JP5116673B2 - 遮光剤 - Google Patents

遮光剤 Download PDF

Info

Publication number
JP5116673B2
JP5116673B2 JP2008522424A JP2008522424A JP5116673B2 JP 5116673 B2 JP5116673 B2 JP 5116673B2 JP 2008522424 A JP2008522424 A JP 2008522424A JP 2008522424 A JP2008522424 A JP 2008522424A JP 5116673 B2 JP5116673 B2 JP 5116673B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
ring
light
cyanine dye
dye
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008522424A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2007148621A1 (ja
Inventor
賢太郎 矢野
宏 永池
淳一郎 井原
恭 相澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
Original Assignee
Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK filed Critical Hayashibara Seibutsu Kagaku Kenkyujo KK
Priority to JP2008522424A priority Critical patent/JP5116673B2/ja
Publication of JPWO2007148621A1 publication Critical patent/JPWO2007148621A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5116673B2 publication Critical patent/JP5116673B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B23/00Methine or polymethine dyes, e.g. cyanine dyes
    • C09B23/02Methine or polymethine dyes, e.g. cyanine dyes the polymethine chain containing an odd number of >CH- or >C[alkyl]- groups
    • C09B23/08Methine or polymethine dyes, e.g. cyanine dyes the polymethine chain containing an odd number of >CH- or >C[alkyl]- groups more than three >CH- groups, e.g. polycarbocyanines
    • C09B23/086Methine or polymethine dyes, e.g. cyanine dyes the polymethine chain containing an odd number of >CH- or >C[alkyl]- groups more than three >CH- groups, e.g. polycarbocyanines more than five >CH- groups
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09BORGANIC DYES OR CLOSELY-RELATED COMPOUNDS FOR PRODUCING DYES, e.g. PIGMENTS; MORDANTS; LAKES
    • C09B23/00Methine or polymethine dyes, e.g. cyanine dyes
    • C09B23/0066Methine or polymethine dyes, e.g. cyanine dyes the polymethine chain being part of a carbocyclic ring,(e.g. benzene, naphtalene, cyclohexene, cyclobutenene-quadratic acid)
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/20Filters
    • G02B5/208Filters for use with infrared or ultraviolet radiation, e.g. for separating visible light from infrared and/or ultraviolet radiation
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B27/00Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00
    • G02B27/0018Optical systems or apparatus not provided for by any of the groups G02B1/00 - G02B26/00, G02B30/00 with means for preventing ghost images

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Optical Filters (AREA)

Description

本発明は、近赤外光領域で吸収を示す遮光剤に関し、近赤外線吸収性能、熱線吸収性能、可視光線透過性能、耐光性、耐熱性に優れ、安定した性能を有し、プラズマディスプレイ等のディスプレイ、デジカメ用赤外線吸収フィルター、熱線吸収フィルター等に使用した場合、安定して色調を表示できる光学フィルターに関する。
高品位テレビ放送の開始に伴って、プラズマディスプレー方式のテレビ受像機の需要が急増している。プラズマディスプレーは気体のプラズマ放電光を利用する映像表示機器であり、ブラウン管に匹敵する色純度を有し、フルカラー化が容易であるうえに、視野角が大きいことから、高品位テレビ放送に対応する大型映像表示機器として開発と量産化が進められている。ところが、内池平樹、『映像情報メディア学会誌』、第51巻、第4号、459乃至463頁(1997年)や野崎正平ら、『月刊ディスプレー』、第6巻、第4号、72乃至77頁(2000年)などに報告されているように、プラズマディスプレーは、原理上、励起されたネオン原子が基底状態へ戻る際に放出される波長600nm付近の、いわゆる、「ネオンオレンジ色」の発光や不用な近赤外線の輻射が避けられず、これらは、赤色発光に混ざると、色純度の良い、鮮やかな赤色表示が得られなくなったり、赤外線リモコンの誤動作を招来するという問題がある。
この問題を解決するために、従来より、プラズマディスプレーの表示部へ近赤外線吸収剤を用いる前面部材を取り付ける方法が提案され、例えば、特開平9−241520号公報には、近赤外線吸収剤としてニッケル錯体系、アゾ系、アントラキノン系の有機色素化合物を用いる前面部材が、また、特開平10−128898号公報には、複素環系、アントラキノン系、ジチオールニッケル錯体系の有機色素化合物を用いる前面部材が提案されている。また特開2002−90521号公報にはシアニン色素を用いた光学フィルターが提案されている。
ところが、これらの有機色素化合物の多くは、有機溶剤における溶解性が低いことから、有機溶剤に溶解して合成樹脂などによる前面部材の透明基材へ塗布する作業に支障をきたし、また、自然光や人工光などの環境光に対する耐光性が充分でないので、長期間用いると、前面部材の遮光能が低下し易いという問題があった。また、従来、近赤外線吸収剤として用いられているシアニン色素は、最大吸収波長が850nm付近にあり、所望する吸収波長よりやや短いという問題があった。
斯かる状況に鑑み、この発明は、映像表示機器用前面部材において、映像表示機器から輻射される不用な人工光、特に近赤外線を効果的に遮断するとともに、自然光の近赤外線をも有効に遮断し、有機溶剤における溶解性と耐光性、耐環境性に優れた遮光剤とその用途を提供することを課題とする。またシアニン色素を含んでなる遮光剤において吸収波長をさらに長波長化させ、所望の吸収波長を得ることを課題とする。
本発明者が鋭意研究し、検索したところ、ヘプタメチン系シアニン色素において、メチン鎖のメソ位にスルフォニル基を有するシアニン色素は、波長900nm付近に吸収極大を有し、プラズマディスプレーなどの映像表示機器へ取り付ける前面部材に用いると、映像表示機器から輻射される不用な光を効果的に遮断することが判明した。また、斯かるシアニン色素は有機溶剤中、及び薄膜状態における耐光性、耐環境性に優れ、長期間用いても、色合いが変化しにくく、遮光能が減弱し難い光学フィルターを作業効率良く作製し得ることが判明した。
すなわち、この発明は、一般式1で表されるメソ位にスルフォニル基を有するシアニン色素を含んでなる遮光剤を提供することによって前記課題を解決するものである。
一般式1:
一般式1において、Z、Zは単環式又は縮合環式の芳香環又は複素環を表し、それら芳香環又は複素環は置換基を有していてもよい。R乃至Rは互いに同じか異なる脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表し、それら脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよい。また、RとR、RとRは結合し、3乃至8員環を形成することが出来る。Rは水素原子、又は置換基を表し、Lは、環状構造を形成するのに必要な原子群を表す。Xm―は、m価の対イオンを表し、mは、1乃至3であり、cは、0又は1である。
さらに、この発明は、一般式1で表されるシアニン色素を含んでなる遮光剤を用いる光学フィルターを提供することによって前記課題を解決するものである。
図1は、本発明のシアニン色素 化学式26と、比較化合物 化学式274、それぞれの薄膜状態での透過スペクトルデータである。
既述のとおり、この発明は、一般式1で表されるシアニン色素を含んでなる遮光剤と、斯かるシアニン色素を用いる光学フィルターに関するものである。
一般式1:
一般式1において、Z、Zは単環式又は縮合環式の芳香環又は複素環を表し、それら芳香環又は複素環は置換基を有していてもよい。Z及びZにおける芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ビフェニル環、などが、また、複素環としては、例えば、イミダゾリン環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、α−ナフトイミダゾール環、β−ナフトイミダゾール環、インドール環、イソインドール環、インドレニン環、イソインドレニン環、ベンゾインドレニン環、ピリジノインドレニン環、オキサゾリン環、オキサゾール環、イソオキサゾール環、ベンゾオキサゾール環、ピリジノオキサゾール環、α−ナフトオキサゾール環、β−ナフトオキサゾール環、セレナゾリン環、セレナゾール環、ベンゾセレナゾール環、β−ナフトセレナゾール環、β−ナフトセレナゾール環、チアゾリン環、チアゾール環、イソチアゾール環、ベンゾチアゾール環、β−ナフトチアゾール環、β−ナフトチアゾール環、テルラゾリン環、テルラゾール環、ベンゾテルラゾール環、α−ナフトテルラゾール環、β−ナフトテルラゾール環、さらには、アクリジン環、アントラセン環、イソキノリン環、イソピロール環、イミダノキサリン環、インダンジオン環、インダゾール環、インダリン環、オキサジアゾール環、カルバゾール環、キサンテン環、キナゾリン環、キノキサリン環、キノリン環、クロマン環、シクロヘキサンジオン環、シクロペンタンジオン環、シンノリン環、チオジアゾール環、チオオキサゾリドン環、チオフェン環、チオナフテン環、チオバルビツール酸環、チオヒダントイン環、テトラゾール環、トリアジン環、ナフチリジン環、ピペラジン環、ピラジン環、ピラゾール環、ピラゾリン環、ピラゾリジン環、ピラゾロン環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピリリウム環、ピロリジン環、ピロリン環、ピロール環、フェナジン環、フェナントリジン環、フェナントロリン環、フタラジン環、プテリジン環、フラザン環、フラン環、プリン環、ベンゾオキサジン環、ベンゾピラン環、モルホリン環、ロダニン環などが挙げられる。
及びZにおける置換基としては、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、プロピル基、イソプロピル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−プロピニル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−ペンテニル基、2−ペンテン−4−イニル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などの脂肪族炭化水素基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基などの脂環式炭化水素基、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ビフェニリル基などの芳香族炭化水素基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、フェノキシ基などのエーテル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、アセチル基、ベンゾイルオキシ基などのエステル基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ジブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、アニリノ基、o−トリイジノ基、m−トルイジノ基、p−トルイジノ基、キシリジノ基基、ジフェニルアミノ基などのアミノ基、キノリル基、ピペリジノ基、ピリジル基、モルホリノ基などの複素環基、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基などのハロゲン基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、スルフォン酸基、シアノ基、ニトロ基、さらには、これらの組合わせによる置換基が挙げられる。
乃至Rは互いに同じか異なる脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表し、脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、プロピル基、イソプロピル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−プロピニル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−ペンテニル基、2−ペンテン−4−イニル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などの脂肪族炭化水素基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基などの脂環式炭化水素基などが挙げられ、芳香族炭化水素基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、ビフェニリル基、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられる。また、それら脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基は置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、Z及びZにおける置換基と同じものが挙げられる。
また、RとR、RとRは結合し、3乃至8員環を形成することが出来る。3乃至8員環としては、炭素、酸素、硫黄、窒素原子を含んで形成される、シクロヘキサン環、シクロペンタン環、シクロプロパン環、ジメチルシクロヘサン環、テトラハイドロピラン環、ピペリジン環、テトラハイドロチオピラン環などが挙げられる。
、Rとしては、さらに、エチルスルフォン酸及びそのアニオン、プロピルスルフォン酸及びそのアニオン、ブチルスルフォン酸及びそのアニオン、1-メチルプロピルスルフォン酸及びそのアニオンなどのアルキルスルフォン酸基、酢酸及びそのアニオン、プロピオン酸及びそのアニオンなどのアルキルカルボキシル基なども挙げられる。またそれが塩構造を有するときのカチオン種としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等の無機イオン及びトリエチルアミン、トリブチルアミン、モルホリン、ピペリジン、ピロリジン、アンモニア等の有機イオンが挙げられる。
は水素原子、又は置換基を表し、置換基としては、メチル基、エチル基、ビニル基、プロピル基、イソプロピル基、イソプロペニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−プロピニル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、2−ペンテニル基、2−ペンテン−4−イニル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、5−メチルヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基などのアルキル基、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基などの芳香族炭化水素基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基などのアリールアルキル基が挙げられ、これらのアルキル基、アリール基、アルキルアリール基には、さらに、アニリノ基、アミノ基、アルキルアミノ基、ハロゲン基、ニトロ基、アルコキシ基、シアノ基、アルキル基などの置換基が結合してもよい。Rは、上記の置換基の上記の置換基の他に、任意に置換されたアニリノ基、アミノ基、ハロゲン基、ニトロ基、アルコキシ基、シアノ基、任意に置換されたアルキルアミノ基などを挙げることが出来る。
Lは、メチン鎖部分と結合し、環状構造を形成するのに必要な原子群を表す。環状構造としては、二重結合及び/又はヘテロ原子を1又は複数有する、例えば、シクロブテン環、シクロペンテン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環、インドナフテン環、デヒドロデカリン環、ピリジン環、ジヒドロピリジン環、テトラヒドロピリジン環、フラン環、ジヒドロフラン環、チオフェン環、ジヒドロチオフェン環、ヘキサヒドロキノリン環などの単環式又は縮合多環式のものが挙げられる。
m−は一般式1を中性に保つm価の対イオンを表し、mは、1乃至3であり、中性に保つために場合によっては存在しないことがある(この場合、一般式1におけるcの値は0を表す)。対イオンとしては、例えば、六弗化燐酸イオン、ハロゲンイオン、燐酸イオン、過塩素酸イオン、過沃素酸イオン、六弗化アンチモン酸イオン、六弗化錫酸イオン、硼弗化水素酸イオン、四弗硼素酸イオンなどの無機酸イオンや、チオシアン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、ベンゼンジスルフォン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、ベンゼンカルボン酸イオン、ベンゼンジカルボン酸イオン、ベンゼントリカルボン酸イオン、アルキルカルボン酸イオン、トリハロアルキルカルボン酸イオン、アルキル硫酸イオン、トリハロアルキル硫酸イオン、ニコチン酸イオンなどの有機酸イオン、さらには、アゾ系、ビスフェニルジチオール系、チオカテコールキレート系、チオビスフェノレートキレート系、ビスジオール−α−ジケトン系の金属錯体イオンなどが採用される。
そのうち、弗素原子を含む対イオン、例えば、六弗化燐酸イオン、硼弗化水素酸イオン、四弗硼素酸イオン、トリフルオロスルフォン酸アニオン、ノナフルオロブタンスルフォン酸アニオン、ジ(トリフルオロメチルスルフォニル)イミドアニオン、ジ(2,2,2−トリフルオロエチルスルフォニル)イミドアニオン、ジ(3,3,3,−トリフルオロプロピルスルフォニル)イミドアニオン、ジ(4,4,4−トリフルオロブチルスルフォニル)イミドアニオン、ジ(ペルフルオロエチルスルフォニル)イミドアニオン、ジ(ペルフルオロプロピルスルフォニル)イミドアニオン、ジ(ペルフルオロブチルスルフォニル)イミドアニオン等の対イオンは、光学フィルターに用いる場合に、その製造時に使用する溶剤に対する溶解性、或いは、光学フィルター内での安定性に優れていることから特に好ましい。
この発明で用いるシアニン色素の具体例としては、例えば、化学式1乃至化学式257で表されるものが挙げられる。これらのシアニン色素は、波長850nmより長波長、好ましくは、波長850乃至1000nmの近赤外領域に吸収極大を有する。更に吸収極大波長における分子吸光係数(以下、吸収極大波長における分子吸光係数を「ε」と略記する。)も通常、1×10以上と大きく、逆に可視光部の吸収が小さいことから、例えば、プラズマディスプレーなどの映像表示機器へ取り付ける前面部材へ用いると、映像の三原色の色純度を損なうことなく、映像表示機器から輻射される不用な近赤外光を効果的に遮断するので、コントラストと色再現性に優れた高画質の映像が得られ、しかも、赤外線リモコンが近赤外線によって誤動作することもない。
加えて、これらのシアニン色素は、諸種の有機溶剤、とりわけ、ケトン系、ハロゲン化炭化水素系、エーテル系、エステル系の有機溶剤における溶解性が高いことから、有機溶剤に溶解して前面部材の主体となる透明基材へ塗布する作業が容易となるうえに、自然光や人工光などの環境光に対する耐光性、耐環境性が大きいことから、長期間用いても前面部材の遮光能が減弱し難い特徴がある。同様に自然光の内、近赤外光を遮断する用途に用いても、同様の効果が期待できる。例示化合物として、例えば、一般式1−1乃至一般式1−21で表される化合物が挙げられる。具体的な化合物例を対応する表に示す。
一般式1−1:
一般式1−2:
一般式1−3:
一般式1−4:
一般式1−5:
一般式1−6:
一般式1−7:
一般式1−8:
一般式1−9:
一般式1−10:
一般式1−11:
一般式1−12:
一般式1−13:
一般式1−14:
一般式1−15:
一般式1−16:
一般式1−17:
一般式1−18:
一般式1−19:
一般式1−20:
一般式1−21:
本発明のシアニン色素は、エフ・エム・ハーマー(F.M.Harmer)著、「ヘテロサイクリック・コンパウンズーシアニンダイズ・アンド・リレイテッド・コンパウンズ(Heterocyclic・Compounds・Cynine・Dyes・and・Related・Compounds)」、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社(John・Wiley・&・Sons)、1964年発行、およびデー・エム・スターマー(D.M.Sturmer)著、「ヘテロサイクリック・コンパウンズースペシャル・トッピクス・イン・ヘテロサイクリック・ケミストリー(Heterocyclic・Compounds−Special・topics・in・heterocyclic・chemistry)」、第18章、第14節、482〜515頁、ジョン・ウィリー・アンド・サンズ社(John・Wiley・&・Sons)、1977年発行、「ロッズ・ケミストリー・オブ・カーボン・コンパウンズ(Rodds・Chemistry・of・Carbon・Compounds、2nd.Ed.Vol.IV、1977年発行、第15章、369〜422頁、エルセビア・サイエンス・パブリック・カンパニー・インク(Elsevier・Science・Publishing・Company・Inc)社、特開平6−313939号公報および特開平5−88293号公報等を参考にして容易に合成できる。
また、本発明のシアニン色素を含んでなる遮光剤には、安定化剤を含有してもよく、安定化剤としては、例えば、特開昭60−234892号公報、特開平5−43814号公報、特開平6−239028号公報、特開平9−309886号公報、特開平10−45757号公報等に記載のジチオール金属錯体塩、ジモニウム塩等が挙げられる。
ジチオール金属錯体塩としては、一般式2で表わされるジチオール金属錯体が挙げられる。
一般式2:
一般式2におけるR10乃至R13はそれぞれ水素原子、アルキル基、アリール基、シアノ基等の置換基を挙げることが出来る。また、R10とR11、R12とR13が互いに連結してベンゼン環またはナフタレン環などの芳香環を形成することが出来、これら芳香環は置換基を有してもよい。また、置換基としては、例えば、一般式1における芳香環に結合する置換基と同じものが挙げられる。
Mは、周期表のII族からIV族の金属をあげることが出来る。そのうち、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Pd、MoまたはCd等の遷移金属が好ましく、さらに好ましくは、Fe、Co、Cu、NiまたはZnである。
nは一般式2を中性に保つカチオンである。カチオンの例としては4級アンモニウム塩または4級ホスホニウム塩が挙げられる。4級アンモニウム塩としては、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、オクチルトリエチルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウム、トリフェニルブチルアンモニウム、トリフェニルベンジルアンモニウム、テトラフェニルアンモニウムを挙げることが出来る。4級ホスホニウム塩としては、テトラメチルホスホニウム、テトラエチルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、オクチルトリエチルホスホニウム、フェニルトリメチルホスホニウム、トリフェニルブチルホスホニウム、トリフェニルベンジルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウムを挙げることが出来る。ただし、金属錯体自身が中性の際には存在しない。
具体的な例としては以下の化学式258乃至化学式263のものが挙げられる。
化学式258:
化学式259:
化学式260:
化学式261:
化学式262:
化学式263:
これらの金属錯体安定化剤はそのまま、本発明の遮光剤に混合し併用でき、塩構造のものは、本発明のアニオン種と置換して用いることができる。
また、ジイモニウム塩としては、一般式3で表わされるジイモニウム塩が挙げられる。
一般式3:
一般式3における、Rcは、アルキル基、ハロゲン化アルキル基、シアノアルキル基、アリール基、ヒドロキシル基、フェニル基およびフェニルアルキル基から選ばれる置換基であり、これらは同一であっても異なっていてもよい。Rcとしては、上記置換基であれば特に限定はされないが、炭素数1〜8の直鎖若しくは側鎖を有するアルキル基、ハロゲン化アルキル基、シアノアルキル基等が好ましく、炭素数2〜6の直鎖アルキル基が特に好ましい。特に好ましいものの具体例としては、例えば、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソアミル基等が挙げられる。また、好ましい別の例として、フェニルアルキル基を挙げることも出来る。フェニルアルキル基において、アルキル基の炭素数は、1〜8であることが特に好ましい。更に、フェニルアルキル基におけるフェニル基は、置換基を有していなくてもよいが、アルキル基、水酸基、スルホン酸基、アルキルスルホン酸基、ニトロ基、アミノ基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基及びハロゲンからなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有していてもよい。このうち、置換基を有していないフェニル基が好ましく、かかるフェニルアルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、フェニル−α−メチルプロピル基、フェニル−β−メチルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルオクチル基等が挙げられる。特に、ベンジル基及びフェネチル基が特に好ましい。
Zは塩を形成するためのアニオンであり、一般式5を中性に保つアニオン種である。このアニオン種は有機酸、及び無機酸であり、特に限定されない。
ジイモニウム塩の具体的な例としては化学式264乃至化学式268が挙げられる。
化学式264:
化学式265:
化学式266:
化学式267:
化学式268:
さらに、上述したジチオール金属錯体及びジイモニウム塩は、安定化剤として組み合わせて用いることも出来る。またその際に、それぞれ、異なる2種以上を併用して用いることも出来る。
さて、斯かるシアニン色素を含有する遮光剤を用いる本件発明の光学フィルターについて説明すると、この発明の使用部材は、少なくとも、使用部材の主体となる透明基材と、遮光剤として一般式1で表されるシアニン色素とによって構成される。なお、この発明でいう「遮光剤」とは、斯かる使用部材へ用いることによって、映像表示機器から放出される不用な光、或いは自然光、とりわけ、近赤外領域の光を実質的に遮断する、吸光性有機化合物又は吸光性有機化合物を含有する組成物を意味するものとする。本発明の光学フィルターにおいて、上記のシアニン色素の使用量はそれぞれ、通常、光学フィルターの単位面積当たり1〜1000mg/mの範囲であり、好ましくは5〜100mg/mである。
透明基材としては、全可視領域において、光透過率が50%以上、好ましくは、70%以上の、例えば、ABS樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、さらには、ガラス、セラミックなどが挙げられ、必要に応じて、これらは適宜組み合わせて用いられる。これらのうちで、光透過率及び機械的強度の点で、ポリアクリル酸樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメタクリル酸樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂が特に好ましい。
この発明の光学フィルターは、一般式1で表される、シアニン色素を斯かる透明基材へ混合した後、使用部の形状に応じた、例えば、フィルム状、シート状、パネル状などに成形するか、あるいは、使用部の形状に応じてフィルム状、シート状、パネル状などに成形しておいた透明基材の片面又は両面に密着させて一般式1乃至3で表される、シアニン色素による遮光層を形成する。透明基材の厚みとしては、透明基材の材質や使用部の面積にもよるけれども、強度の点からは、通常、0.5mm以上、好ましくは、1mm以上に、一方、質量の点からは、通常、10mm以下、好ましくは、5mm以下の範囲で加減する。使用の状況によっては、使用部へ透明基材を直接取り付けるのではなく、透明基材を使用部の形状に応じたガラス板などへ一旦貼合し、そのガラス板を使用部へ取り付けることがある。斯かる場合には、透明基材を厚さが比較的薄い、例えば、フィルム又はシート状に形成し、その片面へ透明基材をガラス板へ貼合するための粘着層などを形成する。
透明基材へシアニン色素を混合する前者の方法においては、例えば、透明基材とシアニン色素とを溶融混練し、必要に応じて、一旦ペレット状などにした後、押出成形、射出成形、プレス成形などの方法により、映像表示機器における表示部の形状に応じて成形するか、あるいは、透明基材の原料モノマーとシアニン色素とを混合し、表示部の形状に応じて注型重合させる。
一方、透明基材へ密着させてシアニン色素の層を設ける後者の方法においては、例えば、必要に応じて、バインダーを共存させて、シアニン色素を、例えば、クロロホルム、シクロヘキサノン、エチルメチルケトン、イソプロピルメチルケトンをはじめとするケトン系、ハロゲン化炭化水素系、エチレングリコールモノプロピルエーテルをはじめとするエーテル系、エステル系などの適宜有機溶剤に溶解又は分散させ、使用部の形状に応じて、例えば、フィルム状、シート状、パネル状などに成形しておいた透明基材の片面又は両面へ直接塗布するか、あるいは、同様にして調製した溶液又は分散液を透明基材におけると同様の材質のフィルム又はシートへ一旦塗布した後、そのフィルム又はシートを使用部の形状に応じて成形しておいた透明基材の片面又は両面へ貼合する。
バインダーとしては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、酢酸セルロース系樹脂、酢酸ビニル樹脂、セルロース系樹脂、ナイロン、フェノール系樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂などが挙げられ、必要に応じて、これらは適宜組み合わせて用いられる。斯かるバインダーは、この発明のシアニン色素に対して、質量比で、通常、10乃至1,000倍、好ましくは、50乃至500倍用いられる。シアニン色素を分散液にして塗布する場合には、固状のシアニン色素を粒子径0.1乃至10μm、好ましくは、0.5乃至5μmの微粒子にして分散させる。
シアニン色素を含有する溶液や分散液を透明基材などへ塗布するには、斯界において汎用される、例えば、ディッピング法、フローコート法、スプレー法、バーコート法、グラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、エアーナイフコート法などが適用され、必要に応じて、これらは適宜組み合わせて適用される。
この発明の遮光剤は、先に挙げた安定化剤を含めて、この発明の目的を逸脱しない範囲で、一般式1で表される、シアニン色素とともに、斯界において汎用される、例えば、アミニウム塩系化合物、アミノ化合物、アミノチオールニッケル錯体系化合物、アントラキノン系化合物、イモニウム系化合物、シアニン系化合物、ジイモニウム系化合物、ジチオールニッケル錯体系化合物、トリアリルメタン系化合物、ナフトキノン系化合物、ニトロソ化合物及びその金属塩、フタロシアニン系化合物、カーボンブラック、酸化インジウム錫、酸化アンチモン錫などを含有する近赤外線吸収剤、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、ヒドロキシベンゾエート化合物、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化鉄、硫酸バリウムなどを含有する紫外線吸収剤、さらには、酸化防止剤、難燃化剤、安定剤、滑剤、帯電防止剤、耐熱老化防止剤、離型剤の1又は複数を含んでいてもよい。この発明のシアニン色素は、上記のごとき近赤外線吸収剤や紫外線吸収剤と併用すると、これらに含まれる有機色素化合物の耐光性を著明に改善し、それらが自然光、人工光などの環境光によって退色、変性、分解されるのを効果的に抑制する。なお、近赤外線を遮断するこの発明のシアニン色素は、単独又は近赤外線を吸収する他の化合物と組み合わせて、近赤外線吸収剤若しくは近赤外線遮断剤として有利に用いることができる。
また、この発明の光学フィルターは、一般式1で表される、シアニン色素とともに、必要に応じて、斯界において汎用される、例えば、銀、銀−パラジウム合金、酸化インジウム、酸化インジウム−酸化錫混合物(ITO)、酸化亜鉛などを含有する電磁波遮断剤、金属酸化物、金属弗化物、金属珪化物、金属硼化物、金属炭化物、金属窒化物、金属硫化物などを含有する反射防止剤などの1又は複数と併用することを妨げない。これらの材料は、通常、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、イオンビームアシスト法などの方法により、透明基材上へシアニン色素による遮光層とは独立した層として形成するか、あるいは、透明基材におけると同様の材質のフィルム又はシート上へ紫外線遮断層、電磁波遮断層、反射防止層などの1又は複数を形成し、そのフィルム又はシートを透明基材へ貼合する。
さらに、この光学フィルターは、必要に応じて、ぎらつきを抑え、視野角を広げるためのノングレア層、表面を保護するためのハードコート層、光学フィルターを映像表示機器やガラス板などへ取り付けるための粘着層などの1又は複数を設けることを妨げない。
斯くして得られるこの発明の光学フィルターは、一般式1で表される、シアニン色素において、遮断すべき光の波長に応じた適宜の吸収域を有するものを選択することによって、映像の三原色の色純度を損なうことなく、映像表示機器から輻射される近赤外領域の不用な光、とりわけ、プラズマディスプレーにおける近赤外線などを選択的に遮断するので、コントラストと色再現性に優れた高画質の映像が得られ、しかも、赤外線リモコンが近赤外線によって誤動作することもない。この発明の光学フィルターを適用し得る映像表示機器としては、例えば、ブラウン管を用いる直視型テレビ、プラズマディスプレー、電界発光ディスプレーなどを用いる発光型パネル方式のテレビ、液晶ディスプレーを用いる非発光型パネル方式のテレビ、液晶プロジェクターが内蔵されたリアプロジェクション方式のテレビなどが挙げられる。これらのうちでも、この発明の光学フィルターは、原理上、不用な光を輻射し易いプラズマディスプレーや電界発光ディスプレーなどを用いる発光型パネル方式のテレビへ極めて有利に適用することができる。
以下、この発明の実施の形態につき、実施例に基づいて説明する。
<シアニン色素の溶液保存安定性 クエンチャー含有条件>
溶液状態おける本発明のシアニン色素の安定性を調べた。本発明においてクエンチャーとは励起状態にある活性分子を脱励起させる(クエンチングさせる)機能を有するものを指す。化学式114、化学式179で表される本発明のシアニン色素、化学式269、化学式270で表される比較化合物をそれぞれ用い、各シアニン色素とクエンチャーとして用いられる金属錯体(『EST−5』:住友精化製)を質量比1:1に混合した。それぞれの、シアニン色素とEST−5の混合物を塩化メチレンに溶解し、シアニン色素を0.1質量%含有する溶液を作成した後、メチルエチルケトン(以下、「MEK」と言う。)にて140倍希釈を行った。その際の吸収極大波長(λmax)における吸光度とを測定し、室温下(25℃)、褐色瓶に入れ、遮光状態にて保存した。24時間後の溶液の吸光度を測定し、24時間後の吸光度/初期溶液の吸光度の値の百分率(色素残存率)を計算し、シアニン色素の溶液保存安定性の目安とした。
化学式269(比較例):
化学式270(比較例):
表22の結果から、比較化合物については、色素残存率が10%以下の安定性しか示さないのに対して、本発明は金属錯体クエンチャー(『EST−5』)との混合溶液中で70%以上の色素残存率を示した。比較例はクエンチャーとして用いたEST−5の機能を引き出すことができず、溶液安定性が非常に低いのに対し、本発明はクエンチング機能を有効に活用できることが分かった。また、これは本発明の色素が溶液中での安定性に優れていることが示されると共に、光学フィルター作成時の安定性、作業性に寄与されることがわかった。
<シアニン色素の光安定性 クエンチャー含有条件>
化学式4、化学式146で表される本発明のシアニン色素、化学式271、化学式272で表される比較化合物を用い、それぞれ、シアニン色素0.1質量%とクエンチャー(『IRG−023』日本化薬製)0.6質量%、ポリメチルメタクリレート(『PMMA』 アルドリッチ製)2.5質量%をMEK溶剤に溶解した。各溶液を、ポリカーボネート基盤上にスピンコート法にて薄膜を作成した。その際の薄膜吸収を測定し、λmaxにおける色素の吸収率を求め100%とした。その後、『キセノンウェザーメータ XL−75』(スガ試験機製)を用いて、測定条件:180W/m、槽内温度:15℃、湿度:60%にて1時間露光を行った。吸収極大波長における、「1時間露光後の吸光度/初期薄膜の吸光度」の値を100分率で表したものを色素残存率とし、シアニン色素の耐光性の目安とした。
化学式271(比較例):
化学式272(比較例):
表23の結果に見られるとおり、キセノンランプを1時間照射すると、比較例の化合物が75%以下の色素残存率に対し、本発明のシアニン色素は、80%近い高い色素残存率を示した。これは光安定性において、本発明が優れていることを示しており、既存のシアニン色素と比較して、本発明はその遮光能がより長期間持続することを物語っている。
<シアニン色素の熱安定性 クエンチャー含有条件>
化学式83、化学式126で表される本発明のシアニン色素、化学式273で表される比較化合物を用い、それぞれ、シアニン色素0.1質量%とクエンチャー(『IRG−023』 日本化薬製)0.6質量%、ポリメチルメタクリレート(『PMMA』 アルドリッチ製)2.5質量%をMEK溶剤に溶解させた。各溶液を、ポリカーボネート基盤上にスピンコート法にて薄膜を作成した。その際の薄膜吸収を測定し、675nmにおける吸光度を測定した(初期薄膜の吸光度)。その後、真空乾燥機『DP−43』(ヤマト科学製)を用いて、測定条件を槽内温度:90℃にて24時間加温を行った。24時間加熱後、再度675nmにおける薄膜の吸光度を測定し、「(初期薄膜の吸光度−24時間後の吸光度)/初期薄膜の吸光度」の値の100分率で表したものを変化率として求めた。
化学式273(比較例):
表24の結果に見られるとおり、90℃にて24時間加温を行うと、比較例の化合物が6%以上の色合いの変化率を示したのに対し、本発明のシアニン色素は、3%程度の小さい変化率を示した。比較例で用いた従来の近赤外線吸収色素は、耐熱性が低く、時間の経過と共に分解し、近赤外線領域の吸光係数が低下し、更には分解により可視光線領域に吸収が生じてしまい、可視光透過率が低下し、黄色に呈色して色調を損なってしまった。これに比して、本発明のシアニン色素は、耐熱性が高く、近赤外線領域の吸収低下が少なく、色素の分解による可視光領域の呈色も発生し難かった。既存のシアニン色素と比較して、本発明は色合いが変化しにくく、光学設計上優れていることが示された。
<シアニン色素の光安定性 色素単独条件>
化学式4、化学式144、化学式161で表される本発明のシアニン色素、化学式271、化学式274、化学式275で表される比較化合物を用い、それぞれのシアニン色素単独での薄膜条件下での光安定性を調べた。シアニン色素0.1質量%とポリメチルメタクリレート(『PMMA』 アルドリッチ製)をMEK溶剤に溶解した。各溶液を、ポリカーボネート基盤上にスピンコート法にて薄膜を作成した。その際の薄膜吸収を測定し、λmaxにおける色素の吸収率を求め100%とした。その後、『キセノンウェザーメータ XL−75』(スガ試験機製)を用いて、測定条件:180W/m、槽内温度:15℃、湿度:60%にて0.5時間露光を行った。吸収極大波長における色素残存率を実施例2と同様の方法で求めた。結果を表4に示す。
化学式274(比較例):
化学式275(比較例):
表25の結果に見られるとおり、キセノンランプを0.5時間照射すると、比較例の化合物は40%以下の色素残存率に対し、本発明のシアニン色素は60%以上の高い色素残存率を示した。既存のシアニン色素と比較して、本発明は色素単独においても高い耐光性を示した。
<シアニン色素の透過スペクトル>
実施例4と同様の方法で本発明のシアニン色素、化学式26単独の薄膜を作成し、その透過スペクトルを測定した。得られた透過スペクトルデータを図1として示す。
図1の結果に見られるとおり、本発明のシアニン色素は従来のシアニン色素よりも最大吸収波長が長波長側に存在することから、所望の近赤外波長域をカットしながら、同時に可視部の吸収が少なく、光学フィルターとしての高い特性を有し、850nm〜1000nmの近赤外域の光を効率よくカットし、三原色の色純度を損なうことなく光学フィルターを作成することができる。また、比較例で用いた従来の近赤外線吸収色素と比較して100nm以上の長波長化を実現した。このことより、本発明の色素は、850乃至1000nm付近での所望の波長の光を効率的にカットすることが提案可能であり、高い特性を示すことが分かった。
<光学フィルター>
飽和共重合ポリエステル系樹脂(商品名『バイロン200』、東洋紡績株式会社製造)の20質量%トルエン溶液100質量部と、化学式3、化学式5で表されるシアニン色素の0.5質量%シクロヘキサノン溶液とを混合した後、トルエンを加えて、ポリエステル系樹脂の濃度を9質量%に調整した。次いで、バーコーターを用いて、この溶液をポリエチレンテレフタレート製フィルム(商品名『T100E』、ダイヤホイルヘキスト株式会社製造、厚さ100μm)の片面へ均一に塗布し、乾燥させることによって膜厚4μmのコーティング膜を有する2種類の光学フィルターを作製した。
映像の三原色の色純度を損なうことなく、映像表示機器から輻射される不用な光を効果的に遮断する本例の光学フィルターは、いずれも、プラズマディスプレーなどの映像表示機器へ有利に適用できる。
<映像表示機器用前面部材>
実施例6の方法により作製した光学フィルターのシアニン色素による遮光層を形成した側へ、アルゴン/酸素混合気流下、酸化インジウム−錫合金を積層した。さらに、前面部材の反対側の面へ、ノングレア層を有する市販のポリメタクリル酸メチル樹脂製パネル(商品名『MR−NG』、三菱レイヨン株式会社製造)のノングレア層の形成されていない面を貼合し、2種類の映像表示機器用前面部材を得た。
ぎらつきを起こさず、映像の三原色の色純度を損なうことなく、映像表示機器から輻射される不用な光を効果的に遮断する本例の前面部材は、いずれも、プラズマディスプレーをはじめとする映像表示機器へ有利に適用できる。
叙述のごとく、この発明で用いるシアニン色素は、近赤外領域に吸収極大を有し、プラズマディスプレーなどの映像表示機器において、映像の三原色の色純度を損なうことなく、映像表示機器から輻射される不用な光を効果的に遮断するので、コントラストと色再現性に優れた高画質の映像が得られ、しかも、赤外線リモコンを使用する際に、近赤外線によって誤動作する心配もなく、遮光剤としてプラズマディスプレーなどの映像表示機器へ取り付ける光学フィルター用途として極めて有用である。
また、この発明で用いるシアニン色素は有機溶剤における耐光性、耐環境性に優れていることから、長期間用いても、遮光能が減弱し難い光学フィルターを作業効率良く作製し得ることとなる。加えて、この発明で用いるシアニン色素は、構造デザインにより、最大吸収波長が1000nm付近に達する性質を具備するので、他の有機色素化合物と組み合わせて光学フィルターにおける遮光層を構成する場合、併用する他の有機色素化合物の量が少なくて済むという実益を有することとなる。
斯くも顕著な効果を奏するこの発明は、斯界に貢献すること誠に多大な、意義のある発明であると言える。

Claims (1)

  1. 一般式1で表されるシアニン色素を含んでなる映像表示機器前面部材用の遮光剤。
    一般式1:
    一般式1において、Z、Zは単環式又は縮合環式の芳香環を表。R 、R は炭素数が1乃至4の直鎖のアルキル鎖を表す 乃至R はメチル基を表す。Rフェニル基を表し、Lは、シクロペンテン環又はシクロヘキセン環を形成するのに必要な原子群を表し、形成されるシクロペンテン環及びシクロヘキセン環は1個以上のメチル基を有してもよい。m―は、六弗化燐酸イオン又はジ(トリフルオロメチルスルフォニル)イミドアニオンを表し、cは、1である。
JP2008522424A 2006-06-20 2007-06-15 遮光剤 Expired - Fee Related JP5116673B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008522424A JP5116673B2 (ja) 2006-06-20 2007-06-15 遮光剤

Applications Claiming Priority (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006170274 2006-06-20
JP2006170274 2006-06-20
JP2008522424A JP5116673B2 (ja) 2006-06-20 2007-06-15 遮光剤
PCT/JP2007/062091 WO2007148621A1 (ja) 2006-06-20 2007-06-15 遮光剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2007148621A1 JPWO2007148621A1 (ja) 2009-11-19
JP5116673B2 true JP5116673B2 (ja) 2013-01-09

Family

ID=38833363

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008522424A Expired - Fee Related JP5116673B2 (ja) 2006-06-20 2007-06-15 遮光剤

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5116673B2 (ja)
WO (1) WO2007148621A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10598834B2 (en) 2015-12-01 2020-03-24 AGC Inc. Near-infrared light blocking optical filter having high visible light transmission and an imaging device using the optical filter

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8778590B2 (en) * 2008-12-18 2014-07-15 Agfa Graphics Nv Lithographic printing plate precursor
ES2396017T3 (es) 2009-04-24 2013-02-18 Agfa Graphics N.V. Método de fabricación de planchas de impresión litográfica
JP5728822B2 (ja) 2010-04-22 2015-06-03 信越化学工業株式会社 近赤外光吸収膜形成材料及び積層膜
EP2722367B1 (en) * 2012-10-11 2018-03-28 Agfa-Gevaert Infrared dyes for laser marking
CN107108987A (zh) * 2014-12-01 2017-08-29 陶氏环球技术有限责任公司 聚合物组合物、收缩膜以及其制得方法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09120115A (ja) * 1995-06-29 1997-05-06 Eastman Kodak Co シアニン色素含有写真要素
JP2000025350A (ja) * 1998-06-24 2000-01-25 Eastman Kodak Co レ―ザ着色剤転写用の赤外吸収シアニン着色剤
JP2002090521A (ja) * 2000-07-06 2002-03-27 Fuji Photo Film Co Ltd 光学フィルター
JP2004190000A (ja) * 2002-12-06 2004-07-08 Kodak Polychrome Graphics Gmbh メソ置換シアニン染料の製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09120115A (ja) * 1995-06-29 1997-05-06 Eastman Kodak Co シアニン色素含有写真要素
JP2000025350A (ja) * 1998-06-24 2000-01-25 Eastman Kodak Co レ―ザ着色剤転写用の赤外吸収シアニン着色剤
JP2002090521A (ja) * 2000-07-06 2002-03-27 Fuji Photo Film Co Ltd 光学フィルター
JP2004190000A (ja) * 2002-12-06 2004-07-08 Kodak Polychrome Graphics Gmbh メソ置換シアニン染料の製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10598834B2 (en) 2015-12-01 2020-03-24 AGC Inc. Near-infrared light blocking optical filter having high visible light transmission and an imaging device using the optical filter

Also Published As

Publication number Publication date
WO2007148621A1 (ja) 2007-12-27
JPWO2007148621A1 (ja) 2009-11-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4635007B2 (ja) フィルタ、及びシアニン化合物
JP5414127B2 (ja) ジイモニウム化合物
JP5116673B2 (ja) 遮光剤
CN102575107A (zh) 色调修正剂、方酸内鎓盐化合物及滤光器
JP5216997B2 (ja) 光学フィルター
JP3981285B2 (ja) 遮光剤
JP5698400B2 (ja) フタロシアニン化合物
US20070293666A1 (en) Optical Filter and Its Applications, and Porphyrin Compound Used in Optical Filter
JP4471275B2 (ja) 近赤外線吸収組成物及び近赤外線吸収フィルター
US6217796B1 (en) Near infrared absorption composition
WO2001005894A1 (en) Organic metal complex, infrared-absorbing dye and infrared absorption filter containing the same, and filter for plasma display panel
JP2003139946A (ja) 近赤外線吸収フィルター
WO2010024203A1 (ja) フタロシアニン化合物
JPWO2008050725A1 (ja) 近赤外線吸収色素組成物並びにそれを含有する近赤外線吸収フィルター及び粘着剤
JP4119665B2 (ja) 遮光剤
JP2012007038A (ja) 近赤外線吸収色素及び近赤外線吸収色素含有粘着剤
KR20090022692A (ko) 시아닌 색소 화합물 및 이를 함유한 플라즈마 디스플레이패널용 광학필터
JP4793977B2 (ja) 近赤外線吸収フィルター
JP2004361733A (ja) 光学フィルター
JP3932761B2 (ja) 有機金属錯体、それを用いた赤外線吸収フィルター及びプラズマディスプレイパネル用フィルター
JP4119690B2 (ja) 遮光剤
JP5090181B2 (ja) 遮光剤
JP3530789B2 (ja) プラズマディスプレイパネルのフィルター用近赤外吸収組成物
JP3940786B2 (ja) 赤外線吸収フィルター及びプラズマディスプレイパネル用フィルター
JP2004323481A (ja) テトラアザポルフィリン系化合物、テトラアザポルフィリン系色素及びそれらを使用した光学フィルター

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100603

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120710

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20120718

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120910

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121009

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121016

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151026

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees