JP5118827B2 - プロトン伝導燃料電池およびその製造方法、水素センサおよびその製造方法 - Google Patents

プロトン伝導燃料電池およびその製造方法、水素センサおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、プロトン伝導燃料電池およびその製造方法、水素センサおよびその製造方法に関し、より詳しくはプロトン伝導燃料電池の空気極および水素センサの測定電極の改良等に関する。
高いプロトン伝導度を示す電極材料に関して次のような文献がある。K.D.Kreuer等による研究結果では、BaZrO3の基本形においてZrをYで置換した例を紹介している。
Yが0.1未満では立方晶系であるが、Yが0.1から0.25までは正方晶系、0.25で再び立方晶系になる結晶系変化を示す。LaSrGaMgO3、Zr1-xx2系のイオン伝導度は300℃以下では10-6S/cmとなるのに対し、BaZr0.80.23のビークル機構によるプロトン伝導度(PH2O=23hPa)は200℃で10-2S/cmと、10,000倍の効果があるとしている。(非特許文献1参照)
BohnとSchoberの報告によると、BaZr0.90.12.95では粒子内の伝導度を温度と水蒸気量を変えて測定した結果を示しており、湿潤雰囲気300℃では1.7×10-3S/cm、乾燥雰囲気300℃で約1.7×10-6S/cmであり、湿潤雰囲気により1000倍伝導度が向上する結果であった。粒子内と粒界の規格化した伝導度の比較では粒子内100〜300℃の間では雰囲気湿度の影響は少ないが、粒界では湿潤雰囲気のほうが1オーダー大きい結果であった。(非特許文献2参照)
SchnellerとSchoberの報告では、シリコン基板上の薄膜BaZr0.80.22.9について200〜400℃で乾燥空気と湿潤水素で伝導度を比較した結果を示しており、300℃では湿潤雰囲気のほうが数倍から十数倍高い値であった。(非特許文献3参照)
BaCeO3系ではK.D.Kreuerによる、Ceを希土類で置換した系の報告が多い。(Ba0.970.03)(Ce0.840.16)O2.983と(Ba0.97Nd0.03)(Ce0.84Nd0.16)O2.983では、3%H2Oでは1.7×10-3S/cmから0.01S/cmになる。(非特許文献4参照)
同様に、K.D.Kreuer等の総説では、単結晶Y:BaCeO3に関する報告があり、1.7×10-3S/cmとなっている。この系ではBサイト元素のGdやYでの置換により水和エンタルピが増加するため、高温で高いプロトン濃度を示す。(非特許文献5、6参照)
BaCeO3系の電極については、特許文献1にPdおよびPd合金を利用したものが開示されており、特許文献2にはBa(Zr1-xCe)1-yyAlz3-a系(500℃)が開示されている。
Solid State Ionics 145(2001)295-306 Journal of American Ceramic Society 83[4]768-72(2000) Solid State Ionics 164(2003)131-136 Solid State Ionics 86-88(1996)613-620 Solid State Ionics 97(1997)1-15 Solid State Ionics 125(1997)285-302 特開2004-146337号公報 特開2004-063460号公報
一般に、こうした従来の電極材料では、貴金属を焼き付けた場合にプロトン伝導体の3相界面の数が減少し、ガス反応を十分に起こさせることができなくなりプロトン伝導度が低下する、すなわち界面の抵抗率が増大する現象が発生する。また、電極材料として高価な貴金属を使用しているためコストが高くなるという問題もある。
本発明はこのような従来の課題に着目してなされたもので、プロトン伝導度の高い燃料電池または感度の高い水素センサを安価に提供することを目的としている。
本発明は、次のような特徴を有する燃料電池または水素センサである。
すなわち本発明は、イットリアを添加した4価の金属酸バリウムからなるプロトン伝導体と、貴金属電極とを有し、前記貴金属電極はAgからなり、平均粒子径で10μm未満であり、かつ電極の表面からの2次元観察で90%以上の緻密度であり、前記プロトン伝導体は、次式(1)で表される組成を有するプロトン伝導燃料電池または水素センサである。
BaM 1-x x 3 … (1)
(ただし、MはCeまたはZr元素、x=0.15〜0.25である。)
また、本発明は次のような特徴を有する燃料電池または水素センサの製造方法である。
すなわち本発明は、Ag粉末と有機ビークルとを混合してスラリーを得る工程と、イットリアを添加した4価の金属酸バリウムからなるプロトン伝導体に前記スラリーを塗布する工程と、前記スラリーを前記プロトン伝導体に焼き付けて電極を形成する工程と、を有し、前記Ag粉末粒子径が0.003〜1.5μmであり、平均粒子径が0.005〜1.0μmであることを特徴とするプロトン伝導燃料電池または水素センサの製造方法である。
本発明によれば、高効率のプロトン伝導燃料電池または感度の高い水素センサが安価に得られる。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態は、イットリアを添加した4価の金属酸バリウムからなるプロトン伝導体に、銀(Ag)からなる空気極と酸素極とを設けたプロトン伝導燃料電池である。
前記プロトン伝導体の組成は次式(1)のとおりである。
BaM1-xx3 … (1)
(ただし、MはCeまたはZr元素、x=0.06〜0.25、より良い組成はx=0.15から0.25である。)
前記構成を有するプロトン伝導燃料電池において、プロトン伝導体を構成する基本材料としては、イットリア添加セリア酸バリウムもしくはイットリア添加ジルコン酸バリウムである。結晶としては、BaCe1-xx3ではxが0.06〜0.10では斜方晶、0.10以上で菱面体であるが、BaZr1-xx3では前記範囲で斜方晶である。プロトン伝導度を測定する400〜800℃程度の温度領域において相転移はなく結晶構造上安定している。
プロトン伝導体の表面の燃料極には水素が供給され、水素(H2)は電子を放出し、水素イオン(H+)になる。水素イオンは、固体電解質を移動して空気極に到達する。並行して燃料極から伝導してきたプロトン(H+)が空気中の酸素と反応して水を生じる。燃料極においては、燃料極に供給される燃料ガスに応じて反応が進行し、電子が発生する。燃料極に水素が供給される場合には、水素(H2)と酸素イオン(O2-)との反応によって、水(H2O)が生成される。
前記プロトン伝導体には、Ag粉末粒子径が0.003〜1.5μmであり、平均粒子径が0.005〜1.0μmであるAg粉末を用いた空気極および燃料極を形成する。Ag粉末は有機ビークルと混合してペースト状のスラリーとし、焼付け時に有機分が燃えてAgの中に空孔を残す。このときの空孔率は10%未満とする。焼結後の銀電極の粒子は、平均粒子径が10μm以下であり、緻密度も90%以上である。多孔体Agはプロトン伝導体と密着性が良く、水素および空気透過性がある。燃料極材料として、多孔体Agを適用することによって、プロトン伝導体における水素イオン伝導度を向上させ、プロトン伝導燃料電池としての出力を向上させうる。
Agからなる燃料極および空気極の形状や態様は、ガスをプロトン伝導体に送り込む触媒活性など燃料極や空気極としての機能を果たすのであれば特に限定されない。たとえば、メッシュ状、粒子のネットワーク状、ハニカム状などであり、電極をプロトン伝導体に固定するプロセスも、蒸着、イオンプレーティング、ペースト印刷、インクジェット印刷等によって形成された厚膜ペーストの焼付けなど多様である。
なお、本発明に係るプロトン伝導燃料電池は、大きさや構成などについても特に限定されない。プロトン伝導体として前記(1)式で示した組成(BaM1-xx3)を適用し、燃料極として多孔体貴金属、特にAgを適用すれば、どのようなプロトン伝導燃料電池においても、優れた性能を発揮させることが可能である。また、本発明に係るプロトン伝導燃料電池は、比較的低温でも優れたイオン伝導度が得られるので低温で作動させうる。このため、燃焼機本体などの容器などにフェライト系ステンレスなどの金属部品を適用することが可能である。つまり、本発明はプロトン伝導燃料電池の出力向上のみならず、プロトン伝導燃料電池を構成する部材の選択の幅を広げ、この面からも製造コストの低減に寄与する。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態は、イットリアを添加した4価の金属酸バリウムからなるプロトン伝導体に、銀(Ag)からなる空気極と酸化極とを設けた水素センサである。
前記プロトン伝導体の組成は次式(2)のとおりである。
BaM1-xx3 … (2)
(ただし、MはCeまたはZr元素、x=0.06〜0.25、より良い組成はx=0.15から0.25である。)
水素センサはガス中の水素濃度を測定するために用いられる。これにより、例えば燃料電池の中で排気ガス中に含まれる未燃焼水素ガスの濃度を測定することができる。水素センサは、プロトン伝導体、測定電極、および基準電極からなる。水素センサは、測定電極、プロトン伝導体、基準電極の順に配置される。測定電極は、被測定ガス側に配置される。被測定ガス中に含まれる水素濃度によって、水素イオンをキャリアとするイオン電流が流れる。そして、測定される電流値を基準として被測定ガス中の水素濃度が検出される。
本発明に係る水素センサは、多孔質Agからなる測定電極を有する。多孔質Agは前記プロトン伝導体と密着性が良く、水素透過性がある。前記組成からなるプロトン伝導体を有する水素センサの測定電極材料として、多孔質Agを適用することによって、水素センサにおける水素イオン伝導度を向上させ応答性を向上させうる。
本発明に係る水素センサにおいて用いる基準電極は特に限定されない。公知の材料を用いてもよいし、新たに開発された材料を用いてもよい。あるいは、2種以上の材料を併用してもよい。基準電極は、メッキ、ペースト印刷、インクジェット印刷等によって形成できる。基準電極を作製するために他の手段を用いてもよい。
基準電極の形状や態様は、基準電極としての機能を果たすのであれば特に限定されない。多孔体Agの形状は、適用される水素センサに応じて決定される。例えば、基準電極は板状、コイン状、扇形などである。
本発明に係る水素センサは、前記組成からなるプロトン伝導体、および多孔体Agからなる測定電極を有する。このため水素センサの応答性が向上し、水素濃度の変動に迅速に対処できる。例えば、水素センサが燃料電池に用いられる場合には未燃焼水素の大気への放出をよりよく抑制することができる。なお、その他の効果および構成については、第1の実施の形態に係るプロトン伝導燃料電池と同様である。
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態は、次のような工程を有するプロトン伝導燃料電池の製造方法である。すなわち、本実施形態に係るプロトン伝導燃料電池の製造方法は:
(a)粉末粒子径が0.003〜1.5μmであり、平均粒子径が0.005〜1.0μmであるAg粉末と有機ビークルとを混合してスラリーを得る工程と、
(b)前記(1)で示した組成からなるプロトン伝導体に前記スラリーを塗布する工程と、
(c)前記スラリーを固体電解質に焼き付けて空気極を作成する工程と、
を有する。
この製造方法により、前記本発明の第1の実施の形態として示したプロトン伝導燃料電池を製造することができる。ただし、本発明に係るプロトン伝導燃料電池は他の方法を用いて製造してもよいことは言うまでもない。必要に応じて、前記製造方法を改良してもよい。
以下、プロトン伝導燃料電池の製造方法の詳細を説明する。なお、用いる材料については前記第1の実施の形態として説明したとおりであるので、以下の説明においては省略する。
前記(1)の組成からなるプロトン伝導体は、クエン酸塩を用いた仮焼結によって形成する。クエン酸塩法によって作製された所定の金属の粉砕工程、成型工程、および焼結工程といった一連の工程によって、前記組成を有する固体電解質を形成する。クエン酸法によって作製された粉末は、原子段階で均一に混合されており、均質な粒子径を持つ粉体となる。このため、作製される固体電解質は、適度な気孔を持った多孔質体となる。前記の粉砕方法、成型方法、焼結方法については特に限定されない。例えば、粉砕にはボールミルを、成型には静水圧プレスを適用できる。
前記粉末は、1300〜1650℃の温度範囲内にて、2〜6時間の時間範囲内で焼結する。好ましくは、焼結密度を真密度の98%以上とする。前記よりも焼結時間が短いか、または温度が1400℃よりも低いと、焼結体中に開気孔が残りイオン伝導性が低下するおそれを生じる。また、焼結時間が長すぎるか、または温度が1650℃を超えると、粒界に亀裂が入りイオン伝導度が低下するおそれを生じる。
別途、粉末粒子径が0.003〜1.5μmであり、平均粒子径が0.005〜1.0μmであるAg粉末を準備する。前記粒子径範囲内のAg粉末を用いると、Agと有機ビークルとが好適に混合し、また作製される焼結体の気孔率も適切なものとなる。なお、本明細書において粒子径とは、「球相当径」により定義される粒子径を意味し、平均粒子径とは前記粒子径の平均値である。粒子径は、例えばレーザ回折散乱法を用いて測定することができる。
次に、前記Ag粉末と有機ビークルとを混合してスラリーを作製する。有機ビークルとしては、エチルセルロースをテルピネオールとジブチルフタレートに溶解したものなどを用いることができる。スラリー中のサマリウムコバルト酸化物の密度やスラリーの粘度については特に限定されない。得られている知見に基づいて、使用装置や作業効率などを考慮して決定されればよい。例えば、作業効率を優先するのであればAgの濃度を高めればよい。
Agを含むスラリーは、好ましくはスクリーン印刷法またはインクジェット印刷法によって前記組成からなるプロトン伝導体(固体電解質)上に塗布する。スラリーの塗布厚さについては特に限定されない。
前記スラリーをプロトン伝導体上に塗布した後、焼き付けて、空気極を乾燥させる。プロトン伝導度に優れる空気極を作製するために、好ましくは焼付けの条件を次のように制御する。すなわち、焼付け温度は、450〜900℃とし、焼付け時間は30〜90分の範囲内とする。前記範囲から外れると水素イオン伝導度が低下するおそれを生じる。焼結後の銀電極の粒子は、平均粒子径が10μm以下であり、緻密度も90%以上である。
前記スラリーの焼付けは、好ましくは大気雰囲気下で行う。不活性ガス雰囲気下や真空中など、酸素濃度が不十分な雰囲気下において焼付けを行うと空気極の酸素が欠乏し、電池性能が低下するおそれを生じる。
[第4の実施の形態]
本発明の第4の実施の形態は、次のような工程を有する水素センサの製造方法である。すなわち、本実施形態に係る水素センサの製造方法は:
(a)粉末粒子径が0.003〜1.5μmであり、平均粒子径が0.005〜1.0μmであるAg粉末と有機ビークルとを混合してスラリーを得る工程と、
(b)前記(2)で示した組成からなるプロトン伝導体に、前記スラリーを塗布する工程と、
(c)前記スラリーを固体電解質に焼き付けて空気極を作成する工程と、
を有する。
この製造方法により、前記本発明の第2の実施の形態として示した水素センサを製造することができる。ただし、本発明に係る水素センサは他の方法を用いて製造してもよいことは言うまでもない。必要に応じて、前記製造方法を改良してもよい。
前記組成からなるプロトン伝導体およびAg粉末を用いて水素センサを製造する方法は、前記本発明の第3の実施の形態に準じるものであり、処理温度または時間などの好ましい製造条件もほぼ同様である。すなわち、Ag粉末の粒子径は好ましくはAg粉末粒子径が0.003〜1.5μmであり、平均粒子径が0.005〜1.0μmの範囲内とする。スラリーは、好ましくはスクリーン印刷法、インクジェット印刷法等によってプロトン伝導体に塗布する。この際スラリーの空孔率が40〜70%の範囲内であることが望ましい。スラリーの焼付け温度は、好ましくは450〜900℃とし、焼付け時間は、好ましくは30〜90分の範囲内とする。また、スラリーの焼付けは、好ましくは大気雰囲気下で行う。焼結後の銀電極の粒子は、平均粒子径が10μm以下であり、緻密度も90%以上である。その他の製造条件についての説明についても、前記第3の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。スラリーの塗布厚さなども、水素センサとしての機能が好適に発現するように選択すればよい。
本発明に係る水素センサには、必要に応じて測定電極を形成し、その他配線等を設ける。水素センサとして実用化するための構成は種々の設計手法を適用可能であり、そのための手段や材料については特に限定されない。
次に、本発明の効果を実証したいくつかの実施例および比較例につき説明する。本発明の技術的範囲が以下の実施例に限定されないことは言うまでもない。
<実施例1〜5>
BaCO3、CeO2、Y23を所定の組成比で秤量し、ボールミルを用いて混合し成型した粉末試料を1300℃、12時間の条件で固相合成を行い、さらに粉砕し、メッシュ分級で500μm以下に粒調整をした。化学合成粉は市販のクエン酸塩の賠償による粉末を用いた。粉末は2軸プレスで8MPaの圧力で成型後、静水圧プレス(CIP)で196MPaの圧力で成型した後、電気炉で焼結を行った。焼結の際の昇温率を100℃/Hr、降温率を50℃/Hrとした。大気中、または同一粉末埋め込みで焼結温度は1600℃、時間は12〜24時間の条件で行った。
BaCe0.80.23(固相合成、焼結温度1600℃、同一粉末埋め込み、d=6.14g/cm3(99.3%TD))の水素雰囲気中でのI−V測定を行った。直径14mm、厚さ1mmの円盤状試料の両面に、φ5mmになるように市販のAgペースト(田中貴金属(登録商標)MH406A、昭栄化学(登録商標)ML4013(比表面積1.0m2/g))を500〜800℃で30分焼き付けた後、SOFC単電池評価装置にセットした。アルゴン雰囲気中で所定温度まで昇温し、アノード側を加湿水素(H2+H2O(25℃))でガス置換した後、測定を行った。カレントパルスジェネレータを用いて、アノード、カソード間に電流を流し、マルチメーターより、アノード−カソード間の電位(CCV)を測定することでI−V特性を測定した。各試料の温度600℃、500℃、450℃での最大出力密度の測定結果を図1に示す。この結果では600℃で最大出力が1.1mW/cm2、500℃で最大出力が0.12mW/cm2以上、450℃で0.018mW/cm2以上となり水素濃淡電池としての機能を果たせるものである。
<実施例6、7>
BaCO3、CeO2、Y23を所定の組成比で秤量し、ボールミルを用いて混合し成型した粉末試料を1300℃、12時間の条件で固相合成を行い、さらに粉砕し、メッシュ分級で500μm以下に粒調整をした。2軸プレスで8MPaの圧力で成型後、静水圧プレス(CIP)で196MPaの圧力で成型した後、電気炉で焼結を行った。焼結の際の昇温率を100℃/Hr、降温率を50℃/Hrとした。大気中、または同一粉末埋め込みで焼結温度は1600℃、時間は12〜24時間の条件で行った。
BaCe0.80.23(固相合成、焼結温度1600℃、同一粉末埋め込み、d=6.14g/cm3(99.3%TD))の水素雰囲気中でのI−V測定を行った。直径14mm、厚さ1mmの円盤状試料の両面に、φ5mmになるように市販のAg粉末(田中貴金属(登録商標)6080(平均粒子径0.3〜0.9μm、比表面積1.5〜3.0m2/g))から作成したペーストとハリマ化成(登録商標)のNSPペースト(粒子径0.003〜0.007μm、平均粒子径0.005μm)を600と700℃で30分焼き付けた後、SOFC単電池評価装置にセットした。アルゴン雰囲気中で所定温度まで昇温し、アノード側を加湿水素(H2+H2O(25℃))でガス置換した後、測定を行った。カレントパルスジェネレータを用いて、アノード、カソード間に電流を流し、マルチメーターより、アノード−カソード間の電位(CCV)を測定することでI−V特性を測定した。各試料の温度600℃、500℃、450℃での最大出力密度の測定結果を図1に示す。この結果では600℃で最大出力が1mW/cm2、500℃で最大出力が0.1mW/cm2以上、450℃で0.02mW/cm2以上となり水素濃淡電池としての機能を果たせるものである。
<実施例8、9>
BaCO3、CeO2、Y23を所定の組成比で秤量し、ボールミルを用いて混合し成型した粉末試料を1300℃、12時間の条件で固相合成を行い、さらに粉砕し、メッシュ分級で500μm以下に粒調整をした。2軸プレスで8MPaの圧力で成型後、静水圧プレス(CIP)で196MPaの圧力で成型した後、電気炉で焼結を行った。焼結の際の昇温率を100℃/Hr、降温率を50℃/Hrとした。大気中、または同一粉末埋め込みで焼結温度は1600℃、時間は12〜24時間の条件で行った。
BaCe0.80.23(固相合成、焼結温度1600℃、24時間、同一粉末埋め込み、d=6.14g/cm3(99.3%TD))の水素雰囲気中でのI−V測定を行った。直径14mm、厚さ1mmの円盤状試料の両面に、φ5mmになるように市販の白金ペーストをアノードに700℃で焼き付け、市販のAgペースト(田中貴金属(登録商標)MH406Aとハリマ化成(登録商標)製のNSPペースト)をカソードだけに塗布し500で30分焼き付けた後、SOFC単電池評価装置にセットした。アルゴン雰囲気中で所定温度まで昇温し、アノード側を加湿水素(H2+H2O(25℃))でガス置換した後、測定を行った。カレントパルスジェネレータを用いて、アノード、カソード間に電流を流し、マルチメーターより、アノード−カソード間の電位(CCV)を測定することでI−V特性を測定し出力を計算した。各試料の温度500℃、400℃での最大出力密度の測定結果を図2に示す。この結果では500℃で最大出力が10mW/cm2以上、400℃で1mW/cm2以上となり水素濃淡電池としての機能を果たせるものである。
<比較例1〜5>
BaCO3、CeO2、Y23を所定の組成比で秤量し、ボールミルを用いて混合し成型した粉末試料を1300℃、12時間の条件で固相合成を行い、さらに粉砕し、メッシュ分級で500μm以下に粒調整をした。化学合成粉は市販のクエン酸塩の賠償による粉末を用いた。粉末は2軸プレスで8MPaの圧力で成型後、静水圧プレス(CIP)で196MPaの圧力で成型した後、電気炉で焼結を行った。焼結の際の昇温率を100℃/Hr、降温率を50℃/Hrとした。大気中、または同一粉末埋め込みで焼結温度は1600℃、時間は12〜24時間の条件で行った。
BaCe0.80.23(固相合成と化学合成、焼結温度1600℃、24時間、同一粉末埋め込み、d=6.14g/cm3(99.3%TD))の水素雰囲気中でのI−V測定を行った。直径14mm、厚さ1mmの円盤状試料の両面に、φ5mmになるように市販のAg粉末(田中貴金属(登録商標)6010(平均粒子径6〜13μm、比表面積1.0〜2.5m2/g))から作成したペーストと市販のAgペースト(田中貴金属(登録商標)TR6182(平均粒子径4〜8μm、比表面積0.2〜0.4m2/g))を600〜800℃で30分焼き付けた後、SOFC単電池評価装置にセットした。アルゴン雰囲気中で所定温度まで昇温し、アノード側を加湿水素(H2+H2O(25℃))でガス置換した後、測定を行った。カレントパルスジェネレータを用いて、アノード、カソード間に電流を流し、マルチメーターより、アノード−カソード間の電位(CCV)を測定することでI−V特性を測定した。各試料の温度600℃、500℃、450℃での最大出力密度の測定結果を図3に示す。この結果では600℃で最大出力が0.53mW/cm2以下、500℃で最大出力が0.05mW/cm2以下、450℃で0.02mW/cm2未満となり水素濃淡電池としての機能を果たせないと考えられる。
<比較例6、7>
実施例と同様の方法で作られたBaCe0.90.13(固相合成1600℃、24時間、同一粉末埋め込み、d=6.14g/cm3(99.3%TD))の水素雰囲気中でのI−V測定を行った。直径14mm、厚さ1mmの円盤状試料の両面に、φ5mmになるように市販のAg粉末(田中貴金属(登録商標)6080)から作成したペーストと市販のAgペースト(昭栄化学(登録商標)ML4013)を700℃で30分焼き付けた後、SOFC単電池評価装置にセットした。アルゴン雰囲気中で所定温度まで昇温し、アノード側を加湿水素(H2+H2O(25℃))でガス置換した後、測定を行った。カレントパルスジェネレータを用いて、アノード、カソード間に電流を流し、マルチメーターより、アノード−カソード間の電位(CCV)を測定することでI−V特性を測定した。各試料の温度600℃、500℃、450℃での最大出力密度の測定結果を図4に示す。出力は比較例1〜5と同様であり、出力性能が向上していない。
実施例1から7に係る燃料電池のI−V特性の測定結果を示す図である。 実施例8および9に係る燃料電池のI−V特性の測定結果を示す図である。 比較例1から5に係る燃料電池のI−V特性の測定結果を示す図である。 比較例6および7に係る燃料電池のI−V特性の測定結果を示す図である。

Claims (10)

  1. イットリアを添加した4価の金属酸バリウムからなるプロトン伝導体と、貴金属電極とを有し、
    前記貴金属電極はAgからなり、平均粒子径で10μm未満であり、かつ電極の表面からの2次元観察で90%以上の緻密度であり、
    前記プロトン伝導体は、次式(1)
    BaM 1-x x 3 … (1)
    (ただし、MはCeまたはZr元素、x=0.15〜0.25である。)
    で表される組成を有することを特徴とするプロトン伝導燃料電池。
  2. イットリアを添加した4価の金属酸バリウムからなるプロトン伝導体と、貴金属電極とを有し、
    前記貴金属電極はAgからなり、平均粒子径で10μm未満であり、かつ電極の表面からの2次元観察で90%以上の緻密度であり、
    前記プロトン伝導体は、次式(2)
    BaM1-xx3(2)
    (ただし、MはCeまたはZr元素、x=0.15〜0.25である。)
    で表される組成を有することを特徴とする水素センサ。
  3. Ag粉末と有機ビーグルとを混合してスラリーを得る工程と、
    イットリアを添加した4価の金属酸バリウムからなるプロトン伝導体に前記スラリーを塗布する工程と、
    前記スラリーを前記プロトン伝導体に焼き付けて電極を形成する工程と、
    を有し、
    前記Ag粉末粒子径が0.003〜1.5μmであり、平均粒子径が0.005〜1.0μmであることを特徴とするプロトン伝導燃料電池の製造方法。
  4. 前記スラリーは、スクリーン印刷またはインクジェット印刷法により塗布し、かつその空孔率は10%未満であることを特徴とする請求項3に記載のプロトン伝導燃料電池の製造方法。
  5. 前記スラリーの焼付けを、焼付け温度が450〜900℃、焼付け時間が30〜90分の範囲内で行うことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載のプロトン伝導燃料電池の製造方法。
  6. 前記スラリーの焼付けを、大気雰囲気下で行うことを特徴とする請求項3から請求項5のいずれか一つに記載のプロトン伝導燃料電池の製造方法。
  7. Ag粉末と有機ビーグルとを混合してスラリーを得る工程と、
    イットリアを添加した4価の金属酸バリウムからなるプロトン伝導体に前記スラリーを塗布する工程と、
    前記スラリーを前記プロトン伝導体に焼き付けて電極を形成する工程と、
    を有し、
    前記Ag粉末粒子径が0.003〜1.5μmであり、平均粒子径が0.005〜1.0μmであることを特徴とする水素センサの製造方法。
  8. 前記スラリーは、スクリーン印刷により塗布し、かつその空孔率は40〜70%の範囲内であることを特徴とする請求項7に記載の水素センサの製造方法。
  9. 前記スラリーの焼付けを、焼付け温度が450〜900℃、焼付け時間が30〜90分の範囲内で行うことを特徴とする請求項7請求項8に記載の水素センサの製造方法。
  10. 前記スラリーの焼付けを、大気雰囲気下で行うことを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか一つに記載の水素センサの製造方法。
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