JP5116468B2 - 診断用マーカー - Google Patents
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Description
しかしながら、病変が大腸壁を超えているときは外科的に腸を摘出する。さらに発見が遅れ、遠隔転移がある場合、外科的療法に化学療法を組み合わせて治療する。大腸癌に対する化学療法剤として、プラチナ製剤のオキザリプラチンや抗体医薬のアバスチンなど、近年、有望な新薬が開発されているものの、治療成績に対する満足度は十分でない。
しかし、現在の内視鏡診断では、多臓器への転移リスクが急激に高まる1〜2cmの大きさの腫瘍を発見できるに留まっている。
このような背景から、癌細胞或いは癌組織を特異的に染色する診断用マーカーが試みられており、例えば特許文献1に記載されている。
しかし、この診断用マーカーは、癌細胞や癌組織に特異的に結合する抗体を蛍光化合物と結合(あるいは蛍光性官能基を抗体に導入)したものであり、確かに癌組織あるいはその周辺の粘膜組織を染色することができるが、癌組織以外の正常組織上にもある程度結合してしまい、また抗体当たりの蛍光化合物量が少なく、従って癌組織と正常組織のコントラストが低く診断精度の高いものではなかった。
本発明に用いられる粒子は、粒子径1nm〜100μmの粒子であって、その粒子の表面に、消化器癌粘膜上の特定抗原に対する特異的な結合性の高い部位及び消化器粘膜に対する結合性の低い部位を有し、且つ該粒子中に識別性物質を有するものであれば特に限定されるものではなく、ベースとなる粒子としても特に限定されるものではなく、シリカ等の無機粒子でも、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸エステル等の有機ポリマーでもよいが、好ましくは水中や生理食塩水中での分散安定性の観点からは有機ポリマーが適している。
この消化器癌粘膜上の特定抗原に対する特異的な結合性の高い部位としては、特に限定されるものではないが、好ましくは抗体及び/又はレクチンを例示することができ、好ましくはレクチンを例示することができる。
このTF抗原に対する特異的な結合性の高い物質としてはレクチンが知られており、例えば、Arachis hypogaea(ピーナッツレクチン。以下、PNAと略記する場合がある。)、又はAgaricus bisporus(マッシュルームレクチン。以下、ABAと略記する場合がある。)、又はBauhinia purpurea(以下、BPAと略記する場合がある。)などを例示することができ、これらの物質を粒子の表面に存在させることにより、消化器癌粘膜上の特定抗原に対する特異的な結合性の高い部位とすることができる。
また、レクチン以外の、消化器癌細胞認識性分子として、抗体等、例えば市販されているanti−Thomsen Friedenreich Antigen, mouse monoclonal, clone A78−G/A7等を選択することも可能である。
消化器癌粘膜上の特定抗原に対する特異的な結合性の高い物質を共有結合で結合させる場合、その方法は限定されないが、一般的にタンパク質やペプチドの固定化に用いられる縮合剤(カルボジイミドなど)を用いたアミド結合の形成による導入が最も好ましい。ここで用いられる縮合剤は特に限定されないが、特に1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCCD)や1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSCI)が好ましい。
具体的には、消化器粘膜に対する結合性の低い部位としては、下記式(1)で表される構造及び/又は下記式(2)で表される構造を含むものが好ましい。
本発明の診断用マーカーに使用する粒子においては、消化器癌粘膜上の特定抗原に対する特異的な結合性の高い部位及び消化器粘膜に対する結合性の低い部位それぞれの、消化器粘膜上での結合性の強弱の特徴が反映されれば良いので、これらの部位が存在する本発明で言うところの「粒子の表面」とは、必ずしも粒子の最外層末端にこれらの部位が存在する必要はなく、概ね最外層末端から10nmの深さまでのなかに存在すればよい。従って、粒子径が20nm以下の粒子の場合は、単に粒子中に有することと同義であり、そのような状態でも差し支えない。
尚、最外層末端から10nmの深さまでのなかの分子構造の存在量は、X線光電子分光法(XPS)によって分析可能である。また、レクチン等を結合させる場合、粒子形成後に結合させれば当然に粒子表面に存在することとなり、粒子全体としてのレクチンの存在量を分析すれば得ることができる。
このような蛍光発光性物質としては、例えば、フルオレセイン類、ローダミン類、クマリン類、ダンシル類、NBD型色素、フィコビリプロテイン、BODIPY誘導体等を例示することができ、またこれらの蛍光発光性物質を疎水性の高い物質(例えばコレステロールなど)と結合させた誘導体も使用することができる。
これらの中でも感度や用いる光源の観点からフルオレセイン類の蛍光発光性物質及びその誘導体(例えばコレステロールをフルオレセイン類物質と結合させた、ラベル化コレステロールなど)や、発光強度が強く水溶性の低いクマリン類(例えばクマリン6など)が最も好ましい。
また、粒子を合成した後に蛍光発光性物質を粒子内に吸収させるなどして導入しても良い。このような蛍光発光性物質として好ましい具体例としては、fluorecein−5−carbonyl azide, diacetate(F6218,Molecular Probe社製)を、疎水性の高いコレステロールと結合させたラベル化コレステロール(フルオレセイン化コレステロールとも言う)を例示することができる。このようなラベル化コレステロールはポリマー製の粒子を合成した後に、蛍光発光性物質をその粒子の内部に容易に吸収させて、粒子内に蛍光発光性物質を含有させることができる点からも好ましいものである。
消化器癌粘膜上の特定抗原に対する特異的な結合性の高い部位の存在量(濃度):粒子1g当たりの該部位の存在質量として、好ましくは1mg/g〜1g/g、より好ましくは1mg/g〜100mg/g、さらに好ましくは2mg/g〜50mg/g。
消化器粘膜に対する結合性の低い部位の存在量(濃度):好ましくは1〜99質量%、より好ましくは5〜90質量%、さらに好ましくは20〜70質量%。
識別性物質の存在量(濃度):好ましくは0.005〜5質量%、より好ましくは0.01〜1質量%。
また、本発明の診断用マーカーにおける上記粒子の濃度は特に限定されるものではないが、極端に低いと診断効率が低下し、極端に高いと流動性が低下してやはり診断効率が低下するので、好ましくは0.01μg/mL〜990mg/mL、より好ましくは0.1μg/mL〜10mg/mL、更に好ましくは0.5μg/mL〜1mg/mLがよい。
また、本発明の診断用マーカーには、本発明の効果を阻害しない範囲内で、所望により、医薬製剤もしくは医療用製剤に使用されることが知られている添加剤を、その添加剤が通常使用される添加量で含有することができる。
本発明の診断用マーカーは、下記式(4)で表されるマクロモノマー及び/又は下記式(5)で表されるマクロモノマーと、下記式(6)で表されるマクロモノマーと、スチレンとを、極性溶媒中で重合させてポリマー微粒子を得、得られたポリマー微粒子に蛍光発光性物質を含有させるか、あるいは、下記式(4)で表されるマクロモノマー及び/又は下記式(5)で表されるマクロモノマーと、下記式(6)で表されるマクロモノマーと、スチレンとを、極性溶媒中で重合させるに際して、重合系内に蛍光発光性物質を存在させることによって、ポリマー微粒子を得ると同時に該ポリマー微粒子内に蛍光発光性物質を含有させ、次いでこのポリマー微粒子の表面に抗体及び/又はレクチンを結合又は吸着させることにより、製造される。
上記式(4)で表されるマクロモノマーのモル数を〔4〕、上記式(5)で表されるマクロモノマーのモル数を〔5〕、上記式(6)で表されるマクロモノマーのモル数を〔6〕、スチレンのモル数を〔S〕とすると、本発明の診断用マーカーの製造方法においては、これらの割合は、(〔4〕+〔5〕):〔6〕:〔S〕=1:0.2〜2.5:5〜300となる割合である。尚、この割合は、それぞれのマクロモノマー或いはモノマーの実際に重合反応する割合であり、反応条件等によってそれぞれのマクロモノマー或いはモノマーの反応率が100%に満たなければ反応率を勘案して、実際に使用するマクロモノマー或いはモノマーの割合は上記範囲の通りでなくても差し支えない。
これらマクロモノマー或いはモノマーは、上記極性溶媒中で重合させると、重合したポリマーは、極性溶媒に対する溶解性の高い、上記の式(4)〜式(6)で表されるマクロモノマーに由来する構造部分を外側に、上記極性溶媒に対する溶解性の低いスチレンに由来する構造部分を内側となるように集積されて粒子化する。その結果、このようにして得られるポリマー微粒子は、粒子表面に、上記式(1)で表される構造及び/又は上記式(2)で表される構造を含むものとなる。また同様に粒子表面に、上記の式(4)〜式(6)で表されるマクロモノマーに由来する構造部分を有するものとなる。
尚、本発明の効果を阻害しない範囲内で、上記の式(4)〜式(6)で表されるマクロモノマー及びスチレンの他に、その他のモノマーを使用してもよく、例えば、ポリマー構造として、ポリメタクリル酸、ポリメチルメタクリル酸、ポリビニルピリジン、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアミン、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等を導入しても差し支えない。
例えば、上記の方法で得たポリマー微粒子をエタノールに分散させ、これにフルオレセイン化コレステロールのエタノール溶液を混合し、攪拌しながらイオン交換水を10倍量加え、これを凍結乾燥することでフルオレセイン化コレステロールを含有するポリマー微粒子を得ることができる。
また、上記式(4)で表されるマクロモノマー及び/又は上記式(5)で表されるマクロモノマーと、上記式(6)で表されるマクロモノマーと、スチレンとを、極性溶媒中で重合させるに際して、重合系内に蛍光発光性物質を存在させることによって、ポリマー微粒子を得ると同時に該ポリマー微粒子内に蛍光発光性物質を含有させることもできる。
ここで用いる抗体及びレクチンは上記と同様であり、好ましい抗体及び好ましいレクチンも上記と同様である。
抗体及び/又はレクチンをポリマー微粒子の表面に結合又は吸着させる方法については特に限定されず、共有結合によっても物理的吸着によってもよいが、好ましくは共有結合によることがよい。
抗体及び/又はレクチンをポリマー微粒子の表面に共有結合させる方法も特に限定されないが、一般的にタンパク質やペプチドの固定化に用いられる縮合剤(例えばカルボジイミド等)を用いたアミド結合の形成による導入が最も好ましい。ここで用いられる縮合剤は特に限定されないが、特に1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCCD)や1−エチル−3−(3’−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(WSCI)が好ましい。
N−ビニルアセトアミド50g、2−メルカプトエタノール18.4g及びN,N−アゾビスイソブチロニトリル0.96gをトルエン250mLに加えて、窒素バブリングしながら60℃で6時間攪拌還流させた。沈殿物をエタノールに溶解させて、アセトンへ再沈殿させることで生成物24gを回収した。生成物であるN−ビニルアセトアミドポリマーをサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で分析した結果、その分子量はMw/Mn=14,000/5,000であった。前記式(4)のnに相当する数としては約60であった。
得られたN−ビニルアセトアミドポリマー20gをDMF100mLに溶解させて、NaH(オイルディスパージョン)0.26g及びテトラブチルホスホニウムブロマイド0.34g加えて室温で3時間攪拌した後、4―ビニルベンジルクロライド2.6gを添加して室温で24時間攪拌した。反応溶液を水/メタノール=1/1混合溶媒へ再沈殿させることで生成物15gを回収した。生成物であるビニルベンジル末端N−ビニルアセトアミドポリマーを 1H−NMRで分析した結果、ビニルベンジル基のプロトン由来のピークを確認した。これをマクロモノマーAとする。
メタクリル酸tert−ブチル50g、2−メルカプトエタノール0.29g及びN,N−アゾビスイソブチロニトリル0.55gをTHF100mLに溶解させて、窒素バブリングしながら60℃で6時間攪拌還流させた。反応溶液を水/メタノール=1/1混合溶媒へ再沈殿させることで生成物35gを回収した。生成物であるメタクリル酸tert−ブチルポリマーをサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で分析した結果、その分子量はMw/Mn=18,000/9,600であった。前記式(6)のkに相当する数としては約70であった。
得られたメタクリル酸tert−ブチルポリマー20gをDMF400mLに溶解させて、NaH(オイルディスパージョン)0.43g及びテトラブチルホスホニウムブロマイド3.20g加えて室温で3時間攪拌した後、4―ビニルベンジルクロライド3.0gを添加して室温で24時間攪拌した。反応溶液を水/メタノール=1/1混合溶媒へ再沈殿させることで生成物18gを回収した。得られた生成物18gをエタノール200mLに溶解し、これに濃塩酸20mL及びヒドロキノン0.8gを加えた。これを70℃で6時間還流させることで加水分解を行いポリメタクリル酸に誘導した。エタノールを留去後、イオン交換水に溶媒を置換して、さらに中性になるまでイオン交換水で透析を行った。これを凍結乾燥してビニルベンジル末端メタクリル酸ポリマーを得た。得られたビニルベンジル末端メタクリル酸ポリマーを 1H−NMRで分析した結果、ビニルベンジル基のプロトン由来のピークを確認した。これをマクロモノマーBとする。
N−ビニルアセトアミド50g、2−メルカプトエタノール23.0g及びN,N−アゾビスイソブチロニトリル0.96gをエタノール250mLに加えて、窒素バブリングしながら60℃で6時間攪拌還流させた。反応溶液にエタノール50mLを加えて、アセトン中へ再沈殿させることで生成物16.1gを回収した。生成物であるN−ビニルアセトアミドポリマーをサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)で分析した結果、その分子量はMw/Mn=9,500/4,000であった。前記式(4)のnに相当する数としては約50であった。
得られたN−ビニルアセトアミドポリマー20gをDMF100mLに溶解させて、NaH(オイルディスパージョン)0.26g及びテトラブチルホスホニウムブロマイド0.34gを加えて室温で3時間攪拌した後、4―ビニルベンジルクロライド2.6gを添加して室温で24時間攪拌した。反応溶液を水/メタノール=1/1混合溶媒へ再沈殿させることで生成物15gを回収した。生成物であるビニルベンジル末端N−ビニルアセトアミドポリマーを 1H−NMRで分析した結果、ビニルベンジル基のプロトン由来のピークを確認した。これをマクロモノマーCとする。
コレステロール(Sigma−Aldrich社製、シグマグレード)200mgを脱水DMF5mLに溶解し、これにfluorecein−5−carbonyl azide, diacetate(F6218,Molecular Probe社製)を10mg加えた。これを80℃で一時間還流し、50%ヒドロキシアミン水溶液(和光純薬製)を一滴加えて30分間攪拌した。これにイオン交換水を加えて生成物を沈殿させることでフルオレセイン化コレステロールを取り出した。フルオレセイン基の導入は蛍光光度測定及び高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で確認した。また、フルオレセイン化コレステロールは、イオン交換水及び生理食塩水に溶出しないことをUV−visスペクトル測定装置(日本分光社製、V−550)で確認した。フルオレセイン化コレステロール中のフルオレセイン濃度は1質量%であった。
上記で得られたマクロモノマーA1.0g、スチレン1.0g及びN,N−アゾビスイソブチロニトリル15mgを、イオン交換水5mLとエタノール10mLの混合液に溶解させ、窒素バブリングを30分間行った。次いで、封をして、これを60℃の湯浴中で24時間震蕩することで微粒子を生成させた。
遠心分離によって微粒子を分離した後、凍結乾燥させて生成物としての微粒子を得た。微粒子の平均粒子径は400nm(動的光散乱法にて測定)であった。
得られた微粒子100mgに対して上記で得られたフルオレセイン化コレステロールを5mg加え、これをエタノール5mLに分散させた後に、攪拌しながらイオン交換水を10倍容量加えた。これを遠心分離して微粒子を取り出し、イオン交換水へ再分散を3回繰り返し、これを凍結乾燥することでフルオレセイン化コレステロールを識別性物質として含有する微粒子(ラベル化微粒子)を得た。
得られたラベル化微粒子10mgを、ピーナッツレクチン1mgをリン酸緩衝食塩水(商品名:Dulbecco’s Phosphate Buffered Saline D8537、シグマアルドリッチジャパン社製。以下PBSと略記する。)1mLに溶解した溶液に加えて攪拌してラベル化微粒子を分散させた。これを4℃で24時間震蕩させることでラベル化微粒子の表面にピーナッツレクチンを吸着させた。その後、遠心分離とPBSへの再分散を3回繰り返す事で未吸着のピーナッツレクチンを除去した。最後にリン酸緩衝食塩水(Ca及びMg含有)(商品名:Dulbecco’s Phosphate Buffered Saline D8662、シグマアルドリッチジャパン社製。以下PBS(Ca+Mg)と略記する。)に分散させた状態で、本発明の診断用マーカー1を得た。
上記で得られたマクロモノマーA0.75g、上記で得られたマクロモノマーB0.25g、スチレン1.0g及びN,N−アゾビスイソブチロニトリル15mgを、イオン交換水5mLとエタノール10mLの混合液に溶解させ、窒素バブリングを30分間行った。次いで封をして、これを60℃の湯浴中で24時間震蕩することで微粒子を生成させた。遠心分離によって微粒子を分離した後、凍結乾燥させて生成物としての微粒子を得た。微粒子の平均粒子径は470nm(動的光散乱法にて測定)であった。
得られた微粒子100mgに対し、実施例1と同様にしてフルオレセイン化コレステロールを識別性物質として含有させ、ラベル化微粒子を得た。
得られたラベル化微粒子10mgを、0.05M−KH2 PO4 水溶液800μLに分散させた。一方、0.05M−KH2 PO4 水溶液に水溶性カルボジイミド〔1−エチル−3−(3' −ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド〕を1質量%溶解させた溶液200μLを用意しておき、これを加えて4℃で30分間震蕩した。これを遠心分離(6000rpm,10分間)で上澄みを除去し、ピーナッツレクチン1mgをPBS1mLに溶解した溶液を加えて攪拌してラベル化微粒子を分散させた。これを4℃で24時間震蕩させることでラベル化微粒子の表面にピーナッツレクチンを結合させた。その後、遠心分離とPBSへの再分散を3回繰り返す事で未反応のピーナッツレクチンを除去した。最後にPBS(Ca+Mg)に分散させた状態で、本発明の診断用マーカー2を得た。
上記で得られたマクロモノマーA0.50g、上記で得られたマクロモノマーB0.50g、スチレン1.0g及びN,N−アゾビスイソブチロニトリル15mgを、イオン交換水5mLとエタノール10mLの混合液に溶解させ、窒素バブリングを30分間行った。次いで封をして、これを60℃の湯浴中で24時間震蕩することで微粒子を生成させた。遠心分離によって微粒子を分離した後、凍結乾燥させて生成物としての微粒子を得た。微粒子の平均粒子径は400nm(動的光散乱法にて測定)であった。
得られた微粒子100mgに対し、実施例2と同様にしてフルオレセイン化コレステロールを識別性物質として含有させ、ラベル化微粒子を得た。
得られたラベル化微粒子10mgに対し、実施例2と同様にしてピーナッツレクチンをラベル化微粒子の表面に結合させ、PBS(Ca+Mg)に分散させた状態で、本発明の診断用マーカー3を得た。
マクロモノマーAを0.25g、マクロモノマーBを0.75gに変更した他は、実施例3と同様にして微粒子を得た。微粒子の平均粒子径は360nm(動的光散乱法にて測定)であった。
得られた微粒子を、実施例3と同様にしてラベル化し、実施例3と同様にしてピーナッツレクチンをラベル化微粒子の表面に結合させ、PBS(Ca+Mg)に分散させた状態で、本発明の診断用マーカー4を得た。
実施例4で得られたラベル化微粒子の表面にピーナッツレクチンを結合させる際に、ピーナッツレクチンの使用量を0.125mgに変更した他は実施例4と同様にして、ラベル化微粒子の表面にピーナッツレクチンを結合させ、PBS(Ca+Mg)に分散させた状態で、本発明の診断用マーカー5を得た。
上記で得られたマクロモノマーB0.5g、上記で得られたマクロモノマーC0.5g、スチレン1.0g及びN,N−アゾビスイソブチロニトリル15mgを、イオン交換水5mLとエタノール10mLの混合液に溶解させ、窒素バブリングを30分間行った。次いで封をして、これを60℃の湯浴中で24時間震蕩することで微粒子を生成させた。
遠心分離によって微粒子を分離した後、凍結乾燥させて生成物としての微粒子を得た。微粒子の平均粒子径は230nm(動的光散乱法にて測定)であった。
得られた微粒子100mgに対し、実施例2と同様にしてフルオレセイン化コレステロールを識別性物質として含有させ、ラベル化微粒子を得た。
得られたラベル化微粒子10mgに対し、実施例2と同様にしてピーナッツレクチンをラベル化微粒子の表面に結合させ、PBS(Ca+Mg)に分散させた状態で、本発明の診断用マーカー6を得た。
上記で得られたマクロモノマーB0.5g、上記で得られたマクロモノマーC0.5g、スチレン1.0g及びN,N−アゾビスイソブチロニトリル15mg、更にクマリン6(Coumarin 6 Sigma-Aldrich社製)2mgを、イオン交換水5mLとエタノール10mLの混合液に溶解させ、窒素バブリングを30分間行った。次いで封をして、これを60℃の湯浴中で24時間震蕩することで、クマリン6を内包したラベル微粒子を生成させた。
遠心分離によってこのラベル化微粒子を分離した後、凍結乾燥させて生成物としてのラベル化微粒子を得た。ラベル化微粒子の平均粒子径は230nm(動的光散乱法にて測定)であった。
実施例2と同様にしてピーナッツレクチンをラベル化微粒子の表面に結合させ、PBS(Ca+Mg)に分散させた状態で、本発明の診断用マーカー7を得た。
フルオレセイン化ピーナッツレクチン(peanut agglutinin, Fluorescein,フナコシ社製)1.0mgをPBS(Ca+Mg)1mLに溶解した溶液を比較診断用マーカー1とした。
上記で得られたマクロモノマーB1.0g、スチレン0.75g及びN,N−アゾビスイソブチロニトリル15mgを、イオン交換水5mLとエタノール10mLの混合液に溶解させ、窒素バブリングを30分間行った。次いで封をして、これを60℃の湯浴中で24時間震蕩することで微粒子を生成させた。
遠心分離によって微粒子を分離した後、凍結乾燥させて生成物としての微粒子を得た。微粒子の平均粒子径は300nm(動的光散乱法にて測定)であった。
得られた微粒子を、実施例2と同様にしてラベル化し、実施例5と同様にしてピーナッツレクチンをラベル化微粒子の表面に結合させ、PBS(Ca+Mg)に分散させた状態で、比較診断用マーカー2を得た。
実施例3で得られたラベル化微粒子(ピーナッツレクチンを結合させる前のもの)をPBS(Ca+Mg)に分散させ、比較診断用マーカー3とした。
実施例1〜7で得られた本発明の診断用マーカー1〜7及び比較例1〜3で得られた比較診断用マーカー1〜3について、以下の評価試験を行った。結果を表1に示す。
微粒子表面組成の分析をX線光電子分光法(KRATOS Analytical社製のAXIS−ULTAを使用し、帯電中和電子銃を使用し、モノクロ化AI線源を用いて測定した。)により行った。測定深度が約10nmとなるように設定した。本分析で得られる結果は、本発明において微粒子表面の元素組成を反映している。
C1s,O1s,N1sのピーク面積の積分値から求められた、N原子の含有質量%を基に、−CH2 −CH(−NH−CO−CH3 )−基の含有率(質量%)を求めた。
診断用マーカー及び比較診断用マーカーの各1g当たりに結合(又は吸着)したピーナッツレクチンの質量を測定した。測定方法はニンヒドリン法によった。
大腸癌の粘膜表面に現れるThomsen−Friedenreich(TF)抗原はその表面に、β−ガラクトシル−(1,3)−α−N−アセチルガラクトサミン残基を高密度に有している。このモデル表面としてシアリダーゼ処理赤血球を用いた。
シアリダーゼ処理赤血球は、表面にβ−ガラクトシル−(1,3)−α−N−アセチルガラクトサミン残基をやはり高密度に有しており、これに対する各診断用マーカー及び比較診断用マーカーの特異的結合性を測定することとした。具体的には以下の通りである。
ウサギ保存血液3mLをPBSで5倍希釈し、2000rpm×5分間の遠心分離を行い、上澄みを捨ててさらにこれをPBSで5倍希釈する。この操作を3回繰り返して赤血球分画を取り出した。
赤血球分画と等量のシアリダーゼ(由来:Arthrobactor ureafaciens、Roche社製)1U/mLを加えて、37℃で1時間静かに震蕩した。これをPBSで4倍に希釈して、2000rpm×5分間の遠心分離を行い、PBS(Ca+Mg)に分散させた。その後、2000rpm×5分間の遠心分離を行い、PBS(Ca+Mg)に分散させる操作を3回繰り返して、シアリダーゼ処理赤血球分画を得た。
これをPBS(Ca+Mg)に対して2v/v%溶液としてシアリダーゼ処理赤血球浮遊液とした。96穴のタイタープレート(U底)に各ウェルの2列目以降に50μLずつPBS(Ca+Mg)を分注する。固定化されたピーナッツレクチン量を基に、ピーナッツレクチン濃度が同じになるように調製した試料溶液(各診断用マーカー及び比較診断用マーカー)100μLを1列目に入れて2倍希釈列を作った。
各ウェルにシアリダーゼ処理赤血球浮遊液を50μLずつ分注し、室温で60分間放置する。各ウェルの底部への沈殿状態(凝集の有無)により結合性を判定した。底部に丸く固まって沈殿したものは強く凝集しており、診断用マーカーとの結合性が低い(陰性)。底部に広がって沈殿したものは診断用マーカーとの結合性が強い(陽性)。ここで、陽性であった赤血球浮遊液混合後の最も薄い濃度を最低結合活性濃度(ピーナッツレクチン濃度)とした。この評価法では、最低結合活性濃度が低いほど、TF抗原への特異的結合性が高いと評価できる。
正常な粘膜や細胞表面には多様な糖鎖を表面に有していることから、同様に多様な糖鎖を表面に有している赤血球を用いて同じく凝集活性評価試験を行うことで、各診断用マーカー及び比較診断用マーカーの消化器粘膜への結合性を評価した。具体的には以下の通りである。
ウサギ保存血液3mLをPBSで5倍希釈し、2000rpm×5分間の遠心分離を行い、上澄みを捨ててさらにこれをPBSで5倍希釈する。この操作を3回繰り返して赤血球分画を取り出した。これをPBS(Ca+Mg)に対して2v/v%溶液として赤血球浮遊液とした。96穴のタイタープレート(U底)に各ウェルの2列目以降に50μLずつPBS(Ca+Mg)を分注する。固定化されたピーナッツレクチン量を基に、ピーナッツレクチン濃度が同じになるように調製した試料溶液(各診断用マーカー及び比較診断用マーカー)100μLを1列目にいれて2倍希釈列を作った。
各ウェルに赤血球浮遊液を50μLずつ分注し、室温で60分間放置する。各ウェルの底部への沈殿状態(凝集の有無)により結合性を判定した。底部に丸く固まって沈殿したものは強く凝集しており、診断用マーカーとの結合性が低い(陰性)。底部に広がって沈殿したものは診断用マーカーとの結合性が強い(陽性)。ここで、陽性であった赤血球浮遊液混合後の最も薄い濃度を最低結合活性濃度(ピーナッツレクチン濃度)とした。この評価法では、最低結合活性濃度が高いほど、消化器粘膜への結合性が低いと評価できる。
上記のTF抗原への特異的結合性評価試験及び消化器粘膜への結合性評価試験で使用した、各シアリダーゼ処理赤血球浮遊液及び赤血球浮遊液を1:1(容量)混合した液を試料として、無蛍光スライドガラス上へキャストした。波長475nmを励起光にして共焦点レーザー蛍光顕微鏡(LSM5Pascal,カールツァイス社製)で観察した。評価基準は以下の通りである。
〔コントラスト〕
○:蛍光を発している血球と蛍光を発していない血球が容易に区別できる。
×:蛍光を発している血球と蛍光を発していない血球の区別ができないか、又は容易でない。
〔蛍光強度〕
○:蛍光発光箇所が粒子状で明確に認識できる。
×:蛍光発光はブロードで、血球全体が発光している。
Claims (3)
- 粒子径1nm〜100μmの粒子であって、その粒子の表面に、消化器癌粘膜上の特定抗原に対する特異的な結合性の高い部位及び消化器粘膜に対する結合性の低い部位を有し、且つ上記粒子中に識別性物質を有する、当該粒子を含有し、
上記粒子が、下記式(3)で表される構造を有するポリマーを主成分とするものであることを特徴とする、診断用マーカー。
(式中、R'は水素原子又は炭素原子数1〜4の炭化水素基を表す。nは10〜400の数を表す。mは10〜400の数を表す。kは10〜200の数を表す。Aはレクチンを表す。w、x、y、zはポリマーの分子量を1万〜100万とする数であり、且つ(x+y):z:w=1:0.2〜2.5:5〜300の割合である。尚、xとyは何れか一方が0であってもよい。w、x、y、zの各繰り返し数に対応する各繰り返し単位の主鎖における順序は任意である。) - 上記識別性物質が、蛍光発光性物質である、請求項1記載の診断用マーカー。
- 下記式(4)で表されるマクロモノマー及び/又は下記式(5)で表されるマクロモノマーと、下記式(6)で表されるマクロモノマーと、スチレンとを、極性溶媒中で重合させてポリマー微粒子を得、得られたポリマー微粒子に蛍光発光性物質を含有させるか、あるいは、下記式(4)で表されるマクロモノマー及び/又は下記式(5)で表されるマクロモノマーと、下記式(6)で表されるマクロモノマーと、スチレンとを、極性溶媒中で重合させるに際して、重合系内に蛍光発光性物質を存在させることによって、ポリマー微粒子を得ると同時に該ポリマー微粒子内に蛍光発光性物質を含有させ、次いでこのポリマー微粒子の表面に抗体及び/又はレクチンを結合又は吸着させることを特徴とする、診断用マーカーの製造方法。
(式中、nは上記式(3)と同義である。)
(式中、R'及びmは上記式(3)と同義である。)
(式中、kは上記式(3)と同義である。)
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