以下、本発明の実施の形態の基板搭載装置について、図面を用いて説明する。
本実施の形態では、基板が、例えば、EUV露光装置で使用されるマスクである。そして、基板搭載装置が、例えば、マスク用の基板検査装置に備えられる。
図1及び図2は、基板搭載装置が備えられた検査装置を示している。基板搭載装置について詳細に説明する前に、検査装置の概要を説明する。
図1は、検査装置1を上方から見た図である。図1に示されるように、検査装置1は、大気搬送部3と真空搬送部5に大きく分けられる。大気搬送部3は基板を大気中で扱い、真空搬送部5は基板を真空中で扱う。大気搬送部3と真空搬送部5は、開閉可能な隔壁で仕切られている。
大気搬送部3は、ミニエンバイロメント室といわれる。大気搬送部3に隣接してスミフポッド7が設けられている。また大気搬送部3には、大気搬送ロボット9、基板回転反転ユニット11、基板搭載ユニット13、除電ユニット15及びファンフィルタユニット(FFU)が設けられている。
スミフポッド7は、検査前後の基板(マスク)を保持する構成である。大気搬送ロボット9は大気中で基板を搬送するロボットである。基板回転反転ユニット11は、大気搬送ロボット9から基板を受け取り、回転及び反転させることができる。基板搭載ユニット13は、トレーに基板を搭載する。基板搭載ユニット13が本実施の形態の基板搭載装置である。除電ユニット15は、検査前後に基板の除電処理を行う。ファンフィルタユニット(FFU)は、図示されないが、大気搬送部3のミニエンバイロメント室内の上部に設けられている。より詳細には、FFUは、大気搬送ロボット9、基板回転反転ユニット11、基板搭載ユニット13、除電ユニット15等の上方であって天井又はその付近に設けられている。
また、真空搬送部5にはロードロックチャンバ17、トランスファーチャンバ19、第1ターボ分子ポンプ21、メインチャンバ23、検査鏡筒25及び第2ターボ分子ポンプ27が設けられている。
ロードロックチャンバ17には、2つのCCDカメラ29が配置されている。CCDカメラ29は後述するように基板の位置決めに用いられる。トランスファーチャンバ19は、ロードロックチャンバ17からメインチャンバ23へ基板を搬送するためのチャンバである。トランスファーチャンバ19には真空搬送ロボット31が備えられている。真空搬送ロボット31は真空内で基板を搬送するロボットである。また、第1ターボ分子ポンプ21は、ロードロックチャンバ17及びトランスファーチャンバ19を真空にする。メインチャンバ23及び検査鏡筒25は、基板に荷電粒子ビームを照射して基板を検査する構成である。第2ターボ分子ポンプ27は、メインチャンバ23及び検査鏡筒25を真空にする。
図2は、メインチャンバ23及び検査鏡筒25を横方向から見た図である。メインチャンバ23はステージ33を備える。ステージ33には、基板を保持したトレーが載置される。ステージ33は、トレーを水平方向に移動する構成であり、X、Y、θ方向にトレーを移動する。X、Y方向は互いに直交する軸に沿った方向であり、θは回転軸周りの角度であり、すなわち回転移動も行われる。
検査鏡筒25は、メインチャンバ23の上側に接続されている。検査鏡筒25は、電子銃35、一次レンズ系37、二次レンズ系39及び検出器41を備える。電子銃35は荷電粒子ビーム源である。電子銃35及び一次レンズ系37は、電子ビーム照射系であり、基板へ電子ビームを照射する。電子ビームは、ウィーンフィルタ43で偏向され、対物レンズ系45を通り、基板に照射される。電子ビームが基板に照射されると、基板は、基板の情報を持つ信号を放出する。信号は、例えば、二次電子、反射電子又はミラー電子である。この信号が、対物レンズ系45、ウィーンフィルタ43、二次レンズ系39を通り、検出器41に到達し、検出器41で検出される。
検出器41は、画像処理部47に接続されており、検出された信号を画像処理部47に供給する。画像処理部47は、画像処理機能を持ったコンピュータで構成されており、欠陥検査の処理を行う。すなわち、画像処理部47は、検出器41で検出された信号から試料の像を形成し、さらに、試料の像を処理して欠陥の検出及び判定を行う。
また、図2に示されるように、検査装置1は制御部49を備える。制御部49はコンピュータで構成されており、検査装置1の全体を制御して検査を実行する構成である。制御部49は、図示のように、メインチャンバ23、検査鏡筒25及び画像処理部47を制御する。これにより、制御部49は、基板(トレー)を移動させ、基板に電子ビームを照射し、画像処理部47に基板の画像を生成させる。
制御部49は、検査条件を制御することができ、具体的には、電子ビームのビームエネルギー、倍率、ドーズ量などを制御する。ビームエネルギーは具体的には基板に電子ビームが照射されるときのランディングエネルギーである。
本実施の形態では、検査装置1が、写像投影式の検査装置である。写像投影式の検査装置では、電子ビームが、2次元画素群に対応するビームサイズ(ビーム径)を有しており、つまり、ある程度のサイズを有している。試料上の照射領域も、2次元画素群に応じた面積を有する。検出器41で検出される信号も、2次元画素群に対応する。そして、検出器41は、2次元画素群に対応する検知能力を有し、例えば、2次元の検知面を有するCCDで構成されている。
写像投影式の検査装置をSEM式の検査装置と比較する。SEMでは電子ビームが細く、1画素に対応する。SEMでは電子ビームが走査されて、1画素の計測が繰り返され、そして、計測値が集積されて、試料の像が得られる。SEM式の検査装置では電子ビームが1画素のビームサイズを有するのに対して、写像投影型の検査装置では電子ビームが複数画素群に対応するビームサイズを有する。写像投影型の検査装置は、微細な欠陥を検査できる。また、写像投影型の検査装置は、パターン欠陥に限られず、複数種類の検査を行うことができる。例えば、写像投影型の検査装置は、パーティクル等の異物検査にも使用可能であり、さらには、多層膜中欠陥検査にも使用可能である。
図1に戻り、検査装置1の全体的な動作を説明する。大気搬送ロボット9は、スミフポッド7から基板を取り出して、除電ユニット15に搬送する。除電ユニット15は基板の除電を行う。また、基板は大気搬送ロボット9により基板回転反転ユニット11に搬送され、基板の反転及び回転が必要に応じて行われる。さらに、大気搬送ロボット9が基板を基板搭載ユニット13に搬送する。基板搭載ユニット13では、予め用意されたトレーに基板が搭載される。
基板がトレーに搭載されると、大気搬送ロボット9は、トレーを保持してロードロックチャンバ17に搬送する。このとき、大気搬送部3と真空搬送部5の隔壁が開かれる。ロードロックチャンバ17では、CCDカメラ29が基板のマークを撮影する。これによりマーク位置が検出される。真空搬送ロボット31は、ロードロックチャンバ17からメインチャンバ23へトレーを搬送し、メインチャンバ23のステージ33にトレーを載置する。このとき、マーク検出結果に基づいて基板が位置決めされる。
基板は、トレーへ搭載されるときに、基板搭載ユニット13により位置決めされる。そして、更に、上記のようにステージ33へ搭載されるときに、CCDカメラ29の検出結果に基づき基板が位置決めされる。前者の位置決めを「仮位置決め」といい、後者の位置決めを「本位置決め」ということができる。実際の基板検査過程では、本位置決めの後に、光学顕微鏡を用いて更なる位置決めが行われてよい。光学顕微鏡は、電子線検査装置と共にメインチャンバ23に配置される。光学顕微鏡の光学像を用いて基板がトレーと共に位置決めされ、それから電子線を用いて基板が検査される。ここでは、例えば、光学顕微鏡で検出された欠陥位置へ電子線が照射されるように基板が位置決めされる。
メインチャンバ23では、図2を用いて説明したように、基板が電子ビーム照射により検査される。検査終了後の基板は、メインチャンバ23からトランスファーチャンバ19を通ってロードロックチャンバ17へと、真空搬送ロボット31により搬送される。
そして、大気搬送ロボット9が、ロードロックチャンバ17から基板搭載ユニット13へと基板を搬送する。基板搭載ユニット13にて基板がトレーから外される。基板は基板回転反転ユニット11に搬送され、必要に応じて回転及び反転される。続いて、基板が除電ユニット15に搬送されて、除電が行われる。そして、基板は大気搬送ロボット9によりスミフポッド7へと戻される。
以上に検査装置1の全体的な構成及び動作を説明した。上記構成は典型的なシステム構成例であり、また、上記動作は典型的な動作パターン例である。本発明の範囲で検査装置の構成及び動作は上記の例に限定されない。
「基板搭載装置」
次に、本実施の形態の基板搭載装置について詳細に説明する。基板搭載装置は、既に述べたように図1の基板搭載ユニット13に相当し、大気搬送ロボット9と共に機能して基板をトレーに搭載する。基板は、例えばマスクであり、より詳細には、例えば、一辺が6インチの正方形で厚さが6.35mmのガラス製マスクである。
図3〜図12は、本実施の形態の基板搭載装置を示している。図3〜図6は、トレー無しの状態の基板搭載装置51を示し、図7〜図10は、トレーと共に基板搭載装置51を示している。図3は基板搭載装置51の平面図であり、図4は、図3の基板搭載装置51を矢印Aの方向から見た図であり、図5は、図3の基板搭載装置51を矢印Bの方向から見た図であり、図6は、図3の基板搭載装置51を矢印C方向から見た図であって、トレーT及び基板Sの対角線に沿って切断した図である。同様に、図7は基板搭載装置51の平面図であり、図8は、図7の基板搭載装置51を矢印Dの方向から見た図であり、図9は、図7の基板搭載装置51を矢印Eの方向から見た図であり、図10は、図7の基板搭載装置51を矢印Fの方向から見た図であって、トレーT及び基板Sの対角線に沿って切断した図である。また、図11及び図12は、説明のために基板搭載装置51を模式的に示す簡略図である。
基板搭載装置51は、トレーTに基板Sを搭載する装置である。基板搭載装置51は、概略的には、ステージ53、リフト機構55、クランプ機構57、トレー保持機構59及び額縁ドロップ機構61で構成される。以下では、まずトレーTの構成を説明し、それから基板搭載装置51の各種構成について説明する。
「トレーT」
図7〜図12を参照し、トレーTの構成を説明する。図11等に示されるように、トレーTは、トレー本体71と額縁73とで構成される。トレーTは例えばセラミック製である。
トレー本体71は平板状であり、四角形の基板Sに対応して略四角形の形状を有する。トレー本体71からは複数の基板搭載ピン75が突出しており、基板Sはこれら基板搭載ピン75に支持される。ピン本数は4である。このような構成により、基板Sは、基板搭載ピン75と小さい接触面積で接触し、そして、トレー本体71に直接接触することなく浮いた状態で保持される。また、基板搭載ピン75は、基板Sが滑りにくい表面を有しており、これにより、搬送中の基板Sのずれが防止される。
額縁73は、トレー本体71に支持されており、基板Sを取り囲む。額縁73は、検査時に基板Sの上面に電位を付与するための構成であり、端子部77を介して電位を付与する。また、額縁73が基板Sを取り囲むことによりダミーとして機能する。基板Sの端部での等電位面の屈曲が軽減され、端部付近の電位を均一にでき、その結果、端部を含む基板全体の電位を均一にでき、検査精度を向上できる。また、額縁73はトレー本体71に対して昇降可能である。図11に示されるように、下降時は、額縁表面と基板表面が同じ高さにあり、額縁73が基板Sを取り囲む。図8及び図9に示されるように、額縁73が上昇すると、トレー本体71と額縁73の間に、挿入口79が形成される。挿入口79は、トレー本体71と額縁73の間の隙間又は開口であり、挿入隙間といってもよい。挿入口79は、基板Sの挿入及び抜取りを可能にし、また、基板Sへの位置決めのためのアクセスを可能にする。
額縁73のより詳細な構成を説明する。額縁73は、額縁本体81と、額縁本体81から下方に延びる複数の額縁脚部83を有する。
図7及び図12に示されるように、額縁本体81は、四角形の平板であり、四角形の開口85を有する。額縁本体81の材質は絶縁体でよく、例えばセラミックである。開口85は、基板Sに応じた大きさを有する。基板Sは開口85内に配置され、これにより基板Sが額縁73に取り囲まれる。額縁本体81と基板Sは直接接触しない。額縁本体81と基板Sが全周にわたってほぼ一定の隙間を形成する。
額縁73の上面には額縁カバー86が設置されている。図8を参照すると、額縁73の上端の幅が額縁本体83より少し広く、そして額縁73の上端部分が少し内側に突出しており、この上端部分が額縁カバー86に相当する。図17は額縁カバー86を模式的に示している。図17に示されるように、額縁カバー86は、薄い平板である。額縁カバー86は外側端部にてL字状に下向きに折れ曲がっており、そして、図示のように額縁本体81の側面にねじ等で固定されている(額縁カバー86は額縁本体81の上面等の他の場所に固定されてもよい)。額縁カバー86の材質は導電材であり、例えば銅である。額縁カバー86の外周形状は額縁本体81とほぼ同様である。しかし、額縁カバー86の開口は、額縁本体81の開口85より小さく、したがって、額縁カバー86は額縁本体81よりも内側に突出している。基板Sが搭載されたとき、額縁カバー86の内周縁は、基板Sの外周縁と重なり、接触する。このような重なりが生じるように、額縁カバー86の開口サイズが定められている。したがって、上方から見たときに、額縁カバー86は、額縁73(額縁本体81)と基板Sの隙間をカバーする。このような額縁カバー86を設けることにより、基板Sの縁部における等電位面の屈曲を軽減することができる。額縁カバー86は、図11、図12等の模式図では省略されている。
額縁本体81には、2つの端子部77が設けられている。端子部77は、開口85に突出している。そして、基板Sが開口85内に配置されたとき、端子部77が基板Sの上面に接する。上述したように、端子部77は、基板検査時に基板Sの上面に電位を付与するために用いられる。また、上述の額縁カバー86は、これら端子部77を除く額縁全周にて基板Sと額縁73の隙間を覆っている。
額縁脚部83の本数は4であり、これら4本の額縁脚部83が、額縁本体81の4隅の近くにそれぞれ配置されている。図11に示されるように、下降時は、額縁脚部83がトレー本体71に支持され、額縁本体81がトレー本体71の上方に位置し、そして、額縁上面が基板搭載ピン75上の基板Sの上面とほぼ同じ高さに位置する(図17に示されるように、詳細には、額縁本体81の上面が基板上面と同じ高さに位置する。額縁カバー86の上面は、基板上面とほぼ同じ高さに位置するが、詳細にはカバー厚さだけ基板上面よりも少し上にある。以下同じ)。額縁73が上昇すると、トレー本体71と額縁本体81の間に挿入口79が形成され、基板Sの出し入れや、基板Sへのアクセスが可能になる。
また、図8及び図9に示されるように、額縁73の昇降動作をガイドするために、昇降ガイド87が設けられている。昇降ガイド87は、トレー本体71から突出するガイド棒である。この昇降ガイド87が、額縁脚部83のガイド穴に挿入されている。これにより、額縁73は、トレー平面に対して垂直方向にのみ移動できる。
また、図7等に示されるように、トレー本体71は、複数の突出縁部89を有する。本実施の形態では、4つの突出縁部89が、トレー本体71の4隅にそれぞれ設けられている。突出縁部89は、額縁73よりも外側へ突出する部分である。より詳細には、トレー本体71の各隅に壁部が設けられ、壁部の上端から外側へ突出縁部89が突出している。突出縁部89は、後述するように、搬送ロボットによるトレーTの支持に用いられ、また、額縁73の上昇時にトレー本体71を保持するために用いられる。
「ステージ」
ステージ53は、トレーTを保持する構成である。図3及び図4等に示されるように、ステージ53は、ステージベース91を有する。ステージベース91には複数のステージ柱93が立設されている。本実施の形態では、トレーTの4隅に対応する位置に、4本のステージ柱93が設けられている。そして、これら4本のステージ柱93によりトレー本体71の4隅が支持される。トレーTは、水平方向に移動可能に保持されており、後述するクランプ機構57による位置決め時に移動可能である。
図3等に示されるように、ステージ53には、さらに、基板有無検知センサ95、トレー有無検知センサ97、基板斜め置き検知センサ99及びトレー斜め置き検知センサ101が設けられている。これらセンサはステージベース91に取り付けられている。
「リフト機構」
リフト機構55は、額縁73及び基板Sをトレー平面に対して垂直方向に移動して、これら額縁73及び基板Sを昇降させる構成である。
図4、図8、図11等に示されるように、リフト機構55は、平板状のリフト部材であるリフトプレート111を有する。リフトプレート111は、リフト機構55のための昇降シリンダ113により駆動されて、トレーTより下の所定範囲で昇降する。
リフトプレート111からは、複数の額縁保持ピン115及び複数の基板保持ピン117が上向きに突出している。基板保持ピン117と額縁保持ピン115は、ほぼ同じ高さである。
額縁保持ピン115は、本発明の額縁保持部材に相当し、額縁73の下面に対応する位置に配置されており、リフトプレート111と共に昇降する。本実施の形態では、4本の額縁保持ピン115が、額縁73の4本の額縁脚部83にそれぞれ対応する位置に配置されている。図8及び図9に示されるように、リフト機構55の上昇時、額縁保持ピン115は、トレー本体71の穴を通り抜け、額縁脚部83の下面に当接し、額縁73を持ち上げ、そして、トレー本体71と額縁73の間に挿入口79を形成する。
また、基板保持ピン117は、本発明の基板保持部材に相当し、位置決め時の基板S3の下面に対応する位置に配置されており、リフトプレート111と共に昇降する。図7に示されるように、本実施の形態では、4本の基板保持ピン117が、トレーTの4本の基板搭載ピン75とずれて配置されている。また、図8及び図9に示されるように、リフト機構55の上昇時、基板保持ピン117も、額縁保持ピン115と同様に、トレー本体71の穴を通り抜けて上昇する。基板保持ピン117の先端は、トレーTの基板搭載ピン75の先端よりも少し上に達する。これにより、基板Sは、基板搭載ピン75に搭載される前に、基板保持ピン117に保持される。
ここで、トレーTの基板搭載ピン75に搭載されるときの高さ方向の基板Sの位置を、基板搭載高さという。また、上記のリフト機構55の基板保持ピン117に保持されるときの高さ方向の基板Sの位置を、基板保持高さという。上記のように基板保持高さは基板搭載高さより上である。更に、基板保持高さは、上述の挿入口79に対応した高さにある。この基板保持高さへ基板保持ピン117が到達し、そして基板Sが、基板搭載ピン75に搭載される前に基板保持ピン117により基板保持高さに保持され、そして基板Sが後述のようにクランプされる。
また、基板保持ピン117は、滑りやすい材質、例えばポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE、登録商標)でできている。これにより、基板Sの位置決めが容易である。
また、図4等に示されるように、リフト機構55は、額縁保持ピン115の高さを調節する額縁保持高さ調節機構119及び基板保持ピン117の高さを調節する基板保持高さ調節機構121を有する。額縁保持高さ調節機構119はねじ構造を有する。額縁保持ピン115の外周に雄ねじが設けられ、この雄ねじがリフトプレート111の雌ねじに係合しており、額縁保持ピン115を回すことによりピン高さを調節できる。基板保持高さ調節機構121も同様のねじ構造を有する。このような構成により、額縁保持高さ調節機構119及び基板保持高さ調節機構121は、額縁保持ピン115及び基板保持ピン117の高さを独立して調節できる。
「クランプ機構」
クランプ機構57は、基板SをトレーTに対して位置決めするための構成である。本実施の形態では、クランプ機構57が、トレー平面に平行な方向に移動し、そして、基板SとトレーTの両方を一度のクランプ動作でクランプする。以下にクランプ機構57の詳細を説明する。
図7、図10、図11及び図12等に示されるように、クランプ機構57は、複数のクランプ体で構成される。本実施の形態の例ではクランプ体の数が2つであり、固定側クランプ体131び従動側クランプ体133が設けられている。固定側クランプ体131と従動側クランプ体133は、基板S及びトレイTの対角線に沿って向き合って配置されている。
固定側クランプ体131及び従動側クランプ体133は、固定側シリンダ135及び従動側シリンダ137にそれぞれ連結されている。固定側クランプ体131が固定側シリンダ135により直線状に駆動され、また、従動側クランプ体133が従動側シリンダ137により直線上に駆動され、これにより、クランプ機構57が開閉する。これら固定側シリンダ135及び従動側シリンダ137は、本発明のクランプ移動機構に相当する。
固定側クランプ体131は、固定側の2本のトレークランプアーム139及び2本の基板クランプアーム141を有する。トレークランプアーム139及び基板クランプアーム141は、トレーTへ向けて延びている。トレークランプアーム139の高さはトレー本体71の高さと対応しており、基板クランプアーム141の高さは、リフト機構55の基板保持ピン117に支持されたときの基板保持高さと対応しており、したがって、基板クランプアーム141がトレークランプアーム139よりも上方に位置する。
2本のトレークランプアーム139は、図示のように水平方向に離れており、各トレークランプアーム139がトレークランプ部143を先端付近に有する。トレークランプ部143は、保持ピンで構成されており、位置決めのためのクランプ時にトレーTに接する部位である。クランプ機構57の移動方向が、トレーTの対角線に沿っており、したがって、接触面に対して斜めである。そこで、トレークランプ部143のピンは、トレークランプアーム139からトレー対角線に向けて斜めに突き出している。
基板クランプアーム141もトレークランプアーム139と同様の構成を有している。すなわち、2本の基板クランプアーム141が水平方向に離れており、各基板クランプアーム141が基板クランプ部145を先端付近に有する。基板クランプ部145は、保持ピンで構成されており、位置決めのためのクランプ時に基板Sに接する部位である。クランプ機構57の移動方向が、基板Sの対角線に沿っており、したがって、接触面に対して斜めである。そこで、基板クランプ部145のピンは、基板クランプアーム141から基板対角線に向けて斜めに突き出している。
また、基板Sの外形はトレーTよりも小さい。そのため、図6に示されるように、基板クランプアーム141は、トレークランプアーム139よりも多く突き出している。
次に、従動側クランプ体133について説明する。固定側クランプ体131と比べると、従動側クランプ体133は、幅狭の形状を有している。
従動側クランプ体133は、固定側クランプ体131と同様に、トレーTへ向かって突出するトレークランプアーム147及び基板クランプアーム149を有しており、トレークランプアーム147の高さがトレー本体71の高さと対応しており、基板クランプアーム149の高さが、リフト機構55の基板保持ピン117に支持されたときの基板Sの高さと対応している。トレークランプアーム147の本数は固定側と同様に2本である。一方、基板クランプアーム149の本数は固定側と異なり、1本のみである。
2本のトレークランプアーム147は、アーム間隔が狭い点と、アーム長が短い点を除き、固定側と同様の構成を有する。すなわち、2本のトレークランプアーム147は水平方向に離れており、各トレークランプアーム147がトレークランプ部151を先端付近に有する。トレークランプ部151は保持ピンで構成されており、クランプ時にトレーTに接する。トレークランプ部151のピンはトレー対角線に向けて斜めに突き出している。
基板クランプアーム149は上述のように1本である。アーム先端に基板クランプ部153が設けられている。基板クランプ部153は、アーム先端を切り欠くことにより形成された凹部である。基板クランプ部153は、クランプ時に、凹部の両側の縁部にて、基板Sの端面の2箇所にそれぞれ当接する。
本実施の形態では、従動側のトレークランプ部151がトレーTに接触するより先に基板クランプ部153が基板Sに接触するように、トレークランプアーム147及び基板クランプアーム149が配置されている。また、図6に示されるように、基板クランプアーム149は、直動ガイド155上に配置されており、クランプ移動方向に沿って直線状に移動可能である。また、基板クランプアーム149の背後にはバネ式プッシャ157が配置されている。バネ式プッシャ157は本発明の付勢部に相当する。基板クランプアーム149とその基板クランプ部153はバネ式プッシャ157により基板Sへ向けて弾性的に付勢される。そして、基板Sのクランプの反力で基板クランプ部153が基板Sに押されたときに、基板クランプ部153は、基板Sへ向けて弾性的に付勢されつつ、従動側クランプ体133上で後退可能である。上記弾性構造の機能については後述する。
また、クランプ機構57では、固定側クランプ体131にトレークランプ位置調節機構159及び基板クランプ位置調節機構161が設けられている。
トレークランプ位置調節機構159は、各々のトレークランプ部143に設けられており、トレーTへ向けてのトレークランプ部143の突出量を調節する機構である。トレークランプ位置調節機構159はねじ構造を有する。トレークランプ部143の保持ピンの外周に雄ねじが設けられ、この雄ねじがトレークランプアーム139の雌ねじに係合しており、保持ピンを回すことによりピン高さを調節できる。基板クランプ位置調節機構161は、各々の基板クランプ部145に設けられており、基板Sへ向けての基板クランプ部145の突出量を調節する機構である。基板クランプ位置調節機構161もトレークランプ位置調節機構159と同様のねじ構造を有している。このような構成により、固定側クランプ体131のトレークランプ部143及び基板クランプ部145の突出量を独立して調節できる。
また、従動側クランプ体133も、固定側クランプ体131と同様に、トレークランプ位置調節機構163を有する。トレークランプ位置調節機構163は各々のトレークランプ部151に設けられており、固定側と同様のねじ構造を有する。
また、本実施の形態の例では、トレーTが4箇所でクランプされ、基板Sも4箇所でクランプされる。しかし、クランプ点の数は上記に限定されない。クランプ点の必要最小数は、トレー及び基板の形状によって異なる。例えば、基板が円形である場合に、基板が3点でクランプされてもよい。
「トレー保持機構」
図4、図5、図8及び図11等に示されるように、トレー保持機構59は、トレー平面に対して垂直方向の駆動機構である。トレー保持機構59は、トレー本体71へ向けて下降してトレー本体71と当接する複数のトレー保持ピン171を有する。トレー保持ピン171は本発明のトレー保持部材に相当する。図5に示されるように、トレー保持ピン171は、ピン取付アーム173に取り付けられており、ピン取付アーム173がトレー保持機構59用の昇降シリンダ175に連結されており、昇降シリンダ175によりトレー保持ピン171が昇降される。
トレー保持機構59は、額縁73の上昇時にトレー本体71が上昇するのを防ぐ機能をもつ。すなわち、トレー保持機構59は、リフト機構55が額縁73を持ち上げるときにトレー保持ピン171を下降させてトレー本体71に当接させ、これにより、トレー本体71を拘束し、上昇を防ぐ。
本実施の形態では、トレー保持ピン171の本数が4である。これら4本のトレー保持ピン171は、トレー本体71の4隅の突出縁部89にそれぞれ対応するように配置されており、下降時に突出縁部89に当接及び押圧する。このように、突出縁部89の上面は、トレー保持ピン171の当接部位として機能する。さらに、突出縁部89の下面は、トレー搬送時のロボットによる支持面としても機能する。
また、図5に示されるように、トレー保持機構59は、トレー保持ピン171の高さを調節する高さ調節機構177を有する。高さ調節機構177は、リフト機構55の調節機構と同様のねじ構造を有している。すなわち、トレー保持ピン171の外周に雄ねじが設けられ、この雄ねじがピン取付アーム173の雌ねじに係合しており、トレー保持ピン171を回すことによりピン高さを調節できる。
「額縁ドロップ機構」
図4、図5、図8及び図11等に示されるように、額縁ドロップ機構61は、トレー平面に対して垂直方向の駆動機構である。額縁ドロップ機構61は、額縁73へ向けて下降して額縁73を押圧する複数の額縁ドロップピン181を有する。額縁ドロップピン181は、本発明の額縁ドロップ部材に相当する。図5に示されるように、額縁ドロップピン181は、ピン取付アーム183に取り付けられており、ピン取付アーム183が額縁ドロップ機構61用の昇降シリンダ185に連結されており、昇降シリンダ185により額縁ドロップピン181が昇降される。
本実施の形態では、額縁ドロップピン181の本数が4本であり、それぞれ額縁73の上方に配置されている。額縁ドロップ機構61は、クランプ機構57による位置決め終了後の額縁リフト解除時に額縁ドロップピン181を下降させて額縁73を押圧させ、額縁73をトレー本体71に確実に着地させる。額縁73の着地が検出されてよく、これにより確実な下降動作が保証される。
また、図5に示されるように、額縁ドロップ機構61は、額縁ドロップピン181の高さを調節する高さ調節機構187を有する。高さ調節機構187も、リフト機構55の調節機構と同様のねじ構造を有している。すなわち、額縁ドロップピン181の外周に雄ねじが設けられ、この雄ねじがピン取付アーム183の雌ねじに係合しており、額縁ドロップピン181を回すことによりピン高さを調節できる。
以上に本実施の形態に係る基板搭載装置51の各部の構成について説明した。次に、基板搭載装置51の動作を説明する。
図13及び図14は、基板搭載装置51の動作の概要を模式的に示している。図13に示されるように、基板Sの搭載前、トレーTはステージ53に既に配置されている。額縁73は下降しており、額縁脚部83にてトレー本体71に支持されている。
リフト機構55は下降しており、額縁保持ピン115及び基板保持ピン117も下方に位置している。クランプ機構57は開いており、固定側クランプ体131及び従動側クランプ体133は後退し、所定の退避位置にある。さらに、トレー保持機構59及びドロップ機構61は上昇しており、トレー保持ピン171及び額縁ドロップピン181はトレーTの上方に位置している。
搭載動作が開始すると、まず、トレー保持機構59がトレー保持ピン171を下降させる。トレー保持ピン171は、トレー本体71の突出縁部89に当接し、トレー本体71を押さえつける。
そして、リフト機構55が額縁保持ピン115及び基板保持ピン117を上昇させる。額縁保持ピン115は、トレー本体71の穴を通り抜けて、額縁脚部83の下面に当接し、額縁73を持ち上げる。このとき、額縁73は、額縁脚部83に設けられた直動タイプの昇降ガイド87(図9)に案内されて鉛直方向に上昇する。
また、基板保持ピン117も、額縁保持ピン115と同様に、トレー本体71の穴を通り抜けて上昇する。基板保持ピン117の先端は、トレーTの基板搭載ピン75の先端よりも少し上に達する。
額縁保持ピン115が額縁73を持ち上げたことにより、トレー本体71と額縁本体81との間に挿入口79が形成される。この挿入口79から、基板搬送部(基板搬送手段)であるロボットにより基板Sが挿入され、基板保持高さの基板保持ピン117上に置かれる。基板Sは、図7の矢印Dの方向から挿入される。基板保持ピン117がトレーTの基板搭載ピン75よりも突出しているので、基板Sは、基板搭載ピン75ではなく基板保持ピン117に保持される。上記ロボットは、図1の大気搬送ロボット9である。例えば、搬送ロボットがフォーク型のアームを有し、アーム先端で基板Sの下面を支持し、アームを伸ばして基板Sを挿入する。
ここで、本実施の形態では、額縁保持ピン115の先端の高さと基板保持ピン117の先端の高さはほぼ同じである。しかし、額縁脚部83の下面が基板Sの下面より下方に位置している。基板保持ピン117が基板Sの下面に当接するのよりも早く、額縁保持ピン115が額縁脚部83の下面に当接する。そして、リフト機構55は、額縁脚部83の高さの分だけ、額縁73を高く持ち上げることができる。その結果、額縁本体81は、基板保持ピン117の先端の基板保持高さより上に到達し、十分な大きさの挿入口79を形成できる。
次に、図14に示されるように、クランプ機構57が、トレーTに対して基板Sを位置決めする。本実施の形態では、クランプ機構57がトレーT及び基板Sを一度にクランプすることにより、基板Sを正確に位置決めする。
図15は、クランプ動作を説明する図である。図示のように、クランプ開始前は、固定側クランプ体131及び従動側クランプ体133は、トレーT及び基板Sから離れている。クランプ開始時(位置決め開始時)、まず、固定側クランプ体131が固定側シリンダ135(図10)に駆動されて、所定の固定側クランプ位置まで移動して停止する。
次に、従動側クランプ体133が従動側シリンダ137により駆動されて、トレーTの端部及び基板Sの端部に当接し、トレーT及び基板Sを固定側クランプ体131へ向けて押圧する。従動側のトレークランプ部151がトレー本体71を固定側のトレークランプ部143に向けて押圧し、従動側の基板クランプ部153が基板Sを固定側の基板クランプ部145に向けて押圧する。
これにより、トレー本体71と基板Sが一度のクランプ動作でクランプされる。トレー本体71及び基板Sは、固定側クランプ体131に当接する位置にて位置決めされる。これにより、基板SとトレーTとの相対的位置関係が決まり、したがって基板SがトレーTに対して位置決めされる。
クランプが完了すると、従動側クランプ体133が後退して基板S及びトレーTから離れ、続いて、固定側クランプ体131が後退して基板S及びトレーTから離れ、こうしてクランプが解除される。
上記のようにして、本実施の形態によれば、トレーTと基板Sが一度のクランプ動作で同時に位置決めされる。固定側クランプ体131は、トレークランプ部143と基板クランプ部145が一体的に設けられた構成を有し、これらの位置関係が固定されている。このような固定側クランプ体131にトレーT及び基板Sが押圧される。その結果、トレーT及び基板Sのそれぞれの位置、そしてトレーTに対する基板Sの位置が、トレークランプ部143と基板クランプ部145の位置関係に対応して決定される。したがって、高い位置決め精度が得られる。
また、本実施の形態では、上記のように固定側クランプ体131が前進し、その後で従動側クランプ体133が前進する。このようにクランプ機構57を構成することにより、トレー移動量を少なくできるという利点も得ることができる。
また、クランプ動作では、固定側のクランプ力よりも従動側のクランプ力が小さくなるように、固定側シリンダ135及び従動側シリンダ137が制御される。固定側クランプ力は、固定側シリンダ135が固定側クランプ体131を固定する力であり、従動側クランプ力は、従動側シリンダ137が従動側クランプ体133を移動する力である。このようなクランプ力の設定により、固定側クランプ体131のずれを防ぎ、高い位置決め精度が得られる。
また、本実施の形態では、既に説明したように基板保持ピン117がトレーTの基板搭載ピン75よりも上に突出する。したがって、図14に示されるように、位置決め時は、基板Sが基板搭載ピン75ではなく基板保持ピン117に保持されている。基板搭載ピン75は後段の搬送を考慮して滑りにくい表面を有しているのに対して、基板保持ピン117は滑りやすい表面を有している。したがって、基板Sは水平方向に動きやすい状態におかれている。これにより、位置決め時の基板Sの損傷を防ぐことができる。また、基板Sが適正位置へ確実に移動するので、位置決め精度も向上できる。
また、前述したように、本実施の形態では、従動側クランプ体133が、基板クランプアーム149を直動ガイド155上に有しており、かつ、基板クランプアーム149の後ろ側にバネ式プッシャ157が配置されている。この構成はクランプ時に下記のように機能する。
図16を参照すると、本実施の形態では、従動側のトレークランプ部151がトレーTに接触するより先に基板クランプ部153が基板Sに接触するように、トレークランプアーム147及び基板クランプアーム149が配置されている。
したがって、従動側クランプ体133が移動していくと、最初に基板クランプ部153が基板Sに当接し、押圧する。基板Sの反対側が固定側クランプ体131に当接し、基板Sからの反力でバネ式プッシャ157が縮み、基板クランプアーム149は直動ガイド155上で後退する。この時点で、基板Sはバネ式プッシャ157のバネ力でクランプされる。続いてトレークランプ部151がトレーTに当接し、押圧する。そして、基板SとトレーTの両方がクランプされ、位置決めされる。
ここで、仮に直動ガイド155及びバネ式プッシャ157が設けられていないとする。この場合、寸法誤差によりトレークランプ部151と基板クランプ部153の一方が対象物に当接できず、そのため、位置決め精度が低下する。本実施の形態では、上記構成により、トレークランプ部151と基板クランプ部153が確実にトレーT及び基板Sに当接でき、位置決め精度を向上できる。
また、本実施の形態は、トレーTではなく基板Sに弾性構造を適用している。基板SはトレーTと比べて重要が小さく、更に、基板Sは位置決め時にリフト機構55の基板保持ピン117に保持されている。したがって、基板Sは動きやすく、そして、バネ等を介して押圧された場合でも、より確実に位置決めのために移動できる。これにより、更に位置決め精度を向上できる。
図14に戻ると、位置決めが完了し、クランプが解除された後、リフト機構55が下降し、額縁保持ピン115及び基板保持ピン117も下降する。額縁73が下降し、額縁脚部83がトレー本体71に支持され、額縁73は元の位置に戻る。また、基板Sが下降し、基板搭載ピン75に支持される。基板Sの上面と額縁73の上面は同じ高さになる(前述のように、詳細には額縁本体81の上面が基板上面と同じ高さに位置し、額縁カバー86の上面は基板上面より少し高い位置にある)。額縁73の端子部77は、基板Sの上面に接する。また、額縁カバー86は、基板Sの全周(2つの端子部77の部分を除く)に渡って、額縁73と基板Sの隙間を覆う。
リフト機構55が下降するとき、額縁ドロップ機構61が額縁ドロップピン181を下降させる。額縁ドロップピン181は、額縁73の上面に当接し、押圧する。これにより、額縁ドロップ機構61は額縁73の下降を補助する。額縁73は、自重に加えて、額縁ドロップピン181の作用を受け、確実に元の位置まで下降する。
次に、額縁ドロップ機構61が額縁ドロップピン181を上昇させ、トレー保持機構59がトレー保持ピン171を上昇させる。これにより、一連の搭載動作が完了する。搭載動作が完了すると、ロボットが、基板Sが搭載されたトレーTを搬送する。ロボットはアームを有し、アームでトレー本体71の突出縁部89の下面を支持する。このロボットは、前述した通り、図1の大気搬送ロボット9であり、トレーTをロードロックチャンバ17へと搬送する。
以上に、基板SをトレーTに位置決めしながら搭載する動作を説明した。次に、トレーTから基板Sを取り外すときの動作を説明する。
本実施の形態では、基板搭載装置51が検査装置に備えられている。検査が終了すると、トレーSがロボットにより搬送され、基板搭載装置51のステージ53に載せられる。このとき、基板搭載装置51は、上記の搭載完了時と同じ状態にある。すなわち、基板搭載装置51では、リフト機構55が下降しており、額縁保持ピン115及び基板保持ピン117も下方に位置している。クランプ機構57は開いており、固定側クランプ体131及び従動側クランプ体133は後退し、所定の退避位置にある。また、トレー保持機構59及びドロップ機構61は上昇しており、トレー保持ピン171及び額縁ドロップピン181はトレーTの上方に位置している。
まず、トレー保持機構59がトレー保持ピン171を下降させ、トレー本体71を押さえつける。続いて、リフト機構55が額縁保持ピン115及び基板保持ピン117を上昇させる。額縁73は上昇し、トレー本体71と額縁本体81の間に挿入口79が形成される。額縁73の端子部77は基板Sの上面から離れる。額縁カバー86も基板Sの上方へ移動する。また、基板Sはリフト機構55の基板保持ピン117により持ち上げられる。これにより、基板Sは、トレー上の基板搭載ピン75から離れて浮き上がる。
続いて、ロボットがアームを伸ばし、挿入口79から基板Sにアクセスし、基板Sの下面を支持し、基板Sを挿入口79から取り出す。基板Sは、図7の矢印Dと反対方向に取り出される。
ここで、上記の基板取出動作の前に、再度位置決めが実行されてよい。具体的には、額縁が上昇した後、クランプ機構57により位置決めが行われる。位置決め動作は、基板搭載過程の位置決めと同様でよい。それからロボットにより基板Sが取り出される。このように再度位置決めを行うことにより、搬送の確実性を増すことができる。
基板Sが取り出されると、リフト機構55が下降し、額縁73が元の位置に戻る。このとき、額縁ドロップ機構61が額縁ドロップピン181を下降させ、額縁73の下降を補助する。続いて、額縁ドロップ機構61が額縁ドロップピン181を上昇させ、トレー保持機構59がトレー保持ピン171を上昇させる。これにより、一連の基板取外しの動作が完了する。
「その他の実施の形態」
上述では本発明の基板搭載装置について説明した。本発明のその他の実施の形態は、例えば下記の通りである。
上記の基板搭載装置又は方法を用いてトレーに搭載されたマスクに荷電粒子ビームを照射してマスクを検査するマスク検査装置又は方法。
上記の基板搭載装置又は方法を用いてトレーに搭載されたマスクに荷電粒子ビームを照射して、マスク製作工程の検査を行うマスク製造装置又は方法。
上記のマスク検査装置又は方法により検査されたマスク。上記のマスク製造装置又は方法により製造されたマスク。
上記のマスクを用いて半導体装置を製造する半導体製造装置又は方法。
上記のマスクを用いて製造された半導体装置。上記の半導体製造装置又は方法により製造された半導体装置。
マスクの種類としては、例えばCrマスク、EUVマスク、ナノインプリント用マスクが挙げられる。Crマスクは光露光に用いられ、EUVマスクはEUV露光に用いられ、ナノインプリントマスクは、ナノインプリントによるレジストパターン形成に用いられる。これらのマスクの各々について、パターンが形成されたマスクが検査の対象であってよい。また、パターン形成前の膜が形成された状態のマスク(ブランクス)が検査の対象であってよい。
以下、上記実施の形態により得られたマスクを適用可能な半導体装置の製造方法を述べる。この製造方法は、下記の工程(1)〜(5)を含む。
(1)ウエハを製造するウエハ製造工程(又はウエハを準備するウエハ準備工程)
(2)露光に使用するマスクを製造するマスク製造工程(又はマスクを準備するマスク準備工程)
(3)ウエハに必要な加工処理を行うウエハプロセッシング工程
(4)ウエハ上に形成されたチップを1個ずつ切り出し、動作可能にするチップ組立工程
(5)チップを検査するチップ検査工程
上記(3)のウエハプロセッシング工程では、設計された回路パターンがウエハ上に順次積層され、、メモリ、MPU等として動作する多数のチップが形成される。このウエハプロセッシング工程は、以下の複数の工程を含む。
(A)絶縁層となる誘電体薄膜、配線部及び電極部を形成する金属薄膜等を形成する薄膜形成工程(CVD、スパッタリング等を用いる)
(B)薄膜層及びウエハ基板を酸化する酸化工程
(C)薄膜層及びウエハ基板等を選択的に加工するためにマスク(レクチル)を用いてレジストパターンを形成するリソグラフィー工程
(D)レジストパターンに従って薄膜層及び基板を加工するエッチング工程(例えばドライエッチング技術を用いる)
(E)イオン・不純物注入拡散工程
(F)レジスト剥離工程
(G)加工されたウエハを検査する工程
ウエハプロセッシング工程は、必要な層数だけ繰り返し行われる。(C)のリソグラフィー工程は、下記の通りである。
(a)前段の工程で回路パターンが形成されたウエハ上にレジストをコートするレジスト塗布工程
(b)レジストを露光する工程
(c)露光されたレジストを現像してレジストのパターンを得る現像工程
(d)現像されたレジストパターンを安定化するためのアニール工程
以上に本発明の好適な実施の形態について説明した。上述したように、本発明によれば、クランプ機構がトレー及び基板の両方を一度のクランプ動作でクランプする。このクランプ動作は、複数のクランプ片で異なる方向からトレー及び基板を押圧する動作である。基板平面に平行に移動するクランプ機構を用いるので、基板を傾斜させることなく位置決めできる。また、トレークランプ部と基板クランプ部を一体に備えたクランプ体でトレーと基板を一度にクランプするので、トレークランプ部と基板クランプ部の位置関係に応じてトレー対して基板が位置決めされ、トレーと基板の位置関係が正確に定まる。したがって、トレーに対して基板を高精度に位置決めできる。
また、本発明によれば、上述のように基板とトレーを一度の動作でクランプするので、基板だけでなくトレーの位置決めも同時に行えるという利点も得られる。
また、本発明によれば、クランプで基板に接するので、基板への接触をなるべく避けられる。位置決め完了後にクランプを解除することが好適であり、接触時間を低減できる。したがって、本発明によれば、基板になるべく接触せずに、位置決めを好適に行うことができる。
特に、上記の実施の形態の例では、基板がマスクであり、基板搭載装置が、荷電粒子型の検査装置(特に写像投影型の検査装置)に設けられている。この場合、マスクの両面を順次検査することがあり、マスクの両面への接触を極力避ける必要がある。したがって、基板搭載も、マスクの位置決めも、マスクになるべく接することなく高精度に行うことが求められる。本発明によれば、このようなマスク検査の要求に好適に応えることができる。
また、本発明に適用されるマスクは、例えば、一辺が6インチの正方形で、厚さが6.35mmのガラス製マスクであり、ウエハと比べて重量が大きいが、このようなマスクも上述の基板搭載装置によれば好適に位置決めできる。
また、本発明が適用される検査装置は、例えば上述の実施の形態で示されたように真空チャンバ中でマスク検査を行うが、このような場合にも本発明は好適にマスクを位置決めできる。
また、上記の実施の形態の例において、検査装置全体から見ると、基板搭載装置は、基板の仮位置決めを行っている。本位置決めは後段で行われる。すなわち、ロードロックチャンバでCCDカメラにより基板のマークが検出され、マーク位置に基づきメインチャンバでのトレーセット位置が制御され、これにより本位置決めが行われる。この本位置決めの精度は、仮位置決めの精度の影響を受ける。例えば、仮位置決め精度が低いためにCCDカメラの視野を広げると、CCDカメラの倍率が下がり、本位置決め精度が低下する。本発明によれば、このような本位置決め精度の低下も防ぐことができ、検査精度を向上できる。
本発明のその他の利点を説明する。本発明によれば、複数のクランプ体として、固定側クランプ体と従動側クランプ体が設けられてよい。まず、固定側クランプ体が所定の固定側クランプ位置に配置されてよく、それから、従動側クランプ体が移動してトレー及び基板を固定側クランプ体へ向けて押圧してよい。固定側クランプ体のトレークランプ部と基板クランプ部の位置関係がクランプ時に固定されていてよい。これにより、固定側クランプ体と従動側クランプ体が連携し、固定側クランプ体のトレークランプ部と基板クランプ部の位置関係により規定される所定の位置へと基板を正確に位置決めできる。また、固定側クランプ体が前進してから従動側クランプ体が前進するので、位置決め過程でのトレー移動量を少なくできるという利点も得ることができる。
また、従動側クランプ体では、トレークランプ部がトレーに接触するより先に基板クランプ部が基板に接触するようにトレークランプ部及び基板クランプ部が配置されてよく、クランプ時に基板クランプ部を基板へ向けて弾性的に付勢する付勢部が設けられてよい。付勢部は、基板のクランプの反力で従動側の基板クランプ部が基板から押圧されたときに基板クランプ部を後退可能にしてよい。付勢部は例えば弾性部材であり、従動側の基板クランプ部の背後に配置されてよい。弾性部材は例えばバネである。このような構成により、トレークランプ部と基板クランプ部の寸法誤差による位置決め精度の低下を防ぎ、高精度で基板を位置決めできる。また、トレーと比べて重量が小さくて動きやすい基板に弾性構造を適用することにより、さらに位置決め精度を向上できる。
また、本発明によれば、クランプ体は、トレークランプ部のトレーへ向けての突出量を調節するトレークランプ位置調節機構と、基板クランプ部の基板へ向けての突出量を調節する基板クランプ位置調節機構とを有してよい。トレークランプ部の突出量と基板クランプ部の突出量は独立して調節されてよい。このような構成により、クランプ体のトレークランプ部及び基板クランプ部の突出量を調節でき、更に位置決め精度を向上できる。
また、本発明によれば、基板搭載装置が、位置決め時の基板に対応する位置に配置されており昇降可能な複数の基板保持部材を有してよい。基板が複数の基板保持部材によりトレーの基板搭載高さより上の基板保持高さに保持された状態でクランプ機構が基板をクランプしてよい。これにより、基板がトレーから離れた状態で基板がクランプされるので、位置決め時のトレーと基板の摺動を回避できる。したがって、基板になるべく接触せずに位置決めを行うことができ、また、摺動による位置決め精度低下を防ぐことができ、更に、摺動による基板損傷を防ぐこともできる。
また、本発明によれば、トレーが、トレー本体と、トレー本体から上昇可能であり基板を取り囲む額縁を含んでよい。基板搭載装置が、額縁に対応する位置に配置されており昇降可能な複数の額縁保持部材を有してよい。額縁保持部材が額縁を持ち上げることにより、基板の挿入及びクランプ体の挿入のための挿入口を額縁とトレー本体の間に形成してよい。これにより、基板周囲の額縁から基板上面に電位を付与できる。また、額縁で基板を取り囲むことで、基板縁部付近の電位を均一にできる。額縁が基板縁部に適当に接することが好適であり、これにより電位を好適に均一化できる。上記の実施の形態では、額縁と基板の隙間を覆うように額縁カバーが設けられ、額縁カバーが基板縁部に接する。さらに、本発明では額縁を持ち上げるので、基板上面に電位を付与するために額縁を設けた場合でも、クランプ機構と額縁との干渉を防ぎ、クランプによる位置決めを好適に行うことができる。
より具体的には、上記の実施の形態で説明したようにリフト機構が設けられてよい。リフト機構は、額縁に対応する位置に配置された複数の額縁保持部材と、基板に対応する位置に配置された複数の基板保持部材とを有してよく、複数の額縁保持部材及び複数の基板保持部材を連動して昇降させてよい。そして、リフト機構は、額縁保持部材を上昇させて額縁を持ち上げることにより、基板の挿入及びクランプ体の挿入のための挿入口を額縁とトレー本体の間に形成してよい。更に、リフト機構は、基板保持部材を上昇させてトレーの基板搭載高さよりも上であって挿入口に応じた高さである基板保持高さへ基板保持部材を突出させてよい。基板は、挿入口を通して挿入可能になり、基板保持高さで基板保持部材に保持される。クランプ体も挿入口を通して干渉無しに挿入可能である。
このような構成により、挿入口の形成のために額縁を適切に持ち上げることができる。また、位置決め時にトレーから離れた上方の位置に基板を適切に保持することができる。したがって上述した本発明の利点が好適に得られる。更に、額縁保持部材と基板保持部材を共通のリフト機構に設けることにより構成を簡単にできる。
また、本発明によれば、額縁が、基板を取り囲む額縁本体と、額縁本体から下方に延びる額縁脚部とを有してよい。額縁脚部の下面が基板の下面より下方に位置してよい。額縁保持部材が額縁脚部に対応する位置に配置されてよく、額縁脚部を支持することにより、基板保持部材による基板保持高さよりも上に額縁本体を位置させて、挿入口を形成してよい。この構成により、基板保持部材と額縁保持部材が同時に同じ距離だけ上昇した場合でも、基板保持高さより高い位置へ額縁本体を持ち上げることができ、額縁本体とトレー本体の間に基板及びクランプの挿入口を好適に形成できる。したがって、リフト機構の構成を簡単にできる。
また、本発明によれば、基板搭載装置が、額縁保持部材の高さを調節する額縁保持高さ調節機構と、基板保持部材の高さを調節する基板保持高さ調節機構とを有してよい。額縁保持部材の高さと基板保持部材の高さは独立して調節されてよい。この構成により、額縁保持部材の高さ及び基板保持部材の高さを調節でき、額縁と基板の位置関係を好適に調節できる。
また、本発明によれば、トレー保持機構が設けられてよい。トレー保持機構は、トレー本体に対応する位置に配置されたトレー保持部材を有してよく、トレー保持部材を昇降させてよい。リフト機構が額縁を持ち上げるときにトレー保持機構がトレー保持部材を下降させてトレー本体に当接させ、トレー本体の上昇を防いでよい。この構成により、額縁上昇に伴ってトレー本体が上昇するのを防ぎ、トレーと基板の同時クランプによる位置決めを好適に行える。
また、本発明によれば、トレー本体が、額縁よりも外側に突出する突出縁部を有してよく、突出縁部の上面がトレー保持部材の当接面であってよく、突出縁部の下面がトレーを搬送する搬送ロボットの支持面であってよい。この構成により、トレー本体の突出縁部を、基板搭載時のトレー保持と搭載完了後のトレー搬送の両方に用いることができる。これら2つの機能を簡素な構成で実現できる。
また、本発明によれば、額縁ドロップ機構が設けられてよい。額縁ドロップ機構は、額縁に対応する位置に配置された額縁ドロップ部材を有してよく、額縁ドロップ部材を昇降させてよい。額縁リフト解除時に額縁ドロップ機構が額縁ドロップ部材を下降させて額縁を押圧させてよい。この構成により、基板及びクランプとの干渉防止のために持ち上げられた額縁を、基板を取り囲む位置へ確実に戻すことができる。
また、本発明では、基板が、半導体製造用のマスクでよい。また、基板が四角形でよい。従来は円形基板の位置決め機構が一般的に用いられているが、四角形のマスクの位置決めには適用できない。本発明によれば四角形のマスクの位置決めを好適に行える。ただし、本発明の範囲内で、基板はマスクに限定されず、ウエハでもよい。また、基板形状も四角形に限定されず、円形でもよい。図18は、基板形状が円形である場合の基板搭載装置の例を示している。円形基板は例えばウエハである。図示のように、基板に合わせてトレー形状も円形に変更されている。基板及びトレーの形状変更に適合するための変更を除き、図18の基板搭載装置201は上述の実施の形態と概ね同様の構成を有してよい。図18の基板搭載装置201は、上述した本発明の各種構成、すなわちステージ、リフト機構、クランプ機構、トレー保持機構、ドロップ機構等を同様に備えてよい。横方向から見た構成(断面の構成を含む)も上述した四角形基板についての実施の形態と概ね同様でよい。
以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施の形態を変形可能なことはもちろんである。