JP5117328B2 - トナー用樹脂及びトナー組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷等に用いられるトナー用樹脂及びトナー組成物に関する。
電子写真技術の発展に伴い、低温定着性、耐ホットオフセット性や保存安定性(耐ブロッキング性)に優れたトナーが要求されており、そのために、トナー用結着樹脂として、ポリエステル中に酸成分としてロジン類を使用した非線状架橋型ポリエステル樹脂を含有したトナー(特許文献1参照)、マレイン酸で変性したロジンを使用し、定着性を改良したトナー(特許文献2参照)等が報告されている。
特開平4−70765号公報 特開平4−307557号公報
しかし、近年のマシンの更なる高速化及び省エネルギー化により、従来のトナー用結着樹脂では市場の要求に対しては不十分であることが判明した。即ち、定着工程での定着時間の短縮化及び定着機での加熱温度の低温化により、十分な定着性を維持することが非常に困難になっている。このため、定着性(最低定着温度と耐ホットオフセット性)、及び保存安定性(耐ブロッキング性)を高次に達成する必要がある。
本発明者は前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明は、ポリカルボン酸成分とセルロース及び/又はセルロース誘導体を含有するポリオール成分とを重縮合させて得られるポリエステルユニットを有するトナー用樹脂、並びにこのトナー用樹脂と着色剤を含有するトナー組成物である。
本発明のトナー用樹脂を含有する本発明のトナー組成物を用いた電子写真、静電記録、又は静電印刷用トナーは、定着温度幅(低温定着性と耐ホットオフセット性のバランス)と保存安定性のいずれにも優れる。
以下、本発明を詳述する。
本発明のトナー用樹脂は、ポリカルボン酸成分とセルロース及び/又はセルロース誘導体を含有するポリオール成分とを重縮合させて得られるポリエステルユニットを有する樹脂である。
原料のポリカルボン酸成分のうち、脂肪族(脂環式を含む)ジカルボン酸としては、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸(シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、レパルギン酸、およびセバシン酸等)、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸(ドデセニルコハク酸等のアルケニルコハク酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、およびグルタコン酸等)、などが挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、炭素数8〜36の芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、およびナフタレンジカルボン酸等)などが挙げられる。
ポリカルボン酸成分のうち、3〜6価またはそれ以上の脂肪族(脂環式を含む)ポリカルボン酸としては、炭素数6〜36の脂肪族トリカルボン酸(ヘキサントリカルボン酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[数平均分子量(以下Mnと記載、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による):450〜10000](α−オレフィン/マレイン酸共重合体等)等が挙げられる。
ポリカルボン酸成分のうち、3〜6価またはそれ以上の芳香族ポリカルボン酸としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、およびピロメリット酸等)、不飽和カルボン酸のビニル重合体[Mn:450〜10000](スチレン/マレイン酸共重合体、スチレン/アクリル酸共重合体、およびスチレン/フマル酸共重合体等)等が挙げられる。
ポリカルボン酸成分として、これらのポリカルボン酸の、無水物、低級アルキル(炭素数1〜4)エステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてもよい。
これらのポリカルボン酸成分のうち好ましいものは、炭素数2〜50のアルカンジカルボン酸、炭素数4〜50のアルケンジカルボン酸、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸、および炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸であり、さらに好ましくは、アジピン酸、炭素数16〜50のアルケニルコハク酸、テレフタル酸、イソフタル酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、およびこれらの併用であり、とくに好ましくは、アジピン酸、テレフタル酸、トリメリット酸、およびこれらの併用である。これらの酸の無水物や低級アルキルエステルも、同様に好ましい。
また、ポリカルボン酸成分としては、芳香族ポリカルボン酸および必要により脂肪族ポリカルボン酸からなり、芳香族ポリカルボン酸を60モル%以上含有するものが好ましい。芳香族ポリカルボン酸の含有量は、さらに好ましくは70〜100モル%、とくに好ましくは80〜100モル%である。芳香族ポリカルボン酸が60モル%以上含有されていることで、樹脂強度が上がり、低温定着性がさらに向上する。
本発明のポリエステルユニットを有するトナー用樹脂の原料であるポリオール成分中には、セルロース及び/又はセルロース誘導体を必須成分として含有する。セルロース及びセルロース誘導体は2種以上を併用してもよい。
上記セルロースとしては、トナーの溶融粘度コントロール性の観点から、Mnが1000〜30000であることが好ましく、さらに好ましくは1100〜25000、とくに好ましくは1200〜18000である。
上記セルロース誘導体とは、セルロース中の1級の水酸基、又は2級の水酸基、又はその両方の一部又は全てが、エーテル結合、エステル結合、及び/又はウレタン結合等で変性された物を意味する。
セルロース誘導体としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシエチルメチルセルロースが好ましく、より好ましくはメチルセルロース及びヒドロキシエチルメチルセルロースである。
セルロース誘導体としては、トナーの溶融粘度コントロール性の観点から、Mnが1000〜30000であることが好ましく、さらに好ましくは1100〜25000、とくに好ましくは1200〜18000である。
本発明において、セルロース及びセルロース誘導体は、ポリオール成分中にそれぞれを単独で用いても、これらを併用してもよい。セルロース及びセルロース誘導体の重量比は特に限定されないが、最低定着温度の観点から、セルロース/セルロース誘導体が0/100〜80/20が好ましく、より好ましくは10/90〜70/30である。
セルロースは、通常Mnが数十万から数百万のものが市販されており、また、セルロース誘導体もMnが数万から数十万のものが市販されている。本発明のトナー用樹脂の原料として用いる際には、セルロース又はセルロース誘導体又はその両方を分解し、上記の好ましいMnの範囲内にして用いることが好ましい。
セルロース及びセルロース誘導体の分子量をコントロールする方法としては下記方法が挙げられる。
〔1〕分解酵素(例えばセルラーゼなど)で分解し、加熱又は重金属イオンにより分解を停止し、凍結乾燥等により目的物を取り出す方法。
〔2〕塩酸、過酸化水素水、硫酸等で加熱分解し、アルカリ溶液で中和し、分解を停止し、凍結乾燥等により目的物を取り出す方法。
これらの中では、分子構造の保持の観点から〔1〕が好ましい。
本発明において、セルロース及びセルロース誘導体の分子量〔ピークトップ分子量(以下Mpと記載)およびMn〕を測定する方法としては特に限定されないが、GPCを用いて以下の条件で測定することができる。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%の水溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : ポリビニルアルコール
得られたクロマトグラム上最大のピーク高さを示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称する。また、分子量の測定は、セルロース又はセルロース誘導体を水に溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とした。
本発明のトナー用樹脂の原料であるポリオール成分中には、セルロース及びセルロース誘導体以外に、必要により他のポリオールを含有してもよい。
他のポリオールのうち、2価アルコール(ジオール)としては、炭素数2〜36の脂肪族ジオール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,3−ヘキサンジオール、3,4−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,7−ヘプタンジオール、およびドデカンジオール等のアルカンジオールなど);炭素数4〜36のポリアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール等);上記炭素数2〜36の脂肪族ジオールの炭素数2〜4のアルキレンオキシド(以下AOと略記する)〔エチレンオキシド(以下EOと略記する)、プロピレンオキシド(以下POと略記する)およびブチレンオキシド等〕付加物(付加モル数2〜30);炭素数6〜36の脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびビスフェノールS等)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
他のポリオールのうち3〜8価またはそれ以上のポリオールとしては、炭素数3〜36の3〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコール(グリセリン、トリエチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールおよびソルビトール等);上記脂肪族多価アルコールの炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30);ノボラック樹脂(フェノールノボラックおよびクレゾールノボラック等:平均重合度3〜60)の炭素数2〜4のAO付加物(付加モル数2〜30)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
これらの他のポリオールの中で、好ましくは、炭素数2〜6のポリアルキレンエーテルグリコール、炭素数6〜36の脂環式ジオール、炭素数6〜36の脂環式ジオールの炭素数2〜4のAO付加物、ビスフェノール類の炭素数2〜4のAO付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜4のAO付加物であり、さらに好ましくは、ビスフェノール類の炭素数2〜3のAO(EOおよび/またはPO)付加物、およびノボラック樹脂の炭素数2〜3のAO(EOおよび/またはPO)付加物である。
本発明のトナー用樹脂における、ポリオール成分中のセルロース及びセルロース誘導体の総含有量は、低温での定着性の観点から30〜100重量%であることが好ましく、さらに好ましくは35〜100重量%、とくに好ましくは40〜100重量%である。
本発明において、「ポリエステルユニットを有する」とは、前述のポリカルボン酸とセルロース及び/又はセルロース誘導体を含有するポリオール成分との重縮合反応により生成するエステル基を、1分子中に2つ以上含有していることを意味する。
本発明のトナー用樹脂中には、エステル基以外に、ウレタン基、ウレア基、エポキシ基、アミド基及びイミド基から選ばれる1種以上の官能基を含有してもよい。
例えば、ウレタン基を含有する樹脂としては、ポリカルボン酸成分とポリオール成分との重縮合により得られたポリエステルユニットを有する樹脂と有機ポリイソシアネートとが反応された樹脂が、ウレア基を含有する樹脂としては、上記ポリエステルユニットを有する樹脂およびポリアミンと有機ポリイソシアネートとが反応された樹脂が挙げられる。
本発明のトナー用樹脂のMnとしては、最低定着温度とホットオフセット発生温度の両立の観点から3000〜100000が好ましく、より好ましくは4000〜50000である。本発明のトナー用樹脂の酸価としては、飽和帯電量の観点から2〜100が好ましく、より好ましくは5〜80であり、水酸基価としては、飽和帯電量の観点から0.01〜200が好ましく、より好ましくは0.05〜100である。
本発明のトナー用樹脂の軟化点は、耐ホットオフセット性と低温定着性の観点から、80〜180℃が好ましく、さらに好ましくは95〜170℃、とくに好ましくは100〜155℃である。
なお、本発明においては、フローテスターを用いて下記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる温度をもって軟化点とした。
装置 : 島津(株)製 フローテスター CFT−500
荷重 : 20kg
ダイ : 1mmΦ−1mm
昇温速度 : 6℃/min.
本発明のトナー組成物中のトナー用樹脂としては、本発明のトナー用樹脂のみを含有することが好ましいが、本発明のトナー組成物の特性を損なわない範囲で、他の樹脂を含有してもよい。他の樹脂としては、本発明のトナー用樹脂以外のポリエステル樹脂、ビニル系樹脂[スチレンとアルキル(メタ)アクリレートの共重合体、スチレンとジエン系モノマーとの共重合体等]、エポキシ樹脂(ビスフェノールAジグリシジルエーテル開環重合物等)、ウレタン樹脂(ジオールおよび/または3価以上のポリオールとジイソシアネートの重付加物等)などが挙げられる。
他の樹脂のMnは、300〜10万が好ましい。他の樹脂の含有量は、トナー用樹脂の合計重量に対し、好ましくは10重量%以下、さらに好ましくは8重量%以下である。
本発明のトナー組成物は、本発明のトナー用樹脂と着色剤を含有する。また、必要により、荷電制御剤、離型剤、流動化剤等1種類以上の添加剤を含有することが好ましい。
着色剤としては、トナー用着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンBおよびオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉(鉄、コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末もしくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。着色剤の含有量は、本発明のトナー用樹脂100部に対して、好ましくは1〜40部、さらに好ましくは3〜10部である。なお、磁性粉を用いる場合は、好ましくは20〜150部、さらに好ましくは40〜120部である。上記および以下において、部は重量部を意味する。
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニウム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベンジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポリマー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換芳香環含有ポリマー等が挙げられる。
離型剤としては、軟化点が50〜170℃のものが好ましく、ポリオレフィンワックス、天然ワックス、炭素数30〜50の脂肪族アルコール、炭素数30〜50の脂肪酸およびこれらの混合物等が挙げられる。ポリオレフィンワックスとしては、オレフィン(例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共)重合体[(共)重合により得られるものおよび熱減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィンの(共)重合体の酸素および/またはオゾンによる酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導体(無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、マレイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメチル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボン酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無水マレイン酸等]および/または不飽和カルボン酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステルおよびマレイン酸アルキル(アルキルの炭素数1〜18)エステル等]等との共重合体、およびサゾールワックス等が挙げられる。
天然ワックスとしては、例えばカルナウバワックス、モンタンワックス、パラフィンワックスおよびライスワックスが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪族アルコールとしては、例えばトリアコンタノールが挙げられる。炭素数30〜50の脂肪酸としては、例えばトリアコンタンカルボン酸が挙げられる。
本発明のトナー用樹脂を用いた本発明のトナー組成物の重量比は、トナー組成物の重量に基づき、本発明のトナー用樹脂が、好ましくは30〜97重量%、さらに好ましくは40〜95重量%、とくに好ましくは45〜92重量%;着色剤が、好ましくは0.05〜60重量%、さらに好ましくは0.1〜55重量%、とくに好ましくは0.5〜50重量%;添加剤のうち、離型剤が、好ましくは0〜30重量%、さらに好ましくは0.5〜20重量%、とくに好ましくは1〜10重量%;荷電制御剤が、好ましくは0〜20重量%、さらに好ましくは0.1〜10重量%、とくに好ましくは0.5〜7.5重量%;流動化剤が、好ましくは0〜10重量%、さらに好ましくは0〜5重量%、とくに好ましくは0.1〜4重量%である。また、添加剤の合計含有量は、好ましくは3〜70重量%、さらに好ましくは4〜58重量%、とくに好ましくは5〜50重量%である。トナーの組成比が上記の範囲であることで帯電性が良好なものを容易に得ることができる。
本発明のトナー組成物は、混練粉砕法、乳化転相法、重合法等の従来より公知のいずれの方法により得られたものであってもよい。例えば、混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレンドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、最終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒化して、さらに分級することにより、体積平均粒径(D50)が好ましくは5〜20μmの微粒とした後、流動化剤を混合して製造することができる。なお、粒径(D50)はコールターカウンター[例えば、商品名:マルチサイザーIII(コールター社製)]を用いて測定される。
また、乳化転相法によりトナーを得る場合、流動化剤を除くトナーを構成する成分を有機溶剤に溶解または分散後、水を添加する等によりエマルジョン化し、次いで分離、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒径は、3〜15μmが好ましい。
本発明のトナー組成物は、市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機で定着させ、定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度である最低定着温度が、省エネルギーの観点から150℃以下であることが好ましく、より好ましくは145℃以下である。また、最低定着温度と同様に定着評価した定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価し、ホットオフセットが発生した定着ロール温度であるホットオフセット発生温度が、連続印刷の安定性の観点から200℃以上であることが好ましく、より好ましくは205℃以上である。
本発明のトナー組成物を0.3mg/cm2定着させた普通紙の画像濃度が、画像の鮮鋭性の観点から1〜1.5であることが好ましく、より好ましくは1.1〜1.4である。
本発明のトナー用樹脂を用いた本発明のトナー組成物は、必要に応じて鉄粉、ガラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マグネタイトおよび樹脂(アクリル樹脂、シリコーン樹脂等)により表面をコーティングしたフェライト等のキャリアー粒子と混合されて、電気的潜像の現像剤として用いられる。トナーとキャリアー粒子との重量比は、好ましくは1/99〜100/0である。また、キャリア粒子の代わりに帯電ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を形成することもできる。
本発明のトナー用樹脂を用いた本発明のトナー組成物は、温度20℃、湿度50%の環境下、上記キャリアー粒子と本発明のトナー組成物を、ステンレス性のポットに仕込み、ボールミル架台上で300rpmにて回転混合させ、得られた現像剤の帯電量を、ブローオフ装置によって測定した帯電量が最大になるまでの時間が、連続印刷時の画像の安定性の観点から15秒以下であることが好ましく、より好ましくは10秒以下である。
本発明のトナー組成物は、複写機、プリンター等により支持体(紙、ポリエステルフィルム等)に定着して記録材料とされる。支持体に定着する方法としては、公知の熱ロール定着方法、フラッシュ定着方法等が適用できる。
以下実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<製造例1>
加熱及び冷却可能な攪拌装置を有する容器に、イオン交換水を800部加え60℃まで加熱した。容器内部にメチルセルロース[SM04:信越化学社製]を200部入れ、15分間攪拌した。得られた水分散液を10℃まで冷却し、30分間攪拌し、透明なメチルセルロース水溶液を得た。得られたメチルセルロース水溶液を再び37℃まで加熱し、セルラーゼ[AP3:天野製薬社製]を0.5部加え、15分攪拌した後、98℃まで加熱し60分間攪拌し、セルラーゼを失活させた。冷却し、容器から取り出した後、凍結乾燥させ、Mnが1400、Mpが2900、水酸基価が420のセルロース誘導体(C−1)を得た。
<製造例2>
加熱及び冷却可能な攪拌装置を有する容器に、イオン交換水を800部加え60℃まで加熱した。容器内部にセルロース[粉末セルロース:日本製紙ケミカル社製]を入れ、15分間攪拌した。得られた水分散液を37℃まで冷却し、セルラーゼ[AP3:天野製薬社製]を0.5部加え、40分攪拌した後、98℃まで加熱し60分間攪拌し、セルラーゼを失活させた。冷却し、容器から取り出した後、凍結乾燥させ、Mnが12000、Mpが25000、水酸基価が1100のセルロース(C−2)を得た。
<製造例3>
製造例1で得られた(C−1)を900部、製造例2で得られた(C−2)を100部量り取り、ヘンシルミキサーで混合することにより、Mnが2500、Mpが8000、水酸基価が488のセルロース・セルロース誘導体混合物(C−3)を得た。
<実施例1>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、(C−1)140部(0.1モル)、テレフタル酸10部(0.06モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(Pa−1)とする。
ポリエステル樹脂(Pa−1)の酸価は1.8、水酸基価は46、Mnは3500、Mpは8000であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(Pa−1)153部、無水トリメリット酸10部(0.05モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、220℃で、500〜700mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が135℃になった時点でベルトクーラーを通して取り出し、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(P−1)とする。
ポリエステル樹脂(P−1)の酸価は46、水酸基価は18、Mnは12000、Mpは18000、軟化点は135℃、ガラス転移点は67℃、THF不溶解分は16重量%であった。
<実施例2>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、(C−2)120部(0.01モル)、エチレングリコール19部(0.32モル)、テレフタル酸153部(0.92モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(Pa−2)とする。
ポリエステル樹脂(Pa−2)の酸価は0.9、水酸基価は51、Mnは15000、Mpは20000であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(Pa−2)292部、無水トリメリット酸20部(0.1モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、220℃で、500〜700mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が140℃になった時点でベルトクーラーを通して取り出し、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(P−2)とする。
ポリエステル樹脂(P−2)の酸価は58、水酸基価は19、Mnは25000、Mpは31000、軟化点は135℃、ガラス転移点は70℃、THF不溶解分は5重量%であった。
<実施例3>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、(C−3)250部(0.1モル)、ビスフェノールA・PO2モル付加物250部(0.72モル)、テレフタル酸59部(0.35モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸20部(0.1モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(P−3)とする。
ポリエステル樹脂(P−3)の酸価は62、水酸基価は21、Mnは4000、Mpは5700、軟化点は100℃、ガラス転移点は63℃、THF不溶解分は0重量%であった。
<比較例1>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、1,2−プロピレングリコール(以下プロピレングリコールと記載)228部(3.0モル)、テレフタル酸141部(0.85モル)、アジピン酸22部(0.15モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下に、生成するプロピレングリコール、水を留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が100℃になった時点で取り出した。取り出した樹脂を室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステル樹脂(a4)とする。ポリエステル樹脂(a4)の酸価は0.8、水酸基価は21、Mnは5500、Mpは9000であった。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂(a4)206部、無水トリメリット酸8部(0.04モル)、および触媒としてテトラブトキシチタネート0.3部を入れ、系内の気相を窒素置換したのち、180℃で常圧密閉下2時間反応後、220℃で、5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が154℃になった時点でベルトクーラーを通して取り出し、粉砕し粒子化した。これを比較用ポリエステル樹脂(Pr−1)とする。
比較用ポリエステル樹脂(Pr−1)の酸価は16、水酸基価は3.3、Mnは9000、Mpは14000、軟化点は154℃、THF不溶解分は5重量%であった。
<比較例2>
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールA・EO2モル付加物379部(1.2モル)、ビスフェノールA・PO2モル付加物447部(1.3モル)、テレフタル酸332部(2.0モル)および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、酸価が2以下になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸40部(0.21モル)を加え、常圧密閉下2時間反応後取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これを比較用ポリエステル樹脂(Pr−2)とする。
比較用ポリエステル樹脂(Pr−2)の酸価は21、水酸基価は37、Mnは2000、Mpは4200、軟化点は100℃、ガラス転移点は61℃、THF不溶解分は0重量%であった。
<実施例4〜7>、<比較例3、4>
実施例1〜3で得られたポリエステル樹脂、及び比較例1、2で得られた比較用ポリエステル樹脂を、表1の配合比に従いコンティニアスニーダーにて、ジャケット温度150℃、滞留時間3分で溶融混合した。溶融樹脂を室温まで冷却後、粉砕機にて粉砕し、粒子化して、本発明のトナー用樹脂(1)〜(4)および比較のトナー用樹脂(5)、(6)を得た。
Figure 0005117328
<実施例8〜11>、<比較例5、6>
本発明のトナー用樹脂(1)〜(4)、及び比較のトナー用樹脂(5)、(6)それぞれ100部に対して、カーボンブラックMA−100[三菱化学(株)製]8部、カルナバワックス5部、荷電制御剤T−77[保土谷化学(製)]1部を加え下記の方法でトナー化した。
まず、ヘンシェルミキサー[三井三池化工機(株)製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混練機[(株)池貝製 PCM−30]で混練した。ついで超音速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニューマチック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、気流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MDS−I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得た。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシリカ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部をサンプルミルにて混合して、本発明のトナー組成物(T−1)〜(T−4)、および比較用のトナー組成物(T−5)、(T−6)を得た。
下記評価方法で評価した評価結果を表2に示す。
Figure 0005117328
[評価方法]
〔1〕最低定着温度(MFT)
市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像した未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャープ製)の定着機を用いて評価した。定着画像をパットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以上となる定着ロール温度をもって最低定着温度とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
上記MFTと同様に定着評価し、定着画像へのホットオフセットの有無を目視評価した。ホットオフセットが発生した定着ロール温度をもってホットオフセット発生温度とした。
〔3〕トナーの耐ブロッキング性試験
上記トナー組成物を、50℃・85%R.H.の高温高湿環境下で、48時間調湿した。同環境下において該現像剤のブロッキング状態を目視判定し、さらに市販複写機(AR5030:シャープ製)でコピーした時の画質を観察した。
判定基準
◎:トナーのブロッキングがなく、3000枚複写後の画質も良好。
○:トナーのブロッキングはないが、3000枚複写後の画質に僅かに乱れが観察さ
れる。
×:トナーのブロッキングが目視でき、3000枚までに画像が出なくなる
〔4〕定着温度幅
ホットオフセット発生温度と最低定着温度の差[(HOT)−(MFT)]を計算により求めた。
本発明のトナー組成物およびトナー用樹脂は、低温定着性、耐ホットオフセット性、耐ブロッキング性に優れる、電子写真、静電記録、静電印刷等に用いる静電荷像現像用トナーおよびトナー用樹脂として有用である。

Claims (5)

  1. ポリカルボン酸成分とセルロース及び/又はセルロース誘導体を含有するポリオール成分とを重縮合させて得られるポリエステルユニットを有するトナー用樹脂。
  2. セルロースとセルロース誘導体の総含有量がポリオール成分中30〜100重量%である請求項1記載のトナー用樹脂。
  3. セルロース誘導体が、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、及びヒドロキシエチルメチルセルロースの群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2記載のトナー用樹脂。
  4. セルロース及びセルロース誘導体の数平均分子量が1000〜30000である請求項1〜3のいずれか記載のトナー用樹脂
  5. 請求項1〜4のいずれか記載のトナー用樹脂と着色剤を含有するトナー組成物。
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