JP5122428B2 - 移動通信システム、受信装置及び方法 - Google Patents

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Description

本発明は移動通信の技術分野に関連し、特にシングルキャリア方式のMIMO(Multiple Input Multiple Output)伝送が行われる移動通信システム、受信装置及び方法に関連する。
マルチキャリア伝送方式は、周波数帯域を複数の狭い帯域(サブキャリア)に分割し、各サブキャリアで独立に信号を伝送する方式である。特に、直交周波数分割多重接続(OFDMA: Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式は、各サブキャリアが互いに直交するようにサブキャリアを配置することで周波数利用効率を高め、高速大容量化を図る。OFDMA方式では、サブキャリア間干渉を効果的に抑制できるので、各サブキャリアを用いて信号を並列に送信することができるため、1シンボルの長さを長くできる。また、ガードインターバルを或る程度長く確保することで、マルチパス干渉を効果的に抑制することもできる。
しかしながら、マルチキャリア伝送方式では、各サブキャリアにマッピングされた信号が、時間領域で互いに重畳されて送信されるので、瞬時的にかなり大きなピーク電力が送信に必要になる。即ち、マルチキャリア伝送方式では、ピーク電力対平均電力比(PAPR: Peak-to-Average Power Ratio)がかなり大きくなるおそれがあり、このとは移動端末にとって特に懸念される。
PAPRを低減する観点からは、一般的に、シングルキャリア伝送方式が有利である。特に、SC-FDMA(Single Carrier−Frequency Division Multiple Access)方式又はDFTスプレッドOFDM(Discrete Fourier Transform spread OFDM)方式は、シングルキャリア方式ではあるが、広帯域の周波数帯域を有効に活用できる。SC-FDMA方式では、送信信号はフーリエ変換後にいずれかのサブキャリアにマッピングされ、マッピング後の信号が逆フーリエ変換後に無線送信される。受信側では、受信信号がフーリエ変換され、各サブキャリアにマッピングされている信号成分が取り出され、送信シンボルが推定される。このようなシングルキャリア伝送方式は、PAPRを低減しつつ周波数帯域の有効活用を図る観点から望ましい。
しかしながらシングルキャリア方式の場合、各サブキャリアの帯域幅が広くなるので、マルチパス干渉が生じやすくなる。マルチパス干渉は、伝送速度の高速化が求められる場合に特に顕著になる。例えば、データ変調多値数が大きい場合や、MIMO多重伝送方式が使用されるような場合に特に顕著になる。このことは、受信側での信号検出精度の劣化にも大きな影響を及ぼす。
一例として、送信アンテナ数がNであり、データ変調多値数がB(例えば、16QAMならB=4)であり、想定されるマルチパス数がPであり、受信側で最尤判定法(MLD: Maximum Likelihood Detection)による信号検出が行われるとする(従来のQRM-MLD法については、例えば非特許文献1参照。)。上述したように、OFDM方式が使用される場合、サブキャリア間干渉は効果的に抑制され、ガードインターバルの範囲内に収まるマルチパス干渉は十分に抑制される。この場合、受信側で考察しなければならないシンボル候補総数は、
2N×B
になる。これに対して、シングルキャリア方式の場合、マルチパス干渉が無視できないので、考察しなければならないシンボル候補総数は、
2N×B×P
にも及ぶ。マルチパス数に応じて候補数が指数関数的に増えるので、信号検出の演算量はかなり大きくなってしまう。このことは、シングルキャリア方式のMIMO伝送を行う際に、信号検出が高精度ではあるが演算量の大きいMLD法の適用を困難にしてしまう。一方、ゼロフォーシング(ZF)法や最小二乗誤差(MMSE)法のような演算量が小さい信号検出法では、信号検出精度の劣化が懸念される。受信側での信号検出精度が良くないということは、所要信号品質(所要SINR)を維持するために、より強い電力で信号を送信しなければならなくなることを意味する。PAPRを抑制し、バッテリーを節約する等の観点からシングルキャリア方式を採用したにもかかわらず、結局大きな送信電力を必要としてしまうことは望ましくない。
K.J.Kim,et al.,"Joint channel estimation and data detection algorithm for MIMO-OFDM systems", Proc. 36th Asilomar Conference on Signals, Systems and Computers, Nov. 2002
本発明の課題は、移動通信システムでシングルキャリアのMIMO方式が使用され且つSC-FDMA方式が使用される場合に、受信側での信号検出精度の向上を図ることである。
本発明の一形態による受信装置は、
シングルキャリア方式のMIMO伝送方式が使用される移動通信システムで使用される受信装置であって、
送信されるシンボル系列中の一群のシンボルは、フーリエ変換により所定のウエイトと共に複数のサブキャリアにマッピングされた後に逆フーリエ変換され、複数の送信アンテナから送信され、当該受信装置は、
複数の受信アンテナで受信した信号をフーリエ変換し、各サブキャリアの信号成分を抽出する手段と、
抽出された信号成分にQR分解アルゴリズムを適用し、各サブキャリアのシンボルを推定する信号検出手段と、
を有し、前記信号検出手段は、
前記送信するシンボル系列とサブキャリアとの対応関係を決めるウエイト行列と前記送信及び受信アンテナ間の無線チャネル状態を表すチャネル行列との積に、ユニタリ行列と三角行列との積が等しくなるように該ユニタリ行列を求める分解手段と、
各受信アンテナで受信した信号成分を含む受信ベクトルに前記ユニタリ行列を乗算したベクトルと、前記三角行列とを用いて、各送信アンテナから送信されたシンボルの候補を推定する推定手段と、
を有する受信装置である。
本発明によれば、移動通信システムでシングルキャリアのMIMO方式が使用され且つSC-FDMA方式が使用される場合に、受信側での信号検出精度の向上を図ることができる。
本発明の一形態では、シングルキャリア方式のMIMO伝送方式が使用される移動通信システムで使用される受信装置が使用される。移動通信システムでは、SC-FDMA方式の多元接続法が使用される。当該受信装置は、複数の受信アンテナで受信した信号をフーリエ変換し、各サブキャリアにマッピングされている信号成分を抽出する手段と、抽出された信号成分にQR分解アルゴリズムを適用し、各サブキャリアで伝送されたシンボルを推定する信号検出手段とを有する。前記信号検出手段は、前記送信するシンボル系列とサブキャリアとの対応関係を決める行列Wと、前記送信及び受信アンテナ間の無線チャネル状態を表すチャネル行列Hと、あるユニタリ行列QHとの積が三角行列Rになるように該ユニタリ行列を求める手段と、各受信アンテナで受信した信号成分を含む受信ベクトルYに前記ユニタリ行列QHを乗算したベクトルと、前記三角行列Rとを用いて、各送信アンテナから送信されたシンボルの候補xを推定する手段とを有する。
SC-FDMA方式によるシングルキャリアのMIMO方式が移動通信システムで使用される場合に、受信側でQR分解アルゴリズムを使用することで、信号検出における演算量の軽減を図り、信号検出精度の向上を図ることができるようになる。信号検出精度が向上することで、所要品質を確保するのに要する送信電力を節約できるようになる。これは、送信側がユーザ装置である場合に特に有利である。また、QR分解アルゴリズムを使用することで、周波数領域での等化処理及びMLD等による信号分離処理を一度に効率的に行えるようになる。
前記信号検出手段は、メトリックを前記シンボルの候補毎に用意し、該メトリックに応じて候補を絞り込む手段を更に備えていてもよい。前記メトリックは、シンボルコンステレーションにおける受信シンボル及びシンボルの候補間の二乗ユークリッド距離を表してもよい。信号検出時の演算量が軽減されることで、シングルキャリアMIMO伝送には従来では適用できなかったMLD法を適用できるようになる。これは、信号検出精度の向上を更に図る観点から好ましい。
前記チャネル行列及び前記ウエイト行列の行列積の行又は列を並べ替えるための指示信号を、前記分解手段に与える並替制御手段が、当該受信装置に設けられてもよい。前記分解手段は、前記指示信号に従って、行又は列の並べ替えられた前記行列積が、三角行列及びユニタリ行列の積に等しくなるように、該三角行列及び該ユニタリ行列を求めてもよい。
前記推定手段が、Mアルゴリズムに従ってシンボルを推定する際、より強い受信電力に対応する送信アンテナのシンボルが、より弱い受信電力に対応する送信アンテナのシンボルよりも先に推定されるように、前記並替制御手段は前記指示信号を用意するしてもよい。
第1の送信アンテナから送信されたシンボルの第1のサブキャリアのサブキャリア成分が前記推定手段で推定された後に、該第1のサブキャリアで第2の送信アンテナから送信されたシンボルのサブキャリア成分が前記推定手段で推定されるように、前記並替制御手段は前記指示信号を用意してもよい。
説明の便宜上、発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされるが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。
本発明の実施例は、以下の観点から説明される。
1.システム
2.送信装置
3.受信装置
4.動作
5.信号検出部の詳細
6.変形例1
7.変形例2
8.変形例2−方法1,方法2
1.システム
図1は本発明の実施例で使用される移動通信システムの概略を示す。図1には、セル50と、セル50内に在圏するユーザ装置1001,1002,1003と、基地局200と、アクセスゲートウエー300と、コアネットワーク400とが示されている。本発明の一実施例では、1つ以上のユーザ装置は、基地局とMIMO方式で無線通信を行う。ユーザ装置は典型的には移動局であるが、固定局でもよい。この移動通信システムでは、上りリンクにSC-FDMA方式(又は、DFTスプレッドOFDM方式)が使用されている。別の実施例では、下りリンクにSC-FDMA方式が使用されてもよい。
2.送信装置
図2は、移動通信システムで使用される送信装置の一例を示す。本実施例では、この送信装置はユーザ装置に備わっているが、別の実施例では基地局に備わっていてもよい。図2には、離散フーリエ変換部(DFT)21と、周波数領域マッパー22と、逆高速フーリエ変換部(IFFT)23と、ガードインターバル付与部(+CP)24とが示されている。
離散フーリエ変換部(DFT部)21は、送信対象の一連のシンボル系列を受信し、所定数個のシンボル毎に離散フーリエ変換を行う。このシンボル系列は、典型的には、誤り訂正符号化及びデータ変調後のシンボルの系列であるが、より一般的には適切な如何なるシンボル系列でもよい。DFT21は、所定数個(例えば、NDFT個)のシンボル毎に離散フーリエ変換し、時間領域のシンボル系列を周波数領域の信号に変換する。NDFTは離散フーリエ変換のウインドウサイズ又はブロックサイズを表す。
図3はDFT部21で行われる演算内容を説明するための概念図である。左側に示されるx1は、全部でNTX個の送信アンテナの内、第1の送信アンテナから送信される信号を表す。第2、第3、...第NTXの送信アンテナから送信される信号x2,x3,...,xNTXも実際には存在するが、図示の簡明化を図るためそれらは描かれていない。送信シンボルx1は、NDFT個のシンボルを表す包括的な表現であることに留意を要する。例えば一例として、x1は、シンボルコンステレーション上の1点に関連付けられるシンボルをNDFT個を含む。離散フーリエ変換は、これらNDFT個のシンボルの重み付け加算処理と等価である。図示されているように、x1に含まれる一連のNDFT個のシンボルの系列x1=(x11,x12,...,x1NDFT)は直並列変換器(S/P)で変換され、シンボル毎に所定のウエイトw1jが乗算された後に加算されることで、1番目のサブキャリアの信号w1・x1が導出される。2番目のサブキャリアについては、w2・x1が導出され、以下同様に各サブキャリアにマッピングされる信号が導出される。こうして、第1の送信アンテナから全サブキャリアにわたって一度に送信されるNDFT個のサブキャリア成分が用意される。他の送信アンテナからの信号x2,…,xNTXについても同様な演算がなされる。
図2の周波数領域マッパー22は、DFT後の一群のシンボルを個々のサブキャリアに対応付ける(マッピングする)。マッピングは、上りリンクについて周波数スケジューリングが行われる場合、利用可能なリソースユニットに各シンボルをマッピングすることで行われる。利用可能なリソースユニットが何であるか等については、この送信装置が受信した制御情報中のスケジューリング情報で指示されている。本発明は、どのようにマッピングするかに依存せず、適切な如何なる方法でシンボル群が各サブキャリアにマッピングされてよい。最も簡易なマッピングは、DFT後のNDFT個のシンボルを低周波側から順にNDFT個のサブキャリアにそのまま対応付けることであろう。
逆高速フーリエ変換部(IFFT)23は、各サブキャリアに対応付けられたシンボルを逆高速フーリエ変換し、周波数領域の信号を時間領域の信号(送信シンボル)に変換する。
ガードインターバル付与部(+CP)24は、送信シンボルにガードインターバルを付加し、後段の送信信号作成部(図示せず)に与える。ガードインターバルは、サイクリックプレフィックス(CP)法により用意されてもよい。
3.受信装置
図4は移動通信システムで使用される受信装置の一例を示す。図4には、ガードインターバル除去部(−CP)41と、高速フーリエ変換部(FFT)42と、周波数領域デマッパー43と、信号検出部44とが示されている。
ガードインターバル除去部(−CP)41は、ベースバンドの受信信号からガードインターバルを除去する。
高速フーリエ変換部(FFT)42は、受信信号を高速フーリエ変換し、時間領域の信号を周波数領域の信号に変換する。
周波数領域デマッパー43は、送信側の周波数マッパー22と相補的な処理を行い、各サブキャリアにマッピングされている信号成分を取り出す。
信号検出部44は、各サブキャリアにマッピングされている信号から、送信シンボルの候補を絞り込み、最終的にそれが何であるかを決定する。
4.動作
動作を次に説明する。説明の便宜上、図2の送信装置でn番目の送信アンテナから送信される、DFT21に入力される送信シンボル系列をxnと書くことにする。送信シンボル系列xnはNDFT個のシンボルを要素として含む。NDFTは離散フーリエ変換のウインドウサイズ(ブロックサイズ)を表す。
xn=[xn1 xn2 ... xnNDFT]T
ここで、Tは転置(transposition)を表し、nはNTX以下の自然数であり、NTXは送信アンテナ総数である。
また、DFT部21でi番目(iはNDFT以下の自然数)のサブキャリアに適用される重み係数wiは、次式のように表現される。
wi=[wi1 wi2 ... wiNDFT]T
図3の受信装置でNRX個の受信アンテナを介して一度に受信された全ての信号Yを、
Y=[y1 y2 ... yNDFT]T
のように表現する。yiはNRX個の受信アンテナでそれぞれ受信された、i番目のサブキャリアに関する信号を表す。
yi=[yi1 yi2 ... yiNRX]T
この場合、i番目のサブキャリアに関する受信信号yiは、次式のように書ける。
Figure 0005122428
Hiは、i番目のサブキャリアに関する無線チャネル状態を表すチャネル行列である。チャネル行列Hiは次式のように表現できる。
Figure 0005122428
チャネル行列Hiは、NRX行×NTX列の次元を有する行列であり、NRXは受信アンテナ総数であり、NTXは送信アンテナ総数である。チャネル行列の行列要素hi,pqは、p番目の受信アンテナとq番目の送信アンテナとの間のチャネル状態(伝達関数)の内、i番目のサブキャリア成分に関するものを表す。チャネル行列の行列要素は、一例として、パイロット信号の受信状態から導出されてもよい。
wiは上記の重み係数を表現するベクトルであり、0NDFTは、NDFT個の要素を有する0ベクトルである。
xnはn番目の送信アンテナから送信される信号を表す。
Niはi番目のサブキャリアに関するノイズ成分を表す。
NRX個の受信アンテナ各々で受信したNDFT個のサブキャリア成分の全てをまとめて表現すると、次式のように書ける。
Figure 0005122428
Y=H×W×x+N ・・・(1)
このような信号が図4の信号検出部44に入力される。
先ず、チャネル行列Hとウエイト行列Wが、あるユニタリ行列Qと上三角行列Rの積で表現できるようにするようなユニタリ行列Qが求められる。
H×W=Q×R ・・・(2)
ここで、上三角行列Rは、M行M列の正方行列(M=NDFT×NTX)であって、行列要素rij(i>j)が全てゼロであるような行列である。
Figure 0005122428
本明細書において、ある行列Aがユニタリ行列であるとは、AHA=AAH=1 を満たすことをいう。従って、行列Aが正方行列であることは必須でないことに留意を要する。また、上付き文字でない「H」はチャネル行列を表すが、上付き文字の「H」は、共役転置(conjugate transposition)を表す。
(1)式の両辺に左からQHを乗算した場合、左辺は、
z=QHY
と書ける。右辺は、
QH×(H×W×x+N)=QH×(Q×R×x+N)=R×x+QHN ・・・(3)
と書ける。従って、ユニタリ変換後の受信信号zは、ノイズを無視すると、R×xで表現できる。
z=R×x ・・・(4)
Rは上三角行列なので、M番目の信号成分に着目すると(M=NDFT×NTX)、
zM=rMM×xM ・・・(5)
と書ける。これは、M番目の信号成分xMは、他のサブキャリア及び/又は他の送信アンテナからの信号の干渉を考慮せずに、かなり簡易に推定できることを意味する。
送信シンボル推定の第1ステージでは、(5)式に基づいて、xMに関する送信シンボルの候補が絞り込まれる。xMは、シンボルコンステレーション上の何れかの信号点に対応するはずである。例えば、QPSKならば4通りの可能性(又は候補)があり、64QAMならば64通りの可能性がある。可能な全ての候補について、ユニタリ変換後の受信信号zMと、rMM×(xMの候補=sM(x))との二乗ユークリッド距離が計算され、それが生き残りメトリックとして使用される。
e1(x)=|zM−rMM×sM (x)|2 ・・・(6)
この生き残りメトリックの内、小さい順にS1個(S1≦C)の候補が残され、他の候補は破棄される。Cはシンボルコンステレーションに含まれる信号点の総数(可能な候補総数)である。
送信シンボル推定の第2ステージでは、(4)式に基づく次式が使用される。
zM-1=rM-1M-1×xM-1+rM-1M×xM・・・(7)
xMについては第1ステージで導出されたS1個の候補が使用される。xM-1についても全部でC通りの候補が存在する。従って、xMとxM-1との可能な全ての組み合わせ(S1×C個)について、上記と同様な生き残りメットリックが計算される。
e2(sM (x),sM-1 (x))=| zM-1−(rM-1M-1×sM-1(x)+rM-1M×sM(x))|2+e1(x) ・・・(8)
右辺第2項は、第1ステージで導出された生き残りメトリックの値である。この生き残りメトリックe2(sM (x),sM-1 (x))の小さい順にS2個(S2≦S1C)の候補が残され、他の候補は破棄される。
以後同様な処理が反復的に行われ、生き残りメトリックは各ステージ毎に累積的に増やされ、最終ステージで最も小さなメトリックをもたらす送信シンボルの組み合わせが、実際に送信されたものとして推定される。
5.信号検出部の詳細
図5は、図4の信号検出部の詳細を示し、主に上記の動作説明の処理を実行する。信号検出部は、QR分解部210と、信号変換部212と、最尤判定部214と、尤度出力部215とを有する。最尤判定部214は、4つの判定部216-1,216-2,216-3,216-4を有する。図示の簡明化を図るため、判定部の数は4つしか描かれていないが、送信信号数に合わせていくつでも用意されてよい。各判定部は同様な処理ブロックを有するので、第4の判定部216-4がそれらを代表して説明される。判定部は、シンボルレプリカ生成部218-4と、二乗ユークリッド距離算出部220−4と、生き残りシンボル候補選択部222-4とを有する。
なお、当業者に明らかなように、図5及び他のブロックの各処理要素は、ハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせとして用意されてもよい。
QR分解部210は、チャネル行列Hとウエイト行列Wとの積が、ユニタリ行列Q及び上三角行列Rの積で表現できるように、行列Q,Rを求める(HW=QR)。
信号変換部212は、複数の受信信号を成分とするベクトルYに、ユニタリ行列Qの共役転置行列Qを乗算することで、信号変換を行なう。このようなユニタリ変換後の受信信号は、ノイズを無視すると、上三角行列Rと送信シンボルxとの積で表現される。
z=Rx
最尤判定部214は、最尤判定法(MLD法)により、送信信号のシンボル候補を絞り込む。判定部216-4のシンボルレプリカ生成部218-4は、上三角行列Rの行列要素を用いて、受信信号x4に対応する送信信号のシンボル候補を生成する。シンボル候補数は例えばC個である。
二乗ユークリッド距離算出部220-4は、ユニタリ変換後の受信信号zと、C個のシンボル候補との二乗ユークリッド距離を算出する。二乗ユークリッド距離は、尤度を計算する際の基礎となる生き残りメトリックを表す。
生き残りシンボル候補選択部222−4は、各候補に対する二乗ユークリッド距離に基づいて、S(≦C)個のシンボル候補を、生き残りシンボル候補として出力する。
尤度出力部215は、最終段の生き残りシンボル候補選択部から出力されたシンボル候補の尤度又は確からしさを算出する。より具体的には、この尤度は、対数尤度比(LLR: Log Likelihood Ratio)で表現される。尤度出力部215からの出力は、信号分離結果を表し、後段の復調部(例えば、ターボデコーダ)へ伝送される。
6.変形例1
上記実施例では、F=H×WがQR分解された。しかしながら本発明はこれに限定されない。例えば、次式のような行列GがQR分解されるようにしてもよい。
Figure 0005122428
ここで、N0は受信機で測定された平均雑音電力である。IはNTX行NTX列の単位行列である。この場合のユニタリ行列Qは、NDFT(NTX+NRX)行(NDFT×NTX)列の次元を有する行列である。三角行列は、(NDFT×NTX)行(NDFT×NTX)列の正方行列であり、上記の実施例の場合と同じ次元を有する。上記の実施例では、受信信号Yは、(NDFT×NRX)行1列のベクトルであったが、目下の変形例では、(NDFT×(NTX+NRX))行1列のベクトルである。但し、NDFT×NTX個の成分はゼロである。
Figure 0005122428
このように修正された受信信号ベクトルY'及び行列Gを用いることは、MMSE型のQR分解やZF型のQR分解を行う観点から有利である。
7.変形例2
上記の動作説明で述べたように、NTX個の送信アンテナからNDFT個のサブキャリアでシンボルが送信された場合、受信信号Yは、ノイズを省略すると次のように書ける。
Y=H×W×x=F×x ・・・(9)
Hはチャネル行列である。WはDFTによる周波数方向の重み付けを表すウエイト行列である。Fはチャネル行列Hとウエイト行列Wとの行列積を表す。xは送信されるシンボルを表す。上記の動作説明では、行列積FがQR分解された。そして、Mアルゴリズムに従って、送信されたシンボルが順に推定された。Mアルゴリズムの総ステージ数は、NTX×NDFT個である。受信信号Yにユニタリ行列QHが乗算され、最下位のシンボルから順に推定が行われる。
QHY=QH×(H×W×x)=QH×(Q×R×x)=R×x ・・・(10)
RはNDFT×NTX行NDFT×NTX列の上三角行列である。
ところで、ある行列Aと列ベクトルsの積は、その行列中の列を置換した行列A'とそれに応じて列ベクトルsの成分を置換したものs'との積に等しい。
A×s=A'×s'
例えば、行列Aが2行2列の行列であり、列ベクトルsが2行1列の列ベクトルs=(s1 s2)Tであったとすると、次式が成り立つ。
Figure 0005122428
より高次の行列の場合でも、このような関係は成立する。行列中の列の並べ替えは、どのように行われてもよい。列ベクトルの成分の並替がそれに対応していればよいからである。本発明の変形例2では、このような性質を活用して、上記のQR分解が行われる。
Y=H×W×x=F×x=F'×x' ・・・(9)
行列F'は、行列F(=H×W)に含まれている列を何らかの方法で置換したものである。列ベクトルx'は、その置換方法に対応して、列ベクトルxの成分が並べ替えられた列ベクトルである。
Mアルゴリズムの場合、逐次的なシンボルレプリカ候補の絞り込みは、送信されたシンボルベクトルの下位のシンボルから順に、ステージ毎に行われる。従って、シンボルの推定をどのような順序で行うかは、生き残りシンボルレプリカ候補の選択精度に大きな影響を与える。本変形例2では、生き残りシンボルレプリカ候補の選択精度、ひいてはシンボルの推定精度が向上するように、行列Fの列が並べ替えられる。
なお、行列の行及び列は相対的な概念である。従って本実施例の具体的説明とは異なり、送信シンボルが行ベクトルで定義される場合、行列Fに含まれる行が並べ替えられる。本実施例のように、送信シンボルが列ベクトルで定義されたとしても、本発明の一般性は失われない。
図6は、図4に示される受信装置の詳細を示す。図6には、ガードインターバル除去部(−CP)41と、高速フーリエ変換部(FFT&デマッピング)42と、QR分解部210と、信号変換部212と、MLD部214と、尤度出力部215と、チャネル推定部62と、並替制御部64とが示されている。
ガードインターバル除去部(−CP)41は、ベースバンドの受信信号からガードインターバルを除去する。
高速フーリエ変換部(FFT&デマッピング)42は、受信信号を高速フーリエ変換することで、時間領域の信号を周波数領域の信号に変換する。説明の便宜上、高速フーリエ変換部(FFT&デマッピング)において、FFTに加えてデマッピングも行われているが、このことは必須ではない。FFT部とデマッピング部が別個に用意されてもよい。
チャネル推定部62は、サブキャリア毎の無線チャネル状態を推定し、チャネル行列Hを導出する。上述したように、チャネル行列は、サブキャリア毎に用意される。従って全体のチャネル行列Hは、NRX×NDFT行NTX×NDFT列の行列になる。チャネル行列の行列要素は、一例として、パイロット信号の受信状態から導出されてもよい。
QR分解部210は、チャネル行列H、ウエイト行列W及び並替制御部64からの指示信号に基づいて、ユニタリ行列Q及び上三角行列Rを導出する。より具体的には、チャネル行列H及びウエイト行列Wの行列積Fの列が、指示信号に従って並べ替えられることで、行列F'が導出される。この行列F'が、ユニタリ行列Q及び上三角行列Rの積で表現できるように、行列Q,Rが求められる(F'=QR)。
信号変換部212は、複数の受信信号を成分とするベクトルYに、ユニタリ行列Qの共役転置行列Qを乗算することで、信号変換を行なう。このようなユニタリ変換後の受信信号は、ノイズを無視すると、上三角行列Rと送信シンボルxとの積で表現される。
z=QHY=Rx。
MLD部214は、最尤判定法(MLD法)により、送信信号のシンボル候補を絞り込む。ユニタリ行列QHが乗算された後の受信信号QHY(=Rx)に対して、MLD部214は、下位のシンボルから順にブランチメトリックを計算する。ブランチメトリックは、受信信号とシンボル候補との二乗ユークリッド距離で算出される。累積的なブランチメトリックの小さい順に、所定数個(M個)のシンボル候補が、生き残り候補として選択され、処理は次のステージに移る。NTX×NDFT個の総ステージの各々について、ブランチメトリックの計算及び生き残り候補の選択が行われる。
尤度出力部215は、最終段の生き残りシンボル候補選択部から出力されたシンボル候補の尤度を算出する。より具体的には、この尤度は、対数尤度比(LLR: Log Likelihood Ratio)で表現される。尤度出力部215からの出力は、信号分離結果を表し、後段の復号部へ伝送される。
並替制御部64は指示信号をQR分解部210に与える。指示信号は、チャネル行列H及びウエイト行列Wの行列積Fの列が、どのように並べ替えられるべきかを示す。上述の数式(9)は、具体的な並べ替えの仕方に依存せず成立する。どのように並べ替えられるべきかは、一義的には決まらない。何らかの観点から、適切な並べ替えの方法が決められる。本変形例では後述するように、積行列Fの列の並べ替えは、(方法1)送信されたシンボルの受信電力(受信装置で受信された電力)の観点からなされてもよいし、及び/又は(方法2)サブキャリア単位でなされてもよい。
8.変形例2−方法1
上記の方法1(送信アンテナ単位の順序制御法)を説明する。本方法では、積行列Fの列の並べ替えは、送信されたシンボルが、受信装置でどの程度強く受信されたかに応じて決定される。Mアルゴリズムで順にシンボルを推定する際、k番目のステージ(1≦k≦NTXNSF)では、1〜(k−1)番目までのステージで推定されたシンボルと、三角行列Rのk番目の行が使用される。これは、生き残りシンボルレプリカ候補の絞り込みが、k番目までに順序づけされた送信シンボルに対し、それぞれ行列Rの第(NTXNSF−k+1)列の第(NTXNSF−k+1)行からNTXNSF行までの要素の二乗和(信号電力)を用いて行われることを意味する。従って、初めの方のステージほど(特に、初段では)推定処理は簡易であるが、シンボルレプリカ候補の選択を誤ってしまう確率も高い。本方法では、各送信アンテナからの送信シンボルの受信信号電力を測定し、受信信号電力の大きい送信シンボルほど上位の優先順位で推定される。受信電力が高ければ、シンボルレプリカ候補の選択は誤りにくくなるからである。このような優先順位が実現されるように、積行列Fの列及び送信シンボルxの成分の順序が制御される。
本方法による周波数領域拡散を適用したDFT−MIMO多重伝送では、符号多重後に送信された送信シンボルが、送信アンテナ数個存在する。各送信アンテナから送信された送信シンボルの各成分は、同一の受信信号電力を与える。従って本方法は、より強い受信電力をもたらす送信アンテナが特定され、その送信アンテナから送信されたシンボルが、他の送信アンテナのシンボルよりも優先的に(先に)推定される。各送信アンテナからのシンボルについて、受信電力の強弱を測定する方法は、当該技術分野で既知の適切な如何なる方法でもよい。例えば、チャネル行列の行列要素が利用されてもよい。上述したように、i番目のサブキャリアに関するチャネル行列Hiは、NRX行×NTX列の次元を有する行列であり、NRXは受信アンテナ総数であり、NTXは送信アンテナ総数である。チャネル行列の行列要素hi,pqは、p番目の受信アンテナとq番目の送信アンテナとの間のチャネル状態(伝達関数)の内、i番目のサブキャリア成分に関するものを表す。従って、
|hi,pq|2
を全ての受信アンテナについて(p=1〜NRX)合計したものは、q番目の送信アンテナからのシンボルの受信電力推定に使用可能である。例えば、NTX=NRX=2,NDFT=3であったとする。この場合、i番目のサブキャリア(i=1,2,3)に関し、次式が成り立つ。
ri1=hi,11 x1+hi,12 x2
ri2=hi,21 x1+hi,22 x2
第1の送信アンテナからのシンボルの受信電力は、
PTx1=|hi,11|2+|hi,21|2
により評価できる。同様に、第2の送信アンテナからのシンボルの受信電力は、
PTx2=|hi,12|2+|hi,22|2
により評価できる。第1の送信アンテナからのシンボルの受信電力が、第2の送信アンテナからのシンボルの受信電力より大きかったとする(PTx1>PTx2)。本方法の場合、第1の送信アンテナからのシンボルx1=(x11 x12 x13)Tは、第2の送信アンテナからのシンボルx2=(x21 x22 x23)Tよりも優先的に推定されるべきである。これを実現するため、積行列F'の列の並べ替え及び送信シンボルxの成分の並べ替えが行われる。具体的には、並べ替えられた後の送信シンボルx'は、次のように書ける。
x'=(x21 x22 x23 x11 x12 x13)T
第1の送信アンテナのシンボルを優先する観点から、シンボルx1の要素が、列ベクトルの下位に来るように、並べ替えが行われる。更に、シンボルx1の中の各サブキャリア成分x11,x12,x13がどのような順序で推定されるべきかは、この段階では一義的には決まらない。一例として、サブキャリア番号の若番順を使用されてもよい。この場合、並べ替えられた後の送信シンボルx'は、次のように書ける。
x'=(x23 x22 x21 x13 x12 x11)T
若番順だけでなく、他の順序が使用されてもよい。
上記のアンテナ数やサブキャリア数の数値は単なる一例に過ぎず、より多くの値が使用されてもよい。
8.変形例2−方法2
上記の方法2(サブキャリア単位の順序制御法)を説明する。Mアルゴリズムで生き残りシンボルレプリカ候補が選択される場合、フェージング相関の大きいシンボルの組み合わせは、大きな誤差を導入する傾向がある。フェージング相関が大きいとは、シンボルが同様なフェージングを受けていることを意味する。逆に、フェージング相関が小さいとは、シンボルが異なるフェージングを受けていることを意味する。必須ではないが、フェージング相関の値は0以上1以下の値をとり、フェージング相関は、1に近いほど大きく、0に近いほど小さい。
図7は、シンボルの組合せを判定する難易度が、フェージング相関の大小に応じて異なる様子を示す。説明の便宜上、送信アンテナ数NTX及び受信アンテナ数NRXはともに2であるとする。第1の送信アンテナからはシンボル1(x1)が送信される。第2の送信アンテナからはシンボル2(x2)が送信される。送信アンテナから送信されるシンボルは、QPSK方式でデータ変調されるものとする。この場合、シンボルは、信号点配置図(コンステレーション)上の所定の4つの信号点の内の何れかである。シンボル1及びシンボル2それぞれに4通りの可能性があるので、組合せ総数は、16通りになる。受信装置ではシンボル1,2が、合成された状態(ri1,ri2)で受信される。上述したように、送信信号及び受信信号は次式の関係を満たすからである。
ri1=hi,11 x1+hi,12 x2
ri2=hi,21 x1+hi,22 x2
フェージング相関が小さい場合、各シンボルは、かなり異なったフェージングを受ける。図7の右上に示されるように、合成後の受信信号は、16個のシンボルの組合せを全て区別できる。従って、シンボルの組合せの選択精度は高い。これに対して、フェージング相関が大きい場合、各シンボルは、同様なフェージングを受ける。図示の例は、極端な例として、シンボル1,2が同じフェージング相関を受けた場合を、想定している。図7の右下に示されるように、合成後の受信信号は、16個のシンボルの組合せを部分的にしか区別できない。シンボルの重複に起因して、9つの組合せしか区別できない。図中、「2シンボル重複」や「4シンボル重複」として示されている信号点の場合、二乗ユークリッド距離や位相を比較するだけでは、重複しているシンボルの何れが確からしいかを区別できないからである。
周波数領域拡散を適用したDFT−MIMO多重伝送では、同一アンテナから符号多重されて送信されたシンボルは、同様なフェージングを受けやすい(フェージング相関が大きくなりやすい。)。
本変形例では、このような事情に鑑み、同様なフェージングを受けているシンボルが連続して推定されないように、並べ替えが行われる。あるシンボルを推定した後に、そのシンボルとは異なるフェージングを受けているシンボルが推定されるように、シンボル検出の順序が制御される。より具体的には、ある送信アンテナから送信された送信シンボルを推定した後に、異なる送信アンテナから送信された送信シンボルが推定されるように、順序が制御される。
フェージング相関の類否判定は、適切な如何なる方法でなされてもよい。一例として、チャネル行列の行列要素hi,pqの振幅及び位相の類否により、フェージング相関の類否が判定されてもよい。例えば、i番目のサブキャリアに関し、a番目及びb番目の送信アンテナから、大きさ1のパイロット信号がそれぞれ送信され、p番目の受信アンテナで受信されたとする。この場合、2つの受信信号の相関は、hi,pa*hi,pbで評価されてもよい(*は複素共役である)。フェージング相関の類否判定法は、これに限定されず、別の方法が使用されてもよい。
フェージング相関に基づいて並べ替えたシンボル検出順序は、サブキャリア成分毎に全送信アンテナのシンボルを推定するような順序になるかもしれない。上述したように、同じアンテナから送信された信号は、同様なフェージングを受けるので、それらは同様なフェージング相関を有する可能性が高い。逆に、異なるアンテナから送信された信号は、異なるフェージングを受けやすいので、それらは異なるフェージング相関を有する可能性が高い。従って、例えばi番目のサブキャリア成分に着目し、そのサブキャリアで送信されたNTX個の送信シンボルが、推定される。その後、例えばi+1番目のサブキャリア成分に着目し、そのサブキャリアで送信されたNTX個の送信シンボルが、推定される。以下同様に、処理が行われる。このようにすることで、フェージング相関の異なる傾向の強いシンボルを順に推定することができる。本方法では、一例として、推定するシンボルのサブキャリア成分は若番順であり、そのサブキャリア成分の各々において、全送信アンテナ分のシンボルが推定される。
例えば、上記と同様に、NTX=NRX=2,NDFT=3であったとする。この場合、並べ替えられた後の送信シンボルx'は、次のように書ける。
x'=(x23 x13 x22 x12 x21 x11)T
この例では、サブキャリア成分に関する推定の順序は、若番順である。このことは必須ではない。若番順以外の順序がが使用されてもよい。例えば、サブキャリア成分同士の受信電力が比較され、電力の高い順番が併用されてもよい。例えば、第2、第3及び第1のサブキャリア成分の順番で、受信電力が高かったとする。変形例2の方法1で説明したように、推定精度を向上させる観点からは、受信電力の高い順に、並べ替えを行うことが望ましい。従って、この場合に望ましい並べ替え後の送信シンボルx'は、次のように書ける。
x'=(x21 x11 x23 x13 x22 x12)T
上記のアンテナ数やサブキャリア数の数値は単なる一例に過ぎず、より多くの値が使用されてもよい。
以上本発明は特定の実施例を参照しながら説明されてきたが、実施例は単なる例示に過ぎず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。発明の理解を促すため具体的な数式を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数式は単なる一例に過ぎず適切な如何なる数式が使用されてもよい。実施例又は項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の実施例又は項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、或る実施例又は項目に記載された事項が、別の実施例又は項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。説明の便宜上、本発明の実施例に係る装置は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウエアで、ソフトウエアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明は上記実施例に限定されず、本発明の精神から逸脱することなく、様々な変形例、修正例、代替例、置換例等が本発明に包含される。
本発明の一実施例で使用される移動通信システムを示す図である。 送信装置の部分的な機能ブロック図を示す。 DFT部21で行われる演算内容を表す概念図である。 受信装置の部分的な機能ブロック図を示す。 信号検出部の一例を示す図である。 より詳細な受信装置の機能ブロック図を示す。 シンボルの組合せを判定する難易度が、フェージング相関の大小に応じて異なる様子を示す図である。
符号の説明
50 セル
100 ユーザ装置(UE)
200 基地局(eNB)
300 アクセスゲートウエー
400 コアネットワーク
21 離散フーリエ変換部(DFT)
22 周波数領域マッパー
23 逆高速フーリエ変換部(IFFT)
24 ガードインターバル付与部
41 ガードインターバル除去部(−CP)
42 高速フーリエ変換部(FFT)
43 周波数領域デマッパー
44 信号検出部
62 チャネル推定部
64 並替制御部
210 QR分解部
212 信号変換部
214 最尤判定部
215 尤度出力部
216-1〜4 判定部

Claims (7)

  1. シングルキャリア方式のMIMO伝送方式が使用される移動通信システムで使用される受信装置であって、
    送信されるシンボル系列中の一群のシンボルは、フーリエ変換により所定のウエイトと共に複数のサブキャリアにマッピングされた後に逆フーリエ変換され、複数の送信アンテナから送信され、当該受信装置は、
    複数の受信アンテナで受信した信号をフーリエ変換し、各サブキャリアの信号成分を抽出する手段と、
    抽出された信号成分にQR分解アルゴリズムを適用し、各サブキャリアのシンボルを推定する信号検出手段と、
    を有し、前記信号検出手段は、
    前記送信するシンボル系列とサブキャリアとの対応関係を決めるウエイト行列と、前記送信及び受信アンテナ間の無線チャネル状態を表すチャネル行列と、あるユニタリ行列との積が三角行列になるように該ユニタリ行列を求める分解手段と、
    各受信アンテナで受信した信号成分を含む受信ベクトルに前記ユニタリ行列を乗算したベクトルと、前記三角行列とを用いて、各送信アンテナから送信されたシンボルの候補を推定する推定手段と、
    を有し、前記チャネル行列及び前記ウエイト行列の行列積の行又は列を並べ替えるための指示信号を、前記分解手段に与える並替制御手段が、当該受信装置に設けられ、
    前記分解手段は、前記指示信号に従って、行又は列の並べ替えられた前記行列積が、三角行列及びユニタリ行列の積に等しくなるように、該三角行列及び該ユニタリ行列を求める、受信装置。
  2. 前記信号検出手段が、メトリックを前記シンボルの候補毎に用意し、前記メトリックに応じて候補を絞り込む手段を更に有し、前記メトリックは、シンボルコンステレーションにおける受信シンボル及びシンボルの候補間の二乗ユークリッド距離を表す請求項1記載の受信装置。
  3. 前記推定手段が、Mアルゴリズムに従ってシンボルを推定する際、より強い受信電力に対応する送信アンテナのシンボルが、より弱い受信電力に対応する送信アンテナのシンボルよりも先に推定されるように、前記並替制御手段は前記指示信号を生成する請求項記載の受信装置。
  4. 第1の送信アンテナから送信されたシンボルの第1のサブキャリアのサブキャリア成分が、前記推定手段で推定された後に、
    該第1のサブキャリアで第2の送信アンテナから送信されたシンボルのサブキャリア成分が、前記推定手段で推定されるように、
    前記並替制御手段は前記指示信号を生成する請求項記載の受信装置。
  5. シングルキャリア方式のMIMO伝送方式が使用され、送信装置及び受信装置を含む移動通信システムであって、前記送信装置は、
    送信するシンボル系列中の一群のシンボルを、フーリエ変換により、所定のウエイトと共に複数のサブキャリアにマッピングする手段と、
    マッピングされた一群のシンボルを逆フーリエ変換する手段と、
    逆フーリエ変換後のシンボルを含む信号を複数の送信アンテナから送信する手段と、
    を有し、前記受信装置は、
    複数の受信アンテナで受信した信号をフーリエ変換し、各サブキャリアにマッピングされている信号成分を抽出する手段と、
    抽出された信号成分にQR分解アルゴリズムを適用し、各サブキャリアで伝送されたシンボルを推定する信号検出手段と、
    を有し、前記信号検出手段は、
    前記送信するシンボル系列とサブキャリアとの対応関係を決める行列と、前記送信及び受信アンテナ間の無線チャネル状態を表すチャネル行列と、あるユニタリ行列との積が三角行列になるように該ユニタリ行列を導出する分解手段と、
    各受信アンテナで受信した信号成分を含む受信ベクトルに前記ユニタリ行列を乗算したベクトルと、前記三角行列とを用いて、各送信アンテナから送信されたシンボルの候補を推定する推定手段と、
    を有し、前記チャネル行列及び前記ウエイト行列の行列積の行又は列を並べ替えるための指示信号を、前記分解手段に与える並替制御手段が、前記受信装置に設けられ、
    前記分解手段は、前記指示信号に従って、行又は列の並べ替えられた前記行列積が、三角行列及びユニタリ行列の積に等しくなるように、該三角行列及び該ユニタリ行列を求める、移動通信システム。
  6. 前記送信装置がユーザ装置に備わり、前記受信装置が基地局装置に備わるようにした請求項記載の移動通信システム。
  7. シングルキャリア方式のMIMO伝送方式が使用され、送信装置及び受信装置を含む移動通信システムで使用される方法であって、
    前記送信装置が、送信するシンボル系列中の一群のシンボルを、フーリエ変換により、所定のウエイトと共に複数のサブキャリアにマッピングするステップと、マッピングされた一群のシンボルを逆フーリエ変換するステップと、逆フーリエ変換後のシンボルを含む信号を複数の送信アンテナから送信するステップとを実行し、
    前記受信装置が、複数の受信アンテナで受信した信号をフーリエ変換し、各サブキャリアの信号成分を抽出するステップと、抽出された信号成分にQR分解アルゴリズムを適用し、各サブキャリアのシンボルを推定する信号検出ステップとを実行し、
    記信号検出ステップにおいて、前記送信するシンボル系列とサブキャリアとの対応関係を決める行列と、前記送信及び受信アンテナ間の無線チャネル状態を表すチャネル行列と、あるユニタリ行列との積が三角行列になるように該ユニタリ行列を分解手段が導出し、各受信アンテナで受信した信号成分を含む受信ベクトルに前記ユニタリ行列を乗算したベクトルと、前記三角行列とを用いて、各送信アンテナから送信されたシンボルの候補を推定手段が推定し、
    前記分解手段が前記ユニタリ行列を導出する際に、前記チャネル行列及び前記ウエイト行列の行列積の行又は列を並べ替えるための指示信号が、前記受信装置内の並替制御手段から前記分解手段に与えられ、前記分解手段は、前記指示信号に従って、行又は列の並べ替えられた前記行列積が、三角行列及びユニタリ行列の積に等しくなるように、該三角行列及び該ユニタリ行列を求める、方法。
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