本明細書及び図面には、少なくとも次の事項が開示されている。
先ず、高吸収性樹脂を有する吸収体素材を備えた吸収性物品であって、前記吸収体素材において、前記吸収性物品の長手方向に沿った方向の端部では、当該方向の中央部より、前記高吸収性樹脂の体積占有率が高くなっている吸収性物品。
かかる吸収性物品の吸湿能力については、高吸収性樹脂の体積占有率がより高い前記端部の方が、前記中央部よりも高くなる。つまり、吸収性物品の着用者の身体のうち、前記端部と当接する部分(すなわち、腹部及び臀部)の周囲では、より多くの湿気が吸収されることになる。この結果、着用者に蒸れによる不快感を与えることを抑制することが可能になる。ここで、高吸収性樹脂の体積占有率とは、吸収体素材の前記吸収性物品の長手方向に沿った方向における各端部(中央部)の体積に対する、当該各端部(中央部)に配置された高吸収性樹脂の総体積の割合を意味している。
また、前記吸収体素材は集積された吸収性繊維と前記高吸収性樹脂とを有し、前記吸収体素材には、前記高吸収性樹脂が密集した点在部、が備えられていることとしてもよい。かかる吸収性物品では、高吸収性樹脂が密集している領域(点在部)が点在しているため、吸収性物品に吸収された水分が吸収体素材内を拡散し易くなる。この結果、吸収性物品が水分を吸収した後にも、該吸収性物品の吸収能力が維持されることとなる。
また、前記端部に位置する前記点在部の、該端部に対する体積占有率は、前記中央部に位置する前記点在部の、該中央部に対する体積占有率より高くなっていてもよい。
また、前記点在部内には、前記吸収性繊維と前記高吸収性樹脂とが混在しており、前記点在部における前記吸収性繊維の密集状態が該点在部の周りにおける該密集状態より疎であり、前記点在部における前記高吸収性樹脂の体積占有率が該点在部の周りにおける該体積占有率より高いこととしてもよい。あるいは、前記点在部内に、前記高吸収性樹脂が密集する密集層と、上下方向において前記密集層と隣接する空間層と、が形成されていることとしてもよい。かかる吸収性物品では、点在部内の高吸収性樹脂が吸湿して膨潤しても、当該高吸収性樹脂の膨潤に伴って点在部が盛り上がること、を抑制することが可能になる。この結果、吸収性物品が部分的に隆起して着用者に異物感を与えること、を抑制することが可能になる。
また、前記端部と前記中央部との境界は、前記吸収性物品が包装用に折り畳まれた際に形成される前記吸収性物品の折り目、に位置していることとしてもよい。さらに、前記点在部の中に、前記折り目上にある点在部が存在することとしてもよい。点在部が該点在部の周りより低剛性であるため、当該構成の吸収性物品では、前記折り目が形成されるように折り曲げることが容易になる。この結果、前記吸収性物品を包装用に容易に折り畳むことが可能になる。
また、前記吸収体素材を被覆するための被覆部材が備えられていることとしてもよい。かかる吸収性物品では、前記点在部内に密集した高吸収性樹脂を点在部外へ流出することが防止される。
また、前記吸収性物品の厚み方向の一端面側に位置する液透過性の表面シートと、前記厚み方向の他端面側に位置する液不透過性の裏面シートと、が備えられ、前記吸収体素材は、前記厚み方向において前記表面シートと前記裏面シートとの間に介在し、前記点在部内の前記高吸収性樹脂が前記厚み方向において前記表面シートが位置する側に密集していることとしてもよい。かかる吸収性物品では、高吸収性樹脂が着用者の肌面側に密集しているため、吸収性物品に吸収された水分が、前記高吸収性樹脂に捕集され易くなる。この結果、着用者の腹部及び臀部の周囲における蒸れを抑制する効果が向上する。
===本実施の形態に係る吸収性物品について===
<<吸収性物品の全体構造>>
先ず、本実施形態の吸収性物品の一例として、生理用ナプキン(以下、吸収性物品1)を例に挙げ、該吸収性物品1の構成例について図1を用いて説明する。図1は、吸収性物品1の模式平面図である。図1には、矢印にて吸収性物品1の長手方向と幅方向とが示されている。以下の説明では、吸収性物品1の厚み方向に位置する表面のうち、当該吸収性物品1の着用者の身体に接触する面を肌面と、下着に接触する面を反対面とする。また、吸収性物品1の長手方向において、着用時に着用者の前側(腹部側)に位置する端を前端、後側(臀部側)に位置する端を後端とする。なお、図1は、吸収性物品1の肌面側を示している。
吸収性物品1は、図1に示すように、所定方向に長く、略瓢箪型の外形形状をなしている。この吸収性物品1は、経血や汗等の水分を吸収するための略長方形状をなす吸収体10と、吸収体10の肌面側の表面を覆う液体透過性の表面シート20と、吸収体10の肌面側にて該吸収体10の幅方向両端側に配置されたサイドシート25と、吸収体10の反対面側に設けられた裏面シート30と、を有している。
このような構成の吸収性物品1は、該吸収性物品1の長手方向の前端部から後端部に至る部分が、着用者の身体のうち、腹部から臀部に至る部分と当接するように装着される。また、吸収性物品1は、製品包装時に所定の折線位置(図1中、二点鎖線にて示す)にて折り畳まれる。具体的に説明すると、本実施形態の吸収性物品1には折線位置が二箇所存在する。そして、該折線位置にて折り畳むと、吸収性物品は三つ折りの状態となり、前記折線位置に吸収性物品1の幅方向に沿った折り目が形成される。また、本実施形態では、当該折り目が、吸収性物品1の長手方向において前端部、中央部、及び、後端部を区分する境界線となる。つまり、吸収性物品1の長手方向において、前端側の折線位置よりも前端側にある部分が前端部となり、後端側の折線位置よりも後端側にある部分が後端部となり、二箇所の折線位置の間にある部分が中央部となる。これにより、吸収性物品1が装着されると、前記中央部は着用者の股間部(着用者の経血排泄口の周辺部位)に、前記前端部は股間部の一端部から腹部に、前記後端部は股間部の他端部から臀部に、それぞれ当接するようになる。
吸収体10は、図1に示すように、吸収性物品1の幅方向中央部に取り付けられており、吸収体10の長手方向と吸収性物品1の長手方向とは互いに沿っている。また、吸収体10の長手方向中央の位置であり、かつ、幅方向中央に位置した部分には、肌面側に膨らんだ膨らみ部10aが形成されている。膨らみ部10aは、長円状に形成されており、着用者が吸収性物品1を着用した際に着用者の股間部の形状に適合して当該股間部と表面シート20を介して密着する。一方、吸収性物品1のうち、吸収体10が存在する領域の長手方向端部は、着用者の腹部もしくは臀部に当接する。すなわち、吸収体10の長手方向における長さは、吸収性物品1中の、吸収体10の長手方向両端部が存在する領域が、着用者の腹部及び臀部に当接するだけの長さ、となっている。
また、本実施形態に係る吸収体10は、例えばティッシュペーパー等の薄葉紙11及び吸収体素材12から構成される。吸収体素材12は、表面シート20側から吸収体10側に浸透してきた液体を吸収保持する機能を備えており、吸収体10と略同一の外形形状を有している。薄葉紙11は『被覆部材』の一例であり、前記吸収体素材12を包み込むように被覆するシートである。また、薄葉紙11と、該薄葉紙11に被覆された吸収体素材12とを一体化するために、吸収体10の所定の部分が圧搾され、当該部分にエンボス(以下、吸収体エンボスとも言う)が形成されている。なお、吸収体10の詳細については後述する。
表面シート20は、液透過性を有するシート部材である。この表面シート20は、パルプやコットン等の天然繊維、レーヨン等のセルロース繊維、又は、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性疎水性繊維により形成された織布や不織布や有孔プラスチックシート等によって形成されている。また、前記表面シート20は、吸収性物品1の肌面(すなわち、吸収性物品1の厚み方向の一端面)側にて、該吸収性物品1の幅方向中央部に備えられ、幅方向において吸収体10よりわずかに広い幅と、長手方向において裏面シート30と略同じ長さとを有しており、吸収体10の表面を全域に亘って覆っている。
裏面シート30は、液不透過性を有するシート部材である。この裏面シート30は、ポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂からなるフィルムシートによって形成されている。そして、前記裏面シート30は、吸収性物品1の反対面(すなわち、吸収性物品1の厚み方向の他端面)側にて、吸収体10より十分に広く形成されており、その外縁部は全周において吸収体10の外縁部より外側に位置している。また、幅方向における両側には、幅方向外側に延出された保持部32が形成されている。保持部32は、吸収性物品1の着用時、反対面側に折り返された状態で下着に固定される。また、本実施形態に係る裏面シート30は、ポリエチレンやポリプロピレン等の熱可塑性繊維から形成された液不透過性のシートであるが、熱可塑性かつ液不透過性のシートを含み、薄葉紙や不織布等が積層されたシート部材が用いられることとしてもよい。なお、裏面シート30の反対面側に位置する表面のうち、肌面側で吸収体10が存在する領域、及び、保持部32が存在する領域には、接着剤35を介して剥離シート34が備えられている(図7、図8参照)。この剥離シート34には剥離剤が塗布されており、接着剤35から当該剥離シートを容易に剥がすことが可能である。そして、吸収性物品1の着用時には、剥離シート34が剥がされた状態で、裏面シート30の反対側の表面(より正確には、前述した肌面側で吸収体10が存在する領域)が、該裏面シート30と下着との間に介在された接着剤35によって当該下着の内側に接着される。さらに、保持部32が外側に折り返されて、裏面シート30の反対側の表面(より正確には、前述した保持部32が存在する領域)が前記接着剤35によって下着の外面に接着される。裏面シート30が下着に接着されると、吸収性物品1は位置決めされ、前記下着に保持される。
サイドシート25は、前記表面シート20の一部(より正確には、表面シート20の幅方向両端部)と重なったシートであり、吸収性物品1の肌面側にて、該吸収性物品1の幅方向端部に備えられている。このサイドシート25は、合成樹脂繊維で形成されたエアスルー不織布やスポンバンド不織布、スパンボンド−メルトブローン−スパンボンド層からなる不織布等の適宜な不織布によって形成されている。
以上のように構成された吸収性物品1では、吸収体10の肌面と表面シート20とは、ホットメルト系接着剤によって接合され、高温の押圧部材を用いて厚み方向に押圧する深溝エンボス加工によって形成された深溝部20aにより、さらに強固に接合されている。本実施形態に係る深溝部20aは、図1に示すように、前記膨らみ部10aを取り囲んだ部分、及び、当該膨らみ部10aの両側にて吸収性物品1の長手方向の前端部から後端部まで伸びた部分、から構成されている。さらに、深溝部20a内には、該深溝部20aに沿って、互いに溝深さが異なる浅底部と深底部とが交互に配置されている。このような深溝部20aが形成されることにより、吸収性物品1の長手方向中央部を屈曲させた際、該吸収性物品1の長手方向両端部も中央部に追従して屈曲し易くなっている。すなわち、深溝部20aは、吸収性物品1の着用時に前述の膨らみ部10aに相当する部分を身体に沿って密着させるために、立体的な屈曲を促す屈曲誘発部(所謂ヒンジ部)となっている。さらに、深溝部20aは、該深溝部20a内に経血等が流入した場合に、高密度に圧搾された部位(すなわち、深底部)への浸透を促して経血等の拡散を抑える機能も備えている。なお、本実施形態においては、深溝部20a内に浅底部と深底部とが交互に配置されていることとしたが、これに限定されず、例えば、深溝部20a内において溝深さが均一であってもよい。
さらに、吸収体10及び表面シート20の各反対面側には、裏面シート30がホットメルト系接着剤にて接合されている。また、吸収体10の肌面側には該吸収体10の両側部にそれぞれわずかに重なる位置から裏面シート30上にかけて、サイドシート25がホットメルト系接着剤にて接合されている。そして、裏面シート30、吸収体10、表面シート20、及び、サイドシート25が重なる位置には、低温に加熱された押圧部材によるエンボス加工が施されており、吸収体10、表面シート20、サイドシート25、及び、裏面シート30がさらに強固に接合されている。さらに、吸収性物品1の外縁部が低い温度にて熱溶着するラウンドシール加工が施されている。以上のように、エンボス加工やホットメルト系接着剤等によって、吸収体10、表面シート20、サイドシート25、及び、裏面シート30が接合している。この結果、吸収体10は、表面シート20とサイドシート25と裏面シート30とによって形成される空間内に内封されることとなる(換言すると、吸収体10は表面シート20と裏面シート30との間に介在する)。
<<吸収体の構造>>
次に、本実施形態の吸収体10の構造について、既述の図1と、図2及び図3とを用いて説明する。図2は、吸収体10の模式平面図であり、該吸収体10の肌面側を示している。図3は、点在部13の断面構造を示す図であり、図2のA−A’断面を示している。また、図2中、矢印にて吸収体10の長手方向と幅方向とが示されている。図3には、矢印にて上下方向、すなわち、吸収体10の厚み方向が示されている。
吸収体10は、略シート状の部材であり、前述したように、薄葉紙11と吸収体素材12とによって構成されている。
吸収体素材12は、吸収体10と略同様の外形寸法を有し、該吸収体素材12の長手方向及び幅方向が、各々、吸収性物品1の長手方向及び幅方向に沿った状態で、該吸収性物品1内に取り付けられている。このため、吸収体素材12の長手方向における長さも、吸収性物品1中の、吸収体素材12の長手方向両端部が存在する領域が、着用者の腹部及び臀部に当接するだけの長さ、となっている。また、吸収体素材12の長手方向中央に位置し、かつ、幅方向中央に位置する部分は、吸収体10の膨らみ部10aに相当する部分であり、他の部分より肉厚な肉厚部14aが形成されている。さらに、前述した吸収性物品1が包装用に折り畳まれる際に形成される折り目は、前記吸収体10の長手方向の中央部及び端部を区分する境界でもある。換言すると、前記折り目は、吸収体素材12の長手方向の中央部及び端部を区分する境界でもある。したがって、吸収体素材12中、吸収性物品1の折線位置に相当する位置(図2中、二点鎖線にて示す)は、該吸収体素材12の長手方向において、中央部と端部とを区分する位置となる。
この吸収体素材12は、『吸収性繊維』の一例としてのパルプ繊維(繊維状に粉砕されたパルプ)と、『高吸収性樹脂』の一例としての粒状の高吸収性ポリマー(以下、SAPと省略標記する)と、によって構成される。パルプ繊維はシート状に集積されており、SAPは吸収体素材12中に部分的に密集している。このような吸収体素材12を備えた吸収性物品1では、該吸収性物品1の肌面側にある水分が、前記吸収体素材12内にて集積しているパルプ繊維によって吸い取られて、前記吸収体素材12の内部へ浸透する。吸収体素材12の内部に浸入した水分は、該吸収体素材12内にて拡散し、最終的に該吸収体素材12中に部分的に密集しているSAPによって捕集される。なお、SAPは、水分を捕集すると膨潤する性質を有し、吸湿性に優れた材料である。また、吸収体素材12中には、パルプ繊維以外に、コットン等のセルロース、レーヨンやフィブリルレーヨン等の再生セルロース、アセテートやトリアセテート等の半合成セルロース、繊維状ポリマー、熱可塑性疎水性化学繊維などが含まれていることとしてもよい。
薄葉紙11は、液体透過性を有し、かつ、SAPの粒径より目の細かなシートであり、薄葉紙11の外側にSAPが漏れることを防止する機能を有している。さらに、前記薄葉紙11は、集積されたパルプ繊維が薄葉紙11の外側に脱落することを防止する機能も有している。なお、『被覆部材』はティッシュ等の薄葉紙11に限定されるものではなく、コットン等のセルロース、レーヨンやフィブリルレーヨン等の再生セルロース、アセテートやトリアセテート等の半合成セルロース、繊維状ポリマー、熱可塑性疎水性化学繊維等から形成された織布又は不織布が用いられることとしてもよい。
以下、本実施形態の吸収体素材12の構成について、図2及び図3を参照しながら具体的に説明する。図2に示すように、吸収体素材12は、点在した点在部13と、該点在部13の周りにて連続する連続部14とを有している。点在部13はSAPが密集した領域であり、吸収体素材12の長手方向及び幅方向によって規定される平面において長円状に形成されている。また、本実施形態に係る点在部13には、図3に示すように、SAP(図3等において、記号Sと標記)とパルプ繊維(図3等において、記号Pと標記)とが混在している。そして、図2に示すように、吸収体素材12の長手方向において、一部の点在部13が中央部と後端部とに跨って存在しているものの、略全ての点在部13が前記長手方向の端部に位置している。換言すると、吸収体素材12の長手方向端部に位置する点在部13の、該長手方向端部に対する体積占有率が、長手方向中央部に位置する点在部13の、該長手方向中央部に対する体積占有率よりも高くなっている。また、本実施の形態では、図2に示すように、前端部と後端部とでは、後端部の方が、点在部13の体積占有率が高くなっている。一方、連続部14には、パルプ繊維が略均一に密集している。また、前述した吸収体エンボスが、吸収体10中、各点在部13の外縁周りに相当する部分(以下、包囲部10b)に形成されている。
本実施形態に係る点在部13について更に詳細に説明する。点在部13におけるパルプ繊維の密集状態は、連続部14における該密集状態より疎となっている。ここで、点在部13及び連続部14には同じパルプ繊維が密集しているため、パルプ繊維の密集状態とは、単位体積あたりに含まれたパルプ繊維の重量(以下、パルプ密度と言う)を意味している。また、本実施形態では、吸収体素材12の厚み方向において点在部13及び連続部14における各パルプ密度が略均一になっているため、パルプ繊維の密集状態は、吸収体素材12の長手方向及び幅方向によって規定される平面において単位面積あたりに含まれるパルプ繊維の重量(以下、目付)として表される。したがって、点在部13におけるパルプ繊維の目付は、連続部14における該目付より低くなっている。また、前記包囲部10bには吸収体エンボスが形成されるため、当該包囲部10bは圧搾された状態となる。換言すると、吸収体エンボスが各点在部13に相当する位置を避けて形成されるため、当該各点在部13は、図3に示すように、吸収体素材12中の包囲部10bに相当する部分より肉厚になる。このように構成された点在部13については、パルプ繊維の密集状態に由来する剛性が連続部14より低く、クッション性もより高くなっている。このため、吸収性物品1が着用されたとき、前記点在部13に相当する部分は、着用者の肌に対して柔らかな触感を与えることとなる。
さらに、図2に示すように、点在部13の中には、包装用に吸収性物品1を折り畳む際の折線位置(具体的には、後端側の折線位置)に相当する箇所にある点在部13が存在する。換言すると、前記吸収性物品1の折り目と重なる点在部13が存在する。このように、より低剛性な点在部13が折り目に重なるため、吸収性物品1の折り畳みを容易に行うことが可能である。また、折り目と重なる点在部13の長手方向(すなわち、長円状の点在部13の長径方向)が該折り目に沿っているため、吸収性物品1の折り畳みがより一層容易に行われる。
一方、点在部13にはSAPが密集しているため、点在部13におけるSAPの体積占有率は、該点在部13の周り(すなわち、連続部14)における該体積占有率より高くなっている。また、前述したように、略全ての点在部13が吸収体素材12の長手方向端部に点在し、吸収体素材12の長手方向端部に位置する点在部13の、該長手方向端部に対する体積占有率が、長手方向中央部に位置する点在部13の、該長手方向中央部に対する体積占有率より高くなっている。なお、本実施の形態に係る吸収体素材12内では、SAPが主に点在部13に配置されており、各点在部13におけるSAPの体積占有率(すなわち、各点在部13内のSAPの充填率)が点在部13間で略一定になっている。このため、前記長手方向端部では、SAPの体積占有率が前記長手方向中央部より高いこととなる。つまり、吸収体素材12の長手方向端部の体積に対する、SAPが占有する空間の割合が、長手方向端部の体積に対する当該空間の割合より高くなっている。なお、図3に示すように、各点在部13内において、SAPは肌面側(換言すると、表面シート20が位置する側)に偏って密集している。
また、本実施形態において、各点在部13におけるパルプ繊維の目付とSAPの体積占有率とは、点在部間において略同様である。
<<吸収性物品の製造方法について>>
次に、本実施形態の吸収性物品1の製造方法について図4を用いて説明する。図4は、吸収性物品1の製造フローを示す図である。吸収性物品1の製造方法は、吸収体10を製造する吸収体製造ステップS100と、該吸収体製造ステップS100により製造された吸収体10、表面シート20、サイドシート25、及び、裏面シート30を用いて吸収性物品1を製造するメイン製造ステップS200と、吸収性物品1を包装可能な状態とする包装前処理ステップS300と、吸収性物品1を包装する包装ステップS400とを有している。また、本実施形態では、吸収性物品1の各材料及び製造物がコンベア等の搬送装置によって搬送されながら、上記の各ステップが実行される。以下、吸収性物品1の製造フローのうち、吸収体製造ステップS100について説明する。
<吸収体製造ステップ>
吸収体製造ステップS100について図5を用いて説明する。図5は、吸収体製造ステップS100についての説明図であり、吸収体製造ステップS100のフローチャート(左図)と、製造されていく吸収体10のイメージ(右図)とが示されている。なお、図5の右図には、吸収体10の材料や製造過程の吸収体10がコンベア等の搬送装置に載置されて移動していく様子が模式的に示されている。
吸収体製造ステップS100は、吸収体素材の基材15を取得するステップS102から始まる。基材15は、型枠内にパルプ繊維を積層させる等の工程を行うことによって取得される。また、図5に示すように、吸収体素材の基材15のうち、前述した点在部13が形成される部分に長円状の穴部15aが設けられている。つまり、略全ての穴部15aが、基材15の長手方向端部に点在している。なお、本実施形態に係る穴部15aは、基材15の厚み方向の一端から他端まで貫通している。
上記の基材15が取得されると、該基材15が搬送装置により所定の搬送方向へ搬送される。このとき、搬送装置に設けられた基材15を載置するための面(以下、載置面)の上に、連続した帯状の薄葉紙11が予め供給されている。そして、前記基材15は薄葉紙11上に載せられた状態で、該薄葉紙11と共に前記搬送方向へ搬送される。なお、基材15の厚み方向における表面のうち、吸収性物品1として完成した時点で肌面側に来る表面が下方(搬送装置側)を向いた状態で搬送される。さらに、本実施形態に係る搬送装置には吸引機構が設けられており、当該吸引機構の吸引力により、前記基材15と薄葉紙11とは搬送装置側に引き付けられながら搬送される。
次に、搬送状態にある基材15に対して、該基材15に設けられた穴部15a内にSAP及びパルプ繊維を供給する(S104)。本実施形態において、SAPは、不図示のSAP供給機構によって基材15の上方から供給される。このとき、前述したように、基材15が前記吸引機構によって搬送装置側に引き付けられている。そして、前記穴部15aにおける吸引抵抗が、基材15の穴部以外の部分における吸引抵抗より十分に小さいため、前記SAP供給機構から供給されたSAPが穴部15a内に吸い込まれるようになる。つまり、SAPは穴部15aに集中的に供給され、該穴部15a内において密集するようになる。この結果、穴部15aにおけるSAPの体積占有率が、基材15の穴部15a以外の部分におけるSAPの体積占有率よりも高くなるように、SAPの供給が行われる。また、本実施形態では、各穴部15aにおけるSAPの充填率が穴部15a間で等しくなるように、前記各穴部15aに供給されるSAPの量が調整されている。
また、本実施形態では、前記吸引機構の吸引力によってSAPを各穴部15a内に供給すると共に、当該吸引力を利用して、基材15中の、各前記穴部15aと隣接した部分(以下、隣接部)から、集積されたパルプ繊維の一部を脱離させ、脱離したパルプ繊維を前記穴部15aに供給して該穴部15a内に集積させる。このため、前記隣接部からパルプ繊維を脱離させ当該パルプ繊維を穴部15a内に供給するように、前記吸引装置の吸引圧が調整されている。この結果、各穴部15a内においてパルプ繊維とSAPとが混在し、最終的に基材15から吸収体素材12が形成される。つまり、穴部15aに前述した点在部13が形成され、前記基材15の穴部15a以外の部分が連続部14となる。なお、前記吸引機構の吸引圧を調整することにより、パルプ繊維の脱離量も調整可能である。本実施形態では、穴部15aに点在部13が形成された際に該点在部13におけるパルプ繊維の目付が連続部14における目付より低くなるように、前記脱離量が調整されている。さらに、脱離したパルプ繊維とSAPとを穴部15a内で混在させる際、SAPが前記点在部13の下方側(すなわち、肌面側)に密集するように前記吸引力が調整される。
吸収体素材12が形成されると、図5に示すように、該吸収体素材12と搬送装置との間に介在した薄葉紙11が該吸収体素材12を包み込むように屈曲して該吸収体素材12を被覆する(S108)。その後、薄葉紙11と吸収体素材12とを一体化するために、該薄葉紙11に被覆された状態の吸収体素材12における所定の部分を圧搾して、当該所定の部分に吸収体エンボスを形成する吸収体エンボス加工を施す(S110)。本実施の形態において、所定の部分とは、前述したように、連続部14であって各点在部13を包囲した包囲部10bに相当する部分である。吸収体エンボス加工は、上下に相対向する2つのローラ(不図示)間を通過することにより実行される。例えば、下側のローラには、吸収体素材12が搬送された際に吸収体エンボスを形成させる領域(すなわち、包囲部10bに相当する領域)に当接する部位に、所定形状の突起が形成されており、対向する上側のローラの表面は平坦に形成されている。薄葉紙11に包まれた吸収体素材12が、上記2つのローラ間を通過することにより、前記突起が薄葉紙11と吸収体素材12とを共に圧搾する。薄葉紙11と吸収体素材12とは突起により圧搾されて複数の吸収体エンボスが形成されることにより一体化される。また、本実施の形態では、包囲部10bに相当する領域に吸収体エンボスが形成されるため、図3に示すように、包囲部10bに相当する領域内に集積しているパルプ繊維が圧縮される。
===本実施形態の吸収性物品の有効性について===
本実施形態の吸収性物品1は、SAPを有する吸収体素材12を備えた吸収性物品1であって、前記吸収体素材12において、前記吸収性物品1の長手方向に沿った方向(すなわち、吸収体素材12の長手方向)の端部では、当該方向の中央部より、SAPの体積占有率が高くなっている。このような吸収性物品1であれば、該吸収性物品1の着用者に蒸れによる不快感を与えることを抑制することが可能になる。
すなわち、発明が解決しようとする課題の項で説明したように、着用者の身体のうち、着用者の腹部及び臀部の周囲は、発汗等によって湿度が高くなり、蒸れ易い部位である。このため、吸収性物品のうち、腹部及び臀部と当接する部分には、より高い吸湿能力が求められる。したがって、腹部及び臀部の周囲に吸収性物品が当接していても、前記腹部及び前記臀部の周囲に発生した湿気が前記吸収性物品によって適切に吸収されないと、前記腹部及び前記臀部の周囲が蒸れて、着用者に不快感を与えることになる。
かかる課題に対し、本実施形態の吸収性物品1では、SAPが密集した点在部13の体積占有率が、吸収体素材12の長手方向中央部より長手方向端部にて高くなっている。このことにより、前記長手方向端部におけるSAPの体積占有率が、前記長手方向中央部におけるSAPの体積占有率より高くなっている。つまり、前記長手方向端部には、吸湿性に優れた前記SAPが、前記長手方向中央部より多く配置されていることになる。このため、吸収性物品1のうち、着用者の腹部及び臀部と当接する長手方向端部側の吸湿力は、長手方向中央部側の吸湿力よりも高くなる。このような吸収性物品1であれば、より蒸れ易い前記腹部及び前記臀部の周囲から、湿気をより多く吸収させることが可能となる。この結果、着用者に蒸れに起因する不快感を与えることが抑制される。特に、腹部と臀部とでは、臀部の方がより蒸れ易いため、吸収体素材12中、当該臀部と当接する側にある後端部については、点在部13の体積占有率が前端部よりも高くなっている。
また、本実施形態では、点在部13内に連続部14より目付が少ないパルプ繊維が集積しているため、該点在部13が適切な通気性を確保するようになる。そして、略全ての点在部13が前記長手方向端部に位置しているため、吸収性物品1の長手方向端部における通気性も、長手方向中央部における通気性より高くなる。つまり、吸収性物品1の長手方向端部は、腹部及び臀部の周辺から発生した湿気をより多く吸湿すると共に、該腹部及び該臀部の周辺に籠った熱気を逃がし易くなっている。かかる構成により、前記腹部及び前記臀部の周囲における蒸れをより一層抑制することが可能になる。
<<他の点在部の構成について>>
上記実施形態においては、点在部13内にパルプ繊維とSAPとが混在している構成(以下、第一実施例)について説明した。特に、上記実施形態では、点在部13におけるパルプ繊維の密集状態が該点在部13の周りにおける該密集状態より疎であり、前記点在部13におけるSAPの体積占有率が該点在部13の周りにおける該体積占有率より高い場合について説明した。かかる構成では、点在部13内にSAPが密集している反面、該点在部13に該点在部13の周りより多くの空隙が存在していることとなる。つまり、点在部13には、SAPの膨潤に対する空間的余裕が、前記点在部13の周りより多い。この空間的余裕により、SAPが膨潤した場合であっても、当該SAPの周囲にあるパルプ繊維が押し出されて、点在部13が吸収体素材12の厚み方向に盛り上がることが抑制される。すなわち、上記実施形態では、吸収性物品1が部分的に隆起することを抑制することが可能である。これにより、吸収性物品1が部分的に隆起することによって生じる異物感、を着用者に与えることも防止される。
以下、参考例として、吸収性物品1における部分的な隆起を抑制するための他の点在部13の構成(以下、参考例)について図6を用いて説明する。図6は、参考例に係る点在部13の断面構造を示す図である。なお、図6には、矢印にて上下方向(すなわち、吸収体10の厚み方向)が示されている。
参考例に係る点在部13は、図6に示すように、上下方向において三層構造となっており、SAPが密集する密集層13aと、空間層13bと、パルプ繊維が集積した集積層13cとが備えられている。そして、吸収性物品1の肌面が反対面より上方にある状態では、前記肌面側から空間層13b、密集層13a、集積層13cの順で並んでいる。すなわち、上下方向において、SAPの密集層13aと、該SAPの膨潤に対する空間的余裕としての空間層13bと隣接している。つまり、SAPが膨潤した場合であっても、当該膨潤によるSAPの体積増加を空間層13b内に止めることが可能になる。これにより、点在部13が吸収体素材12の厚み方向において盛り上がることが抑制される結果、吸収性物品1の点在部13に相当する部分における隆起も抑制される。このため、吸収性物品1の着用者に対して異物感を与えることを防止することが可能になる。
参考例に係る点在部13をより詳細に説明すると、図6に示すように、集積層13cの層厚は吸収体素材12の厚みの略半分であり、SAPの密集層13aが該集積層13c上に形成されている。このため、参考例においても、第一実施例と同様、SAPが吸収性物品1の肌面側(すなわち、表面シート20が位置している側)にて密集している。一方、空間層13bの層厚は密集層13aの層厚より長い方が好ましい。かかる構成であれば、空間的余裕がより確保されるため、吸収性物品1における隆起の発生を抑制する効果が向上する。なお、層厚とは、吸収性物品1が水平状に置かれ、かつ、該吸収性物品1の肌面が上方を向いている状態(すなわち、図6の状態)での層厚を意味する。
さらに、図6に示すように、集積層13cは反対面側で連続部14と繋がっており、該集積層13cにおけるパルプ繊維の密集状態(具体的には、前述したパルプ密度)は、連続部14におけるパルプ繊維の密集状態と略同様である。このように、吸収体素材12の反対面側には、該肌面側の表面全域に亘ってパルプ繊維が略均一の密集状態で集積している。また、点在部13内には空間層13bが形成されているため、参考例に係る点在部13も連続部14より低剛性になっている。このため、吸収性物品1の折線位置に参考例に係る点在部13が存在する場合、包装用に吸収性物品1を折り畳むことが容易になる。
以上のような点在部13を有する吸収体素材12を取得するには、吸収体製造ステップS100中、吸収体素材12の基材15を取得するステップS102において、該基材15の厚み方向において一端側から他端側まで貫通していない凹状の穴部15a、を有する基材15を取得することとなる。そして、前記穴部15aの開口が上方を向くように基材15を搬送装置上に載置し、前記穴部15a内にSAPのみを供給する(すなわち、穴部15a内にパルプ繊維が混在しないようにSAPを供給する)。このとき、前記点在部13に空間層13bを形成するために、該穴部15a内に形成されるSAPの密集層13aの層厚が穴部15aの深さより短くなるように、SAPを穴部15a内に供給する。
===その他の実施形態===
以上、上記実施形態に基づき、本発明に係る吸収性物品について説明したが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。特に、本発明の実施形態は、上記の説明中に記載した各材料の材質に限定されるものではない。また、吸収体素材12中に、パルプ繊維やSAPの他、粒状消臭材、粒状抗菌材、粒状冷却材等が密集していてもよい。また、上記実施形態では、説明の便宜上、吸収体10が幅方向の中央に1つの吸収体素材12を備える構成について説明したが、これに限るものではない。例えば、吸収体10における幅方向の両端部に、それぞれ、長手方向に沿って側部吸収体を備える構成としてもよい。また、側部吸収体に代えて、前記両端部のそれぞれに立体ギャザーを備える構成としてもよい。
また、上記実施形態においては、略全ての点在部13が吸収体素材12の長手方向端部に点在している場合について説明した。すなわち、吸収体素材12の長手方向端部に位置する点在部13の、該長手方向端部に対する体積占有率が、長手方向中央部に位置する点在部13の、該長手方向中央部に対する体積占有率よりも高くなっていることとしたが、これに限定されるものではない。上記実施形態の以外の構成であっても、吸収体素材12の長手方向端部におけるSAPの体積占有率が長手方向中央部における該体積占有率より高くなる構成であればよい。具体例を挙げて説明すると、点在部13が前記長手方向端部より前記長手方向中央部に数多く点在していてもよい。但し、かかる構成においては、前記長手方向端部に位置する点在部13におけるSAPの充填率が、前記長手方向中央部に位置する点在部13におけるSAPの充填率より高くなっている必要がある。
また、上記実施の形態中、第一実施例においては、点在部13内にはパルプ繊維とSAPとが混在しており、前記点在部13におけるパルプ繊維の目付が該点在部13の周り(すなわち、連続部14)における該目付より低く、かつ、前記点在部13におけるSAPの体積占有率が該点在部13の周りにおける該体積占有率より高いこととした。また、参考例においては、前記点在部13内に、SAPが密集した密集層13aと、上下方向において前記密集層13aと隣接する空間層13bと、が形成されていることとした。しかし、点在部13の構成については、これらに限定されるものではない。例えば、前記第一実施例において、点在部13におけるパルプ繊維の目付が、該点在部13の周りにおける目付と同程度であってもよい。また、参考例において、前記点在部13には空間層13bが備えられていなくてもよい。但し、前述したように、上記実施形態の構成であれば、吸収性物品1における隆起の発生が抑制され、該吸収性物品1の着用者に異物感を与えることを抑制することが可能になる。かかる点において、上記実施の形態の方が望ましい。
また、上記実施形態では、吸収体素材12中、点在部13に密集しているSAPが、該点在部13内において吸収体素材12の厚み方向の肌面側(表面シート20が位置する側)に密集していることとした。しかし、点在部13内におけるSAPの配置については、上記実施形態に限定されるものではない。
具体的に説明すると、第一実施例のように点在部13内にSAPとパルプ繊維とが混在している場合、図7に示すように、点在部13内において分散していてもよい。図7は、図3に対応した図であり、点在部13内にSAPが分散している構成を示す図である。同図中には矢印にて上下方向が示されている。かかる構成の場合、SAP間の距離が広がり、当該SAPの周囲には、より多くの空隙が存在するようになる。このため、SAPの膨潤に対する空間的余裕がより確保され、吸収性物品1における隆起の発生を抑制する効果が向上する。かかる点においては、SAPが点在部13内に分散している方が望ましい。但し、点在部13内においてSAPが肌面側に密集しているほど、吸収性物品1に吸収された水分が当該SAPに捕集され易くなる。この結果、着用者の腹部及び臀部の周囲における蒸れを抑制する効果が向上する。かかる点においては、点在部13内においてSAPが肌面側に密集している方が望ましい。
一方、参考例のように点在部13内にSAPの密集層13aが形成されている場合、図8に示すように、前記厚み方向の反対面側(裏面シート30が位置する側)に前記密集層13aが形成されていてもよい。図8は、図6に対応した図であり、反対面側に密集層13aが形成された構成を示す図である。同図中には矢印にて上下方向が示されている。図8に示す点在部13内には、反対面側に前記密集層13aが、肌面側にパルプ繊維の集積層13cが、それぞれ形成されており、前記密集層13aと前記集積層13cとの間に空間層13bが介在している。このような構成であれば、前記空間層13bが存在していることにより、密集層13a中のSAPが膨潤した場合であっても、当該SAPによって集積層13cが外側に押し出されて吸収性物品1が部分的に隆起することを、抑制することが可能である。なお、前記集積層13cが肌面側に形成された場合、吸収性物品1の着用者に対して適宜な触感を与えることが可能になるが、点在部13内には当該集積層13cが形成されていなくてもよい。例えば、図9に示すように、密集層13a及び空間層13bのみによって構成された二層構造の点在部13であってもよい。図9は、密集層13a及び空間層13bのみを備えた点在部13を示した図である。このように、反対面側に前記密集層13aが形成されていてもよいが、前述したように、点在部13内においてSAPが肌面側に密集しているほど、着用者の腹部及び臀部の周囲における蒸れを抑制する効果が向上する点において、前記密集層13aが肌面側に形成されている方が望ましい。
また、上記実施形態及び参考例においては、SAPが主に点在部13内に密集した状態で配置されている場合について説明した。但し、これに限定されるものではなく、点在部13以外の部分にSAPを配置してもよい。例えば、図10A乃至図10Cに示すように、吸収体素材12の反対面側の表面(より正確には、連続部14の反対面側の表面)と薄葉紙11との間にSAPが堆積していてもよい。図10A乃至図10Cは、それぞれ、点在部13以外の部分にSAPが配置された構成を示す図である。当該構成例については、点在部13内にSAPとパルプ繊維が混在している場合(図10A)と、点在部13がSAPの密集層13a、空間層13b及びパルプ繊維の集積層13cによって構成された三層構造となった場合(図10B)と、点在部13内に密集層13a及び空間層13bのみによって構成された二層構造となった場合(図10C)とが示されている。
また、上記実施形態においては、各点在部13が、吸収体素材12の長手方向及び幅方向によって規定される平面において長円状に形成されていることとしたが(図2参照)、これに限定されるものではなく、円状、方形状、三角形状、その他あらゆる形状に形成されていてもよい。
また、上記実施形態においては、吸収性物品1が包装用に折り畳まれた際に形成される該吸収性物品1の折り目によって、吸収体素材12の長手方向端部と長手方向中央部とが区分されることとした。すなわち、前記長手方向端部と前記長手方向中央部との境界が、前記折り目(図1に示す吸収性物品1の折線位置)に位置することとしたが、これに限定されるものではない。吸収体素材12の長手方向端部と長手方向中央部との境界は、前記折り目以外の位置にあってもよい。さらに、上記実施形態においては、点在部13の中には、吸収性物品1を包装用に折り畳んだ際に形成される折り目上にある点在部13(すなわち、図1中、後端側の折線位置上に位置する点在部13)が存在していることとしたが、これに限定されるものではない。例えば、前記折り目上に点在部13が存在しないこととしてもよい。但し、既述のように、点在部13は連続部14より低剛性であり、かかる点在部13が前記折り目上に存在する場合、当該折り目が形成されるように吸収性物品1を折り曲げることが容易になる。すなわち、包装用に吸収性物品1を容易に折り畳むことが可能になる。かかる点において、上記実施の形態の方が望ましい。
また、上記実施形態においては、吸収体素材12を被覆する被覆部材として薄葉紙11が備えられている場合について説明した。しかし、これに限定されるものではなく、例えば、吸収体素材12が被覆されていなくてもよい。但し、吸収体素材12が被覆されている場合、点在部13内に密集しているSAPを点在部13から流出することを防止することが可能になる。かかる点において、上記実施の形態の方がより望ましい。
また、上記実施形態においては、各点在部13におけるパルプ繊維の目付とSAPの体積占有率とが、点在部間において略同様であることとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、点在部13中、少なくても一つの点在部13については、パルプ繊維の目付が該点在部13の周りより低く、かつ、SAPの体積占有率が該点在部13の周りより高くなっていればよい。あるいは、少なくても一つの点在部13内に、SAPの密集層13aと空間層13bとが形成されていればよい。したがって、点在部13中に、パルプ繊維の目付が他の点在部13より高い点在部13や、その内部に前記空間層13bが形成されていない点在部13が含まれていてもよい。このような点在部13が、例えば、吸収体素材12のうち、深溝エンボス加工が施される部分(すなわち、深溝部20aが形成される部分)に設けることが望ましい。かかる場合、深溝エンボス加工が施される位置に点在部13が設けられたとしても、適切に深溝エンボス加工を施すことが可能になる。
具体的に説明すると、深溝エンボス加工が施される位置に設けられた点在部13におけるパルプ密度が、該点在部13の周囲におけるパルプ密度に比べて十分に小さいと、深溝エンボス加工が施された際に、表面シート20が吸収体素材12の表面から浮いたり、破れたりする虞がある。これに対し、深溝エンボス加工が施される位置に、パルプ繊維の目付が他の点在部13より高い点在部13や、空間層13bを備えていない点在部13(すなわち、密集層13aと集積層13cのみを備える点在部13c)を設けると、吸収体素材12中、当該点在部13が位置した部分の剛性が調整される。この結果、深溝エンボス加工が施される位置に点在部13が設けられた場合であっても、適切に深溝エンボス加工を施すことが可能になる。