JP5122831B2 - カッティング装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

本発明は、カッティング装置およびその制御方法に関する。
従来、カッタの刃先がカッタホルダに偏心回転自在に取り付けられ、シート状の被カット媒体上に刃先を当接させた状態で、カッタホルダを被カット媒体に対して相対移動させて被カット媒体を2次元形状にカットするカッティング装置が知られている。
このようなカッティング装置では、カッタの刃先方向がカット開始時に確定していないと、刃先の位置がばらついてカット開始位置がずれてしまう。そのため、カット開始時にカッタの刃先方向を確定するための手段が種々提案されている。
このような従来のカッティング装置として、例えば、特許文献1には、カット線の始点の近くの位置において、刃先をカッティング媒体(被カット媒体)に接触させ、その状態で始点に向けて移動させることで、刃先方向を移動方向に一致させてから、刃先を始点に配置し、刃先が移動した始点位置を中心として刃先を回転させてカット方向に合わせるようにしたカッティングプロッタが記載されている。
特開2001−9783号公報
しかしながら、上記のような従来のカッティング装置およびその制御方法には、以下のような問題があった。
特許文献1に記載の技術では、刃先を被カット媒体上で移動する過程で刃先方向を移動方向と一致させて刃先方向を確定するようにしているため、刃先を最初に被カット媒体に接触させる時の刃先方向が未確定となっている。そのため、例えば、刃先方向が刃先の移動方向と180°ずれた逆方向である場合、カッタホルダを移動させても、刃先が回転せず、初期化方向と逆方向に設定されてしまい、カット開始位置では刃先が形成されていない逆方向に推進されるため、被カット媒体をカットできなくなるという問題がある。また、この状態で、カット方向への移動を続けた場合、被カット媒体につかえて表面を削り取ってしまったり破いてしまったりするおそれがあるという問題がある。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、被カット媒体を傷つけることなくカッタの刃先を初期化方向に確実に設定することができるカッティング装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明のカッティング装置では、刃先が、被カット媒体に垂直な回転軸を中心として偏心回転自在に保持されたカッタと、該カッタの刃先方向を、前記刃先が前記被カット媒体に対してカット開始位置で当接したときにカット方向に向くように移動させる刃先方向初期化手段と、前記刃先方向初期化手段を制御する制御手段と、を有するカッティング装置であって、前記刃先方向初期化手段は、前記カッタを前記被カット媒体に対して相対昇降する昇降機構と、前記カッタを、前記被カット媒体に平行な面内の2軸方向に相対移動する水平移動機構と、前記回転軸を通り所定の方向に直交する直線に対して、前記刃先が前記所定の方向側に位置するか否かを検知する刃先方向検知機構と、を備え、前記制御手段は、前記昇降機構を制御して前記カッタの刃先を前記被カット媒体の上方に離して配置し、前記昇降機構を制御して前記カッタを下降させて、前記カッタの刃先が前記被カット媒体に軽く接触する状態とし、前記刃先方向検知機構を制御して前記所定の方向に直交する直線に対して、前記刃先が前記所定の方向側に位置するか否かを検知し、前記刃先が前記所定の方向側に位置するときは、前記水平移動機構を制御して前記刃先が前記被カット媒体に軽く接触する状態で、前記カッタを前記所定の方向の逆方向に移動させて、前記刃先方向を前記所定の方向の逆方向に方向づけ、前記刃先が前記所定の方向側に位置しないときは、前記水平移動機構を制御して前記刃先が前記被カット媒体に軽く接触する状態で、前記カッタを前記所定の方向に移動させて、前記刃先方向を前記所定の方向に方向づけ、前記昇降機構を制御して前記カッタの刃先を前記被カット媒体の上方に離して配置し、前記水平移動機構および前記昇降機構を制御して前記カッタの刃先を前記カット開始位置に接触させ、前記水平移動機構を制御して前記カッタの刃先を前記カット開始位置に接触させた状態で前記カット方向に回転させることを特徴とする。
本発明のカッティング装置の制御方法は、刃先が、被カット媒体に垂直な回転軸を中心として偏心回転自在に保持されたカッタを有し、該カッタの刃先方向を、前記刃先がカット開始位置で前記被カット媒体に当接したときにカット方向に向けてからカットを行うカッティング装置の制御方法であって、前記カッタの刃先を前記被カット媒体の上方に離して配置し、前記カッタを下降させて、前記カッタの刃先が前記被カット媒体に軽く接触する状態とし、所定の方向に直交する直線に対して、前記刃先が前記所定の方向側に位置するか否かを検知し、前記刃先が前記所定の方向側に位置するときは、前記刃先が前記被カット媒体に軽く接触する状態で、前記カッタを前記所定の方向と逆方向に移動させて、前記刃先方向を前記所定の方向と逆方向に方向づけ、前記刃先が前記所定の方向側に位置しないときは、前記刃先が前記被カット媒体に軽く接触する状態で、前記カッタを前記所定の方向に移動させて、前記刃先方向を前記所定の方向に方向づけ、前記刃先を前記所定の方向または前記所定の方向の逆方向に方向づけた後、前記刃先を前記被カット媒体の上方に離して配置し、前記カッタを移動して前記刃先を前記カット開始位置に接触させ、前記カッタの刃先を前記カット開始位置に接触させた状態で前記カット方向に回転させることを特徴とする。
本発明のカッティング装置およびその制御方法によれば、刃先方向を検知し刃先方向が90°以下となる方向を初期化方向として、被カット媒体上で初期化方向にカッタを移動することで刃先方向を初期化方向に方向づけることができるので、被カット媒体を傷つけることなくカッタの刃先を初期化方向に確実に設定することができるという効果を奏する。
以下では、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。すべての図面において、実施形態が異なる場合であっても、同一または相当する部材には同一の符号を付し、共通する説明は省略する。
本発明の実施形態に係るカッティング装置について説明する。
図1(a)、(b)は、本発明の実施形態に係るカッティング装置の概略構成を模式的に示す平面図およびそのA−A断面図である。図2(a)、(b)は、本発明の実施形態に係るカッティング装置のカッタヘッドの概略構成を模式的に示す正面視断面図および部分的な平面図である。図3は、本発明の実施形態に係るカッティング装置の制御部の構成を示す構成ブロック図である。
なお、図中に記載したXYZ座標系は、相対的な方向を参照するために便宜的に設けたもので、XY面が水平面に、Z軸正方向が鉛直上方向にそれぞれ一致されており、各図共通の姿勢で配置している(以下の各図も同様)。以下ではこのような位置関係に基づき、水平方向、上下方向などを、XY面に平行な方向、Z軸方向などと称する場合がある。
本実施形態のカッティング装置1は、例えば、紙、合成紙、プラスチックフィルムなどのシート状のメディア50(被カット媒体)をX軸負方向側から搬入して、XY面上で、必要に応じてX軸方向に往復搬送する過程で、メディア50を2次元形状にカットするものである。
カッティング装置1の概略構成は、図1(a)、(b)に示すように、プラテン14、メディア送り機構10(第1移動機構)、カッタ8、カッタヘッド2、カッタヘッド移動機構30(第2移動機構)、および制御部100(図3参照)を備える。メディア送り機構10とカッタヘッド移動機構30とは、カッタ8を、メディア50に平行な面内の2軸方向に相対移動する水平移動機構を構成している。
プラテン14は、メディア50の搬送時およびカット時に裏面側から支持して、メディア50をカットする際の受け台となるもので、XY平面でY方向に延ばされた板部材からなる。
メディア送り機構10は、メディア50をX軸方向(第1の方向)に沿って移動させるもので、プラテン14の近傍のX軸負方向側に配置されている。
本実施形態では、各回転軸がY軸方向に延ばされメディア50をZ軸方向から挟持する駆動ローラ10a、10bと、駆動ローラ10a、10bと不図示の伝動機構を介して接続され、駆動ローラ10a、10bを正逆回転可能に回転させるモータ10cとからなる。
モータ10cは、図3に示すように、制御部100のX軸駆動回路106と電気的に接続され、制御部100からの制御信号に応じて正逆方向に回転量が制御されるようになっている。
カッタ8は、図2(a)に示すように、Z軸方向に沿って延びる棒状のカッタ本体の下端部にメディア50をカットするための刃部8aが形成され、上端部の側方に、検知板8bが突出されたものであり、カッタヘッド2によって、カッタ本体の中心軸に一致する回転軸Oを中心に回転可能に保持されている。なお、以下では、回転軸OとXY平面に平行な平面との交点を点Oと称する場合がある。
刃部8aは、断面V字状の刃Qの最下端に刃先Pを有する三角錐状に形成されている。そして、刃Qは、回転軸Oを通り、XY平面に直交する面上に形成されている。また、刃先Pは、回転軸Oから、水平方向距離がr(ただし、r>0)だけ偏心した位置に形成されている。このため、刃先Pでカットを行うには、カット方向が刃先Pから回転軸Oに向かう方向になるように、刃先Pの位置を合わせる必要がある。以下では、刃先Pが位置する水平面上で、刃先Pから点Oに向かう方向を刃部8aの刃先方向と称する。
偏心量rは、必要に応じて適宜設定すればよいが、例えば、0.5mm〜1.0mm程度に設定することが好ましい。
検知板8bは、図2(b)に示すように、刃先方向POに直交し、回転軸Oを通る直線Dに合わせて180°に開かれた不透明な扇形板が、刃先Pと反対側のカッタ8の側方に取り付けられたものである。
カッタヘッド2は、図1、2に示すように、カッタホルダ11、アーム13、アクチュエータ12(昇降機構)、およびカッタ刃方向センサ9(検知センサ)が、下面側に刃部8aを突出させる不図示の開口を備える筐体2aに収められてなる。
カッタホルダ11は、その上端部および下端部にそれぞれラジアル軸受からなる軸受11a、11aを備え、カッタ8をこれらの軸受11aの内輪に対してZ軸方向の一定位置で固定することで、回転軸Oを中心に回転可能に保持する筒状部材である。
カッタホルダ11は、軸方向の中間部において、アーム13に保持されており、アーム13の下面側に、アクチュエータ12が固定されている。
アクチュエータ12は、アーム13をZ軸方向に昇降移動するもので、本実施形態では、図2(a)に示すように、筐体2a上に固定されたベース12a上に鉄心12bがZ軸正方向に向けて立設され、ムービングコイル部12cが鉄心12bに沿って、昇降移動するようにしたムービングコイルアクチュエータを採用している。
アクチュエータ12は、図3に示すように、制御部100のZ軸駆動回路108と電気的に接続され、制御部100によってムービングコイル部12cに供給する電流値が制御されることで、Z軸方向における駆動力、駆動方向を変化することができるようになっている。
カッタ刃方向検知センサ9は、一定位置で、検知板8bの有無を検出する非接触型の検知センサであり、本実施形態では、回転軸Oを通るY軸に平行な直線上において、カッタ8に対してY軸正方向側、かつ検知板8bの上方の検知位置Sに配置されている。
検知板8bとカッタ刃方向検知センサ9とは、刃先方向検知機構を構成している。
非接触型の検知センサとしては、検知板8bの構成、材質などに応じて、例えば、反射型、透過型の光センサ、静電容量センサ、磁気センサなどを適宜採用することができる。本実施形態では、反射型の光センサを用いている。
カッタヘッド移動機構30は、図1(a)、(b)に示すように、カッタヘッド2を、プラテン14の上方において、メディア50を搬送する方向(X軸方向)に直交する方向(第2の方向)、すなわちY軸方向に移動可能に保持するものである。
本実施形態では、Y軸方向に延ばされたガイドレール3と、ガイドレール3に沿ってY軸方向に移動可能とされたカッタキャリッジ4と、カッタキャリッジ4にY軸方向の駆動力を伝達するためガイドレール3の延設方向の両側部に配置されたベルトプーリ6、6に巻き掛けられた無端ベルトからなるベルト5と、ベルトプーリ6を回転駆動するモータ7とからなる。
カッタキャリッジ4には、カッタ8が刃部8aを下側に向けてZ軸方向に沿って配置された状態で、カッタヘッド2の筐体2aが固定されている。
また、モータ7は、図3に示すように、制御部100のY軸駆動回路107と電気的に接続され、制御部100を用いて、正逆方向に回転できるようになっている。
制御部100は、カッティング装置1全体の動作を制御するものであり、図3に示すように、CPU101、RAM102、I/O103、ホストI/F104、ROM105、X軸駆動回路106、Y軸駆動回路107、Z軸駆動回路108、およびカッタ刃方向検知回路109を備えている。
CPU101は、RAM102、I/O103、ホストI/F104が電気的に接続され、ROM105に記憶された制御用プログラム、制御用データをRAM102にロードして、制御用プログラムを実行するものである。そして、適宜の入出力インターフェースから構成されるI/O103を介して、I/O103に電気的に接続されたX軸駆動回路106、Y軸駆動回路107、Z軸駆動回路108、カッタ刃方向検知回路109と通信を行って、それぞれに制御信号を送出したり、それぞれから制御に必要な情報を含む信号を受信できるようになっている。 ホストI/F104は、例えば、パソコンなどからなるホスト装置110と適宜の通信回線を通してデータ通信を行うための通信インターフェースである。
ホスト装置110は、カッティング装置1に対して、カットするためのカット線の形状を表す加工データを供給するものである。
X軸駆動回路106は、CPU101から送出される制御信号に応じて、メディア50をX軸方向の目標位置に目標速度で移動させるようにモータ10cを回転駆動するものである。
Y軸駆動回路107は、CPU101から送出される制御信号に応じて、カッタヘッド2をY軸方向の目標位置に目標速度で移動させるようにモータ7を回転駆動するものである。
X軸方向移動、Y軸方向移動のそれぞれ目標位置、目標速度は、メディア50に対するカッタ8の相対移動軌跡が、後述する刃先方向初期化動作やメディア50のカット動作に必要な軌跡を描くように、それぞれCPU101によって設定される。
Z軸駆動回路108は、CPU101から送出される制御信号に応じて、アクチュエータ12のムービングコイル部12cに供給する電流値を制御し、カッタ8の刃先Pのメディア50に対する当接状態と離間状態とを切り換えるとともに、当接状態においてはメディア50に対する押圧力を制御するものである。
カッタ刃方向検知回路109は、カッタ刃方向検知センサ9の検知出力から、検知状態か非検知状態かの検知結果を、CPU101に送出するものである。
次に、カッティング装置1の動作について、カット開始時までに行う刃先方向初期化動作を中心に説明する。
図4は、本発明の実施形態に係るカッティング装置の刃先方向初期化動作のフローチャートである。図5(a)、(b)は、本発明の実施形態に係るカッティング装置の刃先方向初期化動作を示す模式的な動作説明図である。図6(a)、(b)は、図5(a)、(b)に続く刃先初期化動作を示す模式的な動作説明図である。図7は、図6(a)に続く刃先初期化動作を示す模式的な動作説明図である。図8(a)、(b)は、図7に続く刃先初期化動作の模式的な動作説明図である。
カッティング装置1によるカット動作は、まず、メディア50をメディア送り機構10にセットし、CPU101によって、ホスト装置110からメディア50をカットするための加工データを取得する。
CPU101は、取得された加工データを解析して、カット動作に必要なメディア50に対するカッタ8の相対移動軌跡であるカット線を算出し、カット開始位置の座標を設定し、カット開始位置におけるカット方向を求める。
以下の説明では、一例として、図7に示すように、カット開始位置R(x0,y0)の近傍のカット線Tが、Y軸正方向からX軸負方向側に図示反時計回りに角度φだけ回転した傾斜を有する直線からなり、最初のカット方向が、カット方向Uの矢印で示されるようにY軸正方向かつX軸負方向に進む斜め方向である場合の例で説明する。
このとき、カッタ8は、例えば、Y軸方向の端部の待機位置に待機されている。
このような状態から、CPU101によって制御用プログラムを実行することで、図4のフローにしたがい、刃先方向を検知し、一定方向に沿う初期化方向、カット方向に、順次変化させ、その後カットを開始する。
本実施形態では、初期化方向は、カッタヘッド移動機構30の移動方向に合わせて、Y軸正方向またはY軸負方向としている。
ステップS1では、待機位置からカッタ8を上昇させ、カッタ8の刃先Pをメディア50の表面の高さよりも上側に位置させる。すなわち、Z軸駆動回路108によって、アクチュエータ12のムービングコイル部12cを上昇させることで、カッタホルダ11が固定されたアーム13をZ軸正方向に移動する。
そして、刃先方向の初期化を行うためのメディア50の領域にカッタ8を移動させる。刃先方向を初期化する領域は、本実施形態ではカット開始位置Rの近傍とする例で説明するが、他の領域、例えば、メディア50の試し切りを行うためにメディア50上に確保された一定領域などであってもよい。
次に、ステップS2では、アクチュエータ12を下降させ、刃先Pがメディア50に軽く接触するようにする。ここで軽く接触するとは、カット方向に移動した場合でも、メディア50上に許容できない傷が残らない程度の押圧力で接触することを意味する。この許容限度は、メディア50の材質や刃先Pの鋭さなどに応じて、適宜設定することができる。
ここで、回転軸Oに対する刃先Pの位置は、回転軸Oを中心とする半径rの円周上のどこに位置するか不明であり、カッタ8の下降時の刃先Pの着地位置の座標および刃先方向が分からない状態である。
すなわち、刃先Pは、図5(a)に示すように、点Oを通りY軸方向に直交する直線Eに対してY軸負方向側に位置する場合と、図5(b)に示すように、直線Eに対してY軸正方向側に位置する場合と、直線E上にある場合とがある。直線E上にある場合は、Y軸負方向側またはY軸正方向側に位置する場合に含めることができ、本実施形態ではY軸正方向側にあるものとする。
また、刃先Pがメディア50に接触すると、メディア50からの摩擦力が働くため、刃先Pの位置は確定する。
次に、ステップS3では、CPU101は、カッタ刃方向検知回路109を介して、カッタ刃方向検知センサ9の検知出力が検知状態か非検知状態かの情報を取得する。
次に、ステップS4では、CPU101は、ステップS3で取得した情報から、刃先Pの位置を判定する。
すなわち、カッタ刃方向検知センサ9の検知信号が検知状態である場合は、検知板8bが検知位置Sに位置しているので(図5(a)参照)、刃先Pは、直線Eに対してY軸負方向側にあると判定し、ステップS5に移行する。
また、カッタ刃方向検知センサ9の検知信号が非検知状態である場合は、検知板8bが検知位置Sに位置していないので(図5(b)参照)、刃先Pは、直線Eに対してY軸正方向側にあると判定し、ステップS6に移行する。
ステップS5では、刃先Pがメディア50に軽く接触した状態で、カッタ8をY軸正方向に所定距離だけ移動させる。すなわち、X軸駆動回路106によって、モータ10cを駆動し、ベルト5によってカッタキャリッジ4に駆動力を伝達し、カッタキャリッジ4をガイドレール3に沿ってY軸正方向に移動させる。これにより、カッタキャリッジ4に固定されたカッタヘッド2とともにカッタ8が移動される。
このときの、刃先方向の変化を図6(a)に示す。まず、移動開始時には、刃先方向POは、図5(a)のように、X軸正方向からY軸正方向に向かう斜め方向に向いているとする。この状態から、カッタ8が、例えば距離A1だけY軸正方向に移動されると、その移動行程で、刃先Pはメディア50からY軸負方向に摩擦力Fを受けるため、回転軸O回りの回転モーメントが発生し、刃先方向を図示時計回りに回転させる分力F1と、刃先を刃先方向に引っ張る分力F2が発生する。そのため、刃先方向P’O’のように、Y軸正方向に近づいていく。さらに、移動を続け、距離A2だけ移動すると、刃先方向P’’O’’のように、完全にY軸正方向に一致する。
ステップS5における移動の所定距離は、距離A2以上に設定しておく。ここで、距離A2は、移動開始時の刃先方向のぶれ量や、メディア50からの摩擦力の大きさなどによっても異なるので、例えば、予め実験するなどして、十分余裕のある距離に設定しておく。
このような所定距離の移動が終了すると、ステップS7に移行する。
ここで、仮に図5(a)の状態からY軸負方向側に移動する場合を考えると、摩擦力が逆方向になるため、各分力の方向が逆転する。このため、図示反時計回りに回ろうとするが、その際、刃先Pには刃先方向に向かう押圧力が発生し、メディア50に対して刃が形成されていない側が押圧される。本実施形態では、刃先Pは刃先方向に移動するにはメディア50を傷つけない程度に軽く接触させているが、刃先方向に向かう押圧力は、刃先方向に逆行する移動と同等であるため、メディア50につっかえて表面を削り取ってしまったり破いてしまったり、回転を円滑に行えなかったりするおそれがある。また、また回転できたとしても、90°以上回転させるので、回転に時間がかかってしまう。
本実施形態のステップS6によれば、このような不具合を防止することができる。
このような作用は、刃先方向POと移動方向とのなす角が90°以下であれば、同様のため、刃先方向POの向きは、図5(a)のような向きに限定されず、刃先Pが直線Eに対してY軸負方向側に位置していればどのような向きでもよい。
ステップS6では、ステップS5と同様に、カッタキャリッジ4をY軸負方向に移動させる。そして、図6(b)に示すように、例えば、刃先方向が図5(b)の状態から、距離A2だけ移動させ、刃先方向P’’O’’のように、完全にY軸負方向に一致させる。このような所定距離の移動が終了すると、ステップS7に移行する。
なお、ステップS6において、刃先方向POの向きが、図6(b)の向きに限定されないのは、ステップS5の場合と同様である。
ステップS7では、ステップS1と同様にして、刃先Pを上昇させ、メディア50から離間させる。
次に、ステップS8では、図7に示すように、刃先方向POがY軸正方向に一致した状態から、メディア送り機構10、およびカッタヘッド移動機構30を駆動して、刃先Pがカット開始位置R上に位置するようにメディア50とカッタキャリッジ4とを移動させる。このとき、刃先Pはメディア50から離されているのでメディア50から摩擦力を受けず、刃先方向POは移動中もY軸正方向に保たれる。
すなわち、ステップS7におけるカッタ8の回転軸Oの座標が(x1,y1)であるとすると、メディア送り機構10によってメディア50を、Δx=x1−x0だけ移動させ、カッタヘッド移動機構30によってカッタヘッド2を、Δy=y1+r−y0だけ移動させることで、刃先Pとカット開始位置RのXY座標を一致させることができる(図8(a)の破線参照)。
次に、ステップS9では、アクチュエータ12を下降させ、刃先Pがカット開始位置Rでメディア50に接触するようにする。刃先Pのメディア50に対する押圧力は、刃先Pを中心としてカッタ8を円滑に回転できる程度の押圧力とする。
次に、ステップS10では、図8(a)に示すように、刃先Pが接触しているカット開始位置を中心として、カッタ8の回転軸Oを点O’のように図示反時計回りに回転していく。そして、図8(b)に示すように、角度φだけ回転したカット線T上の点O’’で停止する。
カッタ8の回転移動は、CPU101により、円弧OO’’の軌跡を描くための移動座標のデータを算出し、この移動座標に合わせて、メディア送り機構10、カッタヘッド移動機構30を同時駆動することで実現される。
以上で、刃先方向初期化動作が終了する。これによりカット開始の準備段階が終了する。
この後、必要に応じてアクチュエータ12を下降させて、刃先Pのメディア50に対する押圧力をカットに必要な大きさに調整し、カット線Tの軌跡に沿って、メディア送り機構10、カッタヘッド移動機構30を駆動して、メディア50をカットしていく。
このようなカッティング装置1によれば、カッタ8を下降させて刃先Pがメディア50に触れる状態(ステップS2)としてから、刃先PのY軸正方向(一定方向)に直交する直線Eに対して、刃先Pが一定方向側に位置するか否かを検知し、その検知結果に応じて刃Qが形成されていない側がメディア50を押圧しないような方向にカッタ8を移動する(ステップS5、6)ので、メディア50を傷つけたりすることなく、刃先方向POを円滑かつ迅速に初期化方向に設定することができる。
したがって、カット開始位置Rに正確に刃先Pを位置させて、刃先方向POをカット方向Uに確実に合わせることが可能となる。
一方、従来技術のように、刃先Pをメディア50に接触させ、ステップS3、4を行わずに、ステップS5(S6)のような動作を行う場合、刃先方向POが刃先Pの移動方向と180°ずれた方向に位置する場合が出てくるが、この状態でステップS5(S6)を実行すると、刃先Pを回転させることができないため、ステップS5(S6)が終了した時点で刃先方向POが初期化方向と逆方向のままである。そのため、刃先方向POが逆方向で刃先Pの位置が2rずれた状態で、カッタ8を移動してカットを開始することになり、カット開始位置がずれたり、カットが行えなくなったり、さらには、メディア50にっかえて表面を削り取ってしまったり破いてしまったりするおそれもある。
本実施形態のカッティング装置1によれば、このような不具合を防止することができる。
なお、上記の説明では、刃先方向を設定する初期化方向が、カッタヘッド移動機構30の移動方向に一致する場合の例で説明したが、初期化方向はこれに限定されない。例えば、メディア送り機構10の移動方向に一致させてもよい。これらの場合には、水平移動機構が第1移動機構、第2移動機構からなる場合に、一方のみを移動させることで、刃先方向の設定が行えるため、制御が容易となる。
また、第1移動機構、第2移動機構を同時に移動させることで、XY平面内での任意方向への相対移動が可能とされているので、任意の斜め方向を初期化方向としてもよい。
また、上記の説明では、カッタと被カット媒体とをそれぞれ異なる水平移動機構を用いて、直交する2軸方向に移動させ、昇降機構によりカッタを昇降させる場合の例で説明したが、カッタと被カット媒体との移動は、上記の説明のような相対移動が可能であればよく、水平移動機構、昇降機構は、上記の例に限定されない。
例えば、昇降機構は、被カット媒体を昇降させるものであってもよく、水平移動機構は、カッタのみ、あるいは被カット媒体のみが水平面内に移動するものや、両者とも水平面内に移動するものでもよい。
また、上記の説明では、刃先方向を初期化方向に設定してから、カット開始位置に移動する例で説明したが、刃先方向を初期化方向に設定する終点位置をカット開始位置に一致させる制御方法を採用してもよい。すなわち、図4のステップS2で下降させる位置を、カット開始位置から、ステップS8で移動するのと逆方向に所定距離だけ離れた位置に設定し、ステップS7〜S9を省略するようにしてもよい。この場合、ステップS2に先だってステップS3と同様の工程を行って移動方向を決定することができる。もし、ステップS3において、ステップS2の前の方向からずれたことが判明した場合には、位置をカット開始位置Rに対して180°反対側に移動させればよい。
また別の態様として、画像作成装置として例えばインクジェットプリンタのインクジェットヘッドをカッタキャリッジ4に搭載することで、画像の作成とカッティングをするカッティング装置ができる。インクジェットヘッドはカッタキャリッジ4と同じガイドレールを使う別のキャリッジに搭載してもよい。
本発明の実施形態に係るカッティング装置の概略構成を模式的に示す平面図およびそのA−A断面図である。 本発明の実施形態に係るカッティング装置のカッタヘッドの概略構成を模式的に示す正面視断面図、その部分的な平面図、および刃先方向検知機構の作動時の様子を示す部分的な平面図である。 本発明の実施形態に係るカッティング装置の制御部の構成を示す構成ブロック図である。 本発明の実施形態に係るカッティング装置の刃先方向初期化動作のフローチャートである。 本発明の実施形態に係るカッティング装置の刃先方向初期化動作を示す模式的な動作説明図である。 図5に続く刃先初期化動作を示す模式的な動作説明図である。 図6に続く刃先初期化動作を示す模式的な動作説明図である。 図7に続く刃先初期化動作の模式的な動作説明図である。
符号の説明
1 カッティング装置
2 カッタヘッド
3 ガイドレール
4 カッタキャリッジ
5 ベルト
7、10c モータ
8 カッタ
8b 検知板(刃先方向検知機構)
9 カッタ刃方向検知センサ(刃先方向検知機構)
10 メディア送り機構(第1移動機構)
10a、10b 駆動ローラ
12 アクチュエータ
14 プラテン
30 カッタヘッド移動機構(第2移動機構)
50 メディア(被カット媒体)
100 制御部
101 CPU
104 ホストI/F
105 ROM
109 カッタ刃方向検知回路
E 直線(一定方向に直交する直線)
P 刃先
Q 刃
O 回転軸
T カット線
U カット方向

Claims (6)

  1. 刃先が、被カット媒体に垂直な回転軸を中心として偏心回転自在に保持されたカッタと、該カッタの刃先方向を、前記刃先が前記被カット媒体に対してカット開始位置で当接したときにカット方向に向くように移動させる刃先方向初期化手段と、前記刃先方向初期化手段を制御する制御手段と、を有するカッティング装置であって、
    前記刃先方向初期化手段は、
    前記カッタを前記被カット媒体に対して相対昇降する昇降機構と、
    前記カッタを、前記被カット媒体に平行な面内の2軸方向に相対移動する水平移動機構と、
    前記回転軸を通り所定の方向に直交する直線に対して、前記刃先が前記所定の方向側に位置するか否かを検知する刃先方向検知機構と、を備え、
    前記制御手段は、
    前記昇降機構を制御して前記カッタの刃先を前記被カット媒体の上方に離して配置し、
    前記昇降機構を制御して前記カッタを下降させて、前記カッタの刃先が前記被カット媒体に軽く接触する状態とし、
    前記刃先方向検知機構を制御して前記所定の方向に直交する直線に対して、前記刃先が前記所定の方向側に位置するか否かを検知し、
    前記刃先が前記所定の方向側に位置するときは、前記水平移動機構を制御して前記刃先が前記被カット媒体に軽く接触する状態で、前記カッタを前記所定の方向の逆方向に移動させて、前記刃先方向を前記所定の方向の逆方向に方向づけ、前記刃先が前記所定の方向側に位置しないときは、前記水平移動機構を制御して前記刃先が前記被カット媒体に軽く接触する状態で、前記カッタを前記所定の方向に移動させて、前記刃先方向を前記所定の方向に方向づけ、
    前記昇降機構を制御して前記カッタの刃先を前記被カット媒体の上方に離して配置し、
    前記水平移動機構および前記昇降機構を制御して前記カッタの刃先を前記カット開始位置に接触させ、
    前記水平移動機構を制御して前記カッタの刃先を前記カット開始位置に接触させた状態で前記カット方向に回転させることを特徴とするカッティング装置。
  2. 前記水平移動機構は、
    前記被カット媒体を第1の方向に沿って移動させる第1移動機構と、
    前記カッタを前記第1の方向に直交する第2の方向に沿って移動させる第2移動機構とからなり、
    前記所定の方向は、
    前記第2の方向に沿った方向であることを特徴とする請求項1に記載のカッティング装置。
  3. 前記刃先方向検知機構は、
    前記カッタに設けられた、前記カッタの回転軸を中心とした半円板または180°に開いた扇形板からなる検知板と、
    前記検知板の有無を所定位置で検知する非接触型の検知センサとからなることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載のカッティング装置。
  4. 刃先が、被カット媒体に垂直な回転軸を中心として偏心回転自在に保持されたカッタを有し、該カッタの刃先方向を、前記刃先がカット開始位置で前記被カット媒体に当接したときにカット方向に向けてからカットを行うカッティング装置の制御方法であって、
    前記カッタの刃先を前記被カット媒体の上方に離して配置し、
    前記カッタを下降させて、前記カッタの刃先が前記被カット媒体に軽く接触する状態とし、
    所定の方向に直交する直線に対して、前記刃先が前記所定の方向側に位置するか否かを検知し、
    前記刃先が前記所定の方向側に位置するときは、前記刃先が前記被カット媒体に軽く接触する状態で、前記カッタを前記所定の方向と逆方向に移動させて、前記刃先方向を前記所定の方向と逆方向に方向づけ、
    前記刃先が前記所定の方向側に位置しないときは、前記刃先が前記被カット媒体に軽く接触する状態で、前記カッタを前記所定の方向に移動させて、前記刃先方向を前記所定の方向に方向づけ、
    前記刃先を前記所定の方向または前記所定の方向の逆方向に方向づけた後、前記刃先を前記被カット媒体の上方に離して配置し、
    前記カッタを移動して前記刃先を前記カット開始位置に接触させ、
    前記カッタの刃先を前記カット開始位置に接触させた状態で前記カット方向に回転させることを特徴とするカッティング装置の制御方法。
  5. 前記カッタの刃先を前記カット開始位置に接触させた状態で前記カット方向に回転させた後、
    前記カッタを前記被カット媒体に対してさらに降下させ、
    前記被カット媒体を前記カッタによってカットする請求項4に記載のカッティング装置の制御方法。
  6. 画像作成装置をさらに有する請求項1に記載のカッティング装置。
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