JP5116716B2 - 無機強化材配合成形用樹脂組成物 - Google Patents

無機強化材配合成形用樹脂組成物 Download PDF

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本発明は、無機強化材配合成形用樹脂組成物に関する。さらに詳しくは、耐衝撃性、引張特性、曲げ特性等の機械的物性に優れた無機強化材配合成形用樹脂組成物に関する。
ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂およびフェノール樹脂などの熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂は、融点あるいは軟化点が高く、しかも機械的物性に優れているので、自動車工業分野や電気、電子工業分野等の各種工業分野で広く使用されている。
これら熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の剛性、耐熱性を高めるために、ガラス繊維、
カーボン繊維等の無機強化材を配合することが行われている。
しかし、無機強化材を配合すると、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂の有する高い耐衝撃性が損なわれるという問題点があった。
そこで、この無機強化材の配合による問題点を解消するため、カルボキシル基および/またはその誘導体基を有するオレフィン系ワックスを配合すること(特許文献1、2)、さらに複合ゴム系グラフト共重合体を配合すること(特許文献2)が行われている。しかし、これらの方法では、耐衝撃性は改良されるものの、外観不良が発生したり弾性率が低下するという問題点があった。
特開平8−188708号公報 特開平7−238213号公報
本発明は、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂に無機強化材を配合した熱可塑性樹脂組成物について、優れた機械的物性、耐衝撃性を与えることを目的とする。
本発明者らは、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂に無機強化材を配合した熱可塑性樹脂組成物にシリコーン変性オレフィン系ワックスを配合することにより、引張特性、曲げ特性等の機械的物性、耐衝撃性等の優れた物性が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明に係る無機強化材配合成形用樹脂組成物は、以下の(1)〜(6)である。
(1)(A)熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂95〜50重量部と、
(B)無機強化材5〜50重量部と、
(C)シリコーン変性オレフィン系ワックス0.01〜10重量部とを含有する(ただし、成分(A)と成分(B)との合計を100重量部とする)
ことを特徴とする無機強化材配合成形用樹脂組成物。
(2)前記(C)シリコーン変性オレフィン系ワックスを0.05〜7重量部有することを特徴とする(1)に記載の無機強化材配合成形用樹脂組成物。
(3)前記(A)熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂であり、熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂およびフェノール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする(1)または(2)に記載の無機強化材配合成形用樹脂組成物。
(4)前記(B)無機強化材がガラス繊維、カーボン繊維から選択される少なくとも1種の充填剤であることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の無機強化材配合成形用樹脂組成物。
(5) 前記(C)シリコーン変性オレフィン系ワックスが、下記(i)〜(vi)を満たす未変性のオレフィン系ワックス(D)と1分子に1個以上のSiH結合を有するハイドロジェンシリコーンとを、触媒存在下で付加反応させて得られたものであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の無機強化材配合成形用樹脂組成物。
(i)エチレンと少なくとも1種のジエンとを共重合して得られる共重合体、またはエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンと少なくとも1種のジエンとを共重合して得られる共重合体
(ii)1分子あたりの不飽和基含有量が0.5〜3.0個
(iii)密度が870〜980kg/m3
(iv)融点が70〜130℃
(v)数平均分子量(Mn)が400〜5,000
(vi)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.0以下
(6) 前記(C)シリコーン変性オレフィン系ワックスが、下記(vii)〜(xii)を満たす未変性のオレフィン系ワックス(D)と1分子に1個以上のSiH結合を有するハイドロジェンシリコーンとを、触媒存在下で付加反応させて得られたものであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の無機強化材配合成形用樹脂組成物。
(vii)エチレンとビニルノルボルネン(5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)とを共重合して得られる共重合体、またはエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンとビニルノルボルネンとを共重合して得られる共重合体
(viii)1分子あたりの不飽和基含有量が0.5〜2.0個
(ix)密度が890〜980kg/m3
(x)融点が80〜130℃
(xi)数平均分子量(Mn)が400〜5,000
(xii)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.0以下
本発明の無機強化材配合成形用樹脂組成物は、(A)熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂に(B)無機強化材を配合した効果である優れた剛性、耐熱性を維持しつつ、さらに(C)シリコーン変性オレフィン系ワックスを配合することにより優れた耐衝撃性、機械的物性を有する。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明は、(A)熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂、(B)無機強化材、(C)シリコーン変性オレフィン系ワックスを含有する無機強化材配合成形用樹脂組成物である。
(A)熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂
本発明で用いる(A)熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は、熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂であり、熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂およびフェノール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂である。すなわち、これらの(A)熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合せて使用することもできる。
これらの(A)熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂についての定義、製法については、周知であり、たとえば「実用プラスチック事典」(実用プラスチック事典 編集委員会編、株式会社産業調査会発行)等の刊行物に記載されている。
以下の樹脂(1)〜(7)は熱可塑性樹脂である。
(1)ポリカーボネート樹脂
典型的には、芳香族ジオール(例えばビスフェノールA)とホスゲンとを反応することにより得られる樹脂であるが、本発明においては、ジエチレングリコールジアリルカーボネートが好ましい。
このようなポリカーボネート樹脂は市販されており、例えば商品名NOVAREX(三
菱化学(株))、パンライト(帝人化成(株))、レキサン(日本ジーイープラスチックス(株))等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(2)熱可塑性ポリエステル樹脂
典型的には、ジカルボン酸とジオールとを重縮合させて得られる樹脂であるが、本発明においては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリシクロヘキサンテレフタレート等が好ましく用いられる。
このような熱可塑性ポリエステル樹脂は市販されており、例えば商品名ライナイト(デ
ユポン ジャパン リミテッド)等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(3)ABS樹脂
典型的には、ポリブタジエンにアクリロニトリルおよびスチレンをグラフト重合させて得られる耐衝撃性樹脂であるが、本発明においては、ポリブタジエン成分が5〜40重量%であって、スチレン成分とアクリロニトリル成分の重量比(スチレン/アクリロニトリル)が70/30〜80/20であるものが好ましい。
このようなABS樹脂は市販されており、例えば商品名スタイラック(旭化成工業(株
))、サイコラック(宇部サイコン(株))等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(4)ポリアセタール樹脂
典型的には、ホルマリンあるいはトリオキサンを、所望に応じてエチレンオキサイドと共に、カチオン触媒の存在下に開環重合して得られる樹脂であり、ポリオキシメチレン鎖を主骨格とする樹脂であるが、本発明においては、コポリマータイプのものが好ましい。
このようなポリアセタール樹脂は市販されており、例えば商品名ユピタール(三菱エンジニヤリングプラスチックス(株))等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(5)ポリアミド樹脂
典型的には、ジアミンとジカルボン酸との重縮合、あるいはカプロラクタムの開環重合等により得られる樹脂であるが、本発明においては、脂肪族ジアミンと脂肪族または芳香族ジカルボン酸の重縮合反応物が好ましい。
このようなポリアミド樹脂は市販されており、例えば商品名レオナ(旭化成工業(株)
)、ザイテル(デユポン ジャパン リミテッド)等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(6)ポリフェニレンオキシド樹脂
典型的には、2,6−ジメチルフェノールを銅触媒の存在下に酸化カップリングさせることにより得られる樹脂であるが、この樹脂に他の樹脂をブレンドする等の手法により変成した変成ポリフェニレンオキシド樹脂も、本発明において用いることができる。
本発明においては、スチレン系ポリマーのブレンド変成物が好ましい。
このようなポリフェニレンオキシド樹脂は市販されており、例えば商品名ザイロン(旭
化成工業(株))、ユピエース(三菱エンジニヤリングプラスチックス(株))等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(7)ポリイミド樹脂
典型的には、テトラカルボン酸とジアミンとを重縮合させ、主骨格にイミド結合を生成させて得られる樹脂であるが、本発明においては、無水ピロメリット酸とジアミノジフェニルエーテルから形成されるものが好ましい。
このようなポリイミド樹脂は市販されており、例えば商品名ベスペル(デユポン ジャパン リミテッド)等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
以下に説明する樹脂(8)〜(10)は熱硬化性樹脂であり、熱硬化前の状態のものにつき説明する。
(8)エポキシ樹脂
典型的には、芳香族ジオール(例えばビスフェノールA)とエピクロルヒドリンとをアルカリの存在下に反応させることにより得られる樹脂であるが、本発明においては、エポキシ当量170〜5000のビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂が好ましい。
このようなエポキシ樹脂は市販されており、例えば商品名エポミック(三井石油化学工業(株))、エピクロン(大日本インキ化学工業(株))、スミエポキシ(住友化学工業(株))等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(9)熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂
典型的には、脂肪族不飽和ジカルボン酸と脂肪族ジオールとをエステル化反応させることにより得られる樹脂であるが、本発明においては、マレイン酸やフマル酸等の不飽和ジカルボン酸と、エチレングリコールやジエチレングリコール等のジオールとをエステル化反応して得られる樹脂が好ましい。
このような熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂は市販されており、例えば商品名リゴラック(昭和高分子(株))、スミコン(住友ベークライト(株))等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
(10)フェノール樹脂
本発明では、いわゆるノボラック型およびレゾール型いずれをも包含するが、ヘキサメチレンテトラミンで硬化させるノボラック型やジメチレンエーテル結合を主体とする固形レゾールが好ましい。
このようなフェノール樹脂は市販されており、例えば商品名スミコンPM(住友ベークライト(株))、ニッカライン(日本合成化学工業(株))等をあげることができ、本発明において好ましく用いることができる。
本発明においては、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂の1種であるポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート樹脂とABS樹脂との組み合せが好ましい。
本発明の樹脂組成物中のかかる(A)熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂の含有量は、(A)熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と(B)無機強化材成分との合計100重量部当たり、95〜50重量部であり、好ましくは94〜55重量部であり、より好ましくは93〜60重量部、特に好ましくは92〜75重量部である。上記範囲内にあると、表面性と機械的特性のバランスに優れる成形用樹脂組成物を得ることができる。
(B)無機強化材
本発明で用いる(B)無機強化材は、ガラス繊維、カーボン繊維、フィラー類から選択される少なくとも1種をいう。これら(B)無機強化材は1種で用いることもできるし、2種以上を組み合せて用いてもよい。
ガラス繊維の種類は特に制限がないが、ロービングガラス、チョップドストランドガラス、ミルドガラスなどを用いることができる。また、これらは1種類でも、2種類以上を混合して用いてもよい。
ガラス繊維の長さは、押出し機などで樹脂と混合する際に折れることもあり、特に限定はないが、作業性の観点から0.3mm〜10mm、望ましくは2mm〜7mmが好ましい。本発明組成物中のガラス繊維の長さは、2mm〜5mmである。ガラス繊維の太さも特に限定ないが、平均繊維径が1〜25μm、好ましくは5〜17μmである。また、さらにアスペクト比(平均繊維長/繊維直径)については、25以下のものが好ましいが、異なるアスペクト比のガラス繊維を適当な比率で混合して用いることも可能である。ガラス繊維の断面形状についても特に限定はなく、円形、まゆ型、ひょうたん型、だ円型、円筒形などを用いることができる。
また、ガラス繊維は、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等で表面処理されていてもよい。ここでいうシランカップリング剤としては、例えばビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランおよびγ−クロロプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
その他にガラス繊維は、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂等で集束処理されていてもよい。この場合、集束処理に用いられるオレフィン系樹脂やウレタン系樹脂は、組成物全体の物性に影響のない範囲で用いられる。
さらにガラス繊維は、メッキ法および蒸着法などにより、ニッケル、銅、コバルト、銀、アルミニウム、鉄などおよびこれらの合金などの金属でコーティングされていてもよい。
カーボン繊維は、形状、種類に特に制限はなく、形状は、チョップドストランド、ロービングストランド、ミルドファイバーなどの形状のものがあり、種類は、ピッチ系、ポリアクリロニトリル系のいずれであってもよい。
これら原料組成物を紡糸または成形し次いで炭化することにより得られたものの他、気相成長法の如く基本的に紡糸工程を経ないで得られるカーボン繊維を使用することも可能である。
かかる気相成長法のカーボン繊維を使用した場合には、繊維径が小さく且つL/Dも大きいため、高剛性と同時に、良好な外観を有する成形品を得ることが可能となる。
更に本発明のカーボン繊維は賦活処理を行うことにより比表面積を大きくしたものを使用することもできる。
これらのカーボン繊維は、シランカップリング剤、チタネートカップリング剤、アルミネートカップリング剤等で表面処理したものが好ましい。
また集束剤としては、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ナイロン系樹脂等が挙げられるが、エポキシ系樹脂およびウレタン系樹脂が好ましい。
また、繊維径については、一般には6〜18μmの範囲のものが使用されるが、本発明では直径が0.5〜15μmのものが好ましく、1〜10μmのものが特に好ましい。
本発明で使用するチョップドストランドのカット長は1〜15mmが好ましく、より好ましくは2〜10mm、最も好ましくは3〜8mmである。また、チョップドストランドは成形途中で破砕される。
該樹脂組成物中におけるカーボン繊維の繊維軸方向の長さLと繊維径Dの比であるアスペクト比(L/D)は15〜100の範囲が好ましく、20〜50の範囲が更に好ましい。
フィラー類としては、炭酸カルシウム、シリカ、カオリン、クレー、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、アルミナ、水酸化マグネシウムのような無定形フィラー、タルク、マイカ、あるいはガラスフレークなどの板状フィラー、ワラステナイト、チタン酸カリウム、塩基性硫酸マグネシウム、セピオライト、ゾノトライト、あるいはホウ酸アルミニウムなどの針状フィラー、金属粉、金属フレーク、カーボンブラックなどの導電性フィラーなどが用いられる。その他ガラスビース、ガラス粉などが用いられる。これらフィラーは単体もしくは複数の組み合せで使用してもよいし、その表面に炭素被覆またはシランカップリング処理等を施したものを単体もしくは複数の組み合せとして使用してもよい。
本発明においては、これら無機強化材のうち、ガラス繊維、カーボン繊維の使用が好ましく、シリコーン変性オレフィン系ワックスとの親和性の観点から特にガラス繊維が好ましい。
本発明の樹脂組成物中のかかる(B)無機強化材の含有量は、(A)熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と(B)無機強化材成分との合計100重量部当たり、5〜50重量部であり、好ましくは6〜45重量部であり、より好ましくは7〜40重量部である。5重量部より少なくなると、機械的物性向上の効果を十分得ることができず、50重量部より多くなると、成形時の外観に影響を及ぼす。
(C)シリコーン変性オレフィン系ワックス
(C)シリコーン変性オレフィン系ワックスは、(D)未変性のオレフィン系ワックスを製造し、それを変性することにより得られる。
<(D)未変性のオレフィン系ワックス>
本発明の(D)未変性のオレフィン系ワックスは、たとえば後述するようなメタロセン触媒を用いて、オレフィンとジエンとを共重合することにより得ることができる。
(オレフィン)
本発明の(D)未変性のオレフィン系ワックスの製造に用いられるオレフィンとしては、エチレンおよび炭素原子数3〜12のα−オレフィンが挙げられる。
炭素原子数3〜12のα−オレフィンとしては、たとえば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセンなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは炭素原子数3〜10のα−オレフィン、より好ましくは炭素原子数3〜8のα−オレフィン、特に好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテンが望ましい。
(ジエン)
(D)未変性のオレフィン系ワックスの製造に用いられるジエンとしては、ブタジエン、イソプレン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,4−ヘキサジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−オクタジエン、1,4−オクタジエン、1,5−オクタジエン、1,6−オクタジエン、1,7−オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン(5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)、ジシクロペンタジエン、2−メチル−1,4−ヘキサジエン、2−メチル−1,6−オクタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、4−エチリデン−8−メチル−1,7−ノナジエン、5,9−ジメチル−1,4,8−デカトリエンなどが挙げられる。これらのなかでは、ビニルノルボルネン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、ブタジエン、イソプレン、2−メチル−1,4−ヘキサジエンまたは2−メチル−1,6−オクタジエンが好ましい。ノルボルネンは、嵩高い骨格を有するために、低密度であってもワックスを硬くでき、ワックス製品のブロッキングを起こしにくいため、特に好ましい。
(D)未変性のオレフィン系ワックスは、上記のようなオレフィンとジエンとを共重合して得られるが、エチレンとジエンとの共重合体、またはエチレンと炭素原子数3〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のα−オレフィンとジエンとの共重合体であることが好ましい。ジエンとしては、ビニルノルボルネン(5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)が好ましい。
本発明で用いる(D)未変性のオレフィン系ワックスは、ジエンから導かれる構成単位を0.01〜6.0モル%、好ましくは0.1〜4.0モル%の割合で含有することが望ましい。また、(D)未変性のオレフィン系ワックスが炭素原子数3〜12のα−オレフィンから導かれる構成単位を含有する場合は、その含有率は0.01〜15モル%、好ましくは0.1〜12モル%が望ましい。
本発明で用いる(D)未変性のオレフィン系ワックスが、ジエンから導かれる構成単位を上記の範囲の割合で含有すると、重合活性も適度に高い。
また、炭素原子数3〜12のα−オレフィンから導かれる構成単位を上記の範囲の割合で含有すると、表面のタック感が少なく、機械的特性、衝撃性に優れる成形用樹脂組成物を得ることができる。
本発明で用いる(D)未変性のオレフィン系ワックスは、平均で0.5〜3.0/分子、好ましくは0.5〜2.0個/分子、より好ましくは1.0〜2.0個/分子の範囲にある不飽和基含有量を有することが望ましい。(D)未変性のオレフィン系ワックス中の不飽和基含有量が上記範囲内にあると、すべての(D)未変性のオレフィン系ワックスにシリコーンが付加しているため、シリコーン変性オレフィン系ワックスが効果的に無機強化材に作用し、機械的特性、衝撃性に優れる成形用樹脂組成物を得ることができる。
なお、(D)未変性のワックス中の不飽和基含有量は、以下のようにして測定される。13C−NMRによる不飽和部分の炭素のピーク面積と全炭素のピーク面積とを比較することにより、1,000炭素あたりの不飽和基数Mを得ることができる。1分子あたりの不飽和基含有量は、数平均分子量Mnを用いて、Mn×M/14,000により算出することができる。本発明において、1,000炭素あたりの不飽和基数Mは、1.4〜105個、好ましくは1.4〜70個、より好ましくは2.8〜70個が望ましい。
本発明で用いる(D)未変性のオレフィン系ワックスは、密度勾配管法で測定した密度が870kg/m3以上、好ましくは890kg/m3以上、より好ましくは910kg/m3以上、かつ、980kg/m3以下、好ましくは970kg/m3以下、より好ましくは960kg/m3以下であることが望ましい。(D)未変性のオレフィン系ワックスの密度が上記範囲内にあると、表面のタック感が少なく、機械的特性、衝撃性に優れる成形用樹脂組成物を得ることができる。
本発明で用いる(D)未変性のオレフィン系ワックスは、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点が70℃以上、好ましくは80℃以上、より好ましくは90℃以上、特に好ましくは100℃以上、かつ、130℃以下、好ましくは125℃以下、より好ましくは120℃以下であることが望ましい。(D)未変性のオレフィン系ワックスの融点が上記範囲内にあると、表面のタック感が少なく、機械的特性、衝撃性に優れる成形用樹脂組成物を得ることができる。
本発明で用いる(D)未変性のオレフィン系ワックスは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した数平均分子量(Mn)が400〜5,000、好ましくは400〜4000、より好ましくは400〜3000、特に好ましくは1,500〜2,500の範囲にあることが望ましい。(D)未変性のオレフィン系ワックスのMnが上記範囲内にあると、表面のタック感が少ない成形用樹脂組成物が得られ、該成形用樹脂組成物中のシリコーン変成オレフィン系ワックスの分散性に優れる。
本発明で用いる(D)未変性のオレフィン系ワックスは、GPCで測定した重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が4.0以下、好ましくは3.5以下、より好ましくは3.0以下であることが望ましい。また、Mw/Mnが1.1以上、好ましくは1.5以上、より好ましくは2.0以上であることが望ましい。
なお、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される、ポリスチレン換算値である。ここで、GPCによる測定は、温度:140℃、溶媒:オルトジクロロベンゼンの条件下で行う。
本発明で用いる(D)未変性のオレフィン系ワックスは、針入硬度が15dmm(dmm=0.1mm)以下、好ましくは10dmm以下、より好ましくは3dmm以下、特に好ましくは1dmm以下であることが望ましい。なお、針入硬度はJIS K2207に準拠して測定することができる。(D)未変性のオレフィン系ワックスの針入硬度が上記範囲内にあると、成形用樹脂組成物の機械的特性に優れる。
本発明に係る(D)未変性のオレフィン系ワックスは、(ii)不飽和基含有量が0.5〜3.0個/分子であり、(iii)密度が870〜980kg/m3であり、(iv)融点が70〜130℃であり、(v)数平均分子量(Mn)が400〜5,000であり、(vi)Mw/Mn(Mw:重量平均分子量)が4.0以下であることが望ましい。また、(vii)針入硬度が15dmm以下であることも望ましい。
また、本発明に係る(D)未変性のオレフィン系ワックスがジエンとしてビニルノルボルンネン(5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)を用いて共重合されたものである場合、この(C)シリコーン変性オレフィン系ワックスは、(viii)不飽和基含有量が0.5〜2.0個/分子であり、(ix)密度が890〜980kg/m3であり、(x)融点が80〜130℃であり、(xi)数平均分子量(Mn)が400〜5,000であり、(xii)Mw/Mn(Mw:重量平均分子量)が4.0以下であることが望ましい。また、(xiii)針入硬度が15dmm以下であることも望ましい。
(D)未変性のオレフィン系ワックスは、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が通常0.04〜0.47dl・g-1、好ましくは0.04〜0.30dl・g-1、より好ましくは0.04〜0.20dl・g-1、さらにより好ましくは0.05〜0.18dl・g-1の範囲にあることが望ましい。
上述したような(D)未変性のオレフィン系ワックスは、たとえば周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合物とからなる、以下のようなメタロセン系触媒を用いて製造することができる。
<メタロセン系触媒>
(メタロセン化合物)
メタロセン系触媒を形成するメタロセン化合物は、周期表第4族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物であり、具体的な例としては下記式(1)で表される化合物が挙げられる。
1Lx ・・・(1)
ここで、M1は周期表第4族から選ばれる遷移金属、xは遷移金属M1の原子価、Lは配位子である。M1で示される遷移金属の例としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウムなどが挙げられる。Lは遷移金属M1に配位する配位子であって、そのうち少なくとも1個の配位子Lはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子である。このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子は置換基を有していてもよい。シクロペンタジエニル骨格を有する配位子Lとしては、たとえば、シクロペンタジエニル基;メチルシクロペンタジエニル基、エチルシクロペンタジエニル基、n−またはi−プロピルシクロペンタジエニル基、n−、i−、sec−またはt−ブチルシクロペンタジエニル基、ジメチルシクロペンタジエニル基、メチルプロピルシクロペンタジエニル基、メチルブチルシクロペンタジエニル基、メチルベンジルシクロペンタジエニル基等のアルキルまたはシクロアルキル置換シクロペンタジエニル基;インデニル基;4,5,6,7−テトラヒドロインデニル基;フルオレニル基などが挙げられる。このシクロペンタジエニル骨格を有する配位子Lの水素は、ハロゲン原子またはトリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
上記のメタロセン化合物が、配位子Lとしてシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を2個以上有する場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する配位子同士が、エチレン、プロピレン等のアルキレン基;イソプロピリデン、ジフェニルメチレン等の置換アルキレン基;シリレン基またはジメチルシリレン基、ジフェニルシリレン基、メチルフェニルシリレン基等の置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子(シクロペンタジエニル骨格を有しない配位子)Lとしては、炭素原子数1〜12の炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、スルフォン酸含有基(−SO31)、ハロゲン原子または水素原子などが挙げられる。ここで、R1はアルキル基、ハロゲン原子で置換されたアルキル基、アリール基、ハロゲン原子で置換されたアリール基またはアルキル基で置換されたアリール基である。
(メタロセン化合物の例−1)
上記式(1)で表されるメタロセン化合物が、たとえば遷移金属の原子価が4である場合(x=4)、より具体的には下記式(2)で表される。
2 k3 l4 m5 n1 ・・・(2)
ここで、M1は周期表第4族から選ばれる遷移金属、R2はシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)、R3、R4およびR5はそれぞれ独立にシクロペンタジエニル骨格を有する基または有しない基(配位子)である。kは1以上の整数であり、k+l+m+n=4である。
上記式(2)において、M1がジルコニウムであり、かつシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を少なくとも2個含むメタロセン化合物としては、たとえば、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(1−メチル−3−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト)、ビス(1,3−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。これらの化合物において1,3−位置換シクロペンタジエニル基を1,2−位置換シクロペンタジエニル基に置き換えた化合物も用いることができる。
また、メタロセン化合物として、上記式(2)において、R2、R3、R4およびR5のうち少なくとも2個の基、たとえばR2およびR3が、シクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、この少なくとも2個の基がアルキレン基、置換アルキレン基、シリレン基または置換シリレン基などを介して結合されているブリッジタイプのメタロセン化合物を使用することもできる。このとき、R4およびR5は、それぞれ独立に、前述したシクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子Lと同様のものである。
このようなブリッジタイプのメタロセン化合物としては、エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム、エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムジクロリド、ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
(メタロセン化合物の例−2)
メタロセン化合物の例としては、下記式(3)で表される特開平4−268307号公報に記載のメタロセン化合物が挙げられる。
Figure 0005116716
ここで、M1は周期表第4族遷移金属であり、具体的にはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムが挙げられる。R11およびR12はそれぞれ独立に、水素原子;炭素原子数1〜10のアルキル基;炭素原子数1〜10のアルコキシ基;炭素原子数6〜10のアリール基;炭素原子数6〜10のアリーロキシ基;炭素原子数2〜10のアルケニル基;炭素原子数7〜40のアリールアルキル基;炭素原子数7〜40のアルキルアリール基;炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基;またはハロゲン原子である。R11およびR12は、塩素原子であることが好ましい。
上記式(3)中、R13およびR14はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、−N(R202、−SR20、−OSi(R203、−Si(R203または−P(R202である。ここで、R20はハロゲン原子、好ましくは塩素原子;炭素原子数1〜10、好ましくは1〜3のアルキル基;または炭素原子数6〜10、好ましくは6〜8のアリール基である。R13およびR14は、特に水素原子であることが好ましい。
上記式(3)中、R15およびR16の具体例は、水素原子を除いてR13およびR14と同じもので定義される。R15およびR16は、互いに同じでも異なっていてもよいが、同じであることが好ましい。R15およびR16は、好ましくはハロゲン化されていてもよい炭素原子数1〜4のアルキル基、具体的にはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、トリフルオロメチル等が挙げられ、特にメチルが好ましい。
上記式(3)中、R17としては、
Figure 0005116716
=BR21、=AlR21、−Ge−、−Sn−、−O−、−S−、=SO、=SO2、=
NR21、=CO、=PR21、=P(O)R21などが挙げられる。
ここで、M2はケイ素、ゲルマニウムまたは錫であり、好ましくはケイ素またはゲルマニウムである。R21、R22およびR23はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数1〜10のフルオロアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数6〜10のフルオロアリール基、炭素原子数1〜10のアルコキシ基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、または炭素原子数7〜40のアルキルアリール基である。「R21とR22と」または「R21とR23と」は、それぞれ、それらが結合する原子と一緒になって環を形成してもよい。また、R17は、=CR2122、=SiR2122、=GeR2122、−O−、−S−、=SO、=PR21または=P(O)R21であることが好ましい。R18およびR19はそれぞれ独立に、R21と同じものが例示できる。mおよびnはそれぞれ独立に、0、1または2、好ましくは0または1であり、m+nは0、1または2、好ましくは0または1である。
上記式(3)で表されるメタロセン化合物の例としては、たとえば、rac−エチレン(2−メチル−1−インデニル)2−ジルコニウム−ジクロライド、rac−ジメチルシリレン(2−メチル−1−インデニル)2−ジルコニウム−ジクロライドなどが挙げられる。これらのメタロセン化合物は、たとえば、特開平4−268307号公報に記載の方法で製造することができる。
(メタロセン化合物の例−3)
メタロセン化合物として、下記式(4)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
Figure 0005116716
式(4)中、M3は、周期表第4族の遷移金属原子を示し、具体的にはチタニウム、ジルコニウム、ハフニウムなどである。R24およびR25はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基を示す。R24は炭化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチルまたはプロピルの炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。R25は水素原子または炭化水素基が好ましく、特に水素原子、またはメチル、エチルもしくはプロピルの炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。R26、R27、R28およびR29はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基を示す。これらの中で、水素原子、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基であることが好ましい。R26とR27、R27とR28、R28とR29のうち少なくとも1組は、それらが結合している炭素原子と一緒になって、単環の芳香族環を形成していてもよい。
また芳香族環を形成する基以外に、炭化水素基またはハロゲン化炭化水素基が2個以上ある場合には、これらが互いに結合して環状になっていてもよい。なおR29が芳香族基以外の置換基である場合、水素原子であることが好ましい。X1およびX2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素原子含有基またはイオウ原子含有基を示す。Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR30−、−P(R30)−、−P(O)(R30)−、−BR30−または−AlR30−を示す。ここで、R30は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である式(4)において、R26とR27、R27とR28、R28とR29のうち少なくとも1組が互いに結合して形成する単環の芳香族環を含み、M3に配位する配位子としては、たとえば次式で表されるものが挙げられる。
Figure 0005116716
(式中、Yは上記式(4)中のYと同じもので定義される。)
(メタロセン化合物の例−4)
メタロセン化合物としては、また下記式(5)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
Figure 0005116716
式(5)中、M3、R24、R25、R26、R27、R28およびR29は、上記(4)と同じもので定義される。R26、R27、R28およびR29のうち、R26を含む2個の基はアルキル基であることが好ましく、R26とR28、またはR28とR29がアルキル基であることが好ましい。このアルキル基は、2級または3級アルキル基であることが好ましく、ハロゲン原子、ケイ素含有基で置換されたものでもよい。ハロゲン原子、ケイ素含有基としては、R24およびR25で例示した置換基が挙げられる。R26、R27、R28およびR29のうち、アルキル基以外の基は、水素原子であることが好ましい。また、R26、R27、R28およびR29は、これらから選ばれる2種の基が互いに結合して芳香族環以外の単環あるいは多環を形成していてもよい。ハロゲン原子としては、上記R24およびR25と同様のものが挙げられる。X1、X2およびYは、前述のものと同様のものが挙げられる。
上記式(5)で表されるメタロセン化合物の具体的な例として、rac−ジメチルシリレン−ビス(4,7−ジメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2,4,7−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2,4,6−トリメチル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。
これらの化合物において、ジルコニウム金属を、チタニウム金属、ハフニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。遷移金属化合物は、通常ラセミ体として用いられるが、R型またはS型を用いることもできる。
(メタロセン化合物の例−5)
メタロセン化合物として、下記式(6)で表されるメタロセン化合物を使用することもできる。
Figure 0005116716
式(6)中、M3、R24、X1、X2およびYは、上記式(4)と同じもので定義される。R24は炭化水素基であることが好ましく、特にメチル、エチル、プロピルまたはブチルの炭素原子数1〜4のアルキル基であることが好ましい。R25は、炭素原子数6〜16のアリール基を示す。R25はフェニル、ナフチルであることが好ましい。アリール基は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基で置換されたものでもよい。X1およびX2としては、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。
上記式(6)で表されるメタロセン化合物の具体的な例として、rac−ジメチルシリレン−ビス(4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−フェニル−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−(α−ナフチル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−(β−ナフチル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリド、rac−ジメチルシリレン−ビス(2−メチル−4−(1−アントリル)−1−インデニル)ジルコニウムジクロリドなどが挙げられる。また、これらの化合物において、ジルコニウム金属をチタニウム金属またはハフニウム金属に置き換えた遷移金属化合物を用いることもできる。
(メタロセン化合物の例−6)
メタロセン化合物として、下記式(7)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
LaM43 2 ・・・(7)
ここで、M4は周期表第4族またはランタニド系列の金属である。Laは非局在化π結合基の誘導体であり、金属M4活性サイトに拘束幾何形状を付与している基である。X3はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数20以下の炭化水素基、20以下のケイ素を含有するシリル基または20以下のゲルマニウムを含有するゲルミル基である。
この化合物の中では、次式(8)で示される化合物が好ましい。
Figure 0005116716
式(8)中、M4は、チタン、ジルコニウムまたはハフニウムである。X3は上記式(7)と同様のもので定義される。CpはM4にπ結合しており、かつ置換基Zを有する置換シクロペンタジエニル基である。Zは酸素、イオウ、ホウ素または周期表第4族の元素(たとえばケイ素、ゲルマニウムまたは錫)である。Yは窒素、リン、酸素またはイオウを含む配位子であり、ZとYとで縮合環を形成していてもよい。このような式(8)で表されるメタロセン化合物の具体的な例として、(ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シラン)チタンジクロリド、((t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイル)チタンジクロリドなどが挙げられる。また、このメタロセン化合物において、チタンをジルコニウムまたはハフニウムに置き換えた化合物を挙げることもできる。
(メタロセン化合物の例−7)
メタロセン化合物としては、下記式(9)で表されるメタロセン化合物を使用することもできる。
Figure 0005116716
式(9)中、M3は周期表第4族の遷移金属原子であり、具体的には、チタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。複数のR31は互いに同一でも異なっていてもよく、そのうち少なくとも1個が炭素原子数11〜20のアリール基、炭素原子数12〜40のアリールアルキル基、炭素原子数13〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数12〜40のアルキルアリール基またはケイ素含有基であるか、またはR31で示される基のうち隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子とともに単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成している。この場合、R31により形成される環は、R31が結合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が4〜20である。複数のR31のうち、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アルキルアリール基および芳香族環、脂肪族環を形成しているR31以外のR31は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基またはケイ素含有基である。
32はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。
また、R32で示される基のうち隣接する少なくとも2個の基が、それらの結合する炭素原子とともに単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成していてもよい。この場合、R32により形成される環は、R32が結合する炭素原子を含んで全体として炭素原子数が4〜20である。複数のR32のうち、芳香族環、脂肪族環を形成しているR32以外のR32は、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基またはケイ素含有基である。なお、R32で示される2個の基が単数または複数の芳香族環または脂肪族環を形成して構成される基にはフルオレニル基が次式のような構造を形成する基も含まれる。
Figure 0005116716
32は、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、特に水素原子またはメチル、エチル、プロピルの炭素原子数1〜3の炭化水素基であることが好ましい。R32を有するフルオレニル基としては、2,7−ジアルキル−フルオレニル基が好適な例として挙げられ、この場合のアルキル基としては、炭素原子数1〜5のアルキル基が挙げられる。また、R31とR32は互いに同一でも異なっていてもよい。R33およびR34はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。これらのうち、R33およびR34は、少なくとも一方が炭素原子数1〜3のアルキル基であることが好ましい。
1およびX2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒素含有基、またはX1とX2とから形成された共役ジエン残基である。X1とX2とから形成された共役ジエン残基としては、1,3−ブタジエン、2,4−ヘキサジエン、1−フェニル−1,3−ペンタジエン、1,4−ジフェニルブタジエンの残基が好ましく、これらの残基はさらに炭素原子数1〜10の炭化水素基で置換されたものでもよい。X1およびX2としては、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基またはイオウ含有基であることが好ましい。Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR35−、−P(R35)−、−P(O)(R35)−、−BR35−または−AlR35−を示す。ここで、R35は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。これらの2価の基のうち、−Y−の最短連結部が1個または2個の原子で構成されているものが好ましい。また、R35は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基が好ましい。Yは、炭素原子数1〜5の2価の炭化水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン、アルキルアリールシリレンまたはアリールシリレンであることが特に好ましい。
(メタロセン化合物の例−8)
メタロセン化合物としては、下記式(10)で表されるメタロセン化合物を用いることもできる。
Figure 0005116716
式(10)中、M3は周期表第4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり、好ましくはジルコニウムである。R36はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。なお、上記アルキル基およびアルケニル基は、ハロゲン原子で置換されたものでもよい。R36は、これらのうち、アルキル基、アリール基または水素原子であることが好ましく、特にメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピルの炭素原子数1〜3の炭化水素基、フェニル、α−ナフチル、β−ナフチルなどのアリール基または水素原子であることが好ましい。R37はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜20のアリール基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数7〜40のアリールアルキル基、炭素原子数8〜40のアリールアルケニル基、炭素原子数7〜40のアルキルアリール基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。なお、上記アルキル基、アリール基、アルケニル基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基およびアルキルアリール基は、ハロゲンで置換されたものでもよい。R37はこれらのうち、水素原子またはアルキル基であることが好ましく、特に水素原子またはメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、tert−ブチルの炭素原子数1〜4の炭化水素基であることが好ましい。
また、上記R36とR37は互いに同一でも異なっていてもよい。R38およびR39は、いずれか一方が炭素原子数1〜5のアルキル基であり、他方は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、炭素原子数2〜10のアルケニル基、ケイ素含有基、酸素含有基、イオウ含有基、窒素含有基またはリン含有基である。
これらのうち、R38およびR39は、いずれか一方がメチル、エチル、プロピルなどの炭素原子数1〜3のアルキル基であり、他方は水素原子であることが好ましい。X1およびX2はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基、炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基、酸素含有基、イオウ含有基もしくは窒素含有基、またはX1とX2とから形成された共役ジエン残基である。これらのうち、ハロゲン原子または炭素原子数1〜20の炭化水素基であることが好ましい。Yは、炭素原子数1〜20の2価の炭化水素基、炭素原子数1〜20の2価のハロゲン化炭化水素基、2価のケイ素含有基、2価のゲルマニウム含有基、2価のスズ含有基、−O−、−CO−、−S−、−SO−、−SO2−、−NR40−、−P(R40)−、−P(O)(R40)−、−BR40−または−AlR40−を示す。ここで、R40は水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20の炭化水素基または炭素原子数1〜20のハロゲン化炭化水素基である。これらのうち、Yは、炭素原子数1〜5の2価の炭化水素基、2価のケイ素含有基または2価のゲルマニウム含有基であることが好ましく、2価のケイ素含有基であることがより好ましく、アルキルシリレン、アルキルアリールシリレンまたはアリールシリレンであることが特に好ましい。
上述したメタロセン化合物は、単独であるいは2種以上を組み合せて用いられる。またメタロセン化合物は、炭化水素またはハロゲン化炭化水素などに希釈して用いてもよい。
(有機アルミニウムオキシ化合物)
有機アルミニウムオキシ化合物は、公知のアルミノオキサンであってもよく、またベンゼン不溶性の有機アルミニウムオキシ化合物であってもよい。このような公知のアルミノオキサンは、具体的には次式で表される。
Figure 0005116716
ここで、Rはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの炭化水素基であり、好ましくはメチル基、エチル基、特に好ましくはメチル基であり、mは2以上、好ましくは5〜40の整数である。
アルミノオキサンは式−(OAl(R'))−で表されるアルキルオキシアルミニウム単位および式−(OAl(R"))−で表されるアルキルオキシアルミニウム単位からなる混合アルキルオキシアルミニウム単位により形成されていてもよい。ここで、R'およびR"は上記Rと同様の炭化水素基を例示することができ、R'およびR"は相異なる基を表す。なお、有機アルミニウムオキシ化合物は、少量のアルミニウム以外の金属の有機化合物成分を含有していてもよい。
(イオン化イオン性化合物)
イオン化イオン性化合物(イオン性イオン化化合物、イオン性化合物と称される場合もある)としては、ルイス酸、イオン性化合物、ボラン化合物およびカルボラン化合物を例示することができる。ルイス酸としては、BR3(Rは、フッ素、メチル基、トリフルオロメチル基などの置換基を有していてもよいフェニル基またはフッ素である。)で表される化合物が挙げられる。ルイス酸の具体的なものとしては、トリフルオロボロン、トリフェニルボロン、トリス(4−フルオロフェニル)ボロン、トリス(3,5−ジフルオロフェニル)ボロン、トリス(4−フルオロメチルフェニル)ボロン、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン、トリス(p−トリル)ボロン、トリス(o−トリル)ボロン、トリス(3,5−ジメチルフェニル)ボロンなどが挙げられる。
上記イオン性化合物としては、トリアルキル置換アンモニウム塩、N,N−ジアルキルアニリニウム塩、ジアルキルアンモニウム塩、トリアリールホスフォニウム塩などが挙げられる。イオン性化合物としてのトリアルキル置換アンモニウム塩としては、トリエチルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリプロピルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。イオン性化合物としてのジアルキルアンモニウム塩としては、ジ(1−プロピル)アンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ素、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラ(フェニル)ホウ素などが挙げられる。
上記イオン性化合物としては、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどを挙げることもできる。
上記ボラン化合物としては、デカボラン(9)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ノナボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕デカボレート、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ドデカハイドライドドデカボレート)ニッケル酸塩(III)などの金属ボランアニオンの塩などが挙げられる。
上記カルボラン化合物としては、4−カルバノナボラン(9)、1,3−ジカルバノナボラン(8)、ビス〔トリ(n−ブチル)アンモニウム〕ビス(ウンデカハイドライド−7−カルバウンデカボレート)ニッケル酸塩(IV)などの金属カルボランアニオンの塩などが挙げられる。
このようなイオン化イオン性化合物は、単独であるいは2種以上組み合せて用いられる。
また、メタロセン系触媒を形成する際に、有機アルミニウムオキシ化合物および/またはイオン化イオン性化合物とともに、以下のような有機アルミニウム化合物を用いてもよい。
(有機アルミニウム化合物)
必要に応じて用いられる有機アルミニウム化合物としては、分子内に少なくとも1個のAl−炭素結合を有する化合物が使用できる。このような化合物としては、たとえば下記式(11)で表される有機アルミニウム化合物および下記式(12)で表される第1属金属とアルミニウムとの錯アルキル化物などが挙げられる。
(R6mAl(OR7np4 q ・・・(11)
(式中、R6およびR7はそれぞれ独立に、炭素原子を通常1〜15個、好ましくは1〜4個含む炭化水素基である。X4はハロゲン原子である。mは0<m≦3、nは0≦n<3、pは0≦p<3、qは0≦q<3を満たす数であって、かつm+n+p+q=3である。)
(M5)Al(R6) ・・・(12)
(式中、M5はLi、NaまたはKであり、R6は上記一般式(11)のR6と同じもので定義される。)
(D)未変性のオレフィン系ワックスの製造方法
本発明において用いる(D)未変性のオレフィン系ワックスは、上記メタロセン系触媒の存在下に、エチレンとジエンとを通常液相で単独重合させるか、またはエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンから選択される少なくとも1種のα−オレフィンと少なくとも1種のジエンとを共重合させることにより得られる。この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、α−オレフィンを溶媒として用いてもよい。なお、ここで用いる各モノマーは、前述した通りである。
重合方法は、(D)未変性のオレフィン系ワックスがヘキサンなどの溶媒中に粒子として存在する状態で重合する懸濁重合、溶媒を用いないで重合する気相重合、そして140℃以上の重合温度で、(D)未変性のオレフィン系ワックスが溶剤と共存または単独で溶融した状態で重合する溶液重合が可能であり、その中でも溶液重合が経済性と品質の両面で好ましい。
重合反応は、バッチ法あるいは連続法いずれの方法で行ってもよい。重合をバッチ法で実施するに際しては、前記の触媒成分は以下の濃度条件下で用いられる。
重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通常0.00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットルである。
<(C)シリコーン変性オレフィン系ワックス>
本発明において用いる(C)シリコーン変性オレフィン系ワックスは上記の(D)未変性のオレフィン系ワックスをハイドロジェンシリコーンでヒドロシリル化することにより得られるが、従来のオレフィン系ワックスと比較して、成形性、離型性、潤滑性に優れることが知られている。また、熱重量測定法により、昇温温度20℃/min・大気雰囲気中で測定した熱分解開始温度が高い特徴を有する。更にはウィルヘルミー白金プレート法による180℃における表面張力が低いことが特徴である。これらの特徴を用い、単独での使用や他の熱可塑性樹脂等から成る配合物に添加することにより、良好な成形性、離型性、表面滑り性、耐熱性、フィラー等無機顔料の分散性を付与することが可能である。
反応させるシリコーンとしては、従来技術で公知のいかなるハイドロジェンシリコーンを用いてもよいが、1分子に1個以上のヒドロシリル基(SiH結合)を有するハイドロジェンシリコーンが好ましい。また、シリコーンの側鎖にヒドロシリル基を有するものが好適であるが、両末端または片末端にヒドロシリル基を有するものも使用することが可能である。コスト面から、シリコーンの側鎖のみにヒドロシリル基を有するものが最も有利である。ハイドロジェンシリコーンとオレフィン系ワックスとの反応は、公知の如く、無溶剤あるいは溶剤中で、白金系触媒を使用して実施される。反応温度は30℃〜200℃であり、特に120℃〜150℃であることが好ましい。オレフィン系ワックスの融点は120℃程度なので、反応温度を120℃以上とすることが、反応系を均一にする点で好ましい。ハイドロジェンシリコーンとオレフィン系ワックスとの反応モル比は、通常は、ハイドロジェンシリコーンに対してオレフィン系ワックスが1.05〜1.2倍モル程度の小過剰となるような条件で実施されるが、これに限定されるものではない。具体的には、キシレンなどの高沸点溶剤下で反応を行い、溶剤を減圧溜去してシリコーン変性オレフィン系ワックスを得ることができる。
また、ハイドロジェンシリコーンとして、加水分解性の基を1分子中に2個以上有するシランあるいはシロキサン化合物を使用してもよい。この場合、その加水分解性の基としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基などのアルコキシ基、;ジメチルケトオキシム基、メチルエチルケトオキシム基などのケトオキシム基;アセトキシ基などのアシルオキシ基;イソプロペニルオキシ基、イソブテニルオキシ基などのアルケニルオキシ基;N−ブチルアミノ基、N,N−ジエチルアミノ基などのアミノ基;N−メチルアセトアミド基などのアミド基などが挙げられる。これらのうち、アルコキシ基、ケトオキシム基、アルケニルオキシ基、アシルオキシ基が好ましい。
かかるシリコーン変性オレフィン系ワックスの配合量は、(A)熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂と(B)無機強化材成分とからなる混合物合計100重量部に対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜7重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。0.01重量部より少ないと、機械的物性、耐衝撃性を十分に得ることができず、10重量部より多いと、低分子量体のブリードアウトが顕著となり、成形用樹脂組成物にブロッキングが生じる。
<任意成分>
本発明の無機強化材配合成形用樹脂組成物には、本発明の目的および効果を損なわない範囲で任意の添加剤、たとえば臭素化ビスフェノール、臭素化エポキシ樹脂、臭素化ポリスチレン、臭素化ポリカーボネート、トリフェニルホスフェート、ホスホン酸アミドおよび赤燐等のような難燃剤、三酸化アンチモンおよびアンチモン酸ナトリウム等のような難燃助剤、燐酸エステルおよび亜燐酸エステル等のような熱安定剤、ヒンダードフェノール等のような酸化防止剤、耐熱剤、耐候剤、光安定剤、離型剤、流動改質剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、結晶核剤、可塑剤および発泡剤等を必要に応じてその有効発現量配合してもよい。
本発明の(C)シリコーン変性オレフィン系ワックスは、引張特性、曲げ特性等の機械的物性や耐衝撃性に優れるが、その向上のメカニズムについては以下の様に考えられる。すなわち、シリコーン変性オレフィン系ワックスと無機強化材との親和性、あるいは表面張力が低いシリコーン変性オレフィン系ワックスが無機強化材表面を濡らす効果により、成形時にガラス繊維などの強化材にかかる剪断が抑制され、樹脂組成物中の強化材繊維長が長く保たれる。これにより優れた引張特性、曲げ特性等の機械的物性が発現すると考えられる。また、耐衝撃性の向上については、シリコーン変性オレフィン系ワックスが無機強化材の表面を覆っており、衝撃が与えられると、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂と、無機強化材を覆うシリコーン変性オレフィン系ワックス間に界面剥離が生じて、均一なボイド(空隙)が生じ、衝撃が吸収されると考えられる。
<無機強化材配合成形用樹脂組成物の製造方法>
本発明の無機強化材配合成形用樹脂組成物を製造する方法は、任意の方法を用いることができる。例えば熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂、無機強化材、シリコーン変性オレフィン系ワックスその他の任意成分を同時にまたは任意の順序で、タンブラー、V型ブレンダー、ナウターミキサー、バンバリーミキサー、混練ロール、単軸或いは二軸の押出機などで混合する方法が適宜用いられる。
このようにして得られた樹脂組成物は既知の種々の方法、例えば射出成形、押出成形および圧縮成形などにより成形される。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(D)未変性オレフィンワックスの性状については、以下の方法により測定し、表1に示した。
(1)ジエンまたはα−オレフィンから導かれる構成単位の含有量の測定方法
未変性のワックス中のジエンまたはα−オレフィンから導かれる構成単位の含有量は、13C−NMRによる不飽和部分の炭素のピーク面積と全炭素のピーク面積、または13C−NMRによるαオレフィン部分の炭素のピーク面積と全炭素のピーク面積とを比較することにより、1,000炭素あたりの不飽和基数Mを得ることができる。
(2)1分子あたりの不飽和基数の測定方法
1分子あたりの不飽和基含有量は、数平均分子量Mnと、上述で求めた1,000炭素あたりの不飽和基数Mを用いて、Mn×M/14,000により算出することができる。
(3)密度の測定方法
JISK7112の密度勾配管法で測定した。
(4)融点の測定方法
融点は、示差走査型熱量測定法(DSC)に従い、DSC−20(セイコー電子工業社製)によって測定した。試料約10mgを−20℃から200℃まで10℃/分で昇温し、得られたカーブの吸熱ピークを融点として求めた。この昇温測定の前に、一旦、樹脂を200℃程度まで昇温し、5分間保持した後、20℃/分で常温(25℃)まで降温する操作を行い、樹脂の熱履歴を統一することが望ましい。
(5)Mn、Mwの測定方法
数平均分子量Mn、および重量平均分子量Mwは、GPC測定から求めた。測定は以下の条件で行った。また、数平均分子量Mn、および重量平均分子量Mwは、市販の単分散標準ポリスチレンを用いて検量線を作成し、下記の換算法に基づいて求めた。
装置 : ゲル浸透クロマトグラフAlliance GPC2000型(Waters社製)
溶剤 : o−ジクロロベンゼン
カラム: TSKgelカラム(東ソー社製)×4
流速 : 1.0 ml/分
試料 : 0.15mg/mL o−ジクロロベンゼン溶液
温度 : 140℃
分子量換算 : PE換算/汎用較正法
なお、汎用較正の計算には、以下に示すMark−Houwink粘度式の係数を用いた。
ポリスチレン(PS)の係数 : KPS=1.38×10-4, aPS=0.70
ポリエチレン(PE)の係数 : KPE=5.06×10-4, aPE=0.70
<合成例1>
(オレフィン系ワックスの合成)
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン950mlおよびプロピレン15ml、ビニルノルボルネン(5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)35mlを装入し、水素を0.25MPa(ゲージ圧)となるまで導入した。次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.004ミリモル、ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.02ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を2.9MPa(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンおよびビニルノルボルネンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。
以上のようにして1,000炭素あたりの不飽和基数が8.6個、1,000炭素あたりのプロピレン数が4.1個、不飽和基含有量(平均)=1.1個/分子であり、密度が945kg/m3であり、融点が112℃であり、Mnが1,800であり、Mwが4,800であり、Mw/Mnが2.6である不飽和基含有ポリエチレンワックス(オレフィン系ワックス(a−1))を得た。
<合成例2>
(オレフィン系ワックスの合成)
充分に窒素置換した内容積2リットルのステンレス製オートクレーブにヘキサン905mlおよびプロピレン35ml、ビニルノルボルネン(5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)60mlを装入し、水素を0.35MPa(ゲージ圧)となるまで導入した。次いで、系内の温度を150℃に昇温した後、トリイソブチルアルミニウム0.3ミリモル、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート0.004ミリモル、ジメチル(t−ブチルアミド)(テトラメチル−η5−シクロペンタジエニル)シランチタンジクロライド(シグマアルドリッチ社製)0.02ミリモルをエチレンで圧入することにより重合を開始した。その後、エチレンのみを連続的に供給することにより全圧を2.9MPa(ゲージ圧)に保ち、150℃で20分間重合を行った。少量のエタノールを系内に添加することにより重合を停止した後、未反応のエチレンおよびビニルノルボルネンをパージした。得られたポリマー溶液を、100℃減圧下で一晩乾燥した。
以上のようにして1,000炭素あたりの不飽和基数が14個、1,000炭素あたりのプロピレン数が35個、不飽和基含有量(平均)=1.0個/分子であり、密度が910kg/m3であり、融点が90℃であり、Mnが1,000であり、Mwが2,300であり、Mw/Mnが2.3である不飽和基含有ポリエチレンワックス(オレフィン系ワックス(a−2))を得た。
<調製例1>
ポリエチレンワックス(a−1)180gを、下記の平均構造式で表される片末端ハイドロジェンシリコーン(1)240g、キシレン2Lおよび塩化白金酸の3%イソプロパノール溶液0.5gとともにキシレン還流下で5時間反応させた。減圧、加熱下で溶剤を留去してシリコーン変性オレフィン系ワックス(b−1)を得た。
片末端ハイドロジェンシリコーン(1):
49−((CH32SiO)30−(CH32SiH
<調製例2>
片末端ハイドロジェンシリコーン(1)を下記の平均構造式で表されるハイドロジェンシリコーン(2)35gに変更した以外は、調製例1と同様にしてシリコーン変性オレフィン系ワックス(b−2)を得た。
ハイドロジェンシリコーン(2):
(CH33SiO((CH32SiO)10((CH3)HSi)3Si(CH33
<調製例3>
ポリエチレンワックス(a−1)の代わりにポリエチレンワックス(a−2)を用いた以外は、調製例1と同様にしてシリコーン変性オレフィン系ワックス(b−3)を得た。
<調製例4>
ポリエチレンワックス(a−1)の代わりにポリエチレンワックス(a−2)を用いた以外は、調製例2と同様にしてシリコーン変性オレフィン系ワックス(b−4)を得た。
<実施例1>
芳香族ポリカーボネート樹脂(帝人化成(株):パンライトL−1225Y)90重量部、ポリカーボネート用グラスファイバー(日東紡(株):チョップドストランドCS3PE455S)10重量部およびシリコーン変性オレフィン系ワックス(b−1)0.5重量部を二軸押出機(噛合型二軸異方向回転式:ハーケ社製)を用い、シリンダー温度300℃のもと押出してペレット化した無機強化材配合組成物を得た。
このペレットを130℃、4時間乾燥後、射出成形機(EC−100N、東芝機械社製)を用い、シリンダー温度290℃、スクリュー回転数100rpm、射出一次圧力100MPa、二次圧力70MPa、金型温度80℃の条件で射出成形して、各JIS試験に従い、試験片を作成した。下記の方法により引張試験、曲げ試験、衝撃試験を行った。無機強化材配合成形用樹脂組成物の配合及びその物性を表2に示す。
試験方法
(a)引張強度
射出成形機を用いて試験片を作成し、JIS K−7162に基づき、荷重レンジ500kg、試験速度50mm/minの条件で引張強度、引張伸び率を測定した。
(b)曲げ強度
射出成形機を用いて試験片を作成し、JIS K−7171に基づき、荷重レンジ25kg、試験速度2mm/min、曲げスパン64mmの条件で曲げ強度と曲げ弾性率を測定した。
(c)衝撃強度
射出成形機を用いて試験片を作成し、JIS K−7111に基づき、ハンマー重量2J、ハンマー回転周りのモーメント1.08N・J、ハンマー持ち上げ角度50°、衝撃速度2.9m/S、回転軸から打撃点までの距離0.23mの条件でシャルピー衝撃値を測定した。
<実施例2>
シリコーン変性オレフィン系ワックス(b−1)の代わりにシリコーン変性オレフィン系ワックス(b−2)を用いた以外は実施例1と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性樹脂組成物を得、実施例1と同様に射出成形を行って試験片を作成し、同様の試験を行った。
<実施例3>
シリコーン変性オレフィン系ワックス(b−1)の代わりにシリコーン変性オレフィン系ワックス(b−3)を用いた以外は実施例1と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性樹脂組成物を得、実施例1と同様に射出成形を行って試験片を作成し、同様の試験を行った。
<実施例4>
シリコーン変性オレフィン系ワックス(b−1)の代わりにシリコーン変性オレフィン系ワックス(b−4)を用いた以外は実施例1と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性樹脂組成物を得、実施例1と同様に射出成形を行って試験片を作成し、同様の試験を行った。
<実施例5>
シリコーン変性オレフィン系ワックス(b−1)の代わりにシリコーン変性オレフィン系ワックス(b−3)3重量部を用いた以外は実施例1と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性樹脂組成物を得、実施例1と同様に射出成形を行って試験片を作成し、同様の試験を行った。
<実施例6>
ポリブチレンテフタレート(ウィンテックポリマー(株):ジュラネックス2002)70重量部、ポリブチレンテレフタレート用グラスファイバー(日東紡(株):チョップドストランドCS3PE941S)30重量部およびシリコーン変性オレフィン系ワックス(b−3)0.5重量部を二軸押出機(同方向回転式HK−25D:パーカーコーポレーション社製)を用い、シリンダー温度260℃のもと押出してペレット化した無機強化材配合組成物を得た。
このペレットを120℃、5時間乾燥後、射出成形機(F85、クロッカー社製)を用い、シリンダー温度250℃、スクリュー回転数100rpm、射出一次圧力60MPa、二次圧力50MPa、金型温度60℃の条件で射出成形して、各JIS試験に従い、試験片を作成した。実施例1と同様の方法により引張試験、曲げ試験を行い、衝撃試験については実施例1のハンマー重量を1Jとした以外は同様にして実施例1を行った。無機強化材配合成形用樹脂組成物の配合及びその成形条件、物性を表2に示す。
<実施例7>
シリコーン変性オレフィン系ワックス(b−3)0.5重量部の代わりにシリコーン変性オレフィン系ワックス(b−3)3重量部を用いた以外は実施例6と同様に射出成形を行って試験片を作成し、同様の試験を行った。
<比較例1>
比較のためシリコーン変性オレフィン系ワックス(b−1)を添加しないこと以外は実施例1と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性樹脂組成物を得、実施例1と同様に射出成形を行って試験片を作成し、同様の試験を行った。
<比較例2>
シリコーン変性オレフィン系ワックス(b−1)の代りにマレイン酸変性のハイワックス1105A(三井化学(株))を使用する以外は実施例1と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性樹脂組成物を得、実施例1と同様に射出成形を行って試験片を作成し、同様の試験を行った。
<比較例3>
シリコーン変性オレフィン系ワックス(b−1)の代りに未変性のワックスであるハイワックス110P(三井化学(株))を使用する以外は実施例1と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性樹脂組成物を得、実施例1と同様に射出成形を行って試験片を作成し、同様の試験を行った。
<比較例4>
シリコーン変性オレフィン系ワックス(b−1)の代わりにシリコーン変性オレフィン系ワックス(b−3)15重量部を用いた以外は実施例1と同様にしてペレット化を試みたが、混練が不十分となりストランドが安定せず、ペレットを得ることができなかった。
<比較例5>
比較のためシリコーン変性オレフィン系ワックス(b−3)を添加しないこと以外は実施例6と同様にしてペレット化し、ガラス繊維強化材配合熱可塑性樹脂組成物を得、実施例6と同様に射出成形を行って試験片を作成し、同様の試験を行った。
<比較例6>
シリコーン変性オレフィン系ワックス(b−3)の代わりにマレイン酸変性のハイワックス1105A(三井化学(株))を使用する以外は実施例6と同様に射出成形を行って試験片を作成し、同様の試験を行った。
<比較例7>
シリコーン変性オレフィン系ワックス(b−3)の代わりにマレイン酸変性のハイワックス1105A(三井化学(株))を3重量部使用する以外は実施例6と同様に射出成形を行って試験片を作成し、同様の試験を行った。
<比較例8>
シリコーン変性オレフィン系ワックス(b−3)の代わりに未変性のワックスであるハイワックス110P(三井化学(株))を使用する以外は実施例6と同様に射出成形を行って試験片を作成し、同様の試験を行った。
実施例1〜7および比較例1〜8で得られた試験片について下記に従って、物性を測定した結果を表2および表3に示す。なお、各実施例および比較例において、(A)成分および(B)成分の合計量を100重量部として各成分の含有量を表した。
Figure 0005116716
Figure 0005116716
Figure 0005116716

Claims (6)

  1. (A)熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂95〜50重量部と、
    (B)無機強化材5〜50重量部と、
    (C)シリコーン変性オレフィン系ワックス0.01〜10重量部とを含有する(ただし、成分(A)と成分(B)との合計を100重量部とする)
    ことを特徴とする無機強化材配合成形用樹脂組成物。
  2. 前記(C)シリコーン変性オレフィン系ワックスを0.05〜7重量部有することを特徴とする請求項1に記載の無機強化材配合成形用樹脂組成物。
  3. 前記(A)熱可塑性樹脂が、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、ABS樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリイミド樹脂であり、熱硬化性樹脂が、エポキシ樹脂、熱硬化性不飽和ポリエステル樹脂およびフェノール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂であることを特徴とする請求項1または2に記載の無機強化材配合成形用樹脂組成物。
  4. 前記(B)無機強化材がガラス繊維、カーボン繊維から選択される少なくとも1種の充填剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の無機強化材配合成形用樹脂組成物。
  5. 前記(C)シリコーン変性オレフィン系ワックスが、下記(i)〜(vi)を満たす未変性のオレフィン系ワックス(D)と1分子に1個以上のSiH結合を有するハイドロジェンシリコーンとを、触媒存在下で付加反応させて得られたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無機強化材配合成形用樹脂組成物。
    (i)エチレンと少なくとも1種のジエンとを共重合して得られる共重合体、またはエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンと少なくとも1種のジエンとを共重合して得られる共重合体
    (ii)1分子あたりの不飽和基含有量が0.5〜3.0個
    (iii)密度が870〜980kg/m3
    (iv)融点が70〜130℃
    (v)数平均分子量(Mn)が400〜5,000
    (vi)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.0以下
  6. 前記(C)シリコーン変性オレフィン系ワックスが、下記(vii)〜(xii)を満たす未変性のオレフィン系ワックス(D)と1分子に1個以上のSiH結合を有するハイドロジェンシリコーンとを、触媒存在下で付加反応させて得られたものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の無機強化材配合成形用樹脂組成物。
    (vii)エチレンとビニルノルボルネン(5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン)とを共重合して得られる共重合体、またはエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンから選ばれる少なくとも1種のオレフィンとビニルノルボルネンとを共重合して得られる共重合体
    (viii)1分子あたりの不飽和基含有量が0.5〜2.0個
    (ix)密度が890〜980kg/m3
    (x)融点が80〜130℃
    (xi)数平均分子量(Mn)が400〜5,000
    (xii)重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が4.0以下
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