JP5118909B2 - 使い捨ておむつ - Google Patents

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Description

本発明は、幅方向両側部に沿って前後方向に延在する帯状の内側バリヤーカフス及び外側バリヤーカフスを備えた、使い捨ておむつに関するものである。
使い捨ておむつにおいては、所謂横漏れを防止するために、幅方向両側部に沿って前後方向に延在する帯状のバリヤーカフスを設けることが定着しており、優れたフィット性・もれ防止効果を得ると同時に股間部がすっきりとした見た目となるよう、種々のバリヤーカフスが提案されている。
特に、所謂「すっきり形状」と呼ばれるバリヤーカフス(特許文献1、2参照)構造は、従来存在していた外装シートに配置されるバリヤーカフス(立体ギャザー)を除去して股間部両側縁には外装シートが存在しないようにするとともに、内装体の裏面側から起立するバリヤーカフスが内装体の側部を持ち上げるように起立することで、すっきり感ともれ防止効果を両立することのできる点で優れた脚周り構造である。
また別の技術としては、より一層の漏れ防止効果を得るために、バリヤーカフスを二重に設けることも提案されている(特許文献6参照)。さらに同類の技術として、二重のバリヤーカフスに加えて平面ギャザーも備えたもの(特許文献4,5参照)も提案されている。
特開2001−340380号公報 特開2002−159528号公報 特開2005−065729号公報 特開2002−291799号公報 特開2004−081369号公報 特開2000−005230号公報 特開2005−027839号公報
しかし、特許文献6に示されるようにバリヤーカフスを二重に設けても、二重のギャザーが殆ど重なった状態で立ち上がるため、実際には2倍のもれ防止効果が得られるものではなかった。また、特許文献4,5に示されるように、内側バリヤーカフスを内装体の表面側で起立するように設け、起立始点を内装体側縁より幅方向中央側に位置させ、これよりも幅方向外側に延在する内装体の側部を外側ギャザーとして機能させようとしても、この外側ギャザーは本来内装体であるために、十分な起立寸法が確保し難く、無理に起立寸法を大きく取ったとしても内側と外側のバリヤーカフスが重なり易くなり、いずれにせよ漏れ防止効果を十分に向上させることができない。そのために外装シートにも脚周りギャザー(平面ギャザー)を必要とし、すっきりとした外観を損なっている。
そこで、本発明の主たる課題は、二重のバリヤーカフスが各々の適切な位置で身体にフィットし、見た目にはすっきりとしながらも優れた漏れ防止効果を発揮する使い捨ておむつを提供することにある。
上記課題を解決した本発明は次記の通りである。
<請求項1記載の発明>
液透過性表面シート及びその外面側に配された吸収コアを有し、背側から股間部を通り腹側までを覆う内装体と、この内装体の外面側に取り付けられシート状の外装体とを備えた使い捨ておむつにおいて、
前記内装体の幅方向両側部に沿って前後方向に延在する帯状の内側バリヤーカフスがそれぞれ設けられるとともに、これら内側バリヤーカフスの外側に、前記内装体の幅方向両側部に沿って前後方向に延在する帯状の外側バリヤーカフスがそれぞれ設けられており、
前記内側バリヤーカフスは、幅方向一方側の端部が前記内装体の幅方向の端部における表面側部位を含む部位に対して固定された内側取付部分とされ、この内側取付部分以外の部分は内側取付部分から突出する内側突出部分とされ、この内側突出部分のうち前後方向両端部が折り返されずに前記表面シートの表面に固定され、前後方向中間部が非固定の内側自由部分とされ、この内側自由部分の少なくとも先端部に前後方向に沿う細長状弾性部材が伸張状態で固定されており、
前記外側バリヤーカフスは、幅方向一方側の端部が前記内装体の幅方向の端部における裏面側部位に対して固定された外側取付部分とされ、この外側取付部分以外の部分は外側取付部分から突出する外側突出部分とされ、この外側突出部分のうち前後方向両端部は、前記外側取付部分から前記内装体の側部を通り前記内側バリヤーカフスにおける内側突出部分の前後方向両端部の表面まで延在し且つ前記内側突出部分の前後方向両端部の表面に固定された付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返され且つ前記付け根側部分に固定された先端側部分とからなり、前後方向中間部が非固定の外側自由部分とされ、この外側自由部分の少なくとも先端部に前後方向に沿う細長状弾性部材が伸張状態で固定されている、
ことを特徴とする使い捨ておむつ。
(作用効果)
本項記載の発明は、バリヤーカフスを内外二重に形成するとともに、内側バリヤーカフスの内側突出部分における前後方向両端部の固定部は折り返さずに、外側バリヤーカフスの外側突出部部分における前後方向両端部を幅方向外向きに折り返し、且つ内側バリヤーカフスの内側取付部分を内装体の表面側部位を含む部位に配し、外側バリヤーカフスの外側取付部分を内装体の裏面側部位に配したところに特徴を有するものである。
外側バリヤーカフスの外側取付部分が内装体の裏面側に位置していると、外側バリヤーカフスが前後方向中間部において幅方向外側に開くように起立し、脚周りに面で当接するようになるため、フィット性が向上する。
そして、特徴的には、内側バリヤーカフスの内側取付部分が内装体の表面両側部に位置しているため、起立始点となる内側取付部分と内側突出部分との境界が内装体の側縁から幅方向中央側に離間することになり、内側及び外側バリヤーカフスの弾性部材の収縮力によって、内側及び外側バリヤーカフスが身体側に起立するだけでなく、内装体における内側突出部分よりも幅方向外側の側部が身体側に起立し、この内装体の側部が内側及び外側バリヤーカフス間において中間のバリヤーとして機能するとともに、内側及び外側バリヤーカフスを離間状態に維持するスペーサーとしての機能をも発揮する。
その結果、本発明においては、内側及び外側バリヤーカフスが重なり合わずに広い間隔で起立し、それぞれが脚周りにフィットするようになる。つまり、起立性に優れかつ肌に面で当たりやすい形状のバリヤーカフスが、離間した位置で二重にフィットするため、見た目にはすっきりとしながら優れたもれ防止効果を発揮するようになる。
<請求項2記載の発明>
おむつ展開状態において、前記内側取付部分と前記内側突出部分の境界が前記内装体表面側の側縁から幅方向中央側に3〜20mmまでの部位に位置し、前記外側取付部分と前記外側突出部分の境界が前記内装体裏面側の側縁から幅方向中央側に5〜30mmまでの部位に位置する、請求項1記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
内側取付部分が固定される内装体の表面側部位の幅が、本項記載の範囲内にあると、前述した本発明の効果がより一層のものとなる。
<請求項3記載の発明>
前記内装体は、前記吸収コアの外面側が液不透過性シートにより覆われており、この液不透過性シートは、前記吸収コアの幅方向両側を回り込んで前記吸収コアの表面シート側における前記内側取付部分と前記内側突出部分との境界と対応する位置まで延在されている、請求項2記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
使い捨ておむつにおいては、バリヤーカフスから液分が染み出すのを防止するために、バリヤーカフス内部に液不透過性シートを積層することも提案されている。バリヤーカフス内部の液不透過性シートは、内装体における吸収コアの裏面側を覆う液不透過性シートをバリヤーカフス内部まで延在させるか、別体のシートをバリヤーカフス内に積層する(特許文献3参照)のが一般的である。しかし、バリヤーカフス内部に液不透過性シートを内在させると、材料コストがかかり製造工程が煩雑化するという問題点があった。
本発明では、内側バリヤーカフスを越えた少量の排泄物を、内側及び外側バリヤーカフス間で持ち上がる内装体の両側部で阻止できるため、本項記載のように内装体の側部表面側に液不透過性シートを内在させることにより、内側バリヤーカフスを乗り越えた少量の排泄物尿や軟便の水分の染み出しを効果的に阻止できるようになる。しかも、内装体の裏面側部材として使用される液不透過性シートを利用するため、材料コスト増は少なく、製造工程の煩雑化も回避できる。
<請求項4記載の発明>
前記内側突出部分の幅が、前記内側取付部分が固定される内装体の表面側部位の幅より広く、
前記外側突出部分の付根側部分のうちおむつの展開状態で前記内装体の表面側に位置する部分の幅と、前記外側突出部分の先端側部分の幅との和が、前記内側取付部分が固定される内装体の表面側部位の幅より広く、
前記内側バリヤーカフス及び外側バリヤーカフスには液不透過性シートが内在されていない、
請求項3記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
前述したように内装体の側縁まで液不透過性シートを延在させる場合、内装体の側部が高く起立すると脚周りの通気性を損ない、排泄後に着用者に不快感を与えるおそれがある。これに対して、本項記載のような構造を採用することによって、液不透過性シートの内在により低通気性となるのは、高さが低く通気の妨げになり難い内装体の側部のみであり、高さが高く通気の妨げとなる内側及び外側バリヤーカフスは高い通気性を維持することが可能となる。よって、前述した染み出し防止効果を損ねずに、高い通気性を維持できるようになる。
<請求項5記載の発明>
前記外装体は、装着者の胴回りのうち腹側を覆う腹側外装シートと背側を覆う背側外装シートとからなり、腹側外装シートの上端縁と背側外装シートの上端縁とを揃えた状態で、腹側外装シートの幅方向両側縁の接合部と背側外装シートの幅方向両側縁の接合部とが接合されて形成された筒状の胴回り部であり、
前記内装体は、前端部が前記腹側外装シートの幅方向中央部内面に連結されるとともに、後端部が前記背側外装シートの幅方向中央部内面に連結されているものである、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
一般的なパンツ型使い捨ておむつは、前身頃の両側部と後身頃の両側部とがそれぞれ接合されることにより、両側に接合部が形成されるとともに、胴開口部及び左右一対の脚開口部が形成された外装シートと、その内面の幅方向中央に沿って腹側から股間を通り背側までの範囲に固定された内装体とを備えているものであり、装着者の両足を胴開口部に通して脚開口部に挿入することにより装着するものである。内装体は、液透過性表面シートと、その外面側に配された、繊維集合体により形作られた吸収コアとを備えている。繊維集合体としては、パルプ繊維を積繊することにより形成されたものが汎用されている。
このような一体的な外装シートを用いる種類に対して、近年、外装シートを腹側及び背側の2つに分割した外装2分割タイプともいうべき使い捨ておむつが提案されている(例えば特許文献7参照)。外装2分割タイプでは、製造時に脚開口部を打ち抜く際のトリム(余分な廃棄部分)が少ないことや、腹側外装シート及び背側外装シートの各素材を個別に選択できること、装着時には足を通しやすいためはきやすい(はかせやすい)こと、装着中には足を動かしやすいことといった利点がある。
しかし、外装2分割タイプでは脚周りを押さえる外装シートの面積が狭くなり脚周りの自由度が増すため、脚周りに隙間が生じ易いという問題点がある。よって、本発明は本項記載のような外装2分割タイプのパンツ型使い捨ておむつに好適である。
<請求項6記載の発明>
前記吸収コアは、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有しており、
前記括れ部の前端及び後端は、前記胴回り部の下端よりも股間側に位置しており、
前記括れ部の最小幅が、前記吸収コア前端部の幅及び吸収コア後端部の幅の50〜85%であり、
前記内側取付部分と前記内側突出部分の境界が、前記括れ部を前後方向に縦断するように配置されている、
請求項5記載の使い捨ておむつ。
(作用効果)
外装2分割タイプにおいては、吸収コアの形状が脚の自由度に強く影響を及ぼすため、脚周りのへのフィット性を高めるために吸収コアの前後方向中間部を括れさせるのが好ましい。
しかし、このような括れ部を設けると、脚周りの自由度が更に増すため、脚周りに隙間が生じ易い。前述のとおり、本発明のバリヤーカフスは脚周りへのフィット性に優れるものであるが、特に吸収コアに括れ部を設ける場合には、本項記載のように構成することによって、内側バリヤーカフスが括れ部を縦断する線上で起立するようになるため、より一層のフィット性の向上が図られるようになる。
以上のとおり、本発明によれば、二重のバリヤーカフスが各々の適切な位置で身体にフィットし、見た目にはすっきりとしながらも優れた漏れ防止効果が発揮されるようになる、等の利点がもたらされる。
以下、本発明を図面に示す実施の形態によってさらに詳説する。
図1〜図9は、本発明に係る使い捨ておむつの一例を示している。図1の符号において、「前後方向」とは、腹側と背側を結ぶ方向を意味し、「幅方向」とは前後方向と直交する方向を意味し、「上下方向」とは胴回り方向と直交する方向、換言すればウエスト開口部WO側と股間部側とを結ぶ方向を意味する。
この使い捨ておむつ10は、いわゆるパンツ型の使い捨ておむつであり、装着者の胴回りのうち腹側を覆う腹側外装シート12Fと背側を覆う背側外装シート12Bとを有しており、腹側外装シート12Fの幅方向両側縁の接合部12Aと背側外装シート12Bの幅方向両側縁の接合部12Aとが、ヒートシールや超音波溶着等により接合されて筒状の胴回り部12が形成されるように構成されている。図示形態のように、背側外装シート12Bが接合部12Aよりも下側に延出している場合には、この部分までを含む上下方向範囲に一体的にヒートシール等の加工を施し、背側延出部14に延出溶着部12Eを設けることができる。延出溶着部12Eを設けることにより、後述する背側延出部14の第2の細長状弾性伸縮部材16の引き込みを防止することができる。この場合、脇部の破りやすさを考慮して、接合部12Aは小さな溶着部の集合からなり、接合部12Aにおける溶着面積の比率が低い接合パターンとすることが一般的であるが、延出溶着部12Eでは破りやすさを考慮する必要が無いため、溶着パターンは接合部12Aよりも溶着面積の比率を高くすることにより第2の細長状弾性伸縮部材16が確実に溶着固定されるようにしてもよい。また、延出溶着部12Eは臀部カバー部14Cの縁部をカーブしたラインで溶着し、臀部カバー部14Cの第2の細長状弾性伸縮部材16の引き込みを防止することもできる。
また、胴回り部12における腹側外装シート12Fの幅方向中央部内面に内装体20の前端部がホットメルト接着剤等により連結されるとともに、背側外装シート12Bの幅方向中央部内面に内装体20の後端部がホットメルト接着剤等により連結されており、腹側外装シート12Fと背側外装シート12Bとが股間側で連続しておらず、離間されている。この離間距離Yは150〜250mm程度とすることができる。
図7及び図8からも判るように、胴回り部12の上部開口は、装着者の胴を通すウエスト開口部WOとなり、内装体20の幅方向両側において胴回り部12の下縁および内装体20の側縁によりそれぞれ囲まれる部分が脚を通す脚開口部LOとなる。各接合部12Aを剥がして展開した状態では、図1に示すように砂時計形状をなす。内装体20は、背側から股間部を通り腹側までを覆うように延在するものであり、排泄物を受け止めて液分を吸収し保持する部分であり、胴回り部12は内装体20を装着者に対して支持する部分である。
(外装シート)
腹側外装シート12F及び背側外装シート12Bは、図4及び図5にも示すように不織布等のシートS1,S2を2枚貼り合せてなり、胴回りに対するフィット性を高めるために、両シートS1,S2間に糸ゴム等の細長状弾性伸縮部材15〜19が所定の伸張率で設けられているものである。不織布を用いる場合、その坪量は10〜30g/m2程度とするのが好ましい。不織布は、その原料繊維が何であるかは特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。また、細長状弾性伸縮部材15〜18,19T,19Uとしては、合成ゴムを用いても、天然ゴムを用いても良い。各外装シート12F,12Bの両シートS1,S2の貼り合せや、その間に挟まれる細長状弾性伸縮部材15〜19の固定にはホットメルト接着またはヒートシールや超音波接着を用いることができる。外装シート12F,12B全面を強固に固定するとシートの風合いを損ねるため好ましくない。これらを組合せ、細長状弾性伸縮部材15〜19の接着は強固にし、それ以外の部分は接着しないか弱く接着するのが好ましい。
より詳細には、背側外装シート12Bは、接合部12Aと同じ上下方向範囲を占める背側本体部13と、この背側本体部13の下側に延出する背側延出部14とを有している。背側延出部14は、吸収性本体20と重なる幅方向中央部14Mと、その両側に延出した臀部カバー部14Cとを有している。
背側延出部14の形状は適宜定めることができるが、図示例では、背側延出部14の上端部は、背側本体部13と同幅で背側本体部13の下側に延出されており、その下側は股間側に近づくにつれて幅が狭められている。背側本体部13と同幅の部分は省略することもできる。このように構成されていると、臀部カバー部14Cの幅方向外側の縁14eが、股間側に近づくにつれて吸収性本体20側に近づくような直線状または曲線状をなすようになり、臀部を覆い易い形状となる。
背側延出部14の寸法は適宜定めることができるが、図6に示すように、臀部カバー部14Cの幅方向長さ14x(臀部カバー部14Cの幅方向外側の縁14eと吸収性本体20の側縁との幅方向の最大離間距離)が80〜160mmであり、臀部カバー部14Cの上下方向の長さ14y(延出長さ)が30〜80mmであると、より好ましい。また、背側延出部14の幅方向に最も広い部位と上下方向に最も広い部位により定まる四角形の面積をSとすると、背側延出部14の面積はSに対して20〜80%、特に40〜60%程度であると、臀部の外観および装着感に優れるため、好ましい。
背側本体部13は、上下方向において概念的に上端部(ウエスト部)Wと、これよりも下側の下側部分Uとに分けることができ、その範囲は製品のサイズによって異なるが、一般に、上端部Wの上下方向長さは15〜80mm、下側部分Uの上下方向長さは35〜220mmとすることができる。
背側本体部13の上端部(ウエスト部)Wには、幅方向全体にわたり連続するように、複数の背側ウエスト部弾性伸縮部材17が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。また、背側ウエスト部弾性伸縮部材17のうち、背側本体部13の下側部分Uに隣接する領域に配設される1本または複数本については、吸収コア20と重なっていてもよいし、吸収性本体20と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けてもよい。この背側ウエスト弾性伸縮部材17としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、4〜12mmの間隔で3〜22本程度、それぞれ伸張率150〜400%、特に220〜320%程度で固定するのが好ましい。また、背側ウエスト部弾性伸縮部材17は、その全てが同じ太さと伸張率にする必要はなく、例えば背側ウエスト部の上部と下部で弾性伸縮部材の太さと伸張率が異なるようにしてもよい。この背側ウエスト部弾性伸縮部材17は、第1及び第2の細長状弾性伸縮部材15,16に対して太さや伸張率の大小関係無く、自由に定めることができる。
また、背側本体部13の下側部分Uにおいては、吸収性本体20と重なる幅方向中央部を除いて、その上側および幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、複数の第1の細長状弾性伸縮部材15が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。
第1の細長状弾性伸縮部材15としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、1〜15mm、特に3〜8mmの間隔で5〜30本程度、それぞれ伸張率200〜350%、特に240〜300%程度で固定するのが好ましい。
また、背側延出部14においては、吸収性本体20と重なる幅方向中央部を除いて、その幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり(少なくとも臀部カバー部14C全体にわたり)連続するように、複数の第2の細長状弾性伸縮部材16が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。
第2の細長状弾性伸縮部材16としては、太さ155〜1880dtex、特に470〜1240dtex程度(合成ゴムの場合。天然ゴムの場合には断面積0.05〜1.5mm2、特に0.1〜1.0mm2程度)の糸ゴムを、5〜40mm、特に5〜20mmの間隔で2〜10本程度、それぞれ伸張率150〜300%、特に180〜260%で固定するのが好ましい。
一方、腹側外装シート12Fは背側外装シート12Bの背側本体部13と基本的に同様の腹側本体部(接合部12Aと同じ上下方向範囲を占める部分)のみからなるものであり、胴回り方向に沿って延在する矩形状をなし、背側外装シート12Bのような背側延出部14を有していないものである。
すなわち、腹側外装シート(腹側本体部)12Fの上端部(ウエスト部)Wおよび下側部分Uのうち、上端部Wには、幅方向全体にわたり連続するように、複数の腹側ウエスト部弾性伸縮部材18が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。この腹側ウエスト部弾性伸縮部材18は、背側ウエスト部弾性伸縮部材17に対して、本数、太さ、伸張率、間隔、及び上下方向配置をできるだけ近づけるのが好ましいが、異ならしめることもでき、異ならしめる場合、本数の差は10本以下、好ましくは5本以下、太さの差は1880dtex以下、好ましくは470dtex以下、伸張率の差は100%以下、好ましくは40%以下、間隔の差は10mm以下、好ましくは5mm以下である。
また、腹側外装シート12F(腹側本体部)の下側部分Uにおいては、吸収性本体20と重なる幅方向中央部を除いて、その上側および幅方向両側の各部位に、幅方向全体にわたり連続するように、複数の第3の細長状弾性伸縮部材19が上下方向に間隔を空けて、かつ所定の伸張率で幅方向に沿って伸張された状態で固定されている。第3の細長状弾性伸縮部材19の上下方向配設範囲は、下側部分の一部としても良いが、実質的に全体(全体に伸縮力が作用する範囲)とするのが好ましい。
第3の細長状弾性伸縮部材19としては、第1の細長状弾性伸縮部材15と、本数、太さ、伸張率、間隔、及び上下方向配置をできるだけ近づけるのが好ましいが、異ならしめることもでき、異ならしめる場合、本数の差は10本以下、好ましくは5本以下、太さの差は1880dtex以下、好ましくは470dtex以下、伸張率の差は100%以下、好ましくは40%以下、間隔の差は10mm以下、好ましくは5mm以下である。
図示形態の腹側外装シート12Fは、接合部12Aと同じ上下方向範囲を占める部分のみからなるものとしたが、背側と同様に、接合部12Aと同じ上下方向範囲を占める腹側本体部と、この腹側本体部の下側に延出する腹側延出部とからなる構成とすることもできる。これにより、腹側外装シート12Fの脚周り形状を鼠蹊部に沿ってフィットする形状とすることができる。この場合、腹側延出部の面積は、背側延出部の面積の10〜80%であるのが好ましく、20〜50%であるとより好ましい。腹側延出部が過度に大きいと、かえってフィット性を損なうため好ましくない。
他方、図示のように、第1、第2及び第3の細長状弾性伸縮部材15、16及び19が、吸収性本体20と重なる幅方向中央部を除いてその幅方向両側にそれぞれ設けられていると、内装体と外装シートが剥れにくいため好ましいが、この形態には、幅方向両側にのみ弾性伸縮部材が存在する形態の他、吸収性本体20を横切ってその幅方向一方側から他方側まで弾性伸縮部材が存在しているが、吸収性本体20と重なる幅方向中央部では弾性伸縮部材が切断され、伸縮力が作用しない(実質的には、弾性伸縮部材を設けないことに等しい)ように構成されている形態も含まれる。また、背側本体部13および背側延出部14の幅方向全体にわたり伸縮力が作用するように、第1、第2及び第3の細長状弾性伸縮部材15、16及び19の一部または全部を、吸収性本体20を横切ってその幅方向一方側から他方側まで設けることもできる。
(内装体)
内装体20は任意の形状を採ることができるが、図示の形態では長方形である。内装体20は、図3に示されるように、身体側となる表面シート30と、液不透過性シート70と、これらの間に介在された吸収要素50とを備えている。液不透過性シート70の裏面側には、内装体20の裏面全体を覆うように、あるいは腹側外装シート12Fと背側外装シート12Bとの間に露出する部分全体を覆うように、股間部外装シート12Mを固定することもできる。また、表面シート30を透過した液を速やかに吸収要素50へ移行させるために、表面シート30と吸収要素50との間に、中間シート(セカンドシート)40を設けることができる。さらに、吸収部20の両脇に排泄物が漏れるのを防止するために、内装体20の両側に、身体側に起立するバリヤーカフス60,61を設けることができる。なお、図示しないが、内装体20の各構成部材は、ホットメルト接着剤などのベタ、ビードまたはスパイラル塗布などにより、適宜相互に固定することができる。また、内装体20は、メカニカルファスナーや粘着材を用い、外装シート20に対して着脱自在に取り付けることもできる。
なお、内装体20の幅方向両側部、特に内装体20の幅方向両側縁と腹側外装シート12Fの下端縁との交点近傍及び背側外装シート12Bの下端縁との交点近傍では、内装体20の剛性(剛度)が15〜50cN/50mm、好ましくは20〜35cN/50mmであると、後述するようなバリヤーカフス60,61の全体的な起立形状が更に安定するため、本発明の効果がより一層のものとなる。一方、それ以外の部分、例えば幅方向中間部については柔軟性を考慮して、剛性を5〜35cN/50mm、好ましくは10〜25cN/50mmと低くするのが好ましい。なお、剛性を高くする範囲は、幅方向には内装体20の幅方向両側縁から中央側に5〜30mmの範囲、前後方向には内装体20と腹側外装シート12F,背側外装シート12Bの交点から前後方向にそれぞれ50mm以内(吸収コア56の括れ部56Nと重複する部分は含まない)とするのが好ましい。
(剛度試験)
剛性(剛度)は、JIS K 7171(プラスチック‐曲げ剛性の試験方法)に準拠し、次の方法で測定する。測定にはテンシロン試験機(圧子先端部の曲率半径R1=5.0±0.1mm、支持プレート先端部の曲率半径R2=5.0±0.2mm)を用い、内装体20の製品前後方向の曲げ剛性を測定する。試験片は、内装体20から測定に影響する弾性伸縮部材を取り除き、これをおむつ長手方向80mm、おむつ幅方向50mmの長方形に切り取ることにより作製する。曲げ剛性値の単位中の50mmは試験片の短辺の長さであり、試験時の圧子でたわませた試験片の幅である。それぞれ断面円弧状の先端部を有し、両先端部の先端(上端)間の間隔を50mmとして、互いに平行に且つ両先端部の高さ位置を揃えて配置された一対の支持プレート上に、上記の試験片を、その長手方向を各プレートに直交する方向に向けて、掛け渡すように載置し、その試験片に僅かに接するように圧子先端部を配置する。ロードセル5kg(レンジ196cN)、速度30mm/minの条件で圧子を降下させ、荷重‐たわみ曲線を得る。得られた曲げ応力の最大値を曲げ剛性値(cN/50mm)とする。なお、測定対象となる部位が上記サンプリング寸法より小さい場合は、小スケールの試験片で測定を行い、寸法比に基づいて比例計算にて換算する。
(表面シート)
表面シート30は、液を透過する性質を有するものであれば足り、例えば、有孔又は無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどを例示することができる。また、このうち不織布は、その原料繊維が何であるかは、特に限定されない。例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維などや、これらから二種以上が使用された混合繊維、複合繊維などを例示することができる。さらに、不織布は、どのような加工によって製造されたものであってもよい。加工方法としては、公知の方法、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブローン法、ニードルパンチ法、エアスルー法、ポイントボンド法等を例示することができる。例えば、柔軟性、ドレープ性を求めるのであれば、スパンボンド法、スパンレース法が、嵩高性、ソフト性を求めるのであれば、エアスルー法、ポイントボンド法、サーマルボンド法が、好ましい加工方法となる。
また、表面シート30は、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートを貼り合せて得た積層シートからなるものであってもよい。同様に、表面シート30は、平面方向に関して、1枚のシートからなるものであっても、2枚以上のシートからなるものであってもよい。
バリヤーカフス60,61を設ける場合、表面シート30の両側部は、液不透過性シート70とバリヤーカフス60,61との間を通して、吸収要素50の裏側まで回りこませ、液の浸透を防止するために、液不透過性シート70及びバリヤーカフス60,61に対してホットメルト接着剤等により接着するのが好ましい。これにより、内装体20の両側部の剛性が向上するという効果も得られる。
(中間シート)
表面シート30を透過した液を速やかに吸収コアへ移行させるために、表面シート30より液の透過速度が速い、通常「セカンドシート」と呼ばれる中間シート40を設けることができる。この中間シート40は、液を速やかに吸収コアへ移行させて吸収コアによる吸収性能を高めるばかりでなく、吸収した液の吸収コアからの「逆戻り」現象を防止し、表面シート30上を常に乾燥した状態とすることができる。中間シート40は省略することもできる。
中間シート40としては、表面シート30と同様の素材や、スパンレース、スパンボンド、SMS、パルプ不織布、パルプとレーヨンとの混合シート、ポイントボンド又はクレープ紙を例示できる。特にエアスルー不織布が嵩高であるため好ましい。エアスルー不織布には芯鞘構造の複合繊維を用いるのが好ましく、この場合芯に用いる樹脂はポリプロピレン(PP)でも良いが剛性の高いポリエステル(PET)が好ましい。目付けは20〜80g/m2が好ましく、25〜60g/m2がより好ましい。不織布の原料繊維の太さは2.2〜10dtexであるのが好ましい。不織布を嵩高にするために、原料繊維の全部又は一部の混合繊維として、芯が中央にない偏芯の繊維や中空の繊維、偏芯且つ中空の繊維を用いるのも好ましい。
図示の形態の中間シート40は、吸収コア56の幅より短く中央に配置されているが、全幅にわたって設けてもよい。中間シート40の長手方向長さは、吸収コア56の長さと同一でもよいし、液を受け入れる領域を中心にした短い長さ範囲内であってもよい。中間シート40が幅方向側部から吸収コア56の裏面側まで回り込み、ホットメルト接着剤等により接着固定されていると、内装体20の両側部の剛性が向上する。中間シート40の代表的な素材は液の透過性に優れる不織布である。
(液不透過性シート)
液不透過性シート70の素材は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂や、ポリエチレンシート等に不織布を積層したラミネート不織布、防水フィルムを介在させて実質的に不透液性を確保した不織布(この場合は、防水フィルムと不織布とで液不透過性シートが構成される。)などを例示することができる。もちろん、このほかにも、近年、ムレ防止の観点から好まれて使用されている不透液性かつ透湿性を有する素材も例示することができる。この不透液性かつ透湿性を有する素材のシートとしては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を混練して、シートを成形した後、一軸又は二軸方向に延伸して得られた微多孔性シートを例示することができる。さらに、マイクロデニール繊維を用いた不織布、熱や圧力をかけることで繊維の空隙を小さくすることによる防漏性強化、高吸水性樹脂または疎水性樹脂や撥水剤の塗工といった方法により、防水フィルムを用いずに液不透過性としたシートも、液不透過性シート70として用いることができる。
液不透過性シート70は、防漏性を高めるために、吸収要素50の両側を回りこませて吸収要素50の表面シート30側面の両側部まで延在させるのが好ましい。これにより、内装体20の両側部の剛性が向上するという効果も得られる。この延在部の幅は、左右それぞれ5〜20mm程度が適当である。
また、液不透過性シート70の内面または外面には、印刷や着色によるデザインを施しても良い。さらに液不透過性シート70の外側に、股間部外装シート12Mとは別部材の、印刷または着色を施したデザインシートを貼り付けても良い。また、液不透過性シート70の内側に、液分の吸収により色が変化する排泄インジケータ80を設けることができる。
(吸収要素)
吸収要素50は、吸収コア56と、この吸収コア56の少なくとも裏面及び側面を包む包被シート58とを有する。包被シート58は省略することもできる。
(吸収コア)
吸収体56は、繊維の集合体により形成することができる。この繊維集合体としては、綿状パルプや合成繊維等の短繊維を積繊したものの他、セルロースアセテート等の合成繊維のトウ(繊維束)を必要に応じて開繊して得られるフィラメント集合体も使用できる。繊維目付けとしては、綿状パルプや短繊維を積繊する場合は、例えば100〜300g/m2程度とすることができ、フィラメント集合体の場合は、例えば30〜120g/m2程度とすることができる。合成繊維の場合の繊度は、例えば、1〜16dtex、好ましくは1〜10dtex、さらに好ましくは1〜5dtexである。フィラメント集合体の場合、フィラメントは、非捲縮繊維であってもよいが、捲縮繊維であるのが好ましい。捲縮繊維の捲縮度は、例えば、1インチ当たり5〜75個、好ましくは10〜50個、さらに好ましくは15〜50個程度とすることができる。また、均一に捲縮した捲縮繊維を用いる場合が多い。吸収コア56中には高吸収性ポリマー粒子を分散保持させるのが好ましい。
(高吸収性ポリマー粒子)
高吸収性ポリマー粒子とは、「粒子」以外に「粉体」も含む。高吸収性ポリマー粒子の粒径は、この種の吸収性物品に使用されるものをそのまま使用でき、1000μm以下、特に150〜400μmのものが望ましい。高吸収性ポリマー粒子の材料としては、特に限定無く用いることができるが、吸水量が40g/g以上のものが好適である。高吸収性ポリマー粒子としては、でんぷん系、セルロース系や合成ポリマー系などのものがあり、でんぷん−アクリル酸(塩)グラフト共重合体、でんぷん−アクリロニトリル共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセルロースの架橋物やアクリル酸(塩)重合体などのものを用いることができる。高吸収性ポリマー粒子の形状としては、通常用いられる粉粒体状のものが好適であるが、他の形状のものも用いることができる。
高吸収性ポリマーとしては、抗菌物質と一体化したものを用いることができる。特に、ゼオライト中のイオン交換可能なイオンの一部または全部を銀イオンで置換してなるゼオライト粒子(以下、これを抗菌消臭性ゼオライトという)を高吸収性ポリマー中に含有させるか、あるいは抗菌消臭性ゼオライト粒子を高吸収性ポリマー粒子の表面に静電気により付着させてなる、抗菌消臭性高吸収性ポリマー粒子が好適である。
高吸収性ポリマー粒子としては、吸水速度が40秒以下のものが好適に用いられる。吸水速度が40秒を超えると、吸収コア56内に供給された液が吸収コア56外に戻り出てしまう所謂逆戻りを発生し易くなる。
また、高吸収性ポリマー粒子としては、ゲル強度が1000Pa以上のものが好適に用いられる。これにより、嵩高な吸収コア56とした場合であっても、液吸収後のべとつき感を効果的に抑制できる。
高吸収性ポリマー粒子の目付け量は、当該吸収コア56の用途で要求される吸収量に応じて適宜定めることができる。したがって一概には言えないが、50〜350g/m2とすることができる。ポリマーの目付け量が50g/m2未満では、吸収量を確保し難くなる。350g/m2を超えると、効果が飽和する。
必要であれば、高吸収性ポリマー粒子は、吸収コア56の平面方向で散布密度あるいは散布量を調整できる。たとえば、液の排泄部位を他の部位より散布量を多くすることができる。男女差を考慮する場合、男用は前側の散布密度(量)を高め、女用は中央部の散布密度(量)を高めることができる。また、吸収コア56の平面方向において局所的(例えばスポット状)にポリマーが存在しない部分を設けることもできる。
(包被シート)
包被シート58を用いる場合、その素材としては、ティッシュペーパ、特にクレープ紙、不織布、ポリラミ不織布、小孔が開いたシート等を用いることができる。ただし、高吸収性ポリマー粒子が抜け出ないシートであるのが望ましい。クレープ紙に換えて不織布を使用する場合、親水性のSMMS(スパンボンド/メルトブローン/メルトブローン/スパンボンド)不織布が特に好適であり、その材質はポリプロピレン、ポリエチレン/ポリプロピレンなどを使用できる。目付けは、5〜40g/m2、特に10〜30g/m2のものが望ましい。
この包被シート58は、図2のように、吸収コア56全体を包む形態のほか、その層の裏面及び側面のみを包被するものでもよい。また図示しないが、吸収コア56の上面及び側面のみをクレープ紙や不織布で覆い、下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態、吸収コア56の上面をクレープ紙や不織布で覆い、側面及び下面をポリエチレンなどの液不透過性シートで覆う形態などでもよい(これらの各素材が包被シートの構成要素となる)。必要ならば、吸収コア56を、上下2層のシートで挟む形態や下面のみに配置する形態でもよいが、高吸収性ポリマー粒子の移動を防止でき難いので望ましい形態ではない。
(股間部外装シート)
内装体20の裏面側には、製品外面に露出する股間部外装シート12Mが設けられている。この股間部外装シート12Mの素材としては、腹側外装シート12F及び背側外装シート12Bと同様のものを用いることができるが、より高強度の素材や消臭剤を含有するもの等、腹側外装シート12F及び背側外装シート12Bとは異なる素材を用いることもできる。具体的には、PP、PP/PE、PP/PET等の繊維からなる、スパンボンド不織布、メルトブロー不織布、ポイントボンド不織布、エアスルー不織布、エアーポイント不織布、スパンレース不織布、SMS不織布等の各種不織布、あるいはこれに消臭剤等を添加したもの等を用いることができる。
股間部外装シート12Mには座位時に高い体圧がかかる。よって、摩擦堅牢度の高い(毛羽立たない)特性を有する素材が好ましい。具体的には、繊維の太さは1.1〜5.5dtexが好ましく、熱エンボスにより繊維が接着するスパンボンドやSMS、ポイントボンド、熱風により繊維が接着するエアスルー不織布などが好適である。
股間部外装シート12Mは、印刷や着色を行い、デザイン要素を備えたシートとしてもよい。前述のデザインシートと併用する場合は、それぞれのデザインが重ならないように配置することが好ましい。
股間部外装シート12Mとして伸縮不織布を用い、内装体20の長手方向に伸長して貼り付けると、股間部のフィット性が向上するため好ましい。
股間部外装シート12Mが幅方向側部から身体側面まで回り込み、バリヤーシート62の外面にホットメルト接着剤等により接着固定されていると、内装体20の両側部の剛性が向上する。このような形態においては、股間部外装シート12Mに剛度(コシ度)の高いシートを用いることが好ましい。具体的には、クラーク法(JISL1096 C法)によって測定される剛軟度の、シートのMD方向とCD方向との和が100mm以上、好ましくは150mm以上のシートを用いるとよい。
図示例では、腹側及び背側外装シート12F,12Bと内装体20とが重なる部分において、股間部外装シート12Mは内装体20と腹側及び背側外装シート12F,12Bとの間に挟まれているが、腹側及び背側外装シート12F,12Bの外側に貼り付けることも可能である。股間部外装シート12Mは、ホットメルト接着剤等により内装体20の裏面、並びに腹側及び背側外装シート12F,12Bの内面若しくは外面に貼り付けられる。
(バリヤーカフス)
バリヤーカフス60,61は、内装体20の両側部に沿って前後方向全体にわたり延在する帯状部材であり、表面シート30上を伝わって横方向に移動する尿や軟便を阻止し、横漏れを防止するために設けられているものである。
本実施の形態では、図3及び図4にも示すように、内装体20の左右各側において二重にバリヤーカフス60,61が設けられている。おむつを展開した状態では、図示のように、内側バリヤーカフス61は内装体20の側部から幅方向中央側に斜めに起立するものであり、外側バリヤーカフス60は、内側バリヤーカフス61の幅方向外側において内装体20の側部から起立するように設けられ、付け根側の部分は幅方向中央側に向かって斜めに起立し、中間部より先端側の部分は幅方向外側に向かって斜めに起立するものである。
より詳細には、内側バリヤーカフス61は、内装体20の前後方向長さに等しい長さを有する帯状のバリヤーシート62を幅方向に折り返して二つに折り重ねるとともに、折り返し部分及びその近傍のシート間に、細長状弾性伸縮部材63を長手方向に沿って伸張状態で、幅方向に間隔をあけて複数本固定してなるものである。細長状弾性伸縮部材63は、バリヤーシート62に対し、前後端部では固定されておらず、中間部においてバリヤーカフスが前後に伸縮するように固定されている。バリヤーシート62としては、スパンボンド不織布(SS、SSS等)やSMS不織布(SMS、SSMMS等)、メルトブロー不織布等の柔軟で均一性・隠蔽性に優れた不織布に、必要に応じてシリコンなどにより撥水処理を施したものを好適に用いることができ、繊維目付けは10〜30g/m2程度とするのが好ましい。細長状弾性伸縮部材63としては糸ゴム等を用いることができる。スパンデックス糸ゴムを用いる場合は、太さは420〜1120dtexが好ましく、620〜940dtexがより好ましい。固定時の伸長率は、150〜350%が好ましく、200〜300%がより好ましい。また、図示しないが、二つに折り重ねたバリヤーシート62の重なり部分を、ホットメルト接着剤のベタ塗り(スロットコート)により貼り合わせることで、液分の染み出しを防止することもできる。この場合、ホットメルト接着剤の塗布量は5g/m2以上とするのが好ましい。また、バリヤーカフスの内側に保持された排泄物が透けて見えることの無いよう、バリヤーカフス(積層体)はJIS L 1096に準じて測定される通気度が50cc/cm2・sec以上、特に100cc/cm2・sec以上、JIS P 8138に準じて測定される不透明度 が40%以上、特に50%以上、JIS L 1192 A法に準じて測定される耐水圧が150mmH2O以上、特に200mmH2O以上となるよう構成されるのが好ましい。
細長状弾性伸縮部材63は、内側バリヤーカフス61の先端部に1〜2本配置するのが好ましく、先端部と基端部との間の中間部にも1〜2本配置すると更に好ましい。中間部に細長状弾性伸縮部材63があると、これを支点として中間部から先端部に亘る範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。中間部の細長状弾性伸縮部材63の配置位置は内側バリヤーカフス61の高さ(突出部の幅方向長さ)の30〜70%範囲が好ましい。乳幼児用紙おむつでは、内側バリヤーカフス61の高さは15〜35mm程度が好ましいため、細長状弾性伸縮部材63の配置範囲は先端から基端側に5〜25mmの位置が好ましく、12〜18mmの位置がより好ましい。内側バリヤーカフス61の先端部及び/または中間部にそれぞれ細長状弾性伸縮部材63を平行に設ける場合は、その配置間隔61dは2〜10mmが好ましく、2〜6mmがより好ましい。
そして、内側バリヤーカフス61のうち幅方向において折り返し部分と反対側の端部は内装体20の側部の表面から裏面にわたる範囲に固定された取付部分(内側取付部分)65とされ、この取付部分65以外の部分は取付部分65から突出する突出部分66(折り返し部分側の部分であり、内側突出部分に相当する)とされ、この突出部分66のうち前後方向両端部が表面シート30表面にホットメルト接着剤やヒートシールによる前後固定部67により固定され、前後方向中間部が非固定の自由部分(内側自由部分)とされ、この自由部分に前後方向に沿う細長状弾性部材63が伸張状態で固定されている。
外側バリヤーカフス60も、内側バリヤーカフス61と基本的に同様の構造を有するものであるが、その取付部分(外側取付部分)68が、内装体20の裏面側における内側バリヤーカフス61の取付部分65よりも幅方向中央側において内側バリヤーカフス61の外面に固定される点、突出部分(外側突出部分)69のうち前後方向両端部が、取付部分68から内装体20の側部を通り内側バリヤーカフス61における内側突出部分66の前後方向両端部の表面まで延在し且つ内側突出部分66の前後方向両端部の表面に固定された付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返され且つ付け根側部分に固定された先端側部分とからなる点、細長状弾性伸縮部材63の配置及び本数等で異なるものである。
ただし、内側バリヤーカフス61についても、内側突出部分の先端部は幅方向外側に折り返される構造、具体的には内側バリヤーカフス61の高さ(突出部の幅方向長さ)の1/2以下、好ましくは1/3以下であれば、外側バリヤーカフス61と同様に先端側部分が幅方向外側に折り返され且つ付け根部側部分に固定される構造を採っても良い。
外側バリヤーカフス60の自由部分(外側自由部分)に設けられる細長状弾性伸縮部材63の本数は2〜6本が好ましく、3〜5本がより好ましい。配置間隔60dは3〜10mmが適当である。このように構成すると、細長状弾性伸縮部材63を配置した範囲で肌に対して面で当たりやすくなる。先端側だけでなく付け根側にも細長状弾性伸縮部材63を配置しても良い。外側バリヤーカフス60に配置する細長状弾性伸縮部材63の太さや伸長率は、内側バリヤーカフス61に準ずるが、太さは内側バリヤーカフス61のものと同じ、またはより太く、伸長率は内側バリヤーカフス61のものと同じ、またはより低いほうが好ましい。
また、突出部分66,69の前後固定部67の前後方向長さは、内側バリヤーカフス61の方が外側バリヤーカフス60と同じかまたは短く形成するのが好ましく、バリヤーカフス60,61における細長状弾性伸縮部材63の前後方向固定長さは、内側バリヤーカフス61の方が外側バリヤーカフス60と同じかまたは長く形成するのが好ましい。
外側バリヤーカフス60及び内側バリヤーカフス61の取付部分68,65における突出部分66,69側の縁部には、ホットメルト接着剤やヒートシールによる線状の付け根固定部を形成するのが好ましい。また、他の固定部はホットメルト接着剤等を用いて適宜のパターンで固定することができる。内側取付部分65における線状の付け根固定部は、内装体20の表面側の側縁から幅方向中央側に3〜20mmまで、特に5〜10mmまでに位置するのが好ましい。更に、内側取付部分65における線上の付け根固定部は、バリヤーカフス61、括れ部50Nを縦断するように配置されるのが好ましい。また、外側取付部分68における線上の付け根固定部は、内装体20の裏面側の側縁から幅方向中央側に5〜30mmまで、特に10〜20mmまでに位置するのが好ましい。この場合、バリヤーカフスを表面側に折り返して固定しているのは実質的に前後方向両端部のみとなるため、前後固定部67による幅方向中央側への規制が十分に作用しない股間部においては、外側バリヤーカフス60及び内側バリヤーカフス61いずれもが幅方向外側に向かって起立し、内側バリヤーカフス61の形成するポケットが広くなる。また、外側バリヤーカフス60及び内側バリヤーカフス61の付け根固定部の配置寸法が上記範囲を外れると、例えば内側バリヤーカフス61の取付部分65が固定される内装体20の表面側部位の幅W7が短過ぎると、内側及び外側バリヤーカフス61,60間における内装体20の両側部の起立高さが低くなり好ましくない。長すぎると、内側バリヤーカフス61においては表面シート30のうち吸収に利用される部分の幅が狭くなるため好ましくないが、外側バリヤーカフス60においては、内装体20の裏面側に形成されるポケットが広くなるという利点があるため、起立の安定を損なわない程度であれば30mm以上であっても良い。
外側及び内側バリヤーカフス60,61の取付部分68,65の固定対象は、内装体20における表面シート30、液不透過性シート70、吸収要素50等適宜の部材とすることができ、またいずれか一方のバリヤーカフスを介して他方のバリヤーカフスを内装体20に対して固定することもできる。
かくして構成された外側及び内側バリヤーカフス60,61では、細長状弾性伸縮部材63の収縮力が前後方向両端部を近づけるように作用するが、突出部分66,69のうち前後方向両端部が起立しないように固定されるのに対して、それらの間は非固定の自由部分とされているため、自由部分のみが図11に示すように身体側に当接するように起立する。特に、取付部分68,65が内装体20の裏面側に位置している外側バリヤーカフス60では、股間部及びその近傍において幅方向外側に開くように起立するため、外側バリヤーカフス60が脚周りに面で当接するようになる。また、内側バリヤーカフス61の突出部分66における前後固定部67は折り返さずに、外側バリヤーカフス60の突出部部分68における前後固定部67は外向きに折り返されているため、外側及び内側バリヤーカフス60,61の各自由部分間が離間した状態で起立するようになる。
そして、特徴的には、内側バリヤーカフス61の内側取付部分65が内装体20の表面両側部に位置し、起立始点となる内側取付部分65と内側突出部分66との境界が内装体20の側縁から幅方向中央側に離間しているため、外側及び内側バリヤーカフス60,61の弾性部材63の収縮力によって、外側及び内側バリヤーカフス60,61が身体側に起立するだけでなく、内装体20における内側突出部分66よりも幅方向外側の側部20sが身体側に起立し、この内装体20の側部20sが外側及び内側バリヤーカフス60,61間において中間のバリヤーとして機能するとともに、外側及び内側バリヤーカフス60,61を離間状態に維持するスペーサーとしての機能をも発揮する。その結果、外側及び内側バリヤーカフス60,61が重なり合わずに広い間隔で起立し、それぞれが脚周りにフィットするようになり、漏れ防止性に優れたものとなる。
外側及び内側バリヤーカフス60,61と同様に、内装体20の側縁に沿って細長状弾性部材を伸張状態で固定することにより、内装体20の両側部20sを先端部に細かな襞(ギャザー)を形成して起立する第3のバリヤーカフスとして起立させることもできるが、このような弾性部材を設けずに外側及び内側バリヤーカフス60,61の起立作用を利用した方が、むしろ自然に持ち上がり、襞が大きくなって外側及び内側バリヤーカフス60,61が重なり合わないようにするスペーサーとして機能し易いため好ましい。
バリヤーカフス60,61の寸法は適宜定めることができるが、乳幼児用紙おむつの場合は、例えば図7に示すように、内側バリヤーカフス61の起立高さ(展開状態における突出部分66の幅方向長さ)W5は10〜45mm、特に15〜35mmであるのが好ましく、外側バリヤーカフス60の起立高さ(展開状態における突出部分69の幅方向長さ)W6は15〜60mm、特に20〜40mmであるのが好ましい。また、内側バリヤーカフス61を表面シート30表面に倒した状態における先端間の離間距離W4は60〜170mm、特に70〜120mmであるのが好ましい。また、外側バリヤーカフス60を表面シート30表面と平行になるように、平坦に折り畳んだ状態において最も内側に位置する折り目間の離間距離W3は60〜190mm、特に70〜140mmであるのが好ましい。
他方、前述のように、液不透過性シート70を吸収要素50の両側から回り込ませる場合、液不透過性シート70が、吸収要素50の幅方向両側を回り込んで吸収要素50の表面シート30側における内側取付部分65と内側突出部分66との境界と対応する位置まで延在されていると好ましい。内側バリヤーカフス61を越えた少量の排泄物を、内側及び外側バリヤーカフス61,60間で持ち上がる内装体20の両側部20sで阻止できるため、本項記載のように内装体側部20sの表面側に液不透過性シート70を内在させることにより、内側バリヤーカフス61を乗り越えた少量の排泄物尿や軟便の水分の染み出しを効果的に阻止できるようになる。しかも、内装体20の裏面側部材として使用される液不透過性シート70を利用するため、材料コスト増は少なく、製造工程の煩雑化も回避できる。
さらにこの場合、内側突出部分66の幅W5が、内側取付部分65が固定される内装体20の表面側部位の幅W7より広く、外側突出部分69の付根側部分のうちおむつの展開状態で内装体20の表面側に位置する部分の幅W8と、外側突出部分69の先端側部分の幅W9との和が、内側取付部分65が固定される内装体20の表面側部位の幅W7より広く、且つ内側バリヤーカフス61及び外側バリヤーカフス60には液不透過性シート70が内在されていない構造を採用すると、より好ましい。このような構造においては、液不透過性シート70の内在により低通気性となるのは、高さが低く通気の妨げになり難い内装体20の側部20sのみであり、高さが高く通気の妨げとなる内側及び外側バリヤーカフス61,60は高い通気性を維持することが可能となる。よって、前述した染み出し防止効果を損ねずに、高い通気性を維持できるようになる。
他方、図6にも示すように、吸収コア56は、前端部56F、後端部56B及びこれらの間に位置し、前端部56F及び後端部56Bと比べて幅が狭い括れ部56Nとを有しており、吸収コア前端部56Fの前後方向長さをL1とし、吸収コア56と腹側外装シート12Fとの重なり部分における前後方向長さをL2とし、吸収コア後端部56Bの前後方向長さをL3とし、吸収コア56と背側外装シート12Bとの重なり部分における前後方向長さをL4とし、括れ部56Nの最小幅をW1とし、吸収コア前端部56Fの幅及び吸収コア後端部56Bの幅をW2としたとき、下記の式(1)〜(4)を満足するように構成されていると好ましい。
70mm ≦ W1 < W2 ≦ 190mm …(1)
0.5 ≦ W1/W2 ≦ 0.85 …(2)
0mm ≦ L1−L2 ≦ 70mm …(3)
0mm ≦ L3−L4 ≦ 50mm …(4)
より好ましい範囲は下記のとおりである。
90mm ≦ W1 ≦ 120mm …(1´)
100mm ≦ W2 ≦ 190mm …(1´´)
0.6 ≦ W1/W2 ≦ 0.75 …(2´)
30mm < L1−L2 ≦ 60mm …(3´)
5mm < L3−L4 ≦ 30mm …(4´)
W1及びW2が狭過ぎると、バリヤーカフスの起立が不安定になり、また吸収コアの剛性向上が不十分となり、広過ぎるとフィット性の低下により装着感が悪化する。なお、前述の外装シート12F,12Bが接合部12Aと同じ上下方向範囲を占める部分のみからなる場合には、内装体20と外装シート12F,12Bとがほぼ直角に交わり、内装体20と外装シート12F,12Bとの接着部分に大きな力が集中するため、L1−L2およびL3−L4の数値は、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上である。一方、下側に延出部14を備える場合は、L1−L2およびL3−L4は、上記の通り0mm以上でも十分である。
そして、上記数値範囲にあると、股間部においてはバリヤーカフス60,61の取付部分65近傍に吸収コア56が存在しないため、バリヤーカフス60,61の動きの自由度が増し、バリヤーカフス60,61が幅方向外側に開き易く、肌に対して面で当たりやすくなり、脚の動きに対するフィット面の追従性も向上する。前後両側においては内装体20側部の吸収コア56が十分な範囲に存在するため、これを基点(支点)としてバリヤーカフス60,61の起立が安定する。前後両側から股間部に至る部分は、バリヤーカフス60,61が内装体20の幅方向両側縁を基準として幅方向内側に起立した姿勢から幅方向外側に開いていく変位部であり、このバリヤーカフス60,61の姿勢変化が内装体20側部まで存在する吸収コア56により支えられ、バリヤーカフス60,61の全体的な起立形状が安定する。上記数値範囲を外れ、括れ部が大きくなりすぎると、股間部においてはバリヤーカフス60,61の自由度が高くなりすぎ、かえって脚周りに隙間ができ易くなるおそれがあり、また股間部の前後両側においても基点(支点)が無いためにバリヤーカフス60,61の起立が不安定になるおそれがある。逆に括れ部が小さくなりすぎると、バリヤーカフス60,61の自由度が低下するので好ましくない。
また、吸収コア56は、特に下記の式(6)及び(7)を満足するように構成されていると好ましい。
90mm ≦ L1 < L3 ≦ 180mm …(6)
40mm ≦ L2 < L4 ≦180mm …(7)
さらに、括れ部56N全体の前後方向長さL7は好ましくは80mm以上、特に好ましくは120〜260mmとされる。括れ部56Nの前後方向長さL7が短過ぎると脚周りに対するフィット性が低下し、吸収コア56が脚の動きを妨げるようになり、長すぎると吸収コア56の剛性を確保し難くなる。
さらに、上記内側及び外側バリヤーカフス61,60を有する場合、括れ部50Nの前端及び後端を胴回り部の下端よりも股間側に位置させ、括れ部56Nの最小幅W1を、吸収コア前端部56Fの幅及び吸収コア後端部56Bの幅W2の50〜85%、更には60〜75%とし、各内側バリヤーカフス61における内側取付部分と内側突出部分の境界が、括れ部56Nを前後方向に縦断するように配置されていると、内側バリヤーカフス61が括れ部50Nを縦断する線上で起立するようになるため、バリヤーカフスの脚周りへのフィット性がより一層のものとなるため、好ましい。
また、本発明の効果をより一層のものとするために、吸収コア前端部56F及び吸収コア後端部56Bの各々における幅方向両側部の繊維密度を、幅方向中間部の繊維密度よりも高くするのが好ましい。具体的には、吸収コア56の厚さを均一にし、吸収コア前端部56F及び吸収コア後端部56Bの各々における幅方向両側部の繊維集合体の坪量を高くするのが好ましく、この場合、吸収コア56の厚さは1〜15mmとし、幅方向両側縁から中央側に5〜30mmの範囲56xにおける坪量を350〜700g/m2とし、これら両側部間の中間部56mの坪量を300〜600g/m2とし、幅方向両側部の坪量を幅方向中間部に対して1.2〜2.0倍とするのが好ましい。またこの場合、吸収コア56における高吸収性ポリマーの配合比は40〜70%程度とする。
なお、本形態の吸収コア56は括れ部56Nを有するため、吸収コア56の幅方向両側部における上記範囲全体を高坪量部としても内装体20の股間部における柔軟性には影響を及ぼさない。もちろん、高坪量部が吸収コア56の幅方向両側部において、特に吸収コア56の幅方向両側縁と外装シート12F,12Bの下端縁との交点近傍において間欠的に形成されていても良い。この場合、高坪量部は前後方向に10〜80mm程度、特に20〜50mm程度の範囲にわたって形成するのが好ましい。
本発明は、上記例のような外装2分割タイプのパンツ型使い捨ておむつや、特許文献2に示されるパンツ型使い捨ておむつのように、股間部の少なくとも両側縁に外装シートが存在せず、バリヤーカフス(二重の場合には外側バリヤーカフス)が股間部の両側縁を形成する構造に好適なものである。この場合、股間部における両側縁に外装シートが存在しない領域は、おむつの全長の1/4以上であることが好ましく、1/3以上であることがより好ましい。しかし、本発明はこのような構造に限られるものではなく、他の形態のパンツ型使い捨ておむつや、テープ式使い捨ておむつにも適用できるものである。
使い捨ておむつの内面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 使い捨ておむつの外面を示す、おむつを展開した状態における平面図である。 図1の3−3断面図である。 図1の4−4断面図である。 図1の5−5断面図である。 使い捨ておむつの要部のみを寸法とともに示す、おむつを展開した状態における平面図である。 使い捨ておむつの要部のみを寸法とともに示す、断面図である。 製品状態の正面図である。 製品状態の背面図である。 他の使い捨ておむつの要部のみを寸法とともに示す、おむつを展開した状態における平面図である。 装着状態における股間部の断面図である。
符号の説明
10…内装体、12…外装シート、12F…腹側外装シート、12B…背側外装シート、13…背側本体部、14…背側延出部、15…第1の細長状弾性伸縮部材、16…第2の細長状弾性伸縮部材、20…内装体、56…吸収コア、56F…吸収コア前端部、56B…吸収コア後端部、56N…括れ部。

Claims (6)

  1. 液透過性表面シート及びその外面側に配された吸収コアを有し、背側から股間部を通り腹側までを覆う内装体と、この内装体の外面側に取り付けられシート状の外装体とを備えた使い捨ておむつにおいて、
    前記内装体の幅方向両側部に沿って前後方向に延在する帯状の内側バリヤーカフスがそれぞれ設けられるとともに、これら内側バリヤーカフスの外側に、前記内装体の幅方向両側部に沿って前後方向に延在する帯状の外側バリヤーカフスがそれぞれ設けられており、
    前記内側バリヤーカフスは、幅方向一方側の端部が前記内装体の幅方向の端部における表面側部位を含む部位に対して固定された内側取付部分とされ、この内側取付部分以外の部分は内側取付部分から突出する内側突出部分とされ、この内側突出部分のうち前後方向両端部が折り返されずに前記表面シートの表面に固定され、前後方向中間部が非固定の内側自由部分とされ、この内側自由部分の少なくとも先端部に前後方向に沿う細長状弾性部材が伸張状態で固定されており、
    前記外側バリヤーカフスは、幅方向一方側の端部が前記内装体の幅方向の端部における裏面側部位に対して固定された外側取付部分とされ、この外側取付部分以外の部分は外側取付部分から突出する外側突出部分とされ、この外側突出部分のうち前後方向両端部は、前記外側取付部分から前記内装体の側部を通り前記内側バリヤーカフスにおける内側突出部分の前後方向両端部の表面まで延在し且つ前記内側突出部分の前後方向両端部の表面に固定された付け根側部分と、この付け根側部分の先端から幅方向外側に折り返され且つ前記付け根側部分に固定された先端側部分とからなり、前後方向中間部が非固定の外側自由部分とされ、この外側自由部分の少なくとも先端部に前後方向に沿う細長状弾性部材が伸張状態で固定されている、
    ことを特徴とする使い捨ておむつ。
  2. おむつ展開状態において、前記内側取付部分と前記内側突出部分の境界が前記内装体表面側の側縁から幅方向中央側に3〜20mmまでの部位に位置し、前記外側取付部分と前記外側突出部分の境界が前記内装体裏面側の側縁から幅方向中央側に5〜30mmまでの部位に位置する、請求項1記載の使い捨ておむつ。
  3. 前記内装体は、前記吸収コアの外面側が液不透過性シートにより覆われており、この液不透過性シートは、前記吸収コアの幅方向両側を回り込んで前記吸収コアの表面シート側における前記内側取付部分と前記内側突出部分との境界と対応する位置まで延在されている、請求項2記載の使い捨ておむつ。
  4. 前記内側突出部分の幅が、前記内側取付部分が固定される内装体の表面側部位の幅より広く、
    前記外側突出部分の付根側部分のうちおむつの展開状態で前記内装体の表面側に位置する部分の幅と、前記外側突出部分の先端側部分の幅との和が、前記内側取付部分が固定される内装体の表面側部位の幅より広く、
    前記内側バリヤーカフス及び外側バリヤーカフスには液不透過性シートが内在されていない、
    請求項3記載の使い捨ておむつ。
  5. 前記外装体は、装着者の胴回りのうち腹側を覆う腹側外装シートと背側を覆う背側外装シートとからなり、腹側外装シートの上端縁と背側外装シートの上端縁とを揃えた状態で、腹側外装シートの幅方向両側縁の接合部と背側外装シートの幅方向両側縁の接合部とが接合されて形成された筒状の胴回り部であり、
    前記内装体は、前端部が前記腹側外装シートの幅方向中央部内面に連結されるとともに、後端部が前記背側外装シートの幅方向中央部内面に連結されているものである、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の使い捨ておむつ。
  6. 前記吸収コアは、前端部、後端部及びこれらの間に位置し、前端部及び後端部と比べて幅が狭い括れ部とを有しており、
    前記括れ部の前端及び後端は、前記胴回り部の下端よりも股間側に位置しており、
    前記括れ部の最小幅が、前記吸収コア前端部の幅及び吸収コア後端部の幅の50〜85%であり、
    前記内側取付部分と前記内側突出部分の境界が、前記括れ部を前後方向に縦断するように配置されている、
    請求項5記載の使い捨ておむつ。
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