JP5140560B2 - 1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物及びそれを成形して得られる1ピース樹脂キャップに関し、より詳細には、良好な巻き締め性、シール性、開栓性、剛性、耐衝撃性などキャップの基本特性を満足し、色ムラなどのキャップの外観不良の発生や内容物の風味を損ない難い1ピース樹脂キャップを提供しうる1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物、及びそれを成形して得られる1ピース樹脂キャップを提供するものである。
昨今、飲料ボトル等に用いられるキャップは、コスト低減の観点からアルミニウム等の金属蓋に代わり、樹脂製のキャップが主流になってきている。樹脂キャップの種類には、主にキャップの内側にシール材(ライナー)を貼り付けた2ピース(以下、2Pともいう。)キャップや、ライナーを使用せずシールする1ピース(以下、1Pともいう。)キャップがある。また、樹脂としては、ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(HDPE、LDPE、LLDPE)が好んで用いられている。
これまでは、2P樹脂キャップが主流であったが、現在は、シール材を貼り付ける等の工程が必要なく、低コストで製造できるという利点を有する1P樹脂キャップに移行しつつある。代表的な1P樹脂キャップの1例の断面概略図を図1に示す。1P樹脂キャップのシールは、キャップのインナーリングとアウターリングの間にボトルの本体口が差し込まれることによりなされる。この際、本体口頂部がキャップ内面のシール部に密着されないと密封の保証がされないため、巻き締め性が悪い材料は、キャップをボトル本体口に締め込む際の開栓トルクを高くする必要があり、開栓しにくいという問題があった。これを改善するために、一般に滑剤を適量添加しているのが実情である。
これまで、樹脂キャップやそれに関連する樹脂や重合体として、加熱殺菌可能な樹脂製キャップ(例えば、特許文献1参照)、容器蓋用プロピレン重合体(例えば、特許文献2参照)、プロピレン樹脂組成物(例えば、特許文献3や4参照)等が知られている。
このような従来の技術では、例えば特許文献4に示されているように、1P樹脂キャップでは、ポリエチレンを添加しないと、適切な巻き締め性、シール性、開栓性、剛性、耐衝撃性などキャップの基本特性を満足させることはできなかった。しかし、ポリエチレンを添加した場合、ポリエチレンはポリプロピレンへの分散性が良くないため、ポリエチレンを添加することに起因した色ムラなどのキャップの外観を損なう不良が発生したり、成形サイクル性が悪くなる場合があり改善が求められている。また、滑剤はブリードしやすい添加剤であるが、1P樹脂キャップの場合、内容液と直接接触するため、ブリードして内容物の風味などを損なう惧れがあり、極力少なくすることが求められている。
特開2002−68282号公報 特開平7−316229号公報 特開2004−182955号公報 特開2005−314474号公報
本発明は、このような事情の下、良好な巻き締め性、シール性、開栓性、剛性、耐衝撃性などキャップの基本特性を満足し、色ムラなどのキャップの外観不良の発生や内容物の風味を損ない難い1ピース樹脂キャップを提供しうる1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物、及びそれを成形して得られる1ピース樹脂キャップを提供することを課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物を特定のプロピレン系ブロック共重合体を用いてなるものとすることにより所期の課題が達成されることを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、結晶性プロピレン重合体成分を重合した後、連続してプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分を重合して得られ、下記特性(1)〜(4)を満足するプロピレン系ブロック共重合体を含有することを特徴とする1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物が提供される。
(1)α−オレフィンの含有量が1〜24重量%
(2)JIS K6921に基づいて測定された曲げ弾性率が900〜1600MPa
(3)JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に基づいて測定されたメルトフローレートが0.5〜100g/10分
(4)プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分の重量平均分子量(Y)とJIS K6921に基づいて測定された曲げ弾性率(X)との関係が、下記数式(A)で表される範囲である。
[数1]
Y≦−1670X+2804000 (A)
(但し、Y≧100000)
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、下記式(1)〜(3)で表される少なくとも1種からなる造核剤が1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物全量に対し0.01〜0.4重量%配合されていることを特徴とする1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物が提供される。
Figure 0005140560
(式中、Rは直接結合、硫黄又は炭素数1〜9のアルキレン基又はアルキリデン基であり、R及びRは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり、nはMの価数である。)
Figure 0005140560
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R及びRは水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示し、Mは周期律表第III族または第IV族の金属原子を示し、XはMが周期律表第III族の金属原子を示す場合には、HO−を示し、Mが周期律表第IV族の金属原子を示す場合には、O=又は(HO)−を示す。)
Figure 0005140560
[式中、MおよびMは、同一または異なって、カルシウム、ストロンチウム、リチウムおよび一塩基性アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属カチオンであり、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10は、同一または異なって、水素、炭素数1〜9のアルキル基(ここで、いずれか2つのビシナルまたはジェミナルアルキル基は、一緒になって6個までの炭素原子を有する炭化水素環を形成してもよい)、ヒドロキシ基、炭素数1〜9のアルコキシ基、炭素数1〜9のヒドロキシアルキル基、アミノ基、炭素数1〜9のアルキルアミノ基、ハロゲン及びフェニル基から選択される少なくとも1種の置換基を示す。]
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、さらに、滑剤が1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物全量に対し1重量%以下の範囲で配合されていることを特徴とする1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1ないし3のいずれかの発明において、さらに、ポリエチレンがプロピレン系ブロック共重合体100重量部に対し5重量部未満配合されていることを特徴とする1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物が提供される。
また、本発明の第5の発明によれば、第1ないし4のいずれかの発明において、1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物を成形して得られることを特徴とする1ピース樹脂キャップが提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第5の発明において、成形が圧縮成形であることを特徴とする1ピース樹脂キャップが提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第5の発明において、成形が射出成形であることを特徴とする1ピース樹脂キャップが提供される。
本発明の1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物によれば、良好な巻き締め性、シール性、開栓性、剛性、耐衝撃性などキャップの基本特性を満足し、色ムラなどのキャップの外観不良の発生や内容物の風味を損ない難い1ピース樹脂キャップを提供しうるという利点がもたらされる。
また、本発明の1ピース樹脂キャップは、上記樹脂組成物を成形して得られるので、良好な巻き締め性、シール性、開栓性、剛性、耐衝撃性などキャップの基本特性を満足し、色ムラなどのキャップの外観不良の発生や内容物の風味を損ない難いという利点を有する。
本発明の1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物(以下、1P樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物ともいう)は、結晶性プロピレン重合体成分を重合した後、連続してプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分を重合して得られ、下記特性(1)〜(4)を満足するプロピレン系ブロック共重合体を用いてなるものである。
(1)α−オレフィンの含有量が1〜24重量%
(2)JIS K6921に基づいて測定された曲げ弾性率が900〜1600MPa
(3)JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に基づいて測定されたメルトフローレートが0.5〜100g/10分
(4)プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分の重量平均分子量(Y)とJIS K6921に基づいて測定された曲げ弾性率(X)との関係が、下記数式(A)で表される範囲である。
[数1]
Y≦−1670X+2804000 (A)
(但し、Y≧100000)
以下、本発明の1P樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物(これを、本プロピレン系樹脂組成物と略称することもある。)を構成する構成成分やその製造方法等について詳細に説明する。
1. プロピレン系ブロック共重合体
本プロピレン系樹脂組成物において用いられるプロピレン系ブロック共重合体は、結晶性プロピレン重合体成分を重合した後、連続してプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分を重合させて得られる。結晶性プロピレン重合体成分およびプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分は、おのおの単段で重合してもよく、多段で重合してもよい。
このようなプロピレン系ブロック共重合体は、本発明の効果を損なわない範囲で、二種以上の結晶性プロピレン重合体成分や二種以上のプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分から構成されていてもよい。
(結晶性プロピレン重合体成分)
結晶性プロピレン重合体成分は、プロピレンを単独重合することにより得られるものであるが、結晶性を失わない程度にごく少量、例えば0.5重量%以下の炭素数2および4〜20から選ばれる1種以上のコモノマーを共重合させてもよい。
結晶性プロピレン重合体成分がプロピレン系ブロック共重合体中に占める割合は、特に限定されないが、好ましくは70〜95重量%であり、より好ましくは75〜93重量%、特に好ましくは80〜90重量%であり、70重量%未満では、十分な剛性が得られず、逆に95重量%を超えると十分な耐衝撃性が得られなくなる惧れがある。
また、結晶性プロピレン重合体成分は、特に限定されないが、結晶性の尺度となるアイソタクチックペンタッド分率([mmmm])が90%以上、好ましくは95%以上、より好ましくは96%以上がよく、90%を大きく下まわる場合は、剛性、耐衝撃性のバランスが悪くなり、キャップの基本特性を満足できなくなる惧れがある。
(プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分に用いられるα−オレフィンは、プロピレンを除く炭素数2〜20のα−オレフィンが挙げられ、例えばエチレン、ブテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1等を例示できる。α−オレフィンは一種類でも二種類以上用いてもよい。中でもエチレン、ブテン−1が好ましく、エチレンがより好ましい。
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分におけるα−オレフィンの含量は、好ましくは15〜85重量%、より好ましくは、15〜45重量%または55〜85重量%、特に好ましくは55〜75重量%である。15重量%未満では、充分な耐衝撃性が得られず、また、45重量%を超えて55重量%未満の範囲では、開栓する力(開栓トルク)が低くなりすぎ、実使用において問題が生じる。また、85重量%を超えると耐衝撃性が得られない。そのため、すべてのバランスを考慮した55〜75重量%が特に好ましい。α−オレフィンの含量が、45重量%を超え55重量%未満では、40〜60℃の高温使用時の開栓する力(開栓トルク)が低くなり、実使用において問題が生じる場合がある。45重量%を超え55重量%未満で開栓トルクが低下するのは、この領域におけるプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分が最も柔らかく、物性も熱による依存性が高いためである。この対策として、α−オレフィンの含量を調整することが考えられる。この値が50重量%を基点として、これから離れるほど、熱による影響を受けにくくなる。また、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分に用いられるα−オレフィンの含量を調整すること以外の対策としては、高密度ポリエチレンを添加することなどが挙げられる。高密度ポリエチレンを添加するとプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分に選択的に取り込まれ、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分の熱による剛性の低下が少なくなり、高温での開栓トルクの低減が抑えられる。また、高密度ポリエチレンを添加することで、1Pキャップの巻き締め性と開栓性が良好になるが、これも高密度ポリエチレンがプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分に選択的に取り込まれ、この成分の見かけ上のMFRが変化して、それにより成形品キャップの表面硬度が低下する為と考えられる。しかし、成形品キャップの色ムラの観点から高密度ポリエチレンの添加量は、プロピレン系ブロック共重合体100重量部に対し5重量部未満が好ましい。
また、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分の重量平均分子量(以下、CopolyMwという場合もある。)は、100000以上であり、100000未満では耐衝撃性の十分なキャップが得られなくなる惧れがある。CopolyMwは、250000以上が良く、250000未満では、キャップのいたずら防止用のバンド部が開栓時に伸びて切れ性が悪くなる惧れがある。
(プロピレン系ブロック共重合体)
前記プロピレン系ブロック共重合体は、α−オレフィンの含有量が1〜24重量%、好ましくは4〜20重量%、より好ましくは8〜12重量%範囲のものである。
α−オレフィンの含有量が1重量%未満では耐衝撃性が低下するし、また、24重量%を超えると剛性が低下する。
α−オレフィンの含有量は、13C−NMRにより測定される。
また、プロピレン系ブロック共重合体は、JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に基づいて測定されたメルトフローレートが0.5〜100g/10分、好ましくは、2.0〜50g/10分、より好ましくは、2.0〜30g/10分、さらにより好ましくは3〜20g/10分、特に8〜15g/10分の範囲のものであるのが、成形性と物性のバランスの面において良い。
メルトフローレートが0.5g/10分未満では成形加工性が低下し製品として満足しうるものが得られ難くなる惧れがあるし、また、100g/10分を超えると耐衝撃性が低下するなど物性バランスが悪くなる。
また、プロピレン系ブロック共重合体は、JIS K6921に基づいて測定された曲げ弾性率が900〜1600MPa、好ましくは1000〜1500MPa、より好ましくは1100〜1500MPaの範囲のものである。
曲げ弾性率が900MPaを大きく下回ると、剛性が低下することによりボトル内の内圧が上昇した場合に、キャップが外れるブローオフと称される現象が発生し、キャップとして適さないし、また、逆に、曲げ弾性率が1600MPaを大きく上回ると、キャップの巻き締め性が悪くなるばかりでなく、耐衝撃性が低下する。
また、プロピレン系ブロック共重合体は、その曲げ弾性率(X)とCopolyMw(Y)との関係が、下記の数式(A)で表される範囲にあるものである。
[数1]
Y≦−1670X+2804000 (A)
(但し、Y≧100000)
1P樹脂キャップには、巻き締め性、シール性および開栓性等の性能が必須であり、これらの性能が高いと、製品として良好な1P樹脂キャップを得ることができる。そして、これらの性能は、CopolyMwと曲げ弾性率との関係によって良否を判断し得ることが解っている。後述する実施例において用いるプロピレン系ブロック共重合体のCopolyMwと曲げ弾性率との関係を図3にプロットし、該共重合体により得られる1P樹脂キャップの巻き締め性、シール性および開栓性の総合評価が良好なものを○、不良のものを×とした。そして、その結果より、CopolyMwを(Y)、曲げ弾性率(X)とした時、
Y=−1670X+2804000
の関係式より、巻き締め性、シール性および開栓性の総合評価が良好な範囲と不良の範囲とを明確に分けることができることが判明した。一般に、曲げ弾性率(剛性)を下げればキャップがしっかり閉まるようになる、すなわち巻き締め性がよくなると考えられていたが、巻き締め性の良否は、単に曲げ弾性率だけの問題ではなく、CopolyMwとの関係において適切に調整するのが重要であることが判る。つまり、CopolyMw(Y)が数式(A)の範囲から上に外れるようなプロピレン系ブロック共重合体を用いると、1P樹脂キャップとして巻き締め性に不具合が生じ、完全にシールされていない不良品が発生したり、開栓性が悪化したりする惧れがある。
また、CopolyMw(Y)は100000以上が良く、更に200000以上が良く、250000以上がより好ましい。CopolyMw(Y)が100000未満であると、得られるキャップに十分な耐衝撃性が得られなくなる惧れがある。
(プロピレン系ブロック共重合体の製造方法)
プロピレン系ブロック共重合体は、結晶性プロピレン重合体部分であるプロピレン単独重合体を重合(前段)した後、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体部分の重合(後段)を行うことにより得ることができる。
上記重合に用いられる触媒としては、特に限定されるものではなく、公知の触媒が使用可能である。例えば、チタン化合物と有機アルミニウムを組み合わせた、いわゆるチーグラー・ナッタ触媒、あるいは、メタロセン触媒(例えば、特開平5−295022)が使用できる。剛性、耐衝撃性のバランスが良いプロピレン系ブロック共重合体が良いため、一般的に立体規則性の高いチーグラー・ナッタ触媒がより好ましい。チーグラー・ナッタ触媒は、チタン化合物として有機アルミニウム等で還元して得られた三塩化チタンまたは三塩化チタン組成物を電子供与性化合物で処理し更に活性化したもの(例えば特開昭47−34478、特開昭58−23806、特開昭63−146906)、塩化マグネシウム等の担体に四塩化チタンを担持させることにより得られるいわゆる担持型触媒(例えば、特開昭58−157808、特開昭58−83006、特開昭58−5310、特開昭61−218606)等が含まれる。これらの触媒は特に制限なく公知の触媒が使用可能である。
また、助触媒として有機アルミニウム化合物が用いられる。例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライドなどのアルキルアルミニウムハライド、ジエチルアルミニウムハイドライドなどのアルキルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムエトキシドなどのアルキルアルミニウムアルコキシド、メチルアルモキサン、テトラブチルアルモキサンなどのアルモキサン、メチルボロン酸ジブチル、リチウムアルミニウムテトラエチルなどの複合有機アルミニウム化合物などが挙げられる。また、これらを2種類以上混合して使用することも可能である。
また、上述の触媒には、立体規則性改良や粒子性状制御、可溶性成分の制御、分子量分布の制御等を目的とする各種重合添加剤を使用することができる。例えば、ジフェニルジメトキシシラン、tert−ブチルメチルジメトキシシランなどの有機ケイ素化合物、酢酸エチル、安息香酸ブチル、p−トルイル酸メチル、ジブチルフタレートなどのエステル類、アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、ジエチルエーテルなどのエーテル類、安息香酸、プロピオン酸などの有機酸類、エタノール、ブタノールなどのアルコール類等の電子供与性化合物を挙げることができる。
重合形式としては、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ベンゼン若しくはトルエン等の不活性炭化水素を重合溶媒として用いるスラリー重合、プロピレン自体を重合溶媒とするバルク重合、また原料のプロピレンを気相状態下で重合する気相重合が可能である。また、いずれの重合形式を組み合わせて行うことも可能である。例えば、結晶性プロピレン重合体をバルク重合で行い、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体を気相重合で行う方法や、結晶性プロピレン重合体をバルク重合、続いて気相重合で行い、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体は気相重合で行う方法などが挙げられる。プロピレン系ブロック共重合体は、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分の重量平均分子量が数式(A)を満たす必要があるため、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体部分は、重合溶媒にプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体が溶け出し難い気相重合で行うのが好ましい。
また重合形式として、回分式、連続式、半回分式のいずれによってもよい。重合用の反応器としては、特に形状、構造を問わないが、スラリー重合、バルク重合で一般に用いられる攪拌機付き槽や、チューブ型反応器、気相重合に一般に用いられる流動床反応器、攪拌羽根を有する横型反応器などが挙げられる。
気相重合においては、プロピレン単独重合体部分の重合工程はプロピレン、連鎖移動剤として水素を供給して、前記触媒の存在下に温度50〜150℃、好ましくは50〜90℃、プロピレンの分圧0.5〜4.5MPa、好ましくは1.0〜3.0MPaの条件で、滞留時間は2〜10時間、好ましくは2〜5時間で行う。結晶性プロピレン重合体部分には本発明の効果を損なわない範囲でプロピレン以外のα−オレフィンが共重合されていても構わない。
引き続いて、後段重合工程で、プロピレン、α−オレフィンと水素を供給して、前記触媒(前記プロピレン単独重合体部分の重合工程で使用した当該触媒)の存在下に温度50〜150℃、好ましくは50〜80℃、プロピレン及びα−オレフィンの分圧各0.5〜4.5MPa、好ましくは1.0〜3.0MPaの条件で、プロピレンとα−オレフィンのランダム共重合を行い、プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体部分を製造し、最終的な生成物として、プロピレン系ブロック共重合体を得る。プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体部分には本発明の効果を損なわない範囲でプロピレン、α−オレフィン以外の他のオレフィンが共重合されていても構わない。
本プロピレン系樹脂組成物は、前記プロピレン系ブロック共重合体を主体とするものであるが、造核剤や滑材が配合されているのが好ましく、さらに本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエチレン、オレフィン系エラストマー等の他の樹脂、その他各種添加剤が適宜配合されていてもよい。
2.造核剤
上記造核剤としては、下記式(1)〜(3)で表わされるものが望ましい。本プロピレン系樹脂組成物においてこのような造核剤を配合することによって、該組成物やそれを成形してなるキャップについて、結晶化温度を上昇させ成形サイクル性を更に良好にし、キャップに優れた剛性を与え、キャップのヒケや反りを改善し、キャップからの臭気や溶出を極めて少なくすることが可能になる。このような造核剤としては、(株)ADEKA製の造核剤NA11やNA21、ミリケン社製の造核剤HPN68L等の市販品を挙げることができる。
造核剤の配合量は、1P樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物に対し、0.01〜0.4重量%、好ましくは0.03〜0.2重量%、より好ましくは0.05〜0.15重量%の範囲で選ばれ、0.01重量%未満では十分な効果が得られ難いし、また、0.4重量%を超えるとさらなる性能の向上が期待できず不経済であるばかりかPL基準に不適合となる場合がある。
Figure 0005140560
(式中、Rは直接結合、硫黄又は炭素数1〜9のアルキレン基又はアルキリデン基であり、R及びRは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり、nはMの価数である。)
前記式(1)で表される有機リン酸金属塩化合物において、MはNa、K、Li、Ca、Mg、Sr、Zn、Cd等が好ましく、特にNaやKが好ましい。
この有機リン酸金属塩化合物の具体例としては、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス−(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−ブチリデン−ビス−(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−ブチリデン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−t−オクチルメチレン−ビス−(4,6−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−t−オクチルメチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム(4,4’−ジメチル−6,6’−ジ−t−ブチル−2,2’−ビフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−エチリデン−ビス−(4−s−ブチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−メチルフェニル)フォスフェート、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−エチルフェニル)フォスフェート、およびこれらの2種以上の混合物を例示することができる。これらのうち特に、ナトリウム−2,2’−メチレン−ビス−(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェートが好ましい。
このような造核剤としては、市販のものを用いることができる。具体的には、(株)ADEKA製NA−11を挙げることができる。
Figure 0005140560
(式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R及びRは水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示し、Mは周期律表第III族または第IV族の金属原子を示し、XはMが周期律表第III族の金属原子を示す場合には、HO−を示し、Mが周期律表第IV族の金属原子を示す場合には、O=又は(HO)−を示す。)
前記式(2)で表される芳香族燐酸エステル類において、MはAl、Sn、Pb、Ti、Zr等が好ましく、特にAlが好ましい。
この芳香族燐酸エステル類の具体例としては、例えば、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジメチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジエチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジエチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、およびヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4−i−プロピル−6−t−ブチルフェニル)フォスフェート]等が挙げられ、好ましくは、ヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−メチレン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、およびヒドロキシアルミニウム−ビス[2,2’−エチリデン−ビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フォスフェート]、およびこれらの2種以上の混合物を例示することができる。
前記式(2)で表される芳香族燐酸エステル類は、有機アルカリ金属塩と併用させることが効果的である。
有機アルカリ金属塩としては、アルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属β−ジケトナート及びアルカリ金属β−ケト酸エステル塩からなる群より選択される少なくとも一種などが挙げられる。
有機アルカリ金属塩を構成するアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
上記アルカリ金属カルボン酸塩を構成するカルボン酸としては、例えば酢酸、プロピオン酸、アクリル酸、オクチル酸、イソオクチル酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リシノール酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸、メリシン酸、ドデシルチオ酢酸、β−ドデシルチオプロピオン酸、β−N−ラウリルアミノプロピオン酸、β−N−メチル−ラウロイルアミノプロピオン酸等の脂肪族モノカルボン酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、クエン酸、ブタントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族多価カルボン酸、ナフテン酸、シクロペンタンカルボン酸、1−メチルシクロペンタンカルボン酸、2−メチルシクロペンタンカルボン酸、シクロペンテンカルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、1−メチルシクロヘキサンカルボン酸、4−メチルシクロヘキサンカルボン酸、3,5−ジメチルシクロヘキサンカルボン酸、4−ブチルシクロヘキサンカルボン酸、4−オクチルシクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキセンカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等の脂環式モノ又はポリカルボン酸、安息香酸、トルイル酸、キシリル酸、エチル安息香酸、4−t−ブチル安息香酸、サリチル酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族モノ又はポリカルボン酸等が挙げられる。
上記アルカリ金属β−ジケトナートを構成するβ−ジケトン化合物としては、例えば、アセチルアセトン、ピバロイルアセトン、パルミトイルアセトン、ベンゾイルアセトン、ピバロイルベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタン等が挙げられる。
また、上記アルカリ金属β−ケト酸エステル塩を構成するβ−ケト酸エステルとしては、例えば、アセト酢酸エチル、アセト酢酸オクチル、アセト酢酸ラウリル、アセト酢酸ステアリル、ベンゾイル酢酸エチル、ベンゾイル酢酸ラウリル等が挙げられる。
有機アルカリ金属塩の成分であるアルカリ金属カルボン酸塩、アルカリ金属β−ジケトナート又はアルカリ金属β−ケト酸エステル塩は、各々上記アルカリ金属とカルボン酸、β−ジケトン化合物又はβ−ケト酸エステルとの塩であり、従来周知の方法で製造することができる。また、これら各アルカリ金属塩化合物の中でも、アルカリ金属の脂肪族モノカルボン酸塩、特に、リチウムの脂肪族モノカルボン酸塩が好ましく、とりわけ炭素数8〜20の脂肪族モノカルボン酸塩が好ましい。
このような造核剤としては、市販のものを用いることができる。具体的には、(株)ADEKA製NA−21を挙げることができる。
Figure 0005140560
(式中、MおよびMは、同一または異なって、カルシウム、ストロンチウム、リチウムおよび一塩基性アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属カチオンであり、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10は、同一または異なって、水素、炭素数1〜9のアルキル基[ここで、いずれか2つのビシナルまたはジェミナルアルキル基は、一緒になって6個までの炭素原子を有する炭化水素環を形成してもよい)、ヒドロキシ基、炭素数1〜9のアルコキシ基、炭素数1〜9のヒドロキシアルキル基、アミノ基、炭素数1〜9のアルキルアミノ基、ハロゲン及びフェニル基から選択される少なくとも1種の置換基を示す。]
「一塩基性アルミニウム」なる用語は周知であり、2つのカルボン酸基が結合した単一カチオンとしてアルミニウムヒドロキシド基を含むことを意味している。また、ビシナルは隣接炭素に結合することを、ジェミナルは同一炭素に結合することをそれぞれ意味する。
ハロゲンは特に限定されず、フッ素、塩素、臭素または沃素である。さらに、これら可能な塩のそれぞれにおいて、非対称炭素原子の立体配置は、シスまたはトランスのいずれでもよいが、シスが好ましい。
前記式(3)で表される造核剤は、凝集等を防止する目的で、他の化合物を混合して用いても差し支えない。
このような造核剤としては、市販のものを用いることができる。具体的には、下記式(4)のメリケン社製ハイパフォームHPN68Lを挙げることができる。
Figure 0005140560
式(4)において、Metalは1価または3価の金属を指し、その中でも1価が好ましく、特に好ましいMetalは、ナトリウムである。また、3価金属の場合は水酸基を含むアルミニウム金属も可能である。
<他の造核剤>
本プロピレン系樹脂組成物においては、式(1)〜(4)で表される造核剤の他に、臭気や溶出性の抑制効果を大きく阻害しない範囲で他の造核剤を0.01〜0.4重量%の範囲で併用させることができる。
他の造核剤としては、ソルビトール系造核剤、カルボン酸塩系造核剤およびタルクなど公知の造核剤を挙げることができる。ソルビトール系造核剤である1・3,2・4,ジベンジリデンソルビトールは、特有の臭気が強く、溶出・析出する懸念もあり、食品用途のキャップには好ましくない。
3.滑剤
本プロピレン系樹脂組成物においては、滑剤を、1P樹脂キャップの成形性や巻き締め性を良好にするため、配合することができる。滑剤としては、例えば高級脂肪酸アマイドのオレイン酸アマイド、ステアリン酸アマイド、エルカ酸アマイドや、脂肪族アルコール、ワックスなどが挙げられる。滑剤の配合量は、内容物の風味等に影響する危険性を考慮するとなるべく少ない方が好ましく、1P樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物中1重量%以下であるのが望ましい。
4.他の樹脂
本プロピレン系樹脂組成物においては、他の樹脂を配合することができる。他の樹脂としては、例えばポリエチレン、オレフィン系エラストマーなどが挙げられ、中でもポリエチレンが用いられる。他の樹脂、中でもポリエチレンの配合量は、プロピレン系ブロック共重合体100重量部に対し、5重量部未満が良く、更に3重量部未満の範囲であるのが好ましい。
ただし、本プロピレン系樹脂組成物を着色して、1P着色樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物として用いる場合、ポリエチレンが配合されていると、キャップに色ムラなどの外観不良が発生したり、成形サイクル性が悪くなる場合があるので、ポリエチレンの配合量は極力少ない方が望ましい。
5.その他の添加剤
本プロピレン系樹脂組成物においては、必要に応じ、本発明の効果を損なわない範囲で、上述した成分に加えてポリプロピレン系樹脂用の添加剤として使用されている各種添加剤を配合することができる。
このような添加剤としては、例えば、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、金属脂肪酸塩、中和剤などの他、帯電防止剤、フィラー、着色を目的とした顔料や染料、分散剤などが挙げられる。
酸化防止剤としては、例えばビス(2,6−シ゛−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−シ゛−フォスファイト、シ゛−ステアリル−ペンタエリスリトール−シ゛−フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−シ゛−フォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル−5−メチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジ−フォスフォナイト等のリン系酸化防止剤、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)ベンゼン、トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ハイドロキシベンジル)イソシアヌレート等のフェノール系酸化防止剤、ジ−ステアリル−ββ’−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ミリスチル−ββ’−チオ−ジ−プロピオネート、ジ−ラウリル−ββ’−チオ−ジ−プロピオネート等のチオ系酸化防止剤、下記式(5)や下記式(6)で表されるアミン系酸化防止剤、5,7−ジ−t−ブチル−3−(3,4 ジ−メチル−フェニル)−3H−ベンゾフラン−2−ワン等のラクトン系酸化防止剤、下記式(7)で表されるビタミンE系酸化防止剤などが挙げられる。
Figure 0005140560
Figure 0005140560
(式中、R及びRは炭素数14〜22のアルキル基である。)
Figure 0005140560
光安定剤としては、例えばn−ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピぺリジル)セバケート、コハク酸ジメチル−2−(4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジル)エタノール縮合物、ポリ{[6−〔(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ〕−1,3,5−トリアジン−2,4ジイル]〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕}、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス〔N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ〕−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物などが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
金属脂肪酸塩としては、例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウムなどが挙げられる。
中和剤としては、例えばハイドロタルサイト(商品名:協和化学工業社製のマグネシウムアルミニウム複合水酸化物塩)、ミズカラック(リチウムアルミニウム複合水酸化物塩)などが挙げられる。
6. 1P樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物の製造方法
本発明の1P樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物は、プロピレン系ブロック共重合体を主たる組成成分とし、それと他の従たる組成成分、例えば前記造核剤、滑剤、ポリエチレン等の他の樹脂及びその他の添加剤等から選ばれた少なくとも1種などとからなる組成のものを用いるか、プロピレン系ブロック共重合体自体に複数種のものを用いるなどして、ヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダー等で混合した後、通常の単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ブラベンダー、ロール等で適当な温度、好ましくは190〜260℃の範囲の温度で溶融混練することにより得ることができる。
7. 1P樹脂キャップの成形
1P樹脂キャップは、1P樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物を従来公知の各種成形法で所望形態に賦形して成形することにより作製される。成形法としては、とりわけ、射出成形法、圧縮成形法、射出圧縮成形法が本発明の効果が良好に得られるため好ましく、中でも圧縮成形が、汎用性や生産性の観点から特に好ましい。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例により何ら限定されるものではない。
なお、各実施例及び比較例において、プロピレン系重合体は下記の製造例1−23で得られたプロピレン系ブロック共重合体(BPP1〜23)を用いた。
(A)プロピレン系ブロック共重合体
エチレン・プロピレンブロック共重合体1(BPP1):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 8.5重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 80.3重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 19.7重量%
(エチレン含有量:43.4重量%、CopolyMw:334000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体2(BPP2):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 9.9重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 77.7重量%
(ホモ部の立体規則性97%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 22.3重量%
(エチレン含有量:44.7重量%、CopolyMw:290000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体3(BPP3):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 10.8重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 75.8重量%
(ホモ部の立体規則性97%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 24.2重量%
(エチレン含有量:44.7重量%、CopolyMw:286000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体4(BPP4):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 6.6重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 85.0重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 15.0重量%
(エチレン含有量:44.0重量%、CopolyMw:513000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体5(BPP5):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 7.1重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 83.9重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 16.1重量%
(エチレン含有量:43.8重量%、CopolyMw:660000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体6(BPP6):
(MFR9g/10分、エチレン濃度 5.9重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 83.1重量%
(ホモ部の立体規則性94%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 16.9重量%
(エチレン含有量:34.8重量%、CopolyMw:902000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体7(BPP7):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 12.7重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 71.5重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 28.5重量%
(エチレン含有量:44.7重量%、CopolyMw:300000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体8(BPP8):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 4.2重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 91.9重量%
(ホモ部の立体規則性98%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 8.1重量%
(エチレン含有量:51.8重量%、CopolyMw:1500000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体9(BPP9):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 5.8重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 86.6重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 13.4重量%
(エチレン含有量:43.6重量%、CopolyMw:297000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体10(BPP10):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 7.2重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 84.2重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 15.8重量%
(エチレン含有量:45.5重量%、CopolyMw:281400)
エチレン・プロピレンブロック共重合体11(BPP11):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 13.4重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 81.5重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 18.5重量%
(エチレン含有量:72.7重量%、CopolyMw:183000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体12(BPP12):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 10.4重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 76.0重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 24.0重量%
(エチレン含有量:43.2重量%、CopolyMw:207000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体13(BPP13):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 4.6重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 83.2重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 16.8重量%
(エチレン含有量:27.4重量%、CopolyMw:200000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体14(BPP14):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 11.6重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 73.8重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 26.2重量%
(エチレン含有量:44.2重量%、CopolyMw:835000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体15(BPP15):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 11.8重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 74.4重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 25.6重量%
(エチレン含有量:46.0重量%、CopolyMw:497000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体16(BPP16):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 10.3重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 77.0重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 23.0重量%
(エチレン含有量:44.8重量%、CopolyMw:464000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体17(BPP17):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 11.8重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 73.2重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 26.8重量%
(エチレン含有量:44.1重量%、CopolyMw:664000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体18(BPP18):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 11.7重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 73.0重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 27.0重量%
(エチレン含有量:43.5重量%、CopolyMw:281000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体19(BPP19):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 12.6重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 71.3重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 28.7重量%
(エチレン含有量:44.0重量%、CopolyMw:283000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体20(BPP20):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 11.9重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 72.8重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 27.2重量%
(エチレン含有量:43.8重量%、CopolyMw:502000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体21(BPP21):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 12.7重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 71.4重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 28.6重量%
(エチレン含有量:44.5重量%、CopolyMw:910000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体22(BPP22):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 12.5重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 71.5重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 28.5重量%
(エチレン含有量:44.0重量%、CopolyMw:915000)
エチレン・プロピレンブロック共重合体23(BPP23):
(MFR10g/10分、エチレン濃度 11.9重量%)
結晶性プロピレン重合体成分 73.0重量%
(ホモ部の立体規則性96%)
プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分 27.0重量%
(エチレン含有量:44.0重量%、CopolyMw:1310000)
(製造例1)
(i)固体触媒成分(a)の製造
窒素置換した内容積50リットルの撹拌機付槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン20リットルを導入し、次いで、塩化マグネシウム10モルとテトラブトキシチタン20モルとを導入して95℃で2時間反応させた後、温度を40℃に下げ、メチルヒドロポリシロキサン(粘度20センチストークス)12リットルを導入して更に3時間反応させた後、反応液を取り出し、生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
引き続いて、前記撹拌機付槽を用いて該槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン5リットルを導入し、次いで、上記で合成した固体成分をマグネシウム原子換算で3モル導入した。ついで、n−ヘプタン2.5リットルに、四塩化珪素5モルを混合して30℃、30分間かけて導入して、温度を70℃に上げ、3時間反応させた後、反応液を取り出し、生成した固体成分をn−ヘプタンで洗浄した。
さらに、引き続いて、前記撹拌機付槽を用いて該槽に脱水及び脱酸素したn−ヘプタン2.5リットルを導入し、フタル酸クロライド0.3モルを混合して90℃、30分間で導入し、95℃で1時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。次いで、室温下四塩化チタン2リットルを追加し、100℃に昇温した後2時間反応させた。反応終了後、n−ヘプタンで洗浄した。さらに、四塩化珪素0.6リットル、n−ヘプタン8リットルを導入し90℃で1時間反応させ、n−ヘプタンで十分洗浄し、固体成分を得た。この固体成分中にはチタンが1.30重量%含まれていた。
次に、窒素置換した前記撹拌機付槽にn−ヘプタン8リットル、上記で得た固体成分を400gと、t−ブチル−メチル−ジメトキシシラン0.27モル、ビニルトリメチルシラン0.27モルを導入し、30℃で1時間接触させた。次いで15℃に冷却し、n−ヘプタンに希釈したトリエチルアルミニウム1.5モルを15℃条件下30分かけて導入、導入後30℃に昇温し2時間反応させ、反応液を取り出し、n−ヘプタンで洗浄して固体触媒成分390gを得た。
得られた固体触媒成分中には、チタンが1.22重量%含まれていた。
更に、n−ヘプタンを6リットル、n−ヘプタンに希釈したトリイソブチルアルミニウム1モルを15℃条件下30分かけて導入し、次いでプロピレンを20℃を越えないように制御しつつ約0.4kg/時間で1時間導入して予備重合した。その結果、固体1g当たり0.9gのプロピレンが重合したポリプロピレン含有の固体触媒成分(a)が得られた。
(ii)プロピレン系ブロック共重合体の製造
(前段重合工程:結晶性プロピレン重合体成分の製造)
内容積230リットルの流動床式反応器を2個連結してなる連続反応装置を用いて重合を行った。まず第1反応器で、重合温度75℃、プロピレン分圧18kg/cm(絶対圧)、分子量制御剤としての水素を、水素/プロピレンのモル比で0.015となるように連続的に供給するとともに、トリエチルアルミニウムを5.25g/hrで、固体触媒成分(a)として、上記記載の触媒をポリマー重合速度が20kg/hrになるように供給し、結晶性プロピレン重合体成分を製造した。第1反応器で重合したパウダー(結晶性プロピレン重合体成分)は、反応器内のパウダー保有量を60kgとなるように連続的に抜き出し、第2反応器に連続的に移送した。
(後段重合工程:プロピレン・エチレンランダム共重合体成分の製造)
続いて、第2反応器内が、重合温度80℃、圧力2.0MPaになるように、プロピレンとエチレンをエチレン/プロピレンのモル比で0.62となるように連続的に供給し、更に、分子量制御剤としての水素を、水素/プロピレンのモル比で0.027となるように連続的に供給すると共に、活性水素化合物としてエチルアルコールを、トリエチルアルミニウムに対して1.7倍モルになるように供給し、プロピレン・エチレンランダム共重合体成分を製造した。第2反応器で重合が終了したパウダー(結晶性プロピレン重合体成分とプロピレン・エチレンランダム共重合体成分とからなるプロピレン系ブロック共重合体)は、反応器内のパウダー保有量を40kgとなるように連続的にベッセルに抜き出した。水分を含んだ窒素ガスを供給して反応を停止させ、プロピレン系ブロック共重合体を得た。得られたプロピレン系ブロック共重合体を(BPP1)とした。
(製造例2)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.015、後段重合工程における水素/プロピレンのモル比で0.034、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して1.5倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP2)を製造した。
(製造例3)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.016、後段重合工程における水素/プロピレンのモル比で0.036、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して1.3倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP3)を製造した。
(製造例4)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.015、後段重合工程における水素/プロピレンのモル比で0.020、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して2.2倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP4)を製造した。
(製造例5)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.016、後段重合工程における水素/プロピレンのモル比で0.0052、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して1.9倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP5)を製造した。
(製造例6)
(i)固体触媒成分(b)の製造
n−ヘキサン6リットル、ジエチルアルミニウムモノクロリド(DEAC)5.0モル、ジイソアミルエーテル12.0モルを25℃で5分間で混合し、5分間同温度で反応させて反応液(I)(ジイソアミルエーテル/DEACのモル比2.4)を得た。窒素置換された反応器に4塩化チタン40モルを入れ35℃に加熱し、これに上記反応液(I)の全量を180分間で滴下した後、同温度に30分間保ち、75℃に昇温して更に1時間反応させ、室温まで冷却し上澄液を除き、n−ヘキサン30リットルを加えてデカンテーションで上澄み液を除く操作を4回繰り返して、固体生成物(II)1.9kgを得た。この(II)の全量をn−ヘキサン30リットル中に懸濁させた状態で20℃でジイソアミルエーテル1.6kgと4塩化チタン3.5kgを室温にて約5分間で加え、60℃で1時間反応させた。反応終了後、室温(20℃)まで冷却し、上澄液をデカンテーションによって除いた後、30リットルのn−ヘキサンを加え15分間撹拌し、静置して上澄液を除く操作を5回繰り返した後、減圧下で乾燥させ、Ti系固体触媒(b)を得た。
(ii)プロピレン系ブロック共重合体の製造
(前段重合工程:結晶性プロピレン重合体成分の製造)
内容積400リットルの攪拌機付きステンレス鋼製オートクレーブを室温下、プロピレンガスで充分に置換し、重合溶媒として脱水及び脱酸素したn−ヘプタン120リットルを入れた。次に温度65℃の条件下、ジエチルアルミニウムクロライド86g、水素50リットル(標準状態換算)、プロピオン酸を10.5cc、および前記触媒bを23g加えた。
オートクレーブを内温70℃に昇温した後、プロピレンを21.7kg/時、水素を126L/時の速度で供給し、重合を開始した。160分後プロピレンの導入を停止、圧力は重合開始時0.34kg/cmG、プロピレン供給中に経時的に増加し、供給停止時点で7.7kg/cmGまで上昇した。その後圧力が2.0kg/cmGになるまで残重合した後、器内の未反応ガスを0.3kg/cmまで放出し、結晶性プロピレン重合体成分を製造した。
(後段重合工程:プロピレン・エチレンランダム共重合体成分の製造)
続いて、オートクレーブの内温を60℃に低下させ、プロピレンを5.65kg/時、エチレンを2.42kg/時の速度で供給した。120分後プロピレンの導入を停止、圧力はモノマー供給中に経時的に増加し、供給停止時点で2.8kg/cmGまで上昇した。その後圧力が1.0kg/cmGになるまで残重合した後、器内の未反応ガスを0.3kg/cmまで放出し、プロピレン・エチレンランダム共重合体成分を製造した。
得られたプロピレン系ブロック共重合体を含む溶媒(スラリー)は、次の攪拌機付き槽に移送し、ブタノールを5リットル加え、70℃で3時間処理し、更に次の攪拌機付き槽に移送、水酸化ナトリウム100gを溶解した純水100リットルを加え、1時間処理した後、水層を静置後分離、触媒残渣を除去した。スラリーは遠心分離機で処理し、ヘプタンを除去、80℃の乾燥機で3時間処理しヘプタンを完全に除去、53.2kgの結晶性プロピレン重合体成分とプロピレン・エチレンランダム共重合体成分とからなるプロピレン系ブロック共重合体(BPP6)を得た。
(製造例7)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.017、後段重合工程における水素/プロピレンのモル比で0.036、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して1.1倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP7)を製造した。
(製造例8)
(前段重合工程:結晶性プロピレン重合体成分の製造)
内容積200リットルの攪拌機付きステンレス鋼製オートクレーブを室温下、プロピレンガスで充分に置換し、重合溶媒として脱水及び脱酸素したn−ヘプタン60リットルを入れた。次に温度70℃の条件下、トリエチルアルミニウム15g、水素50リットル(標準状態換算)、および前記固体触媒成分(a)を6.0g加えた。
オートクレーブを内温75℃に昇温した後、プロピレンを9.2kg/時、水素を16.2L/時の速度で供給し、重合を開始した。210分後プロピレンの導入を停止、圧力は重合開始時0.34kg/cmG、プロピレン供給中に経時的に増加し、供給停止時点で4.6kg/cmGまで上昇した。その後圧力が2.5kg/cmGになるまで残重合した後、器内の未反応ガスを0.3kg/cmまで放出し、結晶性プロピレン重合体成分を製造した。
(後段重合工程:プロピレン・エチレンランダム共重合体成分の製造)
続いて、オートクレーブの内温を65℃に低下させ、ブタノールを10cc加えた後、プロピレンを2.45kg/時、エチレンを1.64kg/時の速度で供給した。55分後プロピレンの導入を停止、圧力はモノマー供給中に経時的に増加し、供給停止時点で1.0kg/cmGまで上昇した。その後器内の未反応ガスを0.3kg/cmまで放出し、プロピレン・エチレンランダム共重合体成分を製造した。
得られたプロピレン系ブロック共重合体を含む溶媒(スラリー)は、次の攪拌機付き槽に移送し、ブタノールを2.5リットル加え、70℃で3時間処理し、更に次の攪拌機付き槽に移送、水酸化ナトリウム50gを溶解した純水50リットルを加え、1時間処理した後、水層を静置後分離、触媒残渣を除去した。スラリーは遠心分離機で処理し、ヘプタンを除去、80℃の乾燥機で3時間処理しヘプタンを完全に除去、26.5kgの結晶性プロピレン重合体成分とプロピレン・エチレンランダム共重合体成分とからなるプロピレン系ブロック共重合体(BPP8)を得た。
(製造例9)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.013、後段重合工程における水素/プロピレンのモル比で0.029、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して2.2倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP9)を製造した。
(製造例10)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.013、後段重合工程における水素/プロピレンのモル比で0.035、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して2.1倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP10)を製造した。
(製造例11)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.011、後段重合工程のモル比におけるエチレン/プロピレンのモル比で2.43、水素/プロピレンのモル比で0.25、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して2.6倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP11)を製造した。
(製造例12)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.010、後段重合工程のモル比における水素/プロピレンのモル比で0.049、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して1.5倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP12)を製造した。
(製造例13)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.0090、後段重合工程のモル比におけるエチレン/プロピレンのモル比で0.23、水素/プロピレンのモル比で0.030、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して2.1倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP13)を製造した。
(製造例14)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.025、後段重合工程のモル比における水素/プロピレンのモル比で0.0052、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して1.4倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP14)を製造した。
(製造例15)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.022、後段重合工程のモル比における水素/プロピレンのモル比で0.012、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して1.4倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP15)を製造した。
(製造例16)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.017、後段重合工程のモル比における水素/プロピレンのモル比で0.013、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して1.5倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP16)を製造した。
(製造例17)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.026、後段重合工程のモル比における水素/プロピレンのモル比で0.0082、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して1.4倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP17)を製造した。
(製造例18)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.014、後段重合工程のモル比における水素/プロピレンのモル比で0.036、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して1.4倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP18)を製造した。
(製造例19)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.015、後段重合工程のモル比における水素/プロピレンのモル比で0.036、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して1.3倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP19)を製造した。
(製造例20)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.024、後段重合工程のモル比における水素/プロピレンのモル比で0.012、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して1.4倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP20)を製造した。
(製造例21)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.036、後段重合工程のモル比における水素/プロピレンのモル比で0.0050、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して1.3倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP21)を製造した。
(製造例22)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.035、後段重合工程のモル比における水素/プロピレンのモル比で0.0050、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して1.4倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP22)を製造した。
(製造例23)
製造例1で使用した触媒及び重合方法を用い、上記前段重合工程における水素/プロピレンのモル比を0.039、後段重合工程のモル比における水素/プロピレンのモル比で0.0030、エチルアルコールをトリエチルアルミニウムに対して1.4倍モルになるように変更した以外は、製造例1に準じて行いプロピレン系ブロック共重合体(BPP23)を製造した。
(B)造核剤
NA−11:有機リン酸金属塩化合物系核剤((株)ADEKA製)
(C)樹脂用配合剤
IRGANOX1010:ヒンダートフェノール系酸化防止剤(チバ・ジャパン(株)製)
IRGAFOS168:リン系酸化防止剤(チバ・ジャパン(株)製)
ステアリン酸カルシウム:中和剤(堺化学工業社製)
エルカ酸アミド:滑剤
(D)顔料マスターバッチ(顔料MB)
(a)顔料MB1:ポリプロピレンをベースに用いた顔料MB
下記のプロピレン系ブロック共重合体BPP5をベースとし、100重量部に対し、黄緑系顔料を3重量部配合した顔料MB
(b)顔料MB2:高密度ポリエチレンをベースに用いた顔料MB
190℃におけるメルトフローレートが8g/10minで、密度が0.960g/cmの高密度ポリエチレンをベースとし、100重量部に対し、黄緑系顔料を3重量部配合した顔料MB
また、物性測定等は以下の方法で行った。
I.CopolyMwは以下の方法により測定した。
(1)使用する分析装置
(i)クロス分別装置
ダイヤインスツルメンツ社製CFC T−100(CFCと略す)
GPCカラム:昭和電工社製AD806MS 3本 使用
(2)CFCの測定条件
(i)溶媒:オルトジクロルベンゼン(ODCB)
(ii)サンプル濃度:4mg/ml
(iii)注入量:0.4ml
(iv)結晶化:140℃から40℃まで約70分かけて降温する。
(v)分別方法:
昇温溶出分別時の分別温度は40、100、140℃とし、全部で3つのフラクションに分別する。
(vi)溶出時溶媒流速:1ml/分
(3)測定結果の後処理と解析
各温度で溶出した成分の分子量分布は、検出器によって得られたクロマトグラムを使用して求める。保持容量から分子量への換算は、予め作成しておいた標準ポリスチレンによる検量線を用いて行う。
使用する標準ポリスチレンは何れも東ソー社製の以下の銘柄である。
F380、F288、F128、F80、F40、F20、F10、F4、F1、A5000、A2500、A1000。
各々が0.5mg/mlとなるようにODCB(0.5mg/mlのBHTを含む)に溶解した溶液を0.4ml注入して較正曲線を作成する。較正曲線は最小二乗法で近似して得られる三次式を用いる。分子量への換算は森定雄著「サイズ排除クロマトグラフィー」(共立出版)を参考に汎用較正曲線を用いる。その際使用する粘度式([η]=K×Mα)には以下の数値を用いる。
(i)標準ポリスチレンを使用する較正曲線作成時
K=0.000138、α=0.70
(ii)プロピレン系ブロック共重合体のサンプル測定時
K=0.000103、α=0.78
40℃で溶出した成分(プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分)の重量平均分子量をCopolyMwとする。
II.α−オレフィンの含有量
エチレン・プロピレンブロック共重合体を13C−NMRにより測定。
III.アイソタクチックペンタッド分率(ホモ部の立体規則性)
日本電子社製、GSX−270を用いて、o−ジクロロベンゼン/重ベンゼン溶媒を使用し、測定温度130℃で、プロトンデカップリング法により13C−NMR測定を行い、結晶性プロピレン重合体成分中のmmmm成分の重量割合を求めた。
IV.MFR:JIS K7210、230℃ 2.16Kg荷重に準拠。
V.曲げ弾性率:JIS K6921に準拠して23℃で測定した。
該プロピレン系ブロック共重合体を用いて造粒したペレットを使用して成形したキャップを、以下の方法によって評価した。評価に用いた1P樹脂キャップの断面概略図は図1の通りである。
VI.キャップの巻き締め性
ボトル口にキャップをセットして、締付けトルク230Ncmで巻き締めて、ボトル本体口頂部とキャップ天壁内面が接触する最小角度(以下、天面接触角度。)に到達する場合は○、達しない場合は×、さらに締付けトルクを5%以上低減しても天面接触角度にまで到達するものを◎とした。
VII.シール性
1Pキャップはインナーリングとアウターリングの間にボトル本体口がキャップ天壁内面まで差し込まれ、シール性が保たれる。
締付けトルク230Ncm以下で、天面接触角度に到達する場合は○、達しない場合は×として、シール性を判定した。
VIII.開栓性
天面接触角度に到達するまで巻き締めしたキャップを、1回転2秒の速度でキャップをまわして開栓し、開栓時に生じる開栓トルクが130Ncm以下を○、130Ncmを超える場合を×とした。実使用において、このトルクが高すぎるとキャップは開けにくく好ましくない。
IX.耐衝撃性
1kgの錘を、40cmの高さからキャップに落下させ、大きく或いはかなり(数%以上)割れるものを×、多少(数%未満)割れるものを△、割れないものを○とした。
X.ブローオフ性
天面接触角度に到達するまで巻き締めしたキャップに、ボトル本体より内圧を上げて、キャップが外れるものを×、外れそうになるものを△、外れないものを○とした。
XI.目視による外観
得られたキャップに、色むらがあるものを×、色むらが時々でるものを△、色むらがなく良好なものを○とした。
XII.キャップのバンド部の切れ性
得られたキャップのバンド部(いたずら防止用のミシン目部)の切れ性を開栓させ、目視で評価する。伸びて残った場合は△、殆ど伸びずに切れるものを○とした。
実施例1
エチレン・プロピレンブロック共重合体1(BPP1)98.7重量%に対して、造核剤としてNA11を0.15重量%、IRGANOX1010を0.05重量%、IRGAFOS168を0.05重量%、エルカ酸アミドを1重量%およびステアリン酸カルシウム0.05重量%を配合し、ブレンドした後、押出機を用いて溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットを射出成形機により、樹脂温度220℃及び金型温度40℃で射出成形し、試験片を作成し、この試験片から、物性を測定した。また、該ペレットに顔料マスターバッチ(顔料MB1)を18.5:1の割合でブレンドしたものを用いて圧縮成形によりキャップを得て、そのキャップの巻き締め性、シール性、開栓性、耐衝撃性、ブローオフ性、外観を確認した。それらの結果を表1に示す。
実施例2
エチレン・プロピレンブロック共重合体1(BPP1)99.06重量%に対して、造核剤としてNA11を0.09重量%、IRGANOX1010を0.05重量%、IRGAFOS168を0.05重量%、エルカ酸アミドを0.7重量%およびステアリン酸カルシウム0.05重量%を配合し、ブレンドした後、押出機を用いて溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットを射出成形機により、樹脂温度220℃及び金型温度40℃で射出成形し、試験片を作成し、この試験片から、物性を測定した。また、該ペレットに顔料マスターバッチ(顔料MB1)を18.5:1でブレンドしたものを用いて圧縮成形によりキャップを得て、そのキャップの巻き締め性、シール性、開栓性、耐衝撃性、ブローオフ性、外観を確認した。それらの結果を表1に示す。
実施例3,4,6,7,9〜17、比較例1〜9
表1記載のエチレン・プロピレンブロック共重合体、造核剤添加量、エルカ酸アミド添加量に代えた以外は、実施例1と実施例2に準拠して試験片を作成し、物性を測定し、また、各種性能評価を実施した。それらの結果を表1、表2に示す。
実施例5
実施例1で用いた顔料MB1を顔料MB2に代えた以外は、実施例1に準拠して試験片を作成し、物性を測定し、また、各種性能評価を実施した。それらの結果を表1に示す。
実施例8
エチレン・プロピレンブロック共重合体12(BPP12)95.2重量%に対して、190℃におけるメルトフローレートが8g/10minで、密度が0.960g/cmの高密度ポリエチレンを4.5重量%、造核剤としてNA11を0.15重量%、IRGANOX1010を0.05重量%、IRGAFOS168を0.05重量%、エルカ酸アミドを1重量%およびステアリン酸カルシウム0.05重量%を配合し、ブレンドした後、押出機を用いて溶融混練し、ペレット化した。得られたペレットを射出成形機により、樹脂温度220℃及び金型温度40℃で射出成形し、試験片を作成し、この試験片から、物性を測定した。また、該ペレットに顔料マスターバッチ(顔料MB1)を18.5:1の割合でブレンドしたものを用いて圧縮成形によりキャップを得て、そのキャップの巻き締め性、シール性、開栓性、耐衝撃性、ブローオフ性、外観を確認した。それらの結果を表1に示す。
Figure 0005140560
Figure 0005140560
表1より、実施例1〜4、実施例10〜17は、本発明の1P樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物であり、これを用いることにより、キャップの基本性能である巻き締め性、シール性、開栓性、耐衝撃性、ブローオフ性、外観が全て良好になることが判る。
特に、実施例2は、キャップに対し巻き締め性を向上させる効果のある滑剤の1種であるエルカ酸アミドを低減させた1P樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物であるが、本発明で特定するプロピレン系ブロック共重合体を用いることによって、滑剤を低減させてもキャップの基本性能において、特に遜色なく使用できることが判る。これにより、析出しやすい成分であり、析出によって内容物に悪影響を及ぼす惧れのあるエルカ酸アミドを低減させることが可能であることが判る。
実施例5は、顔料MBとして、高密度ポリエチレンを、顔料MBを含めた所期のプロピレン系樹脂組成物100重量部当り5重量部用いているため、顔料分散性が若干悪化し、それによりキャップの外観に若干の悪影響が及んでいるものの、キャップの基本性能は、ほぼ満足していることが判る。
実施例6〜9は、本発明の1P樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物であるが、プロピレン・エチレンランダム共重合体成分の構成割合を中心値50%より離れた値としたものと、また、HDPEを添加したものであり、23℃でのキャップの開栓トルクと60℃でのキャップの開栓トルクの変化が緩やかであることが判る。キャップの性能としては、23℃では開栓しやすい開栓トルクが低い方が好ましく、60℃では簡単に開栓しないようにある程度の開栓トルクが必要であり、開栓トルクの温度依存性が少ない方が好ましい。
また、実施例6は実施例9より開栓トルクの温度依存性がより少ないうえ剛性が高くてバランスが良く、プロピレン・エチレンランダム共重合体成分におけるエチレン含量は、高目の方が良い事が判る。
また、実施例6〜9のCopolyMwが250000未満である為、バンド部の切れ性があまりよくないことが判る。
比較例1〜3,5〜7,9は、本発明で特定する数式(A)を満足しないプロピレン系ブロック共重合体を用いた1P樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物であり、キャップの巻き締め性の不良が発生し、1P樹脂キャップとして適さないことが判る。
また、比較例4と8は、本発明で特定する数式(A)を満足するプロピレン系ブロック共重合体ではあるが、曲げ弾性率が本発明で特定する下限を下回っているため、剛性が低く、ブローオフ性の劣る1P樹脂キャップであることが判る。
比較例5は、本発明で特定する数式(A)を満足しないプロピレン系ブロック共重合体であり、曲げ弾性率が本発明で特定する上限を上回っているため、巻き締め性、シール性、開栓性、耐衝撃性が劣る1Pキャップであることが判る。
本発明の1Pキャップ用プロピレン樹脂組成物は、良好な巻き締め性、シール性、開栓性、剛性(ブローオフ性)、耐衝撃性などキャップの基本特性を満足し、色ムラなどのキャップの外観不良を発生させにくい1P樹脂キャップを提供しうるので、産業上大いに有用である。
代表的な1P樹脂キャップの1例の断面概略図。 代表的な1P樹脂キャップの1例の断面写真。 プロピレン系ブロック共重合体の曲げ弾性率(X)とCopolyMw(Y)との関係を示すプロット図
符号の説明
1:シェル
2:ネジ部
3:アウターリング
4:インナーリング
5:天面

Claims (7)

  1. 結晶性プロピレン重合体成分を重合した後、連続してプロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分を重合して得られ、下記特性(1)〜(4)を満足するプロピレン系ブロック共重合体を含有することを特徴とする1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物。
    (1)α−オレフィンの含有量が1〜24重量%
    (2)JIS K6921に基づいて測定された曲げ弾性率が900〜1600MPa
    (3)JIS K7210(230℃、2.16kg荷重)に基づいて測定されたメルトフローレートが0.5〜100g/10分
    (4)プロピレン・α−オレフィンランダム共重合体成分の重量平均分子量(Y)とJIS K6921に基づいて測定された曲げ弾性率(X)との関係が、下記数式(A)で表される範囲である。
    [数1]
    Y≦−1670X+2804000 (A)
    (但し、Y≧100000)
  2. 下記式(1)〜(3)で表される少なくとも1種からなる造核剤が1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物全量に対し0.01〜0.4重量%配合されていることを特徴とする請求項1記載の1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物。
    Figure 0005140560
    (式中、Rは直接結合、硫黄又は炭素数1〜9のアルキレン基又はアルキリデン基であり、R及びRは水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、Mはアルカリ金属またはアルカリ土類金属であり、nはMの価数である。)
    Figure 0005140560
    (式中、Rは水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を示し、R及びRは水素原子又は炭素数1〜12のアルキル基を示し、Mは周期律表第III族または第IV族の金属原子を示し、XはMが周期律表第III族の金属原子を示す場合には、HO−を示し、Mが周期律表第IV族の金属原子を示す場合には、O=又は(HO)−を示す。)
    Figure 0005140560
    [式中、MおよびMは、同一または異なって、カルシウム、ストロンチウム、リチウムおよび一塩基性アルミニウムから選択される少なくとも1種の金属カチオンであり、R、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR10は、同一または異なって、水素、炭素数1〜9のアルキル基(ここで、いずれか2つのビシナルまたはジェミナルアルキル基は、一緒になって6個までの炭素原子を有する炭化水素環を形成してもよい)、ヒドロキシ基、炭素数1〜9のアルコキシ基、炭素数1〜9のヒドロキシアルキル基、アミノ基、炭素数1〜9のアルキルアミノ基、ハロゲン及びフェニル基から選択される少なくとも1種の置換基を示す。]
  3. さらに、滑剤が1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物全量に対し1重量%以下の範囲で配合されていることを特徴とする請求項1または2に記載の1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物。
  4. さらに、ポリエチレンがプロピレン系ブロック共重合体100重量部に対し5重量部未満配合されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物。
  5. 1ピース樹脂キャップ用プロピレン系樹脂組成物を成形して得られることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の1ピース樹脂キャップ。
  6. 成形が圧縮成形であることを特徴とする請求項5に記載の1ピース樹脂キャップ。
  7. 成形が射出成形であることを特徴とする請求項5に記載の1ピース樹脂キャップ。
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