以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態による光学ドライブ装置1の模式図である。
光学ドライブ装置1は光ディスク11の再生及び記録を行う。光ディスク11としてはCD、DVD、BD等の各種光記録媒体を用いることができるが、本実施の形態では特に、多層膜によって多層化された記録面を有する円盤状の光ディスクを用いる。
図1に示すように、光学ドライブ装置1は、レーザ光源2、光学系3、対物レンズ4、光検出器5、及び処理部6aを備えて構成される。これらのうち、レーザ光源2、光学系3、対物レンズ4、及び光検出器5は光ピックアップを構成する。
光学系3は、回折格子21、偏光ビームスプリッタ22、コリメータレンズ23、1/4波長板24、センサレンズ(シリンドリカルレンズ)25を有している。光学系3は、レーザ光源2が発した光ビームを光ディスク11に導く往路光学系として機能するとともに、光ディスク11からの戻りビームを光検出器5に導く復路光学系としても機能する。
まず、往路光学系では、回折格子21は、レーザ光源2が発した光ビームを3ビーム(0次回折光及び±1次回折光)に分解しP偏光として偏光ビームスプリッタ22に入射させる。偏光ビームスプリッタ22は、入射されたP偏光を反射して、その進路を光ディスク11方向に折り曲げる。コリメータレンズ23は、偏光ビームスプリッタ22から入射される光ビームを平行光とする。1/4波長板24は、コリメータレンズ23を通過した光ビームを円偏光とする。1/4波長板24を通過した光ビームは対物レンズ4に入射する。
対物レンズ4は、光学系3から入射される光ビーム(平行光状態の光ビーム)を光ディスク11上に集光させるとともに、光ディスク11の記録面で反射してきた戻り光ビームを平行光に戻す。この戻り光ビームは記録面で回折されており、図39を用いて説明したように、0次回折光及び±1次回折光に分解されている。この0次回折光及び±1次回折光は、回折格子21により生ずる0次回折光及び±1次回折光とは異なるもので、以下では回折格子21により分解された0次回折光,+1次回折光,−1次回折光をそれぞれメインビームMB,サブビームSB1,サブビームSB2と称し、0次回折光及び±1次回折光という場合には記録面での回折によって生じた回折光を指す。メインビームMB,サブビームSB1,サブビームSB2は、それぞれ独立して、図39で説明したようなプッシュプル領域を有する反射光を生ずる。なお、サブビームSB1,SB2の各光強度はそれぞれメインビームMBの光強度の1/10程度である。
次に、復路光学系では、対物レンズ4を通過し、1/4波長板24を往復することによりS偏光となった光ビームがコリメータレンズ23に入射する。コリメータレンズ23を通過した光ビームは、集光しつつ偏光ビームスプリッタ22に入射する。偏光ビームスプリッタ22は、入射してきたS偏光を透過してセンサレンズ25に入射させる。センサレンズ25は、偏光ビームスプリッタ22から入射された光ビームに非点収差を付与する。非点収差を付与された光ビームは光検出器5に入射する。
図2はセンサレンズ25によって付与される非点収差の説明図である。同図に示すように、センサレンズ25は一方方向(同図MY軸方向=子線方向。)にのみレンズ効果を有している。そのため、コリメータレンズ23(図1)とセンサレンズ25によって構成される光学系の焦点の位置は、MY軸方向と、MY軸方向に垂直な方向であるMX軸方向(母線方向)とで異なっている(図2に示すMY軸焦点とMX軸焦点)。なお、MY軸方向とMX軸方向の光ビームの長さが等しい点を合焦点と称する。
光学ドライブ装置1では、焦点を合わせようとする層(アクセス対象層)で反射した光ビーム(信号光)の合掌点がちょうど光検出器5上に位置するようにするための、対物レンズ4の位置制御が行われる(フォーカスサーボ)。逆に言えば、アクセス対象層以外の層で反射した光ビーム(迷光)の合掌点は光検出器5上に位置しないこととなり、迷光が光検出器5上に形成するスポット(迷光スポット)は、信号光が光検出器5上に形成するスポット(信号光スポット)に比べ、MY軸方向とMX軸方向の少なくとも一方に広がった形状を有することとなる。
図1に戻る。光検出器5は、光学系3から出射される戻り光ビームの光路に交差する平面上に設置される。光検出器5は3つの受光面を備えており、各受光面はそれぞれ複数の受光領域に分割されている。光学ドライブ装置1は、これらの受光領域を用いて、様々な生成処理でプルイン信号を生成する。その具体的内容については後述する。
処理部6aは、一例として多チャンネル分のアナログ信号をデジタルデータに変換するA/D変換機能を備えたDSP(Digital Signal Processor)で構成されており、光検出器5の出力信号を受け付けて、プルイン信号、フォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号、データ信号などの各種信号を生成する。処理部6aの処理の詳細についても後述する。
CPU7はコンピュータやDVDレコーダー等に内臓される処理装置であり、図示しないインターフェイスを介し、処理部6aに対して光ディスク11上のアクセス位置を特定するための指示信号を送信する。この指示信号を受信した処理部6aは、対物レンズ4を制御し、光ディスクの法線方向に移動させることにより、アクセス対象の記録層に焦点を合わせる(フォーカスサーボ)。こうしてフォーカスサーボがかかると、次に処理部6aは、対物レンズを光ディスク11の表面に平行に移動させることによりトラックオン状態を実現する(トラッキングサーボ)。トラックオン状態になると、処理部6aはデータ信号の取得を開始する。取得したデータ信号はCPU7に出力される。
以下、光検出器5の構成の詳細及び処理部6aの処理の詳細について説明する。
まず、図3は、本実施の形態による光検出器5の上面図であり、受光面及び受光領域を示している。なお、同図には信号光のスポットも描いている。同図に示すように、光検出器5はメインビーム受光面S1と、サブビーム受光面S2及びS3とを有する。
メインビーム受光面S1は、一辺の長さがx(≧スポット直径r=50μm)の正方形であり、メインビームMBを受光可能に配置される。具体的には、メインビームMBのスポット中心に対して点対称となり、かつ該スポット中心を通り、信号光接線方向に平行な直線S1xに対して線対称となるよう形成されている。また、メインビームMBのスポット中心を通り、信号光接線方向に平行な直線S1yに対しても線対称となるよう形成されている。尚、一般的にはxの値はスポット直径の約2倍(100μm)である。これは、非点収差法を使用するフォーカス制御を行うに当たり、スポット全体の信号を受光するのに必要な領域がスポット直径の約2倍であるからである。
メインビーム受光面S1は、それぞれが正方形である4つの受光領域1A〜1Dに分割された、いわゆる4分割受光面である。
サブビーム受光面S2はメインビーム受光面S1と同じ大きさの正方形であり、サブビームSB1を受光可能に配置される。具体的には、サブビームSB1のスポット中心に対して点対称となり、かつ該スポット中心を通り、信号光接線方向に平行な直線S2xに対して線対称となるよう形成されている。また、サブビームSB1のスポット中心を通り、信号光接線方向に平行な直線S2yに対しても線対称となるよう形成されている。サブビーム受光面S3も同様に、メインビーム受光面S1と同じ大きさの正方形であり、サブビームSB2を受光可能に配置される。具体的には、サブビームSB2のスポット中心に対して点対称となり、かつ該スポット中心を通り、信号光接線方向に平行な直線S3xに対して線対称となるよう形成されている。また、サブビームSB2のスポット中心を通り、信号光接線方向に平行な直線S2yに対しても線対称となるよう形成されている。サブビーム受光面S3はメインビーム受光面S1を挟んでサブビーム受光面S2の反対側に配置される。
サブビーム受光面S2,S3はメインビーム受光面S1に対して、信号光接線方向に少しずつ互いに反対方向にずれたところに配置されている。これは、メインビームMBとサブビームSB1のスポット位置のずれを反映したものである。スポット位置のずれの大きさは光学系3の構成の仕方次第で変わるので、各受光面の配置は光学系3の構成に応じて適宜決定すればよい。
サブビーム受光面S2は、直線S2xと、直線S3yの両側それぞれw2/2のところに設けられる分割線L1,L2とに沿って分割されてなる6つの受光領域2A〜2Fを有している。このうち受光領域2Aは、直線S2xのメインビーム受光面S1と反対側にある3つの受光領域の中央に位置している。受光領域2B〜2Fは、受光領域2Aから反時計回りに配置されている。
サブビーム受光面S3も同様に、直線S3xと、直線S3yの両側それぞれw2/2のところに設けられる分割線L3,L4とに沿って分割されてなる6つの受光領域3A〜3Fを有している。このうち受光領域3Aは、直線S2xのメインビーム受光面S1側にある3つの受光領域の中央に位置している。受光領域3B〜3Fは、受光領域3Aから反時計回りに配置されている。
以上のように、光検出器5の各受光面は複数の受光領域に分割されており、光検出器5は、受光領域ごとに、光ビームの強度を受光領域で面積分して得られる値(受光量)の振幅を有する信号を出力する。以下では、受光領域X(Xは受光領域の符号)に対応する出力信号をIXと記載する。
メインビーム受光面S1は、プルイン信号、フォーカス誤差信号、トラッキング誤差信号、データ信号などの各種信号の生成に用いられる。一方、サブビーム受光面S2,S3は、上述したように、レンズシフトによってプッシュプル信号に生ずるオフセットを打ち消すために設けられるものである。しかし本実施の形態では、受光領域2A,2D(第1のサブビーム受光面)及び受光領域3A,3D(第2のサブビーム受光面)については、プルイン信号の生成にも用いる。
次に、図4は処理部6aの機能ブロックの一部を示す図である。同図に示すように、処理部6aは、プルイン信号生成部61a(プルイン信号生成手段)、フォーカス誤差信号生成部62、トラッキング誤差信号生成部63、データ信号生成部64、及び対物レンズ制御部65(層認識手段)を備えている。
プルイン信号生成部61aは、光検出器5から、受光領域2A,2Dに対応する出力信号I2A,I2D(第1の出力信号)と、受光領域3A,3Dに対応する出力信号I3A,I3D(第2の出力信号)とを取得する。そして、これらの合計信号I2A+I2D+I3A+I3Dに基づいてプルイン信号PISを生成する。具体的には、式(1)に示すように、合計信号I2A+I2D+I3A+I3Dをそのままプルイン信号PISとする。なお、合計信号I2A+I2D+I3A+I3Dを所定の増幅率で増幅した信号をプルイン信号PISとして用いてもよいことは言うまでもない。
図5は、光ディスク11が記録層L0,L1を有する2層構成であり、かつ層間距離dが10μmであるという前提の下、幅w2を20μmとして、プルイン信号PISのシミュレーションを行った結果を示す図である。また、その他の条件は、レーザー波長は405nm、対物レンズのNAは0.85、スポット光直径は50μm、復路光学倍率は15倍、サブビーム受光面S2,S3の中心座標は、メインビーム受光面S1の中心座標を(x、y)=(0、0)とした場合にそれぞれ(x、y)=(10μm、155μm)、(―10μm、―155μm)となっている。以下のシミュレーションも全て上記条件で行っている。記録層L0,L1に対応する焦点距離は、それぞれ約1759μm,約1765μmとなる。これらの差が10μmとならないのは、光ディスク11の構成材料の屈折率に起因している。図5(a)には、プルイン信号PISの他、プルイン信号PISのメインビーム成分PIS_M(メインビームMBがサブビーム受光面S2,S3にかかることによって生ずる成分)、サブビーム成分PIS_S(サブビームSB1,SB2がサブビーム受光面S2,S3にかかることによって生ずる成分)、しきい値THS(後述)、スライス信号PISSL(後述)、及びフォーカス誤差信号FEも示している。また、図5(b)には、メインビーム成分PIS_Mの記録層L0反射成分PIS_L0(サブビーム受光面S2,S3に受光されるメインビームMBのうち記録層L0の反射成分によって生ずる成分)及び記録層L1反射成分PIS_L1(サブビーム受光面S2,S3に受光されるメインビームMBのうち記録層L1の反射成分によって生ずる成分)も示している。
図5のプルイン信号PISを用いて記録層L0,L1間のPI層間分離率を算出すると、約58.2%となる。したがって、層間距離dが10μmであり、かつ幅w2が20μmである場合には、プルイン信号PISを用いることで十分に層認識を行えると言える。その他の場合については後述する。
プルイン信号生成部61aはさらに、プルイン信号PISの極大値と極小値の中間程度の値を有するしきい値THS(第1のしきい値)を決定する。例えば、まず初めに、対物レンズ制御部65を介して対物レンズ4の焦点距離を最小値から最大値まで変化させながら、プルイン信号PISを生成する。プルイン信号生成部61aは、こうして生成されたプルイン信号PISの振幅に基づき、その最大値を取得する。そして、取得した最大値の例えば7割の値をしきい値THSとして算出し、記憶する。最大値としきい値THSの比率は、プルイン信号PISの変動や誤差などを考慮して、確実に層認識処理が行えるように予め決定される。ただし、PI層間分離指標が20%を下回るような場合には、そのようなしきい値を決定することは困難である。このことは、PI層間分離指標が20%を下回ると層認識処理が適切に行えなくなる原因となっている。
しきい値THSを決定したら、プルイン信号生成部61aは、プルイン信号PISがしきい値THSより大きくなるときにハイ(第1の値)となり、そうでないときにロー(第2の値)となるスライス信号PISSL(第1のスライス信号)を生成する。こうして生成されたスライス信号PISSLは、対物レンズ制御部65に入力される。
フォーカス誤差信号生成部62は、光検出器5から、受光領域1A〜1Dに対応する出力信号I1A〜I1Dを取得する。そして、対角成分(出力信号I1AとI1C、出力信号I1BとI1D)ごとに合計信号を生成し、その差分信号に基づいてフォーカス誤差信号FEを生成する。具体的には、次の式(2)によりフォーカス誤差信号FEを生成する。フォーカス誤差信号FEも、対物レンズ制御部65に入力される。
トラッキング誤差信号生成部63は、光検出器5から、すべての受光領域に対応する出力信号I1A〜I1D,I2A〜I2F,I3A〜I3Fを取得する。そして、メインビーム受光面S1に対応する出力信号I1A〜I1Dに基づいてプッシュプル信号PPを生成するとともに、サブビーム受光面SB1,SB2に対応する出力信号I2A〜I2F,I3A〜I3Fによりサブプッシュプル信号SPPを生成し、これらの差分信号に基づいてトラッキング誤差信号TEを生成する。具体的には、次の式(3)〜式(5)により、プッシュプル信号PP、サブプッシュプル信号SPP、及びトラッキング誤差信号TEを生成する。ただし、式(5)中の定数kは、レンズシフトを打ち消す効果が最大限発揮されるように決定される。例えば、メインビームMBの光強度とサブビームSB1,SB2の合計光強度との比に等しい値とすればよい。生成されたトラッキング誤差信号TEは、対物レンズ制御部65に入力される。
データ信号生成部64は、光検出器5から、受光領域1A〜1Dに対応する出力信号I1A〜I1Dを取得する。そして、これらの合計信号I1A+I1B+I1C+I1Dに基づいてデータ信号RFを生成する。具体的には、式(6)に示すように、合計信号I1A+I1B+I1C+I1Dをそのままデータ信号RFとすればよい。生成されたデータ信号RFは、CPU7に入力される。
対物レンズ制御部65は、入力されたスライス信号PISSLに基づいて層認識処理を行う。層認識処理には、記録層の数を取得するための層数カウント処理と、フォーカスサーボの一環として行われる対物レンズ焦点距離の粗調整処理及び対物レンズの合焦点認識処理などが含まれる。また、対物レンズ制御部65は、入力されたフォーカス誤差信号FEを用いてフォーカスサーボを行い、さらに入力されたトラッキング誤差信号TEを用いてトラッキングサーボを行う。以下、順を追って説明する。
まず、対物レンズ制御部65は、スライス信号PISSLがハイとなる区間(ハイ区間)の数をカウントすることにより、層数カウント処理を行う。つまり、図5に示したように、スライス信号PISSLには、記録層の数に等しい数のハイ区間が現れる。対物レンズ制御部65は、対物レンズ4の焦点距離を最小値から最大値まで変化させながら、このハイ区間の数をカウントすることにより、光ディスク11が有している記録層の数を取得する。
次に、対物レンズ制御部65は、フォーカスサーボを行う。フォーカスサーボは、CPU7から光ディスク11上のアクセス位置を特定するための指示信号が入力されたときに開始される。フォーカスサーボを開始した場合、対物レンズ制御部65はまず初めに、対物レンズ焦点距離の粗調整処理を行う。具体的には、指示信号からアクセス対象の記録層の層番号(最も対物レンズから遠い(又は近い)側にある記録層からの通番)を取得する。そして、対物レンズ4の焦点距離を最小値(又は最大値)から移動させ、ハイ区間の数をカウントしていく。そして、カウント値がアクセス対象層の層番号に等しくなったとき、粗調整処理を終了する。
粗調整処理が終了したら、対物レンズ制御部65は、対物レンズ4の合焦点認識処理を開始する。フォーカス誤差信号がゼロとなる位置が合焦点であるかどうか認識する処理である。フォーカス誤差信号がゼロとなる位置は合焦点以外にも存在するため、対物レンズ制御部65は、スライス信号PISSLのハイ区間内にあることを条件として、フォーカス誤差信号がゼロもしくはゼロクロスする位置を合焦点と認識する。このような合焦点認識処理を行う場合は、スライス信号PISSLのハイ区間内で、フォーカス誤差信号がゼロとなる位置が合焦点のみになるようなプルイン信号を生成する必要がある。
合焦点認識処理を行えるスライス信号PISSLが生成されている場合、対物レンズ制御部65は、対物レンズ焦点距離の微調整処理を行う。具体的には、スライス信号PISSLのハイ区間内で対物レンズ4の焦点距離を移動させ、フォーカス誤差信号FEが0となる焦点距離を検索する。0となる焦点距離が発見された後には、フォーカス誤差信号FEが0である状態が維持されるよう対物レンズ4の位置を継続的に微調整する。この状態を「フォーカスサーボがかかった状態」という。
フォーカスサーボがかかると、対物レンズ制御部65はトラッキングサーボを開始する。トラッキングサーボでは、対物レンズ制御部65は、トラッキング誤差信号TEが0となるよう、対物レンズ4を光ディスク11の半径方向に移動させる。トラッキングサーボも継続的に行われ、並行してデータ信号RFの取得が行われる。
以上、処理部6aの機能ブロックについて説明した。次に、プルイン信号PISについて、具体的な例を挙げながら再度詳細に説明する。
図6〜図8は、光ディスク11の条件を図5に示した例と同一(2層構成かつ層間距離d=10μm)とし、幅w2が100μm,50μm,10μmである場合のそれぞれについて、プルイン信号PISのシミュレーションを行った結果を示す図である。これらの図の(a)(b)には、図5の(a)(b)と同様に、プルイン信号PISのメインビーム成分PIS_Mなどを示している。各図の例における記録層L0,L1間のPI層間分離率は、図6(w2=100μm)で約36.4%、図7(w2=50μm)で約52.8%、図8(w2=10μm)で約58.3%となっている。また、図示していないが、w2=30μm、40μmのときのPI層間分離率はそれぞれ、約55.8%、約57.5%となる。
また、図9〜図11は、光ディスク11が記録層L0,L1を有する2層構成であり、かつ層間距離dが15μmであるという前提の下、幅w2が100μm,20μm,10μmである場合のそれぞれについて、プルイン信号PISのシミュレーションを行った結果を示す図である。記録層L0,L1に対応する焦点距離はそれぞれ約1754.8μm,約1765μmである。これらの図の(a)(b)にも、図5の(a)(b)と同様に、プルイン信号PISのメインビーム成分PIS_Mなどを示している。各図の例における記録層L0,L1間のPI層間分離率は、図9(w2=100μm)で約41.5%、図10(w2=20μm)で約63.5%、図11(w2=10μm)で約64.2%となっている。
さらに、図12〜図14は、光ディスク11が記録層L0,L1を有する2層構成であり、かつ層間距離dが20μmであるという前提の下、幅w2が100μm,20μm,10μmである場合のそれぞれについて、プルイン信号PISのシミュレーションを行った結果を示す図である。記録層L0,L1に対応する焦点距離はそれぞれ約1752.5μm,約1765μmである。これらの図の(a)(b)にも、図5の(a)(b)と同様に、プルイン信号PISのメインビーム成分PIS_Mなどを示している。各図の例における記録層L0,L1間のPI層間分離率は、図12(w2=100μm)で約3.1%、図10(w2=20μm)で約41.9%、図11(w2=10μm)で約42.6%となっている。
図12に示すように、幅w2が100μmである場合には、プルイン信号PISの極大値が合焦点近辺以外にも生じている。このような極大値が生じている場合、層認識処理の実行は困難である。なお、図12の例におけるPI層間分離率は、合焦点間の極大値と、本来の合焦点近辺に出てくる二つの極大値の小さい方の値とに基づいて算出している。一方で、図13,図14に示すように、幅w2が20μm以下であると、このような極大値は生じない。
図15は、図5〜図14に基づいて算出される記録層L0,L1間のPI層間分離指標と幅w2との関係を、層間距離dごとに示した図である。ただし、図15では、層間距離dが20μmである場合について、w2=90μm,80μm,70μmとした場合におけるPI層間分離率も示している。具体的な数値は、w2=90μm,80μm,70μmそれぞれについて、9.4%、15.6%、20.9%である。
図15から理解されるように、PI層間分離指標は、層間距離dが同じであれば幅w2が小さいほど大きくなる。また、層間距離dが10μmである場合と15μmである場合とではPI層間分離指標はほとんど変わらないが、層間距離dが20μmである場合にはPI層間分離指標が小さくなる。層間距離dが大きいほどPI層間分離指標が小さくなるという点は、図41に示したプルイン信号PIMの例とは逆になっている。このようになる理由は、次のとおりである。
各図の(b)に示すように、記録層L0反射成分PIS_L0及び記録層L1反射成分PIS_L1は合焦点近辺ではほぼゼロとなるが、合焦点から遠ざかっていくと強度が強くなり、極大値をもち、層間距離が大きくなってくると、この極大値がちょうど合焦点間にきたり、また、他層の極大値と重なるようになるためである。層間距離が小さくなってくると、この極大値の位置が合焦点間からずれて合焦点近辺に来るため、合焦点間に極大値は生じなくなる。つまり、これらの成分はメインビームMBの反射光、即ち迷光によるものであるが、PI層間分離を考える場合は、サブビーム受光面S2及びS3では、層間距離dが大きくなってくると、迷光の影響が大きくなってきて、PI層間分離指標が小さくなる。
上述したように、層認識処理を適切に実行するためには、PI層間分離指標が20%以上であることが必要である。図15から、層間距離dが10μm,15μmである場合には、幅w2によらず層認識処理を行えることが理解される。一方で、層間距離が20μmである場合には、幅w2が70μmより大きいとPI層間分離指標が20%を下回り、層認識処理を適切に行うことができなくなる。
一般的に言って、20μm程度の層間距離は、現実的な層間距離の上限値である。また、上述したように、プルイン信号PISのPI層間分離指標は、層間距離dが同じであれば幅w2が小さいほど大きくなる。したがって、幅w2を70μm以下、すなわちスポット直径r=50μmの1.4倍以下とすることにより、光ディスク11の構造によらず層認識処理を実行可能なプルイン信号PISを得ることが可能になる。
ここで、4層構成の光ディスク11を用いる場合のプルイン信号PISのシミュレーション結果についても示しておく。まず、図16は、このシミュレーションの前提とした光ディスク11の層構成を示す図である。同図に示すように、この例による光ディスク11は、対物レンズ4に遠い側から順に層L0〜L3を有する4層構成であり、層間隔は層L0と層L1の間から順に16μm,21μm,10μmとなっている。
図17〜図20は、光ディスク11が図16に示した層構成を有するという前提の下、幅w2が100μm,50μm,20μm,10μmである場合のそれぞれについて、プルイン信号PISのシミュレーションを行った結果を示す図である。記録層L0〜L3に対応する焦点距離はそれぞれ約1735μm,約1746μm,約1759μm,約1765μmである。これらの図の(a)(b)にも、図5〜図8の(a)(b)と同様に、プルイン信号PISのメインビーム成分PIS_Mなどを示している。
図17〜図20から理解されるように、光ディスク11が4層構成であっても、各記録層間のPI層間分離指標は、幅w2が小さいほど大きくなる性質を有している。
幅w2が100μmである場合、合焦点認識処理も行えるようにしきい値THSを設定すると、ハイ区間が1つとなり、層認識ができない。また、層数カウント処理などのため、しきい値を大きくすると、値によっては、ハイ区間が4つとなるが、合焦点間に極大値が出てくるため、5つと認識する可能性も出てくる。よって、幅w2が100μmである場合、層認識処理の実行は困難である。一方、幅w2が50μm,20μm,10μmの場合には、合焦点認識処理が行える程度まで分離できている。
なお、図16に示した光ディスク11では、一部の層間距離が約20μmとなっているため、上述した層間距離d=20μmの2層構成の場合と同様、幅w2が70μmより大きいとPI層間分離指標の最小値(記録層L0,L1間のPI層間分離指標、記録層L1,L2間のPI層間分離指標、及び記録層L2,L3間のPI層間分離指標のうちの最小値)が20%を下回って層認識処理を適切に行うことができなくなる。これに対しては、2層構成の光ディスク11を用いる場合と同様、幅w2をスポット直径rの1.4倍以下とすることにより、光ディスク11の構造によらず層認識処理を実行可能となる。
以上説明したように、本実施の形態による光学ドライブ装置1によれば、メインビーム受光面S1を4分割以上に分割せずに、層間距離によらず層認識処理を行うことが可能になるとともに、合焦点認識処理を伴うフォーカスサーボも行えるようになる。
図21は、本発明の第2の実施の形態による光学ドライブ装置1に備えられる処理部6bの機能ブロックの一部を示す図である。
図21に示すように、処理部6bは、プルイン信号生成部61aに代えてプルイン信号生成部61bを備える点で、第1の実施の形態による処理部6aと相違する。以下、相違点を中心に説明する。
プルイン信号生成部61bは、プルイン信号PISを生成する点では、プルイン信号生成部61aと同様である。プルイン信号生成部61bは、これに加えてプルイン信号PIMも生成する。具体的には、受光領域1A〜1Dに対応する出力信号I1A〜I1D(第3の出力信号)も取得する。そして、これらの合計信号I1A+I1B+I1C+I1Dに基づいてプルイン信号PIMを生成する。具体的には、式(7)に示すように、合計信号I1A+I1B+I1C+I1Dをそのままプルイン信号PIMとする。なお、このプルイン信号PIMは、従来からプルイン信号として用いられている信号である。
プルイン信号生成部61bはさらに、2つのプルイン信号PIS,PIMに基づいてプルイン信号PIMSを生成する。具体的には、式(8)によりプルイン信号PIMSを生成する。ここで、mは定数である。
図22は、光ディスク11が記録層L0,L1を有する2層構成であり、かつ層間距離dが10μm、メインビーム受光面S1は4分割で幅w1が100μmであるという前提の下、幅w2が100μm、50μm、40μm、30μm、20μm、10μmである場合のそれぞれについてシミュレートしたプルイン信号PIMSを示す図である。同図には、プルイン信号PIMSの他、しきい値THMS(後述)及びフォーカス誤差信号FEも示している。この例では、定数mはそれぞれの幅w2に対して、5、6.5、7.6、9.8、14.2、28.2としている。また、各図にプロットした値は、式(8)により求められる値の1/2である。
なお、幅w2が100μmである場合に定数m=5としているが、これは例として、プルイン信号PIMSにおいて、サブビームSB1,SB2の合計がメインビームMBと同じ強度になるように、メインビームMBの光強度とサブビームSB1,SB2の合計光強度との比に等しい値を用いているものである。また、幅w2が50μm、40μm、30μm、20μm、10μmである場合の定数mの値は、PI層間分離の幅w2依存性を比較しやすいように、それぞれが有する複数の極大値のうちの最小の値が、幅w2が100μmである場合のプルイン信号PIMSが有する複数の極大値のうちの最小の値と同じになるように決めてある。
図22の例において記録層L0,L1間のPI層間分離率を算出すると、幅w2が100μm、50μm、40μm、30μm、20μm、10μmである場合のそれぞれについて、約29.7%、約38.7%、約40.3%、約40.4%、約40.8%、約40.8%となる。したがって、層間距離dが10μmである場合には、プルイン信号PIMSを用いることで、たとえ幅w2が100μmであっても十分に層認識を行えると言える。
また、図41に示したように、メインビーム受光面S1が4分割、幅w1=100μmでプルイン信号PIMのみを用いた場合は、層認識を行えないが、サブビーム受光面S2,S3を組合わせることにより、全ての幅w2に対して層認識を行えるようになる。
プルイン信号生成部61bはさらに、プルイン信号PIMSの極大値と極小値の中間程度の値を有するしきい値THMS(第1のしきい値)を決定する。具体的な決定方法は、第1の実施の形態で説明したしきい値THSの決定方法と同様であるので、詳しい説明は省略する。
しきい値THMSを決定したら、プルイン信号生成部61bは、図示していないが、プルイン信号PIMSがしきい値THMSより大きくなるときにハイ(第1の値)となり、そうでないときにロー(第2の値)となるスライス信号PIMSSL(第1のスライス信号)を生成する。こうして生成されたスライス信号PIMSSLは、対物レンズ制御部65に入力される。対物レンズ制御部65では、入力されたスライス信号PIMSSLをスライス信号PISSLの代わりに用い、第1の実施の形態で説明したものと同様の処理を行う。
図23は、光ディスク11が記録層L0,L1を有する2層構成であり、かつ層間距離dが15μm、メインビーム受光面S1は4分割で幅w1が100μmであるという前提の下、幅w2が100μm、20μm、10μmである場合のそれぞれについてシミュレートしたプルイン信号PIMSを示す図である。この例では、定数mはそれぞれの幅w2に対して、5、15.4、31.1としている。また、各図にプロットした値は、式(8)により求められる値の1/2である。各図の例における記録層L0,L1間のPI層間分離率は、それぞれ約45.4%、約57.5%、約56.9%となっている。
図24は、光ディスク11が記録層L0,L1を有する2層構成であり、かつ層間距離dが20μm、メインビーム受光面S1は4分割で幅w1が100μmであるという前提の下、幅w2が100μm、20μm、10μmである場合のそれぞれについてシミュレートしたプルイン信号PIMSを示す図である。この例では、定数mはそれぞれの幅w2に対して、5、16.2、31.7としている。また、各図にプロットした値は、式(8)により求められる値の1/2である。各図の例における記録層L0,L1間のPI層間分離率は、それぞれ約30.4%、約47.1%、約48.1%となっている。
図25は、図29〜図40に基づいて算出される記録層L0,L1間のPI層間分離指標と幅w2との関係を、層間距離dごとに示した図である。ただし、図25では、層間距離dが20μmである場合について、w2=90μm,80μm,70μmとした場合におけるPI層間分離率も示している。具体的な数値は、w2=90μm,80μm,70μmそれぞれについて、35.7%、39.5%、42%である。また、これらの数値を算出する際、定数mは、w2=90μm,80μm,70μmにつき5.2,5.3,5.7とした。
図25から理解されるように、プルイン信号PIMSに関しても、PI層間分離指標は、層間距離dが同じであれば幅w2が小さいほど大きくなる。また、層認識処理は、層間距離dによらずすべての幅w2で行える。すなわち、プルイン信号PIMSでは、プルイン信号PISとは異なり、層間距離dが20μmであっても20%以上のPI層間分離指標が得られている。したがって、プルイン信号PIMSを用いれば、図3に示した分割線L1〜L4を設けなくても、すなわち、従来のままのサブビーム受光面S1,S2を用いても、層間距離によらず層認識処理を行うことが可能になる。ただし、定数mの値を変えることにより、プルイン信号PIM,PISの寄与度が変わってくるため、PI層間分離指標も変わってくる。多層化光ディスクの層間距離などを考慮して、適宜定数mを最適な値にする必要がある。
次に、図26は、光ディスク11が図16に示した4層構成を有し、かつメインビーム受光面S1は4分割で幅w1が100μmであるという前提の下、幅w2が100μm,50μm,20μm,10μmである場合のそれぞれについて、プルイン信号PIMSのシミュレーションを行った結果を示す図である。図27も同様である。ただし、図26では定数mをそれぞれ15.5,23.5,49.3,95.8として、式(8)により求められる値の1/5.4の値をプロットしている。一方、図27では定数mを図26の2倍(31,47,98.6,191.6)として、式(8)により求められる値の1/10の値をプロットしている。
いずれの場合でも、合焦点認識処理を行えるように、しきい値THMSを小さく設定すると、幅w2が100μmである場合に記録層L3と記録層L2の分離ができなくなり、層認識が行えなくなる。したがって、幅w2を100μmより小さくする必要がある。ただし、層数カウント処理など特定の処理に関しては、幅w2が100μmであっても層認識を行える。
なお、ここでは、メインビーム受光面S1が4分割であり、かつ幅w1が100μmである場合を考えているが、幅w1も同様に小さくしていくと、全ての層間の分離が行えるようになると同時に、特に記録層L0での合焦点認識処理が容易になってきて、しきい値THMSを大きくすることができるため、合焦点認識処理も含めた層認識処理が容易になってくる。
プルイン信号PIMの幅w1依存性は図41に示されている。また、図5〜図14、図17〜図20にサブビーム成分PIS_Sを示しているが、これは、プルイン信号PIMを定数倍した信号であるため、プルイン信号PIMの層間分離の様子を示している図でもある。即ち、幅w1が小さくなってくると、プルイン信号PIMの層間分離が良くなってきており、図示していないが、同時にプルイン信号PIMSの層間分離も良くなってくる。
また、図28は、光ディスク11が図16に示した4層構成を有し、かつメインビーム受光面S1は4分割で幅w1が100μmであるという前提の下、幅w2が100μm,50μm,20μm,10μmである場合のそれぞれについて、定数mを図26で使用した値の0.2倍〜2倍の間で振ってPI層間分離指標をシミュレーションした結果を示す図である。横軸αは、この倍率の5倍の値を示している。また、記録層L3,L2間の分離が問題となってきているため、記録層L3,L2間のPI層間分離指標をプロットしている。
図28から理解されるように、4層構成の光ディスク11を用いる場合のPI層間分離指標の最小値は、2層構成の場合と同様、幅w2が小さいほど大きくなる性質を有している。ただし、幅w2が20μm以下になると、ほとんど変化しない。また、PI層間分離指標は常に20%以上となっていることから、プルイン信号PIMSを用いることで、少なくとも層数カウント処理については、従来のままのサブビーム受光面S1,S2を用いても、層間距離によらず層認識処理を行うことが可能になることが理解される。
また、PI層間分離指標は、定数mの値が大きいほど大きくなる性質も有している。とはいえ、α=1であってもPI層間分離指標は20%以上を維持しているので、定数mの値によらず層認識処理を行うことは可能である。
図29は、本発明の第3の実施の形態による光学ドライブ装置1に備えられる処理部6cの機能ブロックの一部を示す図である。
図29に示すように、処理部6cは、プルイン信号生成部61a,61bに代えてプルイン信号生成部61cを備える点で、それぞれ第1及び第2の実施の形態による処理部6a,6bと相違する。以下、相違点を中心に説明する。
プルイン信号生成部61cは、プルイン信号PIS及びプルイン信号PIMを生成する点では、プルイン信号生成部61bと同様である。
プルイン信号生成部61cはさらに、プルイン信号PISの極大値と極小値の中間程度の値を有するしきい値THS(第2のしきい値)を決定する。また、プルイン信号PIMの極大値と極小値の中間程度の値を有するしきい値THM(第3のしきい値)も決定する。具体的な決定方法は、第1の実施の形態で説明したしきい値THSの決定方法と同様であるので、詳しい説明は省略する。
しきい値THS,THMを決定したら、プルイン信号生成部61cは、プルイン信号PISがしきい値THSより大きくなるときにハイ(第1の値)となり、そうでないときにロー(第2の値)となるスライス信号PISSL(第2のスライス信号)と、プルイン信号PIMがしきい値THMより大きくなるときにハイ(第1の値)となり、そうでないときにロー(第2の値)となるスライス信号PIMSL(第3のスライス信号)とを生成する。
最後に、プルイン信号生成部61cは、スライス信号PISSL,PIMSLがともにハイ(第1の値)である場合にハイ(第1の値)となり、そうでない場合にロー(第2の値)となるプルイン信号PIANDを生成する。このプルイン信号PIANDは、要するに、スライス信号PISSLとスライス信号PIMSLとを論理和演算した結果得られる信号である。こうして生成されたプルイン信号PIANDは、対物レンズ制御部65に入力される。対物レンズ制御部65では、入力されたプルイン信号PIANDをスライス信号PISSLの代わりに用い、第1の実施の形態で説明したものと同様の処理を行う。
以下、プルイン信号PIANDについて、具体的な例を挙げながら詳細に説明する。
図30,図31は、光ディスク11の条件を図5に示した例と同一(2層構成かつ層間距離d=10μm)とし、かつメインビーム受光面S1は4分割で幅w1が100μmとし、幅w2が100μm,20μmである場合のそれぞれについて、プルイン信号PIANDのシミュレーションを行った結果を示す図である。各図の(a)には、プルイン信号PIS,PIM、しきい値THS,THM、及びフォーカス誤差信号FEを示している。また各図の(b)には、スライス信号PISSL,PIMSL及びプルイン信号PIANDを示している。
また、図32,図33は、光ディスク11の条件を図9などに示した例と同一(2層構成かつ層間距離d=15μm)とし、かつメインビーム受光面S1は4分割で幅w1が100μmとし、幅w2が100μm,20μmである場合のそれぞれについて、プルイン信号PIANDのシミュレーションを行った結果を示す図である。これらの図の(a)(b)に示した信号は、図30の(a)(b)と同様である。
さらに、図34,図35は、光ディスク11の条件を図12などに示した例と同一(2層構成かつ層間距離d=20μm)とし、かつメインビーム受光面S1は4分割で幅w1が100μmとし、幅w2が100μm,20μmである場合のそれぞれについて、プルイン信号PIANDのシミュレーションを行った結果を示す図である。これらの図の(a)(b)に示した信号も、図30の(a)(b)と同様である。
図30〜図35に示すように、層間距離dが小さくなってきて、10μmの時は、プルイン信号PIMでは層間分離が十分には行えなくなるが、プルイン信号PISでは層間分離を行うことができる。一方、層間距離dが大きくなってきて、20μmの時は、プルイン信号PIMでは十分に層間分離を行うことができるが、プルイン信号PISではw2が100μmの時は、しきい値の値によって、ハイとなる区間が3つになったり、また2つでも、ハイの区間が長くなったりし、層間分離を行うことが困難になってくる。ただし、層間距離dが変化しても、常にどちらかのプルイン信号は正常に生成されるため、両方のANDをプルイン信号ANDとすると、層認識処理が行えるようになることが分かる。
次に、図36〜図38は、光ディスク11が図16に示した4層構成を有し、メインビーム受光面S1は4分割で幅w1が100μmであるという前提の下、幅w2が100μm,50μm,20μmである場合のそれぞれについて、プルイン信号PIANDのシミュレーションを行った結果を示す図である。これらの図の(a)(b)に示した信号も、図30の(a)(b)と同様である。
図36〜図38に示すように、合焦点認識処理も行えるようにしきい値を設定した場合を考える。幅w2が100μmである場合(図36)には、プルイン信号PISのスライス信号PISSLがハイとなる区間は1つだけになる。一方、メインビーム受光面S1は4分割でw1が100μmであるため、層認識を十分には行えず、プルイン信号PIMのスライス信号PIMSLがハイとなる区間は2つになる。よって、これらを論理和演算してプルイン信号PIANDを生成しても、図36に示すように、層認識を行うことはできない。一方、幅w2を50μm、20μmと小さくしていくと、図37,図38に示すように、層認識を行えるようになっている。よって、プルイン信号PIANDを用いる場合、幅w2を小さくすることにより合焦点認識処理を行えるようになることが理解される。具体的には、幅w2を50μm以下、すなわちスポット直径以下とすることが好ましい。
なお、合焦点認識処理を行わない場合(層数カウント処理などのみを行う場合)には、しきい値をより高めの値に設定することが可能になる。したがって、プルイン信号PIANDのハイ区間を記録層ごとに設けることが可能になるので、幅w2が100μmであっても、プルイン信号PIANDを用いて層認識を行うことが可能になる。
ここでは、メインビーム受光面S1は4分割でw1が100μmの場合を考えているが、幅w1も同様に小さくしていくと、記録層L1と記録層L0間での層間分離が行えるようになると同時に、特に記録層L0での合焦点認識処理が容易になってきて、しきい値を幅w1が100μmの場合と比べて大きくすることができるようになるため、合焦点認識処理を含めた層認識処理が容易になってくる。
プルイン信号PIMの幅w1依存性は図41に示されている。また、図5〜図14、図17〜図20にサブビーム成分PIS_Sを示しているが、これは、プルイン信号PIMを定数倍した信号であるため、プルイン信号PIMの層間分離の様子を示している図でもある。即ち、幅w1が小さくなってくると、プルイン信号PIMの層間分離が良くなってきており、図示していないが、同時にプルイン信号PIANDの合焦点認識処理も含めた王認識処理を容易に行えるようになってくる。
以上説明したように、本実施の形態による光学ドライブ装置1cによれば、プルイン信号PIMSと同様に、プルイン信号PIANDでは、層間距離が大きいほどPI層間分離指標が小さくなるというプルイン信号PISの欠点と、層間距離が小さいほどPI層間分離指標が小さくなるというプルイン信号PIMの欠点が相互に補われる形となっているので、メインビーム受光面S1を4分割以上に分割せずに、層間距離によらず層認識処理を行うことが可能になる。また、とともに、合焦点認識処理を伴うフォーカスサーボも行えるようになる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。