JP5122837B2 - 燃料電池および電子機器 - Google Patents
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Description
ここで生成したプロトンは電解質膜を経て空気極に伝達される。空気極においては、該プロトンと空気中の酸素が反応して水が生成する。このときに、電子が外部負荷を通って燃料極から空気極に移動し、電力として取り出される。
特許文献2には、ゲル体で構成されたイオン性液体をプロトン伝導性電解質成分として用いた電極触媒構造体が提案されている。
特許文献3には、低加湿・低温条件下においても高いプロトン伝導性を示す電解質成分として、イオン性液体と、スルホン酸基を有するポリアリーレン系共重合体とからなる固体高分子型燃料電池用膜電極構造体が提案されている。
(燃料電池の構成)
図1は、本発明の燃料電池の好ましい構成の一例を示す断面図である。図1に示す燃料電池101には、燃料極触媒層102aと燃料極導電層103aからなる燃料極と、プロトン伝導性を有する電解質膜104と、空気極触媒層102bと空気極導電層103bからなる空気極とから膜電極複合体が形成されており、燃料極に接して透過層105が設けられ、さらに筐体106が設けられている。筐体106が透過層105により閉塞されることで、液体燃料室107が形成されている。
<透過層>
図1の透過層105として形成される液体浸透膜は、液体燃料に溶解せずに、液体燃料を浸透させることで、液体燃料を透過させ、かつ燃料極において生成する排ガスである二酸化炭素ガスなどを透過させ難い構成材料からなる膜であれば特に限定されない。たとえば、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン基、リン酸基、ケトン基等の官能基を有した高分子膜を用いることができる。具体的には、ハイドロキシエチルメタクリレート、ポリビニリデン、ジメチルアクリルアミド等の高分子材料を組み合わせて共重合させた膜を用いることが好ましい。
液体燃料室107から供給される液体燃料は、透過層105を透過して燃料極導電層103aに到達する。本発明の燃料電池における燃料極導電層103aは、燃料極触媒層102aから電子を集電する機能と、電気的配線を行う機能とを有する。燃料極導電層103aの材質は、比抵抗が小さく、面方向に電流を取り出しても電圧の低下が抑制される点で金属が好ましく、電子伝導性を有し、酸性雰囲気下で耐腐食性を有する金属材料であればより好ましい。具体的には、Au、Pt、Pd等の貴金属、C、Ti、Ta、W、Nb、Ni、Al、Cr、Ag、Cu、Zn、Su等の金属やSiおよびこれらの金属の窒化物、炭化物等、さらにステンレス、Cu−Cr、Ni−Cr、Ti−Pt等の合金等を用いることが好ましく、Pt、Ti、Au、Ag、Cu、Ni、Wからなる群より選ばれる少なくとも一つの元素を含むことがより好ましい。
本発明の燃料電池における電解質膜204は、燃料極触媒層202から空気極触媒層へプロトンを伝達する機能と、燃料極触媒層202と空気極触媒層との電気的絶縁性を保ち短絡を防止する機能とを有する。
本発明の燃料電池の燃料極触媒層の好ましい構成について説明する。図2は、本発明の燃料電池の燃料極側の好ましい構成の一例について説明する断面図である。図2に示す燃料電池の燃料極201には、燃料極触媒層202と燃料極導電層203とプロトン伝導性を有する電解質膜204と、からなる膜電極複合体が形成されており、燃料極触媒層202および/または燃料極導電層203に接して透過層205が設けられている。図2では、本発明の燃料電池における燃料極触媒層202が層厚方向の連続孔である細孔を有する場合について示している。
電解質膜104の水平方向の界面における単位面積をいう。
上記反応式において、cは液体燃料の濃度、αは移動係数、nは反応電子数、Fはファラデー定数、ηは電極電位の平衡電位からのずれを表す過電圧である。I0は交換電流密度であり、電極触媒の活性に依存する値である。(1)式より、電極触媒207の単位面積当たりの重量Wが3mg/cm2未満である燃料極においては、発電量は電極触媒207の総面積、すなわち重量に依存するため、高い発電特性を得ることはできない。また、電極触媒207の単位面積当たりの重量Wが100mg/cm2を超える場合は、電解質成分のプロトン伝導抵抗による電圧ロスが大きいため、高い発電特性を得ることはできない。
本発明の燃料電池における燃料極触媒層202の電極触媒207としては、たとえば、Pt、Ru、Au、Ag、Rh、Pd、Os、Irなどの貴金属や、W、Ce、Ni、V、Ti、Co、Mo、Fe、Cu、Zn、Nbなどの卑金属が例示される。これらを、単独もしくは2種類以上の組み合わせで用いることもできる。また、Pt、Ru、Au、Ag、Rh、Pd、Os、Irなどの貴金属と、W、Ce、Ni、V、Ti、Co、Mo、Fe、Cu、Znなどの酸化物や窒化物とを、2種類以上組み合わせて用いることもできる。
本発明の燃料電池における燃料極触媒層202の電子伝導性物質206としては、たとえば、天然ガス、炭化水素ガスの気相熱分解や不完全燃焼によって生成する微粉の球状または鎖状の炭素材料が好ましい。このような炭素材料としては、ファーネスブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどを含むいずれのカーボンブラックでも使用可能である。また、同様の構造を持つ炭素材料として、活性炭、活性炭素繊維、多層カーボンナノチューブ、ナノカーボンなどのカーボン粒子を用いることもできる。また、Au、Ag、Pt、Ti、Nbなどの金属粒子、Pt、Ru、W、Ce、Ni、V、Ti、Co、Mo、Fe、Cu、Zn、Nbなどの酸化物や窒化物粒子、n型、p型またはドープ型のシリコンなどの半導体粒子なども使用することができる。上記の電子伝導性物質は、平均粒径10〜100nmが好ましく、より好ましくは20〜30nmである。
本発明における燃料電池の燃料極触媒層202中に電解質成分208が含まれる。ここで電解質成分は、前述の如く燃料極触媒層202のプロトン伝導抵抗Rclを所定範囲に調整する。この電解質成分は液体電解質あるいは液体燃料に溶解する固体電解質が使用される。そして電解質成分は燃料極触媒中に浸透することで液体燃料の酸化反応の生じる三相界面を増加させ、発電特性を向上できる。ここで三相界面とは、電極触媒207/電子伝導性物質206/電解質成分208で形成される界面をいう。
また、本発明の燃料電池における燃料極触媒層202中の電解質成分208が液体燃料に溶解する固体電解質である場合、たとえば、無機固体酸を用いることができる。本発明で用いられる固体酸は、MaHb(XOt)c・nH2O(式中Mは、Li、Be、Na、Mg、K、Rb、Sr、Cs、Ba、TlおよびNH4 +からなる一つ以上の化学種、Xは、Si、P、S、As、Se、Te、CrおよびMnからなる一つ以上の化学種、a、b、c、t、nは有理数)で表される。具体的には、CsHSO4、Cs3H(SO4)2、CsH3PO4、NH4HSO4、RbHSO4等の硫酸塩およびリン酸塩が挙げられる。また、CsHSeO4、NH4HSeO4、RbHSeO4等のセレン酸塩、CaNaHSiO4、Cs2H2SiO4、Rb2H2SiO4、K3HSiO4等のケイ酸塩等も挙げることができる。さらに、タングストリン酸、モリブドリン酸、タングスト珪酸などのヘテロポリ酸も挙げることができる。
図3は、本発明の燃料電池の好ましい構成の他の例を模式的に示す断面図である。図3に示す燃料電池301は、燃料極触媒層302aと燃料極導電層303aからなる燃料極と、プロトン伝導性を有する電解質膜304と、空気極触媒層302bと空気極導電層303bからなる空気極と、からなる膜電極複合体と、液体燃料室305と、液体燃料室305から導入された液体燃料を気化し、気化した気体燃料を燃料極に導くための燃料気化部306とが形成されている。このとき、電池反応によって生じる反応熱が伝わる位置に燃料気化部306が備えられている構成が好ましく、より好ましくは反応熱により40℃程度以上に加熱される位置に燃料気化部306を近接させる構成が望ましい。
<燃料電池1の作製>
1.電解質膜の作製
40×40mm、厚さ175μmのナフィオン(登録商標)117(デュポン社製)を用いた。
2.導電層の作製
燃料極導電層である多孔質アノード導電層、および空気極(対極)導電層である多孔質カソード導電層として、線径70μmφ、100meshの金メッシュ(ニラコ社製)を23×50mmのサイズに切り出して用いた。以後、多孔質アノード導電層用の金メッシュをアノード金メッシュ、多孔質カソード導電層用の金メッシュをカソード金メッシュと記載する。
3.透過層の作製
液体浸透膜の、40×40mm、厚さ175μmのナフィオン(登録商標)117(デュポン社製)を用いた。
4.導電層/電子伝導性物質(カーボン)複合体の作製
燃料極触媒層および空気極(対極)触媒層の基体として、片面に撥水処理層を形成した多孔質基材であるカーボンペーパー(GDL35BC,SGL社製)を23×23mmのサイズに切り出して用いた。
5.触媒ペーストの作製
燃料極の触媒ペーストをPt/Ru合金粒子とカーボン粒子とからなる、Pt担持量が32.5wt%、Ru担持量が16.9wt%の触媒担持カーボン粒子(TEC66E50、田中貴金属社製)を0.497g、20wt%のナフィオンのアルコール溶液(アルドリッチ社製)0.73g、イソプロパノール2.58ml、N−プロパノール1.17ml、純水1.5ml、ジルコニアボール100gとを、PTFE製の容器に入れ、攪拌機を用いて500rpmで50分間の混合を行うことにより作製した。
6.触媒層の作成
(燃料極触媒層)
上記の燃料極用の触媒ペーストを、上記アノード金メッシュに仮止めされたカーボンペーパーの撥水処理面上に、触媒担持量が30mg/cm2となるように、23×23mmのウィンドウを有したスクリーン印刷版を用いて、燃料極用の触媒ペーストを塗布した。その後、60℃乾燥機内にて乾燥させることで、燃料極触媒層を得た。
(空気極触媒層)
上記の空気(対極)用の触媒ペーストを、上記カソード金メッシュに仮止めされたカーボンペーパーの撥水処理面上に、触媒担持量が1mg/cm2となるように、23×23mmのウィンドウを有したスクリーン印刷版を用いて、燃料極用の触媒ペーストを塗布した。その後、60℃乾燥機内にて乾燥させることで、空気極(対極)触媒層を得た。
7.燃料電池の作製
上記アノード金メッシュに形成した燃料極触媒層と、上記カソード金メッシュに形成した空気極(対極)触媒層と、電解質膜であるナフィオン117とを重ねあわせ、さらにアノード金メッシュの上から透過層であるナフィオン117とを重ね合わせた。このとき、アノード金メッシュとカソード金メッシュとは、互いに異なる方向に上記電解質膜からはみ出すように重ね合わせた。
<燃料電池2の作製>
また、濃度0.5mol/Lの硫酸水溶液を用いない以外は、燃料電池1の作製と同様の方法で、比較例のための燃料電池2を作製した。ここで、燃料極触媒層に含まれる電極触媒の燃料極投射単位面積当たりの重量Wは、30mg/cm2である。
<燃料電池3の作製>
また、燃料極用の触媒ペーストおよび燃料極触媒層の構成条件が異なる以外は、燃料電池2の作製と同様の方法で、比較例のための燃料電池3を作製した。燃料極用の触媒ペーストおよび燃料極触媒層の構成条件は以下の通りである。
燃料電池1の外部に引き出されたアノード金メッシュとカソード金メッシュとを負荷装置である電気化学アナライザー(PGSTAT30、オートラボ社製)に接続した。次に、燃料極側に濃度3mol/Lのメタノール水溶液を5ml/minで供給し、空気極(対極)側に加湿H2を200ml/minで供給し、40℃で燃料極の発電特性を電流走査0.5mA/secで評価した。このとき、空気極(対極)は擬似可逆水素電極(Reversible Hydrogen Electrode:RHE)となり、参照極兼対極として機能する。
実施例1
燃料電池1の外部に引き出されたアノード金メッシュとカソード金メッシュとを負荷装置である電気化学アナライザー(PGSTAT30、オートラボ社製)に接続した。次に、燃料極側に濃度3mol/Lのメタノール水溶液を5ml/minで供給し、空気極(対極)側に加湿H2を200ml/minで供給し、40℃で燃料極の交流インピーダンス解析を行い、得られたコール・コールプロットから燃料極触媒層のプロトン伝導抵抗を評価した。交流インピーダンス測定は、測定周波数50mHzから10kHz、交流振幅±10mA/cm2の条件で、電流密度0mA/cm2負荷条件下(開放電圧下)で行った。
燃料電池2を用いた他は、実施例1と同様の方法で燃料極触媒層のプロトン伝導抵抗を評価した。
実施例1
燃料電池1の外部に引き出されたアノード金メッシュとカソード金メッシュとを負荷装置である電気化学アナライザー(PGSTAT30、オートラボ社製)に接続した。次に、燃料極側に加湿N2を200ml/minで供給し、空気極(対極)側に加湿H2を200ml/minで供給し、40℃で燃料極のサイクリックボルタンメトリー(Cyclic Voltammetry:CV)測定を行い、得られた水素脱着波の積分(図中斜線部分)から燃料極触媒層の電極触媒三相界面積を評価した。CV測定は、電位走査50mV/secで、走査範囲0.05−0.6Vの条件で行った。
燃料電池2を用いて、実施例1と同様の方法で燃料極触媒層の電極触媒三相界面積を評価した。
実施例1
燃料電池1の外部に引き出されたアノード金メッシュとカソード金メッシュとを負荷装置である電気化学アナライザー(PGSTAT30、オートラボ社製)に接続した。次に、燃料極側に濃度3mol/Lのメタノール水溶液を5ml/minで供給し、空気極(対極)側に加湿H2を200ml/minで供給し、40℃で300mA/cm2負荷条件で燃料極の発電特性を評価した。
燃料電池2を用いて、実施例1と同様の方法で燃料極の発電特性を評価した。
Claims (14)
- プロトン伝導性を有する電解質膜、前記電解質膜の一方の表面に形成された燃料極、および前記電解質膜の他方の表面に形成された空気極からなる膜電極複合体と、前記燃料極に液体燃料を供給するための液体燃料室と、を少なくとも備え、
前記燃料極は燃料極触媒層と燃料極導電層を有し、前記燃料極触媒層は電極触媒とプロトン伝導性を有する電解質成分とを含み、該燃料極触媒層の燃料極投射単位面積当たりのプロトン伝導抵抗Rclが20mΩ・cm2以下であり、前記電極触媒の燃料極投射単位面積当たりの重量Wが3mg/cm2以上で、100mg/cm2以下であることを特徴とする燃料電池。 - 前記電解質成分が液体電解質である請求項1に記載の燃料電池。
- 前記液体電解質が硫酸である請求項1または請求項2に記載の燃料電池。
- 前記液体電解質がイオン性液体である請求項1または請求項2に記載の燃料電池。
- 前記電解質成分が前記液体燃料に溶解する固体電解質である請求項1に記載の燃料電池。
- 前記固体電解質がパーフルオロ系固体高分子電解質である請求項5に記載の燃料電池。
- 前記固体電解質が炭化水素系固体高分子電解質である請求項5に記載の燃料電池。
- 前記固体電解質が無機固体酸である請求項5に記載の燃料電池。
- 前記燃料極および前記液体燃料室それぞれに接するように設けられた液体燃料気化部を備える請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池。
- 前記液体燃料が、前記液体燃料気化部を介して前記燃料極に気化供給される、請求項9に記載の燃料電池。
- 前記燃料極および前記液体燃料室それぞれに接するように設けられた透過層を備える、請求項1〜8のいずれかに記載の燃料電池。
- 前記液体燃料が、前記透過層に浸透して前記燃料極に供給される、請求項11に記載の燃料電池。
- 前記燃料極は、燃料極触媒層および燃料極導電層を少なくとも備え、前記燃料極触媒層および/または前記燃料極導電層と前記透過層と前記プロトン伝導性を有する電解質膜とが接合されてなる、請求項11または12に記載の燃料電池。
- 請求項1〜13のいずれかに記載の燃料電池を搭載した電子機器。
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