JP5126823B2 - 塗膜転写具 - Google Patents

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Description

本発明は、テープ基材上に形成された塗膜を圧力で転写するために用いる塗膜転写具に関するものである。
テープ基材上に形成された塗膜を圧力で転写するための塗膜転写具は、数多く商品化されている。このような塗膜転写具は、転写テープが繰出しリールから繰り出され、転写ヘッドにて塗膜が圧力で転写され、塗膜転写後のテープ基材が巻取りリールに巻き取られるのが基本構成である。
塗膜としては、誤字を修正するためのもの(いわゆる『修正テープ』)、文字を強調するための透明な蛍光色のもの(特許第3581994号公報、特許第3669449号公報)、物を貼り付けるための粘着剤(のり)であるもの(いわゆる『テープのり』)、塗膜に文字や絵柄などを施したもの(特開2005−017947号公報)、のりの塗膜に文字や絵柄などを施したもの(特開2006−335517号公報、特開2007−106014号公報)、また、これらの塗膜に香りを施したもの(特願2006−140146号公報、特願2006−249465号公報)などがある。
塗膜転写具の転写ヘッドにて塗膜を転写するため、使用者が見ながら転写できるように、塗膜転写具のケースから転写ヘッドを突出させている。これにより、転写ヘッドの先端までに、塗膜が露出していることになり、この露出した塗膜が汚れたりして、塗膜本来の性能や機能が発揮されない場合がある。
そのようにならないように転写ヘッドを保護するために、キャップや筒状部(特許第3782527号公報)や保護カバー(特許第3909681号公報、特開2005−001850号公報)を設けたものがある。また、ノック式のボールペンのように出没式にすることによって保護しているもの(特開平6−055895号公報、特開2003−084027号公報、特開2004−216837号公報、特開2007−136959号公報)や回転栓によるもの(実用新案登録第3105968号公報)などがある。
特許第3581994号公報 特許第3669449号公報 特開2005−017947号公報 特開2006−335517号公報 特開2007−106014号公報 特願2006−140146号公報 特願2006−249465号公報 特許第3782527号公報 特許第3909681号公報 特開2005−001850号公報 特開平6−055895号公報 特開2003−084027号公報 特開2004−216837号公報 特開2007−136959号公報 実用新案登録第3105968号公報
従来の製品においては、転写ヘッドを保護するために、キャップや筒状部や保護カバーなどの別部品が必要であり、また、出没式などの保護する機構を備えた製品については、その動作をさせるために特定の部位での操作が必要である。
本発明が解決しようとする課題は、転写ヘッドを保護するために、キャップや筒状部や保護カバーなどの別部品を必要とせず、かつ、出没式などの保護する機構を備えた製品のように、塗膜転写具を持ちかえて特定の部位で保護する機構の操作を行なう必要がなく、塗膜転写具を指先だけで持つことができ、その持ち方で保護する機構の操作を可能とする塗膜転写具を提供することである。
製品を開発にするにあたり、出没式などの保護する機構を備えた製品のように、塗膜転写具を持ちかえることなく、塗膜転写具を指先だけで持つことができ、その持ち方で保護する機構の操作を可能とするところには特にこだわった。そこで、使用者が指先だけで持ち、塗膜転写具を持ちかえることなく、転写ヘッドを突出させ、塗膜を転写して、転写ヘッドを格納できるよう、研究を重ねた。その結果、次のような特徴を持つ塗膜転写具を発明するにいたった。
本発明は、本体ケースと外枠ケースからなり、本体ケースが外枠ケースに対して摺動可能であり、本体ケースには、少なくとも、テープ基材上に塗膜を形成した転写テープ、繰出しリール、本体ケースから突設した転写ヘッド、巻取りリール、繰出しリールと巻取りリールの連動部材からなる塗膜転写機構を有しており、本体ケースと外枠ケースには、本体ケースから突設した転写ヘッドが外枠ケースからも突出した配置である転写ヘッド突出位置に固定するための固定機構を有しており、本体ケースと外枠ケースには、本体ケースから突設した転写ヘッドが外枠ケースに格納された配置である本体ケース格納位置に停止するための停止機構を有しており、固定機構における固定の解除と解除からの摺動、及び、停止機構における停止からの摺動を行なうために、ひとつのスライド部材を有しており、スライド部材を転写ヘッド突出位置にて本体ケース格納位置方向へ稼動させると、固定が解除され、稼動に連動して、本体ケースを本体ケース格納位置方向へ摺動することができ、また、スライド部材を本体ケース格納位置にて転写ヘッド突出位置方向へ稼動させると、稼動に連動して、本体ケースを転写ヘッド突出位置方向へ停止から摺動することができ、その後、転写ヘッド突出位置に固定することができ、この固定された転写ヘッド突出位置にて塗膜を転写することができることを特徴とする。
加えて、スライド部材を本体ケース格納位置にて転写ヘッド突出位置方向と逆方向へ稼動させると、稼動に連動して、本体ケースを突出位置方向と逆方向へも停止から摺動することができ、その後、本体ケースと外枠ケースを分離することができることを特徴とする。
また、転写ヘッド突出位置に固定するための固定機構は、本体ケースに設けた駆動部材と、そこに合致した外枠ケースの形状、及び、本体ケースと外枠ケースの形状による機構であり、本体ケース格納位置に停止するための停止機構は、本体ケースと外枠ケースの形状による機構であり、スライド部材は、本体ケースに設けられており、スライド部材を転写ヘッド突出位置にて本体ケース格納位置方向へ稼動させると、スライド部材の一部である係部が接している固定機構の駆動部材を動かして固定を解除する機構であり、続いて本体ケースを動かして摺動する機構であり、スライド部材を本体ケース格納位置にて転写ヘッド突出位置方向へ稼動させると、スライド部材の係部が本体ケースを直接動かして停止から摺動する機構であり、スライド部材を本体ケース格納位置にて転写ヘッド突出位置方向と逆方向へ稼動させると、スライド部材の係部が固定機構の駆動部材を動かして続いて本体ケースを動かして停止から摺動する機構であることを特徴とする。
さらに、本体ケースに設けた駆動部材に弾性体が取り付けてあり、その弾性力によって、駆動部材がそこに合致した外枠ケースの形状に保持されており、さらに、その弾性力が、スライド部材の係部が接している駆動部材からスライド部材へ伝動され、その力によって、スライド部材が本体ケースの特定位置に保持されていることを特徴とする。
本発明により、転写ヘッドを保護するために、キャップや筒状部や保護カバーなどの別部品を必要とせず、かつ、出没式などの保護する機構を備えた製品のように、塗膜転写具を持ちかえて特定の部位で保護する機構の操作を行なう必要がなく、塗膜転写具を指先だけで持つことができ、その持ち方で保護する機構の操作ができるようになり、非常に簡便に保護をしたり外したりすることができる塗膜転写具になった。また現在、塗膜として様々な機能を持たせたものが開発されており、新しい塗膜に対する保護にも役立つものである。
以下実施例にて、本発明の特徴を説明する。実施例1は、請求項3の内容を主に説明するものであるが、請求項3は、請求項1と2の一例に過ぎず、請求項1と2がこれに限定されるものではない。下記実施例以外でも、形状や配置の違いなどで、様々な機構を取り得るからである。実施例2は、請求項4の例を説明するものである。
図1は、本体ケース1の斜傾図であり、図2は、外枠ケース2の斜傾図である。これらの形状は、本発明の一例に過ぎない。図1の内部の構成は、下記図7において詳細に説明する。
図3は、本体ケース1が外枠ケース2に対して摺動している斜傾図である。図3において、本体ケース1を図面左方向へ摺動させると、本体ケース1から突設した転写ヘッドが外枠ケース2に格納された配置である本体ケース格納位置に停止することができる。本体ケース1を図面右方向へ摺動させると、本体ケース1と外枠ケース2を分離することができる。
図4は、本体ケースから突設した転写ヘッド6が外枠ケース2からも突出した配置である転写ヘッド突出位置の図である。本体ケースは外枠ケース2に格納されて隠れているので、図には見えていない。この転写ヘッド突出位置において、塗膜を転写することができる。なお、この図は、塗膜転写具3を右手で使用した時に見える塗膜転写具3の右側面の図でもある。以降、この方向から見た面を右側面と呼ぶ。
図5も、転写ヘッド突出位置の図であり、左手で使用した時に見える塗膜転写具3の左側面の図である。以降、この方向から見た面を左側面と呼ぶ。この図において、後述するスライド部材20は、本体ケース1の一面全体を覆うような形状である。
図6は、本体ケース1が外枠ケース2に対して摺動している図であり、図5と同じ左側面から見た図である。
図5と図6において、外枠ケース2の上下部分中央にある、わずかに内側(本体ケース1側)に迫り出している外枠ケース2のレール部10によって、本体ケース1が外枠ケース2に対して摺動可能になっている。
図7は、本体ケース1を右側面から見た図である。この図7は、本体ケース1にスライド部材を設けていることが図1と異なるが、他の構成は同じである。
図7において、塗膜転写機構を説明する。繰出しリール5から繰り出された転写テープ4が、本体ケース1から突設した転写ヘッド6にて塗膜を転写することができ、その後、巻取りリール7に巻き取られる構成である。転写ヘッド6にて転写テープ4の塗膜が転写されているので、巻取りリール7に巻き取られているのはテープ基材30となっている。転写ヘッド6は、本体ケース1の転写ヘッド保持部9によって保持されている。転写ヘッド保持部9は、転写ヘッド6を嵌めて、図面手前から蓋をするように嵌合している。そのため、本体ケース1単独でも、転写ヘッド6が落ちない構成となっている。また、蓋をするように嵌合しているため、図では転写ヘッド保持部9の内部が見えていない。繰出しリールと巻取りリールの連動部材は、ここでは連動ギア8であるが、本発明はこれに限定されるものではない。図では、繰出しリール5に設けた連動ギア8だけ見えており、巻取りリール7に設けた連動ギアは巻取りリール7の背後に隠れている。
図8は、図7の駆動部材11の拡大図である。また、本体ケース1と外枠ケース2の形状や配置がわかるように、外枠ケース2の断面を斜線で表わしている。
図8において、この実施例における、本体ケースから突設した転写ヘッドが外枠ケースからも突出した配置である転写ヘッド突出位置に固定するための固定機構を説明する。この実施例における固定機構は、本体ケース1に駆動部材11を設け、駆動部材11の爪止部18に合致した形状である固定部12を外枠ケース2に形成し、及び、本体ケース1と外枠ケース2が面で合う形状の壁面を形成したことによる機構である。ここで、本体ケース1と外枠ケース2が面で合う形状の壁面において、本体ケース1の壁面を壁面形状15、外枠ケース2の壁面を固定壁14としている。
図8の転写ヘッド突出位置では、駆動部材11の爪止部18が固定部12に合致しているため、本体ケース1の図面右方向への動きを抑制しており、及び、本体ケース1の壁面形状15と外枠ケース2の固定壁14が面で合っているために、本体ケース1の図面左方向への動きを抑制している。これらによって、転写ヘッド突出位置にて固定されている。なお、固定機構はこの機構に限定されるものではなく、形状や配置の違いなどで、様々な機構を取り得る。
図9は、転写ヘッド周辺を左側面から見て傾斜させた図であり、本体ケース格納位置にて停止している状態である。図8とは左右が逆である。
図9において、この実施例における、本体ケースから突設した転写ヘッドが外枠ケースに格納された配置である本体ケース格納位置に停止するための停止機構を説明する。この実施例における停止機構は、本体ケースと外枠ケースに形成した形状による機構であり、本体ケースの形状は、固定機構でも利用している壁面形状15であり、外枠ケースの形状は、二つの形状であり、一つは半円形状16であり、もう一つは長方形状17である。
半円形状16と長方形状17は、外枠ケースから盛り上がった立体形状であり、図9において、その立体形状を表わしている。半円形状16は、球の一部を切り出したような立体形状であり、本体ケースに隠れているため、破線で表わしている。長方形状17は、中央部分が高く盛り上がって平たくなっており、その平たい中央から端に向ってなだらかに低くなっている立体形状である。
図10は、図9における転写ヘッド6の方向から見た長方形状17の断面図になる。斜線部分は、外枠ケースを表わしている。
半円形状16と長方形状17の間が本体ケース1の壁面形状15の厚み分だけ空いており、その間に壁面形状15が収まることで停止する機構である。図9や図10において、半円形状16と長方形状17の間に壁面形状15が収まっている。なお、停止機構はこの機構に限定されるものではなく、形状や配置の違いなどで、様々な機構を取り得る。
図11が、固定機構における固定の解除と解除からの摺動、また、停止機構における停止からの摺動を行なうためのスライド部材20の斜傾図である。この実施例において、スライド部材20は本体ケースに設けているが、外枠ケースに設けることも可能である。その場合、必要に応じて、固定機構や停止機構の形状や配置などを変更すればよい。
図11のスライド部材20の二つの爪部21を、本体ケースの二つの爪部係止穴に係合することにより、スライド部材20を本体ケースに設けることができる。図7において、本体ケース1の二つの爪部係止穴22に、スライド部材20の二つの爪部21が係合している状態が表わされている。また、図5と図6において、スライド部材20が本体ケース1に設けられた状態が表わされている。このスライド部材20は、本体ケース1の一面全体を覆うような形状である。
また、図11のスライド部材20には、固定機構の駆動部材に接する係部が二つある。一方の左大係部23が、固定の解除と摺動のため、また、もう一方の右小係部24が、固定と摺動のためにある。図8において、本体ケース1の係部穴25に、スライド部材の左大係部23と右小係部24が嵌っており、左大係部23と右小係部24の間で駆動部材11のトリガー部19と接するようになっている。
転写ヘッド突出位置である図8において、スライド部材を本体ケース格納位置方向(図面右方向)へ稼動させると、スライド部材の左大係部23が、駆動部材11のトリガー部19を右方向へ動かし、駆動部材11の回転軸13を中心軸にして、駆動部材11が回転して、駆動部材11の爪止部18が固定部12と離れて、固定が解除される。スライド部材をそのまま同一方向へ稼働し続けると、係部穴25の図面右端に右小係部24が接して、本体ケース1を動かすことになる。図5と図6において説明したように、外枠ケース2にはレール部10があるために、本体ケース1が外枠ケース2に対して摺動する。
図12は、図10と同様に長方形状17の断面図であるが、転写ヘッド突出位置であることが異なっている。また、図8とは左右が逆である。
転写ヘッド突出位置である図12において、スライド部材20を本体ケース格納位置方向(図面左方向)へ稼動させて、本体ケース1が外枠ケース2に対して摺動すると、壁面形状15がたわんで、長方形状17を図面右から左方向へ乗り越えて動き、本体ケース格納位置に来ると、壁面形状15が半円形状16と長方形状17の間に図10のように収まって停止することができる。
図13は、本体ケース格納位置における駆動部材11の拡大図である。また、本体ケース1と外枠ケース2の形状や配置がわかるように、外枠ケース2の断面を斜線で表わしている。
本体ケース格納位置である図13において、スライド部材を転写ヘッド突出位置方向(図面左方向)へ稼動させると、スライド部材の左大係部23が、係部穴25の図面左端に接して、本体ケース1を動かすことになる。外枠ケース2にはレール部があるために、本体ケース1が外枠ケース2に対して摺動する。
この摺動の時に、外枠ケース2に駆動部材11の爪止部18が当たりながら摺動することになり、さらに固定部12を越える時には、駆動部材11のトリガー部19が右小係部24を図面右方向へ動かし、駆動部材11の回転軸13を中心軸にして、駆動部材11が回転して、駆動部材11の爪止部18が固定部12と合致する。この時、駆動部材11のトリガー部19が右小係部24を動かすので、右小係部24を通じてスライド部材が多少押し戻される感じを受ける。
本体ケース格納位置である図10において、図13とは左右が逆であり、スライド部材20を転写ヘッド突出位置方向(図面右方向)へ稼動させて、本体ケース1が外枠ケース2に対して摺動すると、壁面形状15がたわんで、長方形状17を図面左から右方向へ乗り越えて動き、転写ヘッド突出位置に来ると、本体ケース1の壁面形状15と外枠ケース2の固定壁14が図12のように面で合う。
このように、転写ヘッド突出位置では、駆動部材11の爪止部18が固定部12に合致しているために、及び、本体ケース1の壁面形状15と外枠ケース2の固定壁14が面で合っているために、固定される。
この固定された転写ヘッド突出位置にある塗膜転写具3が、図4や図5であり、この位置にて塗膜を転写することができる。
本体ケース格納位置である図13において、スライド部材を転写ヘッド突出位置方向と逆方向(図面右方向)へ稼動させると、スライド部材の左大係部23が、駆動部材11のトリガー部19を右方向へ動かし、駆動部材11の回転軸13を中心軸にして、駆動部材11を回転させて、続いて、スライド部材の右小係部24が、係部穴25の図面右端に接して、本体ケース1を動かすことになる。外枠ケース2にはレール部があるために、本体ケース1が外枠ケース2に対して摺動する。
本体ケース格納位置である図10において、図13とは左右が逆であり、スライド部材20を転写ヘッド突出位置方向と逆方向(図面左方向)へ稼動させて、本体ケース1が外枠ケース2に対して摺動すると、壁面形状15がたわんで、半円形状16を乗り越えることができ、その後、図3や図6のような状態を経て、本体ケース1と外枠ケース2を分離することができる。
実施例1において、スライド部材を本体ケース格納位置にて転写ヘッド突出位置方向へ稼動させる時に、多少押し戻される感じを受け、それに違和感を持つ使用者もいる。そのような感じを与えないために、駆動部材に弾性体を取り付けて、その違和感をなくした。ここでは、弾性体としてトーションバネを用いた例を説明する。なお、本発明の弾性体はトーションバネに限定されるものではない。
図14が、トーションバネ31を取り付けた駆動部材11の拡大図であり、本体ケース1が転写ヘッド突出位置にて固定された図でもある。また、外枠ケース2の断面を斜線で表わしている。
トーションバネ31の一方のバネ係止片は、バネ止部32によって係止している。バネのコイル部分は駆動部材11内部に隠れているが、駆動部材11の回転軸13と中心軸を同じにしている。トーションバネ31のもう一方のバネ係止片は、駆動部材11内部で係止している。このように、本体ケース1に設けた駆動部材11に弾性体であるトーションバネ31が取り付けてある。
そのトーションバネ31の弾性力によって、駆動部材11が駆動部材11の爪止部18に合致した外枠ケース2の形状である固定部12に保持されており、さらに、その弾性力が、スライド部材の係部26が接している駆動部材11のトリガー部19からスライド部材へ伝動され、その力によって、スライド部材が本体ケース1の特定位置に保持されている。
本体ケース1の特定位置とは、ある決まった位置という意味であるが、この実施例の特徴として、スライド部材20が本体ケース1の一面全体を覆うような形状であるため、図5や図6のような本体ケース1とスライド部材20が一体と見なせるような形状になっている。このような形状であると、使用者が塗膜転写具を持ちかえることなく、特定の部位であるという意識をせずに、固定を解除できる利点がある。その意味においても、スライド部材が本体ケース1の特定位置に保持されていること、すなわち、弾性力によって、使用者が気づかないように、スライド部材が特定位置に戻ることは重要である。
図15は、トーションバネ31を取り付けた駆動部材11とそのためのスライド部材20を設けた本体ケース1を右側面から見た図である。トーションバネ31を取り付けた駆動部材11とスライド部材20以外は、実施例1と同様である。
図15において、塗膜転写機構を説明する。繰出しリール5から繰り出された転写テープ4が、本体ケース1から突設した転写ヘッド6にて塗膜を転写することができ、その後、巻取りリール7に巻き取られる構成である。転写ヘッド6にて転写テープ4の塗膜が転写されているので、巻取りリール7に巻き取られているのはテープ基材30となっている。転写ヘッド6は、本体ケース1の転写ヘッド保持部9によって保持されている。繰出しリールと巻取りリールの連動部材は、ここでは連動ギア8であり、繰出しリール5に設けた連動ギア8だけ見えており、巻取りリールに設けた連動ギアは巻取りリールの背後に隠れている。
図14において、転写ヘッド突出位置に固定するための固定機構を説明する。図14の転写ヘッド突出位置では、このトーションバネ31の弾性力によって、駆動部材11が駆動部材11の爪止部18に合致した外枠ケース2の形状である固定部12に保持されているため、本体ケース1の図面右方向への動きを抑制しており、及び、本体ケース1の壁面形状15と外枠ケース2の固定壁14が面で合っているために、本体ケース1の図面左方向への動きを抑制している。これらによって、転写ヘッド突出位置にて固定されている。
この実施例における本体ケース格納位置に停止するための停止機構は、実施例1と同じである。
図16は、この実施例の場合のスライド部材20の斜傾図である。図16のスライド部材20には、固定機構の駆動部材に接する係部は一つである。図16のスライド部材20の二つの爪部21を、本体ケースの二つの爪部係止穴に係合することにより、スライド部材20を本体ケースに保持することができる。
転写ヘッド突出位置である図14において、スライド部材を本体ケース格納位置方向(図面右方向)へ稼動させると、スライド部材の係部26が、駆動部材11のトリガー部19を右方向へ動かし、駆動部材11の回転軸13を中心軸にして、駆動部材11が回転して、固定部12と離れて、固定が解除される。スライド部材をそのまま同一方向へ稼働し続けると、係部穴25の図面右端に係部26が接して、本体ケース1を動かすことになる。図では、係部穴25の図面右端は駆動部材11のトリガー部19に隠れている。外枠ケース2にはレール部があるために、本体ケース1が外枠ケース2に対して摺動する。
転写ヘッド突出位置である図12において、図14とは左右が逆であり、スライド部材20を本体ケース格納位置方向(図面左方向)へ稼動させて、本体ケース1が外枠ケース2に対して摺動すると、壁面形状15がたわんで、長方形状17を図面右から左方向へ乗り越えて動き、本体ケース格納位置に来ると、壁面形状15が半円形状16と長方形状17の間に図10のように収まって停止することができる。
図17は、本体ケース1が本体ケース格納位置にて停止している図である。トーションバネ31の弾性力によって、駆動部材11は、駆動部材11の回転軸13を中心軸にして、時計回りに押されているが、外枠ケース2の固定部12がないため、駆動部材11の爪止部18と合致する部分がなく、保持されていない。この本体ケース格納位置では固定部12は、駆動部材11よりも図面左方向の位置にある。また、弾性力が駆動部材11のトリガー部19よりスライド部材の係部26へ伝道され、スライド部材の係部26は、係部穴25の図面左端に接している。なお、この位置がスライド部材の特定位置でもある。
本体ケース格納位置である図17において、スライド部材を転写ヘッド突出位置方向(図面左方向)へ稼動させると、スライド部材の係部26が、係部穴25の図面左端に接しているので、本体ケース1を動かすことになる。外枠ケース2にはレール部があるために、本体ケース1が外枠ケース2に対して摺動する。駆動部材11の爪止部18が固定部12を越えようとすると、駆動部材11がトーションバネ31の弾性力に反発して、駆動部材11の回転軸13を中心軸にして、反時計回りに押されて動き、駆動部材11の爪止部18が固定部12を越えると、図14のようになり、駆動部材11の爪止部18が固定部12と合致する。
トーションバネ31の弾性力により、また、スライド部材の係部26と駆動部材11のトリガー部19が接しているだけで、固定されてつながっていないことより、実施例1のように、固定部12を越える時にスライド部材が多少押し戻されることはない。駆動部材11の弾性体がその動き(力)を吸収して、スライド部材に伝わらないようにしている。これにより、使用者が実施例1のような違和感を持つことがなくなった。
本体ケース格納位置である図10において、図17とは左右が逆であり、スライド部材20を転写ヘッド突出位置方向(図面右方向)へ稼動させて、本体ケース1が外枠ケース2に対して摺動すると、壁面形状15がたわんで、長方形状17を図面左から右方向へ乗り越えて動き、転写ヘッド突出位置に来ると、本体ケース1の壁面形状15と外枠ケース2の固定壁14が図10のように面で合う。
このように、転写ヘッド突出位置では、駆動部材11の爪止部18が固定部12に合致しているために、及び、本体ケース1の壁面形状15と外枠ケース2の固定壁14が面で合っているために、固定される。
この固定された転写ヘッド突出位置にある塗膜転写具3が、図4や図5であり、この位置にて塗膜を転写することができる。
本体ケース格納位置である図17において、スライド部材を転写ヘッド突出位置方向と逆方向(図面右方向)へ稼動させると、スライド部材の係部26が、係部穴25の図面左端から離れて図面右方向へ動き、それと伴に、駆動部材11のトリガー部19を右方向へ動かし、駆動部材11の回転軸13を中心軸にして、駆動部材11が回転する。そして、係部26は係部穴25の図面右端に接する。
図18が、この時の様子を表わした図であり、本体ケース格納位置において本体ケース1が動く直前の状態である。スライド部材は転写ヘッド突出位置方向と逆方向へ稼動して、特定位置から動いているが、まだ、本体ケース1は動いていない状態(本体ケース1が動く直前の状態)である。
スライド部材をそのまま同一方向へ稼働し続けると、スライド部材の係部26から係部穴25の図面右端へ力が伝わり、本体ケース1を動かすことになる。外枠ケース2にはレール部があるために、本体ケース1が外枠ケース2に対して摺動する。
本体ケース格納位置である図10において、図18とは左右が逆であり、スライド部材20を転写ヘッド突出位置方向と逆方向(図面左方向)へ稼動させて、本体ケース1が外枠ケース2に対して摺動すると、壁面形状15がたわんで、半円形状16を乗り越えることができ、その後、図3や図6のような状態を経て、本体ケース1と外枠ケース2を分離することができる。
なお、図19が、転写ヘッド周辺を左側面から見て傾斜させた図であり、分離する前の壁面形状15が半円形状16を乗り越えた直後の図となる。また、外枠ケース2の固定部12、半円形状16、長方形状17の盛り上がった立体形状を表わしているが、本発明は、これらの形状に限定されるものではない。
次に、上記の動きに従う外観の動きを、塗膜転写具の実際の使用に即して、塗膜転写具の左側面から見た図で説明する。
実際の使用ではまず、本体ケース格納位置に転写ヘッドが格納されている状態で、机や鞄や服のポケットなどの中にあると想定しており、そこから取り出して、転写ヘッドを突出させる。
図20が、転写ヘッドを突出させる動きを表わした図であり、塗膜転写具3の左側面から見た図である。なお、図20において、図20(a)だけに図の符号を記載しており、図20(b)において同じものは記載を省略している。
図20(a)が、本体ケース格納位置である。ここから、スライド部材20を転写ヘッド突出位置方向(図面右方向)へ稼動させると、本体ケース1の壁面形状15が、停止機構における外枠ケース2にある長方形状17を図面左から右方向へ乗り越えて、転写ヘッド突出位置にて、固定される。
図20(b)が、固定された転写ヘッド突出位置である。ここでの固定機構は、トーションバネを取り付けた駆動部材と固定部とにより本体ケース1の図面左方向への動きが抑制され、及び、本体ケース1の壁面形状15と外枠ケース2の固定壁14とにより本体ケース1の図面右方向への動きが抑制され、固定される機構である。
転写ヘッドを突出させる動きでは、本体ケース1とスライド部材20との間において稼動方向への外観上のずれはない。この図20(b)の転写ヘッド突出位置にて、塗膜を転写する使用が可能である。使用後、転写ヘッドを格納する。
図21が、転写ヘッドを格納させる動きを表わした図であり、塗膜転写具3の左側面から見た図である。なお、図21において、図21(c)だけに図の符号を記載しており、図21(d)から(f)において同じものは記載を省略している。
図21(c)が、図20(b)と同じ、固定された転写ヘッド突出位置である。ここから、スライド部材を本体ケース格納位置方向(図面左方向)へ稼動させると、スライド部材が駆動部材を動かして固定を解除するまで本体ケース1は動かないので、本体ケース1とスライド部材20との間において稼動方向への外観上のずれ33が出てくる。
図21(d)が、外観上のずれ33のある転写ヘッド突出位置である。この後、本体ケース1が左方向へ摺動して、本体ケース1の壁面形状15が、停止機構における外枠ケース2にある長方形状17を図面右から左右方向へ乗り越えて、本体ケース格納位置にて、停止する。ここでの停止機構は、本体ケース1の壁面形状15が、外枠ケース2にある半円形状と長方形状17の間に収まる停止機構である。
図21(e)が、停止直後で外観上のずれ33のある本体ケース格納位置である。停止直後であるため、スライド部材20へ力が入った状態である。そのため、本体ケース1と外枠ケース2は本体ケース格納位置で停止しているが、スライド部材20は本体ケース1の特定位置にまだ戻っておらず、本体ケース1とスライド部材20との間において稼動方向への外観上のずれ33がある。
図21(f)が、本体ケース格納位置である。スライド部材20への力も抜けて、弾性力によりスライド部材20が本体ケース1の特定位置に戻っている。
これらの突出と格納を繰り返して、本発明の塗膜転写具3は使用される。図で言えば、図20と図21を繰り返すことになる。
塗膜転写具は使用を続けると、テープ基材上に塗膜を形成した転写テープがなくなり、塗膜が転写できなくなる。そこで、使用可能な転写テープと入れ替えることがある。また、何かしらの不具合が発生して、不具合を直すために、本体ケースの塗膜転写機構を調整することがある。これらのことを行なうために、本体ケースと外枠ケースを分離する必要が出てくる。
図22が、本体ケース1と外枠ケース2を分離させる動きを表わした図であり、塗膜転写具3の左側面から見た図である。なお、図22において、図22(g)だけに図の符号を記載しており、図22(h)と(i)において同じものは記載を省略している。
図22(g)が、図20(a)や図21(f)と同じ、本体ケース格納位置である。ここから、スライド部材20を転写ヘッド突出位置方向と逆方向(図面左方向)へ稼動させると、スライド部材20が駆動部材を動かしている間、まだ本体ケース1は動かないので、本体ケース1とスライド部材20との間において稼動方向への外観上のずれ33が出てくる。
図22(h)が、外観上のずれ33のある本体ケース格納位置である。この後、本体ケース1が左方向へ摺動して、この時、本体ケース1の壁面形状15がたわんで、停止機構における外枠ケース2にある半円形状16を図面右から左右方向へ乗り越えて、転写ヘッド突出位置方向と逆方向(図面左方向)へ摺動する。
図22(e)が、その摺動しているところである。この方向へ摺動を続けると、やがて、本体ケース1と外枠ケース2を分離することができる。
以上のことより、本発明の塗膜転写具は、塗膜転写具を持ちかえることなく、塗膜転写具を指先だけで持つことができ、その持ち方で保護する機構の操作ができるようになり、非常に簡便に保護をしたり外したりすることができるようになった。実際の使用でも、使用者が塗膜転写具を指先だけで持ち、塗膜転写具を持ちかえることなく、転写ヘッドを突出させ、塗膜を転写して、転写ヘッドを格納することができるようになった。
本体ケース1の斜傾図。 外枠ケース2の斜傾図。 本体ケース1が摺動している斜傾図。 転写ヘッド突出位置の図であり、右側面の図。 転写ヘッド突出位置の図であり、左側面の図。 摺動している図であり、左側面の図。 実施例1の本体ケース1を右側面から見た図。 実施例1の転写ヘッド突出位置における駆動部材11の拡大図。 転写ヘッド周辺で、本体ケース格納位置にて停止している状態。 本体ケース格納位置における長方形状17の断面図。 実施例1のスライド部材の斜傾図。 転写ヘッド突出位置における長方形状17の断面図。 実施例1の本体ケース格納位置における駆動部材11の拡大図 実施例2の転写ヘッド突出位置における駆動部材11の拡大図。 実施例2の本体ケース1を右側面から見た図。 実施例2のスライド部材の斜傾図。 実施例2の本体ケース格納位置における駆動部材11の拡大図。 本体ケース格納位置において本体ケースが動く直前の状態。 転写ヘッド周辺で、壁面形状15が半円形状16を乗り越えた直後の図。 転写ヘッドを突出させる動きを表わした図。 転写ヘッドを格納させる動きを表わした図。 本体ケースと外枠ケースを分離させる動きを表わした図。
符号の説明
1 本体ケース
2 外枠ケース
3 本発明の塗膜転写具
4 転写テープ
5 繰出しリール
6 転写ヘッド
7 巻取りリール
8 繰出しリールと巻取りリールの連動部材
9 転写ヘッド保持部
10 外枠ケースのレール部
11 駆動部材
12 外枠ケース2の固定部
13 駆動部材11の回転軸
14 外枠ケース2の固定壁
15 本体ケース1の壁面形状
16 外枠ケース2の半円形状
17 外枠ケース2の長方形状
18 駆動部材11の爪止部
19 駆動部材11のトリガー部
20 スライド部材
21 爪部
22 爪部係止穴
23 左大係部
24 右小係部
25 係部穴
26 係部
30 テープ基材
31 トーションバネ
32 バネ止部
33 外観上のずれ

Claims (4)

  1. 本体ケースと外枠ケースからなり、本体ケースが外枠ケースに対して摺動可能であり、
    本体ケースには、少なくとも、テープ基材上に塗膜を形成した転写テープ、繰出しリール、本体ケースから突設した転写ヘッド、巻取りリール、繰出しリールと巻取りリールの連動部材からなる塗膜転写機構を有しており、
    本体ケースと外枠ケースには、本体ケースから突設した転写ヘッドが外枠ケースからも突出した配置である転写ヘッド突出位置に固定するための固定機構を有しており、
    本体ケースと外枠ケースには、本体ケースから突設した転写ヘッドが外枠ケースに格納された配置である本体ケース格納位置に停止するための停止機構を有しており、
    固定機構における固定の解除と解除からの摺動、及び、停止機構における停止からの摺動を行なうために、ひとつのスライド部材を有しており、
    スライド部材を転写ヘッド突出位置にて本体ケース格納位置方向へ稼動させると、固定が解除され、稼動に連動して、本体ケースを本体ケース格納位置方向へ摺動することができ、また、
    スライド部材を本体ケース格納位置にて転写ヘッド突出位置方向へ稼動させると、稼動に連動して、本体ケースを転写ヘッド突出位置方向へ停止から摺動することができ、
    その後、転写ヘッド突出位置に固定することができ、この固定された転写ヘッド突出位置にて塗膜を転写することができることを特徴とする塗膜転写具。
  2. スライド部材を本体ケース格納位置にて転写ヘッド突出位置方向と逆方向へ稼動させると、稼動に連動して、本体ケースを突出位置方向と逆方向へも停止から摺動することができ、その後、本体ケースと外枠ケースを分離することができることを特徴とする請求項1に記載の塗膜転写具。
  3. 転写ヘッド突出位置に固定するための固定機構は、本体ケースに設けた駆動部材と、そこに合致した外枠ケースの形状、及び、本体ケースと外枠ケースの形状による機構であり、
    本体ケース格納位置に停止するための停止機構は、本体ケースと外枠ケースの形状による機構であり、
    スライド部材は、本体ケースに設けられており、
    スライド部材を転写ヘッド突出位置にて本体ケース格納位置方向へ稼動させると、スライド部材の一部である係部が接している固定機構の駆動部材を動かして固定を解除する機構であり、続いて本体ケースを動かして摺動する機構であり、
    スライド部材を本体ケース格納位置にて転写ヘッド突出位置方向へ稼動させると、スライド部材の係部が本体ケースを直接動かして停止から摺動する機構であり、
    スライド部材を本体ケース格納位置にて転写ヘッド突出位置方向と逆方向へ稼動させると、スライド部材の係部が固定機構の駆動部材を動かして続いて本体ケースを動かして停止から摺動する機構であることを特徴とする請求項2に記載の塗膜転写具。
  4. 本体ケースに設けた駆動部材に弾性体が取り付けてあり、その弾性力によって、駆動部材がそこに合致した外枠ケースの形状に保持されており、
    さらに、その弾性力が、スライド部材の係部が接している駆動部材からスライド部材へ伝動され、その力によって、スライド部材が本体ケースの特定位置に保持されていることを特徴とする請求項3に記載の塗膜転写具。
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