JP5129945B2 - ステレオコンプレックスポリ乳酸組成物 - Google Patents

ステレオコンプレックスポリ乳酸組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP5129945B2
JP5129945B2 JP2006289436A JP2006289436A JP5129945B2 JP 5129945 B2 JP5129945 B2 JP 5129945B2 JP 2006289436 A JP2006289436 A JP 2006289436A JP 2006289436 A JP2006289436 A JP 2006289436A JP 5129945 B2 JP5129945 B2 JP 5129945B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
poly
lactic acid
acid
composition
polylactic acid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006289436A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007146137A (ja
Inventor
啓高 鈴木
清綱 豊原
振 唐
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Musashino Chemical Laboratory Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Musashino Chemical Laboratory Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd, Musashino Chemical Laboratory Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP2006289436A priority Critical patent/JP5129945B2/ja
Publication of JP2007146137A publication Critical patent/JP2007146137A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5129945B2 publication Critical patent/JP5129945B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyesters Or Polycarbonates (AREA)
  • Biological Depolymerization Polymers (AREA)

Description

本発明は、ステレオコンプレックスポリ乳酸を含有する熱安定性に優れた組成物に関する。さらに詳しくは、ステレオコンプレックスポリ乳酸を含有し、熱安定性、機械強度、色相に優れ、長期保存が可能な組成物に関する。
プラスチックの多くは軽く強靭であり耐久性に優れ、容易かつ任意に成形することが可能であるので、量産されて我々の生活を多岐にわたって支えてきた。しかし、プラスチックは、環境中に廃棄された場合、容易に分解されずに蓄積する。また、焼却の際には大量の二酸化炭素を放出し、地球温暖化に拍車を掛けている。
かかる現状に鑑み、脱石油原料から成る樹脂、或いは微生物によって分解される生分解性プラスチックが盛んに研究されるようになってきた。生分解プラスチックは、脂肪族カルボン酸エステル単位を有し微生物により分解され易い。その反面、熱安定性に乏しく、溶融紡糸、射出成形、溶融製膜などの高温に晒される工程における分子量低下、或いは色相悪化が深刻である。
ポリ乳酸は生分解性プラスチックの中にあっては耐熱性に優れ、色相、機械強度のバランスが取れたプラスチックであるが、ポリエチレンテレフタレートやポリアミドに代表される石油系樹脂と比較すると、熱安定性に関しては未だ雲泥の差が見られる。このような現状を打開すべく、ポリ乳酸の熱安定性向上について種々検討がなされてきた。
例えば、特許文献1には、分子量が5万以上に達した時点で、ポリ乳酸に触媒失活剤としてリン酸系化合物、或いは亜リン酸系化合物を添加することが提案されている。また特許文献2および3には、触媒失活剤として酸性リン酸エステル類またはキレート剤を添加し、ポリ乳酸の熱安定性を向上することが教示されている。しかしながら、特許文献1の如く低分子量のポリ乳酸に、かかる触媒失活剤を添加することは、その後の重合反応が阻害され、高分子量体が得られない事を意味する。一方、特許文献2および3に記載の酸性リン酸エステルは、毒性に関する安全性が確保されていないため、樹脂が破棄された場合の環境汚染につながるばかりか、食品用途への使用が制限される。また、キレート剤は概ね耐熱性に乏しく、金属触媒を補足する以前に焦成し、重大な着色原因となる。
上記の如く、安全性に優れ、効率的に残留重合触媒による開重合と、主鎖切断による分子量低下の双方を抑制した、熱安定性と耐加水分解性に優れるポリ乳酸組成物は提案されていない。
特許第2862071号公報 特許第3487388号公報 特開平10−36651号公報
本発明は、ポリ乳酸を含有し熱安定性と耐加水分解性の双方に優れた組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、ステレオコンプレックス結晶を含有するポリ乳酸にメタリン酸系失活剤を存在させることにより、ポリ乳酸中の残留触媒および水分を効果的に失活できることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は、ステレオコンプレックスポリ乳酸、金属触媒およびメタリン酸系失活剤を含有する組成物であって、メタリン酸系失活剤が、下記式(1)で表されるメタリン酸の、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびオニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、その1gを100mlの水に溶解した水溶液のpHが6以下である、前記組成物である。
Figure 0005129945
式中nは1〜200の整数である。
本発明は、該組成物からなる成形体を包含する。
また本発明は、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸を混合することからなるステレオコンプレックス結晶を含有する組成物の製造方法であって、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の少なくとも一方が金属触媒を含有し、かつ、該混合をメタリン酸系失活剤の存在下で行う組成物の製造方法であって、メタリン酸系失活剤が、下記式(1)で表されるメタリン酸の、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびオニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、その1gを100mlの水に溶解した水溶液のpHが6以下であることを特徴とする、前記製造方法である。
Figure 0005129945
式中nは1〜200の整数である。
本発明の組成物は、ステレオコンプレックスポリ乳酸を含有し、かつ金属触媒と水分が失活されているため、熱安定性、耐加水分解性に優れ、加熱時に分子量が低下し難い。即ち、本発明の組成物は、溶融紡糸、溶融製膜、射出成形といった180℃以上の加熱を要する工程において、ラクチド、環状オリゴマー、鎖状低分子が生成し難く、分子量低下が少ない。従って本発明の組成物は、糸、フィルム、或いは樹脂成形体の原料として好適である。
<組成物>
(ステレオコンプレックスポリ乳酸)
ステレオコンプレックスポリ乳酸は、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸から形成される。ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸は、下記式で表されるL−乳酸単位およびD−乳酸単位から実質的になる。
Figure 0005129945
ポリ−L−乳酸は、好ましくは90〜100モル%、より好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは98〜100モル%のL−乳酸単位から構成される。他の単位としては、D−乳酸単位、乳酸以外の共重合成分単位が挙げられる。D−乳酸単位、乳酸以外の共重合成分単位は、好ましくは0〜10モル%、より好ましくは0〜5モル%、さらに好ましくは0〜2モル%である。
ポリ−D−乳酸は、90〜100モル%、好ましくは95〜100モル%、さらに好ましくは98〜100モル%のD−乳酸単位から構成される。他の単位としては、L−乳酸単位、乳酸以外の共重合成分単位が挙げられる。L−乳酸単位、乳酸以外の共重合成分単位は、0〜10モル%、好ましくは0〜5モル%、さらに好ましくは0〜2モル%である。
共重合成分単位は、2個以上のエステル結合形成可能な官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等由来の単位およびこれら種々の構成成分からなる各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等由来の単位が例示される。
ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、テレフタル酸、イソフタル酸等が挙げられる。多価アルコールとしてはエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、グリセリン、ソルビタン、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の脂肪族多価アルコール等あるいはビスフェノールにエチレンオキシドが付加させたものなどの芳香族多価アルコール等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸として、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸等が挙げられる。ラクトンとしては、グリコリド、ε−カプロラクトングリコリド、ε−カプロラクトン、β−プロピオラクトン、δ−ブチロラクトン、β−またはγ−ブチロラクトン、ピバロラクトン、δ−バレロラクトン等が挙げられる。
ステレオコンプレックスポリ乳酸は、ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸の混合物であり、ステレオコンプレックス結晶を形成している。ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸は、共に重量平均分子量が、好ましくは10万〜50万、より好ましくは15万〜35万である。
ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸は、公知の方法で製造することができる。例えば、L−またはD−ラクチドを金属触媒の存在下、加熱し開環重合させ製造することができる。また、金属触媒を含有する低分子量のポリ乳酸を結晶化させた後、減圧下または不活性ガス気流下で加熱し固相重合させ製造することができる。さらに、有機溶媒の存在/非存在下で、乳酸を脱水縮合させる直接重合法で製造することができる。
重合反応は、従来公知の反応容器で実施可能であり、例えばヘリカルリボン翼等、高粘度用攪拌翼を備えた縦型反応容器を単独、または並列して使用することができる。
重合開始剤としてアルコールを用いてもよい。かかるアルコールとしては、ポリ乳酸の重合を阻害せず不揮発性であることが好ましく、例えばデカノール、ドデカノール、テトラデカノール、ヘキサデカノール、オクタデカノールなどを好適に用いることができる。
固相重合法では、前述した開環重合法や乳酸の直接重合法によって得られた、比較的低分子量の乳酸ポリエステルをプレポリマーとして使用する。プレポリマーは、そのガラス転移温度(Tg)以上融点(Tm)未満の温度範囲にて予め結晶化させることが、融着防止の面から好ましい形態と言える。結晶化させたプレポリマーは固定された縦型反応容器、或いはタンブラーやキルンの様に容器自身が回転する反応容器中に充填され、プレポリマーのガラス転移温度(Tg)以上融点(Tm)未満の温度範囲に加熱される。重合温度は、重合の進行に伴い段階的に昇温させても何ら問題はない。また、固相重合中に生成する水を効率的に除去する目的で前記反応容器類の内部を減圧することや、加熱された不活性ガス気流を流通する方法も好適に併用される。
ステレオコンプレックスポリ乳酸におけるポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸との重量比は、90:10〜10:90である。75:25〜25:75であることが好ましく、さらに好ましくは60:40〜40:60である。
ステレオコンプレックスポリ乳酸の重量平均分子量は、10万〜50万である。より好ましくは10万〜30万である。重量平均分子量は溶離液にクロロホルムを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリスチレン換算の重量平均分子量値である。
ステレオコンプレックスポリ乳酸は、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸からなりステレオコンプレックス結晶を含有する。ステレオコンプレックス結晶の含有率は、好ましくは80〜100%、より好ましくは95〜100%である。本発明で言うステレオコンプレックスポリ乳酸は、示差走査熱量計(DSC)測定において、昇温過程における融解ピークのうち、195℃以上の融解ピークの割合が好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上である。融点は、195〜250℃の範囲、より好ましくは200〜220℃の範囲である。融解エンタルピーは、20J/g以上、好ましくは30J/g以上である。具体的には、示差走査熱量計(DSC)測定において、昇温過程における融解ピークのうち、195℃以上の融解ピークの割合が90%以上であり、融点が195〜250℃の範囲にあり、融解エンタルピーが20J/g以上であることが好ましい。
ステレオコンプレックスポリ乳酸は、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸とを所定の重量比で共存させ混合することにより製造することができる。
混合は、溶媒の存在下で行うことができる。溶媒は、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸が溶解するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、フェノール、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ブチロラクトン、トリオキサン、ヘキサフルオロイソプロパノール等の単独あるいは2種以上混合したものが好ましい。
また混合は、溶媒の非存在下で行うことができる。即ち、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸とを所定量混合した後に溶融混練する方法、いずれか一方を溶融させた後に残る一方を加えて混練する方法を採用することができる。
(金属触媒)
金属触媒は、アルカリ土類金属、希土類金属、第三周期の遷移金属、アルミニウム、ゲルマニウム、スズおよびアンチモンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属を含む化合物である。アルカリ土類金属として、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムなどが挙げられる。希土類元素として、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウムなどが挙げられる。第三周期の遷移金属として、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛が挙げられる。
金属触媒は、これらの金属のカルボン酸塩、アルコキシド、アリールオキシド、或いはβ−ジケトンのエノラート等として組成物に添加することができる。重合活性や色相を考慮した場合、オクチル酸スズ、チタンテトライソプロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシドが特に好ましい。本発明の組成物は、金属触媒の存在下で重合されたポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸から形成されるステレオコンプレックスポリ乳酸を含有する。よって、本発明の組成物は、ステレオコンプレックスポリ乳酸100重量部に対して、0.001〜1重量部、好ましくは、0.005〜0.1重量部の金属触媒を含有する。金属触媒の添加量が少なすぎると重合速度が著しく低化するため好ましくない。逆に多すぎると反応熱による着色、或いは開重合やエステル交換反応が加速されるため、得られる組成物の色相と熱安定性が悪化する。
(メタリン酸系失活剤)
本発明で使用されるメタリン酸系失活剤は、3〜200程度のリン酸単位が環状に縮合した化合物であり、金属触媒或いは水と錯体を形成する能力を有する。メタリン酸系失活剤は環状多座配位子であり、単座、または鎖状の多座配位子であるリン酸、亜リン酸、ピロリン酸、ポリリン酸、およびそれらのエステル類と比較して錯安定度定数が大きく、効率的かつ堅牢に金属触媒や水分を捕捉することが可能である。
メタリン酸系失活剤は、下記式(1)で表される化合物の、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびオニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種である。メタリン酸のアルカリ金属塩として、メタリン酸のナトリウム塩、カリウム塩などが挙げられる。メタリン酸のアルカリ土類金属塩として、メタリン酸のカルシウム塩、マグネシウム塩などが挙げられる。メタリン酸のオニウム塩として、メタリン酸テトラエチルアンモニウム塩、メタリン酸テトラ−n−ブチルアンモニウム塩、メタリン酸テトラエチルホスホニウム塩、メタリン酸テトラ−n−ブチルホスホニウム塩などが挙げられる。
Figure 0005129945
式中、nは1〜200の整数である。
式(1)で表される化合物は、通常、nが1〜200の整数である化合物の混合物である。式(1)において、nは、好ましくは1〜100の整数、より好ましくは1〜50の整数、さらにより好ましくは1〜12の整数である。
金属触媒や水分の失活能力、ポリ乳酸との相溶性および扱いやすさを考慮した場合、その1gを100mlの水に溶解した水溶液のpHが6以下、好ましくは4以下、更に好ましくは2以下であるメタリン酸またはそのナトリウム塩が好ましい。
メタリン酸系失活剤は、ポリ乳酸中の金属触媒を捕捉するためのP(=O)OH部位を持たなくてはならない。これを端的に示す指標がメタリン酸系失活剤1gを100mlの水に溶解した水溶液のpHであり、P(=O)OH部位が十分に存在するためには上記pHが6以下であることが好ましい。上記pHが6を超える場合、メタリン酸系失活剤が金属触媒を十分に失活出来ないか、若しくは長時間を要し、ポリ乳酸の熱分解を抑制することが不可能である。メタリン酸系失活剤の含有量は、ポリ乳酸100重量部に対して0.001〜10重量部、好ましくは0.002〜10重量部、より好ましくは0.01〜0.5重量部である。メタリン酸系失活剤の含有量が、少なすぎると残留する金属触媒の失活効率が極めて悪く、失活むらが生じる。また多すぎるとメタリン酸系失活剤による組成物の可塑化や、成形加工後の吸水率が増加し、長期耐加水分解性の低下が著しくなる。
メタリン酸系失活剤は調製工程によっても若干異なるが、何れも130〜150℃にガラス転移温度を有し、ガラス転移温度が100℃以上であるメタリン酸系失活剤は固体の状態で加熱して乾燥を行うことが容易であるので、開環重合法においては重合後期に反応容器内に直接添加混練することができるので好ましい。また、チップ状に成形したマスターバッチとして、エクストルーダーやニーダーで混練することも可能である。ポリ乳酸内での均一分布を考慮するとエクストルーダーやニーダーの使用が好ましい。また、反応容器の吐出部をエクストルーダーに直結し、サイドフィーダーからメタリン酸系失活剤の水溶液、或いは極性有機溶媒の溶液として添加する方法も好ましい。かかる極性有機溶媒としてはジメトキシエタンやテトラヒドロフラン等のエーテル類、メタノール、エタノール等のアルコール類が好適である。一方固相重合法においては、重合終了時に得られるポリ乳酸の固体とメタリン酸系失活剤をエクストルーダーやニーダーで混練する方法、ポリ乳酸の固体と、メタリン酸系失活剤を含むマスターバッチとをエクストルーダーやニーダーで混練する方法等が可能である。ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸のステレオコンプレックス化には180℃以上の高温を要するため、メタリン酸系失活剤はステレオコンプレックス化前に、上記方法の何れかを用いて添加しておくことが望ましい。
メタリン酸の内、メタリン酸ナトリウムは、食品添加物として安全性が確立されており好ましい。またメタリン酸ナトリウムは、常温で固体であり水溶液の形態でポリ乳酸に添加する必要がなく、加水分解を促進する水を使用しなくても良いという利点を有する。またメタリン酸ナトリウムは、ポリ乳酸より低い融点を有しており、固体のままポリ乳酸に添加しても、ポリ乳酸より低温で溶融し、ポリ乳酸中に容易に分散させることができる。またメタリン酸ナトリウムは、強酸性のメタリン酸に比べると酸性度が低く、装置の腐食を防止する点で優れている。
本発明の組成物は、重量平均分子量(Mw)が好ましくは10万〜50万、より好ましくは15万〜35万である。本発明の組成物は、熱安定性、色相、耐加水分解性に優れる。本発明の組成物は、特に乾燥をしなくても加熱加工時の分子量低下が劇的に抑制されたものである。即ち、本発明の組成物は溶融紡糸、溶融製膜、射出成形に好適に用いることが可能である。よって、本発明の組成物から繊維、フィルムなどの成形体が提供される。
<組成物の製造方法>
本発明は、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸を混合することからなるステレオコンプレックス結晶を含有する組成物の製造方法であって、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の少なくとも一方が金属触媒を含有し、かつ、該混合をメタリン酸系失活剤の存在下で行うことを特徴とする組成物の製造方法を包含する。ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸、金属触媒、メタリン酸系失活剤は、組成物の項に記載の通りである。
混合は、溶媒の存在下で行うことができる。溶媒は、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸が溶解するものであれば、特に限定されるものではないが、例えば、クロロホルム、塩化メチレン、ジクロロエタン、テトラクロロエタン、フェノール、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、ブチロラクトン、トリオキサン、ヘキサフルオロイソプロパノール等の単独あるいは2種以上混合したものが好ましい。また混合は、溶媒の非存在下で行うことができる。即ち、ポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸とを所定量混合した後に溶融混練する方法、いずれか一方を溶融させた後に残る一方を加えて混練する方法を採用することができる。
上記方法の態様として、以下のポリ−L−乳酸とポリ−D−乳酸を混合する態様を挙げることができる。但し、略号は以下のとおりである。
(L)金属触媒を実質的に含有しないポリ−L−乳酸。
(Lc)金属触媒を含有するポリ−L−乳酸。
(Lcp)金属触媒およびメタリン酸系失活剤を含有するポリ−L−乳酸。
(D)金属触媒を実質的に含有しないポリ−D−乳酸。
(Dc)金属触媒を含有するポリ−D−乳酸。
(Dcp)金属触媒およびメタリン酸系失活剤を含有するポリ−D−乳酸。
(P)メタリン酸系失活剤。
態様1:(L)および(Dcp)を混合する。
態様2:(L)、(Dc)および(P)を混合する。
態様3:(Lc)、(D)および(P)を混合する。
態様4:(Lc)、(Dc)および(P)を混合する。
態様5:(Lc)および(Dcp)を混合する。
態様6:(Lcp)および(D)を混合する。
態様7:(Lcp)および(Dc)を混合する。
態様8:(Lcp)および(Dcp)を混合する。
また、該方法は、(i)金属触媒の存在下で製造されたポリ−L−乳酸にメタリン酸系失活剤を添加した組成物と、(ii)金属触媒の存在下で製造されたポリ−D−乳酸にメタリン酸系失活剤を添加した組成物とを混合することにより製造することが好ましい。混合は溶媒の存在下で行うことができる。また溶媒の非存在下で溶融混練して行うことができる。
以下、実施例によって本発明を更に具体的に説明する。ただし、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。実施例において組成物の物性は以下の方法で測定した。
(1)熱安定性試験
組成物10gをコック付きパイレックス(登録商標)製試験管に入れ、内部を窒素置換したものを260℃、10分間保持して熱安定性試験を実施した。熱安定性試験前後の組成物の重量平均分子量(Mw)をGPCにて測定し、それらの比較によって熱安定性を評価した。
また、熱安定性試験前後の組成物の末端カルボキシル基の量(単位eq/t)を比較し耐加水分解性を評価した。末端カルボキシル基の増加量は加水分解の程度を示す指標となる。末端カルボキシル基は、試料100mgをクロロホルム10mlに溶解し、これにエタノール10mlを加えて調製した溶液にBTBを指示薬として加え、0.05N 水酸化カリウム/エタノール溶液にて滴定して求めた。
(2)重量平均分子量(Mw)の測定
重量平均分子量(Mw)はショーデックス製GPC−11を使用し、組成物50mgを5mlのクロロホルムに溶解させ、40℃のクロロホルムにて展開した。重量平均分子量(Mw)、はポリスチレン換算値として算出した。
(3)組成物中のラクチド含有量
組成物中のラクチド含有量は、重クロロホルム中、日本電子製核磁気共鳴装置JNM−EX270スペクトルメーターを使用し、ポリ乳酸由来の四重線ピーク面積(5.10〜5.20ppm)に対するラクチド由来の四重線ピーク面積の比(4.98〜5.05ppm)として算出した。
(4)ステレオコンプレックス結晶含有率の算出法
ステレオコンプレックス結晶含有率(X)は、示差走査熱量計(DSC)において150℃以上〜190℃未満に現れる結晶融点の融解エンタルピーΔHAと、190℃以上250℃未満に現れる結晶融点の融解エンタルピーΔHBから下記式にて算出した。
X={ΔHB/(ΔHA+ΔHB)}×100 (%)
以下の例において、L−ラクチドとして(株)武蔵野化学研究所製、重合グレードを用いた。またD−ラクチドとして、(株)武蔵野化学研究所製、重合グレードを用いた。
参考例1>
(ポリ−L−乳酸の製造)
冷却留出管を備えた重合反応容器の原料仕込み口から、窒素気流下でL−ラクチド100重量部およびステアリルアルコール0.15重量部を仕込んだ。続いて反応容器内を5回窒素置換し、L−ラクチドを190℃にて融解させた。L−ラクチドが完全に融解した時点で、原料仕込み口から2−エチルヘキサン酸スズ0.05重量部をトルエン500μLと共に添加し、190℃で1時間重合した。
重合終了後、1gを100mlの水に溶解した水溶液のpHが0.85のメタリン酸(和光純薬製)0.02重量部を触媒投入口から添加し、15分間混錬した。最後に余剰L−ラクチドを脱揮し、反応容器の吐出口からストランド状のポリ−L−乳酸を吐出し、冷却しながらペレット状に裁断した。
(ポリ−D−乳酸の製造)
次に、同様の操作にてポリ−D−乳酸の調製を行った。即ち、D−ラクチド100重量部およびステアリルアルコール0.15重量部を仕込み、続いて反応容器内を5回窒素置換し、D−ラクチドを190℃にて融解させた。D−ラクチドが完全に融解した時点で、原料仕込み口から2−エチルヘキサン酸スズ0.05重量部をトルエン500μLと共に添加し、190℃で1時間重合した。
重合終了後、1gを100mlの水に溶解した水溶液のpHが0.85のメタリン酸(和光純薬製)0.02重量部を触媒投入口から添加し、15分間混錬した。最後に余剰D−ラクチドを脱揮し、反応容器の吐出口からストランド状のポリ−D−乳酸を吐出し、冷却しながらペレット状に裁断した。
(ステレオコンプレックスの形成)
上記ポリ−L−乳酸のペレット50重量部とポリ−D−乳酸のペレット50重量部を良く混合させた後、東洋製機社製ニーダーラボプラストミル50C150を使用し、窒素ガス気流下230℃で10分間混練した。得られた組成物のステレオコンプレックス結晶含有率(X)は99.7%であった。得られた組成物のMwおよびラクチド含有量を表1に示す。
得られた組成物は、粉砕機を使用して2〜5mmの粒状にし、その10gをコック付きのパイレックス(登録商標)製試験管に入れた。次にパイレックス(登録商標)製試験管内部を窒素置換し、260℃、10分間の熱安定性試験を実施した。該試験終了後、組成物を取り出し、Mwおよびラクチド含有量を測定した。測定結果を表1に示す。
<実施例2>
メタリン酸0.02重量部を、1gを100mlの水に溶解した水溶液のpHが1.97のメタリン酸Na塩(ラサ晃栄製、酸性メタリン酸)0.02重量部に換えた以外は、参考例1と同様の方法で組成物を合成した。得られた組成物のMw、ステレオコンプレックス結晶含有率(X)、ラクチド含有量および末端カルボキシル基量を表1に示す。組成物の熱安定性試験も参考例1と同様に実施し、測定結果を表1に併せて記載した。
<比較例1>
メタリン酸系失活剤を添加せずに、参考例1と同様の方法で組成物を合成した。得られた組成物のMw、ステレオコンプレックス結晶含有率(X)およびラクチド含有量および末端カルボキシル基量を表1に示す。組成物の熱安定性試験も参考例1と同様に実施し、測定結果を表1に併せて記載した。
Figure 0005129945


本発明の組成物は、熱安定性に優れるので、溶融成形して、糸、フィルム、各種成形体にすることができる。

Claims (7)

  1. ステレオコンプレックスポリ乳酸、金属触媒およびメタリン酸系失活剤を含有する組成物であって、メタリン酸系失活剤が、下記式(1)で表されるメタリン酸の、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびオニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、その1gを100mlの水に溶解した水溶液のpHが6以下である、前記組成物。
    Figure 0005129945
    式中nは1〜200の整数である。
  2. ステレオコンプレックスポリ乳酸が、ポリ−L−乳酸、ポリ−D−乳酸の混合物であり、ステレオコンプレックス結晶を形成している請求項1に記載の組成物。
  3. 金属触媒が、アルカリ土類金属、希土類金属、第三周期の遷移金属、アルミニウム、ゲルマニウム、スズおよびアンチモンからなる群から選ばれる少なくとも一種の金属を含む化合物である請求項1または2に記載の組成物。
  4. ステレオコンプレックスポリ乳酸100重量部に対して、0.001〜1重量部の金属触媒を含有する請求項1〜3の何れか一項に記載の組成物。
  5. ステレオコンプレックスポリ乳酸100重量部に対して、0.001〜10重量部のメタリン酸系失活剤を含有する請求項1〜の何れか一項に記載の組成物。
  6. 請求項1〜5の何れか一項に記載の組成物からなる成形体。
  7. ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸を混合することからなるステレオコンプレックス結晶を含有する組成物の製造方法であって、ポリ−L−乳酸およびポリ−D−乳酸の少なくとも一方が金属触媒を含有し、かつ、該混合をメタリン酸系失活剤の存在下で行う組成物の製造方法であって、メタリン酸系失活剤が、下記式(1)で表されるメタリン酸の、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩およびオニウム塩からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、その1gを100mlの水に溶解した水溶液のpHが6以下であることを特徴とする、前記製造方法。
    Figure 0005129945
    式中nは1〜200の整数である。
JP2006289436A 2005-10-26 2006-10-25 ステレオコンプレックスポリ乳酸組成物 Expired - Fee Related JP5129945B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006289436A JP5129945B2 (ja) 2005-10-26 2006-10-25 ステレオコンプレックスポリ乳酸組成物

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005311600 2005-10-26
JP2005311600 2005-10-26
JP2006289436A JP5129945B2 (ja) 2005-10-26 2006-10-25 ステレオコンプレックスポリ乳酸組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007146137A JP2007146137A (ja) 2007-06-14
JP5129945B2 true JP5129945B2 (ja) 2013-01-30

Family

ID=38207913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006289436A Expired - Fee Related JP5129945B2 (ja) 2005-10-26 2006-10-25 ステレオコンプレックスポリ乳酸組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5129945B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009249517A (ja) * 2008-04-08 2009-10-29 Teijin Ltd 色相および湿熱安定性に優れたポリ乳酸組成物

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3436894B2 (ja) * 1999-04-15 2003-08-18 株式会社日本製鋼所 ポリ乳酸の製造方法
JP2001347622A (ja) * 2000-06-09 2001-12-18 Asahi Kasei Corp 多層密着性耐熱ラップフィルム
JP4411522B2 (ja) * 2003-01-30 2010-02-10 Dic株式会社 ポリ乳酸組成物
ES2444848T3 (es) * 2005-10-05 2014-02-27 Teijin Limited Composición de ácido poliláctico

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007146137A (ja) 2007-06-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5222484B2 (ja) ポリ乳酸組成物
TWI429679B (zh) Preparation method of polylactic acid block copolymer
JP4997224B2 (ja) ポリ乳酸組成物
JP4511890B2 (ja) ステレオコンプレックスポリ乳酸およびその製造方法
KR101306539B1 (ko) 폴리락트산 조성물
JPWO2008120821A1 (ja) ポリ乳酸組成物
JP4580888B2 (ja) ポリ乳酸組成物
JP2007023083A (ja) ステレオコンプレックスポリ乳酸を含有する組成物
JP2008248176A (ja) ステレオコンプレックスポリ乳酸の製造方法
JPWO2014045717A1 (ja) ブロック共重合体の製造方法
JP5129945B2 (ja) ステレオコンプレックスポリ乳酸組成物
JP4958422B2 (ja) ポリ乳酸を含有する組成物
JP5129944B2 (ja) ポリ乳酸組成物
JP5033396B2 (ja) ポリ乳酸組成物
JP4809021B2 (ja) ポリ乳酸組成物
JP5129950B2 (ja) ステレオコンプレックスポリ乳酸組成物
JP5007032B2 (ja) ステレオコンプレックスポリ乳酸組成物
WO2007007892A1 (ja) ポリ乳酸組成物
JP2007099939A (ja) ポリ乳酸を含有する組成物
JP2007023081A (ja) ポリ乳酸組成物
JP2008120873A (ja) ポリ乳酸の製造方法
JPWO2008120825A1 (ja) ポリ乳酸組成物
JP2008248021A (ja) ポリ乳酸組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20080718

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20080718

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090807

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110120

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120229

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120416

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121017

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121105

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5129945

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151109

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees