば、残留主波成分を抑圧できるので更に精度の高い歪検出が可能であり、従ってより精度の高い歪補償信号を生成することが可能である。
本発明は、ディジタルプリディストータにおいて,帰還信号経路のADC31に入力する信号の主波成分をADC31の前段、または前段および後段にて抑圧することで、歪ベクトル制御器にて歪成分を高精度に測定することが可能となり、従って精度の高い歪補償信号を生成することができる。
従来のべき級数型プリディストータの構成例を示すブロック図。 この発明によるディジタルプリディストータの原理的構成を示すブロック図。 この発明によるディジタルプリディストータの第1実施例を示すブロック図。 図3の実施例における制御処理を示すフロー図。 Aは図3の実施例における制御処理フローの一例を示す図、Bは制御処理フローのもう1つの例を示す図、Cは制御処理フローの他の例を示す図、Dは制御処理フローの更に他の例を示す図。 図3の実施例にパイロット信号発生器と入力スイッチと出力スイッチを付加した変形実施例を示すブロック図。 Aは図6の実施例における制御処理フローの一例を示す図、Bは制御処理フローの他の例を示す図、Cは制御処理フローの更に他の例を示す図。 図3の実施例における3次歪ベクトル制御器321と相殺信号ベクトル制御器52と遅延制御器51を一体化した変形実施例を示すブロック図。 図3の実施例に5次歪発生経路を付加した変形実施例を示すブロック図。 Aは図9の変形実施例における5次歪ベクトル制御処理を示すフロー図、Bは全体の制御処理フローを示す図。 Aは図9の変形実施例における制御処理フローのもう1つの例を示す、Bは制御処理フローの他の例を示す図。 図3の実施例に利得調整器35と、利得制御器36と、DAC37を付加した変形実施例を示すブロック図。 Aは利得制御処理を示すフロー図、Bは図12の変形実施例における制御処理フローの一例を示す図、Cは制御処理フローの他の例を示す図。 図3の実施例に副相殺信号発生部40Aと遅延制御器51Aと副相殺信号ベクトル制御器52Aを付加した変形実施例を示すブロック図。 Aは副相殺信号遅延制御処理を示すフロー図、Bは副相殺信号ベクトル制御処理を示すフロー図。 Aは図15の変形実施例における制御処理フローを示す図、Bは制御処理フローの他の例を示す図。 図3の実施例にディジタルノッチフィルタ38を付加した変形実施例を示すブロック図。 Aは図17の変形実施例における制御処理フローを示す図、Bは制御処理フローの他の例を示す図。 この発明によるディジタルプリディストータの第2実施例を示すブロック図。 この発明によるディジタルプリディストータの第3実施例を示すブロック図。 この発明によるディジタルプリディストータの第4実施例を示すブロック図。 図21の実施例における3次歪周波数特性補償器による3次歪成分の帯域分割の例を示す図。 Aは図21の実施例における3次歪周波数特性補償器の構成例を示すブロック図、Bは3次歪周波数特性補償係数制御器の構成例を示すブロック図、Cは3次歪周波数特性補償係数制御器の他の構成例を示すブロック図。 図21の実施例における3次歪周波数特性補償制御処理を示すフロー図。 Aは図21の実施例における全体の制御処理フローを示す図、Bは図21の実施例における全体の制御処理フローの他の例を示す図。 図21の実施例において、5次歪成分補償のための構成を追加した変形例を示すブロック図。 図26の変形実施例における5次歪成分の帯域分割を説明するための図。 図26の変形実施例における5次歪周波数特性補償制御処理を示すフロー図。 Aは図26の変形実施例による全体の制御処理フローを示す図、Bは全体の制御処理フローの他の例を示す図。 図26の変形実施例による全体の制御処理フローの別の例を示す図。 図26の変形実施例による全体の制御処理フローの更に他の例を示す図。 図21の実施例において帰還経路の利得調整を行う構成を追加した変形例を示すブロック図。 Aは図32の変形実施例による全体の制御処理フローを示す図、Bは全体の制御処理フローの他の例を示す図。 図21の実施例において副相殺信号により主波成分の相殺を行う構成を追加した変形例を示すブロック図。 Aは図34の変形実施例による全体の制御処理フローを示す図、Bは全体の制御処理フローの他の例を示す図。 図21の実施例においてノッチフィルタにより主波成分を抑圧する構成を追加した変形実施例を示す図。 Aは図36の変形実施例による全体の制御処理フローを示す図、Bは全体の制御処理フローの他の例を示す図。
[原理的構成]
図2はこの発明によるべき級数型ディジタルプリディストータの原理的構成を、図1における構成と対応する部分には同一参照番号をつけて示す。
この発明によるべき級数型ディジタルプリディストータ(以下、単にプリディストータと呼ぶ)100は、線形伝達経路12と、奇数次歪発生部13と、奇数次歪ベクトル調整部14と、合成器15と、帰還信号生成部20と、アナログディジタル変換器31と、歪ベクトル制御部32と、相殺信号発生部40と、相殺信号制御部50とから構成されている。奇数次歪発生部13と奇数次歪ベクトル調整部14は奇数次歪発生経路PDGを形成している。図1の従来技術と最も大きな相違は、帰還信号生成部20内に帰還信号経路Pと直列に合成器24が設けられ、相殺信号発生部40により発生された相殺信号が合成器24で帰還信号と合成されることにより、ADC31に入力される帰還信号中の主波成分を抑圧するように構成されていることである。
入力端子7に与えられたディジタル入力送信信号(以下、単に入力送信信号と呼ぶ)は線形伝達経路12を通して合成器15に与えられる。入力送信信号は奇数次歪発生器13にも与えられ、入力送信信号を奇数(3以上)乗することにより入力送信信号の奇数次歪成分を発生し、その奇数次歪成分は奇数次歪ベクトル調整部14でベクトル調整されて合成器15に歪補償信号として与えられる。合成器15は線形伝達経路12の出力と奇数次歪発生経路PDGの出力を合成し、プリディストータの出力として図1と同様の電力増幅器を含む増幅装置60に与える。線形伝達経路12、奇数次歪発生部13、奇数次歪ベクトル調整部14、合成器15,奇数次歪ベクトル調整部32による動作原理は、図1における線形伝達経路12,3次歪発生器131、3次歪ベクトル調整器141、合成器15、3次歪ベクトル制御器321による動作原理と同様である。
入力端子7の入力送信信号は更に、相殺信号発生部40にも与えられる。相殺信号発生部40は入力送信信号を処理してアナログの相殺信号を生成する。相殺信号はADC31の入力側の帰還信号経路P中の合成器24で帰還信号と合成される。この相殺信号が合成された帰還信号はADC31によりディジタル帰還信号に変換され、相殺信号制御部50に与えられる。相殺信号制御部50はADC31からのディジタル帰還信号中の主波成分(入力送信信号と同じ成分)の電力が最小(もしくは予め設定した目標値以下)となるように相殺信号発生器40を制御する。これにより、ADC31へ入力される帰還信号中の主波成分が抑圧されるので、予めADC31の入力最大レンジを主波成分が抑圧された帰還信号の振幅を考慮して決めることができ、従って、歪成分を含む帰還信号に対しそれだけ高い精度でAD変換を行うことができる。このようにして高い精度でAD変換された帰還信号が歪ベクトル制御部32に与えられ、その帰還信号中の主波成分に隣接する帯域の歪成分を検出し、その歪成分の電力が最小(又は上記目標値以下)となるように奇数次歪ベクトル調整部14に対しベクトル係数の設定を行うことができる。その結果、この発明によるプリディストータ100は高い精度で相互変調歪をキャンセル可能な歪補償信号を入力送信信号に対し合成することができる。
図2に示したこの発明の原理的構成において、奇数次歪発生部13は、後述の実施例のように、3次歪発生器で構成してもよいし、5次以上の歪発生器で構成してもよいし、あるいは複数の異なる奇数次歪発生器で構成してもよい。その場合、奇数次歪ベクトル調整部14には各奇数次歪発生器に対応して奇数次歪ベクトル調整器を設け、歪ベクトル制御部32には各奇数次歪ベクトル調整器に対応して奇数次歪ベクトル制御器を設ける。
[第1実施例]
図3は本発明によるべき級数型ディジタルプリディストータの第1実施例を示す。このプリディストータの実施例は、図1の従来技術に、図2に示したこの発明の原理を適用したものであり、図1における構成部と同じものには同じ参照番号をつけてある。従って、ここでは入力ディジタル送信信号はI/Q信号である。図2における奇数次歪発生部13、奇数次歪ベクトル調整部14、歪ベクトル制御部32は、それぞれ図1と同様の3次歪発生器131,3次歪ベクトル調整器141,3次歪ベクトル制御器321として実施されている。図3の実施例においては、相殺信号発生部40は遅延器41と相殺信号ベクトル調整器42とディジタルアナログ変換器(DAC)43とにより構成され、相殺信号制御部50は遅延制御器51と相殺信号ベクトル制御器52とから構成されている。帰還信号生成部20は図1における帰還信号生成部20Pと同様の方向性結合器21、周波数ダウンコンバータ22、直交復調器23に加えて、直交復調器23の出力側に合成器24を有している。
入力端子7I、7Qに与えられた入力送信信号を分配器11により線形伝達経路12と、3次歪発生器131と、遅延器41に分配する。なお、分配器は1つしか示していないが、信号の分配数に応じて必要なだけ設けてもよい。遅延器41は入力送信信号を遅延制御器51により設定された時間τだけ遅延し、遅延された入力送信信号は相殺信号ベクトル調整器42で相殺信号ベクトル制御器52により設定された振幅と位相に調整され、ディジタル相殺信号が得られる。ディジタル相殺信号はDAC43によりアナログ相殺信号に変換され、合成器24で帰還信号と合成される。相殺信号と合成された帰還信号はADC31によりディジタル帰還信号に変換される。
遅延制御器51は、ADC31の出力中の主波成分を観測し、分配器11から合成器15を経て増幅装置60に与えられ、帰還信号経路Pを経て合成器24に到達する主波成分(入力送信信号)の遅延時間と、分配器11から相殺信号発生部40を経て相殺信号として合成器24に至る入力送信信号の遅延時間が一致するよう、即ち、両経路の信号のタイミングが一致するよう、遅延器41の遅延時間τを設定する。相殺信号ベクトル制御器52は同様にADC31の出力を観測し、増幅装置60、帰還信号経路P経由で合成器24に至る主波成分(入力送信信号)と相殺信号発生部40を通して合成器24に相殺信号として与えられる入力送信信号の位相と振幅がそれぞれ一致するよう相殺信号ベクトル調整器42を制御する。
以下、第1実施例のプリディストータの制御について図3及び4を参照して説明する。プリディストータの入力I/Q信号はW-CDMAなどの無線方式フレームフォーマットに従っており、同期用パイロット信号が周期的に含まれるものとする。遅延器41の遅延時間を調整する場合、この同期用パイロット信号を利用する。相殺信号ベクトル調整器42の振幅設定係数は非ゼロの値に初期設定されているものとする。
[相殺信号遅延制御処理S10]
遅延制御器51は、遅延器41の遅延時間τを任意の初期値に設定する(S11)。実際には測定を容易にするため、増幅装置60、帰還信号経路Pを経由した信号と相殺信号発生部40を経由した信号の遅延時間差が大きく現れるよう、遅延時間τの初期値を0に設定するのが簡便である。遅延制御器51は分配器11から分配される入力送信信号中の同期用パイロット信号の時刻t1と、増幅装置60、帰還信号経路Pを経てADC31に至る主波成分に含まれる同期用パイロット信号の時刻(帰還信号出力時刻)t2と電力P2と、相殺信号発生部40、合成器24を経て相殺信号としてADC31に至る入力送信信号に含まれる同期用パイロット信号の時刻(相殺信号出力時刻)t3と電力P3をそれぞれ測定する(S12)。測定した時刻t2とt3を比較し(S13)、不一致であればステップS14に移り、電力P2, P3のいずれもが予め決めた閾値Pthより大か判定し、大であればステップS15に移る。ステップS15では、測定した時刻t2とt1の差分Δtを計算し、遅延器41の遅延時間τとして遅延器41に設定する。ステップS13でt2がt3と一致すれば、遅延器41の設定を変更せず制御処理S10を終了する。ステップS14でP2, P3が閾値Pth以下であった場合は、t2とt3が一致していなくても相殺信号が主成分を所望の程度抑圧しているので、現在設定されている遅延時間τのままとして制御処理S10を終了する。
ステップS15の代わりに、破線で示すように、ステップS16で遅延器41に設定されている遅延時間τを予め決めた小さい遅延時間Δdだけ増加させてステップS12に戻り、t2がt3と一致するか又はP2, P3がPth以下となるまでステップS12、S13,S14、S16を繰返してもよい。その場合は、ステップS12における時刻t1の測定は不要である。ステップS11〜S15(又はS16)は相殺信号遅延制御処理S10を構成している。
遅延制御器51は遅延器41の遅延時間τが決定されたことを3次歪ベクトル制御器321と相殺信号ベクトル制御器52に通知する。次の相殺信号ベクトル制御器52による相殺信号ベクトル制御処理S20と3次歪ベクトル制御器52による3次歪ベクトル制御処理S30とは独立かつ並列に実行される。
[相殺信号ベクトル制御処理S20]
相殺信号ベクトル制御器52は、ADC31の出力中の残留主波成分(同期用パイロット信号成分)の電力PWMを観測し(S21)、主波成分電力PWMが最小(又は予め決めた目標値以下)となったか判定し(S22)、なっていなければ相殺信号ベクトル調整器42のベクトル係数を調整し(S23)、ステップS21に戻り、主波成分電力PWMが最小(又は上記目標値以下)となるまでステップS21,S22,S23を繰り返すことにより主波成分の電力PWMを最小(又は上記目標値以下)とする相殺信号ベクトル調整器42のベクトル係数を決定する。相殺信号ベクトル制御器52は相殺信号ベクトル調整器42のベクトル係数が決定されたことを遅延制御器51に通知する。
[3次歪ベクトル制御処理S30]
3次歪ベクトル制御器321は、ADC31からの主波成分が抑圧された信号中の主波成分の帯域に隣接する帯域の歪成分、即ち3次歪成分電力PWD3を観測し(S31)、3次歪成分電力PWD3が最小(又は予め決めた目標値以下)となったか判定し(S32)、最小(又は上記目標値以下)となっていなければ3次歪ベクトル調整器141のベクトル係数を調整し(S33)、ステップS31に戻り、3次歪成分電力PWD3が最小(又は上記目標値以下)となるまでステップS31,S32,S33を繰り返すことにより3次歪ベクトル調整器141のベクトル係数を決定する。3次歪ベクトル制御器321は3次歪ベクトル調整器141のベクトル係数が決定されたことを遅延制御器51に通知する。
[繰返し制御処理S40]
遅延制御器51は相殺信号ベクトル制御器52と3次歪ベクトル制御器321とから係数決定の通知を受け取った後、ADC31の出力中の3次歪成分電力PWD3を測定し(S41)、3次歪成分電力PWD3が所定の値PDth以下となったか判定し(S42)、なっていなければ制御処理S10に戻り、PWD3が所定値PDth以下となるまで相殺信号遅延制御処理S10,相殺信号ベクトル制御処理S20,3次歪ベクトル制御処理S30,繰返し制御処理S40を繰り返す。
なお、3次歪ベクトル制御器321はステップS32の判定で3次歪成分電力PWD3が最小(又は予め決めた目標値以下)と判定された時は、その値PWD3を遅延制御器51に通知し、遅延制御器51は制御処理S40においてステップS41の歪成分電力の測定を行わず、3次歪ベクトル制御器321から通知された3次歪成分電力PWD3をステップS42で所定値PDthと比較して全制御処理を繰り返すか否かを判定してもよい。
図5のA,B,C,Dに示す制御処理フローは、図4に示した制御処理フローにおける相殺信号遅延制御処理S10,相殺信号ベクトル制御処理S20,3次歪ベクトル制御処理S30,繰返し制御処理S40の処理順序の変形例を示す。Aは前述した通りの相殺信号ベクトル制御処理S20と3次歪ベクトル制御処理S30を互いに独立かつ並列に実行する場合である。図5BはAにおいて処理S10とS20を入れ替えたものであり、相殺信号遅延制御処理S10と3次歪ベクトル制御処理S30は互いに独立かつ並列に実行する。繰返し制御処理S40において検出された3次歪成分電力PWD3が所定値PDth以下となるまで処理S20,S10,S30,S40を繰り返す。
図5のCは処理S10,S20,S30,S40を順次協調して実行する場合である。即ち、遅延制御器51は図4の相殺信号遅延制御処理S10により遅延時間τを決定し、遅延器41にその遅延時間τを設定すると、設定したことを相殺信号ベクトル制御器52に通知する。相殺信号ベクトル制御器42は通知を受けると図4の相殺信号ベクトル制御処理S20を開始し、相殺信号ベクトル調整器42に対するベクトル係数の設定が終了すると、設定終了を3次歪ベクトル制御器321に通知する。3次歪ベクトル制御器321は通知を受けると、図4の3次歪ベクトル制御処理S30を開始し、3次歪ベクトル調整器141に対するベクトル係数の設定が終了すると設定終了を遅延制御器51に通知する。遅延制御器51は、繰返し制御処理S40において検出した3次歪成分電力PWD3が所定値PDth以下となるまで処理S10,S20,S30,S40を繰り返させる。図5のCにおいて破線で示すように、処理S10,S20を所定条件が満足するまで(例えば繰返し回数、又は主波成分電力が所定値以下となるまで)繰返してもよい。
図5のDはCにおいて処理S10とS20の順を入れ替えた場合を示す。各処理内容はCの場合と同様であり、説明を省略する。
図3に示す構成において、相殺信号ベクトル調整器42をアナログ回路にて構成してもよい。アナログ回路にて構成する場合、DAC43は遅延器41と相殺信号ベクトル調整器42の間に設置する。
[変形実施例1]
図3の実施例では入力送信信号に周期的に含まれる同期用パイロット信号を利用して各制御器による制御処理を実行したが、独立したパイロット信号(以下、独立パイロット信号と呼ぶ)を用いてもよい。独立パイロット信号を用いる例を第1実施例の変形実施例として図6に示す。その構成は図3の第1実施例に、パイロット信号発生器18と、パイロット信号発生器18の出力と入力端子7,7を選択的に切り替えて分配器11に接続する入力スイッチ17と、方向性結合器21と出力端子8の間に挿入され、増幅装置60の出力のオンとオフを切替える出力スイッチ19を追加した構成となる。
この図6に示すプリディストータにおける制御処理フローの3つの代表的例を図7のA,B,Cに示す。
[制御処理フローA]
スイッチ設定(S01):入力送信信号中の同期用パイロット信号を使う代わりにパイロット信号発生器18で発生したパルス波を独立パイロット信号として使って遅延時間τの制御を行う。そのため、まず入力スイッチ17をパイロット信号生成器18側に接続し、出力スイッチ19をオフとする。
独立パイロット信号を使った相殺信号遅延制御処理S10P:この処理は独立パイロット信号を使う点が異なるだけで、基本的には図4における相殺信号遅延制御処理S10と同様である。即ち、処理動作は図4におけるステップS11〜S15(S16)と同様であり、独立パイロット信号を使って送信信号入力時刻t1を測定し、更に帰還信号出力時刻t2と電力P2を測定し、相殺信号出力時刻t3と電力P3を測定し、それらの測定結果に基づいて遅延時間τを決定し、遅延器41に設定する。遅延制御器51は遅延器41の遅延時間τが決定されたことを3次歪ベクトル制御器321と相殺信号ベクトル制御器52に通知する。
スイッチ設定(S02):入力スイッチ17 を入力端子7I,7Q側に接続し、出力スイッチ19をオンとする。
相殺信号ベクトル制御処理S20:入力送信信号を使って図4の相殺信号ベクトル制御処理S20と同様の制御処理を行い、相殺信号ベクトル調整器42のベクトル係数を調整する。
3次歪ベクトル制御処理S30:入力送信信号を使って図4の3次歪ベクトル制御処理S30と同様の制御処理を行い、3次歪ベクトル調整器141のベクトル係数を調整する。
繰返し制御処理S40:入力送信信号を使って図4の繰返し制御処理S40と同様の制御処理を行い、3次歪成分電力PWD3が所定値PDth以下となるまで全体の制御処理S01,S10P,S02,S20,S30,S40を繰り返す。
なお、制御処理S20とS30は独立かつ並列に実行してもよいし、制御処理S20を終了後に制御処理S30を実行してもよい。
[制御処理フローB]
スイッチ設定(S01):制御処理Aの場合と同様に、入力スイッチ17をパイロット信号発生器18側に接続し、出力スイッチ19をオフとする。
独立パイロット信号を使った相殺信号遅延制御処理S10P:上述の制御処理Aにおける制御処理S10Pと同じであり、独立パイロット信号を使って遅延器41に設定する遅延時間τの制御を行う。
独立パイロット信号を使った相殺信号ベクトル制御処理S20P:パイロット信号発生器18からの独立パイロット信号を使って図4の相殺信号ベクトル制御処理S20と同様の制御処理を行い、相殺信号ベクトル調整器42のベクトル係数を調整する。
スイッチ設定(S02):入力スイッチ18を入力端子7I,7Q側に接続し、出力スイッチ19をオンとする。
3次歪ベクトル制御処理S30:入力送信信号を使って図4の3次歪ベクトル制御処理S30と同様の制御処理を行い、3次歪ベクトル調整器141のベクトル係数を調整する。
繰返し制御処理S40:入力送信信号を使って図4の繰返し制御処理S40と同様の制御処理を行い、3次歪成分電力PWD3が所定値PDth以下となるまで全体の制御処理S01,S10P,S20,S02,S30,S40を繰り返す。
[制御処理フローC]
スイッチ設定(S01):制御処理Aの場合と同様に、入力スイッチ17をパイロット信号発生器18側に接続し、出力スイッチ19をオフとする。
独立パイロット信号を使った相殺信号遅延制御処理S10P:上述の制御処理Aにおける制御処理S10Pと同じであり、独立パイロット信号を使って遅延器41に設定する遅延時間τの制御を行う。設定終了を相殺信号ベクトル制御器52と3次歪ベクトル制御器321に通知する。
独立パイロット信号を使った相殺信号ベクトル制御処理S20P:パイロット信号生成器18からの独立パイロット信号を使って図4の相殺信号ベクトル制御処理S20と同様の制御処理を行い、相殺信号ベクトル調整器42のベクトル係数を調整する。
独立パイロット信号を使った3次歪ベクトル制御処理S30P:独立パイロット信号を使って図4の3次歪ベクトル制御処理S30と同様の制御処理を行い、3次歪ベクトル調整器141のベクトル係数を調整する。
独立パイロット信号を使った繰返し制御処理S40P:独立パイロット信号を使って図4の繰返し制御処理S40と同様の制御処理を行い、3次歪成分電力PWD3が所定値PDth以下となるまで全体の制御処理S10P,S20P,S30P,S40Pを繰り返す。
スイッチ設定(S02):入力スイッチ18を入力端子7I,7Q側に接続し、出力スイッチ19をオンとする。
制御処理Cにおいて、制御処理S20PとS30Pは独立かつ並列に実行してもよいし、制御処理S20Pを実行後に制御処理S30Pを実行してもよい。
上述の図6の変形実施例において、パイロット信号発生器18は独立パイロット信号としてパルス波の代わりにW-CDMA信号など実際に送信する信号を周期的に出力させるようにしてもよい。
[変形実施例2]
図3の実施例において、遅延制御器51、相殺信号ベクトル制御器52,3次歪ベクトル制御器321を図8に示すように制御部70として一体化した構成としてもよい。制御部70は、相殺信号ベクトル調整器41のベクトル係数と、3次歪ベクトル調整器141のベクトル係数と、遅延器41の遅延時間τを個別に調整できるように構成されている。
[変形実施例3]
図9の変形実施例は、電力増幅器において相互変調歪として発生する3次歪成分のみならず、5次歪成分についても補償できるように構成したプリディストータを示す。このプリディストータの構成は、図3に示した第1実施例に対し、5次歪発生器132と5次歪ベクトル調整器142で構成される5次歪発生経路PDG5と、3次歪発生経路PDG3の出力信号と5次歪発生経路PDG5の出力信号を合成し、合成器15に与える合成器33と、帰還信号中の5次歪成分を最小(又は予め決めた目標値以下)とするように5次歪ベクトル調整器142のベクトル係数を制御する5次歪ベクトル制御器322とを付加したものである。3次歪ベクトル制御器321と相殺信号ベクトル制御器52と遅延制御器51と5次歪ベクトル制御器322を一体化して構成してもよい。
入力送信信号は分配器11から5次歪発生器132にも分配され、入力送信信号を5乗演算することにより5次歪成分が生成され、5次歪ベクトル調整器142に与えられる。5次歪ベクトル調整器142は5次歪ベクトル制御器322の制御に従って5次歪成分の位相と振幅を調整して合成器33に与え、3次歪ベクトル調整器141の出力と合成され歪補償信号となる。合成器33からの3次歪成分と5次歪成分の合成出力である歪補償信号は合成器15において線形伝達経路12の出力と合成されてプリディストータの出力とされる。
5次歪ベクトル制御器322による5次歪ベクトル制御処理S50は図10Aに示すように、ADC31の出力中の主波成分に隣接する帯域の3次歪成分に対し更に外側に隣接する5次歪成分の電力PWD5を測定し(S51),測定された5次歪成分電力PWD5が最小(又は予め決めた目標値以下)となったか判定し(S52)、なっていなければ5次歪ベクトル調整器142のベクトル係数を調整し(S53)、ステップS51に戻り、5次歪成分電力PWD5が最小(又は上記目標値以下)となるまでステップS51,S52,S53を繰り返す。
図10Bは図9の変形実施例における制御処理フローを示す。
相殺信号遅延制御処理S10:図4における相殺信号遅延制御処理S10と同様である。即ち、図4におけるステップS11〜S15(S16)と同様の制御処理を行い、入力送信信号の同期用パイロット信号を使って送信信号入力時刻t1を測定し、更に帰還信号出力時刻t2と電力P2を測定し、相殺信号出力時刻t3と電力P3を測定し、それらの測定結果に基づいて遅延時間τを決定し、遅延器41に設定する。遅延制御器51は遅延器41の遅延時間τが決定されたことを3次歪ベクトル制御器321と、5次歪ベクトル制御器322と、相殺信号ベクトル制御器52に通知する。
相殺信号ベクトル制御処理S20:図4の相殺信号ベクトル制御処理S20と同様の制御処理を行い、相殺信号ベクトル調整器42のベクトル係数を調整する。
3次歪ベクトル制御処理S30:図4の3次歪ベクトル制御処理S30と同様の制御処理を行い、3次歪ベクトル調整器141のベクトル係数を調整する。
5次歪ベクトル制御処理S50:図10Aの5次歪ベクトル制御処理S50を行い、5次歪ベクトル調整器142のベクトル係数を調整する。このときS51において、5次ベクトル制御器322はPWD3も測定してよく、S52において、PWD3とPWD5の和が最小(又は予め決めた目標値以下)になったか判定してもよく、PWD3とPWD5の和が最小(又は上記目標値以下)になるまでステップS51、S52、S53を繰り返してもよい。
繰返し制御処理S40’:図4の繰返し制御処理S40と同様の制御処理を行い、歪成分電力PWDが所定値PDth以下となるまで全体の制御処理S10,S20,S30,S50,S40を繰り返す。ただし、ここで歪成分電力PWDとして3次歪成分電力PWD3と5次歪成分電力PWD5の和を使用し、その和が所定値PDth以下となるかを判定してもよいし、PWD3, PWD5それぞれが所定値PDth以下となるかを判定してもよいし、3次歪、5次歪それぞれに異なる所定値を決めておき、PWD3, PWD5がそれぞれの所定値以下となるかを判定してもよい。これらPWD3, PWD5は遅延制御器51がADC31の出力から検出してもよいし、あるいは3次歪ベクトル制御処理S30及び5次歪ベクトル制御処理S50でそれぞれ測定したPWD3, PWD5を遅延制御器51に通知し、それを使用するようにしてもよい。あるいは、遅延制御器51で主波成分の帯域外電力を測定し、それを歪電力PWDとみなして所定値PDthと比較してもよい。
なお、制御処理S20、S30、S50は独立かつ並列に実行してもよいし、制御処理S20を終了後に制御処理S30、次にS50を実行してもよい。
図11のA及びBは図9の変形実施例における図10Bとは異なる制御処理フローの例をそれぞれ示す。
[制御処理フローA]
相殺信号遅延制御処理S10:図4における遅延制御処理S10と同じであり、遅延器41に設定する遅延時間τの制御を行う。
相殺信号ベクトル制御処理S20:図4における相殺信号ベクトル制御処理S20と同様の制御処理を行い、相殺信号ベクトル調整器42のベクトル係数を調整する。
3次歪ベクトル制御処理S30:図4の3次歪ベクトル制御処理S30と同様の制御処理を行い、3次歪ベクトル調整器141のベクトル係数を調整する。
5次歪ベクトル制御処理S50:図10Aの5次歪ベクトル制御処理S50を行い、5次歪ベクトル調整器142のベクトル係数を調整する。
繰返し制御処理S40’:図10Bにおける繰返し制御処理S40’と同様の制御処理を行い、歪成分電力PWDが所定値PDth以下となるまで全体の制御処理S10,S20,S30,S50,S40’を繰り返す。なお、制御処理S30とS50は独立かつ並列に行う。また、制御処理S10とS20は順番を入れ替えてもよい。
[制御処理フローB]
相殺信号遅延制御処理S10:図4における制御処理S10と同じであり、遅延器41に設定する遅延時間τの制御を行う。
相殺信号ベクトル制御処理S20:図4の相殺信号ベクトル制御処理S20と同様の制御処理を行い、相殺信号ベクトル調整器42のベクトル係数を調整する。
3次歪ベクトル制御処理S30:図4の3次歪ベクトル制御処理S30と同様の制御処理を行い、3次歪ベクトル調整器141のベクトル係数を調整する。
5次歪ベクトル制御処理S50:図10Aの5次歪ベクトル制御処理S50を行い、5次歪ベクトル調整器142のベクトル係数を調整する。
繰返し制御処理S40’:図10Bにおける繰返し制御処理S40’と同様の制御処理を行い、歪成分電力PWDが所定値PDth以下となるまで全体の制御処理S10,S20,S30,S50,S40’を繰り返す。
なお、破線で示すように、制御処理S10,S20を、所定の条件が満足されるまで繰返してもよい。所定の条件は、例えば所定の繰返し回数でもよいし、主波成分電力が所定値以下となる条件でもよい。また、制御処理S10とS20の順番を入れ替えてもよい。
更に、破線で示すように、制御処理S30,S50を、所定の条件が満足されるまで繰返してもよい。所定の条件は、例えば所定の繰返し回数でもよいし、歪成分電力が所定値以下となる条件でもよい。また、制御処理S30とS50は順番を入れ替えてもよい。
図9に示した変形実施例の構成に、図6で示したと同様のパイロット信号発生器18と、入力スイッチ17と、出力スイッチ19を追加し、独立パイロット信号を用いて各制御器の制御処理を実行してもよい。
図9の変形実施例において、必要に応じてH次(Hは7以上の奇数)歪発生経路と、H次歪発生経路におけるH次歪ベクトル調整器のベクトル係数を調整するH次歪ベクトル制御器を追加してもよい。
[変形実施例4]
図12は、図3に示した第1実施例において,合成器24の出力帰還信号の電圧を調整するための利得調整器(AGC)35と、利得調整器35の利得を制御するための利得制御器36と、利得制御器36から利得調整器35へ与える制御信号をディジタルアナログ変換するディジタルアナログ変換器(DAC)37を付加した変形実施例である。このとき、3次歪ベクトル制御器321と相殺信号ベクトル制御器52と遅延制御器51と利得制御器36を一体化した制御器として構成してもよい。
利得制御器36は、ADC31の出力をモニタし、利得調整器35の出力電圧がADC31の入力電圧のフルスケールになるようにAGC35の利得を制御する。合成器24において主波成分を相殺信号発生部40からの相殺信号で抑圧すると、それだけ合成器24の出力電圧は小さくなる。そこで、ADC31の入力電圧レンジを最大に生かすためにAGC35の出力電圧、従ってADC31の出力電圧、の絶対値(帰還信号の振幅)|VF|がADC31の入力最大レンジとほぼ一致するように合成器24の出力電圧をAGC35により増幅する。AGC35の制御周期は、相殺信号発生部40による主波成分抑圧の制御周期と同じでよい。
図13Aは利得制御器36による利得制御処理S60の例を示す。利得調整器35は予め利得Gの初期値Gを1に設定し、また整数nの初期値を0に設定しておく(S61)。利得制御器36はADC31の出力であるディジタル帰還信号の振幅|VF|がADC31の入力最大レンジに対応する予め決めた値VMXより小さいか判定し(S62)、小であれば、現在の利得Gnを予め決めた幅ΔGだけ増加させてAGC35に設定し(S64)、nを1だけ増加させて(S65)ステップS62に戻る。ステップS63で|VF|がVMX以上となるまでステップS62〜S65を繰返し実行する。ステップS63で|VF|がVMX以上となると、前回の利得Gn-1をAGC35に設定する(S66)。
図13B及びCは図12の変形実施例における全体の制御処理フローの2つの例を示し、それぞれ図5のAとCに示す制御処理フローに対応する。
図13Bでは、相殺信号遅延制御処理S10で図4における制御処理S10と同様の制御処理により遅延器4に遅延時間τを設定し、利得制御処理S60で図13Aの制御処理により利得Gn-1をDAC37を介してAGC35に設定する。以下、相殺信号ベクトル制御処理S20,3次歪ベクトル制御処理S30,繰返し制御処理S40はそれぞれ図4における制御処理S20,S30,S40と同じである。
図13Cの制御処理フローでは、利得制御処理S60が制御処理S20とS30の間に挿入されている以外は図5のCに示す制御処理フローと同じである。
図12に示した帰還信号の利得を制御する構成は他の全ての実施例及び変形実施例にも適用できる。
[変形実施例5]
図14は、図3に示した第1実施例において、遅延器41Aと副相殺信号ベクトル調整器42Aとで構成され、分配器11から分配された入力送信信号から副相殺信号を生成する副相殺信号発生部40Aと、ADC31の出力と副相殺信号発生部40Aからの副相殺信号を合成して帰還信号中の残留主波成分を更に抑圧する合成器38とを追加し、更に、主波成分を最小(又は予め決めた目標値以下)とするように副相殺信号ベクトル調整器42Aのベクトル係数を制御する副相殺信号ベクトル制御器52Aと、合成器38において帰還信号出力と副相殺信号出力の遅延時間が一致するように遅延器41Aの遅延時間τ2を制御する遅延制御器51Aとから構成された副相殺信号制御部50Aを付加した変形実施例である。3次歪ベクトル制御器321と相殺信号ベクトル制御器52と遅延制御器51、81と副相殺信号ベクトル制御器82とを一体化した制御器としてもよい。
図3の実施例の場合と同様に、プリディストータの入力送信信号はW-CDMAなどの無線方式フレームフォーマットに従っており、周期的に同期用パイロット信号が含まれるものとする。分配器11からの入力送信信号は副相殺信号発生部40Aの遅延器41Aにも供給される。遅延器41の遅延時間τの設定のための遅延制御器51による制御処理、相殺信号ベクトル調整器42のベクトル係数設定のための相殺信号ベクトル制御器52による制御処理、及び3次歪ベクトル調整器141のベクトル係数設定のための3次歪ベクトル制御器321による制御処理は、それぞれ図3,4で説明したものと同じであり、説明を省略する。
遅延制御器51Aによる遅延器41Aへの遅延時間τ2の設定を行うための副相殺信号遅延制御処理S60を図15Aに示す。制御原理は図4に示す制御処理S10と同様であり、遅延器41Aの遅延時間τ2を調整する場合も送信信号中の同期用パイロット信号を利用する。副相殺信号ベクトル調整器42Aの振幅設定係数は非ゼロの値に初期設定されているものとする。
[副相殺信号遅延制御処理S60]
遅延制御器51Aは、遅延器41Aの遅延時間τ2を任意の初期値、例えば0に設定する(S61)。遅延制御器51Aは分配器11からの入力送信信号中の同期用パイロット信号の時刻t4と、増幅装置60、帰還信号経路P、ADC31を経て合成器38に至る帰還信号の主波成分に含まれる同期用パイロット信号の時刻(帰還信号出力時刻)t5と電力P5と、副相殺信号発生部40Aを経て合成器38に至る入力送信信号(副相殺信号)に含まれる同期用パイロット信号の時刻(副相殺信号出力時刻)t6と電力P6をそれぞれ測定する(S62)。測定した時刻t5とt6を比較し(S63)、不一致であればステップS64に移り、電力P5, P6のいずれもが予め決めた閾値Pthより大か判定し、大であればステップS65に移る。ステップS65では、測定した時間t5とt4の差分Δtを計算し、遅延器41Aの遅延時間τ2として遅延器41Aに設定する。ステップS63でt5がt6と一致すれば、遅延器41Aの設定を変更せず制御処理S60を終了する。ステップS64でP5, P6が閾値Pth以下であった場合は、t5とt6が一致していなくても副相殺信号が主波成分を所望の程度抑圧しているので、現在設定されている遅延時間τ2のまま制御処理S60を終了する。
ステップS65の代わりに、破線で示すように、ステップS66で遅延器41Aに設定されている遅延時間τ2を予め決めた小さい遅延時間Δdだけ増加させてステップS62に戻り、P5, P6がPth以下となるまでステップS62、S63,S64、S66を繰返してもよい。その場合は、ステップS62における時刻t4の測定は不要である。ステップS61〜S65(又はS66)は副相殺信号遅延制御処理S60を構成している。
[副相殺信号ベクトル制御処理S70]
図15のBは副相殺信号ベクトル制御器52Aによる制御処理を示す。副相殺信号ベクトル制御器52Aは、合成器38の出力中の残留主波成分(同期用パイロット信号成分)の電力PWMを観測し(S71)、主波成分電力PWMが最小(又は予め決めた目標値以下)となったか判定し(S72)、なっていなければ副相殺信号ベクトル調整器42Aのベクトル係数を調整し(S73)、ステップS71に戻り、主波成分電力PWMが最小(又は上記目標値以下)となるまでステップS71,S72,S73を繰り返すことにより主波成分の電力PWMを最小(又は上記目標値以下)とする副相殺信号ベクトル調整器42Aのベクトル係数を決定する。
図16Aは図14の変形実施例における全体の制御処理フローの例を示す。
相殺信号遅延制御処理S10:遅延制御器51は図4における制御処理S10と同様にして遅延器41に対し遅延時間τを決定し、設定する。
副相殺信号遅延制御処理S60:遅延制御器51Aは図15Aで説明した制御処理により遅延器41Aに対し遅延時間τ3を設定する。また、設定終了を相殺信号ベクトル制御器42、副相殺信号ベクトル制御器42A,3次歪ベクトル制御器321にそれぞれ通知する。
次の3つの制御処理S20,S70,S30を独立かつ並列に実行する。
相殺信号ベクトル制御処理S20:相殺信号ベクトル制御器52は図4における制御処理S20と同様にして相殺信号ベクトル調整器42に対しベクトル係数を決定し、設定する。
副相殺信号ベクトル制御処理S70:副相殺信号ベクトル制御器52Aは図15Bで説明した制御処理により副相殺信号ベクトル調整器42Aに対しベクトル係数を設定する。
3次歪ベクトル制御処理S30:3次歪ベクトル制御器321は図4における制御処理S30と同様にして3次歪ベクトル調整器141に対しベクトル係数を設定する。
繰返し制御処理S40:遅延制御器51は図4における制御処理S40と同様にして全制御処理を繰返し実行するか否かを判定する。
図16Aの例においては制御処理S20,S70,S30を独立かつ並列に実行する場合を示したが、制御処理S20,S70を独立かつ並列に実行し、その後で制御処理S30を実行してもよい。
図16Bは図14の変形実施例における制御処理フローの他の例を示す。
相殺信号遅延制御処理S10:遅延制御器51は図4における制御処理S10と同様にして遅延器41に対し遅延時間τを設定する。
相殺信号ベクトル制御処理S20:相殺信号ベクトル制御器52は図4における制御処理S20と同様にして相殺信号ベクトル調整器42に対しベクトル係数を設定する。
副相殺信号遅延制御処理S60:遅延制御器51Aは図15Aで説明した制御処理により遅延器41Aに対し遅延時間τ2を設定する。
副相殺信号ベクトル制御処理S70:副相殺信号ベクトル制御器52Aは図15Bで説明した制御処理により副相殺信号ベクトル調整器42Aに対しベクトル係数を設定する。
3次歪ベクトル制御処理S30:3次歪ベクトル制御器321は図4における制御処理S30と同様にして3次歪ベクトル調整器141に対しベクトル係数を設定する。
繰返し制御処理S40:遅延制御器51は図4における制御処理S40と同様にして全制御処理を繰返し実行するか否かを判定する。
図16Bの制御処理フローにおいて、破線で示すように制御処理S10とS20を所定の条件が満たされるまで繰返し実行してもよい。また、破線で示すように制御処理S60とS70も所定の条件が満たされるまで繰返し実行してもよい。所定の条件は、例えば繰返し回数でもよいし、主波成分電力が所定値以下となる条件でもよい。
図14の構成に、図6の変形実施例と同様にパイロット信号発生器18と、パイロット信号発生器18と入力端子7,7を切替える入力スイッチ17と,電力増幅器64の出力のオン/オフを切替える出力スイッチ19とを追加し、独立パイロット信号を用いて各制御器による制御処理を実行してもよい。
[変形実施例6]
図17は、図3に示した第1実施例において、ADC31の出力側に主波成分を更に抑圧するディジタルノッチフィルタ38を付加した変形実施例である。ディジタルノッチフィルタ38は動作オン時には、入力帰還信号を周波数領域信号に変換し、主波帯域の信号成分を抑圧し、時間領域に変換するように動作し、動作オフ時には信号をそのまま通過させる。
図18Aは図17の変形実施例における制御処理フローの例を示す。
相殺信号遅延制御処理S10:図4における制御処理S10と同じであり、遅延制御器51は遅延器41に設定する遅延時間τの制御を行う。
ノッチフィルタ制御処理SF1:遅延制御器51はディジタルノッチフィルタ38の動作をオンに設定し、残留主波成分を抑圧する。フィルタ設定終了を相殺信号ベクトル制御器52と3次歪ベクトル制御器321に通知する。
相殺信号ベクトル制御処理S20:相殺信号ベクトル制御器52は図4の相殺信号ベクトル制御処理S20と同様の制御処理を行い、相殺信号ベクトル調整器42のベクトル係数を調整する。
3次歪ベクトル制御処理S30:3次歪ベクトル制御器321は図4の3次歪ベクトル制御処理S30と同様の制御処理を行い、3次歪ベクトル調整器141のベクトル係数を調整する。
繰返し制御処理S40:遅延制御器51は図4における繰返し制御処理S40と同様の制御処理を行い、3次歪成分電力PWD3が所定値PDth3以下でなければ制御処理SF2を経て全体の制御処理S10,SF1,S20,S30,S40を繰り返す。
ノッチフィルタ制御処理SF2:全体の制御処理を繰り返す場合、遅延制御器51はディジタルノッチフィルタの動作をオフに設定し、制御処理S10に戻る。
図18Bは図17の変形実施例における全制御処理フローの他の例を示す。
相殺信号遅延制御処理S10:図4における制御処理S10と同じであり、遅延制御器51は遅延器41に設定する遅延時間τの制御を行う。
相殺信号ベクトル制御処理S20:相殺信号ベクトル制御器52は図4の相殺信号ベクトル制御処理S20と同様の制御処理を行い、相殺信号ベクトル調整器42のベクトル係数を調整する。
ノッチフィルタ制御処理SF1:遅延制御器51はディジタルノッチフィルタ38の動作をオンに設定し、残留主波成分を抑圧する。フィルタ設定終了を3次歪ベクトル制御器321に通知する。
3次歪ベクトル制御処理S30:3次歪ベクトル制御器321は図4の3次歪ベクトル制御処理S30と同様の制御処理を行い、3次歪ベクトル調整器141のベクトル係数を調整する。
繰返し制御処理S40:遅延制御器51は図4における繰返し制御処理S40と同様の制御処理を行い、3次歪成分電力PWD3が所定値PDth3以下でなければ制御処理SF2を経て全体の制御処理S10,S20,SF1,S30,S40を繰り返す。
ノッチフィルタ制御処理SF2:全体の制御処理を繰り返す場合、遅延制御器51はディジタルノッチフィルタの動作をオフに設定し、制御処理S10に戻る。
前述のように第1実施例では直交変調器23からの帰還信号とディジタルアナログ変換器43からの相殺信号を合成器24にて合成することでアナログディジタル変換器(ADC)31に入力する信号の主波成分を相殺する例を示したが、相殺信号を帰還信号と合成するのは、帰還信号経路の他の位置でもよい。以下にその実施例を示す。
[第2実施例]
図19は本発明の第2実施例を示す。このディジタルプリディストータの構成は、図3に示した実施例の構成において、合成器24を直交復調器23の入力側に移し、DAC43のアナログI/Q出力を直交変調する直交変調器44を相殺信号発生部40内に設けたものである。直交変調器44の出力は相殺信号として合成器24に与えられ、周波数ダウンコンバータ22の出力と合成され、合成出力が直交復調器23に与えられる。
遅延制御器51、相殺信号ベクトル制御器52,3次歪ベクトル制御器321のそれぞれの制御処理は図3の実施例の場合と全く同じであり、説明を省略する。
図19に示した第2実施例において、図9に示した5次歪発生経路PDG5と5次歪ベクトル制御器322を備えた構成としてもよい。動作は図9の構成と同じである。
図19に示した第2実施例において、図12に示した利得調整器(AGC)35と利得制御器36とDAC37を備えた構成としてもよい。動作は図12の構成と同じである。
図19に示した第2実施例において、図14に示した副相殺信号発生部40Aと合成器38を備えた構成としてもよい。動作は図14の構成と同じである。
図19に示した第2実施例において、図17に示したディジタルノッチフィルタ38を備えた構成としてもよい。動作は図17の構成と同じである。
以上のように第2実施例では周波数ダウンコンバータ22の出力信号と直交変換器44の出力信号を合成器24にて合成することで直交復調器23に入力する帰還信号中の主波成分を抑圧する。
[第3実施例]
図20は、本発明の第3実施例を示す。このディジタルプリディストータは、図19に示した実施例の構成において、合成器24を周波数ダウンコンバータ22の入力側に移し、直交変調器44の出力を周波数アップコンバートする周波数アップコンバータ45を相殺信号発生部40内に設けたものである。周波数アップコンバータ45の出力は高周波の相殺信号として合成器24に与えられ、方向性結合器21の出力と合成され、合成出力が周波数ダウンコンバータ22に与えられる。
遅延制御器51、相殺信号ベクトル制御器52,3次歪ベクトル制御器321のそれぞれの制御処理は図3の実施例の場合と全く同じであり、説明を省略する。
図20に示した第3実施例において、図9に示した5次歪発生経路PDG5と5次歪ベクトル制御器322を備えた構成としてもよい。動作は図9の構成と同じである。
図20に示した第3実施例において、図12に示した利得調整器(AGC)35と利得制御器36とDAC37を備えた構成としてもよい。動作は図12の構成と同じである。
図20に示した第3実施例において、図14に示した副相殺信号発生部40Aと合成器38を備えた構成としてもよい。動作は図14の構成と同じである。
図20に示した第3実施例において、図17に示したディジタルノッチフィルタ38を備えた構成としてもよい。動作は図17の構成と同じである。
[第4実施例]
図21に本発明の第4実施例を示す。図21の第4実施例は、周波数依存性を持つ3次歪成分を補償できるように構成したプリディストータである。第4実施例は図3に示した第1実施例の構成において、3次歪ベクトル調整器141の後段において3次歪発生経路PDG3に挿入された3次歪周波数特性補償器151と、3次歪周波数特性補償器151に設定する複数の3次歪周波数特性補償係数(以下、単に補償係数と呼ぶ場合もある)を調整する3次歪周波数特性補償係数制御器323とを追加した構成である。
図21では、3次歪周波数特性補償器151は3次歪発生器131と3次歪ベクトル調整器141の間に挿入してもよい。また、直交復調器23の出力側に合成器24を有した構成となっているが、図19と同様に合成器24を直交復調器23の入力側に設置し、DAC43の出力側に直交変調器44を設け、直交変調器44の出力を合成器24に与えるように構成してもよい。あるいは、図20と同様に合成器24を周波数ダウンコンバータ22の入力側に設置し、DAC43の出力側に直交変調器44と、その出力に周波数アップコンバータ45を設け、周波数アップコンバータ45の出力を合成器24に与えるように構成してもよい。
図22は3次歪発生器131により発生された3次歪成分D3の周波数帯域と、入力送信信号である主波成分MSの周波数帯域の関係を概念的に示す図である。3次歪成分D3全体の帯域幅WD3は破線で示す主波成分MSの帯域幅WMの3倍となる。3次歪周波数特性補償器151は3次歪発生器131により発生された3次歪成分の周波数特性を調整して線形伝達経路の入力送信信号に合成器15で合成することにより、電力増幅器64が発生する3次歪成分をより高い精度で補償することができる。
図23Aに3次歪周波数特性補償器151の構成を示す。3次歪周波数特性補償器151はシリアルパラレル変換部(以下、S/P部と呼ぶ)151A、FFT部151B、複素乗算部151C、IFFT部151D、パラレルシリアル変換部(以下、P/S部と呼ぶ)151Eで構成される。
S/P部151Aは3次歪ベクトル調整器141の出力をDAC61のサンプリングレートに応じて設定したサンプル数SPDAC毎に直列・並列変換する。FFT部151BはS/P部151Aの出力をSPDAC点のFFT(Fast Fourier Transformation)により時間領域から周波数領域に変換する。複素乗算部151Cは、図22に示すようにFFT部151Bにより得られた3次歪成分D3のスペクトル帯域全体をJ個(Jは2以上の整数)に分割し、それぞれの分割帯域SB1〜SBJに、3次歪周波数特性補償係数制御器323から与えられた3次歪周波数特性補償係数C1〜CJを乗算する。例えば各分割帯域SBjにQj個(Qjは1以上の整数)のFFT部151Bの出力が含まれているとすると、各分割帯域SBjのQj個のFFT部151Bの出力にそれぞれ同じ補償係数Cjが乗算される。IFFT部151Dは複素乗算部151Cの出力をSPDAC点のIFFT(Inverse Fast Fourier Transformation)により周波数領域から時間領域に変換する。P/S部151Eは、IFFT部151Dの出力を並列・直列変換し、3次歪発生経路PDG3の出力として図21の合成器15に与える。このとき、図22の分割帯域SB1よりも低い周波数および分割帯域SBJよりも高い周波数となるFFT部151Bの出力が存在する場合、それらのFFT部151Bの出力はIFFT部151Dに直接与えられる。
3次歪周波数特性補償係数制御器323は、図23Bに示すように、シリアルパラレル変換部(S/P部)323Aと、FFT部323Bと、電力検出部323Cと、補償係数決定部323Dとから構成されている。S/P部323AはADC31からのディジタル帰還信号出力をADC31のサンプリングレートに応じて設定したサンプル数SPADC毎に直列・並列変換する。FFT部323BはS/P部323Aの出力をSPADC点のFFTにより周波数領域に変換する。電力検出部323CはFFT部323Bの出力から複素乗算部151Cにおける分割帯域と対応する各分割帯域の電力PWD3,1〜PWD3,Jを検出し、補償係数決定部323Dは各分割帯域の電力PWD3,1〜PWD3,Jが最小(もしくは予め設定した目標値以下)となるように補償係数C1〜CJを決定する。決定した補償係数C1〜CJは3次歪周波数特性補償器151の複素乗算部151Cにおいて分割帯域SB1〜SBJに対応するFFT部151Bの出力に乗算される。
図24に3次歪周波数特性補償係数制御器323による3次歪周波数特性補償制御処理S80を示す。ここでは、分割帯域SBj毎に3次歪周波数特性補償係数Cjを調整するものとし、3次歪周波数特性補償係数を調整する順番j=1, …, Jは予め与えられているとする。
3次歪周波数特性補償係数Cjを調整する分割帯域SBjを指定する(S81)。以下では、分割帯域SBjが指定されたとし説明する。分割帯域SBj内における電力PWD3,jを測定し(S82)、測定した電力PWD3,jが最小(もしくは予め設定した目標値以下)になったか判定する(S83)。なっていなければ分割帯域SBjに対応する3次歪周波数特性補償係数Cjを調整し(S84)、ステップS82に戻り、電力PWD3,jが最小(又は上記目標値以下)になるまでステップS82,S83,S84を繰り返す。ステップS83にて、電力PWD3,jが最小(又は上記目標値以下)になったと判定された場合、分割された全分割帯域SBj(j=1, …,J)に対する3次歪周波数特性補償係数Cjが得られたか判定し(S85)、得られてない場合、ステップS81に戻り、以下、ステップS85で補償係数C1 〜CJが全て得られたと判定されるまでステップS81〜S85を繰返し実行する。
図24では、分割帯域SBjに対し1つずつ順番に電力PWD3,jを最小(又は上記目標値以下)にする3次歪周波数特性補償係数Cjを調整しているが、任意の複数の分割帯域(例えば、全ての分割帯域、2つの分割帯域、など)毎に並列に調整しても良い。この場合、3次歪周波数特性補償係数制御器323では、調整する複数の分割帯域の電力PWD3,jを並列に測定する。
図25Aに第4実施例における制御処理フローを示す。
相殺信号遅延制御処理S10:図4における相殺信号遅延制御処理S10と同様である。即ち,図4におけるステップS11〜S15(S16)と同様の制御処理を行い、入力送信信号中の同期用パイロット信号を使って送信信号入力時刻t1を測定し、更に帰還信号出力時刻t2と電力P2を測定し、相殺信号出力時刻t3と電力P3を測定し、それらの測定結果に基づいて遅延時間τを決定し、遅延器41に設定する。遅延制御器51は遅延器41の遅延時間τが決定されたことを3次歪ベクトル制御器321と、3次歪周波数特性補償係数制御器323と、相殺信号ベクトル制御器52に通知する。
相殺信号ベクトル制御処理S20:図4の相殺信号ベクトル制御処理S20と同様の制御処理を行い、相殺信号ベクトル調整器42のベクトル係数を調整する。
3次歪ベクトル制御処理S30:図4の3次歪ベクトル制御処理S30と同様の制御処理を行い、3次歪ベクトル調整器141のベクトル係数を調整する。このとき,図22で示した3次歪成分D3の、主波成分帯域FBMより上側の帯域(3次歪成分上側帯域)FBD3Uの電力PWD3Uと主波成分帯域FBMより下側の帯域(3次歪成分下側帯域)FBD3Lの電力PWD3Lのうちいずれか一方を3次歪成分電力PWD3の代わりとして用いてもよい。電力PWD3Uは3次歪周波数特性補償係数制御器323にて3次歪成分上側帯域FBD3Uに対応する各分割帯域内の電力の和から計算し、同様に電力PWD3Lは3次歪成分下側帯域FBD3Lに対応する各分割帯域内の電力の和から計算する。もしくは、3次歪周波数特性補償係数制御器323で測定した各分割帯域における電力PWD3,jを遅延制御器51に通知し、通知された歪成分の電力からそれぞれ電力PWD3UとPWD3Lを得てもよい。3次歪周波数特性補償器151を用いたその他全ての実施例において、制御処理S30にて観測する電力は、PWD3UとPWD3Lのうちいずれか一方としてもよい。
3次歪周波数特性補償制御処理S80:図24の3次歪周波数特性補償制御処理S80と同様の制御処理を行い、 3次歪周波数特性補償器151へ与える3次歪周波数特性補償係数を調整する。
繰返し制御処理S40:図4の繰返し制御処理S40と同様の制御処理を行い、3次歪成分電力PWD3が所定値PDth以下となるまで全体の制御処理S10,S20,S30,S80,S40を繰り返す。電力PWD3は遅延制御器51がADC31の出力から検出してもよいし、あるいは3次歪周波数特性補償制御処理S80で測定した各分割帯域における電力PWD3,jを遅延制御器51に通知し、通知された全分割帯域の歪成分の電力の和(PWD3,1+PWD3,2+…+PWD3,J)をPWD3として得てもよい。このとき、3次歪成分電力PWD3ではなく、電力PWD3UとPWD3Lと主波成分帯域FBM内の電力PWDMがそれぞれ予め設定した所定値以下となるまで全体の制御処理S10,S20,S30,S80,S40を繰り返してもよい。電力PWDMはPWD3UもしくはPWD3Lと同様の方法にて観測する。電力PWD3UとPWD3LとPWDMの所定値はそれぞれ同一であっても、異なっていてもよい。3次歪周波数特性補償器151を用いたその他全ての実施例においても同様に、制御処理S40にて、3次歪成分電力PWD3ではなく、電力PWD3UとPWD3LとPWDMがそれぞれ所定値以下になるまで繰返し処理を行ってもよい。
図25Aの制御処理フローにおいて、制御処理S10とS20を入れ替えてもよい。その場合、制御処理S10,S30は独立かつ並列に実行する。
図25Bに示すように制御処理S10,S20,S30,S80,S40をこの順に行ってもよい。図25Bの制御処理フローの場合、破線で示すように制御処理S10,S20を、所定の条件が満たされるまで繰り返してもよい。所定の条件は、例えば所定の繰返し回数でもよいし、主波成分電力が所定値以下となる条件でもよい。また、制御処理S10とS20の順番を入れ替えてもよい。
図25A及びBのいずれの制御処理フローにおいても、相殺信号ベクトル制御処理S20により帰還信号中の主波成分を抑圧することにより3次歪成分をその全帯域(主波成分帯域も含む)に渡って精度よく検出することができるので、3次歪周波数特性補償制御処理S80においてより精度の高い3次歪周波数特性補償制御が可能となる。
更に、図25Bに破線で示すように、制御処理S30,S80を、所定の条件が満たされるまで繰り返してもよい。所定の条件は、例えば所定の繰返し回数でもよいし、3次歪成分電力PWD3が所定値以下となる条件でもよく、電力PWD3UとPWD3LとPWDMがそれぞれ所定値以下となる条件でもよい。この場合、ステップS40は省略してよい。
上述では、図22を参照して3次歪成分D3の全帯域に渡ってそれぞれの分割帯域について補償を行う場合を説明したが、演算処理量を減らすために、図22で示した3次歪成分上側帯域FBD3Uと3次歪成分下側帯域FBD3Lのみを周波数特性補償の対象としてもよい。その場合、図23Bに示す3次歪周波数特性補償係数制御器323の補償係数決定部323Dは、3次歪成分上側帯域FBD3Uと下側帯域FBD3Lの各分割帯域SBjに対しては電力PWD3,jが最小(もしくは予め設定した目標値以下)となるように補償係数Cjを決めるが、主波成分帯域FBMの各分割帯域の補償係数を全て固定値、例えば1に設定する。従って、図23Aに示した3次歪周波数特性補償器151における複素乗算部151Cは、3次歪成分上側帯域FBD3U及び3次歪成分下側帯域FBD3Lの各分割帯域SBjに対応するFFT部151Bの出力に対し、補償係数Cjを乗算するが、主波成分帯域FBMに対応するFFT部151Bの出力に対し補償係数1を乗算する(即ち、そのまま出力する)。また、3次歪成分D3に対する分割は、周波数特性補償の対象である3次歪成分上側帯域FBD3Uと3次歪成分下側帯域FBD3Lに対してのみ行い、上側、下側ともそれぞれ分割数を1以上とする。
図23Bに示した3次歪周波数特性補償係数制御器323のS/P部323AとFFT部323Bを、図23Cに示すように各分割帯域SBjを通過させるJ個の帯域通過フィルタ(BPF)、又は各分割帯域SBj以外の分割帯域を阻止するJ個の帯域阻止フィルタ(BEF)により構成してもよい。
[第4実施例の第1変形例]
図21に示した第4実施例の構成に、図6で示した構成と同様のパイロット信号発生器18と、入力スイッチ17と、出力スイッチ19を追加し、独立パイロット信号を用いて各制御器の制御処理を実行してもよい。ただし、3次歪周波数特性補償係数を調整する場合、独立パイロット信号は、パルス波ではなくWCDMA信号など実際に送信する信号を用いる。
以下に示す各変形例の構成についても、パイロット信号発生器18と、入力スイッチ17と、出力スイッチ19を追加した構成としてもよい。
[第4実施例の第2変形例]
図26の構成は、図21の第4実施例において、5次歪成分を補償するため図9の構成と同様に5次歪発生器132と5次歪ベクトル調整器142とを含む5次歪発生経路PDG5と、5次歪ベクトル制御器322とを追加し、更に、5次歪発生経路PDG5における5次歪ベクトル調整器142の後段に更に5次歪周波数特性補償器152を付加し、5次歪周波数特性補償器152に与える複数の5次歪周波数特性補償係数を調整する5次歪周波数特性補償係数制御器324を追加したものである。以下、主に追加された構成と動作について説明する。
図27は5次歪発生器132により発生された5次歪成分D5の周波数帯域と、入力送信信号である主波成分MSの周波数帯域の関係を概念的に示す図である。5次歪成分D5全体の帯域幅WD5は破線で示す主波成分MSの帯域幅WMの5倍となる。5次歪周波数特性補償器152の構成は、図23Aの3次歪周波数特性補償器151と同様であり、図27に示すように5次歪成分D5の全帯域をK個(Kは2以上の整数)の分割帯域SBk(k=1,…,K)に分割する。5次歪周波数特性補償係数制御器324の構成も図23B又は23Cの3次歪周波数特性補償係数制御器323と同様である。
5次歪周波数特性補償係数制御器324による5次歪周波数特性補償制御処理S90は図28に示すように、図24に示した3次歪周波数特性補償制御処理S80と同様であり、説明を省略する。
5次歪周波数特性補償器152と5次歪周波数特性補償係数制御器324を備えた構成における全体の制御処理フローは、図29Aに示すように、図10Bに示した制御処理フローにおいて、制御処理S30とS50とS20を実施した後、3次歪周波数特性補償制御処理S80と5次歪周波数特性補償制御処理S90を順番に行う。あるいは図29Bに示すように、図11Aに示した制御処理フローにおいて、制御処理S30とS50が終了した後、制御処理S80と5次歪周波数特性補償制御処理S90を順番に行う。
制御処理S50において、図27で示した5次歪成分D5の、主波成分帯域FBMより上側の帯域(5次歪成分上側帯域)FBD5Uの電力PWD5Uと主波成分帯域FBMより下側の帯域(5次歪成分下側帯域)FBD5Lの電力PWD5Lのうちいずれか一方を5次歪成分の電力PWD5の代わりとして用いてもよい。電力PWD5Uは5次歪周波数特性補償係数制御器324にて5次歪成分上側帯域FBD5Uに対応する各分割帯域内の電力の和から計算し、同様に電力PWD5Lは5次歪成分下側帯域FBD5Lに対応する各分割帯域内の電力の和から計算することでそれぞれ得る。もしくは、5次歪周波数特性補償係数制御器324で測定した各分割帯域における電力PWD5,jを遅延制御器51に通知し、通知された電力からそれぞれ電力PWD5UとPWD5Lを得てもよい。5次歪周波数特性補償器152を用いたその他全ての実施例において、制御処理S50にて観測する電力は、PWD5UとPWD5Lのうちいずれか一方としてもよい。
制御処理S40’において、歪成分電力PWDではなく、電力PWD5UとPWD5LとPWDMがそれぞれ予め設定した所定値以下となるまで全体の制御処理S10,S20,S30,S50,S80,S90,S40’を繰り返してもよい。電力PWD5UとPWD5UとPWDMの所定値はそれぞれ同一であっても、異なっていてもよい。これは、5次歪周波数特性補償器152を用いたその他全ての実施例においても同様に適用可能である。また,電力PWD3UとPWD3Lも観測してもよく、電力PWD3UとPWD3LとPWD5UとPWD5LとPWDMがそれぞれ予め設定した所定値以下となるまで全体の制御処理S10,S20,S30,S50,S80,S90,S40’を繰り返してもよい。
図11Bに示した制御処理フローに対応する制御処理フローとしては、以下に示すいずれかの制御処理フローとなる。
[制御処理フローB’-1]
図30に示すように、図11Bにおける制御処理S50を実行した後、3次歪周波数特性補償制御処理S80と5次歪周波数特性補償制御処理S90を順番に行う。このとき、破線で示すように制御処理S80と制御処理S90を所定の条件が満たされるまで繰り返してもよい。所定の条件は、例えば所定の繰返し回数でもよいし、歪成分電力PWDが所定値以下となる条件でもよく、電力PWD5UとPWD5LとPWDMがそれぞれ所定値以下となる条件でもよく,電力PWD3UとPWD3LとPWD5UとPWD5LとPWDMがそれぞれ予め設定した所定値以下となる条件でもよい。この場合はステップS40’を省略してよい。
[制御処理フローB’-2]
図31に示すように、図11Bにおける制御処理S30が終了した後、3次歪周波数特性補償制御処理S80を行う。次に制御処理S50と5次歪周波数特性補償制御処理S90を順番に行う。このとき、破線で示すように、制御処理S30とS80を所定の条件が満たされるまで繰り返してもよい。所定の条件は、例えば所定の繰返し回数でもよいし、3次歪成分電力PWD3が所定値以下となる条件でもよい。さらに、破線で示すように制御処理S50と制御処理S90を所定の条件が満たされるまで繰り返してもよい。所定の条件は、例えば所定の繰返し回数でもよいし、歪成分電力PWDが所定値以下となる条件でもよく、電力PWD5UとPWD5LとPWDMがそれぞれ所定値以下となる条件でもよい。その場合、ステップS40’は省略してよい。
図26の構成では、図27を参照して5次歪成分D5の全帯域に渡ってそれぞれの分割帯域について補償を行う場合を説明したが、演算処理量を減らすために、図27で示したFBD5UとFBD5Lのみを周波数特性補償の対象としてもよい。5次歪成分の上側帯域FBD5Uと下側帯域FBD5Lの帯域幅は、それぞれ主波成分帯域幅WMの2倍である。図26における5次歪周波数特性補償係数制御器324において、5次歪成分上側帯域FBD5Uと下側帯域FBD5Lの各分割帯域SBkに対しては電力PWD5,kが最小(もしくは予め設定した目標値以下)となるように補償係数Ckを決めるが、主波成分帯域FBMの各分割帯域の補償係数を全て固定値1に設定する。従って、図26の5次歪周波数特性補償器152においては、5次歪成分上側帯域FBD5U及び5次歪成分下側帯域FBD5Lの各分割帯域SBkに対応する5次歪周波数特性補償器152におけるFFT部の出力に補償係数Ckを乗算するが、主波成分帯域FBMに対応する5次歪周波数特性補償器152におけるFFT部の出力に補償係数1を乗算する(即ち、そのまま出力する)。また、5次歪成分D5に対する分割は、周波数特性補償の対象である5次歪成分上側帯域FBD5Uと5次歪成分下側帯域FBD5Lに対してのみ行い,上側、下側ともそれぞれ分割数を1以上とする。
[第4実施例の第3変形例]
図21の第4実施例において、必要に応じてH次(Hは7以上の奇数)ベクトル調整器とH次周波数特性補償器を備えたH次歪発生経路と、H次歪発生経路におけるH次歪ベクトル調整器のベクトル係数を調整するH次歪ベクトル制御器とH次周波数特性補償器のH次周波数特性補償係数を調整するH次周波数特性補償係数制御器を追加してもよい。
[第4実施例の第4変形例]
図32に示すように、図21の第4実施例において、図12の構成と同様に利得調整器35と利得制御器36とDAC37を備えた構成としてもよい。制御処理フローは、図33Aに示すように、図13Bに示した制御処理フローにおいて、制御処理S20とS30を実施した後、3次歪周波数特性補償制御処理S80を行う。あるいは、図33Bに示すように、図13Cに示した制御処理フローにおいて、制御処理S30を実施した後、制御処理S80を行う。このとき、破線で示すように、制御処理S30とS80を所定の条件が満たされるまで繰り返してもよい。所定の条件は、例えば所定の繰返し回数でもよいし、3次歪成分電力PWD3が所定値以下となる条件でもよく、電力PWD3UとPWD3LとPWDMがそれぞれ所定値以下となる条件でもよい。その場合ステップS40を省略してよい。
[第4実施例の第5変形例]
図34に示すように、図21の第4実施例において、図14の構成と同様に副相殺信号発生部40Aと、副相殺信号制御部50Aと、合成器38とを備えた構成としてもよい。制御処理フローは、図35Aに示すように、図16Aに示した制御処理フローにおいて、制御処理S20,S70,S30を実施した後、3次歪周波数特性補償制御処理S80を行う。このとき、制御処理S20,S70を独立かつ並列に実行し、その後に制御処理S30を実行してもよい。あるいは図35Bに示すように、図16Bに示した制御処理フローにおいて、制御処理S30を実施した後、制御処理S80を行う。このとき、破線で示すように、制御処理S60とS70を所定の条件が満たされるまで繰返し実行してもよい。所定の条件は、例えば繰返し回数でもよいし、主波成分電力が予め設定した所定値以下となる条件でもよい。また、破線で示すように制御処理S30とS80を所定の条件が満たされるまで繰返し実行してもよい。所定の条件は、例えば繰返し回数でもよいし、3次歪成分電力PWD3が所定値以下となる条件でもよく、電力PWD3UとPWD3LとPWDMがそれぞれ所定値以下となる条件でもよい。その場合ステップS40を省略してよい。
[第4実施例の第6変形例]
図36に示すように、図21の第4実施例において、図17の構成と同様にディジタルノッチフィルタ38を備えた構成としてもよい。このとき、3次歪成分上側帯域FBD3Uと3次歪成分下側FBD3Lに対してのみ周波数特性補償の対象とする。制御処理フローは、図37Aに示すように、図18Aに示した制御処理フローにおいて、制御処理S20とS30を実施した後、3次歪周波数特性補償制御処理S80を行う。あるいは図37Bに示すように、図18Bに示した制御処理フローにおいて、制御処理S30を実施した後、制御処理S80を行う。このとき、破線で示すように、制御処理S30とS80を所定の条件が満たされるまで繰り返してもよい。所定の条件は、例えば所定の繰返し回数でもよいし、3次歪成分電力PWD3が所定値以下となる条件でもよく、電力PWD3UとPWD3Lがそれぞれ所定値以下となる条件でもよい。その場合ステップS40を省略してよい。

Claims (16)

  1. 入力送信信号に歪補償信号を合成して電力増幅器に与えることによりその電力増幅器で発生される歪成分を補償するべき級数型ディジタルプリディストータであり、
    入力送信信号を伝達する線形伝達経路と、
    上記入力送信信号の奇数次歪成分を発生する奇数次歪発生部と、上記奇数次歪成分のベクトルを調整する奇数次歪ベクトル調整部とを直列に含み、ベクトル調整された奇数次歪成分を歪補償信号として出力する奇数次歪発生経路と、
    上記線形伝達経路の出力と上記奇数次歪発生経路の出力を合成して上記べき級数型ディジタルプリディストータの出力とする第1合成器と、
    電力増幅器の出力の一部から帰還信号を生成する帰還信号経路と、
    上記帰還信号経路からの上記帰還信号をディジタル帰還信号に変換するアナログディジタル変換器と、
    上記ディジタル帰還信号中の奇数次歪成分を抑圧するように上記奇数次歪ベクトル調整部によるベクトル調整を制御する奇数次歪ベクトル制御部と、
    上記入力送信信号を処理してアナログ相殺信号を発生する相殺信号発生部と、
    上記帰還信号経路に挿入され、上記アナログ相殺信号と上記帰還信号経路の信号を合成する第2合成器と、
    上記第2合成器において上記帰還信号中の主波成分を上記相殺信号が抑圧するように上記ディジタル帰還信号に基づいて上記相殺信号発生部を制御する相殺信号制御部と、
    上記アナログディジタル変換器の入力側に挿入され、上記第2合成器の出力の利得を調整して上記アナログディジタル変換器に与える利得調整器と、
    上記アナログディジタル変換器の出力をモニタし、上記利得調整器の出力電圧が上記アナログディジタル変換器の入力最大レンジに近づくように上記利得調整器の利得を設定する利得制御器と、
    を含み、
    上記相殺信号発生部は、上記入力送信信号を設定された遅延時間だけ遅延することにより上記相殺信号に遅延を与える遅延器と、上記遅延された入力送信信号のベクトル係数(位相と振幅)を調整する相殺信号ベクトル調整器を含み、
    上記相殺信号制御部は、上記ディジタル帰還信号をモニタし、上記第1合成器を経て上記帰還信号経路にある上記第2合成器に到達する上記入力送信信号の遅延時間と、上記相殺信号発生部を経て上記第2合成器に至る入力送信信号の遅延時間が一致するように上記遅延器に設定する遅延時間を制御する遅延制御器と、上記ディジタル帰還信号中の主波成分が小さくなるよう上記相殺信号ベクトル調整器によるベクトル係数(位相と振幅)を制御する相殺信号ベクトル制御器とを含み、
    上記利得制御器による利得の設定は、上記相殺信号制御部による上記遅延時間又は上記ベクトル係数の制御の後で、且つ、上記奇数次歪ベクトル制御部によるベクトル調整制御の前に実施されるよう構成されていることを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータ。
  2. 請求項1記載のべき級数型ディジタルプリディストータにおいて、更に、
    上記奇数次歪発生経路に挿入され、与えられた補償係数に従って上記奇数次歪成分の周波数特性を補償する奇数次歪周波数特性補償器と、
    上記ディジタル帰還信号に含まれる奇数次歪成分の周波数特性を検出し、検出された周波数特性に基づいて上記奇数次歪周波数特性補償器与える補償係数を制御する奇数次歪周波数特性補償係数制御器、
    とを含むことを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータ。
  3. 請求項1又は2記載のべき級数型ディジタルプリディストータにおいて、上記入力送信信号は周期的に同期用パイロット信号を含んでおり、上記遅延制御器は、上記アナログディジタル変換器の出力中の上記相殺信号に含まれる同期用パイロット信号と上記アナログディジタル変換器の出力中の上記ディジタル帰還信号に含まれる同期用パイロット信号とを検出し、上記第1合成器を経て上記帰還信号経路にある上記第2合成器に到達する上記入力送信信号の遅延時間と、上記相殺信号発生部を経て上記第2合成器に至る入力送信信号の遅延時間が一致するように上記遅延器に設定する遅延時間を設定するように構成されていることを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータ。
  4. 請求項1乃至の何れかに記載のべき級数型ディジタルプリディストータにおいて、上記入力送信信号はI/Q信号であり、上記相殺信号生成部は更に上記相殺信号ベクトル調整器の出力を上記アナログ相殺信号に変換する第2ディジタルアナログ変換器を含み、上記帰還信号経路は電力増幅器出力の一部を周波数ダウンコンバートする周波数ダウンコンバータと、ダウンコンバートされた信号を直交復調して復調I/Q信号を上記帰還信号として生成する直交復調器と、上記直交復調器からの上記帰還信号に上記相殺信号を合成する上記第2合成器とを含むことを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータ。
  5. 請求項1乃至4に記載のべき級数型ディジタルプリディストータにおいて、上記遅延制御部は、上記ディジタル帰還信号中の上記奇数次歪成分の電力を測定し、測定された上記奇数次歪成分の電力が予め決めた所定値以下になっていなければ、上記遅延制御部による遅延時間の制御と、上記利得制御器による利得の設定と、上記相殺信号ベクトル制御器によるベクトル係数の制御と、上記奇数次歪ベクトル制御部によるベクトル調整と、を繰り返すように構成されていることを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータ。
  6. 入力送信信号に歪補償信号を合成して電力増幅器に与えることによりその電力増幅器で発生される歪成分を補償するべき級数型ディジタルプリディストータであり、
    入力送信信号を伝達する線形伝達経路と、
    上記入力送信信号の奇数次歪成分を発生する奇数次歪発生部と、上記奇数次歪成分のベクトルを調整する奇数次歪ベクトル調整部とを直列に含み、ベクトル調整された奇数次歪成分を歪補償信号として出力する奇数次歪発生経路と、
    上記線形伝達経路の出力と上記奇数次歪発生経路の出力を合成して上記べき級数型ディジタルプリディストータの出力とする第1合成器と、
    電力増幅器の出力の一部から帰還信号を生成する帰還信号経路と、
    上記帰還信号経路からの上記帰還信号をディジタル帰還信号に変換するアナログディジタル変換器と、
    上記ディジタル帰還信号中の奇数次歪成分を抑圧するように上記奇数次歪ベクトル調整部によるベクトル調整を制御する奇数次歪ベクトル制御部と、
    上記入力送信信号を処理してアナログ相殺信号を発生する相殺信号発生部と、
    上記帰還信号経路に挿入され、上記アナログ相殺信号と上記帰還信号経路の信号を合成する第2合成器と、
    上記第2合成器において上記帰還信号中の主波成分を上記相殺信号が抑圧するように上記ディジタル帰還信号に基づいて上記相殺信号発生部を制御する相殺信号制御部と、
    上記入力送信信号を処理して副相殺信号を発生する副相殺信号発生部と、
    上記アナログディジタル変換器の出力側に挿入され、上記アナログディジタル変換器の出力に上記副相殺信号を合成する第3合成器と、
    上記第3合成器の出力をモニタし、上記第3合成器において上記副相殺信号が上記ディジタル帰還信号中の残留主波成分を抑圧するように上記副相殺信号発生部を制御する副相殺信号制御部と、
    を含むことを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータ。
  7. 請求項に記載のべき級数型ディジタルプリディストータにおいて、上記副相殺信号発生部は、上記入力送信信号を設定された第2遅延時間だけ遅延させる第2遅延器と、上記第2遅延器の出力のベクトルを調整して上記副相殺信号として出力する副相殺信号ベクトル調整器とを含み、上記副相殺信号制御部は、上記第3合成器の出力中の主波成分が最小又は予め決めた第2目標値以下となるよう上記第2遅延器の第2遅延時間を設定する副相殺信号遅延器と、上記第3合成器の出力中の主波成分が最小又は上記第2目標値以下となるよう上記副相殺信号ベクトル調整器に対するベクトル係数(振幅と位相)を設定する副相殺信号ベクトル制御器とを含むことを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータ。
  8. 請求項1乃至の何れかに記載のべき級数型ディジタルプリディストータにおいて、更に、上記アナログディジタル変換器の出力側に挿入され、上記アナログディジタル変換器の出力中の主波成分を抑圧するディジタルノッチフィルタを含むことを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータ。
  9. 請求項記載のべき級数型ディジタルプリディストータの制御方法であり、
    上記ディジタル帰還信号中の主波成分が最小又は予め決めた目標値以下となるように上記遅延器の遅延時間を設定する相殺信号遅延制御処理と、
    上記ディジタル帰還信号中の主波成分が最小又は上記目標値以下となるよう上記相殺信号ベクトル調整器に対するベクトル係数を設定する相殺信号ベクトル制御処理と、
    上記ディジタル帰還信号中の歪成分が最小又は上記目標値以下となるよう上記奇数次歪ベクトル調整部に対するベクトル係数を設定する奇数次歪ベクトル制御処理と、
    上記相殺信号遅延制御処理又は上記相殺信号ベクトル制御処理の後で、且つ、上記奇数次歪ベクトル制御処理の前に、上記利得調整器の出力電圧が上記アナログディジタル変換器の入力最大レンジに近づくように上記利得調整器の利得を設定する利得制御処理と、
    を含むことを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータの制御方法。
  10. 請求項記載の制御方法において、更に、
    上記ディジタル帰還信号に含まれる奇数次歪成分の周波数特性を検出し、検出された周波数特性に基づいて補償係数を制御する奇数次歪周波数特性補償制御処理と、
    上記補償係数に従って上記奇数次歪成分の周波数特性を補償する奇数次歪周波数特性補償処理、
    とを含むことを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータの制御方法。
  11. 請求項又は10に記載の制御方法において、上記利得制御処理の終了後に上記相殺信号ベクトル制御処理と上記奇数次歪ベクトル制御処理を独立かつ並列に実行することを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータの制御方法。
  12. 請求項又は10に記載の制御方法において、上記相殺信号遅延制御処理の終了後に上記相殺信号ベクトル制御処理を実行し、上記利得制御処理の終了後に上記奇数次歪ベクトル制御処理を実行することを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータの制御方法。
  13. 請求項9乃至12の何れかに記載の制御方法において、上記遅延制御部は、上記ディジタル帰還信号中の上記奇数次歪成分の電力を測定し、測定された上記奇数次歪成分の電力が予め決めた所定値以下になっていなければ、上記相殺信号遅延制御処理と、上記利得制御処理と、上記相殺信号ベクトル制御処理と、上記奇数次歪ベクトル制御処理と、を繰り返すことを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータの制御方法。
  14. 請求項に記載のべき級数型ディジタルプリディストータの制御方法であり、上記副相殺信号発生部は、上記入力送信信号を設定された第2遅延時間だけ遅延させる第2遅延器と、上記第2遅延器の出力のベクトルを調整して副相殺信号として出力する副相殺信号ベクトル調整器と、を含み、
    上記制御方法は、
    上記ディジタル帰還信号中の主波成分が最小又は予め決めた目標値以下となるように上記遅延器の遅延時間を設定する相殺信号遅延制御処理と、
    上記ディジタル帰還信号中の主波成分が最小又は上記目標値以下となるよう上記相殺信号ベクトル調整器に対するベクトル係数を設定する相殺信号ベクトル制御処理と、
    上記ディジタル帰還信号中の歪成分が最小又は上記目標値以下となるよう上記奇数次歪ベクトル調整部に対するベクトル係数を設定する奇数次歪ベクトル制御処理と、
    上記第3合成器の出力中の主波成分が最小又は予め決めた第2目標値以下となるよう上記第2遅延時間を設定する副相殺信号遅延制御処理と、
    上記第3合成器の出力中の主波成分が最小又は上記第2目標値以下となるよう上記副相殺信号ベクトル調整器に対するベクトル係数を設定する副相殺信号ベクトル制御処理と、
    を含むことを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータの制御方法。
  15. 請求項14記載の制御方法において、上記相殺信号遅延制御処理の終了後に上記副相殺信号遅延制御処理を実行し、上記副相殺信号遅延制御処理の終了後に上記相殺信号ベクトル制御処理と上記副相殺信号ベクトル制御処理と上記奇数次歪ベクトル制御処理を独立かつ並列に実行することを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータの制御方法。
  16. 請求項14記載の制御方法において、上記相殺信号遅延制御処理と、上記副相殺信号遅延制御処理と、上記相殺信号ベクトル制御処理と、上記副相殺信号ベクトル制御処理と、上記奇数次歪ベクトル制御処理を、この順に各制御処理を終了後に次の制御処理を実行することを特徴とするべき級数型ディジタルプリディストータの制御方法。
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