JP5128752B2 - 透過型x線管及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、X線管に係り、特に、透過型X線管及びその製造方法に関するものである。
X線管は医療用レントゲン装置、工業用計測装置等のX線源として用いられており、これらX線管は回転陽極X線管、固定陽極X線管に大別され、前記透過型X線管は前記固定陽極X線管の範疇若しくは独自の分類となる。
近時、X線管は特許文献1に開示されている様に静電気除電装置のX線源にもその用途が拡大されつつある。
特許文献1は、帯電したフイルムや紙などを除電する静電気除電装置および静電気除電方法に関するもので、X線を被除電物に照射して被除電物の両面を同時に除電するものである。
このようにフイルム、紙等の製造や加工、粉体や液体の充填、更には半導体や表示装置等の製造、検査工程等において静電気の除電は重要な課題となっている。特許文献2には除電装置に用いる透過型X線管が記載されている。
特許文献2に記載の透過型X線管は、カソードピンが立設されたセラミック製ステム部と、下面にターゲット金属が蒸着された出射窓とをセラミック製バルブで支えて相互にロウ付けし、更に集束電極を前記セラミック製バルブの内周面に沿って配置すると共にこの集束電極の下端部をステム部とバルブで挟む構成である。
特開平7−6859号公報 特許平9ー180660号公報
特許文献2に開示された透過型X線管は、集束電極の配置構造に特徴を有し耐電圧の確保も可能な優れたものである。しかしながら、特許文献2に記載のX線管は、セラミック製ステム部と下面にターゲット金属が蒸着された出射窓との間にセラミック製バルブを設けている。即ちセラミック部品を2箇所に使用しているため、取り扱いに注意が必要である。また、従来のX線管は製造コストを安くすることが困難である。ステム側と出射窓側共にロウ付け作業を行う必要があるため、製造に時間がかかる。また特許文献2の透過型X線管はステム側と出射窓側の両側で使用するロウ材を異なる特性のものとする必要があり、作業工程が複雑である。そのため量産性が難しい。更に、出射窓側とセラミック製バルブとのロウ付け工程が、タングステンコイル(陰極フィラメント)をカソードピンに取り付ける工程よりも後になる。そのため、タングステンコイル及びタングステンコイルを固定したカソードピンを高温に曝すことになり、タングステンコイルとカソードピンの固定部が加熱される。結果としてタングステンコイルとカソードピンの固定が緩むことがある。またフィラメントの特性及び寿命劣化の問題があって信頼性に欠ける恐れがある。
上記課題は、絶縁材からなり陰極フィラメントを保持するステム基部と、閉止端にX線放射窓を有するカップ状の放射窓枠体とを、一端側を前記ステム基部とロウ付けされた略筒状のシール部材の他端側を前記放射窓枠体の開放端側と溶接接合することで解決できる。
請求項1に係る発明によると、ステム基部に電極リードとシール部材及び排気管等を同時にロウ付けすることが可能である。各部材をロウ付け後に、シール部材と窓枠体とを溶接により気密接合することで管球製造中に陰極フィラメントを高温に曝す工程が不要になる。また、陰極フィラメントと陰極リードとの固定部が高温にならないので、固定部が緩むことを防止できる。さらに陰極フィラメントの所望の特性及び長寿命化を確保出来、高品位で長寿命、かつ廉価な透過型X線管を実現可能とした。
請求項2に係る発明によると、ステム基部がカップ状を呈することからシール部材とのロウ付けが容易となると共にシール部材の高さを低く出来るので完成球の機械的強度の向上が図れる。
請求項3に係る発明によると、シールドによりステム基部とシール部材との接合部を電極リードから遮蔽できる。例えば、ステム基部のメタライズ層が管球動作中に蒸発しても、電極リード等の電極部分への付着を阻止でき、耐電圧特性の低下を抑制できる。
請求項4に係る発明によると、ステム基部の表面の絶縁性が優れる。耐電圧が向上する。銀ロウをつけるときの耐熱性が優れる。又整形も容易で、量産性にも優れている。
請求項5に係る発明によると、電極リードの固定が強固になり陰極フィラメントと放射窓間の間隔を高精度に保持でき、管球の特性変動を防止して焦点サイズの変動やX線出力の変動の少ない高品位で長寿命の透過型X線管を実現可能とした。
請求項6に係る発明によると、電極リードの陰極フィラメントとの固定側の材料は、ステム基部との固定を考慮することなく自由に選択でき、材料選択の自由度が大きくなると共に固定の信頼性の確保がより一層確実となって陰極フィラメントと放射窓間の間隔が所望の値に確保でき特性向上が図れる。
又、電極リードのステム基部側の材料は、陰極フィラメント固定への影響を考慮することなく、ステム基部側との固定に最適な材質を選定することが可能となり、作業性の向上が図れる
請求項7に係る発明によると、陰極フィラメントと電極リードとの接合するときの、陰極フィラメントの脚部の変形、電子放出部の変形、電子放出部の変位の発生を防止できる。また、陰極フィラメントと放射窓間の間隔を高精度に保持でき、管球の特性変動を防止して高品位で長寿命の透過型X線管を実現できる。
請求項8に係る発明によると、ロウ付けと溶接接合とを有効に組み合わせることで陰極フィラメントと電極リードとの接合部を高温に曝す工程も無く、従って陰極フィラメントの所望の特性及び長寿命を確保でき、管球の特性変動を防止して高品位で長寿命の透過型X線管を実現可能とした。
請求項9に係る発明によると、溶接作業が容易であると共に、溶接部分の変形や破断の発生が無く、気密接合の信頼性を確保できる。
請求項10に係る発明によると、筐体内の加熱と排気との組み合わせで陰極フィラメント電流を小電流とすることが出来、陰極フィラメントの所望の特性及び長寿命を確保でき、管球の特性変動を防止して高品位で長寿命の透過型X線管を実現可能とした。
請求項11に係る発明によると、ステム基部に電極リードとシール部材及び排気管等を同時にロウ付けすることが可能である。各部材をロウ付け後に、シール部材と窓枠体とを溶接により気密接合することで管球製造中に陰極フィラメントを高温に曝す工程が不要になる。また、陰極フィラメントと陰極リードとの固定部が高温にならないので、固定部が緩むことを防止できる。さらに陰極フィラメントの所望の特性及び長寿命化を確保出来、高品位で長寿命、かつ廉価な透過型X線管を実現可能とした。
本発明の透過型X線管は排気された外囲容器の中に電子を放出する陰極フィラメントを備えている。X線管の外囲容器は、絶縁性のステム基部と、前面にX線を出射するための窓を持つ枠体と、ステム基部と枠体とを繋ぐシール部材と、排気管とを備える。
ステム基部は、電極リードを貫通させるための複数の貫通孔と、排気管につながる排気孔とを持つ。
ステム基部を貫通した電極リードは、X線管内でX線出射窓に対向させて陰極フィラメントを保持する。また電極リードは、X線管外で前記陰極フィラメントに電流を供給するための端子に接続している。
枠体とX線出射窓とはロウ材で固着し、ステム基部とシール部材とはロウ材で固着し、シール部材と枠体とは溶接により被溶接部材を溶かして固着している。
以下、本発明の実施の形態につき実施例を用いて詳細に説明する。
図1乃至図3は本発明の透過型X線管の実施例1を説明する図である。なお、図1(a)は上面図、図1(b)は正面図、図1(c)は下面図、図2は図1(a)のI−I線断面図、図3は図2の一部拡大図である。
図1乃至図3において、1はセラミックスのような絶縁体からなるカップ状のステム基部、2は排気管、3は端子、4は電極リード、5は略筒状のシール部材、6は略筒状のシールド、7は電子放出源となる陰極を備えたフィラメント(以下、陰極フィラメントという)、8はカップ状の窓枠体、9は放射窓、12はステム基部の開放端、13はメタライズ層、41はリード線の一端部、42はリード線の他の一端部、51はシール部材の一端部、52はシール部材の他の一端部、71は陰極フィラメントの脚部、72は陰極フィラメントの電子放出部、81は窓枠体の閉止端、82は窓枠体の閉止端に設けた貫通部、83は窓枠体の開放端、111はステム基部に設けた排気孔、112はステム基部に設けた一方のリード孔、113はステム基部に設けた他の一方のリード孔、131はロウ材である。
ステム基部1はその閉止端面11に排気孔111とリード孔112及び113からなる複数の貫通孔を備えている。
排気管2は例えば銅管から構成され、ステム基部1の閉止端面11の底面114のメタライズ層13にその一端側21を前記排気孔111と略同軸で気密にロウ付けし、他端側を気密封止している。
端子3は前記ステム基部1の閉止端面11の底面114のメタライズ層13に前記リード孔112,113とそれぞれ略同軸でロウ付けしている。
電極リード4はその一端側41を前記ステム基部1の閉止端面11の前記リード孔112,113にそれぞれ挿通して前記端子3とロウ付けされている。
シール部材5は導電材(例えば、コバール材,Fe,Fe−Ni合金等)から構成され、その一端側51を図3に拡大して示すように前記ステム基部1の開放端12のメタライズ層13に気密にロウ材131でロウ付けしている。セラミック製のステム基部1の端部にメタライズ層13を形成したことで、ステム基部1とシール部材5とのロウ付けの信頼性が向上する。
シールド6はシール部材5の内側に略同軸で固定され、前記シール部材5の一端側51と前記ステム基部1の開放端12のメタライズ層13とのロウ付け部分付近と前記電極リード4とを遮蔽している。
陰極フィラメント7はその両脚部71を前記電極リード4の他端側42とそれぞれ固定している。例えば、この固定は前記他端側42の先端部に凹部を設け、この凹部に脚部71を配置して、かしめにより固定してある。あるいは電極リード7と陰極フィラメントの足部を溶接で固定しても良い。
窓枠体8は導電材で形成されており、例えば銅で形成されている。この放射窓枠体8はその閉止端81に貫通部82を窓枠体8と略同軸で備えており、この貫通部82を塞ぐようにX線透過の放射窓9を気密ロウ付けして備えている。この放射窓9は例えばベリリウム板或はベリリウム板にタングステン等を蒸着した構成等が用いられ、この放射窓9に前記陰極フィラメント7から放出された電子が高電圧、例えば9キロボルト程度の高電圧により加速されて衝突しX線を発生させる。一方、放射窓枠体8の開放端83は前記シール部材5の他端側52と気密に溶接接合している。この溶接接合は窓枠体8が熔けてシール部材5に全周にわたって固着している。この溶接接合はアーク溶接が好ましいが、それに限定されるものではない。
この溶接接合に際し、前記放射窓9と前記フィラメント7の電子放出部72の間隔は所定の寸法に正確に設定されており、又両者はそれぞれの中心を管軸と略一致させている。
この構成で、ステム基部1、排気管2、シールド部材5、窓枠体8、放射窓9、リード孔112,113を塞ぐ電極リード4及び端子3等で気密外囲器を構成している。
この実施例1の構成であれば、シールド部材からステム基部に至る複数の構成部品を同時にロウ付け出来る。又放射窓と窓枠体は前記ステム基部側とは別にロウ付け形成できる。本発明の透過型X線管はロウ付け後に陰極フィラメントを電極リードに固定できる。陰極フィラメントを電極リードに固定した後、窓枠体8とシール部材5を気密に溶接できる。従って本発明は、陰極フィラメントを固定した後にロウ付け工程が無いので、陰極フィラメントを高温に曝すことも無く、陰極フィラメントの所望の特性の確保と長寿命化が可能となり、管球の特性変動を防止して焦点サイズの変動やX線出力の変動の少ない高品位で長寿命の透過型X線管を提供できる。
又、セラミックスからなるカップ状のステム基部と、導電材からなるシールド部材及び窓枠体を組み合わせて用いることで機械的強度に優れ、量産性が高く、しかも廉価な透過型X線管を提供できる。
更に、ステム基部とシールド部材との接合部をシールドによって電極リード等から遮蔽した。例え接合部のメタライズ層が管球動作中に蒸発しても、電極リードを含めて高電位差の電極部分への付着を阻止でき、結果として、透過型X線管の耐電圧特性が向上する。
図4は本発明の透過型X線管の実施例2を説明するための断面図で、前述した図と同じ部分には同一記号を付してある。
図4において、ステム基部10は平板から構成されている。ステム基部10は、その上面101と底面102にそれぞれメタライズ層13を備えており、上面101にシール部材15の導電材からなる第1の筒体151を気密ロウ付けしている。このシール部材15は前述した図3のシール部材5にセラミック筒体152と前記第1の筒体151を付加した構成で、セラミック筒体152とシール部材5及び第1の筒体151とはそれぞれ気密にロウ付けされている。又、前記シール部材15の窓枠体8側の端部52は窓枠体8の開放端83と気密に溶接接合している。
実施例2の構成であれば、ステム基部の構成が単純で量産性が高く、しかも廉価に入手出来、更にステム基部10、第1の筒体151、セラミック筒体152及びシール部材5のロウ付けは、他の電極リード4、排気管2等のロウ付けと同時に可能であり、従って陰極フィラメントを高温に曝すことも無く、陰極フィラメントの所望の特性の確保と長寿命化が可能となり、管球の特性変動を防止して高品位で長寿命の透過型X線管を提供できる。
図5は本発明の透過型X線管の更に実施例3を説明するための断面図で、前述した図と同じ部分には同一記号を付してある。
図5において、ステム基部20は平板から構成されている。ステム基部20は、その上面201側の外側面202及び底面203にメタライズ層13を形成しており、外側面202にシール部材組立25のカップ251を気密にロウ付けしている。このシール部材組立25は第2のセラミック筒体252を挟んで両側に対称的に前記カップ251を配置し、それぞれ気密にロウ付けした。前記窓枠体8側に配置されたカップ251はその端部253を窓枠体8の開放端83と気密に溶接接合している。
実施例3の構成であれば、ステム基部の構成が単純で量産性が高く、しかも廉価に入手出来る。ステム基部20の外側面202とシール部材25とを面接合したことで気密接合の信頼性を高めることが出来る。更にステム基部20、2個のカップ251及び第2のセラミック筒体252のロウ付けは、他の電極リード4、排気管2等のロウ付けと同時に可能である。本発明の透過型X線管はロウ付け後に陰極フィラメントを電極リードに固定できる。陰極フィラメントを電極リードに固定した後、窓枠体8とカップ251を気密に溶接できる。従って、陰極フィラメントを固定した後にロウ付け工程が無いので、陰極フィラメントを高温に曝すことも無く、陰極フィラメントの所望の特性の確保と長寿命化が可能となり、管球の特性変動を防止して高品位で長寿命の透過型X線管を提供できる。
図6は本発明の透過型X線管の更に実施例4を説明するための断面図で、前述した図と同じ部分には同一記号を付してある。
図6において、この実施例のシール部材35は、前述した図5のシール部材25に2個のシールド354を付加した構成である。
すなわち、シール部材35は2個のカップ251と第2のセラミック筒体252とのそれぞれのロウ付け部分と電極リード4とを遮蔽する位置に、それぞれシールド354を配置した構成である。
その他の構成は実施例3と同一である。
実施例4の構成であれば、第2のセラミック筒体とカップとの接合部をシールド354によって電極リード等から遮蔽できる。例え接合部のメタライズ層が管球動作中に蒸発しても、電極リードへの付着を阻止でき、結果として、透過型X線管の耐電圧特性が向上する。
図7は本発明の透過型X線管の実施例5を説明するための断面図で、前述した図と同じ部分には同一記号を付してある。
この実施例では電極リード14を異なる材料からなる導線を繋ぎ合わせた。
すなわち、陰極フィラメント7と接続する支持リード141は溶接に適した例えばモリブデン線を用い、一方ステム基部1及び端子3とロウ付けする外部リード142はロウ付けに適した例えばFe?29質量%Ni?17質量%Co合金(商品名:コバール(Kovar))製の線をそれぞれ用いた構成としている。
実施例5の構成であれば、電極リードと陰極フィラメントとが確実に固定でき、陰極フィラメントと放射窓間の間隔が所望の値に確保できる。
又、ステム基部と電極リードのロウ付けも陰極フィラメント固定に何等影響を与えることなく材質選定が可能であるため作業性が向上する。
次に、本発明による透過型X線管の製造方法を実施例6として説明する。図13は透過型X線管の製造工程の流れ図である。
図8は本発明の透過型X線管の製造方法の実施例を説明するためのステム基部側の組立体の構造を示す断面図で、前述した図と同じ部分には同一記号を付してある。
本発明の製造方法において、マウント組立工程ではステム基部1、排気管2、端子3、電極リード4及びシールド6を有するシール部材5等の部品を図8のように組み合わせて治具にセットする。この時、各ロウ付け部にはロウ材が挿入されるが、このロウ材は例えば溶融温度750〜900℃程度のものを用いことが出来る。例えば、ロウ材として、銀ロウ、銀銅ロウ等がある。又、ステム基部は底面114と開放端12にそれぞれメタライズ層13を備えており、更に電極リード4は他端側42の先端に陰極フィラメント7の脚部71を固定する例えば凹部421を形成している。
このように治具にセットされた組立体を炉内に搬入し、銀銅ロウを用いた構成では850℃迄加熱昇温して各部のロウ付けを一度に実行して組み立てる。
一方、窓枠体8側は、図9に示すように窓枠体8の閉止端81側の貫通部82に放射窓9を前述したと同一材料からなるロウ材を挿んで配置し、これらを治具にセットし前述と同様に加熱してロウ付けし組み立てる。
このロウ付け作業は必要であれば前述した図8のロウ付けと同一炉で同時に行うことも可能である。
又、ロウ材は原価、作業性等を考慮して前述の図8とは異なるものを用いることも可能であるが、統一することで作業管理は容易となる。
次に、陰極フィラメント7の取り付け固定を行う。
図10はこの取り付け固定を説明する図で、前述した図と同じ部分には同一記号を付してある。
図10に示すように、ロウ付け組み立てられた電極リード4の他端側42の先端の凹部421に、陰極フィラメント7の脚部71をその先端が前記凹部421の底面に当接する迄挿入して位置決めし、凹部421を外側から強圧してかしめた後、溶接固定する方法等により取り付け固定し、マウント組立16を形成する。前記取り付け固定には色々な手法が可能である。
次に、陰極フィラメント7の取り付け固定の完了したマウント組立16と、放射窓9を備えた窓枠組立とを、図11に示すように同軸に組み立てる。線II−IIは透過型X線管の管軸である。陰極フィラメント7と放射窓9との間隔が所定の値に確保された状態で、放射窓枠体8の開放端83とシールド部材5の他端側52とがアーク溶接のような溶接手段で気密に溶接される。未封止の透過型X線管(以下、未封止管という)17を形成する。
なお、図11はマウント組立16と窓枠組立との組立てにより形成された未封止管17を説明する図で、前述した図と同じ部分には同一記号を付してある。
次に、未封止管17の管内の排気を行う。この排気は、図12に示す排気装置18を使用して行う。図12は本発明の透過型X線管の製造方法に用いる排気装置の一例の概略を示す模式正面図で、前述した図と同じ部分には同一記号を付してある。
この排気装置18は、載置台181、カバー182、排気系183、加熱用ヒータ184及び排気筒185等からなり、未封止管17の排気管2を排気系183にセットする。未封止管17は複数本を同時にセットすることが作業効率上望ましい。
排気作業は、未封止管17のそれぞれにフィラメント電流を流し、かつ加熱用ヒータ184で加熱しながら図示しない排気ポンプを駆動させて排気系183から排気筒185を介して矢印19方向に排気を行う。
又、前記加熱温度は未封止管17の構成部材等を考慮して決定すれば良く、例えば400℃程度以上が望ましい。この加熱手段は前述の他に種々の手法が可能である。
排気により管内真空度が所定の例えば133×10-6Paに達した後、排気管2を図示しないローラで挟み、ローラを加圧回転させて排気管2を潰して気密封止する。
この気密封止後、前記気密封止部より排気系183側寄りの排気管2を切断し排気系183より管球を取り外し、図1に示すような透過型X線管を製造する。
ここで、封止管内に蒸発性ゲッタを備えた構造では、前記気密封止後ゲッタフラッシュを行うことで更に高真空とすることが出来る。
封止管内に非蒸発性ゲッタを配置した場合は、排気工程中にゲッタの活性化が可能である。よって、非蒸発性ゲッタを使用した場合は、ゲッタフラッシュ工程を省略できる。また、非蒸発ゲッタは、ゲッタ材が陰極フィラメント等への付着がないので、電子放出の低下を抑制できる。
この実施例6によれば、マウント組立と窓枠組立との組み立てを溶接接合により行うため、陰極フィラメントを高温に曝すこと無く組み込むことが出来、陰極フィラメントの所望の特性の確保と長寿命化が可能となり、管球の特性変動を防止して高品位で長寿命、かつ廉価な透過型X線管を提供できる。また、陰極フィラメントとリード線との固定部が高温にさらされないので、固定部の加熱による緩みを抑制できる。
又、排気工程では封止球を外部から加熱し、フィラメント電流を流しながら排気を行うため、排気効率の向上が図れると共に高真空度が得られ、高品位で長寿命、かつ廉価な透過型X線管を提供できる。
本発明の透過型X線管の一実施例を示し、図1(a)は上面図、図1(b)は正面図、図1(c)は下面図である。 図1(a)のI−I 線に沿った断面正面図である。 図2の一部拡大図である。 本発明の透過型X線管の他の実施例を示す図2に対応する断面図である。 本発明の透過型X線管の更に他の実施例を示す図2に対応する断面図である。 本発明の透過型X線管の更に他の実施例を示す図2に対応する断面図である。 本発明の透過型X線管の更に他の実施例を示す図2に対応する断面図である。 本発明の透過型X線管の製造方法を説明するためのステム基部側組立体の断面図である。 本発明の透過型X線管の製造方法を説明するための放射窓枠体側組立体の断面図である。 本発明の透過型X線管の製造方法を説明するためのマウント組立体の断面図である。 本発明の透過型X線管の製造方法を説明するための封止球の断面図である。 本発明の透過型X線管の製造方法に用いる排気装置の一例を示す模式正面図である。 本発明の透過型X線管の製造方法のプロセスフロー図である。
符号の説明
1、10、20:ステム基部、
2:排気管、
3:端子、
4、14:電極リード、
5、15、25、35:シール部材、
6:シールド、
7:陰極フィラメント、
71:脚部、
8:放射窓枠体、
9:放射窓、
111、112、113:貫通孔、
16:マウント組立、
17:未封止管、
18:排気装置。

Claims (12)

  1. 複数の貫通孔を有し絶縁材からなるステム基部と、
    一端側をこのステム基部に固定し他端側をステム基部上面から離隔するように延在する複数の電極リードと、
    この電極リードの前記他端側に固定された陰極フィラメントと、
    この陰極フィラメントに対向し、かつ閉止端に貫通部を備えたカップ状の放射窓枠体と、
    このカップ状の放射窓枠体の前記貫通部を気密封止したX線透過の放射窓と、
    前記カップ状の放射窓枠体の開放端に一端側を気密に溶接接合し他端側を前記ステム基部と気密接合した略筒状のシール部材を有し、
    前記カップ状の放射窓枠体は、前記略筒状のシール部材の外表面を覆い、前記カップ状の放射窓枠体が熔けて前記略筒状のシール部材の全周に亘って固着してなることを特徴とする透過型X線管。
  2. 一端側を前記ステム基部の底面に気密接合し、他端側を前記底面から離隔する方向に延在し、管内を真空排気した後気密封止してなる排気管を備えたことを特徴とする請求項1に記載の透過型X線管。
  3. 前記ステム基部は閉止端を持つカップ状で、前記閉止端に前記複数の貫通孔を備えたことを特徴とする請求項1に記載の透過型X線管。
  4. 前記シール部材は前記ステム基部との気密接合部と前記電極リード間にシールドを備えたことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の透過型X線管。
  5. 前記ステム基部はセラミックスからなることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の透過型X線管。
  6. 前記電極リードは前記一端側を前記ステム基部の貫通孔を貫通してステム基部と固定していることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の透過型X線管。
  7. 前記電極リードは材質の異なる複数の金属線の結合体からなることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の透過型X線管。
  8. 前記陰極フィラメントはその脚部を前記電極リードで挟持していることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の透過型X線管。
  9. 複数の貫通孔を有し絶縁材からなるステム基部と、一端側をこのステム基部に固定し他端側をステム基部上面から離隔するように延在する複数の電極リードと、この電極リードの前記他端側に固定された陰極フィラメントと、この陰極フィラメントに対向し、かつ閉止端に貫通部を備えたカップ状の放射窓枠体と、このカップ状の放射窓枠体の前記貫通部を気密封止したX線透過の放射窓と、前記カップ状の放射窓枠体の開放端に一端側を気密に溶接接合し他端側を前記ステム基部と気密接合した略筒状のシール部材と、一端側を前記ステム基部の底面に気密接合し他端側を前記底面から離隔する方向に延在し管内を真空排気した後気密封止してなる排気管を備えた透過型X線管の製造において、
    前記ステム基部と前記電極リード、前記排気管及び前記シールド部材をそれぞれ気密ロウ付けする工程と、
    前記電極リードの前記他端側に前記陰極フィラメントを固着する工程と、
    この陰極フィラメントに前記放射窓を対向させて前記放射窓枠体の前記開放端を前記シール部材の前記一端側と気密に溶接接合し、前記カップ状の放射窓枠体が前記略筒状のシール部材の外表面を覆って前記カップ状の放射窓枠体が熔けて前記略筒状のシール部材の全周に亘って固着して封止球を形成する工程と、
    前記排気管を介して前記封止球内を排気した後前記排気管を封止する工程と、を含むことを特徴とする透過型X線管の製造方法。
  10. 前記放射窓枠体と前記シール部材の溶接接合はアーク溶接によることを特徴とする前記請求項9に記載の透過型X線管の製造方法。
  11. 前記封止球内の排気は、筐体内に配置された排気系に前記排気管を係合させ、前記封止球を加熱すると共に、前記陰極フィラメントを通電して前記排気系から排気することを特徴とする前記請求項又は10に記載の透過型X線管の製造方法。
  12. 排気された外囲容器の中に電子を放出する陰極フィラメントを備えた透過型X線管であって、
    前記外囲容器は、絶縁性のステム基部と、前面にX線放射窓を備える枠体と、前記ステム基部と前記枠体とを繋ぐシール部材と、
    前記ステム基部は、電極リードを貫通させるための貫通孔を有し、
    前記ステム基部を貫通した電極リードは、前記X線管内で前記X線放射窓に対向させて前記陰極フィラメントを保持し、前記X線管外で前記陰極フィラメントに電流を供給するための端子に接続し、
    前記枠体と前記X線放射窓とはロウ材で固定され、前記ステム基部と前記シール部材とはロウ材で固定され、前記シール部材と前記枠体とは溶接により固定され、
    前記カップ状の放射窓枠体は、前記略筒状のシール部材の外表面を覆い、前記カップ状の放射窓枠体が熔けて前記略筒状のシール部材の全周に亘って固着してなることを特徴とする透過型X線管。
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