JP5123043B2 - 水晶振動子および水晶発振器 - Google Patents
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Description
例えば、平板型の水晶片としては、平面視四角形状のもの(例えば、特許文献1参照)と、平面視円形状のもの(例えば、特許文献2参照)が知られており、平板型以外の水晶片としては、例えば、音叉形状のも(例えば、特許文献3参照)のが知られている。また、平板状の素子には、その主面に凸部を設けてこの凸部の主面に電極を設けた構造のもの(例えば、特許文献4参照)や、凹部を設けてその凹部の主面に電極を設けた構造のもの(例えば、特許文献5参照)が提案されている。
例えば、平面視四角形状の水晶片の主面に凸部か形成された構造の水晶振動素子の場合、凸部の主面が所定の面積を有し、平面視四角形状に形成されている。この凸部は、ウェットエッチングなどにより形成される。
この凸部主面に電極を形成し、この電極と向かい合うように反対側にも電極を設けて水晶振動素子が構成される(例えば、特許文献6参照)。
なお、凸部は、水晶片の一方の主面のみに形成する場合と両主面に形成する場合とがある。
このような凸部を設ける理由は、水晶振動素子の振動エネルギーが凸部内で閉じ込められるようにするためである。これにより、平板状の水晶振動素子よりもクリスタルインピーダンス(以下、「CI値」という)の低い優れた特性を得ることが期待できる。
CI値が低いということは、安定した振動でありながら、振動エネルギーが凸部内で閉じ込められた状態であるといえる。
また、振動エネルギーを閉じ込めることを目的とした素子の他の例として、ベベル加工された水晶片も提案されている(例えば、特許文献7参照)。
そこで、本発明は、振動漏れを軽減して、CI値を低くする水晶振動子を提供することを課題とする。
図1は本発明の第一の実施形態に係る水晶振動子を模式的に示す分解斜視図である。図2は(a)は本発明の第一の実施形態に係る水晶振動子に用いられる水晶振動素子の一例を示す平面図であり、(b)は(a)を概略的に示す側面図である。図3はベベル加工された水晶片の厚さ分布の状態の一例を示す模式図である。
図2(a)及び(b)に示すように、このその水晶振動素子10は、平板部11の主面において、対向するように2つ一対の凸部12が設けられ、それぞれの凸部12に励振電極13を設けた構造となっている。
この凸部12は、平面視四角形の四隅を所定の半径Rで丸めた形状となっている。
また、この凸部12は、平板部11の両主面に設けられている。
この凸部の主面には、励振電極13が設けられつつ、凸部12の主面とは反対側の凸部12の主面にも励振電極13が設けられている。この励振電極13、13の平面中心は、水晶片の平板部11の平面中心と凸部12の平面中心と同一となっている。また、この励振電極13は、その隅部において所定の半径RDで丸めて形成されている。
なお、水晶片には、励振電極13、13と接続し短辺側まで延出した引回電極14が両主面に設けられている。
これにより、水晶振動素子10全体に対して、前記のとおり、励振電極13が形成されている領域と、励振電極13が形成されていない領域と、凸部12が設けられていない領域との3つの領域に分けることができる。
そこで、図2(a)に示すように、凸部12に形成されている四隅のR加工された部分は、従来のベベル加工された水晶片で現されている隅部の曲率に似せた所定の半径Rで形成されている。また、図2(a)に示すように、導電性接着材(図示せず)が付く部分Jは、凸部12から離れている。これにより、通常の平板の水晶片にベベル加工をしたときのようなエネルギー閉じ込めを行うことができつつ、基体20(図1参照)に搭載するときに導電性接着材(図示せず)がエネルギー閉じ込めを行う凸部12にかからないことで振動漏れを防ぐことができる。
ここで、水晶片の平板部11の長辺方向の長さL2と凸部12の長辺方向の長さL1との比L2/L1が、1.15を下回ると、基体20に搭載するときに導電性接着剤が凸部12にかかる可能性が高く、また、導電性接着剤が凸部12にかかると振動漏れを起こしCI値が劣化することとなる。また、同比L2/L1が1.85を超えると、通常の水晶片平面にベベル加工をしたときのようなエネルギー閉じ込めを行うことができなくなりCI値の劣化を生じることとなる。したがって、水晶片の平板部11の長辺方向の長さL2と凸部12の長辺方向の長さL1との比L2/L1が、1.15〜1.85となることにより、超小型に形成した水晶片でもCI値を低くすることができる。
ここで、凸部12の短辺方向の長さW1と励振電極13の短辺方向の長さWDとの比W1/WDが、1.05を下回ると、製造公差により凸部12の端面と水晶片平板部11の端面が同位置になりエネルギー閉じ込めを行うことができなくなる。また、同比W1/WDが、1.35を超えると、励振電極13の形状が細長く歪になり、主振動の効率が悪くなりCI値劣化の原因となる。したがって、凸部12の短辺方向の長さW1と励振電極13の短辺方向の長さWDとの比W1/WDが、1.05〜1.35となることにより、効率のよい振動を起こさせエネルギー閉じ込めの効果を得てCI値を低くすることができる。
凸部12の主面に励振電極13を形成した領域における遮断周波数をf1、励振電極13が設けられていない凸部12の領域における遮断周波数をf2、凸部12が設けられていない領域における遮断周波数をf3とした場合に、それぞれの遮断周波数の関係が、f1<f2<f3となる。
このようなf1<f2<f3との遮断周波数の関係がない場合、凸部12で振動エネルギーを閉じ込めることができず、励振電極13を設けた領域において振動漏れが発生してしまう。したがって、それぞれの遮断周波数の関係が、f1<f2<f3となることにより、励振電極13が設けられた領域における振動エネルギーが凸部12内で閉じ込められた状態となり、振動漏れを発生することがなくなる。これにより、CI値が低くなり、振動が安定した水晶振動子100とすることができる。
基体20は、例えばセラミックスからなり、基板部21と枠部22とから構成されている。この基板部21と枠部22により凹部20aが形成される。
ここで、枠部22で囲まれた基板部21の主面には2つ一対の搭載パッド23が短辺側に並んで設けられており、この搭載パッド23と電気的に接続する外部端子Gが、搭載パッド23が設けられた主面とは反対側の主面に設けられている。
また、枠部22には、メタライズ層Mが設けられており、蓋体30との接合に用いられる。
この搭載パッド23と水晶振動素子10の引回電極14とを導電性接着材(図示せず)で接合する。これにより、水晶振動素子10は基体20に搭載された状態となる。
なお、導電性接着材は、水晶片の凸部12が設けられていない領域であって、凸部12に接触しない位置に接着される。
このように水晶振動素子10が搭載された基体20に蓋体30を接合して凹部20aを気密封止する。
この蓋体30に設けられた封止材Fと、基体20のメタライズ層Mとを重ねた状態で、例えば、真空雰囲気中で加熱することにより封止材Fとメタライズ層Mとを接合させで凹部20aを気密封止している。
したがって、水晶振動素子10が搭載される凹部20a内が真空状態となっている。
次に、本発明の第二の実施形態に係る水晶発振器について説明する。
本発明の第二の実施形態に係る水晶発振器は、第一の実施形態に用いられる水晶振動子に、集積回路素子(図示せず)を電気的・機械的に接続した構成となっている。
この集積回路素子には、少なくとも発振回路が備えられている。これにより、水晶振動素子の周波数を容易に電子デバイスに供給することができる。
なお、この集積回路素子には、例えば、温度センサー、温度補償回路、発振回路などを備えさせて、温度補償型水晶発振器とすることもできる。
例えば、本発明の第二の実施形態に係る水晶発振器には、2つの凹部を有するパッケージを用いることができる。このパッケージの一方の凹部に本発明の第一の実施形態に係る水晶振動子に用いられる水晶振動素子を搭載し、他方の凹部に集積回路素子を搭載した構造とすることができる。ここで、2つの凹部は、2つ並べて形成される場合や、1つの凹部の中にさらに凹部が形成される場合や、表裏面に分けて凹部が形成される場合など、種々の組み合わせで形成される。
また、凹部が形成された容器に集積回路素子を搭載した状態で本発明の第一の実施形態に係る水晶振動子を電気的・機械的に接続した構造としても良い。
また、リードフレームに、集積回路素子と本発明の第一の実施形態に係る水晶振動子とを搭載して、モールド樹脂で覆った構造としても良い。
(実施例1)
実施例1における水晶振動子に用いられる水晶振動素子は、以下の構成となっている。
水晶片の長辺方向の長さL2=1.10mm、
水晶片の短辺方向の長さW2=0.61mm、
水晶片の厚さt2=0.043mm、
凸部の長辺方向の長さをL1=0.88mm、
凸部の短辺方向の長さをW1=0.50mm、
凸部に設けたR加工の半径をR=0.15mm、
凸部の厚さt1=0.001mm、
励振電極の長辺方向の長さLD=0.69mm、
励振電極の短辺方向の長さWD=0.44mm、
励振電極に設けたR加工の半径RD=0.10mm。
ここで、凸部は、水晶片の両主面に設けられた構造となっている。
すなわち、L1/R=5.87、L2/L1=1.25、W1/WD=1.13となっている。ここで、L1/(W1/2)=3.52である。
また、(t1×2+t2)/(t1×2)=22.5である。
このような水晶振動子100において、その周波数は、36.0MHzとなっており、またその周波数の近傍に不要モードが発生していないことが確認できる(図4(a)及び(b)参照)。
また、図4(b)に示すように、CI値が18Ωとなっていることから、外寸が同程度の水晶片を使用した水晶振動子としてはCI値が非常に低いことが確認できる。
すなわち、水晶片の外形を成す平面の平面中心と、凸部の平面中心と、励振電極の平面中心とが同一となっていることにより、振動バランスがよくなったものと考察される。
また、凸部の隅部を所定の半径Rで丸めた形状となっていることにより、振動伝播の輪郭と近似して、振動漏れが軽減されたものと考察される。
さらに、励振電極においても隅部を所定の半径RDで丸めた形状としたことにより、振動伝播の輪郭と近似して、振動漏れが軽減されたものと考察される。
これにより、水晶片の凸部で振動エネルギーが効率よく閉じ込められたものと考察される。
したがって、CI値が著しく改善されており、本発明の効果を満足している。
比較例1における水晶振動子に用いられる水晶振動素子は、図3のように従来技術のベベル加工したもので、以下の構成となっている。
水晶片の長辺方向の長さL2=1.10mm、
水晶片の短辺方向の長さW2=0.61mm、
水晶片中央の厚さt2=0.043mm、
ベベル加工されていない平坦部の長辺方向の中央での長さをL1=0.77mm、
ベベル加工されていない平坦部の短辺方向の中央での長さをW1=0.43mm、
水晶片長辺端部中央におけるベベル加工深さt1=0.004mm、
励振電極の短辺方向の長さWD=0.45mm、
励振電極の長辺方向の長さLD=0.45mm。
ただし、励振電極部の四隅はR加工されていない。
この水晶振動素子は、蓋体によって真空状態で気密封止されている基体の凹部内に搭載されている。
実施例1の水晶振動子は、図4(a)及び(b)に示すように、周波数が36.0MHzであり、不要な振動モードが発生していないことが確認できる。また、CI値が18Ωと低いCI値となっていることが確認できる。
比較例1の水晶振動子は、図5に示すように、実施例1と同様に周波数が36.0MHzであり、こちらも不要な振動モードが発生していないのが確認できる。しかし、CI値が48Ωとなり、実施励1より高いCI値となっていることが確認できる。
したがって、実施例1の水晶振動子は、CI値が著しく改善されており、本発明の効果を満足している。
10 水晶振動素子
11 平板部
12 凸部
13 励振電極(電極)
20 基体
30 蓋体
Claims (5)
- 水晶片の主面内に凸部が設けられ前記凸部の主面と反対側の主面に電極を設けた水晶振動素子を容器体の内部に気密封止した水晶振動子であって、
前記水晶振動素子の前記凸部が四角形の四隅を所定の半径Rで丸めた形状となっており、
前記凸部の長辺方向の長さをL1、同じ凸部の短辺方向の長さをW1とした場合、前記凸部の長辺方向の長さL1と前記所定の半径Rとの比L1/Rが、L1/(W1/2)〜17.6である
ことを特徴とする水晶振動子。 - 前記水晶片の外形を成す平面中心と前記凸部の平面中心と前記電極の平面中心とが同一となっていることを特徴とする請求項1に記載の水晶振動子。
- 前記電極を形成した領域における遮断周波数をf1、電極が設けられていない凸部の領域における遮断周波数をf2、前記水晶片の外形を成し且つ凸部が設けられていない領域における遮断周波数をf3とした場合に、それぞれの遮断周波数の関係が、f1<f2<f3となることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の水晶振動子。
- 前記水晶片において前記凸部の厚さをt1、前記水晶片の外形を成し且つ凸部が設けられていない部分の厚さをt2とした場合、t1とt2との関係(t1×2+t2)/(t1×2)が5以上43以下であり、
前記水晶片の外形を成す平面の長辺方向の長さL2と前記凸部の長辺方向の長さL1との比L2/L1が、1.15〜1.85であり、
前記凸部の短辺方向の長さW1と前記凸部主面に設けられる前記電極の短辺方向の長さWDとの比W1/WDが、1.05〜1.35であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の水晶振動子。 - 請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の水晶振動子と、
少なくとも発振回路を有する集積回路素子とを備えたことを特徴とする水晶発振器。
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