JP5118615B2 - スパークプラグの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の点火に使用されるスパークプラグの製造方法であって、特にそのスパークプラグを構成する絶縁碍子の製造方法に関するものである。
一般的に、自動車エンジン等の内燃機関に使用されるスパークプラグにおいては、長尺状の絶縁碍子が筒状の主体金具に挿し込まれた状態で保持されており、この絶縁碍子に形成された軸孔には、主体金具の先端側に溶接された接地電極と対向して火花放電ギャップを形成する中心電極と、これに高電圧を印加する端子電極とが挿入されている。
このような絶縁碍子は、調製した原料粉末をプレス成形して、軸孔となるべき孔部を有する成形体を成形し、得られた成形体の外面を所定の絶縁碍子形状となるように研削した後、これを焼成することにより製造されるものである。
上記成形体を研削する従来の研削工程では、図5に示すように、成形体50は、その軸線方向に沿って形成された孔部の後端側から挿通ピンP5を挿入した状態で支持されており、図示しない回転機構により図5中の矢印F5で示す方向に回転する。一方、成形体50を研削する研削用回転ローラ(回転砥石)55は、その周面55aが絶縁碍子の外形に対応した形状に形成されており、図示しない回転機構により、前記矢印F5と同方向である図5中の矢印F6で示す方向に回転する。そして、成形体50を、回転する研削用回転ローラ55の周面55aに接触させることにより、成形体50の外形を絶縁碍子に対応する形状に研削加工する(例えば、特許文献1参照。)。
特開2001−176637号公報
近年では、内燃機関の高出力化に伴う燃焼室内における吸気及び排気バルブの占有面積の拡大等により、スパークプラグが小型化・小径化される傾向にあり、絶縁碍子についても小型化・小径化が要求されている。
しかしながら、絶縁碍子に関しては、所定の耐電圧性能などを確保しなければならないため、その材質が絶縁性の高いものであったとしても、その外周面から軸孔までの厚みを薄くするのに限界がある。結果として、絶縁碍子の小径化の影響は軸孔の小径化として現れる。
このため、絶縁碍子の製造工程において成形体の研削加工を行う際には、成形体の孔部に挿し込む挿通ピンとして比較的径の細いものを採用しなければならない。その結果、回転する研削用回転ローラから成形体が受ける摩擦力等によって挿通ピンが曲がってしまい、研削される成形体の先端側において偏心(同軸度の低下)や孔部の軸ズレなどが生じてしまうおそれがある。
このような不具合は、近年、長尺化されつつある比較的長いスパークプラグほど、絶縁碍子も長くなるため、より顕著に現われやすい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、絶縁碍子を製造するにあたり、当該絶縁碍子の軸孔となるべき孔部を有する成形体を原料粉末にて成形した後、当該成形体を絶縁碍子形状に研削する際に発生する成形体の偏心や孔部の軸ズレなどを抑制することのできるスパークプラグの製造方法を提供することにある。
以下、上記課題等を解決するのに適した各構成を項分けして説明する。なお、必要に応じて対応する構成に特有の作用効果等を付記する。
構成1.本構成のスパークプラグの製造方法は、
原料粉末を軸孔となるべき孔部を有する成形体に成形する成形工程と、
所定の挿通ピンを前記成形体の軸線方向一端側から前記孔部に挿し込み当該成形体を回転可能に支持した状態で、回転する研削用回転ローラに対し前記成形体を接触させるとともに、回転する押え用回転ローラを前記成形体に対し接触させて当該成形体に対し前記研削用回転ローラから受ける摩擦力に抗して回転する回転力を与え、前記成形体の外周面を研削する研削工程と、
前記研削された成形体を焼成する焼成工程とを経て、
前記孔部を軸孔とし、中心電極及び端子電極を挿入・固定して形成した絶縁碍子を備えたスパークプラグの製造方法であって、
前記研削工程では、
前記押え用回転ローラよりも軸線方向他端側にて前記成形体に対し接触し、前記研削用回転ローラから受ける負荷に抗して前記成形体を支える支持手段と、
前記支持手段を前記成形体へ押付ける押圧手段と、
前記挿通ピンの撓み量を検出する撓み量検出手段と、
前記撓み量検出手段の検出結果に基づき、前記押圧手段を制御する制御手段とを用いることにより、
前記支持手段を前記成形体へ押付ける押圧力を、前記挿通ピンの撓み量に応じて調整可能としたことを特徴とする。
上記構成1によれば、支持手段を成形体へ押付ける押圧力を、挿通ピンの撓み量に応じて調整可能とすることにより、成形体にかかる研削用回転ローラからの負荷と支持手段からの押圧力とつり合わせ、挿通ピンの撓みの少ないより最適な状態で研削工程を行うことができる。
これにより、成形体に研削加工を施す際に、成形体の孔部に挿し込む挿通ピンとして比較的径の細いものを採用した場合でも、回転する研削用回転ローラから成形体が受ける摩擦力等によって挿通ピンが曲がってしまうといった不具合の発生を抑制することができる。結果として、研削される成形体の挿通ピンが挿し込まれる一端側とは反対側の他端側において偏心や孔部の軸ズレなどが生じてしまうことを抑制できる。
また、研削用回転ローラから成形体が受ける負荷は、研削状況に応じて適宜変化する(例えば研削が進むと抵抗が大きくなる)ため、仮に挿通ピンが撓まないように研削用回転ローラからの負荷に抗して常に一定の強い力で支持手段を押付けていると、逆に研削用回転ローラから成形体が受ける負荷が比較的小さいときに、支持手段からの押圧力により成形体が折損してしまうこともあり得る。
これに対し、本構成1によれば、研削用回転ローラから成形体が受ける負荷が比較的小さい場合には、支持手段を押付ける力を弱くすることも可能となるため、上述したような不具合の発生を抑制することができる。
なお、ここでいう「挿通ピンの撓み量」とは、挿通ピンの径方向における当該挿通ピンの基端部と先端部との位置ズレ量を指す。
構成2.本構成のスパークプラグの製造方法は、
原料粉末を軸孔となるべき孔部を有する成形体に成形する成形工程と、
所定の挿通ピンを前記成形体の軸線方向一端側から前記孔部に挿し込み当該成形体を回転可能に支持した状態で、回転する研削用回転ローラに対し前記成形体を接触させるとともに、回転する押え用回転ローラを前記成形体に対し接触させて当該成形体に対し前記研削用回転ローラから受ける摩擦力に抗して回転する回転力を与え、前記成形体の外周面を研削する研削工程と、
前記研削された成形体を焼成する焼成工程とを経て、
前記孔部を軸孔とし、中心電極及び端子電極を挿入・固定して形成した絶縁碍子を備えたスパークプラグの製造方法であって、
前記研削工程では、
前記押え用回転ローラよりも軸線方向他端側にて前記成形体に対し接触し、前記研削用回転ローラから受ける負荷に抗して前記成形体を支える支持手段と、
前記支持手段を前記成形体へ押付ける押圧手段と、
前記成形体が前記研削用回転ローラから受ける負荷を検出する負荷検出手段と、
前記負荷検出手段の検出結果に基づき、前記押圧手段を制御する制御手段とを用いることにより、
前記支持手段を前記成形体へ押付ける押圧力を、前記成形体が前記研削用回転ローラから受ける負荷に応じて調整可能としたことを特徴とする。
上記構成2によれば、支持手段を成形体へ押付ける押圧力を、成形体が研削用回転ローラから受ける負荷に応じて調整可能とすることにより、成形体にかかる研削用回転ローラからの負荷と支持手段からの押圧力とつり合わせ、挿通ピンの撓みの少ないより最適な状態で研削工程を行うことができる。結果として、上記構成1と同様の作用効果が奏される。
構成3.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1又は2において、
前記成形体に対し前記支持手段が接触する位置を、前記成形体に対し前記研削用回転ローラが接触する位置から、前記挿通ピンを軸心として前記成形体の回転方向に180°より大きく270°より小さい所定角度ずれた位置としたことを特徴とする。
換言すれば、前記成形体に対し前記支持手段が接触する位置を、前記成形体に対し前記研削用回転ローラが接触する位置から、前記挿通ピンを軸心として前記成形体の回転方向とは逆方向に90°より大きく180°より小さい所定角度ずれた位置としている。
研削加工時、成形体に対しては、研削用回転ローラとの接点において動摩擦力が接線方向にかかるとともに、成形体を研削用回転ローラに押し付ける力の反力が法線方向にかかる。これに対し、上記構成3のように研削用回転ローラ及び支持手段を上記位置関係で成形体に接触させることにより、支持手段によって前記接点方向の動摩擦力や法線方向の反力に抗して成形体を支持した状態で研削加工を行うことができ、上記構成1,2の作用効果をより確実なものとすることができる。
また、成形体の全長が長ければ長いほど、又はその径が細ければ細いほど研削用回転ローラからの負荷を受けたときに挿通ピンが曲がりやすくなるため、上記構成1乃至3のいずれかの構成がより効果的に適用される成形体の形状としては、例えば以下の構成4,5に記載したものが挙げられる。
構成4.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1乃至3のいずれかにおいて、
前記成形体は、軸線方向の長さが80mm以上であることを特徴とする。
構成5.本構成のスパークプラグの製造方法は、上記構成1乃至4のいずれかにおいて、
前記成形体は、前記孔部の内径が5mm以下であることを特徴とする。
以下、本発明の一実施形態を図面を参照して説明する。まず、本発明のスパークプラグの製造方法により得られるスパークプラグ1について説明する。図1は、スパークプラグ1を示す一部破断正面図である。なお、図1では、スパークプラグ1の軸線C1方向を図面における上下方向とし、下側をスパークプラグ1の先端側、上側を後端側として説明する。
スパークプラグ1は、長尺状の絶縁碍子2、これを保持する筒状の主体金具3などから構成されるものである。
絶縁碍子2には、軸線C1に沿って軸孔4が貫通形成されている。そして、軸孔4の先端部側には中心電極5が挿入・固定され、後端部側には端子電極6が挿入・固定されている。軸孔4内における中心電極5と端子電極6との間には、抵抗体7が配置されており、この抵抗体7の両端部は導電性のガラスシール層8,9を介して、中心電極5と端子電極6とにそれぞれ電気的に接続されている。
より詳しくは、絶縁碍子2の軸孔4は、先端側に形成された小径孔部4aと、当該小径孔部4aの後端側においてこれよりも大径に形成された大径孔部4bとから構成されている。そして、小径孔部4aと大径孔部4bとの連接部には、テーパ面又はR面状の凸部受け面4cが形成されている。
絶縁碍子2の軸孔4には、端子電極6と抵抗体7が大径孔部4b内に挿通された状態で収容され、中心電極5が小径孔部4a内に挿通された状態で収容されている。中心電極5は、絶縁碍子2の先端から突出し、端子電極6は絶縁碍子2の後端から突出している。なお、中心電極5の後端部には、その外周面から外向きに突出して固定用凸部5aが形成されており、当該固定用凸部5aが上記凸部受け面4cに係止されることにより、中心電極5が固定されている。
一方、絶縁碍子2は、その外形部において、後端側に形成されたコルゲーション部10と、軸線C1方向略中央部において径方向外向きに突出形成されたフランジ状の大径部11と、当該大径部11よりも先端側においてこれよりも細径に形成された中胴部12と、当該中胴部12よりも先端側においてこれより細径に形成され、内燃機関(エンジン)の燃焼室に晒される脚長部13とを備えている。絶縁碍子2のうち、大径部11、中胴部12、脚長部13を含む先端側は、筒状に形成された主体金具3の内部に収容されている。そして、脚長部13と中胴部12との連接部には段部14が形成されており、当該段部14にて絶縁碍子2が主体金具3に係止されている。
主体金具3は、低炭素鋼等の金属により筒状に形成されており、その外周面にはスパークプラグ1をエンジンヘッドに取付けるためのねじ部(雄ねじ部)15が形成されている。ねじ部15の後端側の外周面には座部16が形成され、ねじ部15後端のねじ首17にはリング状のガスケット18が嵌め込まれている。さらに、主体金具3の後端側には、主体金具3をエンジンヘッドに取付ける際にレンチ等の工具を係合させるための断面六角形状の工具係合部19が形成されるとともに、後端部において絶縁碍子2を保持するための加締め部20が設けられている。
また、主体金具3の内周面には、絶縁碍子2を係止するための段部21が設けられている。そして、絶縁碍子2は、主体金具3の後端側から先端側に向かって挿入され、自身の段部14が主体金具3の段部21に係止された状態で、主体金具3の後端側の開口部を径方向内側に加締めること、つまり上記加締め部20を形成することによって固定される。なお、絶縁碍子2及び主体金具3双方の段部14,21間には、円環状の板パッキン22が介在されている。これにより、燃焼室内の気密性を保持し、燃焼室内に晒される絶縁碍子2の脚長部13と主体金具3の内周面との隙間に入り込む燃料空気が外部に漏れないようにしている。
さらに、加締めによる密閉をより完全なものとするため、主体金具3の後端側においては、主体金具3と絶縁碍子2との間に環状のリング部材23,24が介在され、リング部材23,24間にはタルク(滑石)25の粉末が充填されている。すなわち、主体金具3は、板パッキン22、リング部材23,24及びタルク25を介して絶縁碍子2を保持している。
主体金具3の先端面26には、略L字状をなす接地電極27が接合されている。すなわち、接地電極27は、主体金具3の先端面26に対しその基端部が溶接されるとともに、先端側が曲げ返されて、その内側面が中心電極5の先端部と対向するように配置されている。そして、接地電極27の先端部内側面と、中心電極5の先端面との間に火花放電ギャップ28が形成される。
次にスパークプラグ1の製造方法、特に本発明の特徴部分である絶縁碍子2の製造方法について詳しく説明する。
絶縁碍子2の製造工程では、まず、主成分をなすアルミナ粉末に対して焼結助剤として機能する添加元素系原料を配合し、原料粉末を調製する。そして、得られた原料粉末に対して、親水性結合剤及び溶媒としての水を添加し混合することにより成形用素地スラリーを得る。そして、成形用素地スラリーは、スプレードライ法等により噴霧乾燥されて、粒状の成形用素地造粒物に調整される。
続く成形工程においては、得られた成形用素地造粒物をラバープレス型内に充填し、プレスピンを挿入した状態でラバープレス成形することにより、絶縁碍子2の原形をなす図2に示すような筒状の成形体30を得る。この成形体30には、前記プレスピンにより上記軸孔4となるべき孔部31が形成されることとなる。
次に、得られた成形体30の外形を絶縁碍子2に対応する形状に研削加工する研削工程が行われる。ここで、研削工程について図2,3を参照して詳しく説明する。図2は、研削工程における成形体30の形状やその支持形態等を説明するための断面模式図であり、図3は、研削加工で使用される研削用回転ローラ、押え用回転ローラ及び支持手段としての支持ローラと、成形体30との接触位置関係を説明するための模式図である。
研削工程では、図2に示すように成形体30の軸線方向後端部側(絶縁碍子2のコルゲーション部10が形成される側)から孔部31に挿通ピンP1を嵌め込んで、当該成形体30をその後端部側から回転可能に支持した状態で、研削用回転ローラ35によって成形体30の外周面に加工が施される。
ここで使用される研削用回転ローラ35は、その周面35aが絶縁碍子の外形に対応した形状となっており(成形体30は焼成することによって収縮するためその寸法は異なる)、その周面35aには砥粒層が形成されている。そして、研削用回転ローラ35は、図示しないモータの駆動により、挿通ピンP1の軸心G1の軸線方向と平行する回転軸心G2を中心に図2,3中の矢印F2で示す方向に回転するようになっている。
押え用回転ローラ37は、成形体30との摩擦抵抗が大きいシリコン樹脂等により構成されており、図示しないモータの駆動により、挿通ピンP1の軸心G1の軸線方向と平行する回転軸心G3を中心に図2,3中の矢印F3で示す方向に回転するようになっている。これにより、成形体30に対し研削用回転ローラ35から受ける摩擦力に抗して図2,3中の矢印F1で示す方向に回転する回転力を与える。本実施形態では、押え用回転ローラ37は、絶縁碍子2の大径部11となる部位に対応して配置されている。
支持ローラ38は、研削用回転ローラ35から受ける負荷に抗して成形体30を支えるためのものであり、押え用回転ローラ37よりも成形体30の軸線方向先端部側(絶縁碍子2の脚長部13が形成される側)に配置されている。支持ローラ38は、成形体30から受ける摩擦力等により回転軸心G4を中心に押え用回転ローラ37と同一方向(図2,3中の矢印F4で示す方向)に回転する。
挿通ピンP1は、研削加工時において変形が生じにくいよう、全体が剛性の高い材質、例えば超硬合金等から構成されている。また、挿通ピンP1は、絶縁碍子2の小径孔部4aに対応した小径軸部と、大径孔部4bに対応した大径軸部とから構成され、全体として絶縁碍子2の軸孔4に対応した形状となっている。但し、挿通ピンP1の小径軸部の先端は、貫通した孔部31の先端側から突出している。なお、挿通ピンP1には環状の押えゴム33が取付けられており、研削加工時の成形体30の位置決めを容易にしたり、研削用回転ローラ35が挿通ピンP1に接触して両者が損傷してしまうことを防止したりしている。
上記構成のもと、図3に示すように、成形体30のうち任意の周方向位置の外周面の軸線方向全体を、回転する研削用回転ローラ35に接触させるとともに、回転する押え用回転ローラ37を成形体30に対し接触させて当該成形体30に対し研削用回転ローラ35から受ける摩擦力に抗して図2,3中の矢印F1で示す方向に回転する回転力を与えつつ、支持ローラ38により成形体30を支持して研削加工が行われる。
ここで、図3を参照して、挿通ピンP1の軸心G1の軸線方向に直交する直交平面上における、成形体30、研削用回転ローラ35、押え用回転ローラ37及び支持ローラ38の配置構成について説明する。
本実施形態では、挿通ピンP1の軸心G1、研削用回転ローラ35の回転軸心G2、及び押え用回転ローラ37の回転軸心G3を略同一水平面上に位置させている。これにより、成形体30に対し押え用回転ローラ37が接触する位置S1が、成形体30に対し研削用回転ローラ35が接触する位置S2から、成形体30の回転方向F1に180°ずれた位置となっている。
これに対し、支持ローラ38の回動軸心G4は、押え用回転ローラ37の回転軸心G3よりもやや下方に位置している。より詳しくは、成形体30に対し支持ローラ38が接触する位置S3が、成形体30に対し研削用回転ローラ35が接触する位置S2から、成形体30の回転方向F1に180°より大きく270°より小さい所定角度Aずらした位置となっている。本実施形態では所定角度A=225°に設定している。つまり、挿通ピンP1の軸心G1と押え用回転ローラ37の回転軸心G3とを結ぶ水平線に対し、挿通ピンP1の軸心G1と支持ローラ38の回転軸心G4とを結ぶ直線が、成形体30の回転方向F1に45°傾斜している。
さらに本実施形態では、上記支持ローラ38を成形体30に押付ける押圧力を調整可能な構成となっている。この構成について以下に詳しく説明する。なお、成形体30に対し回転力を付与する押え用回転ローラ37に関しては、常時一定の力で成形体30に押付けられている。
図2に示すように、支持ローラ38は、押圧手段としてのエアシリンダ40によって成形体30に対し押付けられている。
また、挿通ピンP1の軸心G1の延長線上で、当該挿通ピンP1の先端部と対向する位置には、撓み量検出手段としてのレーザ変位計41が配置されている。レーザ変位計41は、半導体レーザ等の発光素子と、これから発せられ、対象物に反射された光を受光する検出素子とを備えたものであって、挿通ピンP1の先端部の変位量を検出可能に構成されている。これにより、挿通ピンP1の径方向に対する当該挿通ピンP1の基端部(基準位置)と先端部との位置ズレ量を、挿通ピンP1の撓み量として検出する。
さらに、本実施形態では、レーザ変位計41の検出結果に基づき、エアシリンダ40を制御する制御手段としての制御装置42を備えている。例えば、制御装置42は、挿通ピンP1の撓み量が支持ローラ38側へより大きくなれば、成形体30にかかる研削用回転ローラ35からの負荷が支持ローラ38からの押圧力よりも大きいとみなし、より強い力で支持ローラ38を成形体30へ押付ける。逆に、挿通ピンP1の撓み量が研削用回転ローラ35側へより大きくなれば、成形体30にかかる支持ローラ38からの押圧力が研削用回転ローラ35からの負荷よりも大きいとみなし、支持ローラ38を成形体30へ押付ける力を弱める。
このように、本実施形態においては、挿通ピンP1の撓み量に応じて適宜エアシリンダ40を制御することにより、成形体30にかかる研削用回転ローラ35からの負荷と支持ローラ38からの押圧力とつり合わせ、挿通ピンP1の撓みの少ないより最適な状態で研削工程を行うことができる。
上記のように研削工程を経た成形体30は、挿通ピンP1から取り外された後、次の焼成工程へと送られる。
焼成工程においては、研削加工された成形体30を、焼成温度1450℃〜1700℃の範囲内で焼成する。その後、さらに釉薬をかけて仕上焼成が施され、絶縁碍子2が完成する。
そして、このように製造された絶縁碍子2に対し、中心電極5及び端子電極6を挿入・固定するとともに、当該絶縁碍子2を主体金具3に取付けることで、スパークプラグ1が完成する。
以上詳述したように、本実施形態では、成形体30に研削加工を施す際に、成形体30の孔部31に挿し込む挿通ピンP1として比較的径の細いものを採用した場合でも、挿通ピンP1が曲がってしまうといった不具合の発生を抑制することができる。結果として、研削される成形体30の先端側において偏心や孔部の軸ズレなどが生じてしまうことを抑制できる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、本発明を適用する絶縁碍子として図1に示した外形のものを例に挙げたが、もちろん、他の外形形状を有する絶縁碍子の研削加工にもこの発明を適用することができる。
また、上記実施形態では、成形体30の大きさについて特に言及していないが、成形体30の全長が長ければ長いほど、又はその径が細ければ細いほど研削用回転ローラ35からの負荷を受けたときに挿通ピンP1が曲がりやすくなるため、軸線方向の長さが80mm以上となる成形体30(軸線方向の長さが64mm以上となる絶縁碍子2に相当)や、孔部31の大径軸部の内径が5mm以下となる成形体30(大径孔部4bの内径が4mm以下となる絶縁碍子2に相当)を製造するにあたり、本発明を適用すれば、その効果はより発揮される。
(b)上記実施形態では、研削工程が、1つの研削用回転ローラ35によってのみ行われる構成となっているが、これに限らず、例えば第1の研削用回転ローラにより荒削り工程を行った後、第2の研削用回転ローラにより仕上削り工程を行う構成としてもよい。また、上記挿通ピンP1とは異なり、その先端が成形体30の先端より突出しない挿通ピンを用いて研削工程を行う構成としてもよい。このようにすれば、成形体30の外周面の研削後には、図示しない先端部削り用の研削用回転ローラによって、成形体30の先端角部をR面状に削る加工等を連続して行うことができる。
(c)上記実施形態では、成形体30を支持する支持手段として支持ローラ38を採用している。これに限らず、ローラに代えて、例えば球形状の部材や、U字状の部材、ベルト状の部材など、他の部材を支持手段として採用してもよい。例えば図4に示すように、上記実施形態の支持ローラ38に代えて、2つのテンションローラ45a,45bの間に掛けられたベルトB1を支持手段として採用し、成形体30を支える構成としてもよい。
(d)上記実施形態では、成形体30に対し支持ローラ38が接触する位置S3を、成形体30に対し研削用回転ローラ35が接触する位置S2から、成形体30の回転方向F1に225°ずらした位置に設定している。これに限らず、支持ローラ38が接触する位置S3を上記実施形態とは異なる位置としてもよい。但し、研削加工時、成形体30に対しては、研削用回転ローラ35が接触する位置S2において動摩擦力が接線方向にかかるとともに、成形体30を研削用回転ローラ35に押付ける力の反力が法線方向にかかるため、支持ローラ38が接触する位置S3は、研削用回転ローラ35が接触する位置S2から、成形体30の回転方向F1に180°より大きく270°より小さい範囲でずれた位置にあることが好ましい。
さらに、成形体30に対し支持ローラ38が接触する位置S3を成形体30の回転方向F1に変更可能な構成としてもよい。このようにすれば、研削状況に応じて適宜変化する研削用回転ローラからの負荷に応じて、より効率よく対応することができる。
また、成形体30に対し押え用回転ローラ37が接触する位置S1に関しても、成形体30に対し研削用回転ローラ35が接触する位置S2から、成形体30の回転方向F1に180°ずれた位置に限定されるものではなく、異なる位置としてもよい。
(e)上記実施形態では、押え用回転ローラ37及び支持ローラ38をそれぞれ1つずつ備えた構成が示されているが、これに限らず、それぞれのローラを複数個備えた構成としてもよい。支持ローラ38を複数設ける場合、少なくともそのうちの1つが上記実施形態のように配置されていればよい。
(f)上記実施形態では、レーザ変位計41により挿通ピンP1の撓み量を検出し、これに基づきエアシリンダ40を制御している。これに限らず、例えば挿通ピンP1に負荷検出手段としてロードセルを取付け、研削用回転ローラ35から受ける荷重を検出し、その荷重の変化に合わせてエアシリンダ40を制御する構成としてもよい。このようにすれば、上記実施形態と同様の作用効果が奏される。
(g)上記実施形態では、押圧手段としてエアシリンダ40を採用しているが、これに限らず、例えば油圧シリンダやサーボモータなど、支持ローラ38の位置を変位可能なものであれば、他の構成を採用してもよい。
本実施形態のスパークプラグの全体を示す一部破断正面図である。 研削工程における成形体の形状やその支持形態等を説明するための断面模式図である。 成形体、研削用回転ローラ、押え用回転ローラ及び支持ローラの配置構成を説明するための模式図である。 別の実施形態における成形体の支持形態を説明するための模式図である。 従来の研削工程を説明するための成形体及び研削用回転ローラの斜視図である。
符号の説明
1…スパークプラグ、2…絶縁碍子、3…主体金具、4…軸孔、5…中心電極、6…端子電極、30…成形体、31…孔部、35…研削用回転ローラ、37…押え用回転ローラ、38…支持ローラ、40…エアシリンダ、41…レーザ変位計、42…制御装置、P1…挿通ピン。

Claims (5)

  1. 原料粉末を軸孔となるべき孔部を有する成形体に成形する成形工程と、
    所定の挿通ピンを前記成形体の軸線方向一端側から前記孔部に挿し込み当該成形体を回転可能に支持した状態で、回転する研削用回転ローラに対し前記成形体を接触させるとともに、回転する押え用回転ローラを前記成形体に対し接触させて当該成形体に対し前記研削用回転ローラから受ける摩擦力に抗して回転する回転力を与え、前記成形体の外周面を研削する研削工程と、
    前記研削された成形体を焼成する焼成工程とを経て、
    前記孔部を軸孔とし、中心電極及び端子電極を挿入・固定して形成した絶縁碍子を備えたスパークプラグの製造方法であって、
    前記研削工程では、
    前記押え用回転ローラよりも軸線方向他端側にて前記成形体に対し接触し、前記研削用回転ローラから受ける負荷に抗して前記成形体を支える支持手段と、
    前記支持手段を前記成形体へ押付ける押圧手段と、
    前記挿通ピンの撓み量を検出する撓み量検出手段と、
    前記撓み量検出手段の検出結果に基づき、前記押圧手段を制御する制御手段とを用いることにより、
    前記支持手段を前記成形体へ押付ける押圧力を、前記挿通ピンの撓み量に応じて調整可能としたことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  2. 原料粉末を軸孔となるべき孔部を有する成形体に成形する成形工程と、
    所定の挿通ピンを前記成形体の軸線方向一端側から前記孔部に挿し込み当該成形体を回転可能に支持した状態で、回転する研削用回転ローラに対し前記成形体を接触させるとともに、回転する押え用回転ローラを前記成形体に対し接触させて当該成形体に対し前記研削用回転ローラから受ける摩擦力に抗して回転する回転力を与え、前記成形体の外周面を研削する研削工程と、
    前記研削された成形体を焼成する焼成工程とを経て、
    前記孔部を軸孔とし、中心電極及び端子電極を挿入・固定して形成した絶縁碍子を備えたスパークプラグの製造方法であって、
    前記研削工程では、
    前記押え用回転ローラよりも軸線方向他端側にて前記成形体に対し接触し、前記研削用回転ローラから受ける負荷に抗して前記成形体を支える支持手段と、
    前記支持手段を前記成形体へ押付ける押圧手段と、
    前記成形体が前記研削用回転ローラから受ける負荷を検出する負荷検出手段と、
    前記負荷検出手段の検出結果に基づき、前記押圧手段を制御する制御手段とを用いることにより、
    前記支持手段を前記成形体へ押付ける押圧力を、前記成形体が前記研削用回転ローラから受ける負荷に応じて調整可能としたことを特徴とするスパークプラグの製造方法。
  3. 前記成形体に対し前記支持手段が接触する位置を、前記成形体に対し前記研削用回転ローラが接触する位置から、前記挿通ピンを軸心として前記成形体の回転方向に180°より大きく270°より小さい所定角度ずれた位置としたことを特徴とする請求項1又は2に記載のスパークプラグの製造方法。
  4. 前記成形体は、軸線方向の長さが80mm以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法。
  5. 前記成形体は、前記孔部の内径が5mm以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のスパークプラグの製造方法。
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