JP5120870B2 - 脚部保護用半長靴及びその製造方法 - Google Patents

脚部保護用半長靴及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、脚部保護用半長靴に関する。さらに詳しくは、本発明は、緊急の事態が生じたときに、脚部保護用ゴム靴下と同時に迅速に着用することができる脚部保護用半長靴に関する。
気体又は液体の薬品や、細菌で汚染された場所で作業する際に、脚部の保護を目的として、ゴム靴下が着用される。しかし、ゴム靴下を着用した上で靴を履こうとすると、ゴム靴下の外側は滑らないので、靴が非常に履きにくい。さりとて、ゴム靴下を着用することなく、靴のみを履いていると、靴に傷や破れが発生した場合には、薬品や細菌から脚部を保護することができない。そのために、ゴム靴下を着用した上で、作業用の安全半長靴などを履いて作業にあたる。ゴム靴下は通気性がないので、常時着用することは不可能であり、汚染場所での作業の必要性が生じたときに着用される。
ゴム靴下は滑り性がないので、布製の靴下のように簡単に着用することができず、例えば、ゴム靴下をいったん裏返しにして爪先から順次反転させながら着用する、ゴム靴下の内側に滑り粉、シリコーン、水などを散布して滑り性を与えて着用するなどの手段が取られる。また、ゴム靴下を着用した状態で靴を履こうとしても、ゴム靴下に滑り性がないことが障害となって、寸法の合った靴を手際よく履くことは困難である。
しかし、気体又は液体の薬品や、細菌による汚染は、突発的な緊急事態として発生する場合もあり、そのような場合には、迅速にゴム靴下を着用し、作業用の靴を履いて出動することが要求される。このために、短時間で着用することができる脚部保護用ゴム靴下と脚部保護用靴が求められている。
本発明は、緊急の事態が生じたときに、脚部保護用ゴム靴下と同時に迅速に着用することができる脚部保護用半長靴を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、内側の略全面に布が取り付けられたゴム靴下を半長靴の中に入れ、ゴム靴下の底部及び足首部で半長靴の内側と接着し、ゴム靴下の底部と足首部の中間部で半長靴と遊離させることにより、ゴム靴下の中へ脚部を円滑に入れて着用することができ、しかも、一つの動作でゴム靴下を着用すると同時に半長靴を履き得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)作業の際に着用される脚部保護用半長靴であって、半長靴の内側に厚さ0.4〜1.2mmのゴム靴下が備えられ、該ゴム靴下の内側の略全面に目開きが10〜500μmであり、目開き率が10〜60%であるメッシュクロスが取り付けられ、該ゴム靴下が底部及び足首部において半長靴の内側と接着されてなり、該ゴム靴下の底部と足首部の中間部において半長靴の内側と遊離されてなることを特徴とする脚部保護用半長靴、
(2)ゴム靴下を構成するゴムがブチルゴムである(1)記載の脚部保護用半長靴、
(3)半長靴が、ブチルゴムにより構成されてなることを特徴とする(1)又は(2)記載の脚部保護用半長靴、
(4)脚型に、目開きが10〜500μmであり、目開き率が10〜60%であるメッシュ靴下を装着し、ゴム配合物を、脚型に装着したメッシュ靴下の上に、0.4〜1.2mmの厚さにコーティングし、加熱加硫後、脚型から取り外して、メッシュクロスが内側に取り付けられたゴム靴下を得て、別に、ゴム配合物を加熱成形して脚部保護用半長靴の表底接地部を作成して半長靴の表底を得て、得られた表底にゴム配合物を用いて甲部と胴部を形成して半長靴を得たのち、前記ゴム靴下の底部及び足首部の円周部を、ゴム糊を用いて半長靴の内側に前記ゴム靴下の底部及び足首部の中間部を前記半長靴から遊離させた状態で接着することを特徴とする脚部保護用半長靴の製造方法、
(5)(4)において、別に、ゴム配合物を加熱成形して脚部保護用半長靴の表底接地部を作成した後、発泡シート、金属板及びブチルゴムシートを、表底接地部の形状に切断し、この順に表底接地部に積層して接着し、半長靴の表底を得ることを特徴とする脚部保護用半長靴の製造方法、
(6)ゴム配合物がブチルゴム配合物である(4)又は(5)記載の脚部保護用半長靴の製造方法、及び、
(7)半長靴の表底に、中敷き鋼鉄板を積層することを特徴とする(4)〜(6)のいずれかに記載の脚部保護用半長靴の製造方法、
を提供するものである。
本発明の脚部保護用半長靴は、その内側に備えられたゴム靴下の着用と同時に一つの動作で迅速に履くことができるので、緊急事態が発生した場合であっても、ゴム靴下と半長靴を着用して速やかに出動することができる。
本発明の脚部保護用半長靴は、作業の際に着用される脚部保護用半長靴であって、半長靴の内側にゴム靴下が備えられ、該ゴム靴下の内側の略全面に布が取り付けられ、該ゴム靴下が底部及び足首部において半長靴の内側と接着されてなり、該ゴム靴下の底部と足首部の中間部において半長靴の内側と遊離されてなる脚部保護用半長靴である。
本発明の脚部保護用半長靴は、ゴム靴下を着用すると同時に一つの動作で半長靴を履くことができる。本発明の脚部保護用半長靴を着用することにより、地面、床面などが、有害な気体又は液体の薬品や、細菌などに汚染されたとき、脚部に障害を受けるおそれがなく、汚染物の除去作業を安全に行うことができる。薬品や細菌による汚染が緊急事態として発生したとき、本発明の脚部保護用半長靴を手早く着用して、迅速に出動することができる。
図1は、本発明の脚部保護用半長靴の一態様の説明図である。本態様の脚部保護用半長靴は、半長靴1の内側にゴム靴下2が備えられ、ゴム靴下の内側3の全面に布が取り付けられている。ゴム靴下は脚との滑り性が悪く、着用することは容易ではないが、本態様の脚部保護用半長靴においては、ゴム靴下の内側の全面に布が取り付けられているので、脚との滑り性が良好であり、通常の布製の靴下を着用する場合と同様に脚を円滑に入れて着用することができる。
図1に示す態様の脚部保護用半長靴においては、ゴム靴下が底部4及び足首部5において半長靴の内側と接着されており、底部と足首部の中間部6において、半長靴の内側と遊離されている。また、ゴム靴下の足首部の上部7においても、半長靴の内側と遊離されている。半長靴の内側に備えられたゴム靴下を、底部と足首部において半長靴の内側と接着し、底部と足首部の中間部において半長靴の内側と遊離させることにより、ゴム靴下の中へ脚を入れてゴム靴下を着用すると同時に一つの動作で半長靴を履くことができ、しかも、ゴム靴下を着用し、半長靴を履いた状態で円滑に活動することができる。
脚部保護用半長靴のゴム靴下が、底部と足首部の間に半長靴の内側と遊離された中間部を有せず、底部から足首部までが全面で半長靴の内側に接着されていると、ゴム靴下の剛性が高くなり、伸縮性がなくなって、着用することがほとんど不可能となる。中間部が部分的にでも半長靴の内側に接着されていると、着用が困難となるのみならず、ゴム靴下を着用し、半長靴を履いた状態での円滑な活動が妨げられる。脚部保護用半長靴のゴム靴下の底部における半長靴の内側との接着、又は、ゴム靴下の足首部における半長靴の内側との接着を省くと、ゴム靴下を着用し、半長靴を履いた状態での安定性がなくなり、円滑に作業することが困難となるおそれがある。
本発明の脚部保護用半長靴を履く場合は、爪先をゴム靴下の口に差し込み、ゴム靴下の口を両手で持って引き上げることにより、通常の布製の靴下と同様に迅速に着用することができ、靴下の着用と同時に半長靴も引き上げられて、半長靴を履いた状態となるので、装着に時間がかからない。また、外側の半長靴に万一傷ができても、内側のゴム靴下で有害ガスなどが遮断され、安全に作業を進めることができる。
本発明の脚部保護用半長靴のゴム靴下に用いるゴム素材に特に制限はなく、例えば、天然ゴム、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、エチレンプロビレンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどを挙げることができる。これらの中で、ブチルゴムは、各種の気体の透過性が極めて低く、耐熱性、耐老化性、耐光性、耐オゾン性、耐薬品性、耐コロナ性、電気絶縁性、低反発弾性、衝撃吸収性、防振性、緩衝性などに優れているので特に好適に用いることができる。
本発明において、脚部保護用半長靴のゴム靴下のゴムの厚さに特に制限はないが、0.4〜1.2mmであることが好ましく、0.6〜1.0mmであることがより好ましい。ゴムの厚さが0.4mm未満であると、ゴム靴下の強度が不足するおそれがある。ゴムの厚さが1.2mmを超えると、着用感が低下するおそれがある。
本発明の脚部保護用半長靴においては、ゴム靴下の内側の略全面に取り付ける布がメッシュクロスであることが好ましい。ゴム靴下の内側にメッシュクロスを取り付けることにより、脚との抵抗を減じていっそう迅速に着用することができる。本発明に用いるメッシュクロスの材質に特に制限はなく、例えば、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、綿などを挙げることができる。これらの中で、ナイロンのメッシュクロスは、伸縮性が大きく、ゴムとの接着性が良好なので好適に用いることができる。
本発明に用いるメッシュクロスは、目開きが10〜500μmであることが好ましく、100〜300μmであることがより好ましい。メッシュクロスの目開きが10μm未満であっても、500μmを超えても、脚部保護用半長靴のゴム靴下と脚部との滑り性を向上する効果が十分に発現しないおそれがある。
本発明に用いるメッシュクロスは、目開き率が10〜60%であることが好ましく、30〜50%であることがより好ましい。メッシュクロスの目開き率が10%未満であっても、60%を超えても、脚部保護用半長靴のゴム靴下と脚部との滑り性を向上する効果が十分に発現しないおそれがある。
本発明の脚部保護用半長靴のゴム靴下を製造する方法に特に制限はなく、例えば、脚型にメッシュクロスからなる靴下を装着して内側の全面のメッシュクロスとし、その上にゴム配合物をコーティングし、加熱して加硫することにより、ゴム靴下を得ることができる。メッシュクロスからなる靴下としては、例えば、市販の綿メッシュ靴下、ナイロンメッシュ靴下などを用いることができる。ゴム配合物としては、例えば、生ゴムに、硫黄、加硫促進剤、充填剤などを添加して混練した配合物を挙げることができる。
本発明の脚部保護用半長靴の甲被の材質に特に制限はなく、例えば、皮革、合成ゴムなどを挙げることができる。甲被の材質は、脚部保護用半長靴の使用状況に応じて適宜選択することができ、例えば、機械的損傷の防止が重要な場合には、クロムなめし又はクロムタンニン混合なめしによる牛革を用いることが好ましく、有毒ガスの透過の防止が重要な場合には、各種の気体の透過性が極めて低いブチルゴムを用いることが好ましい。必要に応じて、爪先を保護するために先しんを付けることができる。
本発明の脚部保護用半長靴の表底の材質に特に制限はなく、例えば、耐油性合成ゴム、発泡ポリウレタン、それらの重層組み合わせなどを挙げることができる。表底には、必要に応じて、中敷き鋼鉄板を積層することができる。本発明の脚部保護用半長靴の表底は、JIS T 8101 8.5の耐踏抜き試験において、釘が貫通したときの力が1,100N以上であることが好ましい。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
脚型に、寸法24〜26cmの綿メッシュ靴下(黒)を装着した。ブチルゴム[日本ブチル(株)、Butyl 268]100重量部、亜鉛華3重量部、硫黄1.75重量部、ステアリン酸1重量部、オイルファーネスブラック50重量部及びテトラメチルチウラムジスルフィド1重量部を混練して、ブチルゴム配合物を調製し、脚型に装着した綿メッシュ靴下の上に、厚さ0.8mmにコーティングした。150℃で40分間加硫して、脚部保護用半長靴のゴム靴下を完成し、脚型から取り外した。
アクリロニトリル結合量35モル%のアクリロニトリルブタジエンゴム100重量部、シリカ40重量部、フタル酸ジ(2−エチルヘキシル)5重量部、酸化亜鉛5重量部、ステアリン酸2重量部、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体2重量部、2−ベンゾチアゾリルジスルフィド1.5重量部、テトラメチルチウラムジスルフィド0.5重量部及び硫黄1.5を混練して、アクリロニトリルブタジエンゴム配合物を調製し、170℃で4分間プレス成形して、サイズ25.5cmで、最も薄い部分の厚さが2.5mmのリップル底つき表底接地部を得た。厚さ1.0mmの発泡ポリウレタンシート、厚さ0.2mmの鋼板及び厚さ0.8mmのブチルゴムシートを、表底接地部の形状に切断し、この順に積層して接着し、半長靴の表底を得た。得られた表底に、ゴム靴下の作製に用いたブチルゴム配合物を用いて、厚さ1.6mmの甲部と胴部を形成し、靴丈28.0cmの半長靴を得た。
上記のゴム靴下の底部と、足首部の幅20mmの円周部を、ゴム糊を用いて半長靴の内側に接着し、脚部保護用半長靴を完成した。この脚部保護用半長靴について、着用試験を行った。ゴム靴下の口に爪先を差し込み、両手で口を持って引き上げると、滑らかに靴下を着用することができ、同時に半長靴がゴム靴下に引かれて引き上げられ、簡単に脚部保護用半長靴を履くことができた。脚部保護用半長靴の着用を開始してから、両脚に履き終えるまでに要した時間は、15秒であった。
比較例1
脚型に綿メッシュ靴下を装着しなかった以外は、実施例1と同様にして、ブチルゴムのみからなるゴム靴下を作製した。このゴム靴下と、実施例1で作製したサイズ25.5cm、靴丈28.0cmの半長靴とを用いて、着用試験を行った。
ゴム靴下の口に爪先を差し込み、両手で口を持って引っ張っても、足の3分の1までしか入らなかったので、爪先からゴム靴下を反転させながら着用した。両脚にゴム靴下を着用するために要した時間は、1分20秒であった。
次いで、ゴム靴下を着用した足を半長靴に入れようとしたが、ゴム同士が滑らないために、足を半長靴に入れることができなかった。半長靴の胴部を反転させたが、ゴム靴下より厚いために取り扱いにくく、半長靴の甲部は表底が付いているために反転させることができず、半長靴を履くことは極めて困難であった。悪戦苦闘の末に、32分を要してようやく両脚を半長靴の中に収めたが、ゴム靴下に皺や引きつれがある感じで、安定した履き心地ではなかった。
本発明の脚部保護用半長靴は、その内側に備えられたゴム靴下の着用と同時に一つの動作で迅速に履くことができるので、緊急事態が発生した場合であっても、ゴム靴下と半長靴を着用して速やかに出動することができる。
本発明の脚部保護用半長靴の一態様の説明図である。
符号の説明
1 半長靴
2 ゴム靴下
3 内側
4 底部
5 足首部
6 中間部
7 上部

Claims (7)

  1. 作業の際に着用される脚部保護用半長靴であって、半長靴の内側に厚さ0.4〜1.2mmのゴム靴下が備えられ、該ゴム靴下の内側の略全面に目開きが10〜500μmであり、目開き率が10〜60%であるメッシュクロスが取り付けられ、該ゴム靴下が底部及び足首部において半長靴の内側と接着されてなり、該ゴム靴下の底部と足首部の中間部において半長靴の内側と遊離されてなることを特徴とする脚部保護用半長靴。
  2. ゴム靴下を構成するゴムがブチルゴムである請求項1記載の脚部保護用半長靴。
  3. 半長靴が、ブチルゴムにより構成されてなることを特徴とする請求項1又は2記載の脚部保護用半長靴。
  4. 脚型に、目開きが10〜500μmであり、目開き率が10〜60%であるメッシュ靴下を装着し、ゴム配合物を、脚型に装着したメッシュ靴下の上に、0.4〜1.2mmの厚さにコーティングし、加熱加硫後、脚型から取り外して、メッシュクロスが内側に取り付けられたゴム靴下を得て、別に、ゴム配合物を加熱成形して脚部保護用半長靴の表底接地部を作成して半長靴の表底を得て、得られた表底にゴム配合物を用いて甲部と胴部を形成して半長靴を得たのち、前記ゴム靴下の底部及び足首部の円周部を、ゴム糊を用いて半長靴の内側に前記ゴム靴下の底部及び足首部の中間部を前記半長靴から遊離させた状態で接着することを特徴とする脚部保護用半長靴の製造方法。
  5. 請求項4において、別に、ゴム配合物を加熱成形して脚部保護用半長靴の表底接地部を作成した後、発泡シート、金属板及びブチルゴムシートを、表底接地部の形状に切断し、この順に表底接地部に積層して接着し、半長靴の表底を得ることを特徴とする脚部保護用半長靴の製造方法。
  6. ゴム配合物がブチルゴム配合物である請求項4又は5記載の脚部保護用半長靴の製造方法。
  7. 半長靴の表底に、中敷き鋼鉄板を積層することを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の脚部保護用半長靴の製造方法。
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