JP5122253B2 - 加熱装置 - Google Patents

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本発明は、加熱装置に関する。詳しくは、湾曲した加熱板を備える加熱装置に関する。
従来より、自動車のパネルを成形する工程では、ブロー成形が行われている。このブロー成形では、加圧ガスによりワークを金型に対して加圧して成形する前に、このワークを所定の加工温度まで加熱する。このようなブロー成形において良質なパネルを成形するためには、ワークを加熱する際に、ワークの表面に傷を付けないこと、および、ワークを均一かつ速やかに昇温することが重要となっている。
図5は、従来の加熱装置90の構成を示す断面図である(特許文献1参照)。
加熱装置90は、平らな加熱板91と、この加熱板91の上方に配置されて熱風を供給する熱風発生装置92と、を備える。この加熱装置90では、加熱板91の上にワーク93を載置し、ヒータ94で加熱板91に入熱し、この加熱板91でワーク93を下面側から加熱するとともに、熱風発生装置92からワーク93の上面に向かって熱風を吹き付けて、ワーク93を上面側から加熱する。
したがって、従来の加熱装置90によれば、熱風によりワーク93を加熱することでワーク93の表面に傷が付くのを防止しつつ、ワーク93を両面側から加熱することでワーク93を速やかに昇温することができる。
特開昭61−133316号公報
図5に示すように、熱風を吹き付けてワーク93を上面側から加熱する際、ワーク93の端部側に供給された熱風は、ワーク93の表面に沿って外側に向かって流れるので、高温の熱風を供給し続けることができる。しかしながら、ワーク93の中央部に供給された熱風は逃げ道を確保できずに滞留してしまい、高温の熱風を供給し続けることができない。その結果、ワーク93の中央部の加熱効率が低下してしまうため、ワーク93を均一に昇温できず、また、ワークを所定の温度まで昇温させるのに時間がかかるおそれがある。
図6は、従来の加熱装置90の構成を示す断面図であり、破線で示す加熱前の状態におけるワーク93aと、実線で示す加熱後の状態におけるワーク93bとを比較する図である。
図6に示すように、従来の加熱装置90によれば、加熱後のワーク93bには、波打つようにしわが発生する場合がある。このしわは、ワークの下面内における加熱むらと、ワークの下面側と上面側との温度差と、を原因として発生する。
つまり、加熱前のワーク93aには微小なそりがあるため、加熱板に載置した状態では、ワーク93aには、加熱板に接触する部分と接触しない部分とができてしまい、ワークの下面内には加熱むらが生じる。
このような状態でワークを加熱し続けると、ワークの加熱板に接触する部分では、下面側は上面側と比較して速く昇温するため、板厚方向に沿った温度差が大きくなる。このため、ワークの下面側の熱膨張が上面側の熱膨張より大きくなり、図6に示すように、加熱後のワーク93bには、波打つようなしわが形成される。また、このようなしわが形成されると、ワーク全体を所定の温度まで昇温するのに時間がかかってしまうおそれもある。
本発明は、ワークを短時間でかつ均一に加熱できる加熱装置を提供することを目的とする。
本発明の加熱装置は、ブロー成形に先立って行われる板状のワーク加熱に用いられる加熱装置(例えば、後述の加熱装置1)であって、ブロー成形に供されるワークが載置される加熱板(例えば、後述の加熱板2)と、前記加熱板に入熱するヒータ(例えば、後述のヒータ3)と、前記加熱板に載置されたワークの上面に熱風を吹き付ける送風手段(例えば、後述の熱風発生装置4)と、を備え、前記加熱板のうちワークと接する面(例えば、後述の載置面21)は湾曲しており、当該加熱板の中央部分は、当該加熱板の端部側に比べて高いことを特徴とする。
この発明によれば、加熱板の上にワークを載置し、ヒータで入熱された加熱板によりワークを下面側から加熱するとともに、送風手段によりワークの上面に熱風を吹き付けて、ワークを上面側から加熱する。
ここで、加熱板のうちワークと接する面を湾曲させて、加熱板の中央部分を端部側に比べて高くした。よって、送風手段により熱風を吹き付けると、この熱風は加熱板の外側に向かって流れやすくなる。その結果、ワークの中央部分の加熱効率を向上できるうえに、ワークの端部側の加熱効率も向上できる。
また、加熱板のワークと接する面を湾曲させたため、加熱板の上にワークを載置して加熱すると、まず、加熱板によりワークの中央部分が加熱される。その後、ワークの上面が熱風の圧力により徐々に加熱板になじんで、ワークの端部側も加熱される。すなわち、熱風により加熱しにくいワークの中央部分を、加熱板で先に加熱することにより、ワーク全体の温度をより均一にかつ速やかに昇温させることができる。
また、熱風の圧力によってワークが加熱板の表面になじんで湾曲する。すると、ワークの剛性が向上するため、上述のようなしわが生じにくくなる。これにより、ワークと加熱板との接触面積が減少するのを防いで、加熱時間を短縮できる。
本発明の加熱装置によれば、ワークの中央部分の加熱効率を向上できるうえに、ワークの端部側の加熱効率も向上できる。また、熱風により加熱しにくいワークの中央部分を、加熱板で先に加熱することにより、ワーク全体の温度をより均一にかつ速やかに昇温させることができる。また、熱風の圧力によってワークが加熱板の表面になじんで湾曲する。すると、ワークの剛性が向上するため、上述のようなしわが生じにくくなる。これにより、ワークと加熱板との接触面積が減少するのを防いで、加熱時間を短縮できる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の加熱装置1の構成を示す断面図である。
加熱装置1は、板状のワーク9が載置され、ワーク9を下面側から加熱する加熱板2と、加熱板2に載置されたワーク9の上面に熱風を吹き付ける送風手段としての熱風発生装置4とを備え、ワーク9を両面から加熱する。この加熱装置1は、ブロー成形を行うワークを加熱する際に用いられる。
加熱板2には、この加熱板2に入熱するヒータ3が接続されている。このように、加熱板2を介して間接的にワーク9を加熱することにより、ワーク9を全面に亘ってむら無く加熱することができる。
熱風発生装置4は、加熱用のガスを供給するガス供給器と、このガスを加熱するヒータと、を備える。この熱風発生装置4のうち加熱板2と対向する面内には、加熱されたガスを整流して加熱板2へ向けて噴出する複数のスリットが所定の間隔で形成されている。
図2は、加熱板2の外観を示す斜視図である。
加熱板2の上面は、ワークが載置される載置面21となっており、図2に示すように、この載置面21は湾曲している。より具体的には、X−Y平面内に延びる加熱板2において、載置面21は図2中Y軸で示される一軸方向でのみ湾曲しており、これにより、加熱板2の中央部23は、この加熱板2の両端部24a,24b側に比べて高くなっている。換言すれば、加熱板2の板厚は、中央部23が最も厚く、この中央部23からY軸に沿って両端部24a,24bにかけて薄くなっている。
本実施形態によれば、以下のような作用効果がある。
本実施形態の加熱装置1によれば、加熱板2の載置面21にワーク9を載置し、ヒータ3で入熱された加熱板2によりワーク9を下面側から加熱するとともに、熱風発生装置4によりワーク9の上面に熱風を吹き付けて、ワーク9を上面側から加熱する。
ここで、加熱板2のうちワーク9と接する載置面21を湾曲させて、加熱板2の中央部23を両端部24a,24b側に比べて高くした。よって、熱風発生装置4により熱風を吹き付けると、この熱風は加熱板2の外側に向かって流れやすくなる。その結果、ワーク9の中央部分の加熱効率を向上できるうえに、ワーク9の両端部側の加熱効率も向上できる。
また、加熱板2のワーク9と接する載置面21を湾曲させたため、加熱板2の載置面21にワークを載置して加熱すると、まず、加熱板によりワークの中央部分が加熱される。その後、ワークの上面が熱風の圧力により徐々に加熱板になじんで、ワークの端部側も加熱される。すなわち、熱風により加熱しにくいワークの中央部分を、加熱板で先に加熱することにより、ワーク全体の温度をより均一にかつ速やかに昇温させることができる。
また、熱風の圧力によってワークが加熱板の表面になじんで湾曲する。すると、ワークの剛性が向上するため、上述のようなしわが生じにくくなる。これにより、ワークと加熱板との接触面積が減少するのを防いで、加熱時間を短縮できる。
<比較試験>
上述の実施形態に基づいて加熱装置を製作し、この湾曲した載置面を有する実施例と、平らな載置面を有する比較例とについて、それぞれ、ワークの昇温試験を行った。次に、この昇温試験の結果について、図3及び図4を参照して説明する。
この昇温試験では、ワークを加熱しながら、このワークの加熱面の温度を複数の温度センサで測定した。この昇温試験では、正方形状の鋼板をワークとして用い、このワークの加熱面のうち異なる複数の箇所の温度を測定した。
図3は、比較例及び実施例による昇温試験の結果を示す図である。図3の(a)は、比較例による昇温試験の結果を示す図であり、図3の(b)は、実施例による昇温試験の結果を示す図である。
図3の(a)において、一点鎖線31はワークの端部における温度を示し、二点鎖線32はワークの中央部における温度を示し、実線33はワークの各点の平均温度を示す。また、実線34は、ワークの各点の温度のうち最も高い部分と最も低い部分との差である温度レンジを示す。
図3の(b)において、一点鎖線41はワークの端部における温度を示し、二点鎖線42はワークの中央部における温度を示し、実線43はワークの各点の平均温度を示す。また、実線44は、ワークの各点の温度のうち最も高い部分と最も低い部分との差である温度レンジを示す。
図3の(a)に示すように、比較例によれば、ワークの端部の温度は、平均と比較して速く昇温し、時刻tにおいて所定の目標温度に到達する。ワークの中央部の温度は、平均と比較して遅く昇温し、時刻tよりも遅い時刻tにおいて目標温度に到達する。
一方、図3の(b)に示すように、実施例によれば、ワークの端部の温度は、平均と比較して速く昇温し、時刻tにおいて所定の目標温度に到達する。ワークの中央部の温度は、平均と比較して遅く昇温し、時刻tよりも遅い時刻tにおいて目標温度に到達する。
ここで、これら図3の(a)および図3の(b)の結果を比較すると、tはtよりも小さく、また、tはtよりも小さい。したがって、実施例によれば、ワークの端部および中央部の温度は、比較例と比較して、より速く目標温度に達することが判明した。また、実施例によれば、ワークの端部と中央部における、目標温度に達するまでの時間差(t−t)は、比較例における時間差(t−t)と比較して、より短いことが判明した。
図4は、比較例による昇温試験の結果と、実施例による昇温試験の結果とを比較する図である。図4において、一点鎖線51,52は、それぞれ、比較例によるワークの各点の平均温度および温度レンジを示し、実線53,54は、それぞれ、実施例によるワークの各点の平均温度および温度レンジを示す。
図4に示すように、ワークの各点の平均温度は、実施例によれば、時刻tにおいて目標温度に達し、比較例によれば、時刻tより遅い時刻tにおいて目標温度に達する。
また、ワークの温度レンジは、実施例によれば、時刻tにおいて目標温度レンジに達し、比較例によれば、時刻tよりも遅いtにおいて目標温度レンジに達する。
したがって、実施例によれば、比較例と比較して、ワークをより速やかに、かつ、むらなく昇温させることができることが判明した。
なお、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
本発明の一実施形態に係る加熱装置の構成を示す断面図である。 前記実施形態に係る加熱板の構成を示す斜視図である。 比較例及び実施例の加熱装置による昇温試験の結果を示す図である。 比較例の加熱装置による昇温試験の結果と、実施例の加熱装置による昇温試験の結果とを比較する図である。 従来の加熱装置の構成を示す断面図である。 従来の加熱装置の構成を示す断面図であり、加熱前の状態におけるワークと、加熱後の状態におけるワークと、を比較する図である。
符号の説明
1…加熱装置
2…加熱板
21…載置面
3…ヒータ
4…熱風発生装置
9…ワーク

Claims (1)

  1. ブロー成形に先立って行われる板状のワーク加熱に用いられる加熱装置であって、
    ブロー成形に供されるワークが載置される加熱板と、
    前記加熱板に入熱するヒータと、
    前記加熱板に載置されたワークの上面に熱風を吹き付ける送風手段と、を備え、
    前記加熱板のうちワークと接する面は湾曲しており、当該加熱板の中央部分は、当該加熱板の端部側に比べて高いことを特徴とする加熱装置。
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