JP5117552B2 - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明はステアリングコラムの揺動を節度あるものとしてステアリングコラムを車体に取り付ける際の利便性を向上するようにした電動パワーステアリング装置に関する。
近年、車輌の操舵系には車輌操舵における運転者の負担を軽減するのにパワーステアリングが組み込まれる。現状、このパワーステアリングの主流はバッテリからの電気の供給を受ける電動モータによって操舵補助力を与える電動パワーステアリングである。電動パワーステアリングでは電動アシスト装置をステアリングコラムに組み込み、電動モータの駆動力を適度の減速を伴いながらアウトプットシャフトに伝達して操舵に必要な力を補助するコラムアシスト式が好んで使用されている。
この電動パワーステアリングの使用は車輌操舵のためには多くの利点をもたらすが、コラムアシスト式によるものは電動アシスト装置によるステアリングコラムの重量の増加は避け難く、たとえば、ステアリングコラムの車輌への搭載では節度を欠いたステアリングコラムの揺動のために電動アシスト装置を組み込まないものと比較して作業者に困難な作業を強いることになる。
コラムアシスト式電動パワーステアリング装置の一例を図11に示す。このステアリング装置はチルト機構のチルトピボットによってステアリングコラムを上下方向に揺動するように構成したものである。ステアリングコラム51は内部に回転自在に設けられるステアリングアッパシャフト52を有する。ステアリングコラム51は下部に電動モータ53、ギヤハウジング54、アウトプットシャフト55等で構成される電動アシスト装置56を備える。たとえば、運転者が図示しないステアリングホイールを回動すると、このときの操舵力がステアリングアッパシャフト52から電動アシスト装置56に伝達され、電動モータ53によるアシスト力で操舵力が増し、この増大した操舵力がアウトプットシャフト55に伝達される。
一方、ステアリングコラム51には運転者に望ましいドライビングポジションを与える、チルトクランプ57およびチルトピボット58を含む、チルト機構が設けられる。このチルトクランプ57は、図12に示すように、ステアリングコラム51に固定されたディスタンスブラケット59を本体に取り付けるアッパブラケット60で挟み込み、双方のブラケット59、60に挿通される軸杆部材61をレバー62とテーパ嵌合させたナット63で締付けるようにしたものである。通常、アッパブラケット60にはチルトストロークに見合う縦方向の長孔64が形成される。軸杆部材61がこの長孔64内を上下に移動することで、ステアリングコラム51のスムーズな揺動が可能になる。
また、チルトピボット58は、図13に示すように、車体に取り付けられるロアブラケット65に装着される、2本のピン部材66にギヤハウジング54から延在するヨーク部材67を係合させて構成される。このような手段を用いることで、チルト調整操作ではステアリングコラム51をピン部材66を中心として揺動させることが可能である。
ステアリングコラム51の揺動を節度あるものとするため、特に、ステアリングホイール側からの高荷重によってステアリングコラム51が車体取り付け部から離脱したとき、上向きの曲げモーメントによってステアリングコラム51が跳ね上がるのを規制するためにチルトストロークの上限に近い位置にステアリングコラム51の上面と対峙するようにプレート部材を組み込み、ステアリングコラムが過度に回転するのを防ぐようにしたものがある(たとえば、特開2000−127991号公報、(第4頁、図2)参照)
特開2000−127991号公報
上記のコラムアシスト式電動パワーステアリング装置は質量の大きい電動アシスト装置56のために、ステアリングコラムの車輌への搭載では、図14に示すように、ステアリングコラム51がピン部材66を中心として回転し易く、回転を阻止する何らかの手段を用いなければならない。たとえば、図13に示すように、回転止め用スクリュー68をロアブラケット65を貫通するようにステアリングコラム51に仮組みしておき、組み立て中、ステアリングコラム51が回転するのをスクリュー68で抑え、搭載が完了した時点でステアリングコラム51からスクリュー68を取り外すことが行われている。しかし、このような回転阻止手段を用いる方法はスクリュー68の取り付け、取り外しに一定の時間を費やすことになり、利便性に欠けている。
一方、エネルギ吸収式ステアリングコラムではステアリングホイール側から高荷重が働いたとき、アッパブラケット60が車体から離脱するためにステアリングコラム51がチルトピボット58だけの拘束となる。このとき、図15に示すように、上向きの曲げモーメントでステアリングコラム51が上方に跳ね上がり、たとえば、エアバッグの膨張展開を最適に保つのに支障が生じる可能性がある。
本発明の目的はステアリングコラムの揺動を節度あるものとしてステアリングコラムを車体に取り付ける際の利便性を高め、ステアリングコラムの離脱発生時にも自由な動きを規制するようにした電動パワーステアリング装置を提供することにある。
本発明は、車体に固定されたアッパブラケットと、アッパブラケットの一対の締め付け板部の間に配置されたステアリングコラムと、ステアリングコラム内に回転自在に設けられたステアリングシャフトと、ステアリングコラムをアッパプラケットの締め付け板部の間に緊締するチルトクランプおよびステアリングコラムを揺動するチルトピボットを備えたチルト機構と、ステアリングコラムの下端にあって電動モータによるアシスト力をアウトプットシャフトに伝達する電動アシスト装置と、電動アシスト装置のステアリングコラム側と反対側で車体に固定され、チルトピボットの枢軸を支承するロアブラケットとを備え、チルトピボットの枢軸に電動アシスト装置のハウジングが連結部材を介して遊動可能に係合されて、ステアリングコラムが枢軸を中心として揺動可能とされ、ロアブラケットと連結部材との間にコラム回動規制部が設けられ、ステアリングコラムは、チルト調整によってニュートラル位置から上下にそれぞれθ1、θ2まで揺動可能であって、コラム回動規制部は、ニュートラル位置から上下にそれぞれθ1、θ2に余裕を持たせたθ1、θ2より大きいθ3、θ4までのステアリングコラムの揺動を許容し、θ3、θ4を超える揺動を規制し、ステアリングコラムが車体取り付け部から離脱し、チルトピボットだけの拘束となったときに、コラム回動規制部によってステアリングコラムの回転が規制され前記ステアリングコラムが跳ね上がり及び落下するのを止めることを特徴とする、電動パワーステアリング装置を提供する。
また、本発明は、車体に固定されたアッパブラケットと、アッパブラケットの一対の締め付け板部の間に配置されたステアリングコラムと、ステアリングコラム内に回転自在に設けられたステアリングシャフトと、ステアリングコラムをアッパブラケットの締め付け板部の間に緊締するチルトクランプおよびステアリングコラムを揺動するチルトピボットを備えたチルト機構と、ステアリングコラムの下端にあって電動モータによるアシスト力をアウトプットシャフトに伝達する電動アシスト装置と、電動アシスト装置のステアリングコラム側と反対側で車体に固定され、チルトピボットの枢軸を支承するロアブラケットとを備え、チルトピボットの枢軸に電動アシスト装置のハウジングが遊動可能に係合されて、ステアリングコラムが枢軸を中心として揺動可能とされ、ロアブラケットとハウジングとの間にコラム回動規制部が設けられ、ステアリングコラムは、チルト調整によってニュートラル位置から上下にそれぞれθ1、θ2まで揺動可能であって、コラム回動規制部は、ニュートラル位置から上下にそれぞれθ1、θ2に余裕を持たせたθ1、θ2より大きいθ3、θ4までのステアリングコラムの揺動を許容し、θ3、θ4を超える揺動を規制し、ステアリングコラムが車体取り付け部から離脱し、チルトピボットだけの拘束となったときに、コラム回動規制部によってステアリングコラムの回転が規制され前記ステアリングコラムが跳ね上がり及び落下するのを止めることを特徴とする、電動パワーステアリング装置を提供する。
本発明においてはステアリングコラムの揺動を規制するのにチルトストロークを満たす角度よりも僅かに大きい基準角度を決める。チルトピボットの回転角がそれに相当する角度に達したとき、強制的にステアリングコラムの揺動を止めるように、回転に抗するストッパ突起のようなコラム回動規制部を配置する。このようなコラム回動規制部を配置した場合、チルト調整操作においてはチルトピボットが基準角度に相当する回転角に達しないことから、ステアリングコラムの揺動は少しも妨げられず、ステアリングコラムをスムーズに所望の角度に傾けることができる。一方、回転角に達したときはストッパ突起が相手の面と接触するためにステアリングコラムはもはや回転することができず、揺動が止まる。これにより、ステアリングコラムの揺動を抑制の利いた節度あるものとすることができる。
したがって、ステアリングコラムの車輌への搭載では仮組みするスクリューあるいはストッパなどの回転阻止手段を使用しないでステアリングコラムが下方へ回転するのを止めることが可能で、利便性が高まることにより組み立て作業性を格段に向上させることができる。また、高荷重が働いてステアリングコラムが車体取り付け部から離脱する場合も、ステアリングコラムが跳ね上がり、または落下するのを止めることが可能になり、乗員保護装置などの適切な作動に大きく寄与することができる。
図1は、本発明による電動パワーステアリング装置の一実施の形態を示す側面図である。 図2は、本発明のチルトクランプを示す、図1のA−A線に沿う断面図である。 図3(a)および(b)は、図1に示されるコラム回動規制部の詳細を示す図であり、図3(a)はコラム回動規制部の側面図、図3(b)は図3(a)のB−B線に沿う一部省略断面図である。 図4は、ステアリングコラム車輌搭載時、本発明に係るコラム回動規制部で下方に回転しようとするステアリングコラムを止めたときの様子を示す動作説明図である。 図5は、本発明に係るコラム回動規制部で上方に跳ね上がろうとするステアリングコラムを止めたときの様子を示す動作説明図である。 図6は、本発明に係るコラム回動規制部で下方に落下しようとするステアリングコラムを止めたときの様子を示す動作説明図である。 図7は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の異なる実施の形態を示す側面図である。 図8(a)および(b)は、図7に示されるコラム回動規制部の詳細を示すもので、図8(a)はコラム回動規制部の側面図、図8(b)は図8(a)の矢印X方向から見た図である。 図9は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の異なる実施の形態を示す側面図である。 図10(a)および(b)は、図9に示されるコラム回動規制部の詳細を示すもので、図10(a)は図9の矢印Y方向から見た図、図10(b)は図9の矢印Z方向から見た図である。 図11は、従来の電動パワーステアリング装置の一例を示す側面図である。 図12は、従来のチルトクランプを示す、図11のC−C線に沿う断面図である。 図13は、従来のチルトピボットを示す、図11の矢印W方向から見た図である。 図14は、ステアリングコラム車輌搭載時、従来技術でロアブラケットを車体に固定したときにステアリングコラムが下方に回転する様子を示す動作説明図である。 図15は、従来技術でステアリングコラムが車体から離脱したときに跳ね上がる様子を示す動作説明図である。 図16は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の異なる実施の形態を示す側面図である。 図17は、本発明に係る電動パワーステアリング装置の異なる実施の形態を示す側面図である。
本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1において、本発明の電動パワーステアリング装置はステアリングコラム1と、このステアリングコラム1の内部に回転自在に設けられるステアリングアッパシャフト2とを有する。図示は省略するが、エネルギ吸収式ステアリングコラムとしてステアリングアッパシャフト2はアウタシャフトとインナシャフトとに分割し、双方のシャフトをセレーションなどの手段を用いて摺動自在に結合している。また、ステアリングコラム1はアウタコラム3とインナコラム4とに分割し、双方のコラムを摺動可能に結合している。
電動パワーステアリング装置はステアリングコラム1のインナコラム4に連設される電動アシスト装置5を備える。この電動アシスト装置5はギヤハウジング6内に配置される、アウトプットシャフト7と一体に回転するウォームホイールを有し、このウォームホイールは電動モータ8の主軸と連結したウォームとかみ合っている。このため、ウォームの回転に従って適度の減速を伴ってウォームホイールが回転し、アウトプットシャフト7に電動モータ8によるアシスト力が伝達されるようになっている。なお、ステアリングアッパシャフト2には図示しないステアリングホイールが取り付けられる。また、アウトプットシャフト7は図示しない中間シャフトを介して操舵系と連結される。
また、電動パワーステアリング装置はステアリングコラム1をアッパブラケットに緊締するチルトクランプ9およびステアリングコラムを揺動するチルトピボット10を含む、チルト機構を備える。
図2に示すように、チルトクランプ9は車体に固定されるアッパブラケット11の一対の締付け板部12a、12bでステアリングコラム1のアウタコラム3と結合したディスタンスブラケット13の一対の鉛直板部14a、14bを挟持し、締付け板部12a、12bおよび鉛直板部14a、14bを挿通して設けられる軸杆部材15をレバー16とテーパ嵌合したナット17で締め上げて鉛直板部14a、14bを締付け板部12a、12bの間に固定する。アッパブラケット11の締付け板部12a、12bには軸杆部材15が貫通する縦方向の長孔18が各々形成される。この長孔18はチルト調整操作でチルトピボットを中心にステアリングコラム1がニュートラル位置から上下にそれぞれ角度θ1、角度θ2まで揺動可能(図1参照)であるとすれば、そのときの軸杆部材15の移動を妨げない長さを有する。
一方、チルトピボット10は車体に取り付けられる、断面逆U字状のロアブラケット19(図3(a)参照)に装着される、2本のピン部材20にギヤハウジング6から延びるヨーク部材21を係合したものである。このような構成によりチルトクランプ9がアンクランプ状態であるとき、ステアリングコラム1をピン部材20を中心として揺動することが可能である。
また、本実施の形態においてはロアブラケット19とギヤハウジング6との間にステアリングコラム1の揺動を規制するコラム回動規制部22を備える。
このコラム回動規制部22は、図3(a)(b)に示すように、ロアブラケット19にチルトピボット10のピン部材20よりも下方でヨーク部材21と対向して形成される一対の第1ストッパ突起23a、23bと、チルトピボット10のピン部材20よりも上方でヨーク部材21と対向して形成される第2ストッパ突起24とからなる。第1ストッパ突起23a、23bはブラケット下端から斜め下方に突出し、突起先端がヨーク部材21の正面fとある間隙を保って対峙する。第2ストッパ突起24はブラケット上端から垂直に突出しており、突起先端がヨーク部材21の正面fとある間隙を保って対峙する。
チルトピボット10の回転角はチルトストロークを満たすだけでなく、それ以上の回転角まで回転可能であるが、この回転角について下限および上限を定める。チルトストロークを満たすようにニュートラル位置から下方に角度θ1、上方に角度θ2まで揺動可能(図1参照)であるとき、回転角は角度θ1、θ2に一定の余裕を持たせるある角度を加えた角度θ3、θ4を基準としてその下限および上限を決定する。したがって、この基準角度θ3に相当する回転角に達するまでチルトピボット10が下方に揺動する間は、第1ストッパ突起23a、23bの先端とヨーク部材21の正面fとの間には間隙が保持され、一方、基準角度θ4に相当する回転角に達するまで上方に揺動する間も、第2ストッパ突起24の先端とヨーク部材21の正面fとの間には間隙が保持される。
チルトピボット10がそれ以上の回転角に達したとき、2つの部材間の間隙は消滅し、このとき、第1ストッパ突起23a、23bとヨーク部材21との接触により、下方へ揺動するステアリングコラム1が拘束される。一方、第2ストッパ突起24とヨーク部材21との接触により、上方へ揺動するステアリングコラム1が拘束される。
このような電動パワーステアリング装置において、チルト調整操作では第1ストッパ突起23a、23bとヨーク部材21の正面fとの間、第2ストッパ突起24とヨーク部材21の正面fとの間の間隙が保持されることで、ニュートラル位置から所定の角度(θ1、θ2)までステアリングコラム1をスムーズに傾けることができる。
一方、ステアリングコラム車輌搭載時には、ステアリングコラム1がピン部材20を中心として下方に回転しようとする。回転角が増したとき、図4に示すように、第1ストッパ突起23a、23bにヨーク部材21が接触し、ステアリングコラム1はもはやそれ以上回転することができず、下方への揺動が止まる。
このようにステアリングコラム1の揺動を抑制の利いた節度あるものとすることが可能で、たとえば、ステアリングコラム1の回転に抗するストッパ等の手段を使用するまでもなく、ステアリングコラム1を都合よく車体に取り付けることができる。
一方、ステアリングホイール側からの高荷重でステアリングコラム1が車体取り付け部から離脱したとき、上向きの曲げモーメントによってチルトピボット10だけの拘束となったステアリングコラム1が上方に跳ね上がろうとする。回転角が増したとき、図5に示すように、第2ストッパ突起24にヨーク部材21が接触し、ステアリングコラム1はもはやそれ以上回転することができず、上方への跳ね上がりが止まる。
このように上方へのステアリングコラム1の揺動を節度あるものとすることで、上向きの自由な動きを規制することができる。したがって、ステアリングコラム跳ね上がり防止のための機構を用いず、第2ストッパ突起24という、既存の要素に付加する極めて簡素な手段によってステアリングコラム1の跳ね上がりを防止することが可能になる。
また、ステアリングホイール側からの高荷重でステアリングコラム1が車体取り付け部から離脱したとき、チルトピボット10だけの拘束となったステアリングコラム1が下方に脱落しようとする。回転角が増したとき、図6に示すように、第1ストッパ突起23a、23bにヨーク部材21が接触し、ステアリングコラム1はもはやそれ以上回転することができず、下方への落下が止まる。
このように下方へのステアリングコラム1の揺動を節度あるものとすることで、下向きの自由な動きを規制することができる。したがって、ステアリングコラム脱落防止のための機構を用いず、第1ストッパ突起23a、23bという、既存の要素に付加する極めて簡素な手段によってステアリングコラム1の脱落を防ぐことが可能になる。
本実施の形態においてはステアリングコラム1の車輌への搭載では仮組みするスクリューあるいはストッパなどの回転阻止手段を使用せずにステアリングコラム1が下方へ回転するのを止めることが可能で、利便性が高まることにより組み立て作業性を格段に向上させることができる。
また、高荷重が働いてステアリングコラム1が車体取り付け部から離脱する場合も、ステアリングコラム1が跳ね上がり、または落下するのを止めることが可能になり、乗員保護装置などの適切な作動に大きく寄与することができる。
なお、本実施の形態において、図16に示すように、ギアハウジング6におけるロアブラケット19への対向面に対して、第1のストッパ突起23’および第2のストッパ突起24’を上下に離間させて設けるようにしてもよい。これによりステアリングコラム1のチルトピボッド10を中心とした上下動を、第1のストッパ突起23’および第2のストッパ突起24’をロアブラケット19に当接させることにより規制することができる。これにより、図1から図6に示した構造と同様の効果を得ることができる。なお、こうした第1のストッパ突起23’および第2のストッパ突起24’は、図16に示すように、ギアハウジング6におけるロアブラケット19への対向面にボルト101により固定された取付部材102の一部として設けてもよいが、図17に示すようにギアハウジング6に対して直接設けた突起であってもよい。
本発明の上記と異なる実施の形態について説明する。図7において、本実施の形態のチルトピボット10は車体に取り付けられる、断面逆U字状のロアブラケット25に装着される軸部材26(図8(a)(b)参照)にギヤハウジング6の下端部を直接系合させたものである。このような構成によりチルトクランプ9がアンクランプ状態であるとき、ステアリングコラム1を軸部材26を中心として揺動させることが可能である。
また、本実施の形態ではロアブラケット25とギヤハウジング6との間にステアリングコラム1の回動を規制するコラム回動規制部27を備える。
このコラム回動規制部27は、図8(a)に示すように、ギヤハウジング6の上部に軸部材26の両側でロアブラケット25と対向して形成される第1ストッパ突起28と第2ストッパ突起29とからなる。第1ストッパ突起28および第2ストッパ突起29は、図8(b)に示すように、共にギヤハウジング6から垂直に突出しており、突起先端がロアブラケット25の下面fとある間隙を保って対峙する。
チルトピボット10の回転角はチルトストロークを満たすだけでなく、それ以上の回転角まで回転可能で、この回転角について下限および上限を定める。チルトストロークを満たすようにニュートラル位置から下方に角度θ1、上方に角度θ2まで揺動可能(図7参照)であるとき、回転角は角度θ1、θ2に一定の余裕を持たせるある角度を加えた角度θ3、θ4を基準としてその下限および上限を決定する。したがって、この基準角度θ3に相当する回転角に達するまでチルトピボット10が下方に揺動する間は、第1ストッパ突起28の先端とロアブラケット25の下面fとの間には間隙が保持され、一方、基準角度θ4に相当する回転角に達するまで上方に揺動する間も、第2ストッパ突起29の先端とロアブラケット25の下面fとの間には間隙が保持される。
チルトピボット10がそれ以上の回転角に達したとき、対峙する2つの部材間の間隙は消滅し、このとき、第1ストッパ突起28とロアブラケット25との接触により、下方へ揺動するステアリングコラム1が拘束される。一方、第2ストッパ突起29とロアブラケット25との接触により、上方へ揺動するステアリングコラム1が拘束される。
本実施の形態ではステアリングコラム車輌搭載時にはステアリングコラム1がピン部材20を中心として下方に回転しようとする。回転角が増したとき、ロアブラケット25に第1ストッパ突起28が接触するためにステアリングコラム1はそれ以上回転することができず、下方への揺動が止まる。
このようにステアリングコラム1の揺動を節度あるものとすることが可能であって、たとえば、ステアリングコラム1の回転に抗するスクリューあるいはストッパ等の手段を使用するまでもなく、ステアリングコラム1を都合よく車体に取り付けることができる。
また、ステアリングホイール側からの高荷重でステアリングコラム1が車体取り付け部から離脱したとき、上向きの曲げモーメントによってチルトピボット10だけの拘束となったステアリングコラム1が上方に跳ね上がろうとする。回転角が増したとき、ロアブラケット25に第2ストッパ突起29が接触し、ステアリングコラム1はもはやそれ以上回転することができず、上方への跳ね上がりが止まる。
このように上方へのステアリングコラム1の揺動を節度あるものとすることで、上向きの自由な動きを規制することがきる。したがって、ステアリングコラム跳ね上がり防止のための機構を用いず、第2ストッパ突起29という、既存の要素に付加する極めて簡素な手段によってステアリングコラム1の跳ね上がりを防止することが可能になる。
また、ステアリングホイール側からの高荷重でステアリングコラム1が車体取り付け部から離脱したとき、チルトピボット10だけの拘束となったステアリングコラム1が下方に脱落しようとする。回転角が増したとき、ロアブラケット25に第1ストッパ突起28が接触するためにステアリングコラム1はもはやそれ以上回転することができず、下方への落下が止まる。
このように下方へのステアリングコラム1の揺動を節度あるものとすることで、下向きの自由な動きを規制することがきる。したがって、ステアリングコラム脱落防止のための機構を用いず、第1ストッパ突起28という、既存の要素に付加する極めて簡素な手段によってステアリングコラム1の脱落を防止することが可能になる。
本発明の上記と異なる実施の形態を説明する。図9において、本実施の形態ではチルトピボット10はギヤハウジング6とステアリングコラム1のインナコラム4との間にステアリングコラム軸心と同心を保って配置される。このチルトピボット10はギヤハウジング6に取り付けられたブラケット30のストッパ突起(後記)に装着される2本のピン部材31にインナコラム4の下端から延びるヨーク部材32を係合させたものである。このような構成によりチルトクランプ9がアンクランプ状態であるとき、ステアリングコラム1をピン部材31を中心として揺動することが可能である。本実施の形態ではブラケット30とインナコラム4との間にステアリングコラム1の揺動を規制するコラム回動規制部33を備える。なお、図中符号34はロアブラケットを示している。
このコラム回動規制部33は、図10(a)に示すように、ブラケット30にチルトピボット10のピン部材31よりも下方でヨーク部材32と対向し、互いの間に一定の距離を置いて形成される一対のストッパ突起35a、35bと、図10(b)に示すように、ブラケット30にチルトピボット10のピン部材31よりも上方でヨーク部材32と対向し、互いの間に一定の距離を置いて形成される一対のストッパ突起36a、36bとからなる。このストッパ突起35a、35bはブラケット面から共にステアリングコラム軸心と平行に突出し、突起先端がヨーク部材32の正面fとある間隙を保って対峙する。ストッパ突起36a、36bもブラケット面から共にステアリングコラム軸心と平行に突出し、突起先端がヨーク部材32の正面fとある間隙を保って対峙する。
本実施の形態において、チルトピボット10の回転角について下限および上限を定める。チルトストロークを満たすようにニュートラル位置から下方に角度θ1、上方に角度θ2まで揺動可能(図9参照)であるとき、回転角は角度θ1、θ2に一定の余裕を持たせるある角度を加えた角度θ3、θ4を基準としてその下限および上限を決定する。したがって、この基準角度θ3に相当する回転角に達するまでチルトピボット10が下方に揺動する間は、第1ストッパ突起35a、35bの先端とヨーク部材32の正面fとの間には間隙が保持され、一方、基準角度θ4に相当する回転角に達するまで上方に揺動する間も、第2ストッパ突起36a、36bとヨーク部材32の正面fとの間には間隙が保持される。
チルトピボット10がそれ以上の回転角に達したとき、対峙する2つの部材間の間隙は消滅し、このとき、第1ストッパ突起35a、35bとヨーク部材32との接触により、下方へ揺動するステアリングコラム1が拘束される。一方、第2ストッパ突起36a、36bとヨーク部材32との接触により、上方へ揺動するステアリングコラム1が拘束される。
なお、図10(a)(b)に示すように、ブラケット30は3個のボルト37によってギヤハウジング6に固定される。
本実施の形態ではステアリングコラム車輌搭載時にはステアリングコラム1がピン部材20を中心として下方に回転しようとする。回転角が増したとき、第1ストッパ突起35a、35bにヨーク部材32が接触するためにステアリングコラム1はそれ以上回転することができず、下方への揺動が止まる。
このようにステアリングコラム1の揺動を節度あるものとすることが可能であって、たとえば、ステアリングコラム1の回転に抗するストッパ等の手段を使用するまでもなく、ステアリングコラム1を都合よく車体に取り付けることができる。
また、ステアリングホイール側からの高荷重でステアリングコラム1が車体取り付け部から離脱したとき、上向きの曲げモーメントによってチルトピボット10だけの拘束となったステアリングコラム1が上方に跳ね上がろうとする。回転角が増したとき、第2ストッパ突起36a、36bにヨーク部材32が接触するためにステアリングコラム1はもはやそれ以上回転することができず、上方への跳ね上がりが止まる。
また、ステアリングホイール側からの高荷重でステアリングコラム1が車体取り付け部から離脱したとき、チルトピボット10だけの拘束となったステアリングコラム1が下方に脱落しようとする。回転角が増したとき、第1ストッパ突起35a、35bにヨーク部材32が接触するためにステアリングコラム1はもはやそれ以上回転することができず、下方への落下が止まる。
このように上方あるいは下方へのステアリングコラム1の揺動を節度あるものとすることで、上向きあるいは下向きの自由な動きを規制することができる。したがって、第2ストッパ突起36a、36bまたは第1ストッパ突起35a、35bという、既存の要素に付加する極めて簡素な手段によってステアリングコラム1の跳ね上がりまたは脱落を防止することが可能になる。
以上説明したように、本発明によれば、ステアリングコラムの車輌への搭載で仮組みするスクリューあるいはストッパなどの回転阻止手段を使用しないでステアリングコラムが下方へ回転するのを止めることが可能で、利便性が高まることにより組み立て作業性を格段に向上させることができる。
また、高荷重が働いてステアリングコラムが車体取り付け部から離脱する場合も、ステアリングコラムが跳ね上がり、または落下するのを止めることが可能になり、乗員保護装置などの適切な作動に大きく寄与することができる。
以上、本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2003年9月25日出願の日本特許出願(特願2003−333840)、に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明は、車輌の操舵系に組み込まれて、バッテリからの電気の供給を受ける電動モータによって操舵補助力を与えることにより、車輌操舵における運転者の負担を軽減する電動パワーステアリング装置として好適に利用することができる。

Claims (4)

  1. 車体に固定されたアッパブラケットと、
    前記アッパブラケットの一対の締め付け板部の間に配置されたステアリングコラムと、
    前記ステアリングコラム内に回転自在に設けられたステアリングシャフトと、
    前記ステアリングコラムを前記アッパブラケットの締め付け板部の間に緊締するチルトクランプおよび前記ステアリングコラムを揺動するチルトピボットを備えたチルト機構と、
    前記ステアリングコラムの下端にあって電動モータによるアシスト力をアウトプットシャフトに伝達する電動アシスト装置と、
    前記電動アシスト装置のステアリングコラム側と反対側で車体に固定され、前記チルトピボットの枢軸を支承するロアブラケットとを備え、
    前記チルトピボットの枢軸に前記電動アシスト装置のハウジングが連結部材を介して遊動可能に係合されて、前記ステアリングコラムが前記枢軸を中心として揺動可能とされ、
    前記ロアブラケットと前記連結部材との間にコラム回動規制部が設けられ、
    前記ステアリングコラムは、チルト調整によってニュートラル位置から上下にそれぞれθ1、θ2まで揺動可能であって、
    前記コラム回動規制部は、前記ニュートラル位置から上下にそれぞれ前記θ1、θ2に余裕を持たせた前記θ1、θ2より大きいθ3、θ4までの前記ステアリングコラムの揺動を許容し、前記θ3、θ4を超える揺動を規制し、
    前記ステアリングコラムが車体取り付け部から離脱し、前記チルトピボットだけの拘束となったときに、前記コラム回動規制部によって前記ステアリングコラムの回転が規制され前記ステアリングコラムの跳ね上がり及び落下を止めることを特徴とする、電動パワーステアリング装置。
  2. 前記コラム回動規制部は、前記ロアブラケットに前記チルトピボットの枢軸よりも下方で前記連結部材と対向し、前記連結部材との間に決められた間隙を保って形成される一対の第1ストッパ突起と、
    前記チルトピボットの枢軸よりも上方で前記連結部材と対向し、前記連結部材との間に決められた間隙を保って形成される第2ストッパ突起とを有する、請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
  3. 車体に固定されたアッパブラケットと、
    前記アッパブラケットの一対の締め付け板部の間に配置されたステアリングコラムと、
    前記ステアリングコラム内に回転自在に設けられたステアリングシャフトと、
    前記ステアリングコラムを前記アッパブラケットの締め付け板部の間に緊締するチルトクランプおよび前記ステアリングコラムを揺動するチルトピボットを備えたチルト機構と、
    前記ステアリングコラムの下端にあって電動モータによるアシスト力をアウトプットシャフトに伝達する電動アシスト装置と、
    前記電動アシスト装置のステアリングコラム側と反対側で車体に固定され、前記チルトピボットの枢軸を支承するロアブラケットとを備え、
    前記チルトピボットの枢軸に前記電動アシスト装置のハウジングが遊動可能に係合されて、前記ステアリングコラムが前記枢軸を中心として揺動可能とされ、
    前記ロアブラケットと前記ハウジングとの間にコラム回動規制部が設けられ、
    前記ステアリングコラムは、チルト調整によってニュートラル位置から上下にそれぞれθ1、θ2まで揺動可能であって、
    前記コラム回動規制部は、前記ニュートラル位置から上下にそれぞれ前記θ1、θ2に余裕を持たせた前記θ1、θ2より大きいθ3、θ4までの前記ステアリングコラムの揺動を許容し、前記θ3、θ4を超える揺動を規制し、
    前記ステアリングコラムが車体取り付け部から離脱し、前記チルトピボットだけの拘束となったときに、前記コラム回動規制部によって前記ステアリングコラムの回転が規制され前記ステアリングコラムの跳ね上がり及び落下を止めることを特徴とする、電動パワーステアリング装置。
  4. 前記コラム回動規制部は、前記ハウジングに前記チルトピボットの枢軸の両側で前記ロアブラケットと対向し、前記ロアブラケットとの間に各々決められた間隙を保って形成される第1ストッパ突起と第2ストッパ突起とを有する、請求項3記載の電動パワーステアリング装置。
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