JP5123653B2 - エレベータ式駐車装置およびそのパレットロック装置 - Google Patents

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Description

本発明はパレットロック装置およびエレベータ式駐車装置に関する。さらに詳しくは、車両搭載用のパレットを駐車装置の駐車棚上に拘束するためのパレットロック装置、および、このパレットロック装置を備えたエレベータ式駐車装置に関する。
図1に示すように、エレベータ式駐車装置1は、一般的に車両搬送用のエレベータ2の昇降路3に沿って車両Mを格納する駐車棚4が上下に多数段設置されたものである。エレベータ式駐車装置1は屋外地上や建物内ボイドに立設された塔状の鉄骨構造体(駐車塔ともいう)1aに組み込まれていることが多い。そして、一般的に昇降路3の最下部である地上に入出庫口5を備えている。エレベータ2は車両搭載用のパレット6を載置してワイヤーロープ7等によって昇降路3内を昇降し、エレベータ2に装備されたパレット移載装置(たとえば図2における符号10)によってエレベータ2と駐車棚4との間でパレット6の受け渡しを行う。ワイヤーロープ7は最上階に設置された昇降駆動装置8によって昇降駆動され、その他端にはカウンターウエイト9が接続されている。
このようなエレベータ式駐車装置1の各駐車棚4には図示しないパレットロック機構が装備されている。このパレットロック機構は、駐車棚4に格納されたパレット6が駐車装置1の駆動に伴う振動や地震の揺れによって水平移動し、昇降路3側に滑り出すことを防止するためのものである。
従来のパレットロック装置としては、たとえば特許文献1に開示されたパレット落下防止装置、特許文献2に開示されたパレットのロック機構、特許文献3に開示されたトレーロック装置、および、特許文献4に開示されたパレットロック装置が知られている。
特許文献1に開示されたパレット落下防止装置は前記駐車棚に設置されるものである。この装置は、駐車棚上でパレットが水平移動しないように、奥側にはパレットの車輪に当接する固定式の固定部材を備え、昇降路側にはパレットに当接し且つ当接が解除されうる可動式の部材(可動部材)を備えている。パレットは固定部材および可動部材によって水平方向(エレベータと駐車棚との間の移送方向)の移動が阻止される。前記可動部材はスプリングによって常時パレットに係合するように付勢されている。パレットを移動させるときは別途手段によってこの可動部材を移動操作してパレットの拘束を解く。
特許文献2に開示されたパレットのロック機構も前記駐車棚に設置されたものである。この機構は、駐車棚上でパレットが水平移動しないように、奥側にはパレットの車輪に当接する固定式のストッパブロックを備え、昇降路側には進出してパレットに当接し且つ退避して当接が解除されうる可動式のストッパロッドを備えている。パレットはストッパブロックおよびストッパロッドによって水平方向の移動が阻止される。このストッパロッドは位置決めロッドおよび揺動アームによって進出および待避させられる。
特許文献3に開示されたトレーロック装置も前記駐車棚に設置されたものである。この装置は、駐車棚上でパレットが水平移動しないように、奥側には、パレットに設けた奥側ストッパピンに係合する固定フックを備え、昇降路側には、パレットに設けた昇降路側ストッパピンに係合および係合解除しうるように揺動する可動フックを備えている。パレットは固定フックおよび可動フックによって係合されて水平方向の移動が阻止される。前記可動フックはスプリングによってパレットの昇降路側ストッパピンに係合しうる位置に付勢されている。パレットを移動させるときはロック解除装置によってこの可動フックを揺動させてパレットの拘束を解く。
以上説明した従来技術では、各駐車棚上にパレットを拘束するために係合する可動部材、可動式ストッパロッドまたは可動フックがいずれも可動式であるためメンテナンスが必要となる。また、係合解除のために前記可動フック等を揺動等させるための機構が必要となって構造が複雑になり、製造コストもメンテナンスコストも上昇する。
しかも、駐車塔1aは耐震構造にはされているものの、車両収納効率向上のために近年高層化の傾向が著しく、図1に二点鎖線で示すように、地震や風害風圧(とくにビルの谷間に設置された駐車塔の場合)により、上層では大きく弓なりに揺れることが考えられる。このような場合には、可動式の機構の部分が損壊したり誤動作するおそれがある。また、かかる事態を回避するためには、可動式の機構に十分な強度を付与する必要があり、装置全体が大型化する。
一方、本願出願人の出願にかかる特許文献4に開示されたパレットロック装置は、図13に示すように、車両M搭載用のパレット62を駐車棚(レール)61上に拘束するものであり、駐車棚61の昇降路側端部の上面に形成された、パレット62の車輪(横行ローラ)63を落とし込めるための凹所64と、この凹所64より若干昇降路側の側面に突設されたストッパ部材65とを備えている。このストッパ部材65は、車輪支持部として兼用されている当接部66に近接対峙することにより、パレット62の水平方向移動を阻止する作用を奏する。このパレットロック装置は、各駐車棚には作動機構を一切具備しておらず、簡素な構造で損壊のそれが少ない。
しかし、パレットの下面に固定された、当接部66と一体に構成されるパレット補強用の溝型部材67の下面が、左右の車輪63間でほぼ全長にわたって直線状に形成されている。したがって、地震等の揺れによってパレット62が浮き上がってその車輪や溝型部材67の端部下面がストッパ部材65に乗り上げると、さらなる揺れによってパレット62が昇降路側に滑り出すおそれがある(図13中の二点鎖線参照)。
特開平8−319729号公報 特開平8−13841号公報 特開平10−196149号公報 特開2004−52430号公報
本発明はかかる課題を解消するためになされたものであり、各駐車棚において可動部材を用いずに簡易な構成によってパレットを駐車棚上に拘束するパレットロック装置であって、地震等においてもパレットが駐車棚から滑り出す事態を回避しうるパレット昇降装置、および、このパレット昇降装置を備えたエレベータ式駐車装置を提供することを目的としている。
本発明のパレットロック装置は、
下面に車輪が配設された車両搭載用のパレットと、前記パレットを昇降するためのエレベータと、エレベータ昇降路に沿って上下に複数段配設された、パレットを載置するための駐車棚とを備え、前記車輪が前記駐車棚上を前記パレットの幅方向に転動するように構成されたエレベータ式駐車装置における、前記パレットを駐車棚上に拘束するためのパレットロック装置であって、
前記駐車棚から側方に向けて形成されたストッパと、
このストッパに当接しうるようにパレットに形成された当接部材とを備えており、
この当接部材が、
前記パレットが駐車棚に載置された位置において、パレットが昇降路方向に移動しようとしたときに前記ストッパに水平方向に当接し得るようにパレットから下方に向けて形成された第一当接部と、
前記パレットにおける、第一当接部の反昇降路側に、前記車輪が前記駐車棚の昇降路側端部から外れて下方に移動したときに前記ストッパに水平方向に当接し得るように下方に向けて形成された第二当接部とを含んでいる。
かかる構成により、パレットが駐車棚の上にあるときにはパレットの第一当接部が駐車棚のストッパに当接することによってパレットが駐車棚から滑り出すことが防止される。そして、たとえば激しい縦揺れを伴う地震等により、万が一、第一当接部がストッパを乗り越え、パレットが昇降路側へ移動したとしても、パレットの第二当接部がストッパに水平方向に当接するので、パレットのさらなる昇降路側への移動が阻止される。さらに、ストッパと第一および第二の当接部とは可動式ではなく固定されたものであるため、強固であり且つメンテナンスが容易である。
ここで、前述したパレットにおける反昇降路側とは、昇降路との相対関係を無視してパレット自体に着目した場合には、パレットの左右の少なくともいずれか一方の端部より中央寄りということになる。また、パレットにおける昇降路側とは、パレットの中央寄り左右の少なくともいずれか一方の端部寄りということになる。
前述のように、激しい揺れによって万が一第一当接部がストッパを乗り越えてパレットが昇降路側へ移動したときに、確実にストッパが第二当接部に当接するように、前記第一当接部と第二当接部との間に、上方に向けて前記ストッパが嵌り込みうる、下方に開いた凹所を形成してもよい。また、このように凹所を形成すれば、当接部材の上下方向寸法を大きくする必要が無い。
前記当接部材を、その昇降路側に前記第一当接部が形成された本体と、この本体の反昇降路側端部から反昇降路側に向けて下方に湾曲するように突設されたフック部材とから構成し、前記凹所をこのフック部材と本体の反昇降路側端部とから構成し、前記第二当接部をフック部材の内側によって構成することも可能である。
ストッパが一旦第二当接部に係合したときに振動等によって容易に外れなくするために、前記凹所内の上方奥部に前記ストッパが係合する係合スペースを形成し、この係合スペースの反昇降路側に第二当接部としての面を構成し、係合スペースの昇降路側に横係止面を構成し、係合スペースの下方にも下係止面を構成することができる。たとえば、前記凹所内に反昇降路側に向けてL字状の切欠きを形成してもよい。そして、この切欠きの最上部の反昇降路側の面を第二当接部として構成すればよい。
また、パレットの下面に補強用の梁部材を固定し、この梁部材の昇降路側端部を当接部材として兼用し、この部分に前記第一当接部および第二当接部を形成することもできる。
エレベータと駐車棚とを着脱自在に連結し且つその上をパレットが移動し得るように構成された連結部材をエレベータまたは駐車棚に配設し、
この連結部材が駐車棚とエレベータとに架け渡されたとき、および、連結部材の上をパレットが移動するときに、当接部がストッパの上を超える位置となるように連結部材がパレットを駐車棚上から上方へ押し上げるように構成することができる。
かかる構成によれば、パレットが駐車棚から滑り出すことが防止される点で前述の発明と同一作用を奏する。そして、連結部材が駐車棚とエレベータとを連結したときに、パレットが押し上げられて当接部がストッパを越える位置となるので、駐車棚へのロックが解除されてエレベータと駐車棚との間で容易にパレットを受け渡すことが可能となる。
本発明のエレベータ式駐車装置は、
車両搭載用のパレットを載置するための駐車棚と、
このパレットを昇降するためのエレベータと、
パレットをエレベータと駐車棚との間に移動させる移動手段と、
駐車棚上にパレットをロックするためのパレットロック装置とを備えており、
このパレットロック装置が、前述したうちのいずれか一のパレットロック装置から構成されている。
本発明によれば、パレットが駐車棚上に載置されているときに、パレットの第一当接部が駐車棚のストッパに当接することにより、パレットが駐車棚から滑り出すことが防止される。また、地震等の揺れによってパレットが浮き上がって昇降路側に滑り出したとしても、パレットの第二当接部が駐車棚のストッパに当接することにより、パレットが駐車棚から滑り出すことが防止される。このような事態に至ったときにパレット等を復旧をすることができるので、さらなるパレットの滑り出しは防止される。しかも、本発明ではそれぞれの駐車棚に作動機構を一切設ける必要がない。
添付の図面を参照しながら本発明のパレットロック装置およびエレベータ式駐車装置の実施形態を説明する。
図1には本発明のパレットロック装置が適用されうるエレベータ式駐車装置(以下、単に駐車装置という)が例示されている。図2はそのII−II線断面図であり、駐車装置の駐車階を示している。
前述したように、この駐車装置1ではエレベータ2の昇降路3に沿って上下複数階の駐車棚4が配設されている。この駐車棚4はパレット6の前端および後端に対応する位置それぞれにおいて幅方向に延設されたレール部材から構成され、床に立設された棚柱4aに固定されている。駐車棚4は、パレット6の昇降路側への水平移動を抑制するために、昇降路3に向けてきわめてわずかに上を向くように傾斜させてもよい。エレベータ2は両側の駐車棚4群の間を昇降し、指定された駐車棚4の階まで移動したうえで駐車棚4から空のパレット6または車両Mが搭載されたパレット6を引き出し、入出庫階へ搬送する。エレベータ2の中央部には、パレット6を駐車棚4から引き出し且つ駐車棚4に戻すための後述するパレット移載装置10が配設されている(図2)。
パレット6の下面には車輪(横行ローラともいう)30が配設されている。この車輪30は、エレベータ2の前後端の近傍に幅方向に設置されたレール2aの上、および、駐車棚4の上を転動する。こうすることによってパレット6はエレベータ2と駐車棚4との間を移動することができる。図2に示すように、パレット移載装置10は、エレベータ2の中央部に水平面内にその基端部が回転可能に枢支された第一アーム11aと、この第一アーム11aの先端部に水平面内に回転可能にその基部が連結された第二アーム11bとを備えている。
前記パレット移載装置10によるパレット6の駐車棚4への戻し動作および受け取り動作(横行動作)を簡単に説明する。二つのアーム11a、11bのなす角が変化しないように第一アーム11aを所定方向に旋回させて、第二アーム11b先端の係合ローラ12をパレット6下面の係合溝13に係合させる。ついで、係合した状態で係合ローラ12がパレット6の幅方向に移動するように両アーム11a、11bを旋回させる。こうしてパレット6を駐車棚4に向けてまたはエレベータ2に向けて、押し引きすることによって横行させる。パレット6がエレベータ2または駐車棚4のいずれかの所定位置に収まると、所定のアーム11a、11bを旋回させて係合ローラ12をパレット6の係合溝13から離脱させる。このアーム11a、11bの駆動については本出願人の出願にかかる特願2001−239116号に詳しい。
パレット移載装置としては特許第598708号公報等に開示されたチェーンキャリア方式のもの、特公平7−33734号公報等に開示されたクランクアーム方式のものなど、公知のものを採用することができるが、パレットの旋回機能をも併せ持った前記パレット移載装置10が好ましい。
エレベータ2と駐車棚4との間でパレット6の受け渡しをするときには、エレベータ2の上面と駐車棚4の上面とがほぼ同一水平面となるようにエレベータ2を位置決めするのがよい。そのために、図2に示すごとくエレベータ2の四隅にはエレベータ2を駐車棚4に対して固定して上下方向の位置決めをするレベル調整装置14が配設されている。
図3に示すようにレベル調整装置14は、エレベータ2に配設された連結部材15と駐車棚4に配設された位置決めローラ16とを備えている。連結部材15は、エレベータ2が指定された駐車棚4に至ったときにエレベータ2から駐車棚4に延び、位置決めローラ16と係合して両者2、4を連結する。レベル調整装置14によって連結されたときに両者2、4の上面が同一レベルとなり、パレット移載装置10によってパレット6が容易に一方から他方へ移転され得る。後述するように、連結部材15はパレットロック装置(以下、単にロック装置という)17、18における係止解除機構としても機能する。
ここでロック装置とは、駐車棚4上にパレット6を固定する棚用ロック17の他に、エレベータ2上にパレット6を固定するエレベータ用ロック18とを含むことがある。いずれのロック17、18も、載置されたパレット6が振動等の原因によってエレベータ2上や駐車棚4の上を滑って不用意に移動してしまうことを回避するために設けられたものである。エレベータ用ロック18については、前述した本願出願人の出願にかかる特許文献4に開示された第一ロックと同じ構成であるため、後で簡単に説明することとする。
図4〜図6を参照しつつ駐車棚4における棚用ロック17の作用を説明する。棚用ロック17は、駐車棚4の側面に突設されたストッパ19と、このストッパ19に水平方向に当接しうるように、パレット6から下方に向けて突設された当接部材20と、駐車棚4の上面に形成された凹所21とから構成されている。
本実施形態における当接部材20は、パレット6の下面に固定された、パレットの幅方向に延びる補強用の梁としての溝型部材22の端部を利用して形成している。図4に示すように、当接部材20には、最も昇降路側に形成された第一当接部23と、第一当接部23の反昇降路側に、前記ストッパ19に水平方向に当接し得るように下方に向けて形成された第二当接部24とが形成されている。いずれの当接部23、24もストッパ19と水平方向に当接しうるようにほぼ鉛直な面にされている。したがって、両当接部23、24がそれぞれストッパ19に当接したときに互いに上方への反力は生じない。すなわち、パレット6を上方に押し上げる力の成分は生じないので、当接部23、24がストッパ19を飛び越えてパレット6が昇降路3へ出ていくことはない。本実施形態では第一当接部23として溝型部材22の昇降路側端面が利用されている。第二当接部24は溝型部材22の下辺を上方に切り欠いた台形状の切欠き部25の反昇降路側の鉛直面として形成されている。この切欠き部25が台形状となっているのは、その下方開口の昇降路側下端25aをストッパ19が進入しやすいように斜めに切除したからである。切欠き部25の上端辺25bは溝型部材22の下端辺と一致させている。したがって、当接部材20は、第一当接部23および第二当接部24を形成するために、溝型部材22の下辺から下方に向けて二つの片部29が突出したものである。
前記凹所21には、駐車棚4上の所定位置に載置されたときのパレット6の昇降路側の車輪30がはまり込むようにされている(図4参照)。この状態からは容易には水平移動することができない。しかも、この位置でのパレット6は、その第一当接部23がストッパ19に対峙しているため、何らかの作用によってパレット6が昇降路側に水平移動しようとして、その車輪30が凹所21から抜け出そうとしても、第一当接部23がストッパ19に当接して水平移動が阻止される。これは、凹所21とストッパ19との位置関係および車輪30と第一当接部23との位置関係が、凹所21内の車輪30が凹所21の昇降路側端部に接触する前にストッパ19と第一当接部23とが当接するように設定されているからである。また、ストッパ19と第一当接部23との位置関係は以下のとおりにされている。パレット6の車輪30が凹所21にはまりこんでいるときには、第一当接部23はストッパ19と水平方向に当接し得る位置(当接位置)にある。すなわち、第一当接部23はストッパ19と水平方向に対峙している。車輪30が凹所21から抜け出て駐車棚4の上面に至ったときには、当接部材20はストッパ19より上方であって当接し得ない位置(非当接位置)にある。かかる作用を奏するため、図4に示すように、凹所21の深さhは、ストッパ19と第一当接部23との鉛直方向の重なり寸法Dより大きくされている。
図4に示すように、第一当接部23の下端23aと第二当接部24の下端24aとは、当接部材20の下辺によって規定されているため、ともに同一高さ位置にされている。したがって、第一当接部23が当接位置にあるときには、第二当接部24も当接位置にあると言える。また、第一当接部23が非当接位置にあるときには、第二当接部24も非当接位置にあると言える。もちろん、第一当接部23の下端23aと第二当接部24の下端24aとを異なる高さ位置にしてもよいが、その場合には、後述するように、連結部材15がパレット6を押し上げたときはいずれの当接部の下端23a、24aもストッパ19より上方位置(非当接位置)となるように、連結部材15およびストッパ19との位置関係を設定しなければならない。
図5および図9を参照しつつ前記車輪30を説明する。図5は図4のV−V線矢視図であり、駐車棚4を右から左方向に見た図である。図9は図8におけるIX−IX断面図である。図示のごとく、車輪30は、パレット6の内側から順に同軸状の小径部30aと大径部30bと鍔部30cとが連続一体に形成されたものである。大径部30bは、駐車棚(レール部材)4の上およびエレベータ2のレール2aの上を転動する部分であり、その幅はこれらレール2a、4の幅とほぼ同一にされている。鍔部30cはレール2a、4の側面に当接し得て、車輪30がレール2a、4から外れることを防止する作用を奏する。小径部30aは後で説明するように前記連結部材15の上に乗って転動する部分である。
前述したとおり、パレット6には第二当接部24が形成されている。したがって、激しい縦揺れを伴う地震等により、万が一、第一当接部23がストッパ19を乗り越えてパレット6が昇降路側へ移動したとしても、前記第二当接部24がストッパ19に水平方向に当接し(図6参照)、パレット6のさらなる昇降路側への移動が阻止される。図6から明らかなように、当接部材20における第二当接部24の形成位置は、パレット6が昇降路3側へ移動することによって車輪30が駐車棚4の昇降路側端部から外れて下方に移動したときにストッパ19に当接しうる位置である。
しかし、第二当接部24の下端24aが第一当接部23の下端23aよりもさらに下方に位置するようにしてもよい。そうした場合、さらに、第二当接部24の位置を第一当接部23に近づけるように昇降路側へ僅かに位置変更することにより、パレット6が昇降路3側へ移動してしまったとき、車輪30が駐車棚4の昇降路側端部から外れてしまう前に第二当接部24がストッパ19に当接して水平移動を阻止することも可能となる。
パレットが移動するような振動は強い地震等によるものであるため、かかる事態が生じた後には駐車装置1自体の点検や復旧作業が行われるのが一般的である。したがって、第二当接部24がストッパ19に係合した場合にも、元の状態に復旧され、さらなるパレットの滑り出しは防止される。
図3を参照しつつ、パレット6と駐車棚4との係止を解除するための棚用ロック解除機構を説明する。前述したように、エレベータ2に設けられた連結部材15が棚用ロック解除機構である。前記位置決めローラ16は駐車棚4の昇降路側の端部近傍に取り付けられている。連結部材15の棚側の先端には、連結部材15が進出したときに前記位置決めローラ16に係合し得る位置決め用の位置決め開口26が形成されている。位置決め開口26の奥の方の幅は位置決めローラ16の外径とほぼ同じ寸法にされているが、位置決め開口26の先端開放側は開くように傾斜されている。この先端が傾斜して開いた位置決め開口26により、エレベータ2の上面と駐車棚4の上面とのレベル差があっても、それが位置決め開口26の先端の開放幅内にある限り、連結部材15の位置決め開口26の奥に位置決めローラ16が係合したとき、すなわち、エレベータ2と駐車棚4とが連結部材15によって連結されたときには、エレベータ2の上面と駐車棚4の上面とのレベルが一致するようにされている。
連結部材15の移動面15bは、エレベータ2のレール2aの上面より僅か上方、すなわち、パレット6の車輪30の小径部30aの半径と大径部30bの半径との差(図5中に示された寸法F)だけ上方に位置するようにされている。これは、図5および図9を参照しつつ説明したように、車輪30の小径部30aが連結部材15の移動面15bの上に乗り、大径部30bがエレベータ2のレール2aの上や駐車棚4の上に乗るからである。
しかし、車輪30の径を小径および大径に分けることなく、鍔部30cを除いて全幅にわたって同一径としてもよい。その場合には連結部材15の移動面15bをエレベータ2のレール2aの上面と一致させる。
また、連結部材15の棚側先端部の上面には下向きの傾斜部15aが形成されている。したがって、図3に示すように、連結部材15が位置決めローラ16に係合するときには前記傾斜部15aが車輪30の下に入り込んで車輪30を押し上げる。これによりパレット6は、当接部材20の下端がストッパ19の上端より上方になる位置に押し上げられる。すなわち、第一および第二の当接部23、24の下端位置23a、24bが同一であるため、パレット6は、第一および第二の当接部23、24がともにストッパ19に当接し得ない非当接位置まで押し上げられる。そして、パレット移載装置10によってパレット6を駐車棚4から連結部材15の移動面15bを通ってエレベータ2に移動し得る状態となる。これが棚用ロック17のロック解除である。
なお、前述したように、第一当接部23の下端23aと第二当接部24の下端24aとを異なる高さ位置にしている場合には、連結部材15は、パレット6を押し上げたときにいずれの当接部の下端23a、24aもストッパ19より上方の非当接位置となるように、その寸法を決定しなければならない。
図7〜図9を参照しつつエレベータ用ロック18およびエレベータ用ロック解除機構としての連結部材15を説明する。パレット6が横行するときはその車輪30がエレベータ2のレール2aおよび連結部材15上の移動面15bおよび駐車棚4上を転動する。図7および図8にはパレット6の左側の当接部材20、第一当接部23および第二当接部24も示されている。
エレベータ2の左右の前後端にはそれぞれパレット係止部材(以下、単に係止部材という)27がピン28によって揺動自在に枢支されている(この部分を枢支部28ともいう)。しかし、図中にはエレベータの左側の前端のみ示されている。係止部材27はエレベータ2を構成する梁の厚さ方向のほぼ中間部に枢支されている。エレベータ用ロック18はこの係止部材27と後述する駆動突起39とから構成されている。係止部材27はその上面が凹状に湾曲した形状にされている。もちろん、この凹状はほぼJ字状やL字状に湾曲していてもよく、また、円弧状に湾曲していてもよい。係止部材27の駐車棚側の先端近傍、すなわち上面が立ち上がった部分が、車輪30が係止する係止部31を構成している。係止部31が車輪30に係止する位置が係止部材27および係止部31にとっての作用位置である。係止部31をより確実に車輪30に係止させるためには、作用位置における係止部31の形状を図示のごとく、係止部31の上端が車輪30の中心位置より高いものとすればよい。
また、係止部31の反対側の端部近傍は基部32とされている。基部32の端部から枢支部28を経て係止部31へ至るまでは上面は直線状に形成されている。係止部材27の枢支部28より係止部31側の重量が枢支部28より基部32側の重量より大きくされている。したがって、係止部材27は外力で支持されない限り回転して係止部31側が下がり(図8)、車輪30と係止し得ない非作用位置となる。係止部材27の回転が所定の位置で停止するように、係止部材27に当接するストッパピン34がエレベータ2の部材に突設されている。
一方、連結部材15は、エレベータ2の横方向(駐車棚4の長手方向)の梁に、駐車棚4に向けて水平方向に進出するように設けられている。連結部材15には水平に延びる案内用の長孔35が形成されている。一方、エレベータ2の下面に固定されたブラケット36に、水平方向に間隔を置いて二個の案内ローラ37が取り付けられている。この案内ローラ37が前記長孔35に係合している。さらに、エレベータ2には連結部材15を進退させるための駆動シリンダ38が取り付けられている。また、連結部材15にはその側面に駆動突起39が突設されている。駆動突起39は前記係止部材27の上面に当接している。連結部材15がエレベータ2に収容された状態では、この駆動突起39は係止部材27の基部32の上面に当接していることにより、係止部材27が回転して係止部31が非作用位置に下がるのが防止される(図7)。
図7および図8では、エレベータ2の幅方向一方のエレベータ用ロック18しか示されていないが、実際は、かかるエレベータ用ロック18がエレベータ2の四隅に設置されているので、パレット6は左右両側の車輪30がともに外側から係止部材27の湾曲した上面によって位置決めされ、安定した状態でエレベータ2上に載置され、不用意に横行してしまうことが防止される。これがエレベータ用ロックである。
図10には、前述した当接部材20とは異なる形態の当接部材41が示されている。この当接部材41は、第二当接部42の形状が前記当接部材20と異なっており、その他の構成は相違しない。第二当接部42は、前記溝型部材22の下辺から上方に向けてL字状に切り欠いたL字状切欠き部43の上方奥部の反昇降路側の鉛直面として形成されている。換言すれば、図4に示す台形状の切欠き部25の反昇降路側面(第二当接部24が構成されていた面)に、さらに反昇降路側に向かってストッパ19が係合するスペース44が形成されている。L字状切欠き部43の入口の昇降路側下端43aはストッパ19が進入しやすいように斜めに切除されている。この切欠き部43はL字状であるため、その上方奥部に位置する前記係合スペース44の昇降路側、すなわち、第二当接部42と対向する側には横係止面44aが構成されることになる。さらに、係合スペース44の下方にも下係止面44bが構成されることになる。その結果、一旦ストッパ19が係合スペース44に係合すると、パレット6は再度の振動や継続する振動によっても容易には上方へ浮き上がらないし、水平移動もなし得ない。
このような作用を得るのはL字状の切欠きには限定されない。要するに、上方奥部のストッパ19が係合するスペースの昇降路側および下方に少なくとも一対の係止面が構成されておればよい。たとえば、ストッパ19が係合しうる切欠きを階段状のスリットとして形成してもよい。
図11にも他の当接部材45が示されている。この当接部材45は、前記溝型部材22から独立した車輪支持部材と兼用したものである。これは、パレット補強用の溝型部材22が前記当接部23、24、42としての機能を発揮しうる部位に取り付けられていないような場合に、この溝型部材とは別体の当接部材を備えるようにしたものである。第一当接部23および第二当接部24の形状、構成は図3、5、6の当接部材20のものと同じである。
図12にも他の当接部材46が示されている。この当接部材46は図11の当接部材45と同様に、溝型部材22から独立した車輪支持部材と兼用したものである。この当接部材46における第一当接部23は前述した全ての当接部材における第一当接部23と同じ形状、構成である。そして、当接部材46の本体46aの反昇降路側端面には、逆J字状に湾曲したフック部材48が、反昇降路向きから下方に向けて湾曲するように突設されている。第二当接部47は、このフック部材48の内側に形成されている。当接部材46の本体46aの反昇降路側下端46bはストッパ19が進入しやすいように斜めに切除されている。フック部材48の下端は当接部材46の本体46aの下辺と同一高さ位置にされているが、異なる高さ位置であってもよい。
本発明は、構造が簡素であり、駐車棚毎の可動部も必要としないので、たとえば、既設の駐車装置に対しても容易に適用することができる。
本発明のパレットロック装置が適用されうるエレベータ式駐車装置の一例を示す正面図である。 図1の駐車装置の駐車階におけるパレットとエレベータとを示す、図1におけるII−II線矢視図である。 図1の駐車装置における棚用ロックの一実施形態およびその解除機構を示す側面図である。 図3の棚用ロックを示す側面図である。 図4におけるV−V線矢視図である。 図4の棚用ロックにおける第二当接部の作用を示す側面図である。 図1の駐車装置におけるエレベータ用ロックの一例を示す側面図である。 図7のエレベータ用ロックの解除機構を示す側面図である。 図8におけるIX−IX断面図である。 棚用ロックにおける当接部材の他の例を示す側面図である。 棚用ロックにおける当接部材のさらに他の例を示す側面図である。 棚用ロックにおける当接部材のさらに他の例を示す側面図である。 従来のパレットのロック装置の一例を示す側面図である。
符号の説明
1・・・・駐車装置
2・・・・エレベータ
3・・・・昇降路
4・・・・駐車棚
5・・・・入出庫口
6・・・・パレット
7・・・・ワイヤロープ
8・・・・昇降駆動装置
9・・・・カウンターウエイト
10・・・・パレット移載装置
11a・・・・第一アーム
11b・・・・第二アーム
12・・・・係合ローラ
13・・・・係合溝
14・・・・レベル調整装置
15・・・・連結部材
16・・・・位置決めローラ
17・・・・棚用ロック
18・・・・エレベータ用ロック装置
19・・・・ストッパ
20・・・・当接部材
21・・・・凹所
22・・・・溝型部材
23・・・・第一当接部
24・・・・第二当接部
25・・・・(台形状の)切り欠き部
26・・・・位置決め開口
27・・・・係止部材
28・・・・ピン(枢支部)
29・・・・片部
30・・・・車輪
31・・・・係止部
32・・・・基部
34・・・・ストッパピン
35・・・・長孔
36・・・・ブラケット
37・・・・案内ローラ
38・・・・駆動シリンダ
39・・・・駆動突起
41・・・・当接部材
42・・・・第二当接部
43・・・・L字状切欠き部
44・・・・係合スペース
45・・・・当接部材
46・・・・当接部材
47・・・・第二当接部
48・・・・フック部材
M・・・・車両

Claims (8)

  1. 下面に車輪が配設された車両搭載用のパレットと、前記パレットを昇降するためのエレベータと、エレベータ昇降路に沿って上下に複数段配設された、前記パレットを載置するための駐車棚とを備え、前記車輪が前記駐車棚上を前記パレットの幅方向に転動するように構成されたエレベータ式駐車装置における、前記パレットを駐車棚上に拘束するためのパレットロック装置であって、
    前記駐車棚から側方に向けて形成されたストッパと、
    このストッパに当接しうるようにパレットに形成された当接部材とを備えており、
    この当接部材が、
    前記パレットが駐車棚に載置された位置において、パレットが昇降路方向に移動しようとしたときに前記ストッパに水平方向に当接し得るようにパレットから下方に向けて形成された第一当接部と、
    前記パレットにおける、第一当接部の反昇降路側に、前記車輪が前記駐車棚の昇降路側端部から外れて下方に移動したときに前記ストッパに水平方向に当接し得るように下方に向けて形成された第二当接部とを含んでいるパレットロック装置。
  2. 前記第一当接部と第二当接部との間に、上方に向けて前記ストッパが嵌り込みうる、下方に開いた凹所が形成されている請求項1記載のパレットロック装置。
  3. 前記当接部材が、その昇降路側に前記第一当接部が形成された本体と、この本体の反昇降路側端部から反昇降路側に向けて下方に湾曲するように突設されたフック部材とを備えており、
    このフック部材と本体の反昇降路側端部とから前記凹所が形成されており、フック部材の内側が前記第二当接部を構成している請求項2記載のパレットロック装置。
  4. 前記凹所内の上方奥部に前記ストッパが係合する係合スペースが形成されており、この係合スペースの反昇降路側に第二当接部としての面が構成され、係合スペースの昇降路側に横係止面が構成され、係合スペースの下方にも下係止面が構成されている請求項2記載のパレットロック装置。
  5. 前記凹所内の反昇降路側に向けてL字状の切欠きが形成されており、この切欠きの最上部の反昇降路側の面が第二当接部として構成されている請求項4記載のパレットロック装置。
  6. パレットの下面に補強用の梁部材が固定されており、この梁部材の昇降路側の端部を当接部材として構成し、この部分に前記第一および第二の当接部が形成されている請求項1〜5のうちのいずれか一の項に記載のパレットロック装置。
  7. エレベータまたは駐車棚に配設された、エレベータと駐車棚とを着脱自在に連結し且つその上をパレットが移動し得る連結部材をさらに含んでおり、
    この連結部材が駐車棚とエレベータとに架け渡されたとき、および、連結部材の上をパレットが移動するときに、第一および第二の当接部がストッパの上を超える位置となるように連結部材がパレットを駐車棚上から上方へ押し上げるように構成されている請求項1〜6のうちのいずれか一の項に記載のパレットロック装置。
  8. 車両搭載用のパレットを載置するための駐車棚と、
    このパレットを昇降するためのエレベータと、
    パレットをエレベータと駐車棚との間に移動させる移動手段と、
    駐車棚上にパレットをロックするための請求項1〜7のうちのいずれか一の項に記載のパレットロック装置とを備えてなるエレベータ式駐車装置。
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