JP5114813B2 - ファン部材及びファンモータ - Google Patents

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Description

本発明は、ファン部材及びファンモータに関する。
従来、ファンモータは、例えば特許文献1に記載されるように、モータ部を覆うように設けられる基部と、基部の周りに固定された羽根部とを有するファン部材を備える。基部は、有底筒状に形成され、その外周に複数の羽根部が等間隔に配置される。これらの羽根部は、通常、基部とは別体に成形され、基部に溶接などによって取り付けられる。
特開2008−215150号公報
しかしながら、このような従来のファンモータでは、ファン部材の製造時に、基部に羽根部を取り付ける際には、良好な送風性能を得るために、羽根部を基部の周りに等間隔に、所定の角度傾斜させて取り付けなければならないため、加工治具等を使用する必要あり、良好な溶接部を得るのが難しく、また良好に溶接を行うためには熟練を要する。
また溶接によって羽根部を基部に取り付けるため、溶接部における重さにばらつきが生じ、ファン部材全体の重さのバランスが不均衡になる。このようなバランスの不均衡は、ファン部材の回転むらを生じるため、従来のファンモータでは、羽根部を基部に溶接した後、ファン部材全体のバランスを調整する作業が必要となる。このバランス調整作業は、具体的には、ファン部材を回転させて重さのバランスを確認し、重さが他の部分よりも軽い部分に錘を取り付ける。その後、再度ファン部材を回転させてバランスを確認し、バランスが許容範囲内に収まるまで、バランスの確認、錘の取付の作業を繰り返す。このようなバランス調整作業は、作業者のスキルと相当な作業時間が要求される。
更に、溶接によって羽根部を基部に取り付ける場合、溶接部にさびが発生するのを防止するため、ファン部材に防錆材を塗装する必要がある場合があり、更なる作業が要求される。ここで、溶接作業時には二酸化炭素が発生し、この二酸化炭素は大気に放出される。また、防錆材を塗装する際にも、塗装剤に鉛やマンガン等の物質が含まれている場合があり、これらの物質は大気に放出されることととなり、環境上好ましくない。
本発明の目的は、バランス調整作業を簡単にまたは省略することができ、製造時間を短縮することができるファン部材及びファンモータを提供することにある。
本発明の第1の観点に係るファン部材は、ファンモータに使用されるファン部材であって、1つの金属製板状部材から構成され、ファンモータの回転軸に取り付けられる基部と、基部の周りに配置され、基部に近い内端と基部から遠い外端とを有する複数の羽根部と、基部と羽根部とを接続する接続部と、が形成され、接続部には、回転軸にほぼ沿った一方向から逆方向へ折り返された折り返し部と、折り返し部よりも羽根部に近い側で折り曲げられ、羽根部の内端を構成する折り曲げ部と、が形成される、ことを特徴としている。
本発明においては、ファン部材が1つの金属製板状部材から構成され、折り返し部及び折り曲げ部を有する接続部によって基部と羽根部とを一体的に接続しているので、ファン部材を曲げ加工等によって製造することが可能となる。これにより、基部に羽根部を取り付ける溶接等の作業が不要となり、ファン部材の製造工程が簡略化するとともに、溶接等の羽根部の取付作業によるファン部材のバランスの不均衡が解消される。したがって、従来必要であったバランス調整作業が簡単にまたは省略される。これによっても、ファン部材の製造工程が簡略化され、ファン部材の製造時間が短縮される。また、従来羽根部を基部に取り付けるために必要であった溶接作業が不要となるので、溶接時に発生する二酸化炭素を大気へ放出しなくて済む。
また、本発明の実施の形態では、折り返し部は、折り返し線が、回転軸にほぼ垂直な面内で円弧状となるように形成されている。
この実施の形態においては、折り返し部の折り返し線が、回転軸にほぼ垂直な面内で円弧状となっているので、折り返し部において折り返し線を挟んで両側に位置する板状部材も円弧状に形成されることとなる。通常、板状部材を折り返すと、部材の弾性により、折り返した部材が元の位置に戻ろうとするスプリングバックが生じる場合がある。スプリングバックが発生すると、折り返し部を所望の折り返し角度で折り返して維持することができず、接続部を所望の形状に成形することが困難な場合がある。この実施の形態では、折り返し線が円弧状に形成されているので、折り返し部が所望の角度に折り返されるとともに、折り返し部における板状部材のスプリングバックが防止され、所望の折り返し部の形状が維持される。
本発明の別の実施の形態では、基部は、回転軸にほぼ直交する円板部と、円板部の外縁から回転軸に沿って延びる円筒形の側面部とを有する有底円筒状に形成されている。
この別の実施の形態においては、基部が有底円筒状に形成されているので、例えば円板部と側面部とに囲まれた円筒状内部にファンモータの構造部品である固定子や回転子を配置すれば、基部がこれらの構造部品のカバーの役割を果たす。したがって、ファンモータの内部の構造部品にごみやほこりが侵入するのが防止される。
本発明の更に別の実施の形態では、側面部は、円板部に接続される基端部と、円板部から遠い先端部とを有し、接続部の折り返し部は、側面部の先端部に形成されるとともに、該先端部から側面部の外面に沿って側面部の基端部に近づく方向に折り返され、接続部の折り曲げ部は、先端部と基端部との間の位置に配置され、羽根部は、基端部を越えて延びないように配置される。
この更に別の実施の形態においては、折り返し部が側面部の先端部に形成され、折り曲げ部が先端部と基端部との間の位置に配置され、これにより、羽根部が、基端部を越えて延びないように配置されている。したがって、羽根部が円板部を越えて配置される場合に比べて、ファン部材全体の回転軸に沿った寸法を小さくすることができ、ファンモータの小型化が促進される。ここで、ファンモータにおいては、規格その他の理由により、内部の構造部品を所定の大きさのケースに収める必要があり、そのため羽根部の寸法にも制限が課せられる場合がある。このような場合に、この更に別の実施の形態では、羽根部が基端部を越えて延びないように配置されているので、限られた寸法のケース内で基部の回転軸に沿った寸法を大きく取ることができる。したがって、基部内部にモータ部等の内部構造を収容する場合にも、より大きなスペースを確保することができるから、モータ性能、ひいては送風性能が良好となる。
本発明の他の実施の形態では、ファン部材は、ステンレス鋼で形成される。
この他の実施の形態においては、ファン部材がステンレス鋼で形成されるので、ファン部材の成形後、錆発生防止のための塗装を行う必要がない。したがって、ファン部材の製造工程が更に簡略化され、ファン部材の製造コストが削減されると共に、製造時間が短縮される。また、塗装作業が省略されれば、塗装剤に含まれる物質が大気に放出されることがない。
本発明の更に他の実施の形態では、ファン部材の表面には、光触媒が塗布されている。
この更に他の実施の形態においては、ファン部材の表面に光触媒が塗布されているので、ファン部材に、抗菌作用、除塵作用が得られる。また、ファン部材に塗布した光触媒により空気清浄効果が得られるため、ファン部材で送風する空気を清浄する効果も得られる。
本発明の第1の観点に係るファンモータは、固定子と、回転軸を有する回転子と、回転軸に取り付けられた、前述のファン部材と、を備えた、ことを特徴としている。
本発明においては、ファンモータが前述のファン部材を備えているので、前述のような効果を得ることができ、バランス調整作業を簡単にまたは省略することができるから、ファンモータの製造工程が簡略化するとともにファンモータの製造時間が短縮される。
本発明の一実施形態によるファンモータの断面図である。 本発明の一実施形態によるファンモータのファン部材の斜視図である。 本発明の一実施形態によるファン部材の部分側断面図である。 本発明の一実施形態によるファン部材の製造工程を示す図である。 本発明の一実施形態によるファン部材の製造工程を示す図である。 本発明の一実施形態によるファン部材の製造工程を示す図である。 本発明の一実施形態によるファン部材の製造工程を示す図である。 本発明の変形例によるファン部材を示す斜視図である。 本発明の別の変形例によるファン部材を示す斜視図である。
以下、本発明の好ましい一実施形態を添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるファンモータ1の断面図である。この図1に示すように、本発明の一実施形態によるファンモータ1は、例えば、ショーケースの換気や食品冷蔵庫内の温度を均一にするために設置された空間内の空気を循環させるためや、ある装置の発熱部分に送風して冷却するために用いられる。ファンモータ1は、ファンモータ1を設備に設置するための取付部分となるブラケット2と、ブラケット2上に配置された回転子4および固定子6と、回転子4および固定子6を取り囲むカバー部8と、カバー部8の上側および周囲を覆うように配置されたファン部材10とを備えている。また、これらの構造部品は、ケース12に収容されている。なお、本実施形態において、説明を簡単にするため、図1の上方をファンモータ1の上方、図1の下方をファンモータ1の下方として説明する。
ブラケット2は、円盤状に形成され、中央に貫通孔14が形成されている。貫通孔14には、軸受16を介して回転軸18の一端(下端)が回転可能に取り付けられている。また、ブラケット2の外周縁には、固定子6に接続されるリード線20が貫通するための切欠部22が形成されている。
回転子4は、回転軸18の周りに取り付けられたコアプレート積層体24と、コアプレート積層体24の上下面にそれぞれ設けられる短絡リング26,28とを備えている。
コアプレート積層体24は、ケイ素鋼板等からなる環状のコアプレートを複数枚積層して形成されている。短絡リング26,28は、環状に形成されており、コアプレート積層体24に形成された複数個の孔(図示せず)を通して籠形状にアルミダイキャストで短絡されている。回転子4は、回転軸18に取り付けられているので、回転子4が回転すると回転軸18も共に回転するようになっている。
固定子6は、カバー部8の内面に取り付けられ、コアプレート積層体30と、コアプレート積層体30に巻き回されるコイル32とを備えている。
コアプレート積層体30は、絶縁性プラスチックからなる下ボビンケース34上にケイ素鋼板等からなるコアプレートを複数枚積層して形成されている。コアプレート積層体30の上方には、上ボビンケース36が設けられている。コイル32は、コアプレート積層体30の周囲に上下ボビンケース34,36を介して連続的に巻き回されている。コイル32の上下面には下絶縁キャップ38および上絶縁キャップ40が設けられている。
カバー部8は、円筒状の側壁の上面を円盤状部材で塞いだ有底円筒形状に形成されており、その中央部に貫通孔42が形成されている。この貫通孔42には、軸受46を介して回転軸18の他端(上端)が回転可能に取り付けられている。したがって、回転軸18は、軸受16,46によって回転可能に支持される。
また、カバー部8の下端は、ブラケット2に固定されている。カバー部8とブラケット2との間には、Oリング48が介装されることにより、カバー部8及びブラケット2で囲まれる内部空間が液密に封止される。
ここで、カバー部8の側壁の内面には、前述の固定子6が固定され、回転軸18には回転子4が固定されているので、回転子4は、回転軸18とともに、固定子6の内側で固定子6に対して回転可能に配置されている。
図2は、本発明の一実施形態によるファンモータ1のファン部材10を示す斜視図である。また、図3は、本発明の一実施形態によるファン部材10の一部側断面図である。これらの図2及び図3に示すように、ファン部材10は、回転軸18に取り付けられる基部50と、基部50の周りに配置される複数の羽根部52と、基部50及び羽根部52を接続する接続部54と、を備える。ファン部材10は、1枚の金属製板状部材をプレス加工することによって基部50、羽根部52、及び接続54が一体に形成されている。なお、本実施形態では、ファン部材10の材料としてステンレス鋼が用いられているが、その他の任意の金属を用いることができる。
基部50は、上面である円板部56と、円板部56の周りに形成される円筒状の側面部58とを有する、有底円筒状または逆椀状に形成されている。円板部56の中央には、凹部56Aが形成され、凹部56Aの中央には、回転軸18が貫通するための貫通孔59が形成されている。貫通孔59を通してファン部材10が回転軸18に固定されることにより、回転軸18が回転するとファン部材10もともに回転するようになっている。このとき、円板部56に凹部56Aが形成されているため、回転軸18に円板部56を固定する際のボルト57(図1)は、円板部56よりも上方に突出しないようになっている。
側面部58は、回転軸18に平行に延びる円筒状に形成されており、円板部56の外縁に連続する基端部(上端部)58Aと、円板部56から遠い先端部(下端部)58Bとを有する。側面部58の基端部58Aから先端部58Bまでの高さH1(図3)は、図1にも示すように、カバー部8の高さの半分程度に設定されている。
羽根部52は、基部50の側面部58に複数枚(本実施形態では5枚)等間隔に配置されている。羽根部52は、側面部58の外面(周面)に隣接して配置される半径方向内側の内端60と、半径方向外側の外端62とを有する。羽根部52は、円周方向に沿って、回転軸18に垂直な面に対して所定角度だけ傾斜しており、また内端60から外端62に向かって、且つ円周方向に沿って、湾曲している。
ここで、羽根部52の寸法、枚数、面積、形状、傾斜角度等は、ファンモータ1の使用条件等を勘案して、最適な風量が得られるように設計される。なお、ファンモータ1は、使用環境や規格により、ケース12の寸法が制限されることが多々ある。このような場合には、回転子4及び固定子6の占めるスペースを除いた部分が羽根部52を配置することができるスペースとなる。そこで、羽根部52の寸法、枚数、面積、形状、傾斜角度等は、制限されたスペースにおいて最大の送風効率が得られるように設計されればよい。
羽根部52の上端は、側面部58の基端部58Aよりも上方に突出せず、したがって、基部50の円板部56よりも上方に突出しない。また、羽根部52の下端は、側面部58の先端部58Bよりも下方に突出しているが、羽根部52の高さH2は、カバー部8の高さよりも小さく設定されている。よって、羽根部52の高さH2は、ファン部材10を回転軸18に取り付けたとき、羽根部52の下端とケース12の底面との間に隙間が形成されるような寸法になっている。
接続部54は、基部50と羽根部52との間に連続的に形成されており、基部50の側面部58の先端部58Bに形成された折り返し部64と、羽根部52の内端60に形成された折り曲げ部66とを有する。
折り返し部64は、接続部54の一端に形成され、基部50の側面部58の先端部58Bから連続する板状部分を上方に向かって折り返すことによって形成されている。したがって、折り返し部64は、回転軸18に沿って平行に下方に延びる側面部58の先端部58Bから、先端部58Bに向かう方向とは逆方向、即ち、回転軸18に沿って平行に上方に延びるように、約360°折り返されている。このような折り返し部64の形状により、側面部58の外周面と接続部54の内周面とが接触している。また、折り返し部64の折り返し線64Aは、側面部58の先端部58Bの形状と一致し、このため、折り返し線64Aは、回転軸18に垂直な面内で、回転軸18を中心とする円弧状に形成されている。
折り曲げ部66は、接続部54の他端に形成され、接続部54の他端を外方に折り曲げることによって形成されている。折り曲げ部66は、羽根部52の内端60を形成しており、接続部54と羽根部52との間の角度が90°前後の角度を成すように、且つ所定の円弧Rを有して折り曲げられている。ここで、羽根部52は、回転軸18に垂直な面に対して周方向に傾斜しているので、折り曲げ部66の折り曲げ線66Aも、回転軸18に垂直な面に対して周方向に傾斜するように配置されている。折り曲げ線66Aの上端67Aは、側面部58の基端部58Aと先端部58Bの間の位置に配置され、したがって、折り曲げ線66が側面部58の基端部58Aから、つまり円板部56の上面から上方に突出することがない。よって、羽根部54のうち最も上方に位置する部分が、円板部56の上面から上方に突出することがなく、羽根部54全体が、円板部56の上面よりも下方に配置されている。また、折り曲げ線66Aの下端67Bは、側面部58の先端部58Bの位置に一致する。
このような形状により、接続部54は、折り返し線64A及び折り曲げ線66Aが2辺を構成する略三角形状に形成される。また、接続部54は、側面部58の外面に沿って円筒周面状に形成され、つまり、回転軸18に垂直な面で切断した断面での形状が円弧状になっている。
次に、このような構造のファン部材10の製造方法について説明する。
図4乃至図7は、本発明の一実施形態によるファン部材10の製造工程を示す図である。まず、一枚の金属板状部材から、円形のブランク材を打ち抜き加工する。円形の半径は、基部50を形成するための円形部分の寸法と、その周りに羽根部52及び接続部54を形成するための寸法とを考慮して設定する。
次に、図4に示すように、円形のブランク材の中央に、数回にわたって又は1回で深絞りを行い、基部50に対応する部分70を形成する。このとき、基部50に対応する部分70の外周にある平坦部分は、接続部54及び羽根部52に対応する円環状部分72となる。
次に、図5に示すように、円環状部分72を、接続部54及び羽根部52に対応する形状に打ち抜き加工する。本実施形態では、接続部54及び羽根部52は、5つ設けられているので、円環状部分72に等間隔に5つの、接続部54及び羽根部52に対応する部分74が形成される。また、この打ち抜き加工により、基部50に対応する部分70に基部50の先端部58Bが形成され、これにより、基部50が形成される。
次に、接続部54と基部50の先端部58Bとの間の境界線を折り返し線64Aとし、この折り返し線64Aに沿って部分74を曲げ加工することにより、折り返し部64を形成する。具体的には、図5の状態では、折り返し線64Aと、折り曲げ線66Aに対応する、湾曲した境界線75との間に形成される接続部54に対応する部分76が、側面部58に対して約90°の角度を成している。この部分76を上方に段階的にまたは一度に上方に折り曲げて、側面部58に近づけ、最終的には、側面部58の周面形状に沿った形状に成形する。このような加工により、部分74は、図6に示すように、接続部54が側面部58の円筒周面に沿って配置され、羽根部52に対応する部分78が、接続部54から連続して上方に立ち上がった形状となる。
最後に、境界線75を折り曲げ線66Aとして、羽根部52に対応する部分78を下方に折り曲げ、図7に示すように、側面部58に対してほぼ90°に折り曲げられた羽根部52を形成する。なお、羽根部52は、所定の湾曲形状となるように、折り曲げ線66Aで折り曲げると同時に、湾曲させる。
以上のような工程により、ファン部材10の基部50、接続部54、及び羽根部52を形成する。その後、基部50の円板部56に凹部56Aを形成し、回転軸18に取り付けるための貫通孔59を形成する。
以上のような実施形態によれば、次のような優れた効果が得られる。
基部50、羽根部52、及び接続部54で構成されるファン部材10が、一枚の金属製板状部材から構成されているので、打ち抜き加工やプレス加工によってファン部材10を製造することができる。したがって、従来羽根部を基部に取り付けるために行っていた溶接が不要となるため、ファン部材10の重量のばらつきが少なくなり、バランス調整作業を簡単にまたは完全に省略することができる。ここで、ファン部材10のバランス調整作業が必要であるか否かは、打ち抜き加工の精度や、プレス加工の精度、板状部材の厚みや重さの均一性等による。例えば、加工精度や板状部材の寸法精度が高くなれば、これらのばらつきがファン部材10の重量のばらつきに与える影響が小さくなる。ファン部材10の重量のばらつきが所定許容範囲内であれば、バランス調整作業を完全に省くことができるから、本発明は非常に有用である。
また、バランス調整作業を簡単にまたは省略することができることにより、ファン部材10の製造工程が簡単になり、製造時間を短縮することができ、製造コストを低減することができる。特に、バランス調整作業を省略することができれば、プレス加工工場から搬入されたファン部材10に対して更なる作業を行う必要がない。したがって、プレス加工工場から出荷されたファン部材10をそのまま取り付けてファンモータ1を製造することができるので、製造工程を大幅に簡略化することができる。
ファン部材10が一枚の金属製板状部材から構成され、溶接が不要となるため、溶接部の錆の発生の可能性を除去することができる。したがって、使用する材料によっては、従来必要であった防錆剤の塗装作業を省くことができる。これにより、ファン部材10の製造工程がより一層簡単になり、製造コストをより一層削減することができる。また、溶接作業が不要になることで、溶接時に発生する二酸化炭素の大気への放出をなくすことができるので、大気汚染の抑制を図ることができる。更に、塗装作業が不要になることで、防錆剤(塗装剤)の使用が不要となるから、塗装剤に含まれる鉛、マンガン等の物質を大気に放出することがなくなるので、環境汚染の抑制にも貢献する。
折り返し線64Aが、回転軸18に垂直な面内で円弧状に形成されているので、折り返し部64で折り返した接続部54が、ステンレス鋼の弾性によって元に戻ろうとする、スプリングバックの発生を防止することができる。これにより、接続部54が側面部58に対して360°折り返された状態で接続部54を保持することができる。
また、接続部54も側面部58の周面に沿って円筒状周面を形成するように回転軸18を中心とする円筒状に湾曲しているので、この接続部54の形状によっても、接続部54のスプリングバックの発生を防止して、接続部54を側面部58に沿った位置に保持することができる。したがって、このような折り返し線64A及び接続部54の形状自体が、接続部54の位置を折り返し位置で保持する保持手段として機能することができる。
基部50が、円板部56と側面部58とを有する有底円筒状に形成されているので、カバー部8の上部及び側壁を覆って、内部の固定子6及び回転子4を保護することができる。よって、カバー部8内部にごみやほこりが侵入するのを防止して、ファンモータ1の内部をクリーンな状態に保つことができる。
羽根部52の上端(本実施形態では、内端60の最も上方の部分)が、円板部56の上面よりも下方に位置しているので、ファン部材10を回転軸18に取り付けたとき、羽根部52が基部50の上面よりも上方に突出しない。したがって、ケース12の高さ寸法を、基部50の円板部56の高さに合わせて設計することができるから、ケース12、ひいてはファンモータ1の小型化を促進することができる。また、ケース12の寸法が規格等によって制限される場合には、限られたケース12の高さ内で円板部56をより高く配置することができ、カバー部8内部のモータ構造部品のための空間を大きく確保することができるから、モータの性能を向上させることができる。
ファン部材10をステンレス鋼で形成したので、錆の発生を防止することができる。これにより、ファン部材10の表面に防錆剤を塗布する必要がないから、ファン部材10の製造工程をより一層簡略化することができるとともに、製造時間を更に短縮することができ、製造コストを低減することができる。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
基部、接続部、及び羽根部の形状は、ファン部材10の使用環境やファンモータ1の他の構成部品の設計に応じて適宜変更することができる。例えば、図8に示すように、基部80の側面部82を、前述の実施形態におけるカバー部8の側面をほぼ覆うように、前述の実施形態による側面部58より高さ寸法を大きく形成してもよい。この場合には、接続部84を、略台形に形成し、その一端に折り返し部86を形成し、他端に折り曲げ部88を形成すればよい。この場合には、基部80がモータの構成部品のほぼ全部を覆うことができるので、モータ部分にごみやほこりが入るのをより確実に防止することができる。また、接続部84が略台形に形成されるので、接続部84の回転軸に沿った長さを調整することにより、回転軸に沿った方向における羽根部89の位置(高さ位置)を自由に設定することができる。
また、例えば図9に示すように、基部90は、前述の実施形態のような側面部58を備えず、円板部91のみを有していてもよい。この場合には、接続部92は、円板部91の外縁から回転軸に沿って下方に延びる矩形状部分93と、矩形状部分93の下端に形成された折り返し部94と、折り返し部94から回転軸に沿って上方に延びる三角形部分95と、三角形部分95の端部(上端)に形成された折り曲げ部96とを有して構成されていてもよい。この場合には、折り返し部94は、基部90と接続部92との境界部分に形成されず、矩形状部分93と三角形部分95との間に形成される。
更には、基部は、円板状に形成されるものに限らず、例えば多角形状に形成されてもよく、または、回転軸を中心に半径方向に延びる、羽根部の枚数に対応した数のアームで構成されていてもよい。
折り返し部は、前述の実施形態では、約360°に折り返されていたが、この角度に限定されるものではなく、回転軸にほぼ沿った一方向から逆方向へ折り返されるものであれば本発明の範囲内に包含され、例えば、折り返し線を挟んで折り返される両側の部材の角度が、鋭角を成すようになっていてもよい。
また、折り曲げ部は、接続部と羽根部が約90°に折り曲げられるものに限らず、羽根部の基部に対する位置や、ファンモータの仕様等に応じて任意の角度に設定することができる。
ファン部材に、光触媒を塗布してもよい。この場合には、光触媒は、例えばファン部材の羽根部の表面のみや、基部の外面のみというように、ファン部材の一部に塗布してもよいし、あるいは、光触媒をファン部材の全面に塗布してもよい。要するに、光触媒は、ファン部材の少なくとも一部に塗布されていればよい。このようにファン部材の少なくとも一部に光触媒が塗布されていると、光触媒の触媒作用により、ファン部材の抗菌、除塵効果が得られる。また、光触媒によって周囲の空気の清浄効果が得られるため、ファン部材がファンモータに取り付けられた場合には、ファンモータによって空気を送風するとともに当該空気を清浄することができる。したがって、ファンモータが取り付けられた環境内の空気を清浄することができる。
回転子と固定子は、前述の実施形態の構造に限らず、任意の構造のものが採用でき、例えば、回転子を固定子の外側に配置し、固定子をブラケットに固定し、回転子をロータケースを介して回転軸に取り付けてもよい。この場合には、回転子及びロータケースが固定子に対して回転し、回転軸を回転させる。
羽根部の数は、ファンモータの使用条件等を勘案して任意に設定できる。また、所定枚数の羽根部を有するファン部材を複数重ね合わせて、より多くの数の羽根部を取り付けるようにしてもよい。
1 ファンモータ
4 回転子
6 固定子
10 ファン部材
18 回転軸
50 基部
56 円板部
58 側面部
58A 基端部
58B 先端部
52 羽根部
54 接続部
64 折り返し部
66 折り曲げ部

Claims (7)

  1. ファンモータに使用されるファン部材であって、
    1つの金属製板状部材から構成され、
    前記ファンモータの回転軸に取り付けられる基部と、前記基部の周りに配置され、前記基部に近い内端と前記基部から遠い外端とを有する複数の羽根部と、前記基部と前記羽根部とを接続する接続部と、が形成され、
    前記接続部には、前記回転軸にほぼ沿った一方向から逆方向へ折り返された折り返し部と、前記折り返し部よりも前記羽根部に近い側で折り曲げられ、前記羽根部の内端を構成する折り曲げ部と、が形成される、
    ことを特徴とするファン部材。
  2. 前記折り返し部は、折り返し線が、前記回転軸にほぼ垂直な面内で円弧状になるように形成されている、
    請求項1に記載のファン部材。
  3. 前記基部は、前記回転軸にほぼ直交する円板部と、円板部の外縁から前記回転軸に沿って延びる円筒形の側面部とを有する有底円筒状に形成されている、
    請求項1または2に記載のファン部材。
  4. 前記側面部は、前記円板部に接続される基端部と、前記円板部から遠い先端部とを有し、前記接続部の前記折り返し部は、前記側面部の前記先端部に形成されるとともに、該先端部から前記側面部の外面に沿って前記側面部の基端部に近づく方向に折り返され、前記接続部の前記折り曲げ部は、前記先端部と前記基端部との間の位置に配置され、前記羽根部は、前記円板部の外面を越えて延びないように配置される、
    請求項3に記載のファン部材。
  5. 前記ファン部材は、ステンレス鋼で形成される、
    請求項1から4のいずれか1項に記載のファン部材。
  6. 前記ファン部材の表面には、光触媒が塗布されている、
    請求項1から5のいずれか1項に記載のファン部材。
  7. 固定子と、
    回転軸を有する回転子と、
    前記回転軸に取り付けられた、請求項1から6のいずれか1項に記載のファン部材と、を備えた、
    ことを特徴とするファンモータ。
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