JP5127521B2 - 変性共役ジエン系重合体及びその製造方法、並びに重合体組成物 - Google Patents
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Description
タイヤの転がり抵抗を低減するためには、加硫ゴムのヒステリシスロスを小さくすればよく、ヒステリシスロスの小さいゴム材料としては、天然ゴム、ポリイソプレンゴムまたはポリブタジエンゴムなどが知られている。しかし、これらはウェットスキッド抵抗性が小さいという問題がある。ウェットスキッド抵抗を損なうことなくヒステリシスロスを低減する方法として、炭化水素溶媒中において有機リチウム開始剤で重合された種々の構造のスチレン−ブタジエン共重合体の重合体末端に変性基を導入し、補強性充填剤との相互作用を高め充填剤の分散性を高める方法が多く提案されている。現在タイヤトレッド用に一般的に用いられている補強性充填剤としてはカーボンブラックやシリカなどが挙げられる。シリカを用いると低ヒステリシスロス性とウェットスキッド抵抗性が向上するため、近年その使用が増えているが、ドライスキッド抵抗性や走行性能とのバランスのため、カーボンブラックも併用されることが多い。変性ゴムとしては、シリカとカーボンブラックの両方に対して効果のあるものが求められ、例えばグリシジルアミノ基を有する変性剤を重合体末端に反応させて得られる変性ジエン系ゴムが好適に用いられる(特許文献1、2参照)。しかしながら低燃費化要求の高まりとともに、補強性充填剤との相互作用がさらに高い変性ゴムが求められてきている。
すなわち、本発明は共役ジエン系重合体の活性末端に2つ以上のエポキシ基を有する化合物(A)を反応させ、さらに残存しているエポキシ基の全てまたは一部に対して、1級又は2級アミノ基及び1つ以上のアルコキシシリル基を有する化合物(B)を反応させることを特徴とする変性共役ジエン系重合体の製造方法と得られる変性共役ジエン系重合体及びその組成物である。
1.アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を開始剤として用いて共役ジエン化合物、または共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を(共)重合した後、その活性末端に、一般式(1)で表される2つ以上のエポキシ基を有する化合物(A)を反応させ、さらに残存しているエポキシ基の全てまたは一部に対して、1級又は2級アミノ基及び1つ以上のアルコキシシリル基を有する3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(3−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミンから選ばれる化合物(B)を反応させることを特徴とする変性共役ジエン系重合体の製造方法。
3.前記2.に記載の変性共役ジエン系重合体を含む重合体100質量部と、充填剤1〜200質量部を含むことを特徴とする変性共役ジエン系重合体組成物。
4.前記充填剤がカーボンブラック及び/又はシリカを含む前記3.に記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
本発明の製造方法において用いられるアルカリ金属系開始剤またはアルカリ土類金属系開始剤としては、重合開始の能力がある全てのアルカリ金属系開始剤またはアルカリ土類金属系開始剤が使用可能であり、中でも、有機アルカリ金属化合物、有機アルカリ土類金属化合物からなる群から選ばれる少なくとも一種の化合物が好ましく用いられる。
有機アルカリ金属化合物としては、特に有機リチウム化合物が好適である。有機リチウム化合物としては、低分子量のもの、可溶化したオリゴマーの有機リチウム化合物、また、1分子中に単独のリチウムを有するもの、1分子中に複数のリチウムを有するもの、有機基とリチウムの結合様式において、炭素−リチウム結合からなるもの、窒素−リチウム結合からなるもの、錫−リチウム結合からなるもの等を含む。
一方、アルカリ土類金属化合物としては、有機マグネシウム化合物、有機カルシウム化合物、有機ストロンチウム化合物が代表的なものである。具体的には、ジブチルマグネシウム、エチルブチルマグネシウム、プロピルブチルマグネシウムなどが挙げられる。また、アルカリ土類金属のアルコキサイド、スルフォネート、カーボネート、アミドなどの化合物が用いられる。これらの有機アルカリ土類金属化合物は有機アルカリ金属系開始剤その他有機金属化合物と併用して用いても良い。
共役ジエン系重合体は、共役ジエン化合物の重合体又は、共重合体、更には共役ジエン化合物−芳香族ビニル化合物の共重合体である。共役ジエン系重合体の重合反応において、芳香族ビニル化合物を共役ジエン化合物とランダムに共重合する目的で、また共役ジエン部のミクロ構造を制御するためのビニル化剤として、更には重合速度の改善などの目的で少量の極性化合物を添加することも可能である。
共役ジエン化合物の例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、3−メチル−1,3−ペンタジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−ヘキサジエン等が挙げられ、一種又は二種以上を組み合わせて用いても良い。好ましい化合物としては、1,3−ブタジエン、イソプレンが挙げられる。また、芳香族ビニル化合物の例としては、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルエチルベンゼン、ビニルキシレン、ビニルナフタレン、ジフェニルエチレン等が挙げられ、一種又は二種以上を組み合わせて用いても良い。好ましい化合物としては、スチレンが挙げられる。
又共役ジエン系重合体のコールドフローを防止するために、分岐をコントロールする観点からジビニルベンゼン等の多官能芳香族ビニル化合物を使用することもできる。
製造される共役ジエン系重合体の分子量(重量平均分子量:ポリスチレン換算)は、加工性や物性を考慮すれば10万から200万が好ましい。
重量平均分子量の測定方法は、例えば、ポリスチレン系ゲルを充填剤としたカラム3本を連結して用いたGPCを使用してクロマトグラムを測定し、標準ポリスチレンを使用した検量線により分子量を計算して求めることができる。具体的には、溶離液にテトラヒドロフラン(THF)を使用し、カラムとして、ガードカラム:東ソー TSKguardcolumn HHR−H、カラム:東ソー TSKgel G6000HHR、TSKgel G5000HHR、TSKgel G4000HHRを使用し、オーブン温度40℃、THF流量1.0ml/分の条件で東ソー製 HLC8020(検出器:RI)を用いて測定を行うことができる。試料は20mlのTHFに対して分子量分布の狭い重合体の場合には10mgを、広い重合体の場合には20mgを溶解し、200μl注入して測定するのが好適である。
共役ジエン系重合体は、ランダム共重合体としては、ブタジエン−イソプレンランダム共重合体、ブタジエン−スチレンランダム共重合体、イソプレン−スチレンランダム共重合体、ブタジエン−イソプレン−スチレンランダム共重合体が挙げられる。ランダム共重合体としては統計的ランダムな組成に近い完全ランダム共重合体、テーパ−状に組成に分布があるテーパーランダム共重合体などがある。また、単一モノマー組成のホモ重合体であっても、そのモノマー結合様式、すなわち1,4結合と1,2結合などにより均一な組成の重合体であったり、組成に分布があったり、ブロック状(ブロック結合を有する)であったり、種々の構造が可能である。
(上式において、各ブロックの境界は必ずしも明瞭に区別される必要はない。ブロックBが芳香族ビニル化合物と共役ジエン化合物との共重合体の場合、ブロックB中の芳香族ビニル化合物は均一に分布していても、またはテーパー状に分布していてもよい。またブロックBには、芳香族ビニル化合物が均一に分布している部分及び/又はテーパー状に分布している部分がそれぞれ複数個共存していてもよい。またブロックBには、芳香族ビニル化合物含有量が異なるセグメントが複数個共存していてもよい。又、kは1以上の整数、好ましくは1〜5の整数である。)ブロックポリマーとしては、上記一般式で表される構造を有するものの任意の混合物でも良い。
化合物(A)として、具体的には、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなどの多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ジグリシジル化ビスフェノールAなどの2個以上のフェニル基を有する芳香族化合物のポリグリシジルエーテル、1,4−ジグリシジルベンゼン、1,3,5−トリグリシジルベンゼン、ポリエポキシ化液状ポリブタジエンなどのポリエポキシ化合物、4,4’−ジグリシジル−ジフェニルメチルアミン、4,4’−ジグリシジル−ジベンジルメチルアミンなどのエポキシ基含有3級アミン、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルオルソトルイジン、テトラグリシジルメタキシレンジアミン、テトラグリシジルアミノジフェニルメタン、テトラグリシジル−p−フェニレンジアミン、ジグリシジルアミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等のジグリシジルアミノ化合物、エポキシ変成シリコーン、エポキシ化大豆油、エポキシ化亜麻仁油などのエポキシ基と他の官能基を有する化合物が挙げられる。これらの化合物は単独あるいは、2種類以上併用してもかまわない。さらに好ましくは一般式(1)で表される分子中にジグリシジルアミノ基を有する化合物である。
化合物(A)は、化合物中のエポキシ基と共役ジエン系重合体の活性末端との反応後にそのエポキシ基の一部が残存する程度に添加する。化合物(A)の添加量をAモル、化合物(A)のエポキシ基の個数をf(2種類以上用いる場合はモル平均の個数)、開始剤として添加したアルカリ(土類)金属の総量をMモルとしたときに、A/Mの値が1/f以上1以下となるように添加するのが好ましく、3/2f以上1以下となるように添加することがさらに好ましい。後の工程で化合物(B)が反応するエポキシ基を確保するために1/f以上とすることが好ましく、コストの観点から1以下とすることが好ましい。
化合物(A)を活性末端に付加させる温度には特に制限はなく、共役ジエン系重合体の重合後に特に加除熱することなく添加することで付加することができる。反応時間も特に制限はないが、十分な反応率を得るために化合物(B)を添加するまで30秒以上の反応時間を確保することが好ましい。
1級又は2級アミノ基及び1つ以上のアルコキシシリル基を有する化合物(B)としてアミノアルキルトリアルコキシシラン、アミノアルキルアルキルジアルコキシシラン、アミノアルキルジアルキルアルコキシシラン、N−(アミノアルキル)アミノアルキルトリアルコキシシラン、N−(アミノアルキル)アミノアルキルアルキルジアルコキシシラン、N−(アミノアルキル)アミノアルキルジアルキルアルコキシシラン、(トリアルコキシシリルアルキル)ジアルキレントリアミン、(アルキルジアルコキシシリルアルキル)ジアルキレントリアミン、(ジアルキルアルコキシシリルアルキル)ジアルキレントリアミン、N−アルキルアミノアルキルトリアルコキシシラン、N−アルキルアミノアルキルアルキルジアルコキシシラン、N−アルキルアミノアルキルジアルキルアルコキシシラン、N−アリールアミノアルキルトリアルコキシシラン、ビス(トリアルコキシシリルアルキル)アミン、ビス(アルキルジアルコキシシリルアルキル)アミン、ビス(トリアルコキシシリルアルキル)エチレンジアミン、N−[(トリアルコキシシシリル)−アルキル]−ピペラジン、N−[(アルキルジエトキシシリル)−アルキル]−ピペラジン、N−[(トリアルコキシシリル)−アルキル]−イミダジリジン、N−[(アルキルジアルコキシシリル)−アルキル]−イミダジリジン、N−[(ジアルキルアルコキシシリル)−アルキル]−イミダジリジン、N−[(トリアルコキシシリル)−アルキル]−ヘキサヒドロピリミジン、N−[(アルキルジアルコキシシリル)−アルキル]−ヘキサヒドロピリミジン、N−[(ジアルキルアルコキシシリル)−アルキル]−ヘキサヒドロピリミジン等が挙げられ、具体的には以下のような化合物が挙げられる。
また、必要により、重合体に含まれる金属類を脱灰することができる。通常、脱灰の方法としては水、有機酸、無機酸、過酸化水素等の酸化剤などを重合体溶液に接触させて金属類を抽出し、その後水層を分離する方法で行なわれる。
重合体溶液から重合体を取得する方法は、公知の方法で行うことができる。例えば、スチームストリピングなどで溶媒を分離した後、重合体を濾別し、さらにそれを脱水および乾燥して重合体を取得する方法、フラッシングタンクで濃縮し、さらにベント押し出し機などで脱揮する方法、ドラムドライヤー等で直接脱揮する方法などが採用できる。
変性基を有する共役ジエン系重合体および共役ジエン系重合体組成物に、シリカ、カーボンブラック、金属酸化物及び金属水酸化物からなる群から選ばれる充填剤を分散させると、従来にない優れた効果が得られる。特に、好ましくはシリカとして一次粒子径が50nm以下である合成ケイ酸を用いる方法である。その場合に、充填剤は短時間の混練によって速やかに均一かつ微粒子状に、再現性よく分散し、得られる物性は極めて好ましいものとなる。
モノマーとして共役ジエンまたは、共役ジエンとスチレンの組み合わせを用い、有機モノリチウム化合物を開始剤として不活性溶媒中でリビング共役ジエンホモ重合体または共役ジエンとスチレンのリビングランダム共重合体を得る。重合体はガラス転移温度が−100℃から0℃の範囲であり、共役ジエン部の1,4−結合対1,2または3,4結合の比率は10/90〜90/10である。共重合体中の結合スチレン量は0〜50質量%であり、共重合体中のスチレンの連鎖分布は完全ランダム構造がより好ましい。すなわち、オゾン分解法による単離スチレン(スチレンが1個単位)が全結合スチレンの40質量%以上で、かつ連鎖スチレン(スチレンが8個以上の連なりとなっている)が全結合スチレンの5質量%以下、好ましくは2.5質量%以下である。スチレン単位が1個のスチレン単連鎖、及びスチレン単位が8個以上連なったスチレン長連鎖の含率は田中らの方法(Polymer,22,1721(1981))に従って、スチレン−ブタジエン共重合ゴムをオゾンによって分解した後、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって分析することができる。リビング重合体の溶液に、エポキシ基を2個以上有する化合物(A)を添加、攪拌して均一に混合し活性末端に反応させた後、1級又は2級アミノ基及び1つ以上のアルコキシシリル基を有する化合物(B)を添加、混合して、残存しているエポキシ基の全てまたは一部に対して反応させる。
一般的に、重合体の分子量は用途、目的に応じてコントロールされる。本発明の変性共役ジエン系重合体のムーニー粘度(100℃ 1+4分)は、20〜100にコントロールされる。好ましくは40〜90、さらに好ましくは45〜80である。ムーニー粘度が高い場合は、製造時における仕上げ工程での容易性を考慮して又、混練時の加工性向上、充填剤の分散性向上、分散性の向上による諸物性の向上のため通常伸展油で油展してこの範囲とする。伸展油としては、アロマ油、ナフテン油、パラフィン油、さらに、IP346の方法による多環芳香族化合物(PCA)3質量%以下のアロマ代替油が好ましく用いられる。アロマ代替油としては、Kautschuk Gummi Kunststoffe52(12)799(1999)に示されるTDAE(Treated distillate aromatic extracts)、MES(Mildly extracted solvate)などの他、ジャパンエナジー社製のS−RAEなどがある。伸展油の使用量は任意であるが、通常は、重合体100質量部に対し、10〜50質量部である。一般的には20〜37.5質量部用いられる。
充填剤としては、また、カーボンブラックを好適に用いることができる。カーボンブラックとしては特に制限されず、例えば、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、グラファイトなどを用いることができる。これらの中でも、特にファーネスブラックが好ましい。
加硫剤としては、特に限定はないが、例えば、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄などのような硫黄、一塩化硫黄、二塩化硫黄などのようなハロゲン化硫黄、ジクミルパーオキシド、ジターシャリブチルパーオキシドなどのような有機過酸化物などが挙げられる。これらの中でも、硫黄が好ましく、粉末硫黄が特に好ましい。
加硫剤の配合割合は、ゴム成分100質量部に対して、通常0.1〜15質量部、好ましくは0.3〜10質量部、さらに好ましくは0.5〜5質量部の範囲である。
加硫助剤としては、特に制限はないが、例えばステアリン酸や酸化亜鉛などを用いることができる。
オイルとしては、例えば、アロマ系、ナフテン系、パラフィン系、シリコーン系などの伸展油が用途に応じて選択される。伸展油の使用量は、ゴム成分100質量部あたり、通常1〜150質量部、好ましくは2〜100質量部、更に好ましくは3〜60質量部の範囲である。オイルの使用量がこの範囲にある時には、充填剤の分散効果、引張強度、耐摩耗性、耐熱性等が高値にバランスされる。
本発明の重合体及び重合体の組成物をゴム成分として用いる組成物は、上記各成分を公知のゴム用混練機械、例えばロール、バンバリーミキサー等を用いて混合することによって製造される。
また、本発明の変性共役ジエン系重合体は、前述した変性共役ジエン系重合体の製造方法によって得られるものである。そして、本発明の重合体はかかる構成からなるため、前述したような優れた効果を有するものである。
(1)結合スチレン量
試料をクロロホルム溶液とし、スチレンのフェニル基によるUV254nmの吸収により結合スチレン量(質量%)を測定した((株)島津製作所製:UV−2450)。
(2)ブタジエン部分のミクロ構造(1,2−ビニル結合量)
試料を二硫化炭素溶液とし、溶液セルを用いて赤外線スペクトルを600〜1000cm−1の範囲で測定して所定の吸光度よりハンプトンの方法の計算式に従いブタジエン部分のミクロ構造を求めた(日本分光(株)製:FT−IR230)。
(3)ムーニー粘度
JIS K 6300によって100℃、予熱1分で4分後の粘度を測定した。
シリカ系ゲルを充填剤としたGPCカラムに、変性した成分が吸着する特性を応用し、試料及び分子量5000の標準ポリスチレン(ポリスチレンはカラムに吸着しない)を含む試料溶液を用い、ポリスチレン系ゲルカラム(ガードカラム:東ソー TSKguardcolumn HHR−H、カラム:東ソー TSKgel G6000HHR、TSKgel G5000HHR、TSKgel G4000HHR、オーブン温度40℃、THF流量1.0ml/分)のGPC(東ソー製 HLC−8020)と、シリカ系カラム(ガードカラム:DIOL 4.6×12.5mm 5micron、カラム:Zorbax PSM−1000S、PSM−300S、PSM−60S、オーブン温度40℃、THF流量0.5ml/分)のGPC(東ソー製CCP8020シリーズ ビルドアップ型GPCシステム:AS−8020、SD−8022、CCPS、CO−8020、RI−8021)の両クロマトグラムをRI検出器を用いて測定し、それらの差分よりシリカカラムへの吸着量を測定し変性率を求めた。試料は20mlのTHFに対して分子量分布の狭い重合体の場合には10mgを、広い重合体の場合には20mgを標準ポリスチレン5mgとともに溶解し、200μl注入して測定した。具体的手順としては、ポリスチレン系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、サンプルピーク面積をP1、標準ポリスチレンのピーク面積をP2とし、シリカ系カラムを用いたクロマトグラムのピーク面積の全体を100として、サンプルピーク面積をP3、標準ポリスチレンのピーク面積をP4として、変性率(%)は[1−(P2×P3)/(P1×P4)]×100で求めることができる。
内容積10リットルで、撹拌機及びジャケットを付けた温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、不純物を除去したブタジエン777g、スチレン273g、シクロヘキサン4800g、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン0.81gを反応器へ入れ、反応器内温を42℃に保持した。重合開始剤としてn−ブチルリチウム9.5mmolを含むシクロヘキサン溶液を反応器に供給した。反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、最終的な反応器内の温度は73℃に達した。重合反応終了後、反応器にテトラグリシジル−1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン4.3mmolを添加し、72℃で2分間攪拌して変性反応を実施した後にさらに3−アミノプロピルトリエトキシシランを4.3mmol添加して71℃で5分間変性反応を実施した。この重合体溶液に酸化防止剤(BHT)2.1gを添加後、スチームストリッピングにより溶媒を除去し、乾燥機で乾燥して、変性成分を有するスチレン−ブタジエン共重合体(試料A)を得た。回収された溶媒には水以外の重合に有害な物質は含まれていなかった。
試料Aを分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74%であり、重合体のムーニー粘度は75であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量は56%であり、またシリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率は79%であった。
3−アミノプロピルトリエトキシシランの添加量を8.6mmolとした以外は試料Aを得るのと全く同様な方法で変性成分を有するスチレン−ブタジエン共重合体(試料B)を得た。
試料Bを分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74%であり、重合体のムーニー粘度は77であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量は56%であり、またシリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率は81%であった。
3−アミノプロピルトリエトキシシランを添加しないこと以外は試料Aを得るのと全く同様な方法で変性成分を有するスチレン−ブタジエン共重合体(試料C)を得た。
試料Cを分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74%であり、重合体のムーニー粘度は74であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量は56%であり、またシリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率は82%であった。
内容積10リットルで、撹拌機及びジャケットを付けた温度制御が可能なオートクレーブを反応器として使用し、不純物を除去したブタジエン777g、スチレン273g、シクロヘキサン4800g、極性物質として2,2−ビス(2−オキソラニル)プロパン0.59gを反応器へ入れ、反応器内温を43℃に保持した。重合開始剤としてn−ブチルリチウム7.1mmolを含むシクロヘキサン溶液を反応器に供給した。反応開始後、重合による発熱で反応器内の温度は上昇を始め、最終的な反応器内の温度は73℃に達した。重合反応終了後、反応器にN−メチル−2−ピロリドン7.1mmolを添加し、72℃で5分間変性反応を実施した。この重合体溶液に酸化防止剤(BHT)2.1gを添加後、溶媒を除去し、変性成分を有するスチレン−ブタジエン共重合体(試料D)を得た。
試料Dを分析した結果、結合スチレン量は26質量%、結合ブタジエン量は74%であり、重合体のムーニー粘度は52であった。赤外分光光度計を用いた測定結果よりハンプトン法に準じて計算して求めたブタジエン部分のミクロ構造の1,2−結合量は57%であり、またシリカ系吸着カラムを用いるGPCから求めた変性率は83%であった。
以上の調製結果を表1に示した。
表1に示す試料(試料A〜試料D)を原料ゴムとして、以下に示す配合でゴム組成物を得た。
変性共役ジエン系重合体 70.0質量部
ポリブタジエンゴム(UBEPOL−150) 30.0質量部
シリカ(デグサ社製 Ultrasil VN3) 75.0質量部
カーボンブラック(N339) 5.0質量部
シランカップリング剤(デグサ社製Si69) 7.5質量部
S−RAEオイル
(ジャパンエナジー社製JOMOプロセスNC140) 37.5質量部
亜鉛華 2.5質量部
ステアリン酸 2.0質量部
老化防止剤
(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン) 2.0質量部
硫黄 1.7質量部
加硫促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフィンアミド)1.7質量部
加硫促進剤(ジフェニルグアニジン) 1.5質量部
合計 236.4質量部
温度制御装置を付属した密閉混練機(内容量0.3リットル)を使用し、第一段の混練として、充填率65%、ローター回転数50/57rpmの条件で、原料ゴム、充填材(シリカおよびカーボンブラック)、有機シランカップリング剤、プロセスオイル、亜鉛華、ステアリン酸を混練した。この際、密閉混合機の温度を制御し、排出温度(配合物)は155〜160℃でゴム組成物を得た。
ついで、第二段の混練として、上記で得た配合物を室温まで冷却後、老化防止剤を加え、シリカの分散を向上させるため再度混練した。この場合も、混合機の温度制御により排出温度(配合物)を155〜160℃に調整した。
冷却後、第三段の混練として、70℃に設定したオープンロールにて、硫黄、加硫促進剤を混練した。
これを成型し、160℃で20分間、加硫プレスにて加硫し、物性を測定した。物性測定結果を表2に示した。
1)バウンドラバー量:第2段混練り終了後の配合物約0.2グラムを約1mm角状に裁断し、ハリスかご(100メッシュ金網製)へ入れ、重量を測定。その後トルエン中に24時間浸せき後、乾燥、重量を測定し、非溶解成分を考慮し、充填剤に結合したゴムの量を計算し、最初の配合物中のゴム量に対する充填剤と結合したゴムの割合を求めた。
2)配合物ムーニー粘度:ムーニー粘度計を使用し、JIS K6300−1により、130℃で、予熱を1分間行った後にローターを毎分2回転で回転させ4分後の粘度を測定した。
3)引張強さ:JIS K6251の引張試験法により測定した。
4)粘弾性パラメータ:レオメトリックス・サイエンティフィック社製粘弾性試験装置「ARES」を用い、ねじりモードで粘弾性パラメータを測定した。0℃において周波数10Hz、ひずみ1%で測定したtanδをウェットグリップ性能の指標とした。値の大きいほどウェットグリップ性能が良好であることを示す。また50℃において周波数10Hz、ひずみ3%で測定したtanδを省燃費特性の指標とした。値の小さいほど省燃費性能が良好であることを示す。またひずみ0.1%と10%でのG’の差をΔG’としてペイン効果の指標とした。値の小さいほどシリカ等充填剤の分散性が良い。
5)耐摩耗性:アクロン摩耗試験機を使用し、荷重6ポンド、1000回転の摩耗量を測定し、指数化した。指数の大きいほど耐摩耗性が優れることを示す。
表1に示す試料(試料A〜試料D)を原料ゴムとして、以下に示す配合でゴム組成物を得た。
変性共役ジエン系重合体 100.0質量部
シリカ(デグサ社製Ultrasil VN3) 25.0質量部
カーボンブラック(N339) 20.0質量部
シランカップリング剤(デグサ社製Si69) 2.5質量部
S−RAEオイル(ジャパンエナジー社製JOMOプロセスNC140) 5.0質量部
亜鉛華 3.0質量部
ステアリン酸 2.0質量部
老化防止剤
(N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン) 1.0質量部
硫黄 1.9質量部
加硫促進剤(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアジルスルフィンアミド)1.0質量部
加硫促進剤(ジフェニルグアニジン) 1.5質量部
合計 162.9質量部
混練り、成型及び加硫は実施例3、4と全く同じ方法で実施した。物性測定結果を表3に示した。
Claims (4)
- アルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を開始剤として用いて共役ジエン化合物、または共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物を(共)重合した後、その活性末端に、一般式(1)で表される2つ以上のエポキシ基を有する化合物(A)を反応させ、さらに残存しているエポキシ基の全てまたは一部に対して、1級又は2級アミノ基及び1つ以上のアルコキシシリル基を有する3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−
アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(3−トリメトキシシリルプ
ロピル)ジエチレントリアミンから選ばれる化合物(B)を反応させることを特徴とする変性共役ジエン系重合体の製造方法。
(ここでR1およびR2は炭素数1〜10の炭化水素基またはエーテルおよび/または3級アミンを有する炭素数1〜10の炭化水素基、R3およびR4は、水素、炭素数1〜20の炭化水素基、またはエーテルおよび/または3級アミンを有する炭素数1〜20の炭化水素基、R5は炭素数1〜20の炭化水素基、またはエーテル、3級アミン、エポキシ、カルボニル、ハロゲンのうち少なくとも1種の基を有する炭素数1〜20の炭化水素基であり、nは1〜6の整数である。) - 共役ジエン化合物、または共役ジエン化合物と芳香族ビニル化合物からなる(共)重合
体の末端に、一般式(1)で表される2つ以上のエポキシ基を有する化合物(A)が少なくとも1つのエポキシ基の開環により結合しており、さらに化合物(A)の他のエポキシ基の全てまたは一部に対して、1級又は2級アミノ基及び1つ以上のアルコキシシリル基を有する3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(3−トリメトキシシリルプロピル)ジエチレントリアミンから選ばれる化合物(B)がエポキシ基の開環により結合している、ムーニー粘度(100℃、1+4分)が20〜100である変性共役ジエン系重合体。
(ここでR1およびR2は炭素数1〜10の炭化水素基またはエーテルおよび/または3級アミンを有する炭素数1〜10の炭化水素基、R3およびR4は、水素、炭素数1〜20の炭化水素基、またはエーテルおよび/または3級アミンを有する炭素数1〜20の炭化水素基、R5は炭素数1〜20の炭化水素基、またはエーテル、3級アミン、エポキシ、カルボニル、ハロゲンのうち少なくとも1種の基を有する炭素数1〜20の炭化水素基であり、nは1〜6の整数である。) - 請求項2記載の変性共役ジエン系重合体を含む重合体100質量部と、充填剤1〜200質量部を含むことを特徴とする変性共役ジエン系重合体組成物。
- 前記充填剤がカーボンブラック及び/又はシリカを含む請求項3記載の変性共役ジエン系重合体組成物。
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