JP5114323B2 - 半導体装置 - Google Patents

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Description

本発明は、絶縁基板とヒートシンクとの間に応力緩和部材が設けられるとともに、絶縁基板とヒートシンクとが熱伝導可能に結合された半導体装置に関する。
半導体装置としては、窒化アルミニウムなどからなる絶縁基板の表裏両面に純アルミニウムなどの金属板を接合し、表面金属板に半田付けなどにより半導体素子を接合するとともに裏面金属板とヒートシンク(放熱装置)とを互いに熱伝導可能な状態で結合したものがある。そして、この半導体装置では、半導体素子の発する熱を、裏面金属板に接合されたヒートシンクから放熱するようになっている。ところで、半導体装置では、ヒートシンクの放熱性能が長期間にわたって維持されることが要求されているが、従来の構成によれば、使用条件によっては絶縁基板と、金属板及びヒートシンクとの線膨張係数の相違に起因して発生する熱応力によって接合部にクラックや反りが生じ、放熱性能が低下する虞がある。
そこで、従来、このような問題を解決するために、裏面側の金属板に対して所定深さの段差、溝、凹陥部からなる熱応力緩和部を設けた半導体モジュールが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。そして、特許文献1に記載の半導体モジュールでは、表面側の金属板に対する裏面側の金属板の体積比が0.6以下となるように、熱応力緩和部の数や大きさを設定している。
また、その他に、裏金属板に対して放熱装置との接合面に、孔又は溝からなる非接合領域と孔又は溝が形成されていない接合領域とを形成し、接合領域の面積を接合面全体の面積に対して65%〜85%の範囲とした半導体モジュールが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2003−17627号公報 特開2007−173405号公報
ところで、特許文献1に記載の半導体モジュールは、裏面側の金属板に形成された熱応力緩和部としての段差、溝、凹陥部によって、温度変化時に半導体モジュールに生じる熱応力を緩和するようになっている。このため、半導体モジュールにおいては、段差、溝、凹陥部をできる限り大きくして、熱応力緩和部として設けた方が好ましいが、熱応力緩和部を大きくすると、その分、裏面側の金属板の熱伝導性が低下するため、熱伝導性及び応力緩和機能のバランスを考慮する必要があった。ところが、この半導体モジュールでは、熱応力緩和部を大きくすることに比例して裏面側の金属板の熱伝導性が低下してしまうため、応力緩和機能の向上には限界があった。
また、特許文献2に記載の半導体モジュールにおいても同様に、非接合領域を大きくするのに比例して裏金属板の熱伝導性が低下してしまうため、応力緩和機能の向上には限界があった。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、応力緩和部材の熱伝導性の低下を抑えつつ、応力緩和部材による応力緩和機能を向上させることができる半導体装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、絶縁基板の一面に金属配線層が接合されるとともに前記金属配線層には半導体素子が接合され、前記絶縁基板と前記絶縁基板の他面側に配置されたヒートシンクとの間には、高熱伝導性材料からなる応力緩和部材が設けられ、前記絶縁基板と前記ヒートシンクとは互いに熱伝導可能に結合された半導体装置において、前記ヒートシンクは、一方向に長くかつ間隔を空けて並設された複数の仕切り壁を有し、前記応力緩和部材には、厚み方向に貫通する貫通孔又は厚み方向に開口する有底穴からなる応力吸収部が設けられ、前記貫通孔における仕切り壁の長手方向に沿う長さは、前記貫通孔における複数の仕切り壁の並設方向に沿う長さよりも長く、前記有底穴における仕切り壁の長手方向に沿う長さは、前記有底穴における複数の仕切り壁の並設方向に沿う長さよりも長いことを要旨とする。
上記の目的を達成するため、請求項4に記載の発明は、絶縁基板の一面に金属配線層が接合されるとともに前記金属配線層には半導体素子が接合され、前記絶縁基板と前記絶縁基板の他面側に配置されたヒートシンクとの間には、高熱伝導性材料からなる応力緩和部材が設けられ、前記絶縁基板と前記ヒートシンクとは互いに熱伝導可能に結合された半導体装置において、前記ヒートシンクは、一方向に長くかつ間隔を空けて並設された複数の仕切り壁を有し、前記応力緩和部材には、厚み方向に貫通するとともに前記仕切り壁の長手方向に沿うように配列された複数の貫通孔によって構成された孔群からなる応力吸収部が設けられ、全ての前記貫通孔は、前記仕切り壁の並設方向に沿う開口幅が前記仕切り壁の長手方向に沿う開口幅よりも長くなるように形成され、前記孔群における仕切り壁の長手方向に沿う開口幅の総和は、前記応力吸収部における複数の仕切り壁の並設方向に沿う最大幅よりも長いことを要旨とする。
請求項1及び請求項4に記載の発明では、応力緩和部材は仕切り壁の長手方向に変形し易くなっている。そして、絶縁基板とヒートシンクとの線膨張係数の相違に起因して熱応力が発生したときに、一方向に延びる仕切り壁があることで仕切り壁の長手方向の熱応力は仕切り壁の並設方向の熱応力に比べて大きくなるが、応力緩和部材は仕切り壁の長手方向に沿う熱応力をより緩和できる。したがって、応力緩和部材の応力緩和機能は向上する。
また、応力緩和部材において、応力吸収部を形成しても、応力吸収部における複数の仕切り壁の並設方向に沿った長さが長くなることを抑制できる。そのため、例えば、真円形状の孔又は穴を大きくすることで応力緩和部材の応力緩和機能を向上させる場合に比べて、応力緩和部材において高熱伝導性材料からなる部分の減少量を抑制できる。そして、半導体素子から発生した熱は第1金属板、絶縁基板、応力緩和部材を介してヒートシンクに円滑に伝達され、ヒートシンクに伝達された熱は、ヒートシンクから外部に放出される。したがって、応力緩和部材に設けられた応力吸収部を大きくしたことに起因する、応力緩和部材の熱伝導性の低下を抑制できる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記絶縁基板の他面には、金属板が接合され、前記応力緩和部材は、前記金属板とは別に設けられていることを要旨とする。
この発明では、応力緩和部材は、半導体素子や基板等とは別体の状態で加工することができるため、応力緩和部材に孔や穴を形成する際に半導体素子や基板に対する影響を考慮する必要がない。よって、応力緩和部材の応力吸収部は、高熱伝導性材料に対して、例えば、プレス加工のような機械的な加工を施すことにより形成することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明において、前記応力緩和部材のうち前記半導体素子と対応する部分は、前記応力吸収部が形成されておらず、前記半導体素子から発生した熱を伝導可能な熱伝導部として構成されていることを要旨とする。
応力緩和部材において半導体素子と対応する部分は、半導体素子から発生した熱が早くに到達する部分である。そのため、この発明では、この半導体素子と対応する部分を応力緩和部が存在しない熱伝導部とすることで、半導体素子から発生した熱が速やかに応力緩和部材を伝導してヒートシンクに到達できるように構成することができる。
本発明によれば、応力緩和部材の熱伝導性の低下を抑えつつ、応力緩和部材による応力緩和機能を向上させることができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1及び図2にしたがって説明する。なお、図1及び図2は、半導体装置の構成を模式的に示したものであり、図示の都合上、一部の寸法を誇張して分かりやすくするために、それぞれの部分の幅、長さ、厚さ等の寸法の比は実際の比と異なっている。
図1に示すように、半導体装置10は、絶縁回路基板11を備え、絶縁回路基板11上に半導体素子(半導体チップ)12が搭載されている。絶縁回路基板11は、絶縁基板としてのセラミック基板13の表面13aに第1金属板(金属回路板)14が接合されるとともにセラミック基板13の裏面13bに第2金属板15が接合されることで構成されている。なお、第1金属板14及び第2金属板15は、アルミニウムや銅により形成されている。
セラミック基板13は、図1における上側が半導体素子12の搭載面となる表面13a側とされており、表面13aのうち半導体素子12の搭載面に金属配線層として機能する第1金属板14が接合されている。そして、第1金属板14には、図示しない半田を介して半導体素子12が接合されている。半導体素子12としては、例えば、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor )、MOSFET、ダイオードが用いられる。
一方、セラミック基板13は図1における下側が表面13aの反対面としての裏面13bとされており、裏面13bにセラミック基板13とヒートシンク16とを結合する結合層として機能する第2金属板15が接合されている。
そして、セラミック基板13が結合されたヒートシンク16は、金属製であるとともに、半導体素子12で発生した熱を強制的に除去する強制冷却式の冷却器として機能する。ヒートシンク16の冷却能力は、半導体素子12が定常発熱状態(通常状態)にある場合、半導体素子12で発生した熱が絶縁回路基板11を介してヒートシンク16に伝導されて円滑に除去されるように設定されている。ヒートシンク16は、長手方向が図2における左右方向となり、短手方向が図2の上下方向となる平面視略長方形状に形成されるとともに、その外郭が扁平中空状のケース部17によって構成されている。
ケース部17にはその内部に一直線状に延びる複数の仕切り壁18が設けられている。図1及び図2に示すように、複数の仕切り壁18は等間隔に配置されるとともに、互いに平行となるように構成されている。そして、複数の仕切り壁18は、隣り合う仕切り壁18同士及び仕切り壁18とケース部17の内側壁部17aとによって流体(例えば、冷却水)が流れる複数の冷媒通路19を区画している。複数の仕切り壁18は、ヒートシンク16の長手方向に並列されるとともに、ヒートシンク16の短手方向に沿って長く延びている。そして、ヒートシンク16と絶縁回路基板11における第2金属板15との間には、絶縁回路基板11とヒートシンク16とを結合する応力緩和部材20が設けられている。
応力緩和部材20は高熱伝導性材料としてのアルミニウムからなるとともに、平面視略長方形の平板状に形成されている。そして、応力緩和部材20は、一面20a全体が第2金属板15にろう付けされるとともに、一面20aに背向する他面20b全体がヒートシンク16にろう付けされている。すなわち、応力緩和部材20と第2金属板15との間、及び応力緩和部材20とヒートシンク16との間にはろう材よりなる接合部が形成されている。このため、絶縁回路基板11とヒートシンク16とは、応力緩和部材20を介して互いに熱伝導可能に結合され、半導体素子12から発せられた熱が絶縁回路基板11、応力緩和部材20の順に伝導してヒートシンク16に伝わるようになっている。また、応力緩和部材20には、応力緩和部材20の厚み方向のみに貫通する平面視楕円形状の複数個(本実施形態では12個)の応力吸収部としての貫通孔21が形成されている。
貫通孔21は、応力緩和部材20を構成する平板にプレス加工(機械加工)を施すことにより形成されている。図2に示すように、各貫通孔21は、その仕切り壁18の長手方向(図2で示す矢印Y方向)に沿う長さT1が、仕切り壁18の並設方向(図1及び図2で示す矢印X方向)に沿う長さT2よりも長く形成されている。そして、各貫通孔21は全て同じ形状に形成されるとともに、2つ以上の貫通孔21が仕切り壁18の長手方向に沿って並べられた状態で配置されている。各貫通孔21は、その長軸が仕切り壁18の長手方向に平行で、かつ、その短軸が仕切り壁18の並設方向に平行となるように形成されている。つまり応力緩和部材20は、仕切り壁18の並設方向に比べて仕切り壁18の長手方向へ変形し易く構成されている。各貫通孔21は、半導体素子12の中心と対応する応力緩和部材20の基準点Pを基準として点対称な配置となっている。また、貫通孔21は、応力緩和部材20のうち半導体素子12直下の部分には形成されておらず、平面視において半導体素子12と重ならないように構成されている。そして、半導体素子12と対応する応力緩和部材20の部位は、半導体素子12に最も近い部位であり、貫通孔21に比べて熱伝導性が良好な熱伝導部22として構成されている。
次に、前記のように構成された半導体装置10の作用について説明する。
半導体装置10は、ハイブリッド車に搭載されるとともに、図示しない冷却媒体循環路にヒートシンク16がパイプを介して連通された状態で使用される。冷却媒体循環路にはポンプ及びラジエータが設けられ、ラジエータは、モータにより回転されるファンを備え、ラジエータからの放熱が効率よく行われるようになっている。冷媒として、例えば、水が使用される。
半導体装置10に搭載された半導体素子12が駆動されると、半導体素子12から熱が発生する。半導体素子12から発生した熱は、半導体素子12の直下に向けて伝導され、第1金属板14、セラミック基板13、第2金属板15、応力緩和部材20、ヒートシンク16の順に伝導される。なお、応力緩和部材20においては、半導体素子12の直下には貫通孔21が形成されておらず、熱伝導部22が形成されているため、応力緩和部材20に伝達された熱は円滑にヒートシンク16にまで伝導することができる。
このように熱伝導されると、絶縁回路基板11及びヒートシンク16は高温となり、熱膨張する。このとき、例えば、仕切り壁18の長手方向を考慮せず、図2に2点鎖線で示す真円形状の仮想孔R1のような形状の孔が形成されている場合、一方向に長い仕切り壁18が存在するため、仕切り壁18の長手方向におけるヒートシンク16とセラミック基板13との間に発生する熱膨張による応力は、仕切り壁18の並設方向におけるヒートシンク16とセラミック基板13との間に発生する熱膨張による応力に比べて大きくなる。つまり、セラミック基板13と、ヒートシンク16及び第1,第2金属板14,15との線膨張係数が異なることで、半導体装置10には熱応力が発生し、とくに、ヒートシンク16とセラミック基板13との間には、仕切り壁18の長手方向に大きな熱応力が発生しようとする。ここで、この長手方向の熱応力を緩和するために、仮想孔R2のように孔を大きくすればよいが、高熱伝導性材料からなる部分が減少し、熱伝導性が低下する。本実施形態においては、ヒートシンク16の仕切り壁18の方向を考慮し、応力緩和部材20は、仕切り壁18の長手方向へ変形し易く構成されているため仕切り壁18の長手方向における熱応力を並設方向における熱応力よりも緩和する。その結果、長手方向と並設方向の熱応力を均一に近づけることになる。したがって、必要以上に貫通孔を大きくすることがないので熱伝導性の低下を抑制できる。さらに、半導体装置10の温度上昇時に、セラミック基板13と第2金属板15との間の接合部にクラックが生じたり、ヒートシンク16の絶縁回路基板11への接合面に反りが生じたりすることをより抑制できる。
一方、半導体素子12からの発熱が停止すると、セラミック基板13及びヒートシンク16の温度は低下し、熱収縮する。本実施形態においては、このときも、ヒートシンク16と第2金属板15との間の熱応力について仕切り壁、応力緩和部材20が仕切り壁18の長手方向により変形することで、仕切り壁18の長手方向における熱応力をより緩和する。したがって、半導体装置10の温度低下時に、セラミック基板13と第2金属板15との間の接合部にクラックが生じたり、ヒートシンク16の絶縁回路基板11への接合面に反りが生じたりすることをより抑制できる。
また、ヒートシンク16に熱が伝導されると、ケース部17、及び仕切り壁18と、冷媒通路19を流れる冷媒との間で熱交換が行われ、半導体素子12から発生した熱は冷媒によって持ち去られる。即ち、ヒートシンク16は、冷媒通路19を流れる冷却媒体によって強制冷却されるため、半導体素子12等からヒートシンク16に至る熱の伝導経路における温度勾配が大きくなり、半導体素子12で発生した熱が絶縁回路基板11を介して効率よく除去される。
この実施形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)応力緩和部材20には、複数の貫通孔21が形成されている。そして、各貫通孔21は、その仕切り壁18の長手方向に沿った長さT1が複数の仕切り壁18の並設方向に沿った長さT2に比べて長くなるように形成されている。したがって、応力緩和部材20を仕切り壁18の長手方向に変形し易くして、その応力緩和機能を向上させることができる。
(2)貫通孔21は、複数の仕切り壁18の並設方向に沿った長さT2は、仕切り壁18の長手方向に沿った長さT1よりも短く、応力緩和部材20の応力緩和機能を向上させようとして仮想孔R1自体を拡大した場合に比べて応力緩和部材20の接合部分の減少量を抑制できる。したがって、半導体素子12から発生した熱は、応力緩和部材20を円滑に伝導して、ヒートシンク16にまで到達することができる。そのため、応力緩和部材20における熱伝導性の低下を抑制できる。
(3)セラミック基板13の裏面13bには、第2金属板15が接合されている。そして、ヒートシンク16と絶縁回路基板11における第2金属板15との間には、絶縁回路基板11とは別に応力緩和部材20が設けられている。したがって、半導体素子12やセラミック基板13とは別の状態で、応力緩和部材20を構成する平板を加工して貫通孔21を形成することができるため、半導体素子12やセラミック基板13に対する影響を考慮する必要がない。よって、応力緩和部材20の貫通孔21を、例えば、プレス加工等の機械加工で簡単に形成することができる。
(4)応力緩和部材20において、半導体素子12の直下であって、半導体素子12と対応する部分は、半導体素子12から発生した熱が通過する熱伝導部22として形成されている。したがって、応力緩和部材20のうち、半導体素子12から発生した熱が最も早くに到達する半導体素子12の直下の部分を熱伝導部22として構成することで、半導体素子12から発生した熱は、円滑に応力緩和部材20を伝導してヒートシンク16へ到達することができる。
(5)複数の貫通孔21は、応力緩和部材20の厚み方向に貫通している。したがって、高熱伝導性材料からなる板材に複数の有底穴を形成して応力緩和部材とする場合に比べて、応力緩和部材20をより変形し易く構成することができる。
実施形態は前記に限定されるものではなく、例えば、次のように構成してもよい。
○ 貫通孔21は、その長軸が仕切り壁18の長手方向と平行となるように形成しなくともよい。例えば、仕切り壁18の長手方向に沿う長さT1が仕切り壁18の並設方向に沿う長さT2に比べて長くなるのであれば、長軸が仕切り壁18の長手方向に対して交差するような楕円形状の貫通孔21を形成してもよい。
○ 貫通孔21の数についてはとくに限定しない。寸法の大きな応力緩和部材20を用いる場合には、設ける貫通孔21の数を増やしてもよい。
○ 貫通孔21の大きさを変更してもよい。貫通孔21は仕切り壁18の長手方向に沿う長さT1が仕切り壁18の並設方向に沿う長さT2よりも長い形状であるならば、貫通孔21を小さくしてもよいし、大きくしてもよい。したがって、例えば、仕切り壁18の並設方向に沿った長さT2が仮想孔R1の直径よりも長い貫通孔21を形成してもよい。
○ 貫通孔21の形状を変更してもよい。例えば、図3(a)に示すように、貫通孔30を平面視矩形状に形成し、その貫通孔30において、仕切り壁18の長手方向に沿った長さT3が仕切り壁18の並設方向に沿った長さT4に比べて長くなるように形成してもよい。また、仕切り壁18の長手方向に沿って配列されている各貫通孔30が連続するように変更してもよい。例えば、図3(b)に示すように、仕切り壁18の長手方向に沿って一続きに延びるように形成された貫通孔31を設けてもよい。ただし、この場合、半導体素子12の直下に位置する応力緩和部材20の部分は、熱伝導部22として構成し、貫通孔31が存在しないようにする必要がある。
○ 貫通孔21からなる応力吸収部の代わりに、応力緩和部材20の厚み方向に貫通するとともに仕切り壁18の長手方向に沿って配列された複数の孔からなる孔群を応力吸収部として設けてもよい。例えば、貫通孔21が形成されていた部位に、図3(c)に示すように、孔群40を設け、全ての孔群40を、仕切り壁18の長手方向に沿う開口幅t1が複数の仕切り壁18の並設方向に沿う開口幅t2よりも短い矩形状の複数の貫通孔41によって形成する。孔群40を構成する各貫通孔41は、仕切り壁18の長手方向に沿うように配列されるとともに、応力緩和部材20には貫通孔41のみ形成する。そして、応力吸収部を構成する孔群40は、仕切り壁18の長手方向に沿う開口幅t1の総和が、仕切り壁18の並設方向に沿う貫通孔41の開口幅t2(応力吸収部の幅)に比べて長くなるように形成する。また、仕切り壁18の長手方向において隣り合う孔群40間の間隔H1は、孔群40を構成する複数の貫通孔41のうちの、仕切り壁18の長手方向において隣り合う貫通孔41の間隔H2よりも長くなるように形成する。そして、このような孔群40を設ければ、応力緩和部材20は、仕切り壁18の長手方向に変形し易くなるため、仕切り壁18の長手方向における熱応力をより緩和できるようになり、応力緩和機能が向上する。しかも、応力吸収部が応力緩和部材20の厚み方向に貫通する複数の貫通孔41からなる孔群40によって構成されているため、有底穴からなる応力吸収部に比べて応力緩和部材20をより変形し易く構成することができる。また、仕切り壁18の並設方向に沿う孔群40の最大幅が、孔群40における仕切り壁18の長手方向に沿った開口幅t1の総和を超えない程度であれば、仕切り壁18の並設方向において若干ずれた状態で仕切り壁18の長手方向に沿って並べられた複数の貫通孔41から孔群40を構成してもよい。
○ 応力緩和部材20に形成する貫通孔21の配置を変更してもよい。例えば、複数の貫通孔21が千鳥状の配置となるように、応力緩和部材20に複数の貫通孔21を形成してもよい。
○ 応力吸収部として貫通孔21の代わりに応力緩和部材20にその厚み方向のみに開口する有底穴を形成してもよい。この場合、例えば、応力緩和部材20の他面20bに仕切り壁18の長手方向に沿った開口幅が仕切り壁18の並設方向に沿った開口幅に比べて長い有底穴を形成すればよく、この場合、有底穴の開口はヒートシンク16側を向くようになる。また、貫通孔21の代わりに応力緩和部材20に有底穴を形成する場合、応力緩和部材20が半導体装置10に生じた熱応力を十分に緩和できる機能を得られるのであれば、有底穴の深さについてはとくに限定しない。
○ 第2金属板15が応力緩和部材20を兼用するように構成してもよい。例えば、応力緩和部材20を省略し、第2金属板15のヒートシンク16側の面に、仕切り壁18の長手方向に沿った長さが仕切り壁18の並設方向に沿った長さに比べて長い穴を複数形成し、第2金属板15を応力緩和部材として用いてもよい。このように構成すれば、第2金属板15は、半導体装置10の温度変化時に、半導体装置10に生じた熱応力を緩和する応力緩和部材として機能する。しかも、第2金属板15は、応力吸収部として平面視真円状の穴からなる従来の応力緩和部材に比べて仕切り壁18の長手方向に大きく変形することができるため、従来に比べて応力緩和機能は向上している。
○ 各仕切り壁18が延びる方向を変更してもよい。各仕切り壁18は、一方向に長い仕切り壁であれば、その延設方向についてはとくに限定されないため、例えば、ヒートシンク16の短手方向に対して交差する方向に延びる仕切り壁18を設けてもよい。
○ 各仕切り壁18同士は、並設方向に連続して延びる構成でもよい。したがって、例えば、連続する波板状のコルゲートフィンを用いて、各仕切り壁18を構成してもよい。この場合、仕切り壁18の上端部と別の仕切り壁18の上端部とは連続するとともに、仕切り壁18の下端部と別の仕切り壁18の下端部とは連続するように構成される。
○ ヒートシンク16の構成を変更してもよい。例えば、ケース部17に代えて、板状のヒートシンクベースを用い、ヒートシンクベースの一面に複数の仕切り壁18を設けてもよい。そして、この場合、ヒートシンクベースの他面に応力緩和部材20を接合することで、ヒートシンク16を半導体素子12で発生した熱を除去する冷却器として構成すればよい。
○ ヒートシンク16を構成する材料については、セラミック基板13と線膨張係数が異なる金属材料であればよく、例えば、ヒートシンク16をアルミニウムや銅等で形成してもよい。なお、アルミニウムとは純アルミニウム又はアルミニウム合金を意味する。
○ セラミック基板13を構成する具体的な材料については、とくに限定されない。セラミック基板13は、窒化アルミニウム、アルミナ、窒化ケイ素などにより形成すればよい。
○ ヒートシンク16は内部に水が流れる構成としたが、水以外にもアルコール等の他の液体が流れる構成としてもよい。また、ヒートシンク16を流れる冷媒は、液体に限らず、空気などの気体であってもよい。
○ 半導体装置10は、車載用に限らず他の用途に使用するものに適用してもよい。
半導体装置の模式断面図。 絶縁回路基板を省略した状態における半導体装置の部分模式平面図。 (a)、(b)、(c)は、別の実施形態において絶縁回路基板を省略した状態における半導体装置の部分模式平面図。
符号の説明
T1…仕切り壁の長手方向に沿う貫通孔の長さ、T2…仕切り壁の並設方向に沿う貫通孔の長さ、t1…仕切り壁の長手方向に沿う開口幅、t2…仕切り壁の並設方向に沿う開口幅、10…半導体装置、12…半導体素子、13…絶縁基板としてのセラミック基板、13a…一面としての表面、13b…他面としての裏面、14…金属配線層としての第1金属板、15…金属板としての第2金属板、16…ヒートシンク、18…仕切り壁、20…応力緩和部材、21,30,31…貫通孔、22…熱伝導部、40…孔群、41…貫通孔。

Claims (4)

  1. 絶縁基板の一面に金属配線層が接合されるとともに前記金属配線層には半導体素子が接合され、前記絶縁基板と前記絶縁基板の他面側に配置されたヒートシンクとの間には、高熱伝導性材料からなる応力緩和部材が設けられ、前記絶縁基板と前記ヒートシンクとは互いに熱伝導可能に結合された半導体装置において、
    前記ヒートシンクは、一方向に長くかつ間隔を空けて並設された複数の仕切り壁を有し、
    前記応力緩和部材には、厚み方向に貫通する貫通孔又は厚み方向に開口する有底穴からなる応力吸収部が設けられ、
    前記貫通孔における仕切り壁の長手方向に沿う長さは、前記貫通孔における複数の仕切り壁の並設方向に沿う長さよりも長く、
    前記有底穴における仕切り壁の長手方向に沿う長さは、前記有底穴における複数の仕切り壁の並設方向に沿う長さよりも長いことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記絶縁基板の他面には、金属板が接合され、
    前記応力緩和部材は、前記金属板とは別に設けられている請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記応力緩和部材のうち前記半導体素子と対応する部分は、前記応力吸収部が形成されておらず、前記半導体素子から発生した熱を伝導可能な熱伝導部として構成されている請求項1又は請求項2に記載の半導体装置。
  4. 絶縁基板の一面に金属配線層が接合されるとともに前記金属配線層には半導体素子が接合され、前記絶縁基板と前記絶縁基板の他面側に配置されたヒートシンクとの間には、高熱伝導性材料からなる応力緩和部材が設けられ、前記絶縁基板と前記ヒートシンクとは互いに熱伝導可能に結合された半導体装置において、
    前記ヒートシンクは、一方向に長くかつ間隔を空けて並設された複数の仕切り壁を有し、
    前記応力緩和部材には、厚み方向に貫通するとともに前記仕切り壁の長手方向に沿うように配列された複数の貫通孔によって構成された孔群からなる応力吸収部が設けられ、
    全ての前記貫通孔は、前記仕切り壁の並設方向に沿う開口幅が前記仕切り壁の長手方向に沿う開口幅よりも長くなるように形成され、
    前記孔群における仕切り壁の長手方向に沿う開口幅の総和は、前記応力吸収部における複数の仕切り壁の並設方向に沿う最大幅よりも長いことを特徴とする半導体装置。
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