JP5124894B2 - スラグ層厚さ又はスラグ層厚さと溶融金属層表面レベル位置測定方法及びその測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、スラグ層厚さまたはスラグ層厚さと溶融金属層表面レベル位置測定方法及びその測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
溶鉱炉で生成された銑鉄から鋼を精製するのに用いられる転炉等では、精製を制御するために、溶鋼の表面に浮遊しているスラグ層の厚さを測定する必要がある。このため、1本または2本の電極を用いて、溶鋼、スラグ、及び大気のインピーダンスの差異を測定することによりスラグ層の厚さを求める方法や、電磁コイルの誘導電圧が溶鋼、スラグ、及び大気でそれぞれ異なることを利用してスラグ層の厚さを求める方法が使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、インピーダンスの差異を利用した測定方法は、電極を保持するランスのコネクタにおける接続インピーダンスが無視できず、誤差が大きいこと、また、電磁コイルを用いる方法は、電磁コイルを溶鋼に浸漬した際の損傷防止を施す必要があり、装置が大型で高価になり、それぞれ問題であった。
この発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、誤差が小さく、コストの低いスラグ層厚さ測定方法及びその装置を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
転炉等の容器に満たされた溶鋼は、溶けた金属が主成分であり、その電気的特性としては金属としての導電性を示すのに対して、溶鋼の表面に浮遊しているスラグ層は電解質であり、その中に電極を浸漬すると電池としての特性を示すことが分かってきた。また、スラグ層の上層を占める大気は、よく知られているように電気的特性としては絶縁性を有している。この発明は、これらの点に注目してなされたものであって、スラグ層が示す電気的特性が、その下層の溶鋼や上層の大気と異なることを利用して、スラグ層の厚さを測定しようとするものである。上記のスラグ層が示す電気的特性は、溶鋼に限らず、溶融金属一般に適用できるので、本発明では、溶融金属を対象としている。
【0005】
本発明の第1のスラグ層厚さ測定方法は、具体的には、次のような方法である。
即ち、溶融金属層表面にスラグ層が浮遊する溶湯の、前記スラグ層の厚さを測定する方法であって、
前記溶融金属層から前記スラグ層を通って前記スラグ層の上層を占める大気層まで電極を上昇移動させて、前記溶湯を収容して導電性を帯びた容器と前記電極との間の電気的特性である電極−容器間特性を監視し、
この電極−容器間特性が、前記電極が前記溶融金属層に没入しているときの前記溶融金属層の介在による導電性から、前記電極が前記スラグ層へ移動して電解質として機能する前記スラグ層の介在による発電性に移行する時点である溶融金属−スラグ界面通過時点と、
前記電極が前記スラグ層から前記大気層へ脱出して、前記電極−容器間特性が、前記発電性から前記大気層の介在による絶縁性に移行する時点であるスラグ−大気界面通過時点とを検知すると共に、
前記溶融金属−スラグ界面通過時点から前記スラグ−大気界面通過時点までに、前記電極が移動した移動距離を計測して、前記スラグ層の厚さとしてなるスラグ層厚さ測定方法である。
【0006】
図1は、この第1のスラグ層厚さ測定方法の原理を示した説明図である。図1において、1は容器、2は溶融金属層、3はスラグ層、4は大気層、5は電極である。スラグ層3は前述の通り電解質であり、その中に電極を浸漬すると化学電池としての特性を示す。これは、溶融スラグ中の陽イオン(Si2+,P2+等)と陰イオン(O2−)が電極を通じて電子の授受をすることにより起電力が発生するからである。
【0007】
この第1のスラグ層厚さ測定方法は、電極5を、溶融金属層2からスラグ層3を通って大気層4まで上昇移動させ、この間の電極5と容器1との間の電気的特性である電極−容器間特性の変化を利用して、スラグ層3の厚さを測定するものであり、図1は、この測定方法の説明図である。溶融金属を収容する転炉等の容器1は、一般に、金属製の容器の内側に耐火煉瓦を積み上げて形成されており、容器1だけでは導電性を有しないが、容器1内に溶融金属を収容することによって、容器1の内面に金属が付着することにより、容器1の内面と大地との間が導電性を有するようになる。即ち、容器が導電性を帯びるようになる。そこで、電極5と大地間の電気的特性を調べることによって、電極5と容器1との間の電気的特性である電極−容器間特性を調べることができる。
この場合、図1において、電極5が溶融金属層2に位置しているとき(a)は、溶融金属層2が金属の溶けた状態であるから、電極−容器間特性は導電性である。電極5がスラグ層3に移動すると(b)、電極−容器間特性は上述の通り発電性となる。電極5がスラグ層3を抜けて大気層4に移動すると(c)、大気が介在して電極−容器間特性は絶縁性となる。そこで、電極5を溶融金属層2から大気層4へ上昇移動させる際、電極−容器間特性が導電性から発電性に変化する溶融金属層2とスラグ層3の境界面を電極5が通過する溶融金属−スラグ界面通過時点7と、電極−容器間特性が発電性から絶縁性に変化するスラグ層3と大気層4の境界面を電極5が通過するスラグ−大気界面通過時点8とを検知し、この間に、電極5が上昇移動した距離を測定することにより、スラグ層3の厚さを知ることができる。
【0008】
上記の第1のスラグ層厚さ測定方法では、電極5を上昇移動させているが、電極を下降移動させてもよい。この場合の第2のスラグ層厚さ測定方法は、
溶融金属層表面にスラグ層が浮遊する溶湯の、前記スラグ層の厚さを測定する方法であって、
前記スラグ層の上層を占める大気層から前記スラグ層を通って前記溶融金属層まで電極を降下移動させて、前記溶湯を収容して導電性を帯びた容器と前記電極との間の電気的特性である電極−容器間特性を監視し、
この電極−容器間特性が、前記電極が前記大気層にあるときの大気の介在による絶縁性から、前記電極が前記スラグ層に没入して電解質として機能する前記スラグ層の介在による発電性に移行する時点である大気−スラグ界面通過時点と、前記電極が前記スラグ層から前記溶融金属層へ移動して、前記電極−容器間特性が、前記発電性から前記溶融金属層の介在による導電性に移行する時点であるスラグ−溶融金属界面通過時点とを検知すると共に、
前記大気−スラグ界面通過時点から前記スラグ−溶融金属界面通過時点までに、前記電極が移動した移動距離を計測して、前記スラグ層の厚さとしてなるスラグ層厚さ測定方法である。
【0009】
この第2のスラグ層厚さ測定方法の場合、電極を、大気層からスラグ層を通って溶融金属層まで降下移動させ、電極−容器間特性が絶縁性から発電性に変化する大気層とスラグ層の境界面を電極が通過する大気−スラグ界面通過時点と、電極−容器間特性が発電性から導電性に変化するスラグ層と溶融金属層の境界面を電極が通過するスラグ−溶融金属界面通過時点とを検知し、この間に、電極が下降移動した距離を測定することにより、電極を上昇移動させた場合と同様に、スラグ層の厚さを知ることができる。
【0010】
上記の第1のスラグ層厚さ測定方法、または、第2のスラグ層厚さ測定方法によれば、電極と容器との間の電気的特性である電極−容器間特性の変化である、導電性、発電性、または、絶縁性の各性質相互間の変化を利用して測定を行なう。この変化は、インピーダンスの変化のような同質なもの相互間の変化ではなく、異質なもの相互間の変化であるので、変化を明瞭にとらえることができ、スラグ層の厚さを正確に測定することができる。
また、電極自身は、コスト的には高価ではないことから、測定の都度交換してよく、電極に損傷防止を施す必要がないため、これらのスラグ層厚さ測定方法によれば、コストの低いスラグ層厚さ測定方法を提供することができる。
【0011】
上記の第1のスラグ層厚さ測定方法、及び、第2のスラグ層厚さ測定方法における、溶融金属−スラグ界面通過時点、スラグ−大気界面通過時点、大気−スラグ界面通過時点、あるいは、スラグ−溶融金属界面通過時点の検知を、前記容器に対する前記電極の電位を測定することにより行なうスラグ層厚さ測定方法が考えられる。
まず、この方法による、第3のスラグ層厚さ測定方法は、上記の第1のスラグ層厚さ測定方法において、
前記電極と前記容器との間に、前記電極側を陰極とした直流電源Vccとこの電源と直列接続された抵抗Rxを挿入し、且つ、前記直流電源Vccと前記抵抗Rxの値を、前記電極が前記スラグ層に没入しているときに、前記容器の電位を基準電位とした前記電極の電位が前記基準電位よりも高い高電位となるように設定すると共に、
前記電極を前記溶融金属層から前記大気層まで上昇移動させて、前記基準電位に対する前記電極の電位を測定し、
前記溶融金属−スラグ界面通過時点として、前記電極の電位が前記基準電位から前記高電位へ変化する時点を、
また、前記スラグ−大気界面通過時点として、前記電極の電位が前記高電位から前記基準電位よりも低い低電位へ変化する時点を、
検知してなるスラグ層厚さ測定方法である。
【0012】
図2は、この第3のスラグ層厚さ測定方法に用いられる測定装置の構成を示した説明図である。図2は、図1の電極5と容器1との間に、電極5側を陰極とした直流電源Vcc11と、この電源11と直列接続された抵抗Rx12を挿入し、容器1に対する電極5の電位、即ち、電極5と容器1との間の電圧を測定する電位測定手段13を設けたものである。ここで、直流電源11と抵抗Rx12の値は、電極がスラグ層に没入しているときに、容器1の電位を基準電位とした電極5の電位が、基準電位よりも高い電位となるように設定されている。
【0013】
図3は、図2の等価回路を示したものである。図2において、電極5が、溶融金属層2、スラグ層3または大気層4の間を移動することは、電気的に見ると、図3の切換スイッチ19を切り換えるのと同じである。即ち、電極5が溶融金属層2に位置しているとき(a)は、溶融金属層2が、金属の溶けた状態であるから、電極−容器間特性は導電性であるので、電極5と容器1との間は溶融金属層2を介した短絡状態となる。電極5がスラグ層3に位置しているとき(b)は、スラグ層3が電解質であることから電池特性を示して、電極5と容器1との間に、スラグ層3の代わりに、起電力がEoで内部抵抗がRoの電池が接続されているのと同じになる。電極5が大気層4に位置しているとき(c)は、大気が絶縁性を有するから、電極5と容器1との間は、大気層4を介して開放されていることになる。これらの各場合の等価回路を、図4の(a)から(c)に示す。
即ち、図2において、容器1の電位を基準電位0(V)として、電極5が溶融金属層2に位置しているとき(a)、スラグ層3に位置しているとき(b)、あるいは、大気層4に位置しているとき(c)の、それぞれの基準電位に対する電極5の電位を、Va、Vb、Vcとすると、これらは、それぞれ図4の(a)から(c)に示すように、Va=0(V)(基準電位)、Vb=(EoRx−VccRo)/(Ro+Rx)(V)、Vc=−Vcc(V)(基準電位よりも低い低電位)となる。ここで、図4(b)のVbは、前述した直流電源Vccと抵抗Rxの値の設定により、基準電位である容器1の電位に対して、この基準電位よりも高い高電位であり、図4(b)のアースに対してプラス電位となる。一般には、Rxは数百キロオーム台、スラグ層3が示す電池特性における内部抵抗Roは数十から数百オーム程度であることから、図4(b)に示すように、VbはEoにほぼ等しくなる。この起電力は、アースに対して陽極性であるので、Vbはプラス電位となる。
【0014】
上記の測定回路を用いて、電極5を、溶融金属層2からスラグ層3を通って大気層4まで上昇移動させた場合の、容器1の電位を基準電位とした電極5の電位を測定すると、図5のようになる。Ta時点で測定を開始し、電極5が溶融金属層2に位置しているとき(a)は、Vaで0(V)である。電極5が溶融金属層2からスラグ層3に移行するTb時点、即ち、溶融金属−スラグ界面通過時点では、Vbでプラス電位となる。さらに、接触子5がスラグ層3から大気層4に移行するTc時点、即ち、スラグ−大気界面通過時点では、Vcで−Vcc(V)となり、マイナス電位となる。
そうすると、電極5の電位が0(V)からプラス電位に変化した時点、即ち、基準電位からこの基準電位よりも高い高電位へ変化した時点を検知すれば、溶融金属−スラグ界面通過時点を検知したことになり、電極5の電位が、プラス電位からマイナス電位に変化した時点、即ち、基準電位よりも高い高電位から基準電位よりも低い低電位へ変化した時点を検知すればスラグ−大気界面通過時点を検知したことになる。
そこで、これらの検知を基に、溶融金属−スラグ界面通過時点からスラグ−大気界面通過時点までに、電極5が移動した移動距離を求めることにより、スラグ層3の厚さを知ることができる。
【0015】
上記の第3のスラグ層厚さ測定方法では、電極を上昇移動させているが、電極を下降移動させた場合についても、同様の原理で測定することができる。この場合の第4のスラグ層厚さ測定方法は、上記の第2のスラグ層厚さ測定方法において、
前記電極と前記容器との間に、前記電極側を陰極とした直流電源Vccとこの電源と直列接続された抵抗Rxを挿入し、且つ、前記直流電源Vccと前記抵抗Rxの値を、前記電極が前記スラグ層に没入しているときに、前記容器の電位を基準電位とした前記電極の電位が、前記基準電位よりも高い高電位となるように設定すると共に、
前記電極を前記大気層から前記溶融金属層まで降下移動させて、前記基準電位に対する前記電極の電位を測定し、
前記大気−スラグ界面通過時点として、前記電極の電位が前記基準電位よりも低い低電位から前記高電位へ変化する時点を、
また、前記スラグ−溶融金属界面通過時点として、前記電極の電位が前記高電位から前記基準電位へ変化する時点を、
検知してなるスラグ層厚さ測定方法である。
【0016】
上記の第3のスラグ層厚さ測定方法、または、第4のスラグ層厚さ測定方法によれば、電極の電位の変化が、基準電位と、この基準電位よりも高い高電位と、この基準電位よりも低い低電位のいずれかへの変化であり、変化をデジタル的にとらえることができるので、変化の検知を正確に行なうことができ、これらの検知を基にして、電極の移動距離を正確に求めることができることから、スラグ層の厚さを正確に知ることができる。
また、電極に接続されたコネクタなどの接触抵抗により、電極と容器との間のインピーダンスが変化しても、電極の電位の変化は、基準電位と、この基準電位よりも高い高電位と、この基準電位よりも低い低電位のいずれかへの変化であることに変わりはないので、上記の測定方法は、電極と容器との間のインピーダンスの変化の影響を受けにくい方法といえる。
【0017】
上記の第1、第2、第3、または第4のスラグ層厚さ測定方法では、電極の移動距離を直接測定しているが、前記電極の移動速度を一定とし、前記大気−スラグ界面通過時点から前記スラグ−溶融金属界面通過時点まで、あるいは、前記溶融金属−スラグ界面通過時点から前記スラグ−大気界面通過時点までの、前記電極の移動時間を測定し、この移動時間と電極の移動速度から、演算で電極の移動距離を求めるようにしてもよい。
即ち、第5のスラグ層厚さ測定方法として、上記の第1、第2、第3、または第4のスラグ層厚さ測定方法において、
前記電極の上昇移動または降下移動の移動速度を一定とすると共に、
前記電極を前記溶融金属層から前記大気層まで上昇移動させる方法を用いた場合は、前記溶融金属−スラグ界面通過時点から前記スラグ−大気界面通過時点までの、前記電極の移動時間を計測し、
前記電極を前記大気層から前記溶融金属層まで降下移動させる方法を用いた場合は、前記大気−スラグ界面通過時点から前記スラグ−溶融金属界面通過時点までの、前記電極の移動時間を計測し、
前記電極の前記移動距離を計測するのに代えて、
前記電極の前記移動速度と前記移動時間から、演算により前記電極の前記移動距離を求めてなるスラグ層厚さ測定方法が存在する。
【0018】
この方法によれば、電極の移動距離を直接測定する必要がなく、測定方法が簡便になる。
【0019】
次に、本発明のスラグ層厚さ測定装置について説明する。まず、第1のスラグ層厚さ測定装置は、
電極と、
溶融金属層表面にスラグ層が浮遊する溶湯を収容して導電性を帯びた容器と、前記電極を前記溶融金属層から前記スラグ層を通って前記スラグ層の上層を占める大気層まで上昇移動させ、あるいは、前記大気層から前記スラグ層を通って前記溶融金属層まで降下移動させる電極移動手段と、
前記電極と前記容器との間に、前記電極側を陰極とした直流電源Vccとこの電源と直列接続された抵抗Rxを挿入すると共に、前記直流電源Vccと前記抵抗Rxの値を、前記電極が前記スラグ層に没入しているときに、前記容器の電位を基準電位として、前記電極の電位が前記基準電位よりも高い電位となるように設定して形成された測定回路と、
前記基準電位に対する前記電極の電位を測定する電位測定手段と、
前記電位測定手段が検知した、前記基準電位から前記高電位へ変化する時点から、前記高電位から前記基準電位よりも低い低電位へ変化する時点までの、あるいは、前記低電位から前記高電位へ変化する時点から、前記高電位から前記基準電位へ変化する時点までの、前記電極の移動距離を計測する電極移動距離計測手段と、
で構成されてなるスラグ層厚さ測定装置である。
【0020】
この第1のスラグ層厚さ測定装置は、電極を溶融金属層からスラグ層を通ってスラグ層の上層を占める大気層まで上昇移動させる場合は、電位測定手段が、溶湯を収容する容器と電極との間の電極−容器間特性が、導電性から発電性へ移行する溶融金属−スラグ界面通過時点として、電極の電位が、基準電位から基準電位より高い高電位へ変化する時点を検知すると共に、発電性から絶縁性へ移行するスラグ−大気界面通過時点として、電極の電位が、高電位から基準電位より低い低電位へ変化する時点を検知する。そして、電極移動距離計測手段が、溶融金属−スラグ界面通過時点からスラグ−大気界面通過時点までの間の電極の移動距離を求めて、スラグ層の厚さとする。
また、大気層からスラグ層を通って溶融金属層まで、電極を降下移動させる場合は、電位測定手段が、溶湯を収容する容器と電極との間の電極−容器間特性が、電極が大気層にあるときの大気の介在による絶縁性から、電解質として機能するスラグ層に没入して発電性に移行する大気−スラグ界面通過時点として、電極の電位が、基準電位より低い低電位から基準電位より高い高電位へ変化する時点を検知すると共に、電極−容器間特性が、発電性から、電極が溶融金属層へ没入して導電性に移行するスラグ−溶融金属界面通過時点として、電極の電位が、高電位から基準電位へ変化する時点を検知する。そして電極移動距離計測手段が、大気−スラグ界面通過時点からスラグ−溶融金属界面通過時点までの間の電極の移動距離を求め、これをスラグ層の厚さとする。
【0021】
即ち、この装置は、上述の第3のスラグ層厚さ測定方法、または、第4のスラグ層厚さ測定方法に基づいて、スラグ層の厚さを求める装置であり、その作用、効果は、上述の第3のスラグ層厚さ測定方法、または、第4のスラグ層厚さ測定方法と同様であるので、説明を省略する。
【0022】
上記の第1のスラグ層厚さ測定装置では、電極の移動距離を、直接測定する電極移動距離計測手段により求めているが、電極の移動速度と移動時間とから、演算により求める第2のスラグ層厚さ測定装置も考えられる。この第2のスラグ層厚さ測定装置は、
電極と、
溶融金属層表面にスラグ層が浮遊する溶湯を収容して導電性を帯びた容器と、
移動速度を一定として、前記電極を、前記溶融金属層から前記スラグ層を通って前記スラグ層の上層を占める大気層まで上昇移動させ、あるいは、前記大気層から前記スラグ層を通って前記溶融金属層まで、降下移動させる電極移動手段と、
前記電極と前記容器との間に、前記電極側を陰極とした直流電源Vccと、この電源と直列接続された抵抗Rxを挿入すると共に、前記直流電源Vccと前記抵抗Rxの値を、前記電極が前記スラグ層に没入しているときに、前記容器の電位を基準電位として、前記電極の電位が前記基準電位よりも高い電位となるように設定して形成された測定回路と、
前記基準電位に対する前記電極の電位を測定する電位測定手段と、
前記電位測定手段が検知した、前記基準電位から前記高電位へ変化する時点から、前記高電位から前記基準電位よりも低い低電位へ変化する時点までの、あるいは、前記低電位から前記高電位へ変化する時点から、前記高電位から前記基準電位へ変化する時点までの、前記電極の移動時間を計測する電極移動時間計測手段と、
前記電極の前記移動速度と前記移動時間とから、演算により前記電極の移動距離を求める電極移動距離演算手段と、
で構成されてなるスラグ層厚さ測定装置である。
【0023】
この第2のスラグ層厚さ測定装置は、電極の移動距離を、電極の移動速度と移動時間とから、演算により求めるので、第5のスラグ層厚さ測定方法と同様の効果を有する。また、電極の移動距離を、電極の移動速度と移動時間とから、演算により求めること以外は、上記の第1のスラグ層厚さ測定装置と全く同じ構成であり、その作用、効果も上記の第1のスラグ層厚さ測定装置と全く同じである。
【0024】
上記の第2のスラグ層厚さ測定装置において、電極の移動速度を、2個の電極を用いて測定する第3のスラグ層厚さ測定装置が考えられる。この第3のスラグ層厚さ測定装置は、上記の第2のスラグ層厚さ測定装置において、
前記電極に加えて、電極を1個追加すると共に、これらの2個の電極の下端を、その移動方向に一定距離だけ離して設けると共に、
これらの電極を2個同時に移動させることにより、前記容器に対する2個の各前記電極の検知する電位の時間的ずれを測定すると共に、この時間的ずれと前記一定距離とから前記移動速度を求める移動速度検出手段を設けてなるスラグ層厚さ測定装置である。
【0025】
図6(a)は、この第3のスラグ層厚さ測定装置に用いられる移動速度検出手段の速度検出原理の説明図である。図6(a)において、電極22の下端は電極21の下端よりも、移動方向である上方向に距離Dだけ離して設けられており、電極21及び電極22はそれぞれ測定装置23の第I入力及び第2入力に接続されている。また、測定装置23における、容器1に対する電極21、22の電位の測定方法は、前述の電極の電位測定方法と同様の方法を用いる。そこで、電極21、22を2個同時に、溶融金属層2からスラグ層3を通って大気層4まで上昇移動させると、電極21、22の電位は、図6(b)のように、第I入力と第2入力とでは、Tだけずれることになる。そうすると、電極21、22の上昇移動速度Sは、S=D/Tで求められる。
このスラグ層厚さ測定装置によれば、電極の移動速度を予め定めておく必要がない。
【0026】
上述した第1のスラグ層厚さ測定装置から第3のスラグ層厚さ測定装置は、溶融金属を対象としているが、溶融金属として溶鋼を用いることができる。
【0027】
溶融金属として溶鋼を用いたスラグ層厚さ測定装置では、これに使用される電極の材質を、Mo、Co、Cr、Mnの中から、少なくとも一つを含む鉄の合金とすることが推奨される。上述したスラグ層厚さ測定装置では、容器内の溶湯が高温であり、この溶湯に浸漬した電極は、時間がたつと溶融してしまう。そこで、溶融するまでの時間をできるだけ長くすることが望ましいが、この点で、上記の合金は溶融しにくく、電極の材質として優れている。
【0028】
上述した各スラグ層厚さ測定装置において、スラグ層の厚さを測定する際、酸素濃度の測定が必要な場合に、電極を酸素プローブの溶鋼電極と併用して用いるようにしても良い。このようにすることにより、同時に、スラグ層の厚さの測定と、酸素濃度の測定を行なうことができると共に、電極を併用できるので、測定装置のコスト低減を図ることができる。
【0029】
また、上記のスラグ層厚さ測定装置において、酸素プローブの溶鋼電極と併用する電極と、酸素プローブのジルコニア極との下部先端位置をそろえると共に、双方の先端部分以外の部分を石英管等の防護用パイプで覆って用いるようにしても良い。このようにすることにより、電極と、酸素プローブのジルコニア極の双方に対して、スラグが付着するのを防止でき、また、同時に、スラグ層の厚さの測定と、酸素濃度の測定を行なうことができると共に、電極を併用できるので、測定装置のコスト低減を図ることができる。
【0030】
また、上述した各スラグ層厚さ測定装置において、電極を溶鋼温度測定プローブへ取り付けて用いるようにしても良い。このようにすることにより、同時に、スラグ層の厚さの測定と、溶鋼温度の測定を行なうことができると共に、電極を併用できるので、測定装置のコスト低減を図ることができる。
【0031】
ところで、転炉等の溶融金属を収容した容器では、下部に浸漬管を備えた真空槽を溶融金属上に浮遊するスラグの上方に配設すると共に、浸漬管を溶融金属内に浸漬させ、真空槽内に溶融金属を取り込んで、Ca等を加えて、溶融金属中のスラグ成分の粒子を凝集させることにより、溶融金属中のスラグ成分を取り除きやすくしている。この場合、浸漬管を水冷する必要があり、この冷却水と溶融金属とが触れると爆発を生じる恐れがあるので、真空槽の溶融金属層表面からの高さの位置制御が必要であり、このため、溶融金属層の表面レベル位置を測定する必要がある。
上述した説明は、スラグ層厚さ測定方法またはその装置に関するものであるが、これに用いられている原理は、スラグ層厚さの測定のみならず、溶融金属層の表面レベル位置の測定にも使用することができるので、次に、スラグ層厚さの測定と共に、溶融金属層の表面レベル位置、即ち、溶湯を収容した容器の開口部上方で、容器から予め定められた一定距離離れて位置する定点から溶融金属層の表面までの距離の測定を行なう方法について述べる。
【0032】
この方法における、第1のスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法は、
溶融金属層表面にスラグ層が浮遊する溶湯を収容して導電性を帯びた容器の開口部上方で、前記容器から予め定められた一定距離離れて位置する定点から前記溶融金属層の表面までの距離、及び、前記スラグ層の厚さを測定する方法であって、
前記溶融金属層から前記スラグ層を通って前記スラグ層の上層を占める大気層中の前記定点まで電極を上昇移動させて、前記容器と前記電極との間の電気的特性である電極−容器間特性を監視し、
この電極−容器間特性が、前記電極が前記溶融金属層に没入しているときの前記溶融金属層の介在による導電性から、前記電極が前記スラグ層へ移動して電解質として機能する前記スラグ層の介在による発電性に移行する時点である溶融金属−スラグ界面通過時点と、
前記電極が前記スラグ層から前記大気層へ脱出して、前記電極−容器間特性が、前記発電性から、前記大気層の介在による絶縁性に移行する時点であるスラグ−大気界面通過時点とを検知すると共に、
前記溶融金属−スラグ界面通過時点から前記スラグ−大気界面通過時点までに、前記電極が移動した移動距離を計測して、前記スラグ層の厚さとすると共に、前記溶融金属−スラグ界面通過時点から前記定点までに、前記電極が移動した移動距離を計測して、前記定点から前記溶融金属層の表面までの距離としてなるスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法である。
【0033】
図7は、上記の方法の測定原理を示した説明図である。上記の方法では、図7において、溶融金属層表面にスラグ層が浮遊する溶湯を収容して導電性を帯びた容器1の開口部上方で、容器1から予め定められた一定距離離れた位置を、定点9とし、電極5を、溶融金属層からスラグ層を通ってスラグ層の上層を占める大気層中の定点9まで電極を上昇移動させて、この間の電極5と容器1との間の電気的特性である電極−容器間特性の変化を利用して、スラグ層の厚さ6及び、定点9から溶融金属層2の表面までの距離10を測定するものである。上記の方法では、スラグ層の厚さ6の測定方法は、第1のスラグ層厚さ測定方法と全く同じである。また、定点9から溶融金属層2の表面までの距離10の測定に用いられる溶融金属−スラグ界面通過時点7の検知方法も第1のスラグ層厚さ測定方法と全く同じであり、この溶融金属−スラグ界面通過時点7から定点9に至るまで電極5が移動した距離を測定することにより定点9から溶融金属層2の表面までの距離10を求めることができる。
【0034】
上記の方法では、電極5を上昇移動させているが、電極を下降移動させてもよい。また、上記で述べたとおり、図7において、溶融金属層の表面レベル位置の測定は、即ち、定点9から溶融金属層2の表面までの距離10を測定することである。ここでいう定点から溶融金属層の表面までの距離を求めることは、溶融金属−スラグ界面通過時点から定点に至るまで、あるいは、定点からスラグ−溶融金属界面通過時点に至るまでに、電極5が移動した距離または時間を測定することで行なうことができ、溶融金属−スラグ界面通過時点あるいはスラグ−溶融金属界面通過時点の検知は、上述した各スラグ層厚さ測定方法において使用されている検知方法がそのまま使用できる。そこで、第2、第3、第4、または第5のスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法、あるいは、第1、または第2のスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定装置として、上述した各スラグ層厚さ測定方法あるいは上述した各スラグ層厚さ測定装置を応用することにより、以下に示す方法及び装置が考えられる。
【0035】
第2のスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法は、
溶融金属層表面にスラグ層が浮遊する溶湯を収容して導電性を帯びた容器の開口部上方で、前記容器から予め定められた一定距離離れて位置する定点から前記溶融金属層の表面までの距離、及び、前記スラグ層の厚さを測定する方法であって、
前記スラグ層の上層を占める大気層中の前記定点から前記スラグ層を通って前記溶融金属層まで、電極を降下移動させて、前記溶湯を収容して導電性を帯びた容器と、前記電極との間の電気的特性である電極−容器間特性を監視し、
この電極−容器間特性が、前記電極が前記大気層にあるときの大気の介在による絶縁性から、前記電極が前記スラグ層に没入して電解質として機能する前記スラグ層の介在による発電性に移行する時点である大気−スラグ界面通過時点と、
前記電極が前記スラグ層から前記溶融金属層へ移動して、前記電極−容器間特性が、前記発電性から、前記溶融金属層の介在による導電性に移行する時点であるスラグ−溶融金属界面通過時点とを検知すると共に、
前記定点から前記スラグ−溶融金属界面通過時点までに、前記電極が移動した移動距離を計測して、前記定点から前記溶融金属層の表面までの距離とすると共に、
前記大気−スラグ界面通過時点から前記スラグ−溶融金属界面通過時点までに、前記電極が移動した移動距離を計測して、前記スラグ層の厚さとしてなるスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法である。
【0036】
第3のスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法は、第1のスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法において、
前記電極と前記容器との間に、前記電極側を陰極とした直流電源Vccと、この電源と直列接続された抵抗Rxを挿入し、且つ、前記直流電源Vccと前記抵抗Rxの値を、前記電極が前記スラグ層に没入しているときに、前記容器の電位を基準電位とした前記電極の電位が、前記基準電位よりも高い高電位となるように設定すると共に、
前記電極を前記溶融金属層から前記大気層まで上昇移動させて、前記基準電位に対する前記電極の電位を測定し、
前記溶融金属−スラグ界面通過時点として、前記電極の電位が、前記基準電位から前記高電位へ変化する時点を、
また、前記スラグ−大気界面通過時点として、前記電極の電位が、前記高電位から前記基準電位よりも低い低電位へ変化する時点を、
検知してなるスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法である。
【0037】
第4のスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法は、第2のスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法において、
前記電極と前記容器との間に、前記電極側を陰極とした直流電源Vccと、この電源と直列接続された抵抗Rxを挿入し、且つ、前記直流電源Vccと前記抵抗Rxの値を、前記電極が前記スラグ層に没入しているときに、前記容器の電位を基準電位とした前記電極の電位が、前記基準電位よりも高い高電位となるように設定すると共に、
前記電極を前記大気層から前記溶融金属層まで降下移動させて、前記基準電位に対する前記電極の電位を測定し、
前記大気−スラグ界面通過時点として、前記電極の電位が、前記基準電位よりも低い低電位から前記高電位へ変化する時点を、
また、前記スラグ−溶融金属界面通過時点として、前記電極の電位が、前記高電位から前記基準電位へ変化する時点を、
検知してなるスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法である。
【0038】
第5のスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法は、第1、第2、第3、または第4のスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法において、
前記電極の上昇移動または降下移動の移動速度を一定とすると共に、
前記電極を前記溶融金属層から前記大気層まで上昇移動させる方法を用いた場合は、
前記スラグ層の厚さ算出用として、前記溶融金属−スラグ界面通過時点から前記スラグ−大気界面通過時点までの、前記電極の移動時間を計測し、
前記定点から前記溶融金属層の表面までの距離算出用として、前記溶融金属−スラグ界面通過時点から前記定点までの、前記電極の移動時間を計測し、
前記電極を前記大気層から前記溶融金属層まで降下移動させる方法を用いた場合は、
前記定点から前記溶融金属層の表面までの距離算出用として、前記定点から前記スラグ−溶融金属界面通過時点までの、前記電極の移動時間を計測し、
前記スラグ層の厚さ算出用として、前記大気−スラグ界面通過時点から前記スラグ−溶融金属界面通過時点までの、前記電極の移動時間を計測し、
前記電極の各前記移動距離を計測するのに代えて、
前記電極の前記移動速度と各前記移動時間とから、演算により前記電極の各前記移動距離を求めてなるスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法である。
【0039】
第1のスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定装置は、
電極と、
溶融金属層表面にスラグ層が浮遊する溶湯を収容して導電性を帯びた容器と、
前記電極を、前記溶融金属層から、前記スラグ層を通って前記スラグ層の上層を占める大気層中の、前記容器の開口部上方で、前記容器から予め定められた一定距離離れて位置する定点まで上昇移動させ、あるいは、前記大気層中の前記定点から、前記スラグ層を通って前記溶融金属層まで、降下移動させる電極移動手段と、
前記電極と前記容器との間に、前記電極側を陰極とした直流電源Vccと、この電源と直列接続された抵抗Rxを挿入すると共に、前記直流電源Vccと前記抵抗Rxの値を、前記電極が前記スラグ層に没入しているときに、前記容器の電位を基準電位として、前記電極の電位が前記基準電位よりも高い電位となるように設定して形成された測定回路と、
前記基準電位に対する前記電極の電位を測定する電位測定手段と、
前記スラグ層の厚さ測定用として、前記電位測定手段が検知した、前記基準電位から前記高電位へ変化する時点から、前記高電位から前記基準電位よりも低い低電位へ変化する時点までの、あるいは、前記低電位から前記高電位へ変化する時点から、前記高電位から前記基準電位へ変化する時点までの、前記電極の移動距離を計測するスラグ層厚さ測定用電極移動距離計測手段と、
前記定点から前記溶融金属層の表面までの距離測定用として、前記電位測定手段が検知した前記基準電位から前記高電位へ変化する時点から前記定点までの、あるいは、前記定点から、前記高電位から前記基準電位へ変化する時点までの、前記電極の移動距離を計測する溶融金属層表面レベル位置測定用電極移動距離計測手段と、
で構成されてなるスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定装置である。
【0040】
そして、第2のスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定装置は、
電極と、
溶融金属層表面にスラグ層が浮遊する溶湯を収容して導電性を帯びた容器と、
前記電極を、移動速度を一定として、前記溶融金属層から、前記スラグ層を通って前記スラグ層の上層を占める大気層中の、前記容器の開口部上方で、前記容器から予め定められた一定距離離れて位置する定点まで上昇移動させ、あるいは、前記大気層中の前記定点から、前記スラグ層を通って前記溶融金属層まで降下移動させる電極移動手段と、
前記電極と前記容器との間に、前記電極側を陰極とした直流電源Vccと、この電源と直列接続された抵抗Rxを挿入すると共に、前記直流電源Vccと前記抵抗Rxの値を、前記電極が前記スラグ層に没入しているときに、前記容器の電位を基準電位として、前記電極の電位が前記基準電位よりも高い電位となるように設定して形成された測定回路と、
前記基準電位に対する前記電極の電位を測定する電位測定手段と、
前記スラグ層の厚さ測定用として、前記電位測定手段が検知した、前記基準電位から前記高電位へ変化する時点から、前記高電位から前記基準電位よりも低い低電位へ変化する時点までの、あるいは、前記低電位から前記高電位へ変化する時点から、前記高電位から前記基準電位へ変化する時点までの、前記電極の移動時間を計測するスラグ層厚さ測定用電極移動時間計測手段と、
前記定点から前記溶融金属層の表面までの距離測定用として、前記電位測定手段が検知した、前記基準電位から前記高電位へ変化する時点から前記定点までの、あるいは、前記定点から、前記高電位から前記基準電位へ変化する時点までの、前記電極の移動時間を計測する溶融金属層表面レベル位置測定用電極移動時間計測手段と、
前記電極の前記移動速度と各前記移動時間とから、演算により前記電極の移動距離を求める電極移動距離演算手段と、
で構成されてなるスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定装置である。
【0041】
上記の各スラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法、あるいは、スラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定装置によれば、上述のスラグ層厚さ測定方法またはスラグ層厚さ測定装置に使用される原理を用いることにより、スラグ層厚さの測定のみならず、スラグ層の表面レベル位置を測定することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施例につき、図面に基づき詳しく説明する。本発明は、溶融金属を対象とするものであるが、本発明の第1実施例であるスラグ層厚さ測定装置では溶融金属として、溶鋼を用いている。
図8は、第1実施例であるスラグ層厚さ測定装置の構成を示した説明図である。図8において、31は転炉、32は溶鋼層、33はスラグ層、34は大気層、35は電極、36はプローブ、37はランス、38はランス移動装置、39はエンコーダ、40aは計測装置、41は直流電源Vcc、42は抵抗Rx、43は電極電位測定回路(アナログ回路)、44はランス移動制御回路、45はエンコーダパルスカウント回路、47はマイクロコンピュータ、そして、48はディスプレイである。
本第1実施例では、溶鋼を収容する容器として転炉を用いているが、取鍋を使用してもよい。
【0043】
図8において、電極35は、プローブ36に保持されており、このプローブ36を固定しているランス37をランス移動装置38により、垂直方向上下に移動させることによって、電極35を移動させる仕組みとしている。ランス移動装置38は、パルスモータやサーボモータ等位置決め制御可能なモータ等と、ラックとピニヨンによる回転運動を直線運動に変換する装置等で構成されている。
このような構成のランス移動装置38を用いる代わりに、図12に示すような送りねじ機構を用いるようにしてもよい。図12では、紙製のプローブをランスの代用として用いるとともに、このプローブを回転させることによって、上下に移動させる仕組としている。
【0044】
図9は、図8の、電極35、プローブ36、及びランス37の接合部分の構造を示したものである。図9において、電極35はプローブ36の接触コンタクト51に接続され、この接触コンタクト51と接触しているリング接触子52が電極電位測定回路(アナログ回路)43へ接続されている。プローブ36は、溶融した高温の溶鋼に対しては、測定に必要な短時間しか耐えることができず、測定の都度交換する必要があり、このような構造が採用されている。
図8において、転炉31は、一般に、金属製の容器の内側に耐火煉瓦を積み上げて形成されており、転炉31だけでは導電性を有しないが、転炉31内に溶鋼を収容することによって、転炉31の内面に金属が付着することにより、転炉31の内面と大地との間が導電性を有するようになる。即ち、転炉31が大地にアースされたのと等価となる。
また、アースと電極35との間には、電極35側を陰極とした直流電源Vcc11と、この直流電源11と直列接続された抵抗Rx12接続されている。ここで、直流電源11と抵抗Rx12の値は、電極35がスラグ層33に没入しているときに、アースと同電位の転炉31に対する電極5の電位が、プラス電位となるように設定されている。具体的には、前述したように、抵抗Rx12は、スラグ層33が示す化学電池特性における内部抵抗に比べて、極端に大きな値に設定され、例えば、スラグ層33が示す電池特性における内部抵抗は数十から数百オーム程度であるのに対して、抵抗Rx12は数百キロオーム台に設定される。その結果、前述したように、電極35とアース間の電位は、スラグ層33が示す化学電池特性における起電力にほぼ等しくなる。この起電力は、アースに対して陽極性であるので、電極35の電位はプラス電位となる。
電極電位測定回路(アナログ回路)43は、アース電位である転炉31の電位を基準電位とした電極35の電位を測定する回路である。エンコーダ39はランス移動装置38と連動しており、ランス37が上下に移動した際に移動距離を測定するためのパルスを発生し、このパルスを、エンコーダパルスカウント回路45がカウントすることにより、ランス37の移動距離を求める。
このエンコーダ39を用いる代わりに、ランスの側面上移動方向に凹凸または白黒で等間隔の縞模様状スケールを備えるとともに、光源と光センサを用いて、ランスの移動に伴って、凹凸または白黒の縞模様の変化を検知、カウントして、ランスの移動距離を測定する方法も考えられる。
【0045】
上記の図8の測定装置において、電極35を大気層34からスラグ層33を通って溶鋼層32まで降下移動させるか、これとは逆に、溶鋼層32からスラグ層33を通って大気層34まで上昇移動させ、この間の電極35と容器である転炉31との間の電気的特性である電極−容器間特性の変化を利用して、スラグ層33の厚さを測定するが、本第1実施例では、溶鋼層32からスラグ層33を通って大気層34まで上昇移動させてスラグ層33の厚さを測定する。
この場合の、アースと同電位の転炉31の電位を基準電位とした電極35の電位の変化は、前述した図5のようになる。
図5において、Ta時点で測定を開始し、電極35が溶鋼層32に位置しているとき(a)は、Vaで0(V)である。電極35が溶鋼層32からスラグ層33に移行するTb時点、即ち、溶鋼−スラグ界面通過時点では、Vbでプラス電位となる。さらに、電極35がスラグ層33から大気層34に移行するTc時点、即ち、スラグ−大気界面通過時点では、Vcで−Vcc(V)となり、マイナス電位となる。そこで、電極35の移動した距離、即ち、ランス37の移動した距離を、エンコーダパルスカウント回路45でカウントすると共に、電極35の電位が、0(V)からプラス電位に変化する時点と、プラス電位からマイナス電位に変化する時点を、電極電位測定回路(アナログ回路)43で検知し、この間のエンコーダパルスカウント回路45および、電極電位測定回路(アナログ回路)43の出力信号がマイクロコンピュータ47へ入力されて、スラグ層の厚さが求められ、その状況がディスプレイ48で表示される。
【0046】
上記の測定装置では、エンコーダ39の出力するパルスを用いて、電極35の移動距離を直接求めているが、電極の移動速度と移動時間とから、演算により求める方法もある。この方法では、図8から、エンコーダ39とエンコーダパルスカウント回路45を外すと共に、電極35の移動速度をあらかじめ定めた一定速度とし、電極電位測定回路(アナログ回路)43で溶鋼−スラグ界面通過時点とスラグ−大気界面通過時点とが検知され、個の信号がマイクロコンピュータ47へ入力される。そして、このマイクロコンピュータ47が、電極35の移動時間を求め、この移動時間と電極35の移動速度から電極35の移動距離を演算して、スラグ層の厚さを求める。
この方法では、電極の移動速度をあらかじめ定め、この移動速度を演算に使用してスラグ層の厚さを求めているが、電極の移動速度をあらかじめ定めないで、電極の移動速度を、前述したように、図6に示すような2個の電極を用いて測定するようにしてもよい。
【0047】
電極35の移動時間と移動速度から、その移動距離を求める方法の場合も、アースと同電位の転炉31の電位を基準電位とした電極35の電位の変化は、前述した図5のようになる。この方法を用いたスラグ層厚さ測定装置において、この測定装置の備えるディスプレイでこの電位の変化を表示させると共に、スラグ層の厚さの演算結果を表示させることもできる。図10は、この場合のスラグ層厚さ測定装置における表示例を示したものである。また、図11(a)、(b)、(c)、(d)は、共に、このような場合の、電極35の電位の変化の例を示したものである。
【0048】
上記の測定装置では、電極35を、溶鋼層32からスラグ層33を通って大気層34まで上昇移動させているが、電極35を、大気層34からスラグ層33を通って溶鋼層32まで下降移動させても、同様にスラグ層33の厚さを知ることができる。
また、上記の測定装置では、電極35を、垂直方向上下に移動させているが、スラグ層33に対して斜めに移動させるようにしてもよい。この場合は、傾けた角度と、電極の移動距離とから、演算によりスラグ層の厚さを求めることができる。
【0049】
上記の測定装置によれば、図11からも分かるように、電極35の電位の変化が、基準電位である0(V)と、この基準電位よりも高い高電位であるプラス電位と、この基準電位よりも低い低電位であるマイナス電位のいずれかへの変化であるので、これらの変化の検知を正確に行なうことができ、これらの検知を基にして、電極35の移動距離を正確に求めることができることから、スラグ層33の厚さを正確に知ることができる。
また、電極35に接続されたコネクタなどの接触抵抗により、電極35と容器31との間のインピーダンスが変化しても、電極35の電位の変化は、基準電位と、この基準電位よりも高い高電位と、この基準電位よりも低い低電位のいずれかへの変化であることに変わりはないので、上記の測定装置による測定方法は、電極35と容器31との間のインピーダンスの変化の影響を受けにくい測定方法といえる。
【0050】
上記の第1実施例では、前述したように、溶鋼を対象としているが、上記で説明した内容は、一般的に溶融金属を対象とした場合にも適用できる。
【0051】
溶鋼のスラグ層厚さを測定するスラグ層厚さ測定装置では、その電極の材質を、Mo、Co、Cr、Mnの中から、少なくとも一つを含む鉄の合金とすることが推奨される。上述したスラグ層厚さ測定装置では、容器内の溶湯が高温であり、この溶湯に浸漬した電極は、時間がたつと溶融してしまう。そこで、溶融するまでの時間をできるだけ長くすることが望ましいが、この点で、上記の合金は溶融しにくく、電極の材質として優れている。
【0052】
上述したスラグ層厚さ測定装置において、スラグ層の厚さを測定する際、酸素濃度の測定に用いる電極を酸素プローブの溶鋼電極と併用して用いるようにしても良い。このようにすることにより、同時に、スラグ層の厚さの測定と、酸素濃度の測定を行なうことができると共に、電極を併用できるので、測定装置のコスト低減を図ることができる。
【0053】
また、上述したスラグ層厚さ測定装置において、酸素プローブの溶鋼電極と併用する電極と、酸素プローブのジルコニア極との下部先端位置をそろえると共に、双方の先端部分以外の部分を石英管等の防護用パイプで覆って用いるようにしても良い。このようにすることにより、電極と、酸素プローブのジルコニア極の双方に対して、スラグが付着するのを防止でき、また、同時に、スラグ層の厚さの測定と、酸素濃度の測定を行なうことができると共に、電極を併用できるので、測定装置のコスト低減を図ることができる。
【0054】
また、上述したスラグ層厚さ測定装置において、電極を溶鋼温度測定プローブへ取り付けて用いるようにしても良い。このようにすることにより、同時に、スラグ層の厚さの測定と、溶鋼温度の測定を行なうことができると共に、電極を併用できるので、測定装置のコスト低減を図ることができる。
【0055】
前述したように、転炉等の溶鋼を収容した容器では、下部に浸漬管を備えた真空槽を溶鋼上に浮遊するスラグの上方に配設すると共に、浸漬管を溶鋼内に浸漬させ、真空槽内に溶鋼を取り込んで、Ca等を加えて、溶鋼中のスラグ成分の粒子を凝集させることにより、溶鋼中のスラグ成分を取り除きやすくしている。この場合、浸漬管を水冷する必要があり、この冷却水と溶鋼とが触れると爆発を生じる恐れがあるので、真空槽のスラグ表面からの高さを一定にする位置制御が必要であり、このため、溶鋼層の表面レベル位置を測定する必要がある。そこで、次に、スラグ層厚さの測定と共に、溶鋼層の表面レベル位置、即ち、溶湯を収容した容器の開口部上方で、容器から予め定められた一定距離離れて位置する定点から溶鋼層の表面までの距離の測定を行なう、本発明の第2実施例である、スラグ層厚さ及び溶鋼層表面レベル位置測定装置について述べる。この装置で測定する、定点から溶鋼層の表面までの距離の変化を、定点と真空槽との位置関係に反映させることにより、真空槽の位置を制御することができる.
【0056】
図15は、本発明の第2実施例であるスラグ層厚さ及び溶鋼層表面レベル位置測定装置の構成を示した説明図である。図15において、図8と同番号は、図8と同内容である。図8と異なるのは、下部に浸漬管25を備えた真空槽24を転炉31の上方に配設し、電極35が定点49に位置する状態を検知するための、定点検知用マーク28をランス37の側面に設け、この定点検知用マーク28を検出するための光源27及びセンサ29を設けると共に、定点検知回路46を設け、センサ29の出力をこの定点検知回路46へ入力していると共に、この定点検知回路46の出力をマイクロコンピュータ47へ入力している点である。また、本第2実施例でも、第1実施例同様、溶鋼層32からスラグ層33を通って大気層34まで上昇移動させて、スラグ層の厚さ、及び、定点から溶鋼層の表面までの距離を測定する。
【0057】
この場合、スラグ層の厚さの測定方法は、第1実施例と全く同じである。また、定点から溶鋼層の表面までの距離は、電極35が、溶鋼層32からスラグ層33に移行する時点、即ち、溶鋼−スラグ界面通過時点から、定点に至るまでに、電極35、即ち、ランス37の移動した距離を測定すればよい。溶鋼−スラグ界面通過時点は、電極35の電位が、基準電位から前記高電位へ変化する時点であり、また、定点に至った時点は、センサ29が定点検知用マーク28を検知した時点であるから、これらの検知信号が、定点検知回路46を介してマイクロコンピュータ47へ入力されることにより、第1実施例と同様にして、マイクロコンピュータ47により、スラグ層の厚さおよび定点から溶鋼層の表面までの距離が演算され、その状況が、ディスプレイ48で表示される。
【0058】
上記の第2実施例であるスラグ層厚さ及び溶鋼層表面レベル位置測定装置においても、第1実施例におけるのと同様に、電極を降下移動させて測定してもよい。また、電極35の移動距離を、電極の移動速度と移動時間とから、演算により求めてもよい。そのために、電極の移動速度を、図6に示すような2個の電極を用いて測定するようにしてもよい。また、電極を、スラグ層に対して斜めに移動させるようにしてもよい。また、溶鋼を収容する容器として、取鍋を使用してもよい。また、溶鋼のみならず、一般の溶融金属を用いることもできる。
【0059】
上記の第2実施例であるスラグ層厚さ及び溶鋼層表面レベル位置測定装置によれば、上述のスラグ層厚さ測定装置に使用される原理を用いることにより、スラグ層厚さの測定のみならず、スラグ層の表面レベル位置を測定することができる。
【0060】
上述した第1実施例および第2実施例のいずれにおいても、直流電源11は、電極35側を陰極としているが、電極35側を陽極としても、原理的には、測定可能である。即ち、図8および図15において、Vccの極性を逆にしても、スラグ層が示す電気的特性が、その下層の溶鋼や上層の大気と異なることを利用したスラグ層厚さの測定や、スラグ層の表面レベル位置の測定を行なうことができる。
【0061】
【発明の効果】
請求項1または請求項2記載のスラグ層厚さ測定方法によれば、電極と容器との間の電気的特性である電極−容器間特性の変化である、導電性、発電性、または、絶縁性の各性質相互間の変化を利用して測定を行なう。この変化は、インピーダンスの変化のような同質なもの相互間の変化ではなく、異質なもの相互間の変化であるので、変化を明瞭にとらえることができ、スラグ層の厚さを正確に測定することができるスラグ層厚さ測定方法を提供できる。
また、電極自身は、コスト的には高価ではないことから、測定の都度交換してよく、電極に損傷防止を施す必要がないため、これらのスラグ層厚さ測定方法によれば、コストの低いスラグ層厚さ測定方法を提供することができる。
【0062】
請求項3または請求項4記載のスラグ層厚さ測定方法によれば、電極の電位の変化が、基準電位と、この基準電位よりも高い高電位と、この基準電位よりも低い低電位のいずれかへの変化であり、変化をデジタル的にとらえることができるので、変化の検知を正確に行なうことができ、これらの検知を基にして、電極の移動距離を正確に求めることができることから、スラグ層の厚さを正確に知ることができるスラグ層厚さ測定方法を提供できる。
また、電極からこの電位を測定する回路までの途中のコネクタなどの接触抵抗により、電極と容器との間のインピーダンスが変化しても、電極の電位の変化は、基準電位と、この基準電位よりも高い高電位と、この基準電位よりも低い低電位のいずれかへの変化であることに変わりはないので、この測定方法によれば、電極と容器との間のインピーダンスの変化の影響を受けにくいスラグ層厚さ測定方法を提供できる。
【0063】
請求項5記載のスラグ層厚さ測定方法によれば、電極の移動距離を直接測定する必要がなく、測定方法が簡便になるスラグ層厚さ測定方法を提供できる。
【0064】
請求項6記載のスラグ層厚さ測定装置によれば、電極の電位の変化が、基準電位と、この基準電位よりも高い高電位と、この基準電位よりも低い低電位のいずれかへの変化であり、変化をデジタル的にとらえることができるので、変化の検知を正確に行なうことができ、これらの検知を基にして、電極の移動距離を正確に求めることができることから、スラグ層の厚さを正確に知ることができるスラグ層厚さ測定装置を提供できる。
また、電極に接続されたコネクタなどの接触抵抗により、電極と容器との間のインピーダンスが変化しても、電極の電位の変化は、基準電位と、この基準電位よりも高い高電位と、この基準電位よりも低い低電位のいずれかへの変化であることに変わりはないので、この測定方法によれば、電極と容器との間のインピーダンスの変化の影響を受けにくいスラグ層厚さ測定装置を提供できる。
【0065】
請求項7記載のスラグ層厚さ測定装置によれば、請求項6記載のスラグ層厚さ測定装置の効果に加えて、次の効果を有する。即ち、このスラグ層厚さ測定装置によれば、電極の移動距離を直接測定する必要がなく、従って、測定方法が簡便になるスラグ層厚さ測定装置を提供できる。
【0066】
請求項8記載のスラグ層厚さ測定装置によれば、電極の移動速度を予め定めておく必要がないスラグ層厚さ測定装置を提供できる。
【0067】
請求項9記載のスラグ層厚さ測定装置によれば、溶鋼用のスラグ層厚さ測定装置を提供できる。
【0068】
請求項10記載のスラグ層厚さ測定装置によれば、スラグ層厚さの測定の際、電極溶融しにくいスラグ層厚さ測定装置を提供することができる。
【0069】
請求項11記載のスラグ層厚さ測定装置によれば、同時に、スラグ層の厚さの測定と、酸素濃度の測定を行なうことができると共に、電極を併用できるので、測定装置のコスト低減を図ることができる。
【0070】
請求項12記載のスラグ層厚さ測定装置によれば、電極と、酸素プローブのジルコニア極の双方に対して、スラグが付着するのを防止でき、また、同時に、スラグ層の厚さの測定と、酸素濃度の測定を行なうことができると共に、電極を併用できるので、測定装置のコスト低減を図ることができる。
【0071】
請求項13記載のスラグ層厚さ測定装置によれば、同時に、スラグ層の厚さの測定と、溶鋼温度の測定を行なうことができると共に、電極を併用できるので、測定装置のコスト低減を図ることができる。
【0072】
請求項14から請求項18に記載のスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法、あるいは、請求項19及び請求項20に記載のスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定装置によれば、上述のスラグ層厚さ測定方法またはスラグ層厚さ測定装置に使用される原理を用いることにより、スラグ層厚さの測定のみならず、溶融金属層の表面レベル位置を測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1のスラグ層厚さ測定方法の原理を示した説明図
【図2】本発明の第3のスラグ層厚さ測定方法の原理を示した説明図
【図3】図2の等価回路図
【図4】図3の等価回路図で、(a)は電極が溶融金属層に位置している場合、(b)は電極がスラグ層に位置している場合、(c)は電極が大気層に位置している場合を示す。
【図5】電極を、溶融金属層からスラグ層を通って大気層まで上昇移動させた場合の、容器の電位を基準電位とした電極の電位の変化を示した図
【図6】2個の電極を用いて電極の移動速度を測定する方法の説明図で、(a)はその原理、(b)は各電極の電位の変化を示す。
【図7】本発明の第1のスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法の原理を示した説明図
【図8】本発明の第1実施例であるスラグ層厚さ測定装置の構成を示した説明図
【図9】図8における、電極、プローブ、及びランスの接合部分の構造を示した説明図
【図10】第1実施例の電極の移動時間と移動速度からその移動距離を求める方法を用いたスラグ層厚さ測定装置のディスプレイの表示例
【図11】(a)、(b)、(c)、(d)共に、第1実施例の電極の移動時間と移動速度からその移動距離を求める方法を用いたスラグ層厚さ測定装置における電極の電位の変化の表示例
【図12】送りねじ機構を採用したプローブの断面図
【図13】酸素濃度測定装置と併用したスラグ層厚さ測定装置の構成図(1)
【図14】酸素濃度測定装置と併用したスラグ層厚さ測定装置の構成図(2)
【図15】本発明の第2実施例であるスラグ層厚さ及び溶鋼層表面レベル位置測定装置の構成を示した説明図
【符号の説明】
1 容器
2 溶融金属層
3 スラグ層
4 大気層
5 電極
6 スラグ層厚さ
7 溶融金属−スラグ界面通過時点
8 スラグ−大気界面通過時点
9 定点
10 定点から溶融金属層の表面までの距離
11 直流電源Vcc
12 抵抗Rx
13 電位測定手段
19 切換スイッチ
21 電極
22 電極
23 測定装置
25 真空槽
26 浸漬管
27 光源
28 定点検知用マーク
29 センサ
31 転炉
32 溶鋼層
33 スラグ層
34 大気層
35 電極
36 プローブ
37 ランス
38 ランス移動装置
39 エンコーダ
40a、40b 計測装置
41 直流電源Vcc
42 抵抗Rx
43 電極電位測定回路(アナログ回路)
44 ランス移動制御回路
45 エンコーダパルスカウント回路
46 定点検知回路
47 マイクロコンピュータ
48 ディスプレイ
49 定点
51 接触コンタクト
52 リング接触子
61 ランス(プローブ)
62 ライフル溝具内径部
63 ランス保持部
64 ランス保持部取り付け台
65 電極
71 ジルコニア電極
72 溶鋼電極
73 酸素プローブ
74 酸素濃度測定器
75 スラグ層厚さ測定器
76 石英管
Claims (15)
- 溶融金属層表面にスラグ層が浮遊する溶湯の、前記スラグ層の厚さを測定する方法において、前記溶融金属層から前記スラグ層を通って前記スラグ層の上層を占める大気層まで電極を上昇移動させて、前記溶湯を収容して導電性を帯びた容器と前記電極との間の電気的特性である電極−容器間特性を監視し、この電極−容器間特性が、前記電極が前記溶融金属層に没入しているときの前記溶融金属層の介在による導電性から、前記電極が前記スラグ層へ移動して電解質として機能する前記スラグ層の介在による発電性に移行する時点である溶融金属−スラグ界面通過時点と、前記電極が前記スラグ層から前記大気層へ脱出して、前記電極−容器間特性が、前記発電性から前記大気層の介在による絶縁性に移行する時点であるスラグ−大気界面通過時点とを検知すると共に、前記溶融金属−スラグ界面通過時点から前記スラグ−大気界面通過時点までに、前記電極が移動した移動距離を計測して、前記スラグ層の厚さとしてなるスラグ層厚さ測定方法であって、
前記電極と前記容器との間に、前記電極側を陰極とした直流電源Vccとこの電源と直列接続された抵抗Rxを挿入し、且つ、前記直流電源Vccと前記抵抗Rxの値を、前記電極が前記スラグ層に没入しているときに、前記容器の電位を基準電位0Vとした前記電極の電位がプラス電位となるように設定すると共に、
前記電極を前記溶融金属層から前記大気層まで上昇移動させて、前記基準電位0Vに対する前記電極の電位を測定し、
前記溶融金属−スラグ界面通過時点として、前記電極の電位が前記基準電位0Vから前記プラス電位へ変化する時点を、
また、前記スラグ−大気界面通過時点として、前記電極の電位が前記プラス電位からマイナス電位へ変化する時点を、
検知してなるスラグ層厚さ測定方法。 - 溶融金属層表面にスラグ層が浮遊する溶湯の、前記スラグ層の厚さを測定する方法において、前記スラグ層の上層を占める大気層から前記スラグ層を通って前記溶融金属層まで電極を降下移動させて、前記溶湯を収容して導電性を帯びた容器と前記電極との間の電気的特性である電極−容器間特性を監視し、この電極−容器間特性が、前記電極が前記大気層にあるときの大気の介在による絶縁性から、前記電極が前記スラグ層に没入して電解質として機能する前記スラグ層の介在による発電性に移行する時点である大気−スラグ界面通過時点と、前記電極が前記スラグ層から前記溶融金属層へ移動して、前記電極−容器間特性が、前記発電性から前記溶融金属層の介在による導電性に移行する時点であるスラグ−溶融金属界面通過時点とを検知すると共に、前記大気−スラグ界面通過時点から前記スラグ−溶融金属界面通過時点までに、前記電極が移動した移動距離を計測して、前記スラグ層の厚さとしてなるスラグ層厚さ測定方法であって、
前記電極と前記容器との間に、前記電極側を陰極とした直流電源Vccとこの電源と直列接続された抵抗Rxを挿入し、且つ、前記直流電源Vccと前記抵抗Rxの値を、前記電極が前記スラグ層に没入しているときに、前記容器の電位を基準電位0Vとした前記電極の電位がプラス電位となるように設定すると共に、
前記電極を前記大気層から前記溶融金属層まで降下移動させて、前記基準電位0Vに対する前記電極の電位を測定し、
前記大気−スラグ界面通過時点として、前記電極の電位がマイナス電位から前記プラス電位へ変化する時点を、
また、前記スラグ−溶融金属界面通過時点として、前記電極の電位が前記プラス電位から前記基準電位0Vへ変化する時点を、
検知してなるスラグ層厚さ測定方法。 - 前記電極の上昇移動または降下移動の移動速度を一定とすると共に、
前記電極を前記溶融金属層から前記大気層まで上昇移動させる方法を用いた場合は、前記溶融金属−スラグ界面通過時点から前記スラグ−大気界面通過時点までの、前記電極の移動時間を計測し、
前記電極を前記大気層から前記溶融金属層まで降下移動させる方法を用いた場合は、前記大気−スラグ界面通過時点から前記スラグ−溶融金属界面通過時点までの、前記電極の移動時間を計測し、
前記電極の前記移動距離を計測するのに代えて、
前記電極の前記移動速度と前記移動時間から、演算により前記電極の前記移動距離を求めてなる請求項1または請求項2に記載のスラグ層厚さ測定方法。 - 電極と、
溶融金属層表面にスラグ層が浮遊する溶湯を収容して導電性を帯びた容器と、
前記電極を前記溶融金属層から前記スラグ層を通って前記スラグ層の上層を占める大気層まで上昇移動させ、あるいは、前記大気層から前記スラグ層を通って前記溶融金属層まで降下移動させる電極移動手段と、
前記電極と前記容器との間に、前記電極側を陰極とした直流電源Vccとこの電源と直列接続された抵抗Rxを挿入すると共に、前記直流電源Vccと前記抵抗Rxの値を、前記電極が前記スラグ層に没入しているときに、前記容器の電位を基準電位0Vとして、
前記電極の電位がプラス電位となるように設定して形成された測定回路と、
前記基準電位0Vに対する前記電極の電位を測定する電位測定手段と、
前記電位測定手段が検知した、前記基準電位0Vから前記プラス電位へ変化する時点
から、前記プラス電位からマイナス電位へ変化する時点までの、あるいは、前記マイナス電位から前記プラス電位へ変化する時点から、前記プラス電位から前記基準電位0V
へ変化する時点までの、前記電極の移動距離を計測する電極移動距離計測手段と、
で構成されてなるスラグ層厚さ測定装置。 - 電極と、
溶融金属層表面にスラグ層が浮遊する溶湯を収容して導電性を帯びた容器と、
移動速度を一定として、前記電極を、前記溶融金属層から前記スラグ層を通って前記スラグ層の上層を占める大気層まで上昇移動させ、あるいは、前記大気層から前記スラグ層を通って前記溶融金属層まで、降下移動させる電極移動手段と、
前記電極と前記容器との間に、前記電極側を陰極とした直流電源Vccと、この電源と直列接続された抵抗Rxを挿入すると共に、前記直流電源Vccと前記抵抗Rxの値を、前記電極が前記スラグ層に没入しているときに、前記容器の電位を基準電位0Vとして、前記電極の電位がプラス電位となるように設定して形成された測定回路と、
前記基準電位0Vに対する前記電極の電位を測定する電位測定手段と、
前記電位測定手段が検知した、前記基準電位0Vから前記プラス電位へ変化する時点
から、前記プラス電位からマイナス電位へ変化する時点までの、あるいは、前記マイナス電位から前記プラス電位へ変化する時点から、前記プラス電位から前記基準電位0Vへ変化する時点までの、前記電極の移動時間を計測する電極移動時間計測手段と、
前記電極の前記移動速度と前記移動時間とから、演算により前記電極の移動距離を求める電極移動距離演算手段と、
で構成されてなるスラグ層厚さ測定装置。 - 前記溶融金属を溶鋼としてなる請求項4または請求項5に記載のスラグ層厚さ測定装置。
- 前記電極の材質を、Mo、Co、Cr、Mnの中から、少なくとも一つを含む鉄の合金としてなる請求項6記載のスラグ層厚さ測定装置。
- 前記電極を、酸素濃度測定用の酸素プローブの溶鋼電極と併用してなる請求項6または請求項7記載のスラグ層厚さ測定装置。
- 前記電極と、酸素濃度測定用の酸素プローブのジルコニア極との下部先端位置をそろえると共に、双方の先端部分以外の部分を石英管等の防護用パイプで覆ってなる請求項8記載のスラグ層厚さ測定装置。
- 前記電極を溶鋼温度測定プローブへ取り付けてなる請求項6から請求項9のいずれか1項に記載のスラグ層厚さ測定装置。
- 溶融金属層表面にスラグ層が浮遊する溶湯を収容して導電性を帯びた容器の開口部上方で、前記容器から予め定められた一定距離離れて位置する定点から前記溶融金属層の表面までの距離、及び、前記スラグ層の厚さを測定する方法において、前記溶融金属層から前記スラグ層を通って前記スラグ層の上層を占める大気層中の前記定点まで電極を上昇移動させて、前記容器と前記電極との間の電気的特性である電極−容器間特性を監視し、この電極−容器間特性が、前記電極が前記溶融金属層に没入しているときの前記溶融金属層の介在による導電性から、前記電極が前記スラグ層へ移動して電解質として機能する前記スラグ層の介在による発電性に移行する時点である溶融金属−スラグ界面通過時点と、前記電極が前記スラグ層から前記大気層へ脱出して、前記電極−容器間特性が、前記発電性から、前記大気層の介在による絶縁性に移行する時点であるスラグ−大気界面通過時点とを検知すると共に、前記溶融金属−スラグ界面通過時点から前記スラグ−大気界面通過時点までに、前記電極が移動した移動距離を計測して、前記スラグ層の厚さとすると共に、前記溶融金属−スラグ界面通過時点から前記定点までに、前記電極が移動した移動距離を計測して、前記定点から前記溶融金属層の表面までの距離としてなるスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法であって、
前記電極と前記容器との間に、前記電極側を陰極とした直流電源Vccと、この電源と直列接続された抵抗Rxを挿入し、且つ、前記直流電源Vccと前記抵抗Rxの値を、前記電極が前記スラグ層に没入しているときに、前記容器の電位を基準電位0Vとした前記電極の電位がプラス電位となるように設定すると共に、
前記電極を前記溶融金属層から前記大気層まで上昇移動させて、前記基準電位0Vに対する前記電極の電位を測定し、
前記溶融金属−スラグ界面通過時点として、前記電極の電位が、前記基準電位0Vから前記プラス電位へ変化する時点を、
また、前記スラグ−大気界面通過時点として、前記電極の電位が、前記プラス電位からマイナス電位へ変化する時点を、
検知してなるスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法。 - 溶融金属層表面にスラグ層が浮遊する溶湯を収容して導電性を帯びた容器の開口部上方で、前記容器から予め定められた一定距離離れて位置する定点から前記溶融金属層の表面までの距離、及び、前記スラグ層の厚さを測定する方法において、前記スラグ層の上層を占める大気層中の前記定点から前記スラグ層を通って前記溶融金属層まで、電極を降下移動させて、前記溶湯を収容して導電性を帯びた容器と、前記電極との間の電気的特性である電極−容器間特性を監視し、この電極−容器間特性が、前記電極が前記大気層にあるときの大気の介在による絶縁性から、前記電極が前記スラグ層に没入して電解質として機能する前記スラグ層の介在による発電性に移行する時点である大気−スラグ界面通過時点と、前記電極が前記スラグ層から前記溶融金属層へ移動して、前記電極−容器間特性が、前記発電性から、前記溶融金属層の介在による導電性に移行する時点であるスラグ−溶融金属界面通過時点とを検知すると共に、前記定点から前記スラグ−溶融金属界面通過時点までに、前記電極が移動した移動距離を計測して、前記定点から前記溶融金属層の表面までの距離とすると共に、前記大気−スラグ界面通過時点から前記スラグ−溶融金属界面通過時点までに、前記電極が移動した移動距離を計測して、前記スラグ層の厚さとしてなるスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法であって、
前記電極と前記容器との間に、前記電極側を陰極とした直流電源Vccと、この電源と直列接続された抵抗Rxを挿入し、且つ、前記直流電源Vccと前記抵抗Rxの値を、前記電極が前記スラグ層に没入しているときに、前記容器の電位を基準電位0Vとした前記電極の電位がプラス電位となるように設定すると共に、
前記電極を前記大気層から前記溶融金属層まで降下移動させて、前記基準電位0Vに対する前記電極の電位を測定し、
前記大気−スラグ界面通過時点として、前記電極の電位が、マイナス電位から前記プラス電位へ変化する時点を、
また、前記スラグ−溶融金属界面通過時点として、前記電極の電位が、前記プラス電位から前記基準電位0Vへ変化する時点を、
検知してなるスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法。 - 前記電極の上昇移動または降下移動の移動速度を一定とすると共に、
前記電極を前記溶融金属層から前記大気層まで上昇移動させる方法を用いた場合は、
前記スラグ層の厚さ算出用として、前記溶融金属−スラグ界面通過時点から前記スラグ−大気界面通過時点までの、前記電極の移動時間を計測し、
前記定点から前記溶融金属層の表面までの距離算出用として、前記溶融金属−スラグ界面通過時点から前記定点までの、前記電極の移動時間を計測し、
前記電極を前記大気層から前記溶融金属層まで降下移動させる方法を用いた場合は、
前記定点から前記溶融金属層の表面までの距離算出用として、前記定点から前記スラグ−溶融金属界面通過時点までの、前記電極の移動時間を計測し、
前記スラグ層の厚さ算出用として、前記大気−スラグ界面通過時点から前記スラグ−溶融金属界面通過時点までの、前記電極の移動時間を計測し、
前記電極の各前記移動距離を計測するのに代えて、
前記電極の前記移動速度と各前記移動時間とから、演算により前記電極の各前記移動距離を求めてなる請求項11または請求項12に記載のスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定方法。 - 電極と、
溶融金属層表面にスラグ層が浮遊する溶湯を収容して導電性を帯びた容器と、
前記電極を、前記溶融金属層から、前記スラグ層を通って前記スラグ層の上層を占める大気層中の、前記容器の開口部上方で、前記容器から予め定められた一定距離離れて位置する定点まで上昇移動させ、あるいは、前記大気層中の前記定点から、前記スラグ層を通って前記溶融金属層まで、降下移動させる電極移動手段と、
前記電極と前記容器との間に、前記電極側を陰極とした直流電源Vccと、この電源と直列接続された抵抗Rxを挿入すると共に、前記直流電源Vccと前記抵抗Rxの値を、前記電極が前記スラグ層に没入しているときに、前記容器の電位を基準電位0Vとして、前記電極の電位がプラス電位となるように設定して形成された測定回路と、
前記基準電位0Vに対する前記電極の電位を測定する電位測定手段と、
前記スラグ層の厚さ測定用として、前記電位測定手段が検知した、前記基準電位0Vから前記プラス電位へ変化する時点から、前記プラス電位からマイナス電位へ変化する時点までの、あるいは、前記マイナス電位から前記プラス電位へ変化する時点から、前記プラス電位から前記基準電位0Vへ変化する時点までの、前記電極の移動距離を計測するスラグ層厚さ測定用電極移動距離計測手段と、
前記定点から前記溶融金属層の表面までの距離測定用として、前記電位測定手段が検知した前記基準電位0Vから前記プラス電位へ変化する時点から前記定点までの、あるいは、前記定点から、前記プラス電位から前記基準電位0Vへ変化する時点までの、前記電極の移動距離を計測する溶融金属層表面レベル位置測定用電極移動距離計測手段と、
で構成されてなるスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定装置。 - 電極と、
溶融金属層表面にスラグ層が浮遊する溶湯を収容して導電性を帯びた容器と、
前記電極を、移動速度を一定として、前記溶融金属層から、前記スラグ層を通って前記スラグ層の上層を占める大気層中の、前記容器の開口部上方で、前記容器から予め定められた一定距離離れて位置する定点まで上昇移動させ、あるいは、前記大気層中の前記定点から、前記スラグ層を通って前記溶融金属層まで降下移動させる電極移動手段と、
前記電極と前記容器との間に、前記電極側を陰極とした直流電源Vccと、この電源と直列接続された抵抗Rxを挿入すると共に、前記直流電源Vccと前記抵抗Rxの値を、前記電極が前記スラグ層に没入しているときに、前記容器の電位を基準電位0Vとして、前記電極の電位がプラス電位となるように設定して形成された測定回路と、
前記基準電位0Vに対する前記電極の電位を測定する電位測定手段と、
前記スラグ層の厚さ測定用として、前記電位測定手段が検知した、前記基準電位0Vから前記プラス電位へ変化する時点から、前記プラス電位からマイナス電位へ変化する時点までの、あるいは、前記マイナス電位から前記プラス電位へ変化する時点から、前記プラス電位から前記基準電位0Vへ変化する時点までの、前記電極の移動時間を計測するスラグ層厚さ測定用電極移動時間計測手段と、
前記定点から前記溶融金属層の表面までの距離測定用として、前記電位測定手段が検知した、前記基準電位0Vから前記プラス電位へ変化する時点から前記定点までの、あるいは、前記定点から、前記プラス電位から前記基準電位0Vへ変化する時点までの、前記電極の移動時間を計測する溶融金属層表面レベル位置測定用電極移動時間計測手段と、
前記電極の前記移動速度と各前記移動時間とから、演算により前記電極の移動距離を求める電極移動距離演算手段と、
で構成されてなるスラグ層厚さ及び溶融金属層表面レベル位置測定装置。
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