JP5115908B2 - 廃水処理装置及び処理方法 - Google Patents

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Description

本発明は廃水処理装置及び処理方法に関し、特に少なくともアンモニアを含有する窒素含有廃水の窒素除去に使用され、アンモニアと亜硝酸を基質とする嫌気性アンモニア酸化細菌を用いた廃水処理装置及び処理方法に関する。
閉鎖系水域における富栄養化の原因となる廃水中の窒素を除去することが求められている。この窒素は、下水や各種産業廃水中にアンモニア性窒素の形態で含まれていることが多い。
廃水中のアンモニア性窒素を除去する方法として、一般的に硝化細菌及び脱窒細菌を用いてアンモニア性窒素を窒素ガスに変換し除去する方法が知られている。その中で、最近、嫌気性アンモニア酸化法による窒素除去が注目されている。
この嫌気性アンモニア酸化法は、独立栄養細菌である嫌気性アンモニア酸化細菌群により、処理する窒素含有水中のアンモニアを電子供与体とし、亜硝酸を電子受容体として、アンモニアと亜硝酸とを以下に示した化1の式(特許文献1)に従って同時脱窒する方法である。
(化1)
NH +1.32NO+0.066HCO +0.13H
→1.02N+0.26NO +0.066CH0.50.15+2.03H
これにより、従来の硝化・脱窒細菌による処理より、メタノール等の使用量を大幅に削減できることや、汚泥の発生量を削減できる等のメリットがあり、今後の窒素除去方法として省スペース・省エネルギー型の有効な方法であると考えられている。
この方法では、アンモニアと亜硝酸の比を1:1.32の割合に近づけることが求められる。しかしながら、廃水中の窒素の形態として主にアンモニアの形で含まれていることから、現実の廃水中の窒素の形態としてアンモニアと亜硝酸が1:1.32の割合で含まれることは少ない。したがって、嫌気性アンモニア酸化法を適用した窒素除去システムを構築するためには、アンモニアの約半分の量を亜硝酸に変換させる、亜硝酸型硝化工程が必要となる。
また、亜硝酸型硝化も過度に亜硝酸を生成してしまうと、嫌気性アンモニア酸化細菌が亜硝酸阻害を受け、その活性を失うと報告されている。そのため、亜硝酸型硝化を保ち、さらに亜硝酸濃度を一定の濃度で保つための研究がなされている。
特許文献2では、アンモニア酸化細菌を維持するため、加熱処理を行い、亜硝酸を硝酸に硝化(酸化)する亜硝酸酸化細菌を抑制して、亜硝酸型硝化を保持している。
また、特許文献3では、亜硝酸型硝化後のアンモニアと亜硝酸を1:1.3付近に保つため、常時窒素濃度をモニタリングし、曝気風量で制御を行い、嫌気性アンモニア酸化工程に送水している。
特許2005−324133号公報 特許2005−319430号公報 特開2005−246136号公報
上述したとおり、嫌気性アンモニア酸化法を用いるためには、嫌気性アンモニア酸化細菌による嫌気性アンモニア酸化工程の前段に、亜硝酸型硝化工程を設ける必要がある。この亜硝酸型硝化工程は硝化細菌を用いて酸化反応を起こすため槽内に空気を曝気させ、溶存酸素濃度を2〜5mg/Lの好気にする必要がある。
一方、後段の嫌気性アンモニア酸化工程において、嫌気性アンモニア酸化細菌が嫌気性であり、過剰の溶存酸素は嫌気性アンモニア酸化細菌の活性を低下させるため、槽内を嫌気にして反応を進める必要がある。
そのため、嫌気性アンモニア酸化法を用いた窒素除去方法では、亜硝酸型硝化工程と嫌気性アンモニア酸化工程が別槽で行なわれている。しかしながら、嫌気性アンモニア酸化法を用いた窒素除去方法は省スペース・省エネルギー型の有効な方法であると考えられており、更なる省スペース化が望まれている。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、亜硝酸型硝化工程と嫌気性アンモニア酸化工程を単一の処理槽で行なうことができる廃水処理装置及び処理方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明の廃水処理装置は、原水ラインを介してアンモニアを含有する窒素含有廃水が送水される処理槽を備え、前記処理槽が硝化細菌と嫌気性アンモニア酸化細菌を有し、かつ溶存酸素濃度が1.5〜5.0mg/Lに制御されたことを特徴とする。
本発明によれば、少なくともアンモニアを含有する窒素含有廃水が送水され、硝化細菌と嫌気性アンモニア酸化細菌を含む単一の処理槽を、1.5〜5.0mg/Lで制御しているので、窒素含有廃水中に含まれるアンモニアを単一の処理槽内で同時に硝化反応と脱窒反応を起こさせることができる。
本発明の廃水処理装置は、前記発明において、前記処理槽は、該処理槽内の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素計、空気散気装置および窒素ガス発生装置を備えていることが好ましい。
処理槽内の溶存酸素濃度を溶存酸素計で測定し、硝化細菌に必要な酸素を空気散気装置により供給し、硝化細菌に必要な溶存酸素濃度を制御することができ、また、設定値以上の溶存酸素が含まれた場合、窒素ガス発生装置により窒素ガスを散気させ、処理槽内の溶存酸素濃度を低減し、嫌気性アンモニア酸化細菌の活性阻害を回避させることができる。
本発明の廃水処理装置は、前記発明において、前記硝化細菌の立上げをする第1の槽と、前記嫌気性アンモニア酸化細菌の立上げをする第2の槽とが、それぞれ前記処理槽に接続されることが好ましい。
第1の槽において、処理槽に含まれる硝化細菌を、亜硝酸型硝化を十分に反応できる状態にさせておくことができるので、処理槽内の溶存酸素濃度に対応できる硝化活性を得ることができる。
また、第1の槽とは別の、第2の槽において、処理槽に含まれる嫌気性アンモニア酸化細菌を、嫌気性アンモニア酸化反応を十分にできる状態にさせておくことができるので、硝化細菌によって変換された亜硝酸と原水中のアンモニアを即座に脱窒反応させることができる。
本発明の廃水処理装置は、前記発明において、前記処理槽は、該処理槽内の各態窒素濃を測定する各態窒素濃度計と、該処理槽の処理水を該処理槽に戻す循環ラインを備え、前記各態窒素濃度計の測定値に応じて、前記処理槽内の亜硝酸性窒素濃度が高まった場合、前記空気散気装置の散気量を下げ、前記原水ラインの流量を上げ、前記処理槽内のアンモニア濃度が高まった場合、前記空気散気装置の散気量を上げ、前記原水ラインの流量を下げ、前記循環ラインの循環量を上げるよう制御されていることが好ましい。
本発明によれば、処理槽に少なくともアンモニアと亜硝酸の計測値が確認できる窒素濃度分析計を設置し、常時計測できる状態としている。処理槽内の亜硝酸濃度が一時的に高まった場合、空気散気装置の散気量を下げ、硝化細菌が利用する酸素の供給を下げることにより、亜硝酸の生成を抑制させることができる。同時に、原水ラインの流量を上げる制御を行い、アンモニア性窒素の負荷を与えることで過剰の亜硝酸濃度と流入量を上げた過剰のアンモニアにより、嫌気性アンモニア酸化細菌の脱窒反応を促進できる。これにより、槽内亜硝酸の濃度を低濃度に移行させることができる。
また処理槽内のアンモニア濃度が一時的に高まった場合、空気散気装置の散気量を上げ、硝化細菌が利用する酸素の供給を上げることにより、亜硝酸の生成量を増加させることができる。同時に処理槽の処理水ラインから循環ラインを介して原水槽に戻すことができる。そして、循環量を上げ、同時に原水量を下げることにより、排出される過剰のアンモニアの量を軽減させることができ、
上記のコントロールにより各態窒素濃度の阻害を受けることなく、処理槽内の硝化細菌および嫌気性アンモニア酸化細菌の活性を維持させることができ、定常的に廃水中の窒素成分を単一の処理槽で除去することができる。
前記目的を達成するため、本発明の廃水処理方法は、原水ラインを介してアンモニアを含有する窒素含有廃水を、硝化細菌と嫌気性アンモニア酸化細菌を有し、かつ溶存酸素濃度が1.5〜5.0mg/Lに制御された処理槽に送水し、前記処理槽内で硝化・脱窒することを特徴とする。
本発明によれば、少なくともアンモニアを含有する窒素含有廃水が送水され、硝化細菌と嫌気性アンモニア酸化細菌を有する単一の処理槽を、1.5〜5.0mg/Lで制御しているので、窒素含有廃水中に含まれるアンモニアを、単一の処理槽において同時に硝化反応と脱窒反応を起こさせることができる。
本発明の廃水処理方法は、前記発明において、前記処理槽は、該処理槽の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素計、空気散気装置および窒素ガス発生装置を備え、該溶存酸素計の測定値に応じて前記空気散気装置及び前記窒素ガス発生装置を制御することが好ましい。
本発明の廃水処理方法は、前記発明において、前記処理槽内の前記硝化細菌及び前記嫌気性アンモニア酸化細菌は、それぞれ別の槽で立上げられた後、前記処理槽に添加されることが好ましい。
本発明の廃水処理方法は、前記発明において、前記処理槽は、該処理槽内の各態窒素濃を測定する各態窒素濃度計と、該処理槽の処理水を該処理槽に戻す循環ラインを備え、前記各態窒素濃度計の測定値に応じて、前記処理槽内の亜硝酸性窒素濃度が高まった場合、前記空気散気装置の散気量を下げ、前記原水ラインの流量を上げ、前記処理槽内のアンモニア濃度が高まった場合、前記空気散気装置の散気量を上げ、前記原水ラインの流量を下げ、前記循環ラインの循環量を上げるよう制御することが好ましい。
本発明によれば、アンモニアを含有する窒素含有廃水を硝化細菌と嫌気性アンモニア酸化細菌が含まれる処理槽内に送水し、処理槽内の溶存酸素濃度を1.5〜5.0mg/Lで制御することで、単一の処理槽で同時に硝化・脱窒を行なうことができる。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施の形態により説明されるが、本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行なうことができ、本実施の形態以外の他の実施の形態を利用することができる。従って、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。また、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を含む範囲を意味する。
図1は、本発明の廃水処理装置の全体構成の一例を示す概念図である。廃水処理装置20は、原水槽1と、流量計12を介して原水ライン2により原水槽1と接続された処理槽3と、処理槽3に設けられた溶存酸素計7、空気散気装置8、窒素ガス発生装置9及び窒素濃度分析計10、処理槽3に設けられた処理水ライン6、処理水ライン6と原水ライン2を接続する循環ライン11を備えている。
さらに、廃水処理装置20は、硝化細菌4を亜硝酸型硝化が十分に行なえる状態にする第1の槽13と、嫌気性アンモニア酸化細菌5を嫌気性アンモニア酸化反応が十分におこなえる状態にする第2の槽14と、を備えている。第1の槽13は第1のライン15により処理槽3と接続されている。また、第2の槽は第2のライン16により処理槽3と接続されている。
次に、本発明の廃水処理装置20を利用したアンモニアを含有する窒素含有廃水の処理方法について図1を参照して説明する。
図1において、少なくともアンモニアを含む原水が原水槽1から図示しない原水ポンプにて原水ライン2を介し、硝化細菌4と嫌気性アンモニア酸化細菌5が含まれる単一の処理槽3に送水される。処理槽3は、第1の槽13で立上げを行った硝化細菌4と、第2の槽で立上げを行った嫌気性アンモニア酸化細菌5をそれぞれ保持している。
処理槽3は、微好気状態である溶存酸素濃度が1.5〜5.0mg/Lとなるよう制御されている。微好気の溶存酸素により処理槽3内の硝化細菌4が硝化反応を起こし、原水中に含まれるアンモニアの一部を亜硝酸の形態に変換する。原水中のアンモニアと、硝化細菌4により変換された亜硝酸を基質として、嫌気性アンモニア酸化細菌5の脱窒反応により窒素ガスに変換される。アンモニアおよび亜硝酸性窒素が除去された状態で、原水が処理水ライン6を介して系外に排出される。これにより原水中に含まれるアンモニアを単一の処理槽3において相異なる硝化と脱窒反応を同時にさせることができる。
処理槽3に流入する原水のアンモニア性窒素濃度は50〜2000mg/Lが好ましく、特に、200〜1000mg/Lが望ましい。窒素含有廃水の容積負荷は窒素量として0.1〜10kg−N/m/dayが最も好ましく、培養槽のHRTは2〜48hほどが望ましい。
処理槽3に含まれる硝化細菌4の立上げ状態としては、亜硝酸生成速度として0.05〜5kgN/m/dayがよいと考えられる。また、嫌気性アンモニア酸化細菌5の立上げ状態としても0.1〜10kg−N/m/dayが好ましい。
硝化細菌4および嫌気性アンモニア酸化細菌5ともに、原水を使用することができる。また、活性に応じた通常の亜硝酸型硝化の立上げ、および嫌気性アンモニア酸化細菌の立上げ方法により立上げることができる。さらに嫌気性アンモニア酸化細菌の立上げに使用する原水は立上げ中もしくは立上げ終了後の亜硝酸型硝化処理水を使用してもよい。
処理槽3に含まれる硝化細菌4と嫌気性アンモニア酸化細菌5は固定床、流動床の何れかの菌体固定化材に固定化されていることが好ましく、特に系外に排出されにくいものが望ましい。
固定化材料における担体の材質としては、特に限定はしないが、塩化ビニル、セルロース、ポリエステル、ポリプロピレンなどのプラスチック担体、ポリビニルアルコール、アルギン酸、ポリエチレングリコール系のゲルによる包括固定化担体、樹脂性、スポンジ性の担体やアクリル製の繊維不織布、活性炭ファイバーなどを用いることができる。
形状としては、特に限定はしないが、球状体、円筒形状態、多孔質体、立方体、直方体、スポンジ状体、繊維状や、菊花状に整形したものや、ハニカム状体などを使用することが好ましい。流動床の場合、直径はラインを塞がない程度にする必要があり、1〜10mm程度が好ましい。
また、嫌気性アンモニア酸化細菌については特に自己造粒したグラニュールを使用できる。それらの充填率は、20〜50容積%が好ましい。
硝化細菌4は好気性細菌であるので、硝化反応をさせるためには処理槽3内に溶存酸素を保持しなければならない。一方、嫌気性アンモニア酸化細菌5は嫌気性細菌のため、過度の酸素により、嫌気性アンモニア酸化細菌5が活性を失うおそれがある。
硝化細菌4と嫌気性アンモニア酸化細菌5の両細菌の活性を維持するために、処理槽3の溶存酸素濃度を制御する必要がある。
処理槽3には、処理槽3内の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素計7、空気散気装置8および窒素ガス発生装置9が設けられている。溶存酸素計7により、常時溶存酸素濃度をモニタリングできる。溶存酸素計7の酸素濃度の値に基づいて空気散気装置8を制御し、処理槽3内に空気を散気することで処理槽3内の溶存酸素濃度をコントロールすることができる。処理槽3内の溶存酸素濃度は1.5mg/L〜5.0mg/Lの範囲が好ましく、3mg/L付近がもっとも望ましい。
また、一時的に過剰に溶存酸素濃度が増加した場合は、空気散気装置8を停止する。窒素ガス発生装置9を制御により始動させ、処理槽3内下部より窒素ガスを散気させる。これにより、溶存酸素濃度を低減することができる。溶存酸素濃度が設定値まで一定時間戻ることができた場合、制御を空気散気装置8に切り替え、定常運転を開始する。
硝化細菌4に必要な酸素を空気散気装置8により供給し、溶存酸素濃度を一定に保つための溶存酸素計7を設け、両組合せにより処理槽3内の溶存酸素濃度を制御する。これにより、硝化細菌4の活性にあわせた、必要溶存酸素量を与えることが可能となり、過剰な溶存酸素による嫌気性アンモニア酸化細菌5の活性阻害を低減することが可能となる。また、設定値以上の溶存酸素が含まれた場合、窒素ガス発生装置9により窒素ガスを散気させ、溶存酸素濃度を低減し、嫌気性アンモニア酸化細菌5の活性阻害を回避させることが可能となる。
廃水処理装置20において、処理槽3に含まれる硝化細菌4を、第1の槽13にて、亜硝酸型硝化を十分に反応できる状態にさせておくことが好ましい。これにより溶存酸素制御に対応できる硝化活性を得ることが可能となる。
処理槽3に含まれる嫌気性アンモニア酸化細菌5を、第1の槽13とは別の第2の槽にて嫌気性アンモニア酸化反応を十分にできる状態にさせておくことが好ましい。これにより、立上げ終えた硝化細菌4によって変換された亜硝酸と原水中のアンモニアを即座に脱窒反応させることが可能となる。
さらに、立上げ終えた嫌気性アンモニア酸化細菌5は自ら発生させる多量の窒素ガスにより同細菌周辺が嫌気状態になりやすくなることや、速やかな反応が可能となることとにより、処理槽3内が微好気の状態においても、十分な嫌気性アンモニア酸化反応を維持することが可能となる。このため硝化反応が進められる硝化細菌4とともに嫌気性アンモニア酸化細菌5の活性を維持することが可能となる。
このため硝化反応が進められる硝化細菌4とともに嫌気性アンモニア酸化細菌5の活性を維持することが可能となり単一の処理槽3で硝化・脱窒反応をすることが可能となる。
嫌気性アンモニア酸化細菌5はアンモニアと亜硝酸の濃度比率で窒素除去率が大きく変化する。特に処理槽3内の亜硝酸濃度が過剰に高まると嫌気性アンモニア酸化細菌5の活性を低下させてしまう恐れがある。そのため処理槽3内の、窒素濃度比率を制御する必要がある。
処理槽3には少なくともアンモニアと亜硝酸の濃度が計測できる窒素濃度分析計10が設けられている。窒素濃度分析計10により、常時処理槽3内の窒素濃度がモニタリングされる。
処理槽3の亜硝酸濃度が一時的に高まった場合、窒素濃度分析計10を介して、空気散気装置8を制御し、その散気量を下げる。これにより、硝化細菌4は酸素律速により、原水中のアンモニアを亜硝酸に硝化する反応を遅らせることができる。
それと同時に、原水ライン2の流量を設定流速より上昇させる。これにより残留亜硝酸は、原水ライン2からのアンモニアとともに嫌気性アンモニア酸化細菌5により脱窒される。したがって、処理槽3内の亜硝酸濃度を低減させることができる。
一方、処理槽3のアンモニア濃度が一時的に高まった場合、窒素濃度分析計10を介して、空気散気装置8を制御し、その散気量を上げる。これにより、酸素の供給に伴い、硝化細菌4はアンモニアを亜硝酸に変換する活性を高める。
さらに、処理槽3内のアンモニア濃度が高まった場合、処理水ライン6から循環ライン11を介して処理水を原水ライン2に、図示しない循環ポンプにて戻すことができる。
この場合、原水の流入量を下げる必要がある。原水と処理水のアンモニア濃度から循環可能な量だけ原水ライン2に戻し、そのアンモニア量から、原水の流量を設定し、必要量以下の量を流入させる制御を行う。これにより、随時アンモニア負荷を一定、もしくは下げることが可能となる。流量制御は流量計12により行われる。
これにより過剰に処理水に含まれるアンモニアを再度処理槽3に流入させることにより、処理水中の窒素濃度を低減させることができる。また、処理槽3内アンモニア濃度を低減させることができる。処理槽3内に含まれる両菌体の活性を維持することができる。
原水中のアンモニア濃度1に対し、亜硝酸濃度は1.1〜1.5が望ましく、その範囲を超えると上記制御を行なうことが好ましい。
上記に述べたように構成を備えることで、アンモニアを含有する窒素含有廃水を硝化細菌と嫌気性アンモニア酸化細菌が含まれる処理槽内に通水し、同処理槽内を微好気に保つことにより、単一の処理槽で同時に硝化・脱窒を行なうことができる。
また、処理槽内に溶存酸素計と空気散気装置および窒素ガス発生装置を設けることで溶存酸素濃度を1.5〜5.0mg/Lの範囲内の一定の設定値に制御することができ、硝化細菌と嫌気性アンモニア酸化細菌の活性を落とすことなく、安定した硝化・脱窒を単一の処理槽で行なうことができる。
また、硝化細菌は別槽の硝化槽にて立上げ工程を経ていることと、嫌気性アンモニア酸化細菌も別槽で立上げ工程を経ていることで、両細菌を処理槽に投入と同時に、処理水を通水することができ、さらに酸素濃度の上下による活性低下を最小限にとどめることが可能となる。
処理槽内は常時各態窒素濃度を計測するとともに、処理槽内の亜硝酸性窒素濃度が高まった場合、空気散気装置の散気量を下げるとともに原水ラインの流量を上げ、アンモニアの負荷を過剰に与えることで、槽内の菌体の活性低下を軽減することができ、さらに廃水中の残留窒素濃度を最小限に留めることが可能となる。
処理槽内は常時各態窒素濃度を計測するとともに、処理槽内のアンモニア濃度が高まった場合、空気散気装置の散気量を上げるともに原水ラインの流量を、循環ラインを設けることで、窒素負荷を制御でき、廃水中の残留窒素濃度を最小限に留めることが可能となる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す条件等は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
アンモニアを含む廃水が貯留されている原水槽より、硝化細菌が含まれる硝化槽に原水ポンプにて連続通水し、水温30℃、pH7.5のもと亜硝酸への硝化反応を進めた。硝化槽に添加した硝化細菌は、原水DO=4mg/Lのもと、水温30℃、pH7.5で馴養し、硝化率約55%を定常状態としているものを使用した。硝化槽内のDO濃度はブロアにて散気を行い、各設定DOに合わせた。硝化槽内の設定DOと各々のアンモニア負荷及び亜硝酸の生成速度を表1に示す。
Figure 0005115908
DO=1.5〜4の間でも亜硝酸への硝化率が60%以上得られ、嫌気性アンモニア酸化細菌が、使用するための亜硝酸を十分量存在させられることが確認できる。
原水槽2に窒素負荷が約4.3kgN/m3/dとなるようアンモニアとアンモニアに対して約1.3倍量の亜硝酸を含む廃水が貯留され、原水槽2より嫌気性アンモニア酸化細菌が含まれる脱窒槽に原水ポンプ2にて連続通水し、水温30℃、pH7.6のもと嫌気性アンモニア酸化反応を進めた。原水槽内は、ブロアによる散気によりDOを設定値に合わせた。脱窒槽に添加した嫌気性アンモニア酸化細菌は、原水DO=0mg/Lのもと、水温30℃、pH7.6で馴養し、窒素除去速度4.0kgN/m3/dを定常状態としているものを使用した。脱窒槽内に通水した、原水のDO濃度とアンモニア除去率を表2に示す。
Figure 0005115908
DO=0〜5.0mg/Lでもアンモニア除去率は80%以上を示し、特にDO=4.8mg/Lまででは95%を示し、DO濃度が高い場合でも、馴養し立上げ終えた嫌気性アンモニア酸化細菌においては、十分活性が得られることが確認できた。
硝化細菌、および嫌気性アンモニア酸化細菌においても、DO=1.5〜5.0mg/Lの範囲で活性が得られ、同一槽内で硝化と脱窒を行なうことが可能であることが理解できる。
次に、嫌気性アンモニア酸化細菌の活性を用いてここでいう立上げ状態の例を以下に示す。アンモニアとアンモニアに対して約1.3倍量の亜硝酸を含む廃水が貯留される原水槽より嫌気性アンモニア酸化細菌が含まれる脱窒槽に原水ポンプにて連続通水し、水温30℃、pH7.6のもと嫌気性アンモニア酸化反応を進めた。
図2は、経過日数、窒素除去速度、アンモニア除去量に対する亜硝酸または硝酸除去量をプロットしたグラフである。
図2の通り、経過日数30日付近まで窒素除去速度は窒素容積負荷に対して差があり、ほとんどあがらない状態であり、この場合、立上げ終了の状態とは言えない。
しかしながら、経過日数45日付近より窒素除去速度は増加し安定した値を示しており、この場合、立上げが終了しているといえる。
また、立上げの判断として、嫌気性アンモニア酸化細菌の反応では、反応式より、アンモニアの除去量1に対する、亜硝酸または硝酸の除去量はそれぞれ1.32、−0.26(硝酸生成)となっており、これらを利用することで判断できる。図2より、経過日数30日付近までではこの反応比率にバラツキがあり、嫌気性アンモニア酸化反応が十分進んでおらず立上げ終了状態とはいえない。一方で、経過日数45日付近からは安定して反応比が1.32、−0.26を推移している。このことからも嫌気性アンモニア酸化細菌の立上げが終了したといえる。
安定して反応比が1:1.32、−0.26に近い値を示していれば、嫌気性アンモニア酸化反応ができると考えられるため窒素除去速度が低い(1kgN/m3/d)以下などからといって立ち上がり状態でないといえない。
さらに、嫌気性アンモニア酸化細菌の立上状態の判断としては、反応することで、アンモニア1に対して0.13の水素イオンが利用され、槽内のpHが上昇する特徴がある。これを利用して、判断することも可能である。
次に、亜硝酸型硝化の立上げ状態の例を以下に示す。アンモニアを約700mgN/Lを含む廃水が貯留されている原水槽より、硝化細菌が含まれる硝化槽に原水ポンプにて連続通水し、水温20℃でブロアにて空気曝気を行い、亜硝酸への硝化反応を進めた。
図3の通り、経過日数15日付近まで槽内の亜硝酸の濃度は上がらず、またアンモニア濃度は原水と処理水の間でほとんど差がない状態を推移している。このため、この時点では、立上げ状態とはいえない。
経過日数20日付近より槽内の亜硝酸濃度は増加傾向となり、同時にアンモニア濃度も減少傾向となる。この場合亜硝酸型硝化の立上げ状態といえる。
しかしながら、嫌気性アンモニア酸化反応をより効率的に進める、また窒素除去という廃水処理の面から窒素除去率を上げるために、硝化反応をさらに進め、槽内に含まれるアンモニアと亜硝酸の比をより1:1.32(硝化率56.9%)に近づける必要がある。
図3の場合、経過日数30日付近でアンモニア濃度約300mgN/L、亜硝酸濃度約400mgN/Lとなっており、この時点で硝化細菌は十分に嫌気性アンモニア酸化反応に効率的なアンモニアと亜硝酸を供給することができる状態となり、嫌気性アンモニア酸化反応に対する亜硝酸型硝化の最適な立上げ状態といえる。
本発明の実施形態に係る廃水処理装置の概略構成図 経過日数、窒素除去速度、アンモニア除去量に対する亜硝酸または硝酸除去量の関係を示すグラフ 経過日数と各態窒素濃度の関係を示すグラフ
符号の説明
1…原水槽、2…原水ライン、3…処理槽、4…硝化細菌、5…嫌気性アンモニア酸化細菌、6…処理水ライン、7…溶存酸素計、8…空気散気装置、9…窒素ガス発生装置、10…窒素濃度分析計、11…循環ライン、12…流量計、13…第1の槽、14…第2の槽、15…第1のライン、16…第2のライン、20…廃水処理装置

Claims (4)

  1. 原水ラインを介してアンモニアを含有する窒素含有廃水が送水される処理槽を備え、前記処理槽が硝化細菌と嫌気性アンモニア酸化細菌を有し、かつ前記処理槽は、該処理槽内の溶存酸素濃度を測定する溶存酸素計、空気散気装置および窒素ガス発生装置を備えており、溶存酸素濃度が1.5〜5.0mg/Lに制御され、
    前記処理槽は、該処理槽内の各態窒素濃を測定する各態窒素濃度計と、該処理槽の処理水を該処理槽に戻す循環ラインを備え、
    前記各態窒素濃度計の測定値に応じて、
    前記処理槽内の亜硝酸性窒素濃度が高まった場合、前記空気散気装置の散気量を下げ、前記原水ラインの流量を上げ、
    前記処理槽内のアンモニア濃度が高まった場合、前記空気散気装置の散気量を上げ、前記原水ラインの流量を下げ、前記循環ラインの循環量を上げるよう制御されたことを特徴とする廃水処理装置。
  2. 前記硝化細菌の立上げをする第1の槽と、前記嫌気性アンモニア酸化細菌の立上げをする第2の槽とが、それぞれ前記処理槽に接続される請求項1記載の廃水処理装置。
  3. 原水ラインを介してアンモニアを含有する窒素含有廃水を、硝化細菌と嫌気性アンモニア酸化細菌を有し、かつ溶存酸素濃度を測定する溶存酸素計、空気散気装置および窒素ガス発生装置を備え、該溶存酸素計の測定値に応じて前記空気散気装置及び前記窒素ガス発生装置を制御することで溶存酸素濃度が1.5〜5.0mg/Lに制御された処理槽に送水し、前記処理槽内で硝化・脱窒する廃水処理方法であって、
    前記処理槽は、該処理槽内の各態窒素濃を測定する各態窒素濃度計と、該処理槽の処理水を該処理槽に戻す循環ラインを備え、
    前記各態窒素濃度計の測定値に応じて、
    前記処理槽内の亜硝酸性窒素濃度が高まった場合、前記空気散気装置の散気量を下げ、前記原水ラインの流量を上げ、
    前記処理槽内のアンモニア濃度が高まった場合、前記空気散気装置の散気量を上げ、前記原水ラインの流量を下げ、前記循環ラインの循環量を上げるよう制御する廃水処理方法。
  4. 前記処理槽内の前記硝化細菌及び前記嫌気性アンモニア酸化細菌は、それぞれ別の槽で立上げられた後、前記処理槽に添加される請求項3記載の廃水処理方法。
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