JP5128936B2 - 電気的付属装置を備えた磁気共鳴撮像システム - Google Patents

電気的付属装置を備えた磁気共鳴撮像システム Download PDF

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Description

本発明は、例えば、RF表面コイル、又はコイル素子を備えるカテーテル等の1つ以上の電気的付属装置を備えた磁気共鳴撮像システムに関する。電気的付属装置は、磁気共鳴撮像システムのRF磁場に晒される検査区域を介して導かれる接続リード(伝送線)と使用されるとともに、患者又はその他の対象の検査中での使用が意図されるものである。リードは付属装置を例えば電源や制御ユニット等のような連結ユニットに接続することを目的とする。本発明はまた、そのような接続リード又は伝送線、特に、人体の検査用のカテーテル又はその他の侵襲的器具に結合された接続リード又は伝送線に関する。
磁気共鳴(MR)撮像装置は、特に患者の検査及び治療のために使用されている。検査対象の核スピンが一様な主磁場(B0磁場)によって揃えられ、RFパルス(B1磁場)によって励起される。従って、検査される組織の1次元、2次元又は3次元像を既知の手法で形成するために、形成された緩和信号が位置の特定のための傾斜磁場に晒され、そして受信される。
本質的に二種類の構造に区別することが可能である。すなわち、所謂オープンMRシステム(縦型システム)という、C型アームの端部間に位置する検査区域に患者が導かれ、故に検査又は治療中であっても患者が実質的にあらゆる側からアクセス可能にされるものと、患者が導かれるチューブ状の検査空間を有するMRシステム(軸方向(axial)システム)とに区別され得る。
RFコイルシステムはRF信号の送信、及び緩和信号の受信の役割を果たす。MR撮像装置に恒久的に組み込まれるRFコイルシステムだけでなく、例えば、検査領域上又はその周辺の袖部若しくは当て物として、柔軟に配置可能なRF表面コイルも使用される。
さらに、例えば撮像中に組織標本を取得するために患者に挿入されるカテーテル又はその他の侵襲的装置であって、形成される像における位置特定のため、又は撮像のため、少なくともそれらの先端領域に少なくとも1つのコイル素子、発振器又はそれらに類する物を有する装置が使用される。
この種やこの他の種の付属装置は、検査区域外にある連結ユニット、特に、電源、受信装置及び/又は制御装置に電気接続リードを介して接続される。
これに付随する問題は、RFコイルシステムによって生成された電磁界が、関連する付属装置に至る電気接続リード、及び周囲の生体組織にRF同相(コモンモード)信号(電流)を誘起するという事実によってもたらされる。これらの電流は、付属装置を乱したり破壊したりする虞を有するばかりでなく、特に、接続リードの実質的な加熱を生じさせ得るものである。表面コイル及びカテーテルの場合には、リードが患者に過度に近接する或いは患者内にあるとき、患者に火傷を負わせる虞がある。
これらの危険を抑制するために、同軸ケーブル内に導入された変圧器を用いる手法が開示されている(特許文献1参照)。同軸ケーブルの第1区分端部の内側コネクタ及び外側コネクタが、主インダクタによって第1のキャパシタに直列接続される。同軸ケーブルの第2区分端部の内側コネクタ及び外側コネクタは、補助インダクタによって第2のキャパシタに直列接続される。主インダクタ及び補助インダクタは変圧器を形成するように結合される。第1及び第2のキャパシタは、その構成が送信されるRF基本周波数f0で共振しやすくなるように選定される。故に、共振型変圧器は、先述のケーブル加熱に至る危険な同相共振を抑制する同調阻止フィルタのようなものである。このフィルタは同軸ケーブル上のRF信号を差動モードで通過させる。
この構成は以下の欠点を有する。すなわち、同軸ケーブルの所定の特性インピーダンスZCに対し、同軸ケーブル及び変圧器のマッチングは次の条件が満たされるとき以外は不可能であるという欠点を有する;
Figure 0005128936
ここで、Mは変圧器の相互結合である。標準的な同軸ケーブルを用いることは、標準的なケーブルの単なる置き換えとなるので実用的であるが、その場合、特性インピーダンスはZC=50Ωである。
1.5TのMRシステムにおいては、この条件はM=124nHを意味する。インダクタンスLを有する対称的な変圧器では、
Figure 0005128936
が成り立つ。ここで、kは変圧器の配置で決定される結合係数である。カテーテルに応用するためには小型変圧器が必要であるため、k>0.5なる値は実現不可能である。このことが意味するのは、L>248nHなる完全にマッチングのとれた変圧器を設計しなければならないということである。これは臨床カテーテル内の小型変圧器ではほぼ不可能である。例えば、長さ5cmで幅500μmの単巻変圧器はL=64nHを有するに過ぎない。この形状は、妥当な幅でありながらカテーテルで使用されるように既に非常に長くされたものである。より大きなインダクタンスを設計することは、より広大な形状の必要性、及びインダクタ間のより大きな漂遊容量につながるものである。残念ながら、漂遊容量は共振型変圧器の同相阻止能力と直接的に関係し、導体に沿って置かれると、同相共振周波数を高周波数側に移動させ、従って基本周波数f0の電流及び電界に影響を及ぼす。シフト効果を高めるため、漂遊容量は低減されなければならない。小さい漂遊容量は設計、及びラインに沿って分布した2つ以上の共振変圧器によって実現され得る。
これらの考察から得られる主な結果は、臨床カテーテルに適した小型変圧器では、伝送線の典型的なインピーダンス(Z>30Ω)へのマッチングは単一のキャパシタでは不可能であるということである。
米国特許第6677754号明細書
本発明は、上述のような1つ以上の付属装置又は補助器具を備えた磁気共鳴撮像システムであって、特にこれらの付属装置に至る接続リード(伝送線)に、例えばRFパルス(B1磁場)によって誘起された同相信号(電流)が、患者、付属装置又は連結ユニットに危険をもたらさないとともに、所望の信号が最小の損失で伝送される磁気共鳴撮像システムを提供することを目的とする。
本発明はまた、上述の磁気共鳴撮像システムのための接続リード又は伝送線、特に、人体に挿入するために十分小さい寸法、特に直径を有し、且つ信号伝送に最小の損失を有する、人体検査用のカテーテル又はその他の侵襲的装置に結合された上記接続リード又は伝送線を提供することを目的とする。
本発明はまた、上述の磁気共鳴撮像システムのための接続リード又は伝送線、特に、MR撮像装置の検査区域での使用中に、すなわち、接続リードによって患者が火傷したり、接続リードに誘起されるRF同相信号(電流)によって連結ユニットが損傷したりする虞なく、少なくとも実質的に外乱がない最小損失の接続を電源装置、受信装置及び/又は制御装置等の連結ユニットとともに構築し得る、人体検査用のカテーテル又はその他の侵襲的装置に結合された上記接続リード又は伝送線を提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、磁気共鳴撮像システムは、特に少なくとも1つの電気的付属装置又は補助器具を連結ユニットに接続するために設けられた接続リード又は伝送線を備え、前記接続リード又は伝送線は、当該磁気共鳴撮像システムのRF磁場を通って導かれるものであり、且つ誘導結合素子及び少なくとも1つのマッチング回路を介して互いに結合された少なくとも2つのリード片を有し、前記マッチング回路は、前記リード片と前記誘導結合素子との間で双方のインピーダンスをマッチングする少なくとも1つのT型、L型及び/又はπ型の四端子網であり、各々がキャパシタ及び/又はインダクタの形態の少なくとも2つのインピーダンス素子を有する四端子網、を有する。
また、上記課題に鑑み、特に少なくとも1つの電気的付属装置又は補助器具を連結ユニットに接続するための接続リード又は伝送線は、誘導結合素子及び少なくとも1つのマッチング回路を介して互いに結合された少なくとも2つのリード片を有し、前記マッチング回路は、前記リード片と前記誘導結合素子との間で双方のインピーダンスをマッチングする少なくとも1つのT型、L型及び/又はπ型の四端子網であり、各々がキャパシタ及び/又はインダクタの形態の少なくとも2つのインピーダンス素子を有する四端子網、を有する。このリード又は伝送線の注目すべき利点は、MRシステムの補助器具を連結ユニットに接続するために適用可能であるだけでなく、例えば心臓ペースメーカ(“連結ユニット”)のような埋込装置を関連する電極又はセンサ(“補助器具”)に心臓内で接続するために適用可能なことである。すなわち、例えば損傷した神経繊維を互いに接続する際、患者がMR検査を受ける場合にリード又は伝送線によって火傷しないようにするために適用可能なことである。
また、このような接続リード又は伝送線に結合して、磁気共鳴撮像システムの付属装置又は補助器具を形成するカテーテルによって課題が解決される。
これらの解法に特有な利点は、例えば特許文献1から知られる接続リード又は伝送線と比較して、伝送帯域幅が相当に拡大されることである。
さらに、本発明に従った接続リードは非常に低損失且つ非常に小さい断面(例えば、2mm未満)となるように実現可能である。このような断面は、特許文献1で提案されたマッチングでは少なくとも変圧器に関して不可能であるが、特に、臨床に応用されるカテーテル又はセンサのような侵襲的装置を含む応用を目的とする場合には重要である。
カテーテル又は表面コイルを関連する連結ユニットに接続するためにこの接続リードが用いられると、実用的などのようなRF磁場強度であっても、接続リード周囲の電磁界に起因する加熱によって患者を危険に晒すことが接続リードの同相共振を抑制することによって確実に排除される。特に接続リード又は隣接する組織に誘起されるRF電流によって連結ユニットが損傷される虞も、少なくとも実質的に排除される。
そして、例えば光ファイバーを用いる光伝送リンク等の他の解法と比較して、接続される構成要素に必要な変更が有意に少なくてすむ。
また、本発明の実施形態に従って有利なマッチング回路、誘導結合素子、及び接続リード若しくは伝送線が提供される。
本発明のさらなる詳細、特徴及び効果を明りょうにするため、好適な実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、検査区域1の電磁界を生成、検知することに関して本質的に重要な、オープンMR撮像装置の構成要素を示している。検査区域1の上方及び下方には、それぞれの磁石システム2、3が設けられおり、それらは基本的に均一な主磁場(検査対象を磁化する、すなわち、核スピンを揃えるB0磁場)を生成する働きをする。主磁場の磁束密度(磁気誘導)は10分の数テスラから数テスラ程度の大きさとなり得る。主磁場は基本的に患者内を患者の長手方向(すなわち、x方向)の軸に垂直な方向に広がる。
RF送信コイル4の形態の、平面状又はほぼ平面状のRF導体構造(表面共振器)は、MR周波数のRFパルス(B1磁場)を生成する働きをし、それにより検査組織内で核スピンが励起される。このRF送信コイルはそれぞれの磁石システム2及び3に配置されている。RF受信コイル5は、その結果生じる組織内の緩和事象を検知する働きをし、これらのコイルは磁石システム2、3の一方に設けられた表面共振器によって形成されてもよい。適切に切り替えられるのであれば送信及び受信のために共通のRF表面共振器が用いられてもよいし、或いは、2つのRF表面共振器4、5が交互に為される送信及び受信のために共同で機能してもよい。
さらに、患者Pの組織から放射される緩和信号の空間的な識別及び解像度(励起状態の位置特定)のため、複数の傾斜磁場コイル7、8が設けられており、それによりx方向に広がる3つの傾斜磁場が生成される。第1の傾斜磁場はx軸方向に基本的に線形に変化するが、第2の傾斜磁場はy軸方向に基本的に線形に変化し、そして第3の傾斜磁場はz軸方向に基本的に線形に変化する。
所定の検査では電気的な付属装置又は補助器具が必要とされる。このような装置は、例えば、平面状RF受信コイルに加えて、或いはその代わりに用いられ、RF受信コイルとして患者P又は検査区域に直接的に接して配置されるRF表面コイル6である。これらのRF表面コイル6は、一般に、フレキシブルな当て物又は袖部として構成されている。
さらに、患者Pの治療を行うため、或いは組織標本を抽出したり組織パラメータを導出したりするため、患者に挿入され、その位置が表示スクリーン上で視覚化されるカテーテル10がしばしば使用される。
この目的のための様々な受動的方法及び能動的方法が知られている。
受動的方法の場合、例えば国際公開第99/19739号パンフレットに記載されているように、カテーテル先端の1つ以上の小さい共振型振動性回路がMR像において可視化され得る。これは、その回路はRF撮像中にそのすぐ近傍にRF磁場(B1磁場)の増大をもたらし、故に近傍の核スピンの磁化を強めることに拠る。そのとき、送信及び/又は受信ユニット11は、最も単純な場合、受信コイルによって形成される。しかしながら、そのユニット11は更に、周辺組織の所定の特性を検知するセンサを有してもよい。
能動的方法の場合、例えば、第1の出力Aによってカテーテル10に、そして第2の出力BによってRF送信コイル4に接続される切替ユニット41を用いて、2つの動作モードを代わる代わる切り替えることが可能である。第1の動作モードでは、MR装置によって既知の方法でMR像が生成される。一方、第2の動作モードでは、カテーテル先端に配置された送信及び/又は受信ユニット11が使用状態にされ、RFパルスの送信によって局所的な核磁化が励起されるとともに、その結果の緩和事象がRF受信コイル5、6によって受信される。受信信号それ自体がMR像においてカテーテルの先端位置を再現する働きをする。
図2は、カテーテル10の形態の付属装置を示している。カテーテルの先端(又は僅かに離れた位置)に、例えば、必要な構成要素(場合によりセンサも)が実装されたマイクロチップの形態の、送信及び/又は受信ユニット11が配置され得る。あるいは、センサ又は従来技術に従ったその他の手段が先端に設けられてもよい。患者の外側に位置するカテーテル10の終端には、電源ユニット、受信装置、及び/又は制御デバイスの形態の連結ユニット12が設けられている。連結ユニット12は、カテーテル内を導かれる接続リード13を介して送信及び/又は受信ユニット11に接続されている。また、連結ユニット12を介して、送信及び/又は受信ユニット11が使用状態にされるとともに、場合によりセンサからの測定値及びデータが伝達される。
RF表面コイル6の形態の付属装置の場合、そのようなコイルも電気接続リード13を介して対応する連結ユニット12(電源、受信/送信装置、及び/又は制御装置)に接続される。
図3は、本発明に従った接続リード13の電気等価回路図を示している。
RF送信コイル4から送信されるRFパルス(B1磁場)は、例えば、RF送信コイル4の磁場を通って伸びる接続リード13の部分では、等価回路図における電圧源U1によって生成される同相(コモンモード)信号を含む。同相信号は対応する第1の電流I1を接続リード13に生じさせる。その結果のMR緩和事象によってRF表面コイル6又はカテーテル10内に生じる信号(差動モード信号)は等価回路図における第2の電圧源U2(有用な電圧)で表されており、接続リード13に第2の電流I2を生じさせる。
接続リード13は複数のリード片131、131等々を有しており、各2つのリード片131、132は変圧器141のような誘導結合素子によって互いに結合されている。リード片131、132と変圧器141とのインピーダンスは、各々1つのマッチング回路151、152によって互いにマッチングされている。マッチング回路は、少なくとも1つのT型、L型及び/又はπ型の四端子網を有す、その各々はキャパシタ及び/又はインダクタの形態をした少なくとも2つのインピーダンス素子を有する。
第1の直列キャパシタC1及び第2の並列キャパシタC2を有するマッチング回路を含む本発明の好適な実施形態について、以下にて、より詳細に説明する。
マッチングキャパシタC1及びC2の計算のため、図4に従って、全体の伝送線を入力及び出力インピーダンスZの2ポート・ユニットの連鎖として扱う。これらの2ポート・ユニットは、リード片131、132、マッチング回路151、152及び変圧器141であり、それぞれに対し各々の2端子モデルが定められる。
基本周波数で最大電力が伝送されるべきであるので、電力最大化マッチングが達成されなければならない。このことは、連鎖内の如何なる接点での入力インピーダンスも複素共役でなければならないことを意味する。伝送線の入力インピーダンスZWは実数(すなわち、同軸ケーブルの50Ω)であると見込まれ、変圧器141の入力インピーダンスZrは複素数である。適当な回路網を見出すために、先ず変圧器141の入力インピーダンスZTを知る必要がある:
Figure 0005128936
インピーダンス行列Z:
Figure 0005128936
は変圧器に対しては以下である:
Figure 0005128936
ここで、Vnは複素電圧、Inはポートに入ってくる全電流を含むポートでの複素電流、Znnはインピーダンス行列要素であり(n=1、2)、Rはインダクタの直列オーム抵抗である。上述のように、変圧器141は複素共役な入力インピーダンスZT で終端される必要があるので、
Figure 0005128936
が成立する。
続いて、数1、数2及び数3より、入力インピーダンスの未知の実部及び虚部としてRe(ZT)及びIm(ZT)を用いて次式が得られる:
Figure 0005128936
この方程式は実部と虚部とに分けられるので、2つの未知の部分が求められる。入力インピーダンスの計算後、マッチング回路が設計され得る。マッチング回路151の入力インピーダンスは、ポートM1では伝送線131の入力インピーダンス(入力インピーダンスが実数の場合には、反射の最小化と電力伝達の最大化は同一である)、そしてポートM2では変圧器141のそれの複素共役であるべきである。故に、明らかなことは、2つの規定された状態のため、マッチング回路151、152は決められたシステムを形成し且つ完全なマッチングを実現するために少なくとも自由度2を有さねばならないことである。従って、図3に示されたマッチング回路に帰着する。そして、ポートMn(n=1、2)でのマッチング回路151、152の入力インピーダンスをZwnとして、直接的に次式に帰着する:
Figure 0005128936
この式より、C1及びC2のリアクタンスを表すマッチング回路要素X1及びX2が計算される。マッチング回路要素X1は、モードのクロストークを回避するための対称な信号経路を形成するように、ノードN1とN2とに等しく分布され得る。ポートT2の第2のマッチング回路については、ポートM1とM2とを入れ替えればよい。
検証のため、図5Aの上面図と図5Bの側面図に示される変圧器141の実施形態を作成した。変圧器141は第1のループ1411及び第2のループ1412の形態で基板1413上に実現される。各々のループは、長さLeが約50mm、各ループのライン間隔Bが約0.5mm、ループ間隔Hが約0.127mm、ループの断面積が35×25μm2である。PCB技術を用いた、これらの細長い単巻変圧器に対する測定結果はL=64nH、k=0.39、R=1.3Ω、漂遊容量Cstray=4pFであった。上記方程式を用いて、特性インピーダンス50Ωの1.5Tでのマッチング回路151、152の第1及び第2のキャパシタC1、C2はC1=61pF、C2=56pFと計算、設計された。
マッチングのとれた変圧器の試作品は、64MHzでの信号減衰の最小値が1.5dB、同等の減衰低さでの帯域幅が40MHzであった。危険なコモンモード共振を抑制可能なことを示すため、MR追跡実験中に温度計測を行った。厚さ1.1mmの50Ω同軸ケーブルに基づいて長さ1.5mのカテーテル伝送線を作成した。ケーブルにマッチングされた3つの等間隔の変圧器141によって横切られたケーブルとした。比較のため、同軸ケーブルのみを用いた等しい長さの第2の電送線を作成した。双方の伝送線を水槽に浸し、ボアの中心からずらして配置した。各伝送線に対し、実時間完全リフォーカス・グラジエントエコー・シーケンス(TR=4.2ms、フリップ角5°乃至90°)を1分間、種々のフリップ角で適用し、その直後にファイバー光学温度計(ラクストロン社製)を用いて伝送線先端及び変圧器位置の温度を測定した。フリップ角50°で、変圧器を有さない伝送線はほんの20秒経った時点で13.6Kの温度上昇を示した。一方、3つの変圧器を有する伝送線の温度上昇は、1分間及びフリップ角90°であっても0.3K未満であった。
このように、RF磁場が高強度(例えば、MR画像誘導で用いられるような高SAR(比吸収率)完全リフォーカス・グラジエントエコー・シーケンス)の場合やRFコイル4が多数ある場合でも、患者の領域での有意な温度上昇が回避され、従って付属装置6、10及び連結ユニット12の損傷及び/又は故障が回避される。
介入的な応用、特にカテーテル10で必要とされるような小型の変圧器141に対して、上述のマッチング回路によって、変圧器141の小型ケーブルへの完全なマッチングが可能になる。
伝送線の損失は50%低減される。このことは、図6に示される透過係数S21の周波数の関数としてのシミュレーション結果から分かる。
1つの単一の直列キャパシタC1及びマクロな変圧器141(L=248nH、Q=77、k=0.5、数1に従ってM=124nHを満たす)でマッチングする場合、64MHzでの損失は約-0.23dBである(曲線A)。
単一の直列キャパシタC1及び微小な変圧器141(L=66nH、Q=20、k=0.393、M=124nHを満たし得ない)でマッチングする場合、64MHzでの損失は約-2.2dBである(曲線C)。
図3に従って2つのキャパシタC1、C2及び微小な変圧器141(L=66nH、Q=20、k=0.393、M=124nHを満たす必要はない)でマッチングする場合、損失は約-1.1dBだけである(曲線B)。
カテーテルの先端には前置増幅器が存在しないので、血管内の撮像コイルの信号対雑音比(SNR)は約50%向上される。
伝送線の帯域幅は約40MHzまで拡大されるので、MR信号以外の伝送も可能になる。得られた帯域幅は、例えば、カテーテル先端に直接位置する前置増幅器を駆動するHFエネルギーを伝達するために使用されてもよい。
広帯域であるため、伝送線をMR周波数に高精度に同調することが不要になる。
図7は、同相共振の変圧器数への依存性を示しており、変圧器数はその漂遊キャパシタンスの形態で模擬している。規格化された配線電流と、配線に沿って対称に(等間隔で)配置された色々な数の5pFのキャパシタに関して測定した。曲線Dはキャパシタなしで得られた共振を示しており、曲線Eは1つのキャパシタ、曲線Fは2つのキャパシタ、曲線Gは3つのキャパシタ、そして曲線Hは4つのキャパシタで得られた共振を示している。この結果は、キャパシタが多いほど共振周波数が高くなることを示している。
接続リード(伝送線)13は、例えば、2線式のリード(例えば、ツイストペア)又は同軸ケーブルの形態で実現可能である。
説明してきた接続リードは、主として感度エンコーティング(Sensitivity Encoding;SENSE)撮像法の場合に用いられる切替可能なRF表面コイル6の応用に対して、特別な利点をもたらすものである。なぜなら、受信された緩和信号の伝送が上述のように可能になるとともに、RF送信コイル4から放射されるRF電力が引き起こす共振作用と接続リード13の内部加熱とによって患者が火傷する虞がないためである。付属装置6、11又は連結ユニット12に関する虞も同様に高い度合いで除去される。なお、RF磁場の強度が大きい場合にも同じことが言える。
このような接続リードを使用することは、例えば、RF表面コイル、カテーテル又はその他の付属装置に対して関連する信号を光学的に送受信することと比較して、実質的に少ないシステム変更のみを必要とする。
さらに、接続リード13を関連する連結ユニット12(電源、受信装置及び/又は制御装置)に接続するために、同一又は更に単純なコネクタを使用することが可能である。
既知の解法と比較して、また、図6及び7に示されるように、本発明に従った接続リード13は比較的広い帯域幅を有するため、例えば、接続リードを介して複数の受信信号を輸送することも可能である。
さらに、その他の目的で帯域幅を使用することも可能である。例えば、MR信号、その他のセンサ(例えば、検査組織のパラメータを検出するために設けられる)又はマイクロ・アクチュエータの前置増幅器のような電子装置に電力及び/又は制御信号を伝送するような目的である。
その他のセンサの検出信号(例えば、血圧、内部EKG、酸素分圧など)又はデータ信号は、本発明に従った接続リードの帯域幅を用いて伝送され得る。
好ましくは、帯域幅の内、MR信号を伝送するために使用される領域より高周波側の領域にて、これら追加信号の全てが伝送される。それにより、MR信号に干渉したり、それを乱したりするであろう追加信号の高調波が除去される。
さらにこれを最適化するために、好ましくは透過曲線が調整され、MR信号が最小損失で伝送されるとともに、MR信号の周波数範囲が透過帯域の低周波端の付近にされて追加信号の周波数範囲が拡大される。
MR撮像装置の側面図である。 付属装置を示す図である。 本発明に従った接続リードの接続を示す図である。 図3に従った接続リードのブロック図である。 本発明に従った変圧器の典型的な実施形態を示す上面図である。 本発明に従った変圧器の典型的な実施形態を示す断面図である。 図5A及び5Bに従った実施形態における透過係数の周波数依存性を示す図である。 同相共振の変圧器数依存性を示す図である。

Claims (11)

  1. 特に少なくとも1つの電気的付属装置又は補助器具を連結ユニットに接続するために設けられた接続リード又は伝送線を備える磁気共鳴撮像システムであって、
    前記接続リード又は伝送線は、当該磁気共鳴撮像システムのRF磁場を通って導かれるものであり、且つ前記接続リード又は伝送線は:
    誘導結合素子
    第1のリード片
    前記第1のリード片と前記誘導結合素子との間の、これら双方のインピーダンスをマッチングするための、少なくとも1つのT型、L型及び/又はπ型の四端子網を有する第1のマッチング回路であり、該四端子網は、キャパシタ及び/又はインダクタの形態の少なくとも2つのインピーダンス素子を含む、第1のマッチング回路;
    第2のリード片;
    前記第2のリード片と前記誘導結合素子との間の、これら双方のインピーダンスをマッチングするための、少なくとも1つのT型、L型及び/又はπ型の四端子網を有する第2のマッチング回路であり、該四端子網は、キャパシタ及び/又はインダクタの形態の少なくとも2つのインピーダンス素子を含む、第2のマッチング回路;
    を有する、
    磁気共鳴撮像システム。
  2. 前記第1及び第2のマッチング回路の各々が:
    前記誘導結合素子と直列接続された第1の直列キャパシタ及び
    直列接続された前記第1の直列キャパシタ及び前記誘導結合素子と前記第1及び第2のリード片のうちの該当する一方との間に接続された前記第2の並列キャパシタ
    を有するところの請求項1に記載の磁気共鳴撮像システム。
  3. 前記誘導結合素子が小型変圧器であるところの請求項1に記載の磁気共鳴撮像システム。
  4. 前記誘導結合素子が1対の導体ループであるところの請求項1に記載の磁気共鳴撮像システム。
  5. 前記接続リード又は伝送線が2線式のリード又は同軸リードを含むところの請求項1に記載の磁気共鳴撮像システム。
  6. 前記付属装置又は補助器具がRF表面コイル、又は特に侵襲的な臨床検査用のカテーテルであるところの請求項1に記載の磁気共鳴撮像システム。
  7. 特に少なくとも1つの電気的付属装置又は補助器具を連結ユニットに接続するための接続リード又は伝送線であって、当該接続リード又は伝送線は:
    誘導結合素子
    第1のリード片
    前記第1のリード片と前記誘導結合素子との間の、これら双方のインピーダンスをマッチングするための、少なくとも1つのT型、L型及び/又はπ型の四端子網を有する第1のマッチング回路であり、該四端子網は、キャパシタ及び/又はインダクタの形態の少なくとも2つのインピーダンス素子を含む、第1のマッチング回路;
    第2のリード片;
    前記第2のリード片と前記誘導結合素子との間の、これら双方のインピーダンスをマッチングするための、少なくとも1つのT型、L型及び/又はπ型の四端子網を有する第2のマッチング回路であり、該四端子網は、キャパシタ及び/又はインダクタの形態の少なくとも2つのインピーダンス素子を含む、第2のマッチング回路;
    を有する、
    接続リード又は伝送線。
  8. 前記第1及び第2のマッチング回路の各々
    前記誘導結合素子と直列接続された第1の直列キャパシタ及び
    直列接続された前記第1の直列キャパシタ及び前記誘導結合素子と前記第1及び第2のリード片のうちの該当する一方との間に接続された前記第2の並列キャパシタ
    を有するところの請求項7に記載の接続リード又は伝送線。
  9. 前記誘導結合素子が小型変圧器であるところの請求項7に記載の接続リード又は伝送線。
  10. 前記誘導結合素子が1対の導体ループであるところの請求項7に記載の接続リード又は伝送線。
  11. 請求項7乃至10の何れかに記載の接続リード又は伝送線に結合して、磁気共鳴撮像システムの付属装置又は補助器具を形成するカテーテル。
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