JP5126464B2 - ステッピングモータ及びカメラの焦点調整用アクチュエータ - Google Patents

ステッピングモータ及びカメラの焦点調整用アクチュエータ Download PDF

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Description

本発明は、ステッピングモータに係り、特に、光ディスク装置やカメラのレンズ駆動用に用いられる小型・細径のステッピングモータに関するものである。
従来から、光ディスク装置、ビデオカメラやデジタルカメラなどの機器の小型化の要求に伴い、装置内に収容されるレンズ駆動用のステッピングモータも収容スペースに合わせて小型化が要求されるようになって来ている。かかる要求に対し、外周面に多極着磁したマグネットを備えるロータと、その外周面に近接対向する極歯部を備える外ヨーク、内ヨーク、それを励磁する励磁コイルを巻回したコイルボビン等を具備したステータを備え、コイルボビンをマグネットの軸方向両端側に配置することにより、モータの外径を、マグネットの外径に極歯部の厚みを加えた値にほぼ等しい径まで小型化したステッピングモータが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
具体的には、図7の断面図、図8の分解斜視図に示されているように、ステッピングモータ100は外周面に多極着磁したロータマグネット111を持つロータ110と、ロータ110を軸方向に挟んでその近傍に対向する2組のステータ120とを有し、ステータ120の励磁コイル125をロータマグネット111の軸方向両端側に各々配置した、クローポール型ステッピングモータである。ステータ120は、ロータマグネット111の軸方向両端側に各々配置されており、ステータ120は多極着磁したロータマグネット111の外周に近接対向する極歯部123bを備える外ヨーク123と、極歯部121bを備える内ヨーク121と、外ヨーク123及び内ヨーク121を励磁するためのコイル125が巻回された、コイルボビン122とからなる。
内ヨーク121は磁性材により形成され、コイルボビン122のロータマグネット111の円盤状の側面と対向する一端面側に配置された平板部121aと、平板部121aから延びてロータマグネット111の外周端面と対向する複数の極歯部121bとを備えている。外ヨーク123も同様に磁性材により形成され、コイルボビン122の、内ヨーク121の平板部121aが配置された面とは反対側の側面に配置された平板部123a、及び、平板部123aから延びてロータマグネット111の外周面に対向する複数の極歯部123bとを備えている。そして、内ヨーク121の極歯部121bと外ヨーク123の極歯部123bとが、同一円周上で交互に噛合い円筒状の空間が形成されている。しかも、外ヨーク123の極歯部123bと内ヨーク121の極歯部121bとは、電気角で180度の位相差をもって配置されている。コイルボビン122の外周端部には、端子ピン126が植設された端子台122bが形成されている。内ヨーク121と外ヨーク123は、コイルボビン122の内径側にあって、内ヨーク121の平板部121aに形成された開口と、外ヨーク123の平板部123aに形成された開口とに、磁性材からなる円筒状のボス124が夫々嵌合されることで、内ヨーク121と外ヨーク123とは、互いに磁気的及び機械的に結合している。そして、ステータ120の間に挟まれた、非磁性材からなるスペーサ134によって、2組のステータ120間における不要な磁気ループの発生を防止している。
更に、各ステータ120は、非磁性材からなるケース131によって外側から覆われ、ケース131の開放端がブラケット132によってふさがれることで、2組のステータ120が互いに固定されている。なお、符号113は樹脂製のワッシャ、符号133は軸受であり、ロータ110のシャフト112は、この軸受133を介してケース131及びブラケット132に軸支されている。
特開2003−9497号公報
さて、上記従来のステッピングモータ100は、小型・小径に構成されていることから、特にビデオカメラやデジタルカメラ等のズームやフォーカシング動作におけるレンズ駆動用モータとして用いられている。しかしながら、以下の理由から、所望の位置への移動及び位置決め(アクセス)を高速かつ高精度に行うといった、近年のフォーカシング動作の要求を満たすことが困難となっている。ところで、所望の位置へのアクセスを高速かつ高精度に行うには、高速応答性に優れていることが必要であるが、ステッピングモータの高速応答性は、ロータ110の慣性モーメントの影響を大きく受けるものであり、低慣性モーメント化が高速応答性を実現するために必要不可欠であることは周知のことである。このため、ロータマグネット111の軽量化がロータ110の慣性モーメントの低減に有効となる。
ここで、円柱状回転体の慣性モーメントは、円柱状回転体の直径の四乗、長さ、密度に比例するものであることに鑑み、ロータの慣性モーメントの低減手法として、(i)ロータマグネットの内周端に、非磁性材からなるスリーブの形成、(ii)ロータマグネットの軸方向の長さ(厚さ)の低減、(iii)ロータマグネットの外径寸法の低減、等が挙げられる。しかしながら、図7に示す従来のステッピングモータ100において、ビデオカメラやデジタルカメラなどに用いられるタイプでは、小型・小径化の要求から、ステッピングモータ100の外径寸法は6mmと細径化されている。このため、ロータマグネット111の内周端に非磁性材からなるスリーブを形成する(i)の手法を採用することは、設置スペースの確保の点で、実現が非常に困難である。又、ロータマグネット111の軸方向の長さ(厚さ)を低減する(ii)の手法は、モータトルクが大幅に低減してしまい、所定のモータトルクを得られないという欠点がある。
一方、ロータマグネット111の外径寸法を低減する(iii)の手法は、ロータ110の慣性モーメントの低減手法として最も効果的であるが、ロータマグネット111と極歯部121b、123bとの隙間(距離)が必要以上に拡大し、その結果としてモータトルクが大幅に低減してしまい、所定のモータトルクを得ることができないという問題が生じてしまう。なお、(iii)の手法において、ロータマグネット111と極歯部121b、123bとの空隙(距離)の拡大を防止するため、極歯部121b、123bを内径側に折り曲げて空隙を必要程度まで狭める手法を採ろうとしても、極歯部121b、123bによって形成される内側の空間の直径寸法が、コイルボビン122の外径寸法よりも小さくなり、コイルボビン122を配置できなくなるという問題が生じてしまう。一方、極歯部121b、123bによって狭められた内側の空間の直径寸法に合わせて、更にコイルボビン122の外径寸法を小さくした場合、コイル125の巻き数が減少することにより起磁力が減少する結果、所定のモータトルクを得ることが困難となる。 このように、従来のステッピングモータ100の構造を踏襲する限り、必要なモータトルクを確保しつつ、ロータの慣性モーメントを低減するための対策を採ることが困難であった。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小型・細径のステッピングモータにおいて、所望のモータ特性を得るために、ロータマグネットの外径寸法を減少させる等、内部レイアウトの選択の自由度を高めることを可能とするものである。そして、小型・細径のステッピングモータにおいて、モータトルク低下を来たすことなくロータの慣性モーメントを低減し、必要な高速応答性を確保することにある。
上記課題を解決するために、本発明のステッピングモータは、ロータマグネットの軸方向両側に配置されたステータから軸方向に突出する極歯部によって、ロータマグネットの外周面が包囲されたステッピングモータであって、ステータを構成するステータヨークの、極歯部を別体構造とすることにより、ロータの外径寸法を減少させる等ステータ構造の選択の自由度を高めるための対応を容易とし、ロータの慣性モーメントを低減し、必要な高速応答性を確保するものである。
又、本発明のカメラの焦点調整用アクチュエータは、本発明に係るステッピングモータを備えることで、小型でありながら、高速かつ正確に焦点調整を行うことが可能である。
(発明の態様)
以下の発明の態様は、本発明の構成を例示するものであり、本発明の多様な構成の理解を容易にするために、項別けして説明するものである。なお、各項は、本発明の技術的範囲を限定するものではない。よって、発明を実施するための最良の形態を参酌しつつ、各項の構成要素の一部を置換し、削除し、又は、更に他の構成要素を付加したものについても、本願発明の技術的範囲に含まれ得るものである。
(1)ロータマグネットの軸方向両側に配置されたステータから軸方向に突出する極歯部によって、ロータマグネットの外周面が包囲されたステッピングモータであって、
前記ステータは、コイルボビンと、一方端に底壁を備え他方端が開放され、前記コイルボビンが格納される有底円筒状のハウジングと、第1・第2のステータヨークとを含み、
前記コイルボビンは、巻芯部と、該巻芯部の両端にフランジ部とを備え、該フランジ部の一方には端子台が一体に形成され、
前記ハウジングの円筒壁には、前記端子台を前記ハウジングの外部へ突出させるための切欠きが形成され、前記ハウジングの底壁中央部には、貫通孔と、該貫通孔からハウジングの内部に向けて突出し、前記コイルボビンの中心穴を貫通する円筒状のコアとが設けられ、
前記第1のステータヨークには、環状部と、該環状部の内周端に沿って等間隔に配置され軸方向に突出する複数の極歯部とが設けられ、
前記第2のステータヨークには、環状部と、該環状部の外周端に沿って等間隔に配置され軸方向に突出する複数の極歯部とが設けられ、
前記ハウジングの開放端近傍の内壁に、前記第1のステータヨークの環状部が固定され、前記コアに、前記第2のステータヨークの環状部が固定されることで、前記第1のステータヨーク及び前記第2のステータヨークが、前記ハウジングを介して機械的及び磁気的に結合され、かつ、前記第1のステータヨークの極歯部と前記第2のステータヨークの極歯部とが同一円周上で交互に噛合い円筒状の空間が形成され、
該円筒状の空間にロータマグネットが配置され前記コアにロータマグネットの回転軸が挿通され、前記ハウジングの切欠きから突出する前記コイルボビンの端子台が、軸方向の側面同士が近接対向配置されるように、一対の前記ステータをロータマグネットの軸方向両側に対向配置し、前記ハウジングの開放端同士が密着固定してなることを特徴とするステッピングモータ(請求項1)。
本項に記載のステッピングモータは、有底円筒状のハウジングの底壁中央部に形成された貫通孔から、ハウジングの内部に向けて円筒状のコアが突出し、コイルボビンはその中心穴をコアが貫通するようにしてハウジング内に格納され、コイルボビンを貫通したコアに、第2のステータヨークが固定されることで、コイルボビンは、端子台がハウジングの切欠きから突出した状態で、ハウジングの底壁および円筒面内壁と、コアに固定される第2のステータヨークにより周囲を覆われた状態となる。更に、ハウジングの開放端近傍の内壁に第1のステータヨークが固定されることで、第1のステータヨーク及び第2のステータヨークが、ハウジングを介して機械的及び磁気的に結合され、かつ、第1のステータヨークの極歯部と第2のステータヨークの極歯部とが同一円周上で交互に噛合い、円筒状の空間が形成される。
すなわち、ハウジング及び第1のステータヨークによって、クローポール型ステッピングモータのステータの基本要素である外ヨークが構成され、第2のステータヨークによって、クローポール型ステッピングモータのステータの基本要素である、内ヨークが構成される。そして、円筒状の空間にロータマグネットが配置され、コアの中空穴にロータマグネットの回転軸が挿通され、更に、ハウジングの切欠きから突出する端子台が、軸方向の側面同士が近接対向配置されるように、一対のステータをロータマグネットの軸方向両側に対向配置し、ハウジングの開放端同士が密着固定することで、ロータマグネットの外周端面と各極歯部とが必要最小限の距離を空けて対向し、小型・細径のステッピングモータでありながら、所定のモータトルクを発生させることが可能となる。
なお、ハウジングとコアとの固定方法として、例えば、底壁中央部に形成された貫通孔に対し、円筒状のコアを圧入する方法を用いることが可能である。又、ハウジングの開放端近傍の内壁に第1のステータヨークの環状部を固定する方法として、例えば、環状部の外周端をハウジングの内壁に圧入する方法を用いることが可能である。更に、コアに第2のステータヨークの環状部を固定する方法として、例えば、環状部の内周端をコアの外周壁に圧入する方法を用いることが可能である。
又、本発明のステータは、ハウジング内部に第1のステータヨーク、第2のステータヨーク、コイルボビン及びコアが全て格納されるものであり、しかも、ハウジングの開放端が、第1のステータヨークによって塞がれる構造を有している。そこで、上記各固定作業を行う際に、ハウジングの開放端近傍の内壁に第1のステータヨークの環状部を固定する作業を最後に行うことで、ハウジングの底壁中央にコアを固定する作業、コイルボビンの中心穴をコアに貫通させるようにして、ハウジングにコイルボビンを格納する作業、コアに第2のステータヨークを固定する作業を、全て円滑に行うことができる。
(2)前記第1のステータヨークの環状部の内周端に沿って等間隔に配置された複数の極歯部は、ハウジングの底壁方向に突出し、前記第2のステータヨークの環状部の外周端に沿って等間隔に配置された複数の極歯部は、ハウジングの開放端方向に突出することを特徴とするステッピングモータ(請求項2)。
本項に記載のステッピングモータは、第1のステータヨークの極歯部と第2のステータヨークの極歯部とが、同一円周に交互に噛合うのみならず、軸方向にも交互に噛合って円筒状の空間が形成されることにより、ステータの軸方向の空間の有効利用を図り、軸方向の寸法増大を防いでいる。
(3)前記ロータマグネットは、前記コイルボビンの外径寸法よりも小径に形成され、
前記第1のステータヨークの極歯部と前記第2のステータヨークの極歯部とが交互に噛合って形成される円筒状空間の内径が、前記ロータマグネットの外径寸法に合わせて、前記コイルボビンの外径寸法より小径となるように形成されているステッピングモータ(請求項3)。
本項に記載のステッピングモータは、ロータマグネットがコイルボビンの外径寸法よりも小径に形成されることで、ロータの慣性モーメントが低減され、必要な高速応答性を確保するものである。又、同一円周上で第1のステータヨークの極歯部と第2のステータヨークの極歯部とが交互に噛合って形成される円筒状空間の内径が、ロータマグネットの外径寸法に合わせて、コイルボビンの外径寸法より小径となるように形成されていることで、ロータマグネットの外周端面と各極歯部とが必要最小限の距離を空けて対向し、必要なモータトルクを発生するものとなる。
なお、本発明は、ハウジングの開放端近傍の内壁に、第1のステータヨークの環状部が固定される構造、すなわち、クローポール型ステッピングモータのステータの基本要素である外ヨークの、極歯部がハウジングと別体に形成されていることから、ロータマグネットがコイルボビンの外径寸法よりも小径に形成され、ロータマグネットの外径寸法に合わせて、極歯部により形成される円筒状空間の内径が、コイルボビンの外径寸法よりも小径に形成されることにより、コイルボビンに対し極歯部が軸方向視でオーバーラップする構造を採用しても、各部の組立に何ら支障を来たすものではない。
(4)前記コイルボビンは、前記コアの半径方向外側に隣接して配置される小径部と、前記第2のステータヨークの極歯部の半径方向外側に隣接して配置される大径部とからなる段付き円筒状の巻芯部を備え、前記小径部及び前記大径部の双方にコイルが巻回されてなるステッピングモータ(請求項4)。
本項に記載のステッピングモータは、コイルボビンが、コアの半径方向外側に隣接して配置される小径部と、第2のステータヨークの極歯部の半径方向外側に隣接して配置される大径部とからなる段付き円筒状の巻芯部を備え、小径部及び大径部の双方にコイルが巻回されることでコイルのターン数が増大することにより、コイルの起磁力が増大し、モータトルクを増加させるものである。
(5)前記コイルボビンは円筒状の巻芯部の両端から半径方向外側に広がるフランジ部を備え、前記フランジ部の一方には端子台が形成され、前記ハウジングの円筒壁には、ハウジング内部から外部へと前記端子台を露出させるための切欠きが形成されているステッピングモータ。
本項に記載のステッピングモータは、コイルボビンのフランジ部によってコイルの巻き端位置が確定される。又、フランジ部の一方には端子台が形成されることで、コイル両端部に接続される端子が、端子台によってコイルボビンに固定される。しかも、ハウジングの円筒壁には、ハウジング内部から外部へと端子台を露出させるための切欠きが形成されており、ハウジングに対するコイルボビンの位置が、端子台と切欠きとによって確実に定められる。
(6)ロータマグネットの軸方向両側に配置されたステータは、ハウジング同士が直接固定されているステッピングモータ。
本項に記載のステッピングモータは、ハウジング同士が直接固定されることで、ステータの外径寸法が、そのままステッピングモータの外径寸法となる。
(7)上記(1)から(4)のいずれか1項記載のステッピングモータを備えるカメラの焦点調整用アクチュエータ(請求項5)。
本項に記載のカメラの焦点調整用アクチュエータは、上記(1)から(4)のいずれか1項記載のステッピングモータの特徴を具備するものであることから、小型でありながら、高速かつ正確に焦点調整を行うことが可能である。
本発明はこのように構成したので、小型・細径のステッピングモータにおいて、所望のモータ特性を得るために、ロータマグネットの外径寸法を減少させる等、内部レイアウトの選択の自由度を高めることが可能となる。そして、小型・細径のステッピングモータにおいて、モータトルク低下を来たすことなくロータの慣性モーメントを低減し、必要な高速応答性を確保することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分、若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
本発明の第1の実施の形態に係るステッピングモータ1は、図1、図2に示されるように、ロータ2(図2)を構成するロータマグネット3の、軸方向両側に配置された一対のステータ5から軸方向に突出する極歯部7b、8bによって、ロータマグネット3の外周面が包囲された、PM型(クローポール型)ステッピングモータである。ロータマグネット3の外周面は多極着磁されており、中心部には回転軸4が貫通している。本実施の形態では、ロータマグネット3は、Nd−Fe−B系のボンド磁石であり、接着剤によって回転軸4に固定されている。
説明の便宜上、一方のステータをA相のステータ5Aとし、他方のステータをB相のステータ5Bとする。このA相のステータ5Aと、B相のステータ5Bとは、電気角で90度の位相差となるように、位置決めされている。なお、A相のステータ5AとB相のステータ5Bとは同一構造であることから、A相のステータ5Aのみ、以下に詳しく説明する。
図3、図4に示されるように、A相のステータ5Aは、コイルボビン9と、コイルボビンが格納される有底円筒状のハウジング6と、第1のステータヨーク7と、第2のステータヨーク8とを含んでいる。ここで、コイルボビン9は非磁性材料からなり、ハウジング6、第1のステータヨーク7、第2のステータヨーク8は磁性材からなるものである。本実施の形態では、コイルボビン9は合成樹脂(例えば、液晶ポリマー)を用いて射出成形されたものであり、一定半径の円筒状の巻芯部の両端から半径方向外側に広がるフランジ部9aを備えている。又、フランジ部9aの一方には端子台9bが一体に形成されている。そして、端子台9bには、端子ピン9cが一体成形され、端子ピン9cには、コイルボビン9に巻回されたコイル10のリード部が接続される。
一方、ハウジング6は、軟磁性の板材(例えば、電磁鋼板、ケイ素鋼板、純鉄板等)が用いられ、絞り加工によって成形されたものである。ハウジング6の円筒壁には、コイルボビン9の端子台9bをハウジング6の内部から外部へと露出させるための、切欠き6aが形成されている。又、ハウジング6の底壁中央部には、貫通孔6b(図2)が形成されている。そして、貫通孔6bから、ハウジング6の内部に向けて突出し、コイルボビン9の中心穴9dを貫通する円筒状のコア11が設けられている。円筒状のコア11は、磁性材料(例えば、鉄系焼結合金、純鉄等)から形成されており、図示の例では、ハウジング6の貫通孔6bに圧入されることにより、ハウジング6とコア11とが、機械的及び磁気的に結合されるように、ハウジング6の貫通孔6b及びコア11の外径11bが設定されている。更に、コア11の中空穴11aには、含油焼結軸受12が圧入されており、含油焼結軸受12によって、ロータ2の回転軸4(図1、図2)が軸支される。
第1のステータヨーク7は、比較的大径の環状部7aと、環状部7aの内周端に沿って等間隔に配置され軸方向に突出する複数(図示の例では5個)の極歯部7bとが設けられている。環状部7aの外径は、ハウジング6の円筒状の内壁に圧入可能な直径であり、環状部7aの内径は、環状部7aに必要な強度が確保できるように設定される。なお、図示の例では、極歯部7bは、ハウジング6に固定された状態で、ハウジング6の底壁方向に突出するように曲げられている。又、極歯部7bに囲まれる円筒状の空間の内径(図4の中心穴7cの直径)は、後述する第2のステータヨーク8の、極歯部8bに囲まれる円筒状の空間の内径と同一径となっている。
第2のステータヨーク8は、比較的小径の環状部8aと、環状部8aの外周端に沿って等間隔に配置され軸方向に突出する複数(図示の例では5個)の極歯部8bとが設けられている。環状部8aの内径(図4の中心穴8cの直径)は、コア11の円筒状の外壁に圧入可能な直径であり、環状部8aの外径は、環状部8aに必要な強度が確保できるように設定される。なお、図示の例では、極歯部8bは、コア11に固定された状態で、ハウジング6の開放端方向に突出するように曲げられている。又、極歯部8bにより囲まれる円筒状の空間の内径は、前述の第1のステータヨーク7の、極歯部7bに囲まれる円筒状の空間の内径と同一径となっている。
そして、ハウジング6の開放端近傍の内壁に、第1のステータヨーク7の環状部7aが固定され、コア11に、第2のステータヨーク8の環状部8aが固定されることで、第1のステータヨーク7及び第2のステータヨーク8が、ハウジング6を介して機械的及び磁気的に結合され、かつ、第1のステータヨーク7の極歯部7bと第2のステータヨーク8の極歯部8bとが、同一円周上で交互に噛合い、図3に直径Dで示される円筒状の空間Sが形成される。そして、円筒状の空間Sに、図1に示されるようにロータマグネット3(図1)が配置され、コア11の中空穴11aにロータ2の回転軸4が挿通される。
なお、本実施の形態では、図1に示されるように、ロータマグネット3の外径寸法Dは、ステータ5のコイルボビン9の外径寸法Dよりも小径に形成されている。そして、同一円周上で第1のステータヨーク7の極歯部7bと第2のステータヨーク8の極歯部8bとが交互に噛合って形成される円筒状空間Sの内径Dも、ロータマグネット3の外径寸法Dに合わせて、コイルボビン9の外径寸法Dよりも小径となるように形成されている。
本発明の第1の実施の形態に係るステッピングモータ1の組立手順の一例は、以下の通りである。まず、図4を参照しながら、A相のステータ5Aの組立手順を説明する。最初に、ハウジング6に設けられた切欠き6aに、コイルボビン9の端子台9bを一致させて、コイルボビン9をハウジング6に挿入する。一方、予め中空穴11aに含油焼結軸受12が圧入されたコア11の一端を、第2のステータヨーク8の中心穴8cに圧入し、コア11の外周に第2のステータヨーク8の環状部8aを固定する。そして、コア11の他端をコイルボビン9の中心穴9dに挿通し、かつ、ハウジング6の貫通孔6bに圧入して位置決めする。最後に、第1のステータヨーク7の極歯部7bと第2のステータヨーク8の極歯部8bとが交互に噛合った状態で、第1のステータヨーク7の極歯部7bと、第2のステータヨーク8の極歯部8bとが電気的に180度の位相差になるように位置調整した後、第1のステータヨーク7の環状部7aをハウジング6の開放端近傍の内壁に圧入して固定する。
なお、第1のステータヨーク7の極歯部7bと、第2のステータヨーク8の極歯部8bとが電気的に180度の位相差になるように、正確に位置決め可能な手順であればよく、上記組立手順に限定されるものではない。又、B相のステータ5Bの組立手順も、これと全く同じであることから、詳しい説明を省略する。
続いて、A相のステータ5A及びB相のステータ5Bを、ロータマグネット3の軸方向両側に対向させて配置し、例えばポリスライダ等の樹脂ワッシャ13(図1、図2参照)を回転軸4に挿通して、A相のステータ5A及びB相のステータ5Bに対するロータマグネット3の摺動性を確保する。そして、A相のステータ5A及びB相のステータ5Bの、各コア11の中空穴11aに、回転軸4を挿通し、含油焼結軸受12によって回転軸4を軸支する。そして、A相のステータ5A及びB相のステータ5Bを、互いに電気角で90度の位相差となる位置に調整した後、A相のステータ5A及びB相のステータ5Bのハウジング6の、開放端同士を密着させる。このとき、A相のステータ5A及びB相のステータ5Bの各コイルボビン9の端子台9bは、軸方向の側面同士が接近し、軸方向に対向配置される(図1参照)。更に、A相のステータ5A及びB相のステータ5Bのハウジング6同士を溶接によって固定することで、ステッピングモータ1が完成する。
なお、A相のステータ5A及びB相のステータコア5Bのハウジング6の開放端に、相補的な凹凸形状を形成しておくことで、A相のステータ5A及びB相のステータコア5B同士の位相差の調整を、容易に行うことが可能となる。
上記構成をなす、本発明の第1の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。
まず、有底円筒状のハウジング6の底壁中央部に形成された貫通孔6aから、ハウジング6の内部に向けて円筒状のコア11が突出し、コイルボビン9は中心穴9dをコアが貫通するようにしてハウジング6内に格納され、コイルボビン9を貫通したコア11に、第2のステータヨーク8が固定されることで、コイルボビン9は、端子台9bがハウジング6の切欠き6aから突出した状態で、ハウジング6の底壁および円筒面内壁と、コア11に固定される第2のステータヨーク8により周囲を覆われた状態となる。更に、ハウジング6の開放端近傍の内壁に第1のステータヨーク7が固定されることで、第1のステータヨーク7及び第2のステータヨーク8が、ハウジング6を介して機械的及び磁気的に結合され、かつ、第1のステータヨーク7の極歯部7bと第2のステータヨーク8の極歯部8bとが、同一円周上で交互に噛合い、円筒状の空間Sが形成される。
すなわち、ハウジング6及び第1のステータヨーク7によって、クローポール型ステッピングモータのステータの基本要素である外ヨークが構成され、第2のステータヨーク8によって、クローポール型ステッピングモータのステータの基本要素である、内ヨークが構成される。そして、円筒状の空間Sにロータマグネット3が配置され、コア11にロータマグネット3の回転軸4が挿通され、更に、ハウジング6の切欠き6aから突出する端子台9bが、軸方向の側面同士が近接対向配置されるように、一対のステータ5A、5Bをロータマグネット3の軸方向両側に対向配置し、ハウジング6の開放端同士が密着固定することで、ロータマグネット3の外周面と各極歯部7b、8bとが必要最小限の距離を空けて対向し、小型・細径のステッピングモータでありながら、所定のモータトルクを発生させることが可能となる。
なお、ステータ5は、ハウジング6の内部に第1のステータヨーク7、第2のステータヨーク8、コイルボビン9及びコア11が全て格納されるものであり、しかも、ハウジング6の開放端が、第1のステータヨーク7によって塞がれる構造を有している。そこで、上記各部品の固定作業を行う際に、ハウジング6の開放端近傍の内壁に第1のステータヨーク7の環状部7aを固定する作業を最後に行うことで、ハウジング6の底壁中央にコア11を固定する作業、コイルボビン9の中心穴9dをコア11に貫通させるようにして、ハウジング6にコイルボビン9を格納する作業、コア11に第2のステータヨーク8を固定する作業を、全て円滑に行うことができる。
又、第1のステータヨーク7の環状部7aの内周端から、複数の極歯部7bがハウジング6の底壁方向に突出し、第2のステータヨーク8の環状部8aの外周端から、複数の極歯部8bがハウジング6の開放端方向に突出していることから、第1のステータヨーク7の極歯部7bと第2のステータヨーク8の極歯部8bとが、円周方向に交互に噛合うのみならず、軸方向にも交互に噛合って円筒状の空間Sが形成されることにより、ステータ5の軸方向の空間の有効利用を図り、軸方向の寸法増大を防いでいる。
なお、図示の例と異なり、第1のステータヨーク7の環状部7aの内周端から、複数の極歯部7bがハウジング6の開放端方向に突出することとした場合でも、従来(図7、図8)と同様に、第1のステータヨーク7の極歯部7bと第2のステータヨーク8の極歯部8bとが交互に噛合って、円筒状の空間Sが形成される。よって、必要に応じ、第1のステータヨーク7の極歯部7bの突出方向を変更して用いることも可能である。例えば、第1のステータヨーク7を、図1、図2の例に対して表裏逆方向に向け、若干深めにハウジング6内部に圧入する(例えば、第1のステータヨーク7の環状部7aと第2のステータヨーク8の環状部8aとを、軸方向同位置とする。)ことによっても、ステータ5を構成することが可能である。
又、ロータマグネット3の外径寸法Dがコイルボビン9の外径寸法Dよりも小径に形成されることで、ロータ2の慣性モーメントが低減され、必要な高速応答性を確保することができる。又、同一円周上で第1のステータヨーク7の極歯部7bと第2のステータヨーク8の極歯部8bとが交互に噛合って形成される円筒状空間Sの内径Dが、ロータマグネット3の外径寸法Dに合わせて、コイルボビン9の外径寸法Dより小径となるように形成されていることで、ロータマグネット3の外周面と各極歯部7b、8bとが必要最小限の距離を空けて対向し、必要なモータトルクを発生するものとなる。
なお、本実施の形態は、ハウジング6の開放端近傍の内壁に、第1のステータヨーク7の環状部7aが固定される構造、すなわち、クローポール型ステッピングモータのステータの基本要素である外ヨークの、極歯部7bがハウジング6と別体に形成された構造であることから、ロータマグネット3及び各極歯部7b、8bが上記寸法関係で構成されることにより、コイルボビン9に対し外ヨークの極歯部7bが、上記のごとく、軸方向視でオーバーラップする構造を採用しても、各部の組立に何ら支障を来たすものではない。
さて、図5には、本発明の第1の実施の形態に係るステッピングモータ1の起動特性(プルイントルク特性)を、図7、図8に示される従来のステッピングモータ100の起動特性と比較した例を示している。図示の例では、ステッピングモータ1及び100の外径は何れも6mmであるが、ステッピングモータ1のロータマグネット3の外径は3mm、ステッピングモータ100のロータマグネット111(図7、図8)の外径は5mmである。その他、ステップ角、コイル抵抗値は両者とも同一であり、測定条件も同一(3V、2相励磁)である。
図5から明らかなように、本発明の実施の形態に係るステッピングモータ1の起動特性(符号PII)は、従来のステッピングモータ100の起動特性(符号PIA)と比較して、最大トルク値は小さいが、プルイントルクが高い駆動周波数領域まで伸びており、高速応答性に優れている。従って、本発明の実施の形態に係るステッピングモータ1は、特に大きなトルクを必要としないが、高速応答性が重視される用途、例えば、光ディスク装置やカメラのレンズ駆動用(焦点調整用)のアクチュエータの動力源として、好適な特性を備えていることは理解されるであろう。
又、本発明の実施の形態に係るステッピングモータ1を備えるカメラの焦点調整用アクチュエータを構成すれば、当該アクチュエータの動力源がステッピングモータ1の特徴をそのまま具備するものであることから、小型でありながら、高速かつ正確に焦点調整を行うことが可能となる。
続いて、図6を参照しながら、本発明の第2の実施の形態に係るステッピングモータ30について説明する。なお、本発明の第1の実施の形態と同一部分、若しくは相当する部分については同一符号で示し、詳しい説明を省略する。
さて、本発明の第2の実施の形態に係るステッピングモータ30と、第1の実施の形態に係るステッピングモータ1との相違点として、コイルボビン9の形状の違いが挙げられる。具体的には、本発明の第2の実施の形態に係るステッピングモータ30のコイルボビン9は、コア11の半径方向外側に隣接して配置される小径部9eと、第2のステータヨーク8の極歯部8bの半径方向外側に隣接して配置される大径部9fとからなる、段付き円筒状の巻芯部を備えている。そして、コイルボビン9の小径部9e及び大径部9fの双方に、コイル10が巻回されている。
本発明の第2の実施の形態によれば、次のような作用効果を得ることが可能となる。すなわち、コイルボビン9が、コア11の半径方向外側に隣接して配置される小径部9eと、第2のステータヨーク8の極歯部8bの半径方向外側に隣接して配置される大径部9fとからなる段付き円筒状の巻芯部を備え、小径部9e及び大径部9fの双方にコイル10が巻回されることで、コイル10のターン数が増大する。よって、コイル10の起磁力が増大し、モータトルクをより一層増加させることが可能となる。
その他、本発明の第1の実施の形態と同一部分、若しくは相当する部分については、詳しい説明を省略する。
本発明の第1の実施の形態に係るステッピングモータの断面斜視図である。 図1に示されるステッピングモータの分解斜視図である。 図1に示されるステッピングモータの、ステータの断面斜視図である。 図3に示されるステータの分解斜視図である。 図1に示されるステッピングモータの起動特性を、従来のステッピングモータの起動特性と比較したグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係るステッピングモータの断面斜視図である。 従来のステッピングモータの断面図である。 図7に示される従来のステッピングモータの分解斜視図である。
符号の説明
1、30:ステッピングモータ、2:ロータ、3:ロータマグネット、4:回転軸、5:ステータ、6:ハウジング、6b:貫通孔、7:第1のステータヨーク、7a:環状部、7b:極歯部、8:第2のステータヨーク、8a:環状部、8b:極歯部、9:コイルボビン、9d:中心穴、9e:小径部、9f:大径部、10:コイル、11:コア、11a:中空穴、D:コイルボビンの外径寸法、D:ロータマグネットの外径寸法

Claims (5)

  1. ロータマグネットの軸方向両側に配置されたステータから軸方向に突出する極歯部によって、ロータマグネットの外周面が包囲されたステッピングモータであって、
    前記ステータは、コイルボビンと、一方端に底壁を備え他方端が開放され、前記コイルボビンが格納される有底円筒状のハウジングと、第1・第2のステータヨークとを含み、
    前記コイルボビンは、巻芯部と、該巻芯部の両端にフランジ部とを備え、該フランジ部の一方には端子台が一体に形成され、
    前記ハウジングの円筒壁には、前記端子台を前記ハウジングの外部へ突出させるための切欠きが形成され、前記ハウジングの底壁中央部には、貫通孔と、該貫通孔からハウジングの内部に向けて突出し、前記コイルボビンの中心穴を貫通する円筒状のコアとが設けられ、
    前記第1のステータヨークには、環状部と、該環状部の内周端に沿って等間隔に配置され軸方向に突出する複数の極歯部とが設けられ、
    前記第2のステータヨークには、環状部と、該環状部の外周端に沿って等間隔に配置され軸方向に突出する複数の極歯部とが設けられ、
    前記ハウジングの開放端近傍の内壁に、前記第1のステータヨークの環状部が固定され、前記コアに、前記第2のステータヨークの環状部が固定されることで、前記第1のステータヨーク及び前記第2のステータヨークが、前記ハウジングを介して機械的及び磁気的に結合され、かつ、前記第1のステータヨークの極歯部と前記第2のステータヨークの極歯部とが同一円周上で交互に噛合い円筒状の空間が形成され、
    該円筒状の空間にロータマグネットが配置され前記コアにロータマグネットの回転軸が挿通され、前記ハウジングの切欠きから突出する前記コイルボビンの端子台が、軸方向の側面同士が近接対向配置されるように、一対の前記ステータをロータマグネットの軸方向両側に対向配置し、前記ハウジングの開放端同士が密着固定してなることを特徴とするステッピングモータ。
  2. 前記第1のステータヨークの環状部の内周端に沿って等間隔に配置された複数の極歯部は、ハウジングの底壁方向に突出し、
    前記第2のステータヨークの環状部の外周端に沿って等間隔に配置された複数の極歯部は、ハウジングの開放端方向に突出することを特徴とする請求項1記載のステッピングモータ。
  3. 前記ロータマグネットは、前記コイルボビンの外径寸法よりも小径に形成され、
    前記第1のステータヨークの極歯部と前記第2のステータヨークの極歯部とが交互に噛合って形成される円筒状空間の内径が、前記ロータマグネットの外径寸法に合わせて、前記コイルボビンの外径寸法より小径となるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のステッピングモータ。
  4. 前記コイルボビンは、前記コアの半径方向外側に隣接して配置される小径部と、前記第2のステータヨークの極歯部の半径方向外側に隣接して配置される大径部とからなる段付き円筒状の巻芯部を備え、前記小径部及び前記大径部の双方にコイルが巻回されてなることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載のステッピングモータ。
  5. 請求項1から4のいずれか1項記載のステッピングモータを備えるカメラの焦点調整用アクチュエータ。
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