JP5152178B2 - 質量流量制御器の応答時間の適応方法および質量流量制御器 - Google Patents

質量流量制御器の応答時間の適応方法および質量流量制御器 Download PDF

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、制御システムに関し、より具体的には、これに制限するものではないが、本発明は、適応閉ループ制御(adaptive closed−loop−control)アルゴリズムを使用して、流体の流れを制御するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
閉ループ比例積分微分(PID)制御アルゴリズムは、流体の流れに関する用途の、制御要件に合致する応答時間(例えば、加速応答時間)を有するように調整され得る。しかし、特定の用途の要件に合致するように、閉ループPID制御アルゴリズムの応答時間を調整することは、望ましくない副作用を有し得る。例えば、流体の流れの急激で重大な変化に迅速に対応する、高速アルゴリズムとしてチューニングされた閉ループPID制御アルゴリズムは、流体の流れが安定しているときにも、ノイズを含む流れの原因となり得る。高速アルゴリズムは、高周波数センサ、アナログデジタル変換器(ADC)量子化、および電子的ノイズを増幅し、ノイズを含んだ制御信号を生み出す結果となる。
【0003】
その一方で、低速応答時間を有するようにチューニングされた閉ループPID制御アルゴリズムは、安定した流体の流れにノイズを導入し得ないものの、流れの条件の急激で重大な変化(例えば、設定値の急激な変化または圧力の変化)に対しては、正確および迅速に補正できない場合がある。高速または低速のみの応答時間アルゴリズムの実装に関連する問題は、例えば、流量センサの読み取り遅れまたは流量制御器の構成要素の非線形性のような、非理想性によって複雑化され得る。従って、現在の方法論の欠点に対処し、他の新しい革新的な機能を提供する必要性が存在する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
図面に示される本発明の例示的な実施形態が、以下に要約される。これらのおよび他の実施形態は、発明を実施するための最良の形態の項、においてより完全に記載される。しかしながら、本発明を、本発明の課題を解決するための手段の項、または発明を実施するための最良の形態の項、に記載される形態に限定する意図はないことが、理解されるべきである。請求項で述べられる本発明の精神および範囲に含まれる、多数の修正、均等物、または代替的な構成が存在することを、当業者は認識し得る。
【0005】
本発明は、適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して、流体の流れを制御するためのシステムおよび方法を提供し得る。一実施形態では、方法は、設定値指標および/またはセンサによって生成されるセンサ指標を受け取るステップを含む。閉ループ制御アルゴリズムの応答時間は、少なくとも1つの閾値条件がセンサ指標および/または設定値指標に基づいて満たされるときに、修正される。流量制御器によって実装される閉ループ制御アルゴリズムは、閉ループ制御アルゴリズムと関連する少なくとも1つのパラメータを調整することによって、閉ループ制御アルゴリズムの応答時間の修正に応答して安定化される。
【0006】
別の実施形態では、方法は、設定値指標および/またはセンサによって生成されたセンサ指標を受け取る。閉ループ制御アルゴリズムと関連するフィードバックフィルタは、センサ指標および/または設定値指標に基づいて、第1のモードから第2のモードへと修正される。閉ループ制御アルゴリズムは流量制御器と関連付けられる。閉ループ制御アルゴリズムと関連するチューニングパラメータは、フィードバックフィルタが修正されるときに、閉ループ制御アルゴリズムを安定化するように変更される。
【0007】
さらに別の実施形態では、装置はプロセッサおよび弁を含む。プロセッサは、1つ以上の閾値条件が設定値指標および/またはセンサによって生成されるセンサ指標に基づいて満たされるときには、閉ループ制御アルゴリズムの応答時間を修正するように構成される。プロセッサは、閉ループ制御アルゴリズムと関連するフィードバックフィルタ、および閉ループ制御アルゴリズムと関連するチューニングパラメータを修正することによって、閉ループ制御アルゴリズムの応答時間を修正する。弁は、閉ループ制御アルゴリズムに基づいて、プロセッサによって生成される制御指標に応答して、開閉するように構成される。
(項目1)
設定値指標、またはセンサによって生成されるセンサ指標のうちの、少なくとも1つを受け取るステップと、
少なくとも1つの閾値条件が、該センサ指標または該設定値指標のうちの該少なくとも1つに基づいて満たされるときには、閉ループ制御アルゴリズムの応答時間を修正するステップであって、該閉ループ制御アルゴリズムは流量制御器と関連する、ステップと、
該閉ループ制御アルゴリズムと関連する少なくとも1つのパラメータを調整することによって、該閉ループ制御アルゴリズムの該応答時間を該修正するステップに応答して、該閉ループ制御アルゴリズムを安定化するステップと、
を包含する、方法。
(項目2)
前記センサ指標または前記設定値指標のうちの前記少なくとも1つの変化を検出するステップをさらに包含する、項目1に記載の方法であって、前記少なくとも1つの閾値条件は、該変化によって満たされる、方法。
(項目3)
前記センサ指標または前記設定値指標のうちの前記少なくとも1つの変化率を検出するステップをさらに包含する、項目1に記載の方法であって、前記少なくとも1つの閾値条件は、該変化率によって満たされる、方法。
(項目4)
前記センサ指標は、流体の流速を示す流量センサ指標であり、
前記設定値指標は、流体の流量設定値を示し、
前記少なくとも1つの閾値条件は、流速エラー値に基づき、該流速エラー値は、該流体の流量設定値と該流体の該流速との間の差である、
項目1に記載の方法。
(項目5)
前記修正するステップは、加速するステップまたは減速するステップのうちの少なくとも1つを含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記修正するステップは、前記流量制御器を通過する流体の流速の変化に応答して、かつ数学的方程式に従って修正するステップを含む、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記センサ指標または前記設定値指標のうちの前記少なくとも1つに基づいて適応ゲインを修正するステップによって、前記流量制御器と関連する少なくとも1つの非線形的特性を補正するステップをさらに包含する、項目1に記載の方法であって、該適応ゲインは前記閉ループ制御アルゴリズムと関連し、該適応ゲインを該修正するステップは、該流量制御器を通過する流体の流速の変化に応答して、かつ数学的方程式に従って修正するステップを含む、方法。
(項目8)
前記修正するステップは、前記閉ループ制御アルゴリズムと関連する少なくとも1つのフィルタを修正するステップを含む、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記修正するステップは、フィードバックフィルタと関連する時定数を調整することによって、該フィードバックフィルタの応答時間を修正するステップを含み、該フィードバックフィルタは前記閉ループ制御アルゴリズムと関連する、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記少なくとも1つのパラメータは、前記閉ループ制御アルゴリズムと関連するチューニングパラメータである、項目1に記載の方法。
(項目11)
前記安定化するステップは、前記センサ指標または前記設定値指標のうちの前記少なくとも1つに基づいて、安定化するステップを含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
前記閉ループ制御アルゴリズムは、比例制御、積分制御、または微分制御のうちの少なくとも1つに基づく、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記センサは、流量センサ、タイマ、圧力センサ、または温度センサのうちの少なくとも1つである、項目1に記載の方法。
(項目14)
設定値指標、またはセンサによって生成されるセンサ指標のうちの、少なくとも1つを受け取るステップと、
該センサ指標または該設定値指標のうちの該少なくとも1つに基づいて、フィードバックフィルタを第1のモードから第2のモードへと修正するステップであって、該フィードバックフィルタは閉ループ制御アルゴリズムと関連し、該閉ループ制御アルゴリズムは流量制御器と関連する、ステップと、
該フィードバックフィルタを該修正するステップに基づいて、該閉ループ制御アルゴリズムと関連するチューニングパラメータを変更するステップであって、該チューニングパラメータは、該フィードバックフィルタが修正されるときには、該閉ループ制御アルゴリズムを安定化するように変更される、ステップと、
を包含する、方法。
(項目15)
前記センサ指標または前記設定値指標のうちの前記少なくとも1つに基づいて、適応ゲインを修正するステップをさらに包含する、項目14に記載の方法であって、該適応ゲインは、前記流量制御器と関連する少なくとも1つの非線形的特性を補正するために、前記閉ループ制御アルゴリズムにおいて使用される、方法。
(項目16)
前記センサ指標または前記設定値指標のうちの前記少なくとも1つに基づいて、適応ゲインを修正するステップをさらに包含する、項目14に記載の方法であって、該適応ゲインは、前記流量制御器と関連する少なくとも1つの非線形的特性を補正するために、前記閉ループ制御アルゴリズムにおいて使用され、該適応ゲインを該修正するステップは、該流量制御器を通過する流体の流速の変化に応答して、かつ数学的方程式に従って修正するステップを含む、項目14に記載の方法。
(項目17)
前記フィードバックフィルタを前記修正するステップは、該フィードバックフィルタと関連する時定数を調整することによって、該フィードバックフィルタと関連する応答時間を修正するステップを含む、項目14に記載の方法。
(項目18)
前記閉ループ制御アルゴリズムは、比例制御、積分制御、または微分制御のうちの少なくとも1つに基づく、項目14に記載の方法。
(項目19)
前記チューニングパラメータは、前記閉ループ制御アルゴリズムの積分制御部分と関連する、項目14に記載の方法。
(項目20)
前記センサは、流量センサ、タイマ、圧力センサ、または温度センサのうちの少なくとも1つである、項目14記載の方法。
(項目21)
前記フィードバックフィルタを前記修正するステップは、前記流量制御器を通過する流体の流速の変化に応答して、かつ数学的方程式に従って修正するステップを含む、項目14に記載の方法。
(項目22)
前記閉ループ制御アルゴリズムの応答時間は、前記フィードバックフィルタが第1のモードにあるときには、該フィードバックフィルタが第2のモードにあるときとは異なる、項目14に記載の方法。
(項目23)
前記フィードバックフィルタを前記修正するステップは、前記センサ指標または前記設定値指標のうちの前記少なくとも1つと関連する、少なくとも1つの閾値を参照して修正するステップを含む、項目14に記載の方法。
(項目24)
前記フィードバックフィルタを前記修正するステップは、前記流量制御器を通過する流体の流速の変化に応答して、かつ数学的方程式に従って、該フィードバックフィルタを徐々に修正するステップを含む、項目14に記載の方法。
(項目25)
少なくとも1つの閾値が、センサによって生成されるセンサ指標または設定値指標のうちの少なくとも1つに基づいて満たされるときには、閉ループ制御アルゴリズムの応答時間を修正するように構成される、プロセッサであって、該プロセッサは、該閉ループ制御アルゴリズムと関連するフィードバックフィルタと、該閉ループ制御アルゴリズムと関連するチューニングパラメータとを修正することによって、該閉ループ制御アルゴリズムの該応答時間を修正する、プロセッサと、
該フィードバックフィルタと該チューニングパラメータとのうちの、少なくとも1つと関連するパラメータを保存するように構成されるメモリであって、該プロセッサは、該メモリの該パラメータにアクセスする、メモリと、
を備える、装置。
(項目26)
制御指標に応答して開閉するように構成される弁をさらに備える、項目25に記載の装置であって、該制御指標は、前記閉ループ制御アルゴリズムに基づいて前記プロセッサによって生成される、装置。
(項目27)
前記センサは、流量センサ、タイマ、圧力トランスデューサ、または温度センサのうちの少なくとも1つである、項目25に記載の装置。
(項目28)
前記プロセッサは、前記センサ指標または前記設定値指標のうちの任意の前記少なくとも1つに基づいて、前記閉ループ制御アルゴリズムと関連する適応ゲインを修正するように構成される、項目25に記載の装置であって、該適応ゲインは、弁に関連する少なくとも1つの非線形的特性を補正するために、該閉ループ制御アルゴリズムにおいて使用される、装置。
(項目29)
前記少なくとも1つの閾値を保存するように構成されるメモリをさらに備える、項目25に記載の装置であって、前記プロセッサは、該メモリの該少なくとも1つの閾値にアクセスするように構成される、装置。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の種々の目的および利点、ならびにより完全な理解が、添付の図面と共に、以下の詳細な説明および付随する請求項を参照することによって明らかとなり、より容易に理解される。
【0009】
いくつかの実施形態において、本発明は、制御器で実装される適応閉ループ制御アルゴリズム(例えば、比例積分微分(PID)アルゴリズム)を対象とする。例えば、一部の実施形態における制御器は、気体状態(例えば、窒素)および/または液体状態(例えば、塩酸)のいずれかの流体を、例えば、半導体施設内の道具へと送達するように構成される、質量流量制御器である。
【0010】
いくつかの実施形態における閉ループ制御アルゴリズムは、アルゴリズムの応答時間を修正することによって、変化する条件に適応される。一例として、適応アルゴリズムの多くの実施形態に従って作動する質量流量制御器は、実際の流速が望ましい流速よりもかなり遅いときには、高速応答で作動することが可能であり、実際の流速が望ましい流速に比較的近いときには、ノイズを起こす傾向が少ないより低速応答で作動することができる。
【0011】
多くの実施形態では、例えば、1つ以上の指標に基づいて1つ以上の規定の閾値条件が満たされるときには、適応アルゴリズムの応答時間が調整される。これらの実施形態における適応閉ループ制御アルゴリズムの応答時間は、閾値条件が満たされるときには、センサ(例えば、圧力センサ、流量センサ)から受け取られるセンサ指標および/または設定値指標に応じて修正される。センサ指標は、例えば、流量制御器内の弁を通過して流れ、その弁によって制御される流体に関する属性(例えば、流速)の値を示す。設定値指標は、例えば、流体の流れを制御する流量制御器によって使用される設定値を示す。
【0012】
いくつかの実施形態では、適応閉ループ制御アルゴリズムの応答時間は、少なくとも1つの指標(例えば、設定値指標および/またはセンサ指標)の値が、指標と関連する閾値を超えるか、または下回るときに、修正される。一部の実施形態では、適応閉ループ制御アルゴリズムの応答時間は、センサ指標に基づく計算値が閾値条件(例えば、特定期間のあいだの変化率または最大許容変化)を満たすときに、修正される。例えば、一部の実施形態では、修正は、閾値条件を満たす設定値とセンサ指標との間の差であるエラー信号に基づく。他の実施形態では、適応閉ループ制御アルゴリズムの応答時間は、少なくとも1つの指標(例えば、設定値および/またはセンサ)における変化の大きさが閾値を超えるかまたは下回るときに、修正される。
【0013】
一部の実施形態では、適応閉ループ制御アルゴリズムの応答時間は、例えば、閉ループ制御アルゴリズムと関連するフィルタ(例えば、フィードバックフィルタ)を加速および減速することによって修正される。一部の変形例では、応答時間が修正されるときに、適応閉ループ制御アルゴリズムを安定化するために、適応閉ループ制御アルゴリズムと関連するパラメータ(例えば、チューニングパラメータ)が調整される。いくつかの実施形態では、例えば、適応ゲインがまた、規定の閾値条件に基づくセンサ指標および/または設定値指標に応じて、修正される。一部の実装では、適応閉ループ制御アルゴリズムの応答時間の修正は、タイマに基づく。
【0014】
次に図面を参照すると、図1は、適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して、流体ディスペンサ120から反応槽180への流体の流れを制御する、流量制御器100を図示している。測定値、計算値、および/または特定値(例えば、圧力指標値、設定値指標値、流量センサ指標値)の変化が、少なくとも1つの閾値条件を満たすときには、適応閉ループ制御アルゴリズムは、低速応答モードから高速応答モードへ、およびその反対へ、流量制御器100によって修正される。流量制御器100は設定値を使用して、低速または高速応答モードの適応閉ループ制御アルゴリズムに基づき、流体ディスペンサ120から反応槽180への流体の流れを制御する。
【0015】
一部の実施形態では、流体は液体(例えば、硫酸)であり、他の実施形態では気体(例えば、窒素)であるが、本開示の利益を有する当業者は、流量制御器100によって送達される流体は、例えば、気体または液体のような、任意の相の元素および/または化合物の混合物を含む、任意の種類の流体であり得ることを理解する。多くの実施形態の流量制御器100は、高圧下で、低温下で、あるいは異なる種類の容器または槽へ、流体を送達するように構成される。
【0016】
図1に図示されるように、例示的な実施形態の流量制御器100は、流量制御器100の上流にある流量センサ142および圧力センサ144から、指標を受け取る。流量センサ142からの指標は、流体ディスペンサ120から流出し、流量制御器100によって制御される流体の、流速を示す。圧力センサ144からの指標は、流体ディスペンサ120からの、流量制御器100によって制御される流体の、圧力を示す。流量制御器はまた、流体の流量設定値を示す設定値指標146を受け取る。一部の実施形態では、流量制御器100は、温度センサのような、別の機器またはセンサから指標を受け取る。いくつかの実施形態では、センサのうちの1つ以上は、流量制御器100の上流よりはむしろ、流量制御器100の下流に配置される。
【0017】
多くの実施形態における流量センサ142は、温度式(thermal)流量センサによって実現されるが、他の実施形態では、層流センサ、コリオリ流量センサ、超音波流量センサ、または差圧センサが利用される。圧力センサ144は、ゲージ圧力センサ、差圧センサ、絶対圧力センサ、またはピエゾ抵抗圧力センサによって実現される。変形例においては、流量センサ102および/または圧力センサ144が、他のセンサ(例えば、温度センサ)の任意の組み合わせと併用して使用され、流体の流れを正確に測定する。
【0018】
本実施形態の流量制御器100は、プロセッサ102、弁104、およびメモリ106を含む。メモリ106は、PID制御アルゴリズム、フィルタ方程式、ならびにPID制御アルゴリズムおよびフィルタ方程式と関連するパラメータを含む、適応閉ループ制御アルゴリズムを保存する。メモリ106は、これに制限するものではないが、フラッシュメモリ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、および/またはハードディスクであり得る、任意の種類の記憶機器である。メモリ106はまた、適応閉ループ制御アルゴリズムの修正に関係するパラメータ(例えば、期間)および/または方程式(例えば、修正率変化方程式)を、閾値条件とともに保存する。本実施形態では、適応閉ループ制御アルゴリズムおよび関連パラメータは、適応閉ループ制御アルゴリズムが低速応答時間(「低速モード」または「低速応答モード」とも呼ばれる)を有するように、バイアスされている。具体的な適応閉ループ制御アルゴリズム構成が、図5でより詳細に説明される。
【0019】
可変弁104は、流体の流量を何らかの方法で変化させる、任意の適切な種類の可変弁である。例えば、可変弁104は、可変オリフィスを有する弁であるか、または多数のプリセット位置を有する弁である。図1は、プロセッサ102、弁104、およびメモリ106が、流量制御器100の中で単一機器の形に統合されていることを示すが、一部の実施形態では、構成要素は組み合わされ、ならびに/あるいは、異なる構成要素および/または機器に分離される。例えば、一部の実施形態では、メモリ106は、例えば、キャッシュとしてプロセッサ102に組み込まれるか、または、流量制御器100用あるいはいくつかの分散型および/または直列接続型の流量制御器用のデータを保存する、分離した集中サーバ(図示せず)に統合される。一部の実装において、弁104は、例えば、流量センサ142、圧力センサ144、および/または流量制御器100の上流あるいは下流のいずれかにある、流量制御器100から分離した構成要素である。他の実装においては、流量センサ142および/または圧力センサ144は、流量制御器100に統合される。
【0020】
図1に図示された例示的な実施形態では、センサ142および144からの指標と設定値指標146とに関連する閾値条件がまた、メモリ106に保存される。閾値条件は、閾値条件が満たされるときには、適応閉ループ制御アルゴリズムが高速応答時間(「高速モード」または「高速応答モード」とも呼ばれる)を有するように修正されるように、規定される。低速モードから高速モードへの修正は、加速として参照され得、高速モードから低速モードへの修正は、減速として参照され得る。適応閉ループ制御アルゴリズムは、アルゴリズムと関連するパラメータ(メモリ106に保存される)を変化させることによって、高速応答時間を有するように修正される。
【0021】
一部の実施形態では、適応閉ループ制御アルゴリズムの応答時間は、アルゴリズムと関連するパラメータを変化させることよりはむしろ、アルゴリズムと関連するフィルタ方程式を変化させることによって修正される。一部の実装においては、プロセッサ102は、例えば、メモリ106によって保存されるパラメータにアクセスし使用する、ハードウェアに実装された(例えば、ファームウェア)適応閉ループ制御アルゴリズムを考慮して設計される。このシナリオにおいては、プロセッサ102は、メモリ106に保存されたパラメータを調整し、適応閉ループ制御アルゴリズムの応答時間を修正する。
【0022】
本実施形態における、センサ142および144からの指標、ならびに設定値指標146は、プロセッサ102によって適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して処理され、設定値指標146によって規定された流速を生成するように弁104を制御する。設定値指標146によって示される、新しい設定値が受け取られるときには、流量制御器100は、適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して、新しい設定値と一致するように流体の流速を調整(例えば、弁104へ送られる制御指標を介して)する。
【0023】
しかしながら、設定値の変化が閾値条件を満たす場合には、閉ループ制御アルゴリズムのモードが修正される。例えば、プロセッサ102によって決定される設定値の変化が、設定値変化の閾値条件(例えば、最大許容設定値変化)を超える場合には、プロセッサ102は、高速モードを有するように適応閉ループ制御アルゴリズムを修正する。プロセッサ102は次いで、高速モードの適応閉ループ制御アルゴリズムに従って新しい設定値に基づいて、弁104に制御信号を送ることによって流体の流れを制御する。新しい設定値が達成されると、プロセッサ102は、アルゴリズムと関連するパラメータを調整し、高速モードから低速モードへと戻すことによって、適応閉ループ制御アルゴリズムを修正する。
【0024】
同様に、センサ指標の変化が閾値条件を満たす場合には、プロセッサ102は、適応閉ループ制御アルゴリズムを、低速モードから高速モードへ、および/またはその逆の方向へ修正する。本実施形態では、流量制御器100内のプロセッサ102は、流量センサ142によって示される流速が閾値条件を満たすときには、適応閉ループ制御アルゴリズムを修正するようにプログラムされる。例えば、適応閉ループ制御アルゴリズムの修正は、例えば、圧力の変化によって促される流速の変化の大きさが、規定の期間内の最大許容値を超えるときに、トリガされる。流体の流速が設定値指標146によって示される設定値と再び一致すると、プロセッサ102は、適応閉ループ制御アルゴリズムを、高速応答時間構成から低速応答時間構成へと戻すように修正する。一部の実施形態では、例えば、圧力センサ指標の変化が、圧力の変化と関連する閾値条件を超えることを、プロセッサ102が検出する場合には、プロセッサ102は適応閉ループ制御アルゴリズムを、低速モードから高速モードに、および/またはその逆の方向に修正するように構成される。
【0025】
一部の実装においては、適応閉ループ制御アルゴリズムの修正のレベルは、閾値と対比した変化の大きさに基づく。例えば、設定値の変化が、設定値変化の閾値条件を大幅に超える場合には、適応閉ループ制御アルゴリズムと関連するパラメータおよび/またはフィルタは、設定値の変化が設定値変化の閾値条件をかろうじて満たした場合よりも大きく修正される。
【0026】
次に図2を参照すると、図2は、規定の閾値条件に基づいて、適応閉ループ制御アルゴリズムを第1のモードから第2のモードへと修正するための、方法を示す流れ図を含む。第1のモードは、例えば、低速の低ノイズモードであり、第2のモードは、例えば、高速でノイズを含む可能性のあるモードである。本実施形態では、閾値条件はエラーの大きさ(例えば、閾値)として定義され、それが、計算されたエラー値によって超えられるときには、適応閉ループ制御アルゴリズムの第1のモードから第2のモードへの修正をトリガする。多くの実施形態におけるエラー値は、流速設定値と流量指標によって示される測定された流速との間の差である。後に、エラー値が閾値を下回る(例えば、もはや満たしていない)と、適応閉ループ制御アルゴリズムは、第2のモードから第1のモードへ戻るように修正される。本実施形態では、エラー値が流量設定値および測定値に基づいて計算されるが、他の実施形態においては、エラー値は、圧力設定値および測定値のような、他の設定値ならびに測定値に基づく。
【0027】
図2に示されるように、200において、流量センサ指標が受け取られ、流量センサ指標に基づいて、第1のモードにある適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して、流量設定値に従って流体の流れが制御される。図示のとおり、210において、エラー値が、流量センサ指標によって示される流速と流量設定値との間の差として計算される。220において、エラー値が規定の閾値を超えない場合には、200で、流量センサ指標は継続して受け取られ、流体の流れは、第1のモードの適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して継続して制御される。220において、210で計算されたエラー値が閾値を超えるときには、230で、適応閉ループ制御アルゴリズムは、第1のモードから第2のモードへと修正される。
【0028】
図2に示されるように、適応閉ループ制御アルゴリズムが、いったん第2のモードに修正されると、240において、流量センサ指標が受け取られ、流体の流れは、流量センサ指標に基づいて、第2のモードにある適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して制御される。第2のモードにある適応閉ループ制御アルゴリズムは、流量設定値に従って流体の流れを制御するために使用される。250において、エラー値が、流量センサ指標および流量設定値に基づいて継続的に(または、一部の実施形態では断続的に)計算される。260において、計算されたエラー値が閾値を継続して超える場合には、240において、流量センサ指標が継続して受け取られ、流体の流れは第2のモードにある適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して制御される。260において、250で計算されたエラー値が閾値を下回るときには、270において、適応閉ループ制御アルゴリズムは第2のモードから第1のモードへと戻るように修正される。
【0029】
本実施形態は、流量センサ指標、および流量センサ指標に基づいて計算されるエラー値に関わる方法を説明しているが、一部の実施形態では、温度センサ指標が温度センサから受け取られ、温度と関連する閾値に関して分析される。いくつかの実施形態では、複数のセンサ(例えば、流量、温度、および圧力センサ)が、対応する閾値を参照して監視され、適応閉ループ制御アルゴリズムが第1のモードから第2のモードへと、およびその逆方向へと修正されるべきかを決定する。一部の実施形態では、閾値条件はセンサ指標エラー値よりはむしろ、設定値指標に基づいて規定される。
【0030】
一部の変形例では、閾値条件は、例えば、指標からのエラー値の変化率に基づく。いくつかの実装においては、閾値条件内の値(すなわち、パラメータ)は、例えば、特定の流量制御器に関連する経験的データに基づいて規定される。
【0031】
一部の実施形態では、適応閉ループ制御アルゴリズムを第1のモードから第2のモードへと修正するための閾値は、アルゴリズムの第2のモードから第1のモードへと戻る変更を決定するために使用される閾値とは異なる。さらに他の実施形態では、閾値条件は、値(例えば、時間、圧力、など)の複雑な組み合わせ(例えば、減じたり、乗じたり)またはブール条件(例えば、「論理和」ブール条件)に基づく。例えば、閾値条件は、温度指標および圧力指標の両方に由来する値(または計算値)が、それらのそれぞれに対応する閾値を超えるときにのみ、満たされる。いくつかの実施形態では、適応閉ループ制御アルゴリズムは、1つ以上のモードに対応する閾値条件に基づいて、いくつかのモードのうちの1つ(例えば、適度な高速モード)に修正される。
【0032】
一部の実施形態では、例えば、3つよりも多い連続した圧力指標値および/またはエラー値が閾値を超える場合にのみ、適応閉ループ制御アルゴリズムが修正されるように、閾値条件が規定される。この方法で閾値条件を規定することによって、適応閉ループ制御アルゴリズムは、修正される前に、特定の応答時間モードに維持される。一部の実施形態では、例えば、圧力指標値が300ミリ秒間よりも長く閾値を超える場合にのみ、適応閉ループ制御アルゴリズムが修正されるように、閾値条件が規定される。
【0033】
図3は、規定の閾値条件およびタイマに基づいて、適応閉ループ制御アルゴリズムを修正するための、方法を示す流れ図である。本実施形態では、閾値条件は圧力値であり、それが、圧力センサからの圧力センサ指標によって示される値によって超えられるときには、適応閉ループ制御アルゴリズムの第1のモードから第2のモードへの修正をトリガする。適応閉ループ制御アルゴリズムは、タイマが切れるときに、第2のモードから第1のモードへと戻るように修正される。
【0034】
図3に示されるように、300において、圧力センサ指標が受け取られ、流体の流れが、流量センサ指標に基づいて、第1のモードにある適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して制御される。圧力センサ指標は、受け取られるときには、310において継続的に(または、一部の実施形態では断続的に)閾値を参照して分析される。310において、圧力センサ指標によって示される圧力値が閾値を超えない場合には、300において、圧力センサ指標は継続して受け取られ、流体の流れは、第1のモードにある適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して継続して制御される。
【0035】
310において、圧力センサ指標によって示される圧力値が閾値を超えるときには、320において、適応閉ループ制御アルゴリズムが第1のモードから第2のモードへと修正され、330において、タイマが始動される。本実施形態では、タイマは3秒の時間のあいだ動く。その時間が切れるまで、340において、圧力センサ指標が受け取られ、流量センサ指標に基づいて、第2のモードにある適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して流体の流れが制御される。
【0036】
350において、時間がタイマによって決定された通りに切れなかった場合には、340において、圧力センサ指標が継続して受け取られ、第2のモードにあるアルゴリズムに基づいて、流体の流れが制御される。350において、時間が切れたときには、360において、適応閉ループ制御アルゴリズムが、第2のモードから第1のモードへと戻るように修正される。
【0037】
一部の実施形態では、時間の長さは、流量制御器の応答時間のような、または対応する閾値よりも上のセンサ指標の偏差のような、要因に依存する。例えば、一部の実施形態では、タイマによって使用される時間は、センサからの値が閾値を少し超えるときよりも、センサからの値が閾値を大きく超えるときのほうが、より長くなる。いくつかの実施形態では、適応閉ループ制御アルゴリズムは、修正が、例えば、急激にではなくむしろ低速で起こるようにするために、数学的方程式に従って第1のモードから第2のモードへと修正される。一部の実施形態では、適応閉ループ制御アルゴリズムの1つのモードから別のモードへの、修正の速度および/または修正のレベル(例えば、加速または減速のレベル)は、例えば、流量が増加しているか、または減少しているかに依存する。
【0038】
次に図4を参照すると、図4は、設定値変化の閾値条件に基づいて、適応閉ループ制御アルゴリズムを低速応答モードから高速応答モードへと修正するための、方法を示す流れ図である。本実施形態では、設定値変化の閾値条件は、設定値変化の大きさであり、それが、設定値変化によって超えられるときには、適応閉ループ制御アルゴリズムの低速応答モードから高速応答モードへの修正をトリガする。
【0039】
図4に示されるように、本実施形態では、400において、流体の流れは、低速モードにある適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して制御される。410において、新しい設定値を示す設定値指標が受け取られると、420において、設定値の変化が計算され、430において、設定値の変化が規定の閾値と比較される。430において、設定値の変化が閾値よりも小さいときには、400において、流体の流れは、低速応答モードにある適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して制御され、新しい設定値に調整される。430において、設定値の変化が閾値よりも大きいときには、440において、適応閉ループ制御アルゴリズムは、低速モードから高速モードへと加速(例えば、修正)される。
【0040】
図4に示されるように、450において、流体の流れは次いで、460において新しい設定値が到達されるまで、高速応答モードにある適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して制御される。新しい設定値が到達されていないときには、450において、流体の流れは、継続して高速応答モードにある適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して制御される。新しい設定値が到達されると、470において、適応閉ループ制御アルゴリズムは高速応答モードから低速応答モードへと減速(例えば、修正)される。400において、流体の流れは次いで、低速応答モードにある適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して制御される。
【0041】
本実施形態では、アルゴリズムは、低速応答モードで流体の流れを制御するようにバイアスされており、大きな設定値の変化が起こるときに、高速応答モードへと変化するのみである。一部の実施形態では、適応閉ループ制御アルゴリズムは、例えば、高速応答モードで流体の流れを制御するようにバイアスされる。一部の実施形態では、応答モードの速度は、設定値の変化の大きさに基づく。例えば、応答モードは、いくつかの高速応答モードのうちの1つにまで加速され、それは、1つ以上の閾値条件の中で定義される設定値の変化の大きさに依存する。他の実施形態では、設定値の変化に対する閾値はゼロであり、その結果として、閉ループ制御アルゴリズムの応答時間は、任意の設定値の変化に対して変更される。
【0042】
図5は、例示的な適応閉ループ制御アルゴリズムの信号の流れ図である。例示的な適応閉ループ制御アルゴリズムの中のブロックの各々は、関連するパラメータおよび定数を有する方程式の組み合わせによって実現される。本実施形態の適応閉ループ制御アルゴリズムは、比例制御ブロック542および積分制御ブロック544を含む、比例積分(PI)制御器に基づく。チューニングパラメータ510およびフィードバックフィルタ520は、設定値指標554、センサ指標556、ならびに/あるいは設定値指標554および/またはセンサ指標556を使用して導かれる値(例えば、計算エラー)に基づいて、閾値条件が満たされるときに、閉ループ制御アルゴリズムの応答時間を修正するために使用される。設定値指標554は、流体の流れの設定値を示す。センサ指標556は、圧力センサ(図示せず)からの圧力センサ指標、および流量センサ530によって生成される流量センサ指標を含む。一部の実施形態では、センサ指標556は、温度センサ指標のような、他のセンサ指標を含む。
【0043】
図5に示されるように、本実施形態では、流量センサ530からの流量指標(例えば、信号)が、フィードバックフィルタ520を介して調整され、572において、設定値指標554によって示される設定値から減じられ、エラー552を生成する。エラー552と適応ゲイン500との積574が、弁Kv546を制御するために、PI制御器によって使用される。ブロック500、510、520、530、542、544、および546の中の方程式、パラメータ、ならびに/または定数は、適応閉ループ制御器アルゴリズムを安定化し、例えば、各応答時間モードの固有の応答時間および/または過渡波形(例えば、オーバーシュート、減衰)を達成するために、選択される。
【0044】
本実施形態はまた、設定値指標554、センサ指標556、および/または設定値指標554とセンサ指標556との任意の組み合わせを使用して計算される値に基づいて、継続的に(または、一部の実施形態では、断続的に)調整される、適応ゲイン500を含む。一部の実施形態では、適応ゲイン500は、設定値指標554および/またはセンサ指標556に基づいて、閾値条件が満たされるときに、調整される。適応ゲイン500は、例えば、Kv546の非線形性または非線形的圧力効果のような、非線形性を補正するように構成される。適応ゲイン500は、適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して計算されるとおりに、さらなる弁の位置の調整の速度に影響を与える。適応ゲイン500は、例えば、流量感度、弁感度、および/または圧力感度に基づいて計算される。適切な適応ゲイン500により、適応閉ループ制御アルゴリズムは安定化し、例えば、広範囲の圧力および/または設定値にわたって、同じ性能を有する。
【0045】
チューニングパラメータ510およびフィードバックフィルタ520は、設定値指標554、センサ指標556、ならびに/あるいは設定値指標554および/またはセンサ指標556を使用して導かれる値(例えば、計算エラー)が、規定の閾値条件を満たすときに、修正される。フィードバックフィルタ520が加速および/または減速されるときに、チューニングパラメータ510は、フィードバックフィルタ520と実質的に同時に修正され、適応閉ループ制御アルゴリズムを安定化する。
【0046】
一部の実施形態では、チューニングパラメータ510およびフィードバックフィルタ520は、異なる閾値条件、または組み合わせ閾値条件に基づいて調整される。一部の実施形態では、適応閉ループ制御アルゴリズムを修正するときに調整される、パラメータの速度および波形でさえもが、流体の流量が増加しているのか、または減少しているのかに応じて修正される。いくつかの実施形態では、適応閉ループ制御アルゴリズムは、例えば、比例および積分制御に加えて、微分制御を含む。他の実施形態では、制御アルゴリズムは、比例、積分、および/または微分制御の他の組み合わせを含む。いくつかの変形例では、チューニングパラメータ510は、一部の閉ループ制御アルゴリズムと関連する(例えば、積分制御ブロック544のパラメータとして含まれるか、または微分制御ブロックと関連する)。
【0047】
図6A〜図6Gは、適応閉ループ制御アルゴリズム内のフィードバックフィルタの例示的な修正をトリガする、例示的な設定値の変化に関連する、例示的な測定値、信号、および計算値を示すグラフである。本実施形態の適応閉ループ制御アルゴリズムは、設定値に従って弁を介して流体の流れを制御する、流量制御器に実装される。
【0048】
図6Aは、設定値指標によって示される設定値を示すグラフである。図6Aは、時刻Bにおける、設定値のXからYへの変化を示す。図6Aは、設定値の変化600の大きさが、設定値変化の閾値条件610よりも大きく、適応閉ループ制御アルゴリズムの修正をトリガすることを示す。
【0049】
図6Bは、適応閉ループ制御アルゴリズム内のフィードバックフィルタと関連する、フィードバック時定数の値を示すグラフである。図6Bは、時刻Bにおいて、フィードバック時定数が、時刻Aで示される高い値から時刻Bでの低い値へと、図6Aに示すように満たされた設定値変化の閾値条件に応答して変化することを示す。高い値は、適応閉ループ制御アルゴリズムに遅い応答時間をもたらし、その一方で、フィードバック時定数に対する低い値は、適応閉ループ制御アルゴリズムに対してより速い応答時間をもたらす。図6Bは、フィードバック時定数の値が時刻Cからゆっくりと増加し、フィードバック時定数の値が時刻Dでその元の値に達するまで、増加することを示している。フィードバック時定数の値がゆっくりと増加する以前の、時刻BとCとの間の規定の時間、フィードバック時定数の値は低い値に維持される。図示されていないが、チューニングパラメータが、フィードバック時定数と実質的に同時に調整され、適応閉ループ制御アルゴリズムを安定化する。
【0050】
図6Cは、適応閉ループ制御アルゴリズムによって計算された、設定値エラーを示すグラフである。図6Cは、図6Aで示される時刻Bにおいて設定値が変化する以前には、計算された設定値エラーがゼロであることを示す。図6Cは、設定値が時刻Bで変化するときに、計算された設定値エラーが瞬時に増加することを示す。適応閉ループ制御アルゴリズムが計算された設定値エラーに応答するにつれて、時刻Dにおいて設定値が到達されるまで、設定値エラーは減少し、時刻Dでエラーはゼロに減少する。図6Cは、本実施形態の適応閉ループ制御アルゴリズムが高速応答モードにある間には、計算された設定値エラーがノイズを含むことを示す。図6D〜図6Gの曲線は、図6Cの曲線と同様に、適応閉ループ制御アルゴリズムが高速応答モードにある間には、ノイズを示す。
【0051】
図6Dは、適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して計算された、積分制御信号を示すグラフである。図6Dは、積分制御信号が、時刻Bで設定値が変化するときに増加し、時刻Dで安定化するまで増加することを示す。
【0052】
図6Eは、適応閉ループ制御アルゴリズムを実装する流量制御器によって制御される弁の、弁の位置を示すグラフである。図6Eは、弁の位置が、時刻Bにおける設定値の変化に応答して変化し、時刻Dで安定状態位置に達するまで変化することを示す。
【0053】
図6Fは、適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して制御される弁を通過する流体の、実際の流量を示すグラフである。図6Fは、実際の流体の流量測定値が、図6Eの弁の位置に追随することを示す。
【0054】
図6Gは、適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して制御される弁を通過して流れる流体の、流れを測定する流量センサからの信号を示すグラフである。図6Gは、低速応答時間を有する流量センサ信号が、図6Fの実際の流体の流量測定値からの遅れを有することを示す。
【0055】
結論として、本発明は、適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して流体の流れを制御するための、システムおよび方法を提供する。当業者は、本明細書に記載の実施形態によって達成されるものと同じ結果を達成するために、本発明、その使用、およびその構成において数々の変形および置換が行われ得ることを、容易に理解し得る。従って、本発明を、開示された例示的な形態に制限しようとする意図は、全く存在しない。多くの変形、修正、および代替的な構成が、請求項において表明される、開示された本発明の範囲および精神に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は、本発明の実施形態に従った、流量制御器が流体ディスペンサから反応槽への流体の流れを制御するために、適応閉ループ制御アルゴリズムを使用する環境を図示する、ブロック図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に従った、適応閉ループ制御アルゴリズムを修正するための方法を示す、流れ図である。
【図3】図3は、本発明の別の実施形態に従った、適応閉ループ制御アルゴリズムを修正するための方法を示す、流れ図である。
【図4】図4は、本発明のさらに別の実施形態に従った、適応閉ループ制御アルゴリズムを修正するための方法を示す、流れ図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態に従った、適応閉ループ制御アルゴリズムの信号の流れ図である。
【図6A】図6Aは、本発明の実施形態に従った、設定値指標によって示される設定値を示すグラフである。
【図6B】図6Bは、本発明の実施形態に従った、適応閉ループ制御アルゴリズム内のフィードバックフィルタと関連する、フィードバック時定数の値を示すグラフである。
【図6C】図6Cは、本発明の実施形態に従った、適応閉ループ制御アルゴリズムによって計算される、設定値エラーを示すグラフである。
【図6D】図6Dは、本発明の実施形態に従った、適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して計算される、積分制御信号を示すグラフである。
【図6E】図6Eは、本発明の実施形態に従った、適応閉ループ制御アルゴリズムを実装する流れ制御器によって制御される弁の、弁の位置を示すグラフである。
【図6F】図6Fは、本発明の実施形態に従った、適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して制御される弁を通過する流体の、実際の流量を示すグラフである。
【図6G】図6Gは、本発明の実施形態に従った、適応閉ループ制御アルゴリズムを使用して制御される弁を通過する流体の、流れを測定する流量センサからの信号を示すグラフである。

Claims (25)

  1. 質量流量制御器が反応容器への流体の流れを制御している一方で該質量流量制御器の応答時間を適応するための方法であって、該方法は、
    設定値指標を受け取ることであって、該設定値指標が、該流体の所望の流速を示している、ことと、
    センサによって生成されたセンサ指標を受け取ることであって、該センサ指標が、該容器に送達されている該流体の流速を示している、ことと、
    閉ループ制御アルゴリズムの応答時間を低速モードにバイアスすることと、
    少なくとも1つの閾値条件が満たされる場合、該センサ指標または該設定値指標のうちの少なくとも1つに基づいて、該閉ループ制御アルゴリズムを高速モードに一時的に修正することであって、該閉ループ制御アルゴリズムは、該質量流量制御器中の弁が該所望の流速を提供するために位置を変える速度に影響を与える、ことと、
    前記高速モードに一時的に修正された閉ループ制御アルゴリズムを該低速モードに戻すように徐々に修正することと、
    該閉ループ制御アルゴリズムと関連する少なくとも1つのパラメータを調整することによって、該閉ループ制御アルゴリズムの該応答時間を該修正することに応答して、該閉ループ制御アルゴリズムを安定化することと
    を包含する、方法。
  2. 前記センサ指標または前記設定値指標のうちの前記少なくとも1つの変化を検出することをさらに包含し、前記少なくとも1つの閾値条件は、該変化によって満たされる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記センサ指標または前記設定値指標のうちの前記少なくとも1つの変化率を検出することをさらに包含し、前記少なくとも1つの閾値条件は、該変化率によって満たされる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記少なくとも1つの閾値条件は、流速エラー値に基づいており、該流速エラー値は、該流体の流速設定値と該流体の流速との間の差である、請求項1に記載の方法。
  5. 加速または減速することは、前記質量流量制御器を通過する流体の流速の変化に応答して、かつ、数学的方程式に従って加速または減速することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記修正することは、前記閉ループ制御アルゴリズムと関連する少なくとも1つのフィルタを修正することを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記修正することは、フィードバックフィルタと関連する時定数を調整することによって、該フィードバックフィルタの速い応答時間をもたらすことを含み、該フィードバックフィルタは前記閉ループ制御アルゴリズムと関連する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記少なくとも1つのパラメータは、前記閉ループ制御アルゴリズムと関連するチューニングパラメータである、請求項1に記載の方法。
  9. 前記安定化することは、前記センサ指標または前記設定値指標のうちの前記少なくとも1つに基づいて、安定化することを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記閉ループ制御アルゴリズムは、比例積分微分制御または比例積分制御のうちの少なくとも1つに基づく、請求項1に記載の方法。
  11. 前記センサは、流量センサ、タイマ、圧力センサ、または温度センサのうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の方法。
  12. 質量流量制御器が処理容器への流体の流れを制御している一方で該質量流量制御器の応答時間を適応するための方法であって、該方法は、
    設定値指標を受け取ることであって、該設定値指標は、該流体の所望の流速を示している、ことと、
    センサによって生成されたセンサ指標を受け取ることであって、該センサ指標は、該容器に送達されている該流体の流速を示している、ことと、
    閉ループ制御アルゴリズムの応答時間を低速モードにバイアスすることと、
    該質量流量制御器が処理容器への流体の流れを制御している間、該センサ指標または該設定値指標のうちの少なくとも1つに基づいて、フィードバックフィルタを低速モードから高速モードに修正することであって、該フィードバックフィルタは閉ループ制御アルゴリズムと関連しており、該閉ループ制御アルゴリズムは、前記質量流量制御器と関連している、ことと、
    前記高速モードに修正されたフィードバックフィルタを該低速モードに戻すように徐々に修正することと、
    該フィードバックフィルタを該修正することに基づいて、該閉ループ制御アルゴリズムと関連するチューニングパラメータを変更することであって、該チューニングパラメータは、該フィードバックフィルタが修正されるときには、該閉ループ制御アルゴリズムを安定化するように変更される、ことと
    を包含する、方法。
  13. 前記センサ指標または前記設定値指標のうちの前記少なくとも1つに基づいて、適応ゲインを修正し、該適応ゲインは、前記質量流量制御器と関連する少なくとも1つの非線形的特性を補正するために、前記閉ループ制御アルゴリズムにおいて使用され、該適応ゲインを該修正することは、該質量流量制御器を通過する流体の流速の変化に応答し、かつ、数学的方程式に従って修正することを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記フィードバックフィルタを前記修正することは、該フィードバックフィルタと関連する時定数を調整することによって、該フィードバックフィルタと関連する応答時間を修正することを含む、請求項12に記載の方法。
  15. 前記閉ループ制御アルゴリズムは、比例積分微分制御または比例積分制御のうちの少なくとも1つに基づく、請求項12に記載の方法。
  16. 前記チューニングパラメータは、前記閉ループ制御アルゴリズムの積分制御部分と関連する、請求項12に記載の方法。
  17. 前記センサは、流量センサ、タイマ、圧力センサ、または温度センサのうちの少なくとも1つである、請求項12記載の方法。
  18. 前記フィードバックフィルタを前記修正することは、前記質量流量制御器を通過する流体の流速の変化に応答して、かつ、数学的方程式に従って修正することを含む、請求項12に記載の方法。
  19. 前記閉ループ制御アルゴリズムの応答時間は、前記フィードバックフィルタが高速モードにあるときと、該フィードバックフィルタが前記低速モードにあるときとで異なる、請求項12に記載の方法。
  20. 前記フィードバックフィルタを前記修正することは、前記センサ指標または前記設定値指標のうちの前記少なくとも1つと関連する少なくとも1つの閾値を参照して修正することを含む、請求項12に記載の方法。
  21. 前記フィードバックフィルタを前記徐々に修正することは、前記質量流量制御器を通過する流体の流速の変化に応答して、かつ、数学的方程式に従って、該フィードバックフィルタを徐々に修正することを含む、請求項12に記載の方法。
  22. 質量流量制御器であって、
    該質量流量制御器は、
    閉ループ制御アルゴリズムの応答時間を低速モードにバイアスし、処理容器に送達されている流体の流速を示すセンサによって生成されるセンサ指標、または該流体の所望の流速を示す設定値指標のうちの少なくとも1つに基づいて、少なくとも1つの閾値が満たされるときに該閉ループ制御アルゴリズムの応答時間を該低速モードから高速モードに一時的に修正するように構成されているプロセッサであって、該プロセッサは、該閉ループ制御アルゴリズムと関連するフィードバックフィルタと、該閉ループ制御アルゴリズムと関連するチューニングパラメータとを修正することによって、該閉ループ制御アルゴリズムの該応答時間を修正し、該プロセッサは、前記応答時間が高速モードに一時的に修正された閉ループ制御アルゴリズムを該低速モードに戻すように徐々に修正する、プロセッサと、
    該フィードバックフィルタと該チューニングパラメータとのうちの少なくとも1つと関連するパラメータを保存するように構成されたメモリであって、該プロセッサは、該メモリの該パラメータにアクセスする、メモリと
    を備える、質量流量制御器。
  23. 制御指標に応答して開閉するように構成された弁をさらに備え、該制御指標は、前記閉ループ制御アルゴリズムに基づいて前記プロセッサによって生成されている、請求項22に記載の質量流量制御器。
  24. 前記センサは、流量センサ、タイマ、圧力トランスデューサ、または温度センサのうちの少なくとも1つである、請求項22に記載の質量流量制御器。
  25. 前記少なくとも1つの閾値を保存するように構成されたメモリをさらに備え、前記プロセッサは、該メモリの該少なくとも1つの閾値にアクセスするように構成されている、請求項22に記載の質量流量制御器。
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