JP5117829B2 - 筋緊張緩和装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電気治療技術に関し、特に筋に電気信号を印加することにより、筋の緊張を緩和させる技術に関する。
筋(筋肉)の力の入れ具合、いわゆる緊張度は、神経パルスにより刺激された筋細胞膜が興奮することで起こる。この興奮を生体から電気的に計測したものが筋電信号である。
筋電信号の時間的、あるいは空問的な分布を測定し、筋神経系の障害に対する診断やリハビリへ応用された医療分野における例(例えば、非特許文献1など参照)、あるいはスポーツ活動時の筋の活性状況をモニタすることで運動を解析するスポーツ科学への適用例(例えば、非特許文献2など参照)などが報告されている。
これらは、筋表面に電極パットを貼り、皮膚表面で測定される微弱な筋電信号を差動増幅回路等の手段で増幅し、部位ごとの信号強度や周波数成分の変化を対象となる部位の動作と関連づけながら調べることで行われている。
さらに、測定した筋電信号を模範となるモデルと比較し、差分を刺激として測定対象にフィードバックすることで運動学習を行う例(例えば、特許文献1など参照)がある。
一方、音響分野の技術として、周りの騒音をマイクロホンで検出し、それと逆位相の音響信号を生成してへッドフォン内部のスピーカーを駆動することで、環境騒音を打ち消すノイズキャンセルへッドホン(例えば、非特許文献3など参照)が提案されている。
特開平7−36362号公報 星宮望他、「筋運動制御系」、MBEトピックシリーズ第3巻、株式会社昭晃堂、pp19-29、1993年初版発行 スポーツ科学研究、3、pp18-29、2006年 http://www.audio-technica.co.jp/atj/sc/ath-anc7/index.html
肩こりに代表される身体の凝りは多くの場合、不自然な姿勢やストレス、あるいは他の理由により、無意識のうちに力が入った状態が継続し、それがもとで血行不良を引き起こし、凝りという症状となって現れる。一般に、なで肩の人に肩こりが多いというのはこの理由による。さらに、痙攣等の発作、手足の攣り(こむら返り)は筋が急激に収縮することにより起こる。
従来技術は、このような症状に対して、筋電信号を計測し、その結果により緊張している部位を対象者に知らせる、あるいは刺激により新たな運動を外部から誘導することを可能とするものである。
一方、運動をスムーズに行うためには力を入れることと同じぐらい力を抜くことも重要であり、熟練者は力を抜くタイミングを部位ごとにコントロールすることでそのパフォーマンスを可能としている。
しかしながら、前述した従来技術は、日常生活において無意識のうちに力が入る、あるいは疾患の症状として急激な筋収縮が起こる、あるいはスムーズな動きをしようとするものの力が入ってできない、というケースに対応できず、「力を抜く」ということを意識的にコントロールすることはできないという問題点があった。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、無意識に筋で発生する必要のない緊張を緩和することができる筋緊張緩和装置および方法を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる筋緊張緩和装置は、生体と電気的に接触して、筋から発生する筋電信号を検出する検出用電極と、この検出用電極で検出された筋電信号とは逆位相を示す逆位相信号を生成する信号発生回路と、この信号発生回路により生成された逆位相信号を加工調整することによりフィードバック信号を生成する信号処理回路と、生体と電気的に接触して、信号処理回路により生成されたフィードバック信号を筋へ出力する出力用電極とを備えている。
この際、信号処理回路に、逆位相信号の位相を調整することにより、筋における筋電信号とフィードバック信号との位相差を補償する位相調整器を設けてもよい。
また、信号処理回路に、逆位相信号の信号強度を調整することにより、筋における筋電信号とフィードバック信号との信号強度差を補償する強度調整器を設けてもよい。
また、生体と電気的に接触して、筋電信号とフィードバック信号とが合成された結果をモニタ信号として検出するモニタ用電極とをさらに備え、位相調整器で、モニタ用電極で検出されたモニタ信号に基づいて逆位相信号の位相を微調整するようにしてもよい。
また、生体と電気的に接触して、筋電信号とフィードバック信号とが合成された結果をモニタ信号として検出するモニタ用電極とをさらに備え、位相調整器で、モニタ用電極で検出されたモニタ信号に基づいて逆位相信号の信号強度を微調整するようにしてもよい。
また、信号処理回路に、生成したフィードバック信号に含まれる高周波数成分を除去して出力用電極へ出力するローパスフィルタを設けてもよい。
また、信号処理回路に、生成したフィードバック信号を所定の保持期間だけ出力用電極へ保持出力する動作と、所定の停止期間だけ出力用電極に対するフィードバック信号の出力を停止する動作とを、交互に繰り返し実行する出力保持器を設けてもよい、
また、信号処理回路に、生成したフィードバック信号の信号強度が、所定の閾値を越えた場合、当該フィードバック信号の出力を停止する出力監視器を設けてもよい。
また、本発明にかかる筋緊張緩和方法は、生体の筋から検出用電極で検出された筋電信号とは逆位相を示す逆位相信号を生成し、この逆位相信号を加工調整することによりフィードバック信号を生成して出力用電極から筋へ出力する。
本発明によれば、筋の緊張の原因となる筋の活動電位をフィードバック信号で補償あるいは緩和することができ、結果として筋の緊張を緩和することが可能となる。このため、物を持ち上げるなど筋を意識的に作用させる場合以外に、無意識に力が入ってしまうような必要のない筋緊張を緩和することができる。
例えば、ストレス、不自然な姿勢、なで肩等の体型的特徴などが原因で無意識に力が入ってしまう場合がある。このように無意識に筋の緊張が持続し筋の凝りなどを発症する場合に、本装置を該当部位に装着すれば、筋の緊張が緩和され血行が改善されるので、症状を緩和することができる。
また、痙攣、こむら返りなどの強い緊張により、意識的に筋の緊張を解こうとしてもできないような症状が発生した場合でも、本装置により随時緩和することができる。
また、例えばゴルフなどのスイングにおいて熟練者ほど無駄な力が入らずスムーズなスイングを行うことができるが、一方初心者ほど肩に力が入り動作がぎこちない。これは、不慣れなことに臨むあまりの精神的な緊張が筋に伝わったことに起因する。このような運動や作業を習得する場においても、リラックスしたい部位に本装置を装着することで緊張が緩和され、リラックスした状態を体感しコツを掴むことが可能となる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の構成を示すブロック図である。
筋緊張緩和装置10は、信号処理装置からなり、生体の筋(筋肉)から検出した筋電信号11Sに応じた電気信号を生成して当該生体へ出力することにより、筋の緊張を緩和させる機能を有している。
この筋緊張緩和装置10には、主な機能部として、検出用電極11、信号発生回路12、信号処理回路13、および出力用電極14が設けられている。
検出用電極11は、導電性の電極からなり、生体の皮膚表面に貼着し、皮膚表面で発生する筋電信号11Sを検出する機能を有している。
信号発生回路12は、専用の位相変換回路からなり、検出用電極11から入力された筋電信号11Sの位相変換を行うことにより、筋電信号11Sとは逆位相を示す逆位相信号12Sを発生させる機能を有している。
信号処理回路13は、専用の信号処理回路からなり、信号発生回路12から入力された逆位相信号12Sの位相と信号強度を調整し、フィードバック信号13Sとして出力する機能を有している。
図2は、本発明の第1の実施の形態にかかる信号処理回路の構成を示すブロック図である。信号処理回路13は、主な機能部として、位相調整器13Aと強度調整器13Bが設けられている。
位相調整器13Aは、信号発生回路12で生成された逆位相信号12Sを時間的に遅延させる機能を有している。強度調整器13Bは、逆位相信号12Sの振幅を調整する機能を有している。
出力用電極14は、導電性の電極からなり、検出用電極11と並べて生体の筋に沿って皮膚表面に貼着し、信号処理回路13から出力されたフィードバック信号13Sを生体の皮膚表面へ出力する機能を有している。
[第1の実施の形態の動作]
次に、図3を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の動作について説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の筋緊張緩和動作を示すフローチャートである。
検出用電極11は、生体の皮膚に予め貼着させてあり、生体の筋で発生した筋電信号11Sを検出し、信号発生回路12へ出力する(ステップ100)。この筋電信号11Sは微弱であることから、ノイズの影響を避けるために検出用電極11の接触抵抗をできるだけ下げ、必要に応じてアースを取ることが望ましい。また、検出用電極11そのものに差動増幅器を内蔵し、筋電信号11Sを予め適当な信号強度に増幅して信号発生回路12へ出力することにより、S/N比を上げるようにしてもよい。
脊髄から神経を経て筋のほぼ中央部にある神経筋接合部に伝わった筋への指令は、4m/S程度の速度で伝達することで筋を収縮させる。このため、効果的に筋への指令を検出して筋全体の緊張を緩和するためには、検出用電極11を神経筋接合部付近に貼着することが望ましい。
次に、信号発生回路12は、緊張している筋を緩和させる信号を発生するため、検出用電極11から入力された、緊張している筋からの筋電信号11Sの位相変換を行うことにより、筋電信号11Sとは逆位相を示す逆位相信号12Sを発生させる(ステップ101)。
続いて、信号処理回路13は、信号発生回路12から入力された逆位相信号12Sの位相と信号強度を調整し、フィードバック信号13Sとして出力する(ステップ102)。
筋電信号11Sを元の筋にフィードバックするときには、検出用電極11と出力用電極14の貼着位置の違いによって、位相差や信号強度(信号振幅)の違いがある。このため、信号処理回路13は、筋電信号11S信号の位相を位相調整器13Aで調整するとともに、筋電信号11S信号の信号強度を強度調整器13Bで調整して、筋電信号11S信号を補償する。
筋の活動電位の伝達速度は、筋の状態や個人差もあるが、大体決まっている。したがって、検出用電極11と出力用電極14を一体化させ、双方の間隔を一定にしておけば、遅延時間を予めおおよそ計算して、その値だけ位相を調整することが可能となる。また、筋電信号11Sの周波数はせいぜい200Hz程度までなので、波長にすると数〜十数cm程度である。これは、検出用電極11と出力用電極14の間隔より長いため、厳密でなくても比較的容易に調整でき、微調整については手動で補正すればよい。
また、信号強度についても、同様に筋の状態や個人差はあるものの、減衰比率はほぼ決まっている。このため、減衰比率を大体あわせておき、微調整については手動で補正すればよい。
なお、位相や信号強度を手動で微調整する構成については、操作に応じて回路定数が変化する回路部品を用いるなど、一般的な公知の技術を用いればよい。
次に、出力用電極14は、検出用電極11と並べて筋に沿って皮膚表面に貼着させてあり、信号処理回路13から出力されたフィードバック信号13Sを生体の皮膚表面へ出力し(ステップ103)、ステップ100へ戻って、新たに検出した筋電信号11Sに応じた筋緊張緩和動作を繰り返し実行する。
この際、検出用電極11と出力用電極14は、一体の電極ユニットとしてパッケージ化してもよい。これにより、皮膚表面における互いの貼着間隔が常時一定に保たれるため、筋電信号11Sとフィードバック信号13Sとの関係を一定に保つことができ、信号処理回路13での調整ずれを抑制することができる。なお、出力用電極14の貼着位置は、検出用電極11に比べて筋の末端側とする。
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、検出用電極で検出された筋電信号とは逆位相を示す逆位相信号を生成し、この逆位相信号を加工調整することによりフィードバック信号を生成して出力用電極から筋へ出力するようにしたので、筋の緊張の原因となる筋の活動電位をフィードバック信号で補償あるいは緩和することができ、結果として筋の緊張を緩和することが可能となる。
このため、物を持ち上げるなど筋を意識的に作用させる場合以外に、無意識に力が入ってしまうような必要のない筋緊張を緩和することができる。
例えば、ストレス、不自然な姿勢、なで肩等の体型的特徴などが原因で無意識に力が入ってしまう場合がある。このように無意識に筋の緊張が持続し筋の凝りなどを発症する場合に、本装置を該当部位に装着すれば、筋の緊張が緩和され血行が改善されるので、症状を緩和することができる。
また、痙攣、こむら返りなどの強い緊張により、意識的に筋の緊張を解こうとしてもできないような症状が発生した場合でも、本装置により随時緩和することができる。
また、例えばゴルフなどのスイングにおいて熟練者ほど無駄な力が入らずスムーズなスイングを行うことができるが、一方初心者ほど肩に力が入り動作がぎこちない。これは、不慣れなことに臨むあまりの精神的な緊張が筋に伝わったことに起因する。このような運動や作業を習得する場においても、リラックスしたい部位に本装置を装着することで緊張が緩和され、リラックスした状態を体感しコツを掴むことが可能となる。
また、本実施の形態では、信号処理回路において、入力された逆位相信号12Sの位相と信号強度の両方を調整する場合を例として説明したが、位相と信号強度のいずれか一方のみを調整するようにしてもよい。例えば、筋電信号11Sとフィードバック信号13Sとの位相がほぼ一致することが予め分かっている場合には、信号強度を調整する強度調整器13Bのみを用いればよく、逆に筋電信号11Sとフィードバック信号13Sとの信号強度がほぼ一致することが予め分かっている場合には、位相を調整する位相調整器13Aのみを用いればよい。
[第2の実施の形態]
次に、図4および図5を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置について説明する。図4は、本発明の第2の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の構成を示すブロック図であり、前述の図1と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。図5は、本発明の第2の実施の形態にかかる信号処理回路の構成を示すブロック図であり、前述の図2と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
第1の実施の形態では、信号処理回路13において逆位相信号12Sの位相および信号強度を調整する際、手動で微調整を行う場合を例として説明した。本実施の形態では、筋で筋電信号11Sとフィードバック信号13Sとが合成された結果に基づいて、逆位相信号12Sの位相および信号強度を微調整する場合について説明する。
本実施の形態にかかる筋緊張緩和装置10には、図4に示すように、第1の実施の形態と比較して、モニタ用電極15が追加されている。このモニタ用電極15は、導電性の電極からなり、生体の皮膚表面に貼着し、筋で筋電信号11Sとフィードバック信号13Sとが合成された結果をモニタ信号15Sとして検出する機能を有している。
信号処理回路13は、このモニタ用電極15で検出されたモニタ信号15Sに基づいて逆位相信号12Sとの信号強度を微調整する機能を有している。
本実施の形態にかかる信号処理回路13には、図5に示すように、第1の実施の形態と比較して、強度変換器13C、増減判定器13D、および制御信号生成器13Eが追加されている。強度変換器13Cは、モニタ用電極15で検出されたモニタ信号15Sの信号強度を検出する機能を有している。増減判定器13Dは、強度変換器13Cで検出されたモニタ信号15Sの信号強度の増減を判定する機能を有している。制御信号生成器13Eは、増減判定器13Dでの判定結果に応じた制御信号16Sを生成して位相調整器13Aおよび強度調整器13Bへ出力する機能を有している。
本実施の形態にかかる筋緊張緩和装置10の他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
[第2の実施の形態の動作]
次に、図6を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の動作について説明する。図6は、本発明の第2の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の筋緊張緩和動作を示すフローチャートであり、前述の図3と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
検出用電極11で信号を検出し、信号発生回路12で逆位相の信号を生成するステップまでは(ステップ100−103)、前述の図3と同じである。本実施の形態では、出力用電極14に並べてモニタ用電極15が貼着されていることである。このモニタ用電極15は出力用電極14のすぐ近くで筋に沿った末端側に貼着する。検出用、出力用、モニタ用の3つの電極を一体の電極ユニットとしてパッケージ化してもよく、これにより、皮膚表面における互いの貼着間隔が常時一定に保つたれるため、筋電信号11S、フィードバック信号13S、およびモニタ信号15Sの関係を一定に保つことができ、信号処理回路13での調整ずれを抑制することができる。
このモニタ用電極15は、筋から発生している本来の筋電信号11Sと筋に外部から印加されたフィードバック信号13Sが重ね合わさった結果をモニタ信号15Sとして検出するためのものである。したがって、これら信号が筋でうまく補償あるいは緩和されていれば、モニタ信号15Sは、検出用電極11で検出された筋電信号11Sの信号強度より小さい値を示すものとなる。
信号処理回路13は、逆位相信号12Sの位相ずれと信号強度を調整し、フィードバック信号13Sとして出力し(ステップ102)、出力用電極14は、このフィードバック信号13Sを生体の皮膚表面へ出力する(ステップ103)。
この後、モニタ用電極15は、生体の皮膚表面から、筋で筋電信号11Sとフィードバック信号13Sとが合成された結果をモニタ信号15Sとして検出する(ステップ200)。
信号処理回路13の強度変換器13Cは、筋電信号S11で正規化されたモニタ信号15Sの信号の信号強度を求め、増減判定器13Dは、強度変換器13Cでで得られた信号強度の増減を判定する(ステップ201)。
ここで、信号強度が増加傾向にある場合、制御信号生成器13Eは、前回の微調整とは逆方向に逆位相信号12Sの位相および信号強度を微調整するための制御信号16Sを生成する。一方、信号強度が減少傾向にある場合、制御信号生成器13Eは、前回の微調整と同一方向に当該信号強度が低下する方向に逆位相信号12Sの位相および信号強度を微調整するための制御信号16Sを生成する。
このようにして、モニタ信号15Sの信号強度に応じた制御信号16Sを生成して、位相調整器13Aおよび強度調整器13Bへ出力した後(ステップ202)、ステップ100へ戻って、新たに検出した筋電信号11Sに応じた筋緊張緩和動作を繰り返し実行する。これにより、位相調整器13Aおよび強度調整器13Bにおいて、モニタ信号15Sの信号強度に応じた逆位相信号12Sに対する位相および信号強度の微調整が行われる。
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、筋で筋電信号とフィードバック信号とが合成された結果をモニタ用電極で検出し、得られたモニタ信号に基づいて逆位相信号の位相および信号強度を微調整するようにしたので、モニタ信号が常に最小となるような自動制御を行うことができる。したがって、筋から発生している本来の筋電信号と筋に外部から印加されたフィードバック信号を、正確に補償あるいは緩和することができ、効果的に筋を緩和させることが可能となる。
また、本実施の形態では、信号処理回路において、入力された逆位相信号12Sの位相と信号強度の両方を微調整する場合を例として説明したが、位相と信号強度のいずれか一方のみを微調整するようにしてもよい。例えば、筋電信号11Sとフィードバック信号13Sとの位相がほぼ一致することが予め分かっている場合には、強度調整器13Bに対してのみ制御信号16Sを出力し、逆に筋電信号11Sとフィードバック信号13Sとの信号強度がほぼ一致することが予め分かっている場合には、位相調整器13Aに対してのみ制御信号16Sを出力すればよい。
[第3の実施の形態]
次に、図7を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置について説明する。図7は、本発明の第3の実施の形態にかかる信号処理回路の構成を示すブロック図であり、前述の図2と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
第1の実施の形態では、信号処理回路13において、入力された逆位相信号12Sの位相および信号強度を調整し、得られたフィードバック信号13Sをそのまま出力用電極14から筋へ出力する場合を例として説明した。本実施の形態では、信号処理回路13にローパスフィルタ13Fを設け、高周波数成分を除去したフィードバック信号13Sを出力する場合について説明する。
本実施の形態にかかる信号処理回路13には、図7に示すように、第1の実施の形態と比較して、ローパスフィルタ13Fが追加されている。このローパスフィルタ13Fは、位相調整器13Aおよび強度調整器13Bで調整されて得られたフィードバック信号の高周波数成分を除去して出力用電極14へ出力する機能を有している。
本実施の形態にかかる筋緊張緩和装置10の他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
[第3の実施の形態の動作]
次に、図8を参照して、本発明の第3の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の動作について説明する。図8は、本発明の第3の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の筋緊張緩和動作を示すフローチャートであり、前述の図3と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
信号処理回路13で逆位相信号12Sの位相および信号強度を調整するステップまでは(ステップ100−102)、前述の図3と同じである。この後、ローパスフィルタ13Fにより、逆位相信号12Sの位相および信号強度を調整して得られたフィードバック信号の高周波数成分を除去する(ステップ300)。
筋から発生する筋電信号は、200Hz程度まで周波数の分布を持ち、筋の遅筋繊維と速筋繊維の割合にも依存するが、主に50Hz付近にピークを持つことが知られている。このため、筋電信号の主成分である100Hz以下の低周波数成分からなるフィードバック信号を筋に出力するだけでも効果的が得られる。本実施の形態では、このような点に着目し、ローパスフィルタ13Fにおいて、逆位相信号12Sの位相および信号強度を調整して得られたフィードバック信号から、S/N比に影響を与える高周波成分を除去し、筋電信号11Sの主成分である100Hz以下の低周波数成分からなるフィードバック信号13Sを生成している。
この後、出力用電極14は、このフィードバック信号13Sを生体の皮膚表面へ出力すし(ステップ103)、ステップ100へ戻って、新たに検出した筋電信号11Sに応じた筋緊張緩和動作を繰り返し実行する。
[第3の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、信号処理回路のローパスフィルタで、フィードバック信号に含まれる高周波数成分を除去して出力用電極へ出力するようにしたので、S/N比に影響を与える高周波成分のないフィードバック信号を筋へ出力することができる。このため、筋に対して安定した緊張緩和作用を与えることが可能となる。
[第4の実施の形態]
次に、図9を参照して、本発明の第4の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置について説明する。図9は、本発明の第4の実施の形態にかかる信号処理回路の構成を示すブロック図であり、前述の図2と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
第1の実施の形態では、筋から検出した筋電信号11Sに応じたフィードバック信号13Sを生成して筋へ出力する場合を例として説明した。本実施の形態では、生成したフィードバック信号13Sを保持出力する動作と出力停止する動作とを交互に繰り返し実行する場合について説明する。
本実施の形態にかかる信号処理回路13には、図9に示すように、第1の実施の形態と比較して、出力保持器13Gが追加されている。この出力保持器13Gは、位相調整器13Aおよび強度調整器13Bで調整されて得られたフィードバック信号13Sを記憶して、所定の保持期間だけ出力用電極14へ保持出力する機能と、所定の停止期間だけフィードバック信号の出力を停止する機能と、これらフィードバック信号13Sの保持出力および出力停止を交互に繰り返し実行する機能とを有している。
なお、フィードバック信号13Sを記憶して保持出力する構成については、例えばA/D変換器でフィードバック信号13Sをデジタル化してメモリへ保存し、これを随時読み出してD/A変換器でアナログ化して出力するなど、一般的な公知の技術を用いればよい。
本実施の形態にかかる筋緊張緩和装置10の他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
[第4の実施の形態の動作]
次に、図10を参照して、本発明の第4の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の動作について説明する。図10は、本発明の第4の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の筋緊張緩和動作を示すフローチャートであり、前述の図3と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
信号処理回路13で逆位相信号12Sの位相および信号強度を調整するステップまでは(ステップ100−102)、前述の図3と同じである。
前述のように、出力用電極14は、検出用電極11に比べ活動電位が伝導する末端側に取り付けてあるが、出力用電極14から筋へ出力したフィードバック信号13Sが検出用電極11側に回り込んでしまうことがある。このような場合には、検出用電極11で検出した筋電信号11Sにフィードバック信号13Sが重畳され、これが筋電信号11Sと見なされてしまうため、有効なフィードバック信号13Sが得られなくなる。
本実施の形態では、ステップ102の後、出力保持器13Gにより、逆位相信号12Sの位相および信号強度を調整して得られたフィードバック信号13Sを記憶し(ステップ400)、保持したフィードバック信号を所定の保持期間、例えば1秒間だけ継続して出力する(ステップ401)。この保持期間中、検出用電極11で検出された新たな筋電信号11Sによらずフィードバック信号13Sは同一の信号を出力する。
その後、保持期間の終了に応じて、フィードバック信号13Sの出力を、所定の停止期間、例えば1秒間だけ停止して、検出用電極11で検出される信号の復帰を待ち(ステップ402)、停止期間終了後、ステップ100へ戻って、新たに検出した筋電信号11Sに応じた筋緊張緩和動作を繰り返し実行する。
[第4の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、信号処理回路の出力保持器で、フィードバック信号を所定の保持期間だけ出力用電極へ保持出力する動作と、所定の停止期間だけ出力用電極に対するフィードバック信号の出力を停止する動作とを、交互に繰り返し実行するようにしたので、検出用電極11に回り込んだフィードバック信号13Sの影響を避けて、筋から発生している本来の筋電信号11Sを補償して緩和するために有効なフィードバック信号13Sを生成することができる。
[第5の実施の形態]
次に、図11を参照して、本発明の第5の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置について説明する。図11は、本発明の第5の実施の形態にかかる信号処理回路の構成を示すブロック図であり、前述の図2と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
第1の実施の形態では、筋から検出した筋電信号11Sに応じたフィードバック信号13Sを生成してそのまま筋へ出力する場合を例として説明した。本実施の形態では、フィードバック信号13Sの信号強度を監視して、フィードバック信号13Sの出力制御を行う場合について説明する。
本実施の形態にかかる信号処理回路13には、図11に示すように、第1の実施の形態と比較して、出力監視器13Hが追加されている。この出力監視器13Hは、位相調整器13Aおよび強度調整器13Bで調整されて得られたフィードバック信号13Sの信号強度を所定の閾値と比較する機能と、信号強度が閾値を越えた場合には出力用電極14に対するフィードバック信号13Sの出力を停止する機能とを有している。
本実施の形態にかかる筋緊張緩和装置10の他の構成については、第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
[第5の実施の形態の動作]
次に、図12を参照して、本発明の第5の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の動作について説明する。図12は、本発明の第5の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の筋緊張緩和動作を示すフローチャートであり、前述の図3と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
信号処理回路13で逆位相信号12Sの位相および信号強度を調整するステップまでは(ステップ100−102)、前述の図3と同じである。
この際、得られたフィードバック信号13Sが検出用電極11に回り込み、何らかの理由で正帰還がかかって発散してしまう場合も考えられる。このような場合には、筋から発生している本来の筋電信号11Sより大きな信号強度のフィードバック信号13Sが出力用電極14から筋肉へ出力される可能性がある。
本実施の形態では、ステップ102の後、出力監視器13Hにより、逆位相信号12Sの位相および信号強度を調整して得られたフィードバック信号13Sの信号強度と予め設定されている閾値とを比較する(ステップ500)。
ここで、フィードバック信号13Sの信号強度が閾値以下であれば(ステップ500:YES)、前述と同様に当該フィードバック信号13Sを出力用電極14へ出力し(ステップ103)、ステップ100へ戻って、新たに検出した筋電信号11Sに応じた筋緊張緩和動作を繰り返し実行する。
一方、フィードバック信号13Sの信号強度が閾値を越えている場合(ステップ500:NO)、出力監視器13Hは、出力用電極14に対する当該フィードバック信号13Sの出力を停止し、一連の筋緊張緩和動作を終了する。
[第5の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態では、信号処理回路の出力監視器で、フィードバック信号の信号強度を監視し、信号強度が所定の閾値を越えた場合、当該フィードバック信号の出力を停止するようにしたので、過大な信号強度のフィードバック信号の出力を抑止することができる。したがって、例えばフィードバック信号が検出用電極に回り込み、何らかの理由で正帰還がかかって発散してしまう場合でも、過大な信号強度のフィードバック信号が出力されなくなり、安全な筋緊張緩和動作を行うことができる。
以上で説明した各実施の形態は、矛盾しない範囲で任意に組み合わせて実施することが可能であり、それぞれの実施の形態に応じた作用効果を同時に奏することができる。
本発明は、不自然な姿勢や精神的緊張等の理由により一定時間以上の筋緊張から肩こりや腰痛など整形外科的疾患を引き起こすことを予防し、あるいはその症状を緩和するための装置、痙攣やひきつけ等の神経性の疾患の症状を緩和するための装置、運動学習においてうまく力を抜くことでリラックスしてスムーズな運動を体感するための運動学習装置など、生体の筋で発生している緊張を緩和する装置に広く適用できる。
本発明の第1の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる信号処理回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の筋緊張緩和動作を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる信号処理回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の筋緊張緩和動作を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態にかかる信号処理回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の筋緊張緩和動作を示すフローチャートである。 本発明の第4の実施の形態にかかる信号処理回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の筋緊張緩和動作を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態にかかる信号処理回路の構成を示すブロック図である。 本発明の第5の実施の形態にかかる筋緊張緩和装置の筋緊張緩和動作を示すフローチャートである。
符号の説明
10…筋緊張緩和装置、11…検出用電極、11S…筋電信号、12…信号発生回路、12S…逆位相信号、13…信号処理回路、13A…位相調整器、13B…強度調整器、13C…強度変換器、13D…増減判定器、13E…制御信号生成器、13F…ローパスフィルタ、13G…出力保持器、13H…出力監視器、13S…フィードバック信号、14…出力用電極、15…モニタ用電極、15S…モニタ信号、16S…制御信号。

Claims (8)

  1. 生体と電気的に接触して、筋から発生する筋電信号を検出する検出用電極と、
    この検出用電極で検出された筋電信号とは逆位相を示す逆位相信号を生成する信号発生回路と、
    この信号発生回路により生成された逆位相信号を加工調整することによりフィードバック信号を生成する信号処理回路と、
    前記生体と電気的に接触して、前記信号処理回路により生成されたフィードバック信号を前記筋へ出力する出力用電極と
    を備えることを特徴とする筋緊張緩和装置。
  2. 請求項1に記載の筋緊張緩和装置において、
    前記信号処理回路は、前記逆位相信号の位相を調整することにより、前記筋における筋電信号とフィードバック信号との位相差を補償する位相調整器を有することを特徴とする筋緊張緩和装置。
  3. 請求項1または2に記載の筋緊張緩和装置において、
    前記信号処理回路は、前記逆位相信号の信号強度を調整することにより、前記筋における筋電信号とフィードバック信号との信号強度差を補償する強度調整器を有することを特徴とする筋緊張緩和装置。
  4. 請求項2に記載の筋緊張緩和装置において、
    前記生体と電気的に接触して、前記筋電信号と前記フィードバック信号とが合成された結果をモニタ信号として検出するモニタ用電極とをさらに備え、
    前記位相調整器は、前記モニタ用電極で検出されたモニタ信号に基づいて前記逆位相信号の位相を微調整する
    ことを特徴とする筋緊張緩和装置。
  5. 請求項3に記載の筋緊張緩和装置において、
    前記生体と電気的に接触して、前記筋電信号と前記フィードバック信号とが合成された結果をモニタ信号として検出するモニタ用電極とをさらに備え、
    前記位相調整器は、前記モニタ用電極で検出されたモニタ信号に基づいて前記逆位相信号の信号強度を微調整する
    ことを特徴とする筋緊張緩和装置。
  6. 請求項1−5のいずれか1つに記載の筋緊張緩和装置において、
    前記信号処理回路は、生成したフィードバック信号に含まれる高周波数成分を除去して前記出力用電極へ出力するローパスフィルタを有することを特徴とする筋緊張緩和装置。
  7. 請求項1−6のいずれか1つに記載の筋緊張緩和装置において、
    前記信号処理回路は、生成したフィードバック信号を所定の保持期間だけ前記出力用電極へ保持出力する動作と、所定の停止期間だけ前記出力用電極に対するフィードバック信号の出力を停止する動作とを、交互に繰り返し実行する出力保持器をさらに有することを特徴とする筋緊張緩和装置。
  8. 請求項1−7のいずれか1つに記載の筋緊張緩和装置において、
    前記信号処理回路は、生成したフィードバック信号の信号強度が、所定の閾値を越えた場合、前記当該フィードバック信号の出力を停止する出力監視器をさらに有することを特徴とする筋緊張緩和装置
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